JPH06201704A - Hdlコレステロールに関する全血アッセイの改良型試験具および方法 - Google Patents

Hdlコレステロールに関する全血アッセイの改良型試験具および方法

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JPH06201704A
JPH06201704A JP5255837A JP25583793A JPH06201704A JP H06201704 A JPH06201704 A JP H06201704A JP 5255837 A JP5255837 A JP 5255837A JP 25583793 A JP25583793 A JP 25583793A JP H06201704 A JPH06201704 A JP H06201704A
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plasma
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density lipoprotein
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Mary B Kozak
メリー・ベス・コザク
Andrea Badke
アンドレア・バドク
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 希釈されていない全血試料から、細胞性成
分、低密度リポタンパク質および超低密度リポタンパク
質を実質的に含まない血清または血漿を分離し、該血清
または血漿中に存在する高密度リポタンパク質の予め決
められた成分に関して該血清または血漿を試験するため
の方法および試験具。 【効果】 本発明の試験具および方法は、迅速、安全、
経済的で、信頼性・再現性の高い、高密度リポタンパク
質の予め決められた成分の検出・測定を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、a)全血の細胞性成分
を血漿または血清から分離し、b)血漿または血清から
低密度リポタンパク質(LDL)分画および超低密度リ
ポタンパク質(VLDL)分画を分離し、そしてc)次
いで高密度リポタンパク質(HDL)分画に存在する、
コレステロールのような予め決められた成分に関して血
漿または血清をアッセイする、改良型試験具および方法
に関する。より詳しくは、本発明は、全血の細胞性成分
を血漿または血清から分離し、保持する第一のゾーン
と、血漿または血清からLDL画分およびVLDL画分
を分離する第二のゾーンとを含む分離域を有する試験具
を用いて、全血試料から細胞性成分、LDL画分および
VLDL画分を分離する、改良された方法に関する。分
離域を出る希釈されていない血漿または血清は、次いで
該血漿または血清をコレステロールに関してアッセイす
るのに必要な試薬を含有する試験域に移動する。希釈さ
れていない血漿または血清が試験域に接触した後、試験
域を色変化のような応答に関して調べ、血漿または血清
中に存在するHDLコレステロールに関して定量的アッ
セイを提供する。ひとつの態様においては、試験具は乾
相試験ストリップであり、ここでは、1つ以上のフィル
ターパッドを含む分離域が試験パッドを含む試験域と接
している。試験パッドの表面を応答に関して調べる。別
の態様においては、分離域は試験域とフルイドコミュニ
ケーションの状態(液体が流通する状態)にあり、細胞
を含まず、LDLを含まず、かつVLDLを含まない血
漿または血清が、分離域から試験域へ、例えば毛細管作
用を通じて移動し、試験試料中のコレステロールに関し
てHDL画分がアッセイされることになる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現
在、予め決められた可溶性成分の存在または欠如に関し
て体液を簡便・迅速に分析するために、多数の試験具が
利用可能である。例えば、尿中のグルコール、尿酸また
はタンパク質の検出;および血中のグルコース、トリグ
リセリド類、カリウムイオンまたはコレステロールの検
出のための試験が利用可能である。歴史的には、予め決
められた可溶性成分に関する全血試料のアッセイは、設
計が最も難しいものである。
【0003】全血の細胞性成分、特に赤血球は、全血の
可溶性成分に関するアッセイにおいて主要な干渉物質で
ある。最も簡便な血液試験は色原性であり、全血の予め
決められた可溶性成分は特定の試薬と相互作用して、該
成分の存在または欠如の定性的指標として特有の色の化
合物を形成するか、または該成分の存在の定量的指標と
して変化する色強度の有色化合物を形成する。全血試料
の深赤色はこれらの色原性試験に干渉し、そのため通常
は、血液試料を予め決められた可溶性成分に関してアッ
セイする前に、高度に有色の赤血球を血漿または血清か
ら分離する。
【0004】赤血球の存在はまた、種々の非色原性血液
アッセイにも干渉することができ、それによりアッセイ
結果は一貫性がなくなるか、または一貫性があっても不
正確である。さらに、白血球を含むその他の細胞性成分
も、標準的な色原性血液アッセイにおいて干渉し得る。
そのため、全血の予め決められた可溶性成分に関して信
頼できるアッセイを達成するためには、予め決められた
可溶性成分に関して全血試料を分析する前に、全血の細
胞性成分から血清または血漿を分離することが必須であ
る。
【0005】興味のある予め決められた可溶性成分がコ
レステロールである場合、アッセイはさらに面倒にな
る。全ての細胞は成長にコレステロールを必要とする
が、細胞によるコレステロールの過剰な蓄積は、動脈硬
化症(atherosclerosis) を含む種々の疾患を引き起こし
得る。そのため、総血清コレステロール量が動脈硬化症
の発病と相関され得るので、コレステロールは重要な分
析対象物である。したがって、血清または血漿中のコレ
ステロールに関するアッセイは、臨床検査室において最
も頻繁に実施される試験のひとつである。
【0006】コレステロールおよびコレステロールエス
テルは水不溶性物質であり、そのため、最終的に細胞に
よって利用されるために、循環系においてはリポタンパ
ク質によって担持されている。リポタンパク質は複合粒
子であって、変化する量のタンパク質、リン脂質、コレ
ステロールおよびトリグリセリド類を含有する。血清中
のリポタンパク質はその密度によって分類される。これ
らの密度に基づくクラスとしては、超低密度リポタンパ
