JP2008044136A - 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法 - Google Patents

光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008044136A
JP2008044136A JP2006219368A JP2006219368A JP2008044136A JP 2008044136 A JP2008044136 A JP 2008044136A JP 2006219368 A JP2006219368 A JP 2006219368A JP 2006219368 A JP2006219368 A JP 2006219368A JP 2008044136 A JP2008044136 A JP 2008044136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
sheet
resin
manufacturing
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006219368A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Rokusha
慎一 六車
Yoshio Abe
良夫 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2006219368A priority Critical patent/JP2008044136A/ja
Publication of JP2008044136A publication Critical patent/JP2008044136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチの光学シートを製造することができる光学シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光学シートの製造方法は、複数のレンチキュラーレンズと、複数の凸部とを有するレンチキュラーレンズシート161を製造する方法であって、ダイ11が溶融した樹脂16をレンズの金型が設けられた第1ロール12と凸部の金型が設けられた第2ロール13との間のロールギャップに送ると、第1ロール12と第2ロール13とが溶融した樹脂16を加圧する。そして、第1のロール12は溶融した樹脂16にレンズの形状を賦形するとともに、第2ロール13は溶融した樹脂16に凸部の形状を賦形しながら、溶融した樹脂をシート状に成形し、シート状の樹脂16を第2ロール13に接触させた状態で第1ロール12から離す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法に関する。
近年、リアプロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンは、一般に、2枚のフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシートが重ね合わせられた構成を有する。フレネルレンズシートは、三管式CRTエンジンからの映像光あるいは液晶などのピクセルエンジンを投下した映像光が一定の角度の範囲内に入るように絞り込む。レンチキュラーレンズシートは、フレネルレンズシートを透過した映像光を適度な角度の範囲に広げる。
図5に、従来のレンチキュラーレンズシートの一構成例が示されている。図5に示すように、従来のレンチキュラーレンズシート900は、光源側に配置される片面に複数のレンチキュラーレンズ901が配設された構造を有する。さらに、レンチキュラーレンズシート900の観察者側には、複数の凸部902が設けられ、凸部902上には透過した映像光を遮断する遮光部903が設けられている。また、従来のレンチキュラーレンズシート900では、複数の凸部902の間に複数の出射側レンズ904が設けられている。
従来から、このようなレンチキュラーレンズシートを製造するのに押出成形法が用いられている(例えば、特許文献1等参照)。図6の模式図に、押出成形法において用いられる押出成形装置の一例が示されている。図6に示された押出成形装置910は、両面を賦形しながら押出成形を行う。
具体的には、シート状の樹脂16は押出機のダイ11から吐出され、一対の第1ロール912(彫刻ロール)と第2ロール913(彫刻金属ロール)の間に送られる。送られた樹脂16は、これらの第1ロール912、第2ロール913の間隙において加圧されながら通過する。この加圧によって樹脂16は樹脂シートに成形される。このとき、樹脂シートの入射面(以後、HL面と呼ぶ)側にレンチキュラーレンズ、出射面(以後、BS面と呼ぶ)側の映像光が透過しない位置に凸部が成形される。その後、スクリーン印刷、ロール印刷等によりBS面の凸部に黒色インクが設けられ、レンチキュラーレンズシートが製造される。