ク質(VLDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、
および高密度リポタンパク質(HDL)が挙げられる。
これらのリポタンパク質のクラスの各々は、変化する量
のコレステロールを担持する。そして、総血清コレステ
ロールアッセイは、血清の総リポタンパク質濃度に各リ
ポタンパク質クラスが寄与する量の複合平均である。
【0007】特異的なリポタンパク質クラスであるLD
L画分が細胞中のコレステロールの蓄積の原因であり、
動脈硬化症を含む心臓病の進行により密接に関連してい
ることは、よく知られている。したがって、血中のLD
L画分の増加したレベルを早期に検出することは非常に
重要である。これに対して、HDL画分は、細胞から過
剰なコレステロールを除去することにおいて重要である
ことが示されている。したがって、動脈硬化症とHDL
コレステロールレベルとの間には、ネガティブな相関が
存在する。そのうえ、動脈硬化症と血中のLDLコレス
テロールレベルとの間の相関は、動脈硬化症と総血清コ
レステロールレベルとの間の同様の相関より高い。
【0008】高密度リポタンパク質(HDL)は、HD
Lコレステロールと心臓梗塞のリスクとの間の逆の関係
により、広範な研究の焦点であった。結果として、血中
のHDLコレステロールレベルが低ければ、個体は心臓
梗塞の増加したリスクを有する。したがって、個体の動
脈硬化症のリスクはHDLコレステロールに関するアッ
セイによって概算することができる。HDLコレステロ
ールアッセイは、次いで、以下の式から強度に動脈硬化
症誘発性のLDLコレステロールのおよその量を算出す
るのに用いられる:
【0009】LDLコレステロール=総コレステロール
−1/5総トリグリセリド類−HDLコレステロール
【0010】HDL画分中のコレステロール含量を決め
るためには、その他のリポタンパク質分画を試験試料か
ら除去しなければならない。リポタンパク質画分を分離
するために、4つの一般的方法が開発された。しかしな
がら、各々の方法に不利な点がある。例えば、超遠心法
は一般的な方法であるが、この方法は特別な装置、敏感
な操作技術および数日にわたり得る長い分離時間を必要
とするため、ルーチンの実験室アッセイには不適当であ
る。結果として、超遠心法は医学研究実験室に限られて
きた。
【0011】別の方法においては、ヘパリンナトリウム
または硫酸デキストランのようなポリ陰イオン、および
カルシウム、マンガンまたはマグネシウムのような二価
陽イオンを用いる分画沈殿反応によって、LDL含量を
測定する。この方法においては、ポリ陰イオンの濃度を
増やすことによって、リポタンパク質分画をVLDL、
LDL、次いでHDLの順に沈殿させる。しかしなが
ら、この方法は2つの操作工程を必要とする。なぜな
ら、最初にVLDL画分を第一の沈殿工程で分離し、次
いでポリ陰イオンの濃度を増加させることによりLDL
画分を沈殿させるからである。したがって、この方法は
実用的ではなく、自動化しにくい。
【0012】第三の方法においては、LDLコレステロ
ールをフリーデワルド式(Friedewald formula)から決
定する。試料のトリグリセリドおよび総コレステロール
濃度(HDLコレステロール含量を含む)を、試験試料
からVLDL画分およびLDL画分を沈殿させることに
より測定する。LDLコレステロールの量を、次いでフ
リーデワルド式から算出する。この方法もまた手間がか
かり、実用的でない。第4の方法は、電気泳動的分離お
よびポリ陰イオン沈殿法であって、時間がかかり、LD
Lコレステロール濃度を測定するために電気泳動装置と
デンシトメーターを必要とする。したがって、上記の4
つの方法のどれひとつとしてHDLコレステロールのル
ーチンアッセイに好適ではない。
【0013】HDL画分中のコレステロール量に関する
全血試料のアッセイにおいては、全血の細胞性成分なら
びに血漿または血清のLDL画分およびVLDL画分
を、全血試料から分離する。従来的には、遠心分離によ
って全血の細胞性物質から血漿または血清を分離する。
細胞性物質は遠心管の底に集まり、上清の血漿または血
清をデカンテーションする。したがって、実質的なバッ
クグラウンド干渉が回避されるように、全血の干渉性の
細胞性成分が充分に除去される。上清の血漿または血清
を、次いで血漿または血清からLDL画分およびVLD
L画分を分離する上記の方法のいずれかに供する。
【0014】遠心分離法は、しかしながら通常約0.1
ml〜約5mlの比較的多い血液試料を必要とし、そして約
5〜10分の長い遠心時間を必要とするという主要な欠
点を有する。さらに、遠心分離法はいくつかの操作工程
を必要とする。結果として、実験者は、潜在的に感染性
の血液試料と接触し得るか、または比較的多い血液試料
で汚染された実験室装置と接触し得る。そして疾患と接
触する。
【0015】全体として、上記の分離技術の全ては、多
数の血液試料をアッセイする大きな実験室や、病院のよ
うにアッセイ結果を何分かで必要としない機関に最も適
している。しかしながら、多くの小さい実験室や個人の
医療オフィスは、現場に遠心機、超遠心機、またはその
ような他の血漿もしくは血清分離機を有していない。し
たがって、簡便な色原性試験を現場で迅速・安全・容易
に実施することができず、全血試料は効率的で安全な分
離およびアッセイのために外部の実験室へ送られる。結
果として、アッセイ結果は、何分かではなく、何時間か
または何日かで入手される。
【0016】したがって、研究者らは、血漿または血清
中の可溶性成分のアイデンティティおよび濃度が変化し
ないように、全血の干渉性の細胞性成分の実質的に全て
を、速く、安全に、容易に血漿または血清から分離する
試験具および方法を、模索し続けてきた。そのうえ、コ
レステロールアッセイについては、医師が今日の総血清
コレステロールアッセイによって提供される推定よりも
良い潜在的心臓血管のリスクの推定を被験者に提供でき
るように、血漿または血清からLDL画分およびVLD
L画分を分離する、簡便で安価な試験具および方法に対
する必要性もまた存在する。研究者らは、血漿または血
清から干渉性の細胞性成分ならびにLDL画分およびV
LDL画分を分離するいくつかの試験具および方法を提
供してきた。しかしながら、それぞれの方法および試験
具は、血漿または血清のHDL画分中に存在するコレス
テロールに関して全血試料をアッセイすることにおい
て、その方法または試験具を不正確、面倒または非実用
的なものにするような、少なくとも1つの欠点を有して
いた。
【0017】遠心分離以外の方法が、少量の全血試料の
細胞性成分を血清または血漿から分離するのに用いられ
てきた。簡便な方法のうちのひとつは、Adams et al.に
よって米国特許第3,092,465号において開示さ
れたものであり、これは、色原性試験試薬で含浸し、半
透明のバリアでコートされた、吸水性または吸湿性のマ
トリックスを用いた。半透明バリアは、全血試料の細胞
性成分を遮断し、小さい可溶性成分およびイオンの通過
を許して、吸水性マトリックスに包含されている色原性
試験試薬と接触させる。陽性試験の場合には、実質的に
無色の血漿または血清は、色原性試験試薬と相互作用し
て吸水性マトリックス内に色を生成する。この色は、半
透明バリアに保持されている細胞性物質を、試験具から
すすぎ落とすか拭きとることによって観察される。しか
しながら、すすぎや拭きとり技術は面倒で手間がかか
り、半透明バリアから赤血球が完全に拭き取られるかす
すぎ落とされていなければ、アッセイ干渉が起こり得
る。その上、実験者が潜在的に感染性の血液試料と接触
する可能性は高い。Mastは、米国特許第3,298,7
89号において同様の試験具を開示した。ここでは、エ
チルセルロースのフィルムが半透明バリアとして用いら
れている。Sodickson は、米国特許第4,059,40
5号において、限外ろ過膜を用いて、血漿または血清か
らの細胞性成分の分離を達成した。
【0018】Fetterの米国特許第3,552,925号
および第3,552,928号は、可溶性成分に関して
全血試料をアッセイするための別の方法および試験具を
開示した。Fetterは、第一の領域が非揮発性の無機塩ま
たはアミノ酸で含浸され、隣接するマトリックスの第二
の領域が試験試薬で含浸されている吸水性マトリックス
を有する試験具を記載した。全血試料は、無機塩または
アミノ酸を含有する吸水性マトリックスの第一の領域と
最初に接触するように、吸水性マトリックス上に導入さ
れる。この塩またはアミノ酸は血液の細胞性成分を沈殿
させ、血漿または血清は、次いで、試験試薬と色原性相
互作用するために、試験試薬が含浸された吸水性マトリ
ックスの第二の領域へ移動する。
【0019】全血の細胞性成分を血漿または血清から分
離する別の従来法は、Vogel et al.の米国特許第4,4
77,575号に開示された。ここには、一定の平均直
径および密度を有するグラスファイバーの層を用いて全
血から血漿または血清を分離する方法および組成物が記
載された。しかしながら、分離され得る血漿または血清
の量は、最大でグラスファイバーの吸収容量の50%、
好ましくは30%未満に限られている。そうでなけれ
ば、全血は効果的にグラスファイバー層をつまらせてし
まう。したがって、この方法は全血容量に対して高い比
率の疎水性グラスファイバーを必要とする。
【0020】他の従来法においては、予め決められた可
溶性血漿もしくは血清成分に関してアッセイする前に、
全血を希釈する。全血の希釈は、余分な操作工程を必要
とし、血液試料の誤った希釈によるアッセイ誤差の可能
性を導入するので、厄介である。実験者が潜在的に感染
性の血液試料と接触する可能性もまた増加する。例え
ば、ドイツ特許公報DE−OS 34 41 149号
は、アッセイを実施する前に、血漿または血清を希釈す
るために希釈液でくり返しすすいだレクチン含浸マトリ
ックスに全血を通過させることによって、全血から血漿
または血清を分離する方法を開示した。レクチンまたは
重合アミノ酸を、全血試料から細胞性物質を分離するた
めに用いることは、ヨーロッパ特許出願第843076
33.2号にも開示されている。
【0021】少量の全血試料を分離し、アッセイするた
めの方法および試験具を開発するに当たって、第一に考
慮することは、アッセイを実施する実験者の習熟の度合
いである。比較的熟練していない人員にルーチンのアッ
セイを行わせ、正確な定量的結果を得ることが、しばし
ば望ましい。したがって、アッセイ方法は、操作工程が
最小限であり、干渉や汚染の可能性がなく、実験者が物
理的に血液試料と接触する可能性が最小限または皆無で
あり、容易に測定値を与えるものであることが重要であ
る。例えば、いくつかの可能な操作工程の中で、実際の
アッセイの前の、全血、血漿または血清の希釈は、アッ
セイ誤差や実験者の血液試料との接触が最も起こり易い
工程を導入する。別の一般的な操作誤差は、全血の血漿
または血清から細胞性成分を分離するために細胞不透性
膜を用いる試験具の表面から、全血の細胞性成分を不完
全に拭き取ったり、すすぎ落としたりすることである。
【0022】したがって、少容量の全血を効率的に分離
し、正確にアッセイするための方法および試験具に対す
る必要性が存在する。その方法は、好ましくは、1)血
漿または血清から細胞性成分を分離し、次いで2)アッ
セイの前に血漿または血清から特定の成分を分離する、
別々の操作工程を回避する。さらに、希釈誤差を避ける
ためには、その方法は、好ましくは希釈されていない血
漿または血清のアッセイを可能にする。また、実験者を
血液試料との接触から保護し;現行の方法の時間的遅れ
を回避し;血液試料のヘマトクリット値に依存せず;正
確で再現性のある結果を生み出す、血液分離および血液
アッセイ法を提供することが望ましい。
【0023】理想的な方法としては、例えば針で刺した
一滴のような「非侵襲性」量の全血試料を採取し、直ち
に、希釈されていないその全血試料を試験具に与えるこ
と、そしてその試験具が希釈されていない血漿または血
清から細胞性成分を分離し;望ましくない、または干渉
性の成分を血漿または血清から分離し;次いでLDL画
分やVLDL画分のような望ましくない成分を含まず、
希釈されていないその血漿または血清を、HDLコレス
テロールのような予め決めれられた可溶性成分の存在ま
たは濃度に関して、数分以内にアッセイするものである
ことが挙げられる。あるいは、そうでなければ、試験具
を新鮮な刺し傷に接触させ、その傷から新鮮な希釈され
ていない血液試料を分析のために採取させることもでき
る。このような分離およびアッセイの方法および試験具
は、医療従事者が全血分析をよりルーチンに、より信頼
できる土壌で実施することを可能にする。
【0024】結果として、研究者らは、全血の細胞性成
分を分離し、集め、保持する要素を含む試験具を開発す
る試みを続けてきた。このような試みの例は、Vogel et
al.の米国特許第4,477,575号;Rothe et al.