このように、光学的な機能を持ったシートを押出成形法によって作製することができる。この製造方法では、金型ロールに設けられた逆パターン形状によって、光学的機能に必要な表面形状や平滑面が樹脂シートに転写される。このとき、一定で均一な賦形率で転写することが必要とされている。また、HL面のレンズとBS面の凸部との間で、高い精度の位置合わせが要求され、さらにはBS面の凸部には、一定厚みと幅の精度が高い黒色印刷が要求されている。
BS面の凸部に黒色インクを一定厚みで精度良く印刷するためには、BS面の凸部にスクリーン印刷やロール印刷を行うので、図5のように、塗布すべきBS面の凸頂部は平坦であることが必要とされる。一方、図6の押出装置において、樹脂16と第1ロール912の賦形ロール面との接触時間が短いため、レンズシート面に対する金型の凹凸形状の形状転写は必ずしも良好でない。具体的には、形状転写率は一般に、50%〜80%程度である。これに対して、樹脂16と第2ロール913の賦形ロール面との接触時間が長いため、シート面への転写率は100%に近く、レンズシート面に対する金型の凹凸形状の形状転写が非常に良好である。
従来、レンチキュラーレンズシートを押出成形法によって成形する場合には、BS面において印刷される凸部を金型に忠実に平坦に成形することが求められている。BS面との接触時間が短い第2ロール913によってBS面を成形すると、成形されたシートのBS面の凸部は平坦にはならず、山型の形状になり、精度良く印刷することができない。そのため、BS面は第2ロール913によって成形され、HL面は第1ロール912によって成形される。
特に、このような製造法によって、CRT用のリアプロジェクションテレビで用いられるレンチキュラーレンズシートを製造することができる。これは、レンズシートのレンズピッチが0.5mm〜0.8mmと大きいため、BS面の賦形精度がHL面のレンズの賦形精度に比べて重要であったからである。
近年、マイクロディスプレイ(以後、MDと呼ぶ)用のリアプロジェクションテレビで用いられるスクリーンでは、より微細なレンズピッチが求められている。具体的には、0.3mm以下、さらには0.15mm以下の微細なレンズピッチが望まれている。
従来の押出成形法では、レンズピッチが0.3mm以下、特には、0.15mm以下の微細なレンズピッチのレンチキュラーレンズシートを金型形状に忠実に賦形するのは困難である。特に、レンズピッチが0.3mm以下の場合には、相対的に個別のレンズサイズが小さいので、金型形状からシートへの賦形精度は益々高いものが要求される。この賦形性の困難に加え、BS面の凸部のピッチとHL面のレンズピッチ、すなわち光軸を合わせて押出し、さらには黒色印刷をむらなく印刷することは困難である。
一般に、図6に示された押出成形装置910では、押出機のダイ11の吐出口から240℃〜290℃の高温で溶融した熱可塑性樹脂(樹脂16)が吐出される。吐出された溶融樹脂は、設定温度50℃〜110℃として凹凸が彫刻された第1ロール912と第2ロール913に挟み込まれる。金型の彫刻形状を精度良く転写させるにはまず、各々のロール表面の凹凸に低粘度の溶融樹脂が充填されなくてはならない。ロールの設定温度が低すぎたり、溶融樹脂の供給速度が小さすぎたりした場合には、凹部に完全に充填されずに賦形はできなくなる。
次に、各々のロール金型は、冷却ロールとしても機能し、溶融樹脂が凹凸形状に沿って充填されると同時にその冷却を進行させる。下流における成形シート表面の凹凸形状は、ロール表面での冷却によって固定化されなければならない。もし、冷却が不充分で第1ロール912と第2ロール913から離れたところで、十分冷却されずに樹脂の温度がガラス転移温度もしくは熱変形温度に較べて高い温度であるとする。この場合には、一旦凹部に充填されたとしても樹脂は柔らかいまま金型から離れるので、賦形の戻りが起こって、転写は不充分になる。
このように、第1ロールと第2ロールに挟まれた溶融樹脂が、両面に精度良く転写されるためには、彫刻ロール表面への樹脂の充填が十分進むよう、冷却させすぎないことが必要である。一方、金型から離れたときに賦形した形状が戻りを生じないように金型への接触中に十分冷却させる必要がある。このように背反した要求事項のバランスをとることが重要である。
図6に示すように、第2ロール913への樹脂の接触時間は長いが、第1ロール912への接触時間は短い。通常、溶融樹脂の充填と冷却のバランスをとるために、例えばアクリル系樹脂の場合、第1ロール912は40℃〜80℃と比較的低温に、第2ロール913は80℃〜120℃と比較的高温に設定する。ここで、第1ロール912への接触時間が短いので、冷却が不充分となりやすい。そのため、型戻りを防止するために、第1ロール912の温度を低く設定する。
図6のような押出成形装置910では通常、第2ロール913のロール面の転写率は100%に近いが、第1ロール912のロール面においては50%〜80%程度である。従って、第1ロール912のロール面のロール型は転写率が低いことを予め見込んで、目標形状より深く彫刻した金型を用いることで対応している。