の米国特許第4,604,265号;Kennedy et al.の
PCT/US86/02192出願;Rapkin et al.の
米国特許第4,678,757号;Terminiello et al.
の米国特許第4,774,192号;Stone の米国特許
第3,607,093号;Figuerasの米国特許第4,1
44,306号;およびPierce et al. の米国特許第
4,258,001号に開示されている。
【0025】上記の特許(出願)の各々が、血漿または
血清から全血の細胞性成分を分離することに向けられて
いる。しかしながら、結果として生じる血漿または血清
は、HDL画分、LDL画分およびVLDL画分を含有
する。したがって、全血試料中のHDLコレステロール
の量を正確に測定するためには、LDL画分およびVL
DL画分から血清または血漿中のHDL画分を分離する
ことが、なお必要である。ある研究者らは、この第二の
分離を、例えばLDL画分およびVLDL画分中のコレ
ステロールの合計と総コレステロール濃度との差から、
血漿または血清中のHDLコレステロールを間接的にア
ッセイすることによって、あるいは同様の間接法によっ
て回避しようとした。
【0026】例えば、Ziegenhorn et al. は、米国特許
第4,544,630号において、LDL画分が、HD
L画分より実質的に速く、酵素試薬と相互作用する条件
下での直接酵素的測定によって、HDL画分の存在下で
LDL画分中のコレステロールに関してアッセイする方
法を開示している。Sears は、米国特許第4,126,
416号および4,190,628号において、LDL
画分を植物レクチンで凝集させて他の画分からLDLコ
レステロールを分離し、次いで凝集したLDL画分中の
コレステロールの量を検出することによる、血漿中のL
DLコレステロールに関する方法およびアッセイキット
を開示している。Sears は、LDL画分中のコレステロ
ールをアッセイし得ること、あるいは、そうでなければ
HDL画分およびVLDL画分を含む上清液中のコレス
テロールをアッセイし得ること、するとLDLコレステ
ロール濃度を間接的に測定し得ることを開示している。
【0027】ドイツ特許公報DE−OS 31 17
455号は、LDL画分およびVLDL画分を沈殿させ
るためにホスホタングステン酸およびマグネシウムイオ
ンを含む沈殿試薬を開示している。次いで、上清液のH
DL画分中のコレステロールを測定し得る。試験試料中
の総コレステロール濃度がわかっていれば、HDLコレ
ステロールアッセイは、LDLコレステロールに関して
アッセイする間接的な方法に用いられる。上記の参考文
献のどれひとつとして、試験試料が全血であり、かつ別
個の沈殿、遠心分離または希釈工程なしにHDLコレス
テロールに関してアッセイするために、全血の細胞性成
分を最初に全血試料から分離し、続いてHDL画分から
LDL画分およびVLDL画分を分離する方法または試
験具を、教示または示唆していない。本明細書において
後により詳しく明らかにするように、本発明は、実験者
を潜在的に感染性の試験試料にさらしたり、アッセイ誤
差につながるような時間のかかる操作工程なしに、少量
の全血試料をアッセイする方法および試験具を提供す
る。
【0028】McGowan は、米国特許第5,118,61
3号において、全血試料を用いるHDLリポタンパク質
成分の測定を開示している。最初に、全血試料をエチレ
ンジアミン四酢酸のような化合物で抗凝固処理する。L
DL画分およびVLDL画分を、次いで抗凝固処理した
全血から、マグネシウムイオンおよび硫酸デキストラン
によって沈殿させる。LDL画分、VLDL画分および
細胞性成分を遠心分離によって溶液から分離し、実質的
に全てのHDL画分を含有する上清溶液をコレステロー
ルのようなHDL成分に関してアッセイする。この方法
は、時間がかかり、潜在的に感染性の操作工程である遠
心分離を含む。
【0029】他の研究者らは、操作的な希釈工程および
遠心分離工程を除いた血液アッセイ用試験具を開示し
た。例えば、Kondo et al.は、米国特許第4,256,
693号において、コレステロールのような種々の血清
成分に関してアッセイするための多層試験具を開示して
いる。Kondo et al.の試験具は、全血の細胞性成分を除
去するためのフィルター層を含む。フィルター層は、少
なくとも1つの小さい開口を有する防水層の上に位置し
ている。フィルター層を出ていく血漿または血清は、防
水層の小さい開口を通過し、まず拡散層に接触し、次い
で試験域に接触する。目的の分析対象物は、次いで試験
域に含有されている試薬と相互作用し、検出可能な応答
が試験具の底を通して観察される。Kondo et al.の試験
具は、全てのリポタンパク質画分がフィルター層を出て
最終的に試験域を飽和するので、HDLコレステロール
を測定することができない。したがって、Kondo et al.