このように、押出成形法における賦形特性と、レンチキュラーレンズシートにおいてBS面の凸部に黒色印刷を行う必要性との両者が要求される。そのため、高い転写率が要求されたBS面を第2ロール913によって賦形し、転写率が低い第1ロール912によってHL面を賦形する。特に、レンズピッチが0.5mm以上と荒い場合には、このような押出成形法における賦形で十分光学的に均一なレンチキュラーレンズシートが製造可能であった。
従来と同じ方法を用いて、レンズピッチが0.3mm以下のより微細なレンチキュラーレンズシートを製造しようとすると、レンズ形状が不均一なレンズシートしか得ることができない。その結果、帯やスジと称する(これらを合わせて帯スジと総称する)光学的に不均一な欠点を有するレンズシートしか得られないという問題が発生した。
図7に、帯スジによる不均一欠点を説明するための模式図が示されている。図7(a)に、レンズ高さ45μmのレンチキュラーレンズシートにおける映像光線の通過の様子が示されている。このレンチキュラーレンズシートにおける金型の転写率は100%である。図7(b)に、このンチキュラーレンズシートにおける拡散角が示されている。図7(b)に示すように、図7(a)に示されたレンチキュラーレンズシートによる水平視野角は43°となる。
図8(a)に、レンズ高さ40μmのレンチキュラーレンズシートにおける映像光線の通過の様子が示されている。図8(a)のレンチキュラーレンズシートにおける金型の転写率は、図7(a)のレンチキュラーレンズシートよりも10%劣った90%である。図8(b)に、図8(a)に示されたレンチキュラーレンズシートにおける拡散角が示されている。図8(b)に示されたレンチキュラーレンズシートによる水平視野角は40°である。
一般に、レンズの転写率が場所によってムラがあると、水平視野角のムラが生じる。図7,8に示すように、特に水平視野40°付近で明暗のムラが顕著となる。特に微細ピッチになると単位面積当りのレンズ列数が増え、不均一さが一層目立つようになる。
このようなレンズの転写不良、特に隣り合うレンズの境界部分での転写不良を目立ちにくくするために、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献2等には、成形型のレンズ境界部分に、レンズピッチの10%以下の平坦部(以下、金型フラット部)を設ける技術が開示されている。このような金型によって成形されたレンズシートでは、この金型フラット部に対応した箇所に光線が入射すると、この入射光は、出射側の遮光部によって遮られやすい。そのため、光の利用効率が低下するという問題点を有している。
このように、帯スジによる不均一欠点が発生する原因は、HL側(入射側)の各レンチキュラーレンズのレンズ形状に極めてわずかな賦形むらが生じていることによることを発見した。これを解決することによって、光学的に均一な微細ピッチのレンチキュラーレンズシートを製造することができることを発見するに至った。
特開2002−36332号公報 特開平10−332904号公報
このように、従来のレンズシートの製造方法では、両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチのレンチキュラーレンズシートを製造することが困難であるという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチの光学シートを製造することができる光学シートの製造方法及びこれを用いた表示スクリーンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光学シートの製造方法は、第1のシート面に設けられた複数のレンズと、前記第1のシート面に対向する第2のシート面に設けられた複数の凸部とを有する光学シートを製造する方法であって、溶融した樹脂を第1ロールと第2ロールとの間のロールギャップに送るステップと、前記第1ロールと前記第2ロールとが前記ロールギャップにおいて前記溶融した樹脂を加圧し、溶融した樹脂をシート状に成形して当該光学シートを形成するステップと、前記シート状の樹脂を前記第2ロールに接触させた状態で前記第1ロールから離すステップとを備え、前記第1ロールは前記凸部の型を有し、前記第2ロールは前記レンズの型を有し、前記溶融した樹脂をシート状に成形するステップでは、前記第1のロールは前記シート状の樹脂に前記凸部の形状を賦形し、前記第2ロールは前記シート状の樹脂に前記レンズの形状を賦形するものである。
このような構成においては、樹脂との接触時間が短い第1ロールではなく、樹脂との接触時間が長い第2ロールによってレンズを賦形することができる。さらに、第1ロールと第2ロールとによって両面賦形することができる。それ故、両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチの光学シートを製造することができる。