の試験具によって、総コレステロールのみがアッセイさ
れる。その上、本明細書において後により詳しく明らか
にするように、Kondo et al.の試験具は、本発明の重要
な特徴である毛細管を含まない。
【0030】Blatt et al.は、米国特許第4,761,
381号において、反応室(reaction chamber)への液
体試料を測るために毛細管チャンネルを含む容量計測試
験具を開示している。Blatt et al.の試験具において
は、試験試料はろ過されない。したがって、全血のアッ
セイにおいては、不均一な発色および高ヘマトクリット
領域でのヘマトクリット干渉のため、コレステロールに
関する色原性アッセイでは細胞性物質の干渉を受ける。
さらに、リポタンパク質画分が分離されず、それにより
HDLコレステロールに関する全血試料のアッセイが除
外される。
【0031】Hillman et al.は、米国特許第4,75
3,776号において、フィルターと、フィルターから
反応域へ出ていく血漿または血清を流れさせるための毛
細管チャンネルとを含む血液分離試験具を開示してい
る。Hillman et al.は、血漿または血清からさらにVL
DL画分およびLDL画分を分離してHDLコレステロ
ールをアッセイする方法および試験具を提供すること
を、教示または示唆していない。
【0032】ヨーロッパ特許出願第168,093号
は、LDL画分のための結合剤(binder)を開示する。
結合剤は、硫化ポリビニルアルコールを水不溶性基材に
架橋したものである。このヨーロッパ特許出願は、しか
し、HDLコレステロールに関してアッセイする方法に
おいて、血漿または血清から全血の細胞性成分を分離
し、続いてリポタンパク質画分を分離することを教示し
ていない。Kerscher et al. の米国特許第4,746,
605号は、HDL画分を試験試料から沈殿させ、続い
て上清液をLDL画分に関してアッセイすることを教示
している。これに対して、本発明の方法および試験具
は、まず細胞性成分を分離し、次いでLDL画分および
VLDL画分を血漿または血清から分離した後に、HD
Lコレステロールに関して血漿または血清をアッセイす
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】したがって、上記の方法
および試験具に存在する欠点のため、全血から細胞性成
分を分離して、実質的に細胞を含まず、変化しておら
ず、希釈されていない血漿または血清を提供する、そし
て、HDLコレステロールのような予め決められた分析
対象物に関して血漿または血清をアッセイする前に、血
漿または血清の望ましくない干渉性成分を分離する、簡
便で効果的な方法が必要であることは明らかである。し
たがって、本発明の方法は、血漿または血清から全血試
料の細胞性成分を分離し保持する第一のゾーンと、血漿
または血清からLDL画分およびVLDL画分を分離す
る第二のゾーンとを含む分離域を有する試験具を用いる
ことによって、HDLコレステロールに関する安全で正
確で経済的な全血試料のアッセイを可能にする。第二の
ゾーンは、HDLコレステロールに関するアッセイのた
めに必要な試薬を包含する試験域と密接に接触している
か、またはそれとフルイドコミュニケーションの状態に
ある。血漿または血清は、希釈されていない形態で分離
域を出て、次いで試験域へ移動する。試験域では、HD
Lコレステロールとアッセイ試薬との相互作用が、色遷
移のような検出可能な応答を生じる。この応答は、高度
に有色の細胞性成分による干渉、およびLDL画分およ
びVLDL画分に存在するコレステロールによる干渉を
受けない。
【0034】本発明の方法および試験具は、試験試料を
遠心分離または希釈する長々とした高価で余分な操作工
程を行うことなく、HDLコレステロールに関して全血
をアッセイすることを可能にする。試験パッドを飽和す
る血漿または血清は、実質的に細胞性物質、VLDL画
分およびLDL画分を含まず、かつ変化しておらず、希
釈されていないので、それによりHDLコレステロール
に関する正確で信頼に値するアッセイを可能にする。本
発明の方法および試験具は、また、ヘマトクリット感受
性;試験具から細胞性成分をすすぎ落としたり拭き取る
ことによる技術感受性;および細胞成分の廃棄といった
欠点を除く。
【0035】本発明のひとつの態様によれば、全血試料
が分離域を通過して試験域を飽和した後に、実質的にV
LDL画分およびLDL画分を含まず希釈されてない血
漿または血清で飽和された試験パッドを、次いで標準的
な乾相化学(ドライケミストリー)試験ストリップ手順
によって、HDLコレステロールに対する応答に関して
調べる。好ましい態様においては、分離域は試験具から
除去されず、分離域と接触していない試験パッドの表面
が、例えば透明支持体を通した検査によって、応答に関
して調べられる。
【0036】本発明の別の態様によれば、分離域と試験
域は密接に接触していないが、毛細管によってフルイド
コミュニケーションの状態にある。この態様において
は、実質的に細胞を含まず、LDLを含まず、かつVL
DLを含まない血漿または血清は、試験具の分離域から
毛細管を通って、試験試料中のHDLコレステロールの
アッセイのために試験具の試験域へ移動する。分離域
は、全血試料の細胞性成分を除去するための第一のゾー
ンと、血漿または血清からVLDL画分およびLDL画
分を除去するための第二のゾーンとを含む。
【0037】本発明の別の重要な特徴によれば、試験具
は、実験者と全血試料との接触を除外する。血液試料
は、過剰な血液試料が試験具の外表面に留まらないよう
な仕方で分離域に吸収される。その上、実験者は、応答
に関する試験具の検査の前に、試験具から細胞性成分を
すすぎ落としたり拭き取ったりする必要がない。結果と
して、試験具は、実験者と潜在的に感染性の血液試料と
の接触の可能性を排除する。
【0038】本発明の結果として、HDLコレステロー
ルに関する血漿または血清のアッセイは、正確で信頼性
があるものとなる。なぜなら、高度に有色の細胞性成分
ならびにLDL画分およびVLDL画分による干渉が実
質的に排除されるからである。従来の方法および試験具
は、遠心分離によって血液試料から細胞性成分を分離す
ること、ならびに血液試料からLDL画分およびVLD
L画分を沈殿および遠心分離することに依っていた。次
いで、血清または血漿を、時間がかかり、試料と試薬の
操作を必要とする湿式化学(ウェットケミストリー)手
順によってHDLコレステロールに関してアッセイし