好適には、前記レンズのレンズピッチは、0.3mm以下である。この場合には、レンズピッチが従来要求されたレンズピッチよりも小さい。このような微細なレンズピッチに対しても対応することができる。
さらに、本発明に係る光学シートの製造方法は、光を遮断する遮光性樹脂を印刷ロールに付着させるステップと、前記印刷ロールを前記光学シートの前記凸部に当接させることにより、当該凸部上に前記付着させた遮光性樹脂を付着させるステップとを、さらに備えたものである。
このような構成においては、印刷ロールに付着する遮光性樹脂の量によって凸上に付着させる遮光性樹脂の量を容易に調節することができる。これによって、遮光性樹脂の厚みを均一にすることができる。
好ましくは、前記複数の凸部は、曲面状の頂部と、当該頂部と前記第2のシート面とを連結する傾斜部とを有する。この場合には、頂部とともに傾斜部にも遮光性樹脂を付着させることができる。
また好適には、前記レンズは、レンチキュラーレンズであり、前記凸部は、前記レンチキュラーレンズの非集光領域に設けられる。
本発明に係る表示スクリーンの製造方法は、上記のような光学シートの製造方法を備えたものである。このような構成により、両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチの光学シートを表示スクリーンに適用することができる。
好適には、当該表示スクリーンが背面投射型スクリーンである。
本発明によれば、両面賦形によって光学的に均一で微細なレンズピッチの光学シートを製造することができる光学レンズシートの製造方法及びこれを用いた表示スクリーンの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、本発明に係る光学シートの好適な例としてレンチキュラーレンズシートを用いて説明するが、これに限られず、本発明は、一方のシート面にレンズ等の光学的構造体が設けられ、他方のシート面に凹凸が設けられた光学シートに適用することができる。
まず、図1を用いて、レンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。図1に示すように、レンチキュラーレンズシートの製造装置10は、ダイ11、第1ロール12、第2ロール13、第3ロール14、第4ロール15を備えている。
ダイ11は、押出機(図示せず)で溶融された樹脂16を吐出する吐出部材である。樹脂16のダイ11からの吐出温度は、230℃よりも高く、250℃以上290℃以下であることが望ましい。230℃より低いと、樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ、賦形ロールによる転写性が不十分になる場合がある。290℃より高いと、樹脂の熱分解が促進され、変色、メヤニと呼ばれる樹脂劣化物の増大などの問題を生じる場合がある。
第1ロール12は、BS面を賦形させる金型(成形型)が彫刻された金属製のタッチロールであり、溶融された樹脂16を第2ロール13に押え付ける。この第1ロール12の設定温度は、40℃〜80℃が望ましい。温度が低すぎると第1ロール表面の凹部に十分充填されず、高すぎると第1ロールから十分冷却されないまま離れるので、賦形の戻りが激しくなって、いずれも高精度の転写ができなくなる。
第2ロール13は、金属ロールで表面にレンチキュラーレンズのHL面の金型(成形型)が彫刻された賦形ロールである。この第2ロール13は、ダイ11から溶融されて吐出された樹脂16を冷却して固める主冷却ロールとして機能する。第2ロール13に形成された金型の成形パターンピッチは290μm以下、望ましくは200μm以下である。また、その金型の成形高さは、0μm以上120μm以下、望ましくは50μm以下である。
また、上記のような成形方法では、HL面の転写率は100%に近く、彫刻する際の金型の変形を抑制することができる。そのため、光学特性に悪影響を及ぼす金型フラット部が不要となる。これによって、レンチキュラーレンズシートの光学特性が劣化するのを防止することができる。従って、レンチキュラーレンズを成形する第2ロール13に形成された成形型は、実質的にレンチキュラーレンズの逆パターンだけの構成にすることができる。
第3ロール14、第4ロール15は、第2ロール13で冷却された樹脂16をシート状にして巻取り機に送るアニーリングロールである。第3ロール14、第4ロール15は、第2ロール13と同様に一般の金属ロールである。
また、樹脂16の材料は、熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー、またはこれらの共重合体等が挙げられる。また、樹脂16は、光拡散材、帯電防止材等の添加物を含んでもよいし、レンチキュラーレンズシート161が単層あるいは複層のいずれかとなるようにしてもよい。
レンチキュラーレンズシートとして特に好適に用いられる樹脂はMS樹脂であり、スチレンとメチルメタクリレートの共重合重量比率として、スチレンが35%〜80%のMS樹脂がレンチキュラーレンズシートとして湿度変化における吸湿による反り安定性や安価な樹脂である点で好ましい。
図1に示すように、ダイ11と、ロール12、13のニップ位置との間に、エアギャップが設けられている。このエアギャップの大きさと樹脂16のダイ11からの吐出温度により、樹脂16のニップ温度が決まる。エアギャップの大きさは、本実施の形態においては、一般には120mm以上であるのに対し、これよりも小さい110mm以下であることが望ましい。これにより、ロールタッチ時に、樹脂16をより速くロール12、13に到達させて樹脂16の樹脂温度が低下するのを防ぎ、樹脂16の樹脂温度を高く維持することができる。
第1ロール12と第2ロール13との間には、樹脂16が通過するロールギャップが設けられている。このロールギャップの大きさは、樹脂16から形成されるレンチキュラーレンズシート161の厚さに応じて設定され、例えば350μm以下とすることができ、望ましくは200μm以下である。
レンチキュラーレンズシート161の成形速度は、本実施の形態においては、8〜40m/分であることが望ましく、10〜25m/分であることがより望ましい。これにより、ロールタッチ時に、樹脂16の樹脂温度が低下するのを防ぎ、樹脂16の樹脂温度を高く維持することができる。
続いて、図1を用いて、製造装置10を用いたレンチキュラーレンズシート161の製造方法について説明する。
まず、ダイ11は溶融した樹脂16を吐出する。ダイ11から吐出された樹脂16は、エアギャップを通過して第1ロール12と第2ロール13とのニップ位置から、ロール12、13間に設けられたロールギャップに送られる。このロールギャップに送られた樹脂16は、第1ロール12と第2ロール13との間のロールギャップにおいて加圧する。
詳細には、樹脂16は、第1ロール12が第2ロール13を予め定められた押付け力で押し付けているため、第2ロール13に押し付けられる。このとき、第1ロール12にはBS面の凸部の金型が設けられ、第2ロール13にはHL面のレンチキュラーレンズの金型が設けられている。そのため、樹脂16にはHL面の凹凸(レンチキュラーレンズの凹凸)、BS面の凹凸(凸部の凹凸)が形成される。
樹脂16は、ロール12、13のロールギャップを通るとき、主冷却ロールとして機能する第2ロール13により冷却される。冷却された樹脂16は、レンチキュラーレンズの凹凸が形成されたシート状の樹脂としてロールギャップから取り出される。このとき、シート状の樹脂は、第2ロール13には接触しているのに対して、樹脂16を第2ロール13に押え付けた第1ロール12からは離れる。
その後、樹脂16は、アニーリングロールとして機能する第3ロール14、第4ロール15に送られ、レンチキュラーレンズシート161となって図示しない巻取り装置に送られて処理される。図1に示された製造装置10では、押出された直後に直ちに、レンチキュラーレンズシート161として印刷処理が行われている。印刷処理が行われた後でレンチキュラーレンズシート161となって図示しない巻取り装置に送られて処理される。
さらに続いて、レンチキュラーレンズシート161におけるBS面の賦形について詳細に説明する。
先に述べたように、第1ロール12によってBS面を賦形する場合には、BS面の賦形率が低い。そのため、第1ロール12のロール金型が矩形形状に彫刻されていても、BS面の凸部は平坦にはなりにくい。特に、レンズピッチが小さくなるに従ってその傾向が顕著になる。しかし、ロール印刷などの手段によって黒色インクを塗布する場合などにおいては、凸部が平坦であるより丸みをもった形状の方が、インク厚みが均一に塗布される場合がある。
ロール印刷の一例として、例えばロールナイフ印刷が挙げられる。図2に、この印刷法を行うロール印刷装置の一例が示されている。
図2に示されたロール印刷装置30は、いわゆるロールコーターであり、インク31は印刷ロール32とロールナイフ33と間に充填される。印刷ロール32上に付着するインク量は、印刷ロール32とロールナイフ33との距離によって計量される。印刷ロール32がレンチキュラーレンズシート161のBS面に接することにより、BS面の凸部上にインク31が付着する。その後、レンチキュラーレンズシート161は、印刷ロール32とバックアップロール34とに当接してこれらロール32,34の回転によって移送される。
図2に示すように印刷ロール32の回転方向とレンチキュラーレンズシート161の移動方向を同じにしてもよいし、逆方向にしてもよい。逆方向にすると、BS面の凸部の斜面により多くインクを付着させることができる。また、印刷ロール32の回転速度とレンチキュラーレンズシート161の移動速度を同じにしてもよいし、差をつけてもよい。これら速度に差をつけることにより、BS面の凸部の斜面に付着させるインクの量を調節することができる。
図3に、このようなロール印刷に適したBS面の凸部の形状が示されている。図3に示すように、レンチキュラーレンズシート161は、レンチキュラーレンズ41、凸部42、遮光部43を備える。