た。本明細書中において後により詳しく明らかにするよ
うに、本発明の試験具は、固体または液体相のHDLコ
レステロールに関して全血試料をアッセイする、速くて
正確で経済的な方法を提供し、それにより試料の希釈、
試薬および血清の操作および実験者と血液試料との接触
が排除される。
【0039】本発明において用いる分離域は、場合によ
り比較的少量の分離試薬組成物、例えばレクチンのよう
なアグルチニン;トロンビンまたはトロンビン様化合物
のような凝固剤;あるいはそれらの組合せを包含してい
てもよいフィルターパッドまたはフィルターパッドの一
部分を含む第一の分離ゾーンを用いることにより、全血
試料から細胞性成分を効果的に分離する。分離域の第一
のゾーンに場合により包含される分離試薬組成物は、血
清または血漿中のリポタンパク質画分の濃度に影響しな
い。
【0040】分離域は、マグネシウムイオンのような多
価金属イオンおよび硫酸デキストランのような沈殿化合
物を含む沈殿試薬組成物をその中に包含する、フィルタ
ーパッドまたはフィルターパッドの一部分を含む第二の
分離ゾーンを用いることにより、血清または血漿からL
DL画分およびVLDL画分を効果的に分離する。した
がって、HDL画分を含む、希釈されておらず、細胞を
含まない血清または血漿は、次いでHDLコレステロー
ルのアッセイのために試験域に移動する。さらに、血清
または血漿は試験域全体に均等に分配され、試験具の試
験域全域に均一なアッセイ応答を提供する。
【0041】本発明の重要な特徴によれば、本方法およ
び試験具は、湿相の沈殿および遠心分離工程を排除し;
実験者による試験試料の取扱いを排除し;試験試料の希
釈および同様の操作的工程を排除し;少容量の血液試料
を用い;そして血液試料間のヘマトクリット差に関する
修正を排除するHDLコレステロールアッセイを提供す
る。結果として、本発明の試験具は、より経済的であ
り;全血試料から実質的に全ての細胞性成分ならびにV
LDL画分およびLDL画分を分離し;そして速く、よ
り一貫性のある、より再現性の高いHDLコレステロー
ルアッセイを提供する。
【0042】手短かに言えば、本発明は、付加的な操作
工程なしに、全血試料から細胞性成分ならびにLDL画
分およびVLDL画分を分離し、次いで希釈されていな
い血清または血漿をHDLコレステロールアッセイする
試験具および方法に向けられている。本発明の方法およ
び試験具によって血清または血漿から全血の細胞性成分
ならびにLDL画分およびVLDL画分を分離すること
は、HDLコレステロールの正確なアッセイのための希
釈されていない血清または血漿を提供する。分離方法お
よびアッセイ試験具は、血清または血漿に汚染物を導入
せず、血清または血漿の組成に悪影響を与えない。
【0043】本発明の重要な特徴によれば、試験具は、
血清または血漿から全血の細胞性成分ならびにLDL画
分およびVLDL画分を分離する分離域を有する。ひと
つの態様においては、分離域は、HDLコレステロール
に関して希釈されていない血清または血漿をアッセイす
る試験パッドと密接に接触している。別の態様において
は、試験具の分離域は、毛細管によって試験域とフルイ
ドコミュニケーションの状態にある。分離域は、全血試
料から細胞性成分を分離する第一のゾーンと、血清また
は血漿から可溶性のLDL画分およびVLDL画分を分
離する第二のゾーンとを含む。
【0044】分離域は、好ましくは1つ以上のフィルタ
ーパッドを含む。本発明のひとつの態様においては、分
離域の第一のゾーンは、血清または血漿からの細胞性血
液成分の分離を助けるために、場合により分離試薬組成
物をその中に包含していてもよい好適な担体マトリック
スを含むフィルターパッドである。本発明によれば、第
一の分離ゾーンのフィルターパッドは、全血試料から細
胞性成分を効果的に分離し、それにより血清または血漿
中のHDLコレステロールに関する色原性アッセイに対
する細胞性成分の干渉を除外する。
【0045】希釈されておらず変化してない形態の血清
または血漿は、HDL画分を血清または血漿から分離せ
ずに、血清または血漿から効果的にLDL画分およびV
LDL画分を分離するフィルターパッドを含む第二の分
離ゾーンへと、第一の分離ゾーンから移動する。HDL
画分を含有する血清または血漿は、次いで試験域へ移動
し、試験域に包含されている試薬組成物によって、HD
Lコレステロールに関してアッセイされる。本方法およ
び試験具は、実験者の、潜在的に感染性の血液試料との
接触をも実質的に除外する。代替的な態様においては、
分離域は、単一のフィルターパッドを含んでおり、該フ
ィルターパッドの一部分が第一の分離ゾーンを含み、該
フィルターパッドの第二の部分が第二の分離ゾーンを含
んでいる。
【0046】本発明のひとつの態様においては、試験具
の分離域と試験域とは密接に接触しており、分離域の第
二のゾーンを出ていく血清または血漿が、直接、試験域
へと移動するようになっている。試験域は、HDLコレ
ステロールアッセイに必要な試薬類を含有し、次いで応
答が監視される。別の態様においては、分離域と試験域
は、毛細管によってフルイドコミュニケーションの状態
にある。分離域では、細胞性成分、VLDL画分および
LDL画分が試験試料から分離される。希釈されていな
い血清または血漿は、次いで毛細管を通って試験具の試
験域へと移動する。血清または血漿は試験域に集めら
れ、HDLコレステロールのアッセイに必要な試薬類と
の相互作用が可能になる。必要な試薬は、血清または血
漿が集められる前または後に、試験域に導入することが
できる。試験具の試験域は、次いで応答に関して検査さ
れ、血液試料のHDLコレステロール濃度が測定され
る。
【0047】本発明は、技術依存性、例えば沈殿および
遠心分離、操作工程をアッセイから排除し、また、正し
い容量の血清または血漿が試験具の試験域と接触するこ
とを確かにする。さらに、実験者の、潜在的に感染性の
血液試料との接触を、実質的に除外するので、HDLコ
レステロールに関する代替的なアッセイ法が企図され
る。ここでは、集められた血清または血漿を、ピペット
などを用いて試験具から採取し、次いで公知の乾相また
は湿相診断技術によってHDLコレステロールに関して
アッセイする。
【0048】本発明の方法は、まず全血試料を試験具と
接触させることを含む。この試験具は:(a)全血の細
胞性成分を分離する第一のゾーンと、血液から可溶性L
DL画分およびVLDL画分を分離する第二のゾーンと
を含む分離域、ならびに(b)HDLコレステロールに
関してアッセイするための試薬組成物を包含する試験域
を含む。本明細書中において、そしてこれ以降の本明細
書中において用いられる「試薬組成物」という表現は、
HDLコレステロールとの接触に際し、検出可能な相互
作用を起こす化学物質または化学物質の混合物と定義さ
れる。
【0049】全血試料は、当初、分離域の第一のゾーン
と接触する。第一の分離域は、担体マトリックスまたは
担体マトリックスの一部分を含み、場合により全血試料
からの細胞性成分の分離を助けるための試薬を含んでい
てもよい。全血試料は第一の分離ゾーンを通って浸透
し、そこで全血の赤血球ならびに他の細胞性成分および
粒状成分が、担体マトリックスおよび場合により含まれ
る分離試薬組成物の作用を通じて血清または血漿から分
離される。希釈されておらず、変化していない血清また
は血漿は、第一のゾーンを通って浸透し続け、第一のゾ
ーンと接している第二のゾーンと接触する。
【0050】第二の分離ゾーンは、担体マトリックスま
たは担体マトリックスの一部分を含んでおり、血清また
は血漿からLDL画分およびVLDL画分を効果的に分
離するが、血清または血漿中のHDL画分の濃度を実質
的に変えない沈殿試薬組成物を包含する。血清または血
漿は、第二の分離ゾーンを通って浸透し続け、第二のゾ
ーンと接触しているか、または試験具の試験域に血清ま
たは血漿を送達するために例えば毛細管を通して第二の
ゾーンとフルイドコミュニケーションの状態にある試験
域と接触する。場合によっては、第三のゾーンが試験具
の分離域に含まれている。第三のゾーンは、担体マトリ
ックスまたは担体マトリックスの一部分を含み、試薬で
処理されていない。第三のゾーンは、血清または血漿か
ら細胞性成分、LDL画分およびVLDL画分の最後の
痕跡を除去するのに役立つ。
【0051】目的とするアッセイは、試験具の試験域で
実施される。希釈されていない血清または血漿は、指示
試薬組成物と相互作用して、試験域に色変化のような検
出可能な、好ましくは測定可能な変化を生じ、HDLコ
レステロールの存在を示すか、またはHDLコレステロ
ールの定量的測定を可能にする。試験域は、次いで試験
試料中に存在するHDLコレステロールに対する定性的
または定量的応答に関して、視覚によりまたは機器によ
り検査される。結果として、実験者誤差や、実験者と潜
在的に感染性の血液試料との接触につながり得る操作的
工程なしに、血液試料から干渉性の細胞性成分ならびに
VLDL画分およびLDL画分を効果的に分離する、簡
便で安価な試験具を用いてHDLコレステロールのアッ
セイが達成される。
【0052】したがって、本発明は、(a)希釈されて
いない全血の血清または血漿から細胞性成分を迅速に効
果的に分離し、(b)該血清または血漿からLDL画分
およびVLDL画分を分離し、そして(c)次いで該血
清または血漿をHDLコレステロールに関してアッセイ
するための方法および試験具に分けられている。より詳
しくは、そして本発明の重要な特徴によれば、分離域の
少なくとも2つのゾーンが、全血から細胞性成分ならび
にLDL画分およびVLDL画分を分離するために、そ
してHDL画分を含有する血清または血漿が分離域と接
しているかまたは毛細管で接続されている試験域へ移動
するのを可能にするために、配置されている。試験域が
血清または血漿で飽和された後、血清または血漿は試薬
組成物と相互作用し、次いで試験域がHDLコレステロ
ールに対する応答に関して検査される。したがって、定
性的または定量的全血の細胞性成分ならびにLDL画分
およびVLDL画分によるアッセイ干渉が排除され、そ
のためより正確でより信頼し得るHDLコレステロール
に関する血清または血漿アッセイが達成される。
【0053】本発明の重要な特徴によれば、第一の分離
ゾーンと第二の分離ゾーンとを含む分離域を有する試験
具と、全血試料とが接触する。第一のゾーンは、好適な
担体マトリックスを含んでおり、全血試料からの細胞性
成分の分離を助けるために、その中に場合により包含さ
れるのは、レクチンのようなアグルチニン;トロンビン
またはトロンビン様化合物のような凝固剤;あるいはそ
れらの混合物を含む細胞分離試薬組成物である。本発明
の充分な利点を達成するためには、全血試料は、レクチ
ンを含む分離試薬組成物を包含する好適な担体マトリッ
クスからなる第一の分離ゾーンと接触する。第一のゾー
ンは、血清または血漿から全血の細胞性成分を分離し、
血清または血漿に干渉性のイオンや分子を添加したり、
あるいは血清または血漿から可溶性成分を除去しない。
【0054】血清または血漿は、次いで分離域の第二の
ゾーンへ移動する。第二の分離ゾーンは、多価金属イオ
ン、好ましくは二価金属イオンと沈殿化合物とを含む沈
殿試薬組成物をその中に包含する好適なマトリックスか
らなり、血清または血漿から可溶性LDL画分およびV
LDL画分を分離する。本発明の充分な利点を達成する
ためには、血清または血漿は、多価金属イオンとしてマ
グネシウム、および沈殿化合物として硫酸デキストラン
を含む沈殿試薬組成物を包含する好適な担体マトリック
スからなる第二の分離ゾーンと接触する。第二のゾーン
は、血清または血漿からLDL画分およびVLDL画分
を分離し、血清または血漿に干渉性のイオンや分子を添
加したり、あるいは血清または血漿からHDL画分を除
去しない。
【0055】本発明の別の重要な特徴によれば、HDL
画分を含有する血清または血漿は、試験具の試験域と接
触し、当業界で公知の診断アッセイ試薬によってHDL
コレステロールに関してアッセイされる。試験域は、試
験具の分離域と密接に接触していてもよく、あるいは毛
細管によって分離域とフルイドコミュニケーションの状
態にあってもよい。分離域と試験域とが密接に接してい
る場合、試験具は経済的な試験ストリップに成形されて
いることができる。試験ストリップは、血中のHDLコ
レステロールレベルを迅速に正確に測定するために、医
療従事者によってまたは家庭の個人によって使用され得
る。
【0056】したがって、本発明の重要な側面は、少量
の全血試料の血清または血漿から細胞性成分ならびにL
DL画分およびVLDL画分を速く効果的に分離し、次
いで血清または血漿をHDLコレステロールに関してア
ッセイするための方法および試験具を提供することであ
る。本発明の方法および試験具は、付加的な操作的工程
なしに血清または血漿をHDLコレステロールに関して
アッセイし得るように、血清または血漿からの全血の細
胞性成分ならびにLDL画分およびVLDL画分の迅速
で容易で効果的な分離を可能にする。したがって、希釈
されておらず変化していない血清または血漿のHDLコ