レンチキュラーレンズ41は、レンチキュラーレンズシート161の片面(HL面)に配設され、例えば断面C字状の凸状形状を有する複数のレンズから構成されている。このレンチキュラーレンズ41は、映像光の投射側に向かって凹凸するようにスクリーンに取付けられる。
凸部42は、レンチキュラーレンズ41のレンズ面と反対側の平坦面(BS面)に複数並設され、映像光が通過しない非集光領域に配置されている。また、各凸部42の頂部と傾斜部の一部とに、光を遮断する遮光部43が形成されている。
より具体的には、凸部42の頂部近傍は曲面状の形状であり、その頂部近傍が曲率を有する形状である。凸部42の頂部近傍は、その傾斜部(斜面)に滑らかに連結されている。凸部42の頂部の断面形状は、均一な賦形が可能になることから、略円形の一部であるのが特に好ましい。この場合には、凸部42の頂部における曲率半径が1mm以下であることが好ましい。
さらに、BS面の凸部42の最下部とシート主面とのなす角度θ1が45°以上であり、この凸部42の頂部とシート主面とのなす角度θ2より大きい。さらにまた、凸部42の最下部とシート主面とのなす角度が60°以上90°未満であることがより好ましい。
凸部42の頂点からシート厚み方向に10μm離れた位置における凸部42の幅は、凸部42の最下部の幅に対し、80%以下であることがさらにより好ましい。一例として、凸部42の頂点からシート厚み方向に10μm離れた位置における凸部42の幅を150μm以下にするのが好ましい。これによって、凸部42の頂部だけでなく、斜面の一部を含む凸部42にインクを均一な厚みで塗布できる。
以上のように、本願発明に係る製造方法では、100%に近い高賦形率の第2ロール13を用いてHL面のレンズ形状を100%の転写率で転写することができる。それ故、HL面におけるレンズそれぞれの賦形むらを極少とすることができ、帯スジによる不均一欠点が目立たない光学的均一性を実現することができる。これによって、押出成形法を用いた両面賦型によって、レンズが微細で均一性の高いレンチキュラーレンズシートを製造することができる。特に、レンズピッチが0.3mm以下の微細なレンズピッチのレンチキュラーレンズシートが製造することができる。
さらに、この製造方法では、安価にレンチキュラーレンズシートを製造することができる。さらにまた、BS面の凸部42を上記のような各種特定の形状とすることにより、より確実に均一な賦形を実現することができ、インクを均一な厚みで塗布することができる。
従来の押出成形法を用いた製造方法では、HL面のレンズピッチが0.5mm以上と荒いため、BS面の凸部に対して一定厚みと幅の精度が高い黒色印刷が要求されるとしても、HL面のレンズに対しては高い転写精度が求められなかった。そのため、本発明に係る製造方法のようにロール12,13を用いて転写することはありえず、むしろ従来であれば好ましくない構成であった。さらに、HL面のレンズピッチが0.5mm以上と粗く、HL面のレンズの転写精度が低くても光学的な均一性は十分であった。それ故、従来であれば上記のような帯スジによる不均一欠点が目立つという本発明が解決しようとする課題が発生することなく、この課題はレンズピッチが0.3mm以下となった近年における特有の課題である。従って、上記のような本発明に係る製造方法が奏する効果は格別な効果である。
本発明に係るレンチキュラーレンズシートの製造方法に関する実施例について図4を用いて説明する。図4に、本実施例のレンチキュラーレンズシート161の一例が示されている。
本実施例のレンチキュラーレンズ41のピッチは0.15mmとした。
本実施例における押出成形法では、ゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を温度250℃でダイ11から吐出し、エアギャップ80mm・成形速度10m/分で、第1ロール12をBS面の成形ロール、第2ロール13をHL面のレンズ成形ロールとした。さらに、第1ロール12の温度を40℃、第2ロール13の温度を50℃、第3ロール14の温度を60℃とした。また、第1ロール12、第2ロール13、第3ロール14を金属ロールとした。その結果、HL面のレンズ形状を賦形率98%で転写した均一なシートを得た。
凸部42の形状は、頂部が略円形であり、凸部42の最下部を含む一部が直線状の斜面である。凸部42の最下部とシート平面とのなす角度は85°とした。凸部42の最下部の幅は、レンズピッチの70%である。凸部42の頂部の最小曲率半径は、0.063mmであり、凸部42の頂点から10μmにおける幅は68μmであった。その後、図2に示されたロールコーター(ロール印刷装置30)を使用して、略円形状の凸部42全面に紫外線硬化性黒インクを塗布した。
本実施例では、レンズの賦形ムラに起因する外観欠点が目立たず、出射側に遮光部が均一に設けられたレンチキュラーレンズシートを得ることができた。
本発明に係るレンチキュラーレンズシートの製造装置を示す概略模式図である。 本発明に係るレンチキュラーレンズシートの遮光部の製造装置を示す概略模式図である。 本発明に係るレンチキュラーレンズシートの一例を示す概略断面図である。 本実施例におけるレンチキュラーレンズシートを示す概略断面図である。 従来のレンチキュラーレンズシートの一例を示す概略断面図である。 従来のレンチキュラーレンズシートの製造装置を示す概略模式図である。 従来のレンチキュラーレンズシートにおける転写率と視野角を説明する図である。 従来のレンチキュラーレンズシートにおける転写率と視野角を説明する図である。
符号の説明
10...製造装置、11...ダイ、12...第1ロール、13...第2ロール、
14...第3ロール、15...第4ロール、16...樹脂、
30...ロール印刷装置、31...インク、32...印刷ロール、33...ロールナイフ、
34...バックアップロール
161...レンチキュラーレンズシート
41...レンチキュラーレンズ、42...凸部、43...遮光部
900...レンチキュラーレンズシート、901...レンチキュラーレンズ、
902...凸部、903...遮光部、904...出射側レンズ
910...押出成形装置、912...第1ロール、913...第2ロール

Claims (7)

  1. 第1のシート面に設けられた複数のレンズと、前記第1のシート面に対向する第2のシート面に設けられた複数の凸部とを有する光学シートを製造する方法であって、
    溶融した樹脂を第1ロールと第2ロールとの間のロールギャップに送るステップと、
    前記第1ロールと前記第2ロールとが前記ロールギャップにおいて前記溶融した樹脂を加圧し、溶融した樹脂をシート状に成形して当該光学シートを形成するステップと、
    前記シート状の樹脂を前記第2ロールに接触させた状態で前記第1ロールから離すステップとを備え、
    前記第1ロールは前記凸部の型を有し、前記第2ロールは前記レンズの型を有し、
    前記溶融した樹脂をシート状に成形するステップでは、前記第1のロールは前記シート状の樹脂に前記凸部の形状を賦形し、前記第2ロールは前記シート状の樹脂に前記レンズの形状を賦形する光学シートの製造方法。
  2. 前記レンズのレンズピッチは、0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学シートの製造方法。
  3. 光を遮断する遮光性樹脂を印刷ロールに付着させるステップと、
    前記印刷ロールを前記光学シートの前記凸部に当接させることにより、当該凸部上に前記付着させた遮光性樹脂を付着させるステップとを、さらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シートの製造方法。
  4. 前記複数の凸部は、曲面状の頂部と、当該頂部と前記第2のシート面とを連結する傾斜部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学シートの製造方法。
  5. 前記レンズは、レンチキュラーレンズであり、
    前記凸部は、前記レンチキュラーレンズの非集光領域に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光学シートの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学シートの製造方法を備えた表示スクリーンの製造方法。
  7. 当該表示スクリーンが背面投射型スクリーンであることを特徴とする請求項6に記載の表示スクリーンの製造方法。
JP2006219368A 2006-08-11 2006-08-11 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法 Pending JP2008044136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006219368A JP2008044136A (ja) 2006-08-11 2006-08-11 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006219368A JP2008044136A (ja) 2006-08-11 2006-08-11 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008044136A true JP2008044136A (ja) 2008-02-28

Family

ID=39178341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006219368A Pending JP2008044136A (ja) 2006-08-11 2006-08-11 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008044136A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014182160A (ja) * 2013-03-17 2014-09-29 Global Wave Inc 立体画像表示装置、立体画像表示光学素子および立体画像表示光学素子製造金型