レステロールに関するアッセイにおいて、全血の細胞性
成分ならびにLDL画分およびVLDL画分による干渉
が排除される。さらに、アッセイは血液試料中のヘマト
クリット量に依存しない。したがって、ヘマトクリット
差に関するアッセイの修正が排除される。
【0057】本発明の新規で改良された試験具は、HD
Lコレステロールに関して少容量の全血試料を定性的に
または定量的にアッセイすることができ、全血試料の細
胞性成分ならびに可溶性LDLおよびVLDL画分によ
るアッセイ干渉を実質的に排除する。HDLコレステロ
ールに関して希釈されていない全血試料をアッセイする
ための試験具は、(a)全血の細胞性成分を除去する第
一のゾーンと、血清または血漿からLDL画分およびV
LDL画分を除去する第二のゾーンとを含む分離域;な
らびに(b)分離域と密接に接触するかまたはフルイド
コミュニケーションの状態にあって、指示試薬組成物を
包含し、HDLコレステロールに関して血清または血漿
をアッセイするための試験域を含む。
【0058】1つの態様においては、試験具の試験域
は、血清または血漿中のHDLコレステロールと相互作
用する試薬組成物を均一に包含し得る基材物質を含む。
この態様においては、分離域の第二のゾーンは、試験パ
ッドと密接に接触しており、そして多価金属イオンと沈
殿化合物とを含み、血清または血漿からLDL画分およ
びVLDL画分と相互作用して分離する、沈殿試薬組成
物をその中に包含する好適な担体マトリックスを含む。
分離域の第一のゾーンは、第二のゾーンと密接に接触し
ており、そして場合によりレクチン、トロンビンまたは
トロンビン様化合物を含み、血清または血漿から全血試
料の細胞性成分と相互作用してその分離を助ける、分離
試薬組成物をその中に包含していてもよい好適な担体マ
トリックスを含む。したがって、分離域と試験域は、H
DLコレステロールに関してアッセイするための乾相試
験ストリップを提供するために多層型配列(アレイ)に
成形され得る。
【0059】別の態様においては、試験域は、毛細管に
より分離域とフルイドコミュニケーションの状態にあ
る。HDL画分を含有する血清または血漿は、分離域を
出て、毛細管により試験域に導入される。血清または血
漿は、後のアッセイのために試験域に集められることも
でき、あるいは直ちにアッセイされ得る。全血中のHD
Lコレステロールの存在または濃度に関してアッセイす
る新規で改良された試験具および方法は、訓練されてい
ない個人によって家庭で実施され得る。なぜなら、この
アッセイは、迅速で再現性がよく、少容量の血液を必要
とし、血液試料のヘマトクリット濃度に依存せず、それ
によりヘマトクリット差に関してアッセイ結果を修正す
る必要を排除するためである。
【0060】本発明の上記およびその他の側面、利点お
よび新規な特徴は、以下の本発明の好ましい態様の詳細
な記載と、それと共に載せられている以下の図によって
明らかになるであろう。
【0061】図1は、本発明の試験具の透視図であり、
ここでは、血清または血漿から全血の細胞性成分を分離
し、かつHDL画分からVLDL画分およびLDL画分
を分離するための分離域と、HDLコレステロールに関
して血清または血漿をアッセイするための試験パッドと
が、毛細管で連結されている;
【0062】図2は、本発明の試験具の別の態様の透視
図であり、ここでは分離域と試験域とが毛細管で連結さ
れている;
【0063】図3は、本発明の試験具のさらに別の態様
の透視図であり、ここでは、分離域は、HDLコレステ
ロールに関するアッセイのための血清または血漿を集め
る毛細管の上に位置している;
【0064】図4は、本発明の試験ストリップ状試験具
の端面図であり、第一の血液分離フィルターパッド、第
二のVLDL画分およびLDL画分分離用フィルターパ
ッド、場合により存在する第三のフィルターパッドおよ
びHDLコレステロールに関してアッセイするための試
験パッドの層状形態を示す;
【0065】図5〜図8は、血清中およびろ過していな
い血清中に存在するリポタンパク質画分を示すプロット
であり、ここでは、VLDL画分およびLDL画分は、
沈殿または本発明の試験具のどちらかによって分離され
ている。
【0066】本発明の方法によれば、全血試料の細胞性
成分は、最初に血清または血漿から分離され;次いで、
LDL画分およびVLDL画分が、希釈されておらず、
変化していない血清または血漿から分離され;次に、さ
らなる操作的工程なしに、血清または血漿がHDLコレ
ステロールに関してアッセイされる。本発明の方法およ
び試験具によれば、少量の血液試料、通常針で刺して得
られる量が、細胞性成分ならびにVLDL画分およびL
DL画分の分離を達成し、血清または血漿をHDLコレ
ステロールに関してアッセイするために充分に大量であ
る。これに対して、全血から細胞性成分を分離する遠心
分離法、および血清または血漿からLDL画分およびV
LDL画分を分離する超遠心法においては、ミリリット
ルサイズの血液試料が必要とされる。さらに、本発明の
方法および試験具は、実験者誤差や実験者と潜在的に感
染性の全血試料との接触を起こし得る、希釈のような操
作的工程を排除する。
【0067】驚くべきことに、そして予期せぬことに、
本発明の試験具は、高度に有色で干渉性の赤血球ならび
にVLDL画分およびLDL画分を、血清または血漿か
ら実質的に完全に分離し、次いで、沈殿、遠心分離、デ
カンテーションまたは希釈のような、時間がかかり、潜
在的に健康を害する付加的な操作工程なしに、数分以内
にHDLコレステロールに関して血清または血漿をアッ
セイする。本発明の方法は、簡便で安価な試験具を用い
て、約65%以下のヘマトクリットを含有する少量の試
料、例えば20μl の全血について、迅速で信頼できる
アッセイを提供する。全体として、本発明の方法および
試験具は、アッセイの数が比較的少なく、しかしそれに
もかかわらず正確な結果が短い時間内に必要とされるよ
うな、家庭や、小さい実験室および個人の医療オフィス
でのルーチンの血液アッセイに理想的に適している。
【0068】以下の本発明の詳細な記載から明らかにな
るように、本発明の方法および試験具は、全血の種々の
可溶性成分の存在または濃度を測定するための色原性応
答を利用するアッセイに特に適している。したがって、
色原性応答の正確で信頼できる検出および測定を達成す
るためには、全血試料から高度に有色の赤血球を除去す
ることが、第一に重要である。さらに、HDLコレステ
ロールのアッセイにおいては、実質的に細胞を含まない
血清または血漿から干渉性のLDL