WO2021062156A1 (en) * 2019-09-27 2021-04-01 Flex-N-Gate Advanced Productdevelopment, Llc Double-sided optical sheets
CN114786903A (zh) * 2020-01-29 2022-07-22 日本瑞翁株式会社 成型片、成型片的制造方法、以及光学元件的制造方法
CN115113416A (zh) * 2022-07-22 2022-09-27 吉林省钜鸿智能技术有限公司 一种户外裸眼3d显示屏

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014182160A (ja) * 2013-03-17 2014-09-29 Global Wave Inc 立体画像表示装置、立体画像表示光学素子および立体画像表示光学素子製造金型
WO2021062156A1 (en) * 2019-09-27 2021-04-01 Flex-N-Gate Advanced Productdevelopment, Llc Double-sided optical sheets
US11624492B2 (en) 2019-09-27 2023-04-11 Flex-N-Gate Advanced Product Development, Llc Double-sided optical sheets
CN114786903A (zh) * 2020-01-29 2022-07-22 日本瑞翁株式会社 成型片、成型片的制造方法、以及光学元件的制造方法
CN115113416A (zh) * 2022-07-22 2022-09-27 吉林省钜鸿智能技术有限公司 一种户外裸眼3d显示屏
CN115113416B (zh) * 2022-07-22 2023-08-25 吉林省钜鸿智能技术有限公司 一种户外裸眼3d显示屏

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7919021B2 (en) Method for producing optical sheet
TW201202768A (en) Double sided light guide plate manufactured with patterned rollers
KR0160492B1 (ko) 투과형 스크린 및 그 제조방법
JP2009075266A (ja) 光学シート
JP2008044136A (ja) 光学シートの製造方法及び表示スクリーンの製造方法
JP2006130901A (ja) 表面に微細な凸形状を有するポリカーボネート樹脂シートの製造方法および表面に微細な凸形状を有するポリカーボネート樹脂シート
JP2009172794A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP5648075B2 (ja) 形状転写樹脂シートの製造方法及び樹脂シート
JP4574192B2 (ja) 光学シートの製造方法及び光学シート並びにレンチキュラーレンズシートの製造方法
US6798572B2 (en) Transmission screen sheet and transmission screen comprising the same
TWM505616U (zh) 3d顯示層及3d顯示結構
JPH08201603A (ja) フィルム状レンズシート及びその製造方法
JP2012030590A (ja) 表面形状転写樹脂シートの製造方法
KR20150078700A (ko) 압출 인각 방식에 의한 거대 패턴이 형성된 도광판의 제조방법
JP2005066953A (ja) レンチキュラーレンズシートの製造方法及びレンチキュラーレンズシート
KR101582373B1 (ko) 도광판의 제조방법, 이로부터 제조된 도광판 및 이를 포함하는 액정표시장치
JP3759938B2 (ja) 透過型スクリーン用シートおよびそれを用いた透過型スクリーン
JP2006218648A (ja) 透過型スクリーンの製造方法及び製造装置
JPH04233531A (ja) 投写スクリーンの製造方法
JP2008292636A (ja) 光学シート
JP2009003061A (ja) レンチキュラーレンズシート
JP2013076726A (ja) 光学部材の製造方法、及び、光学部材
JP2006221018A (ja) 光学シートの製造方法、並びに光学シートの製造装置及び光学シート
WO2012102274A1 (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2000079636A (ja) 微細加工方法及び装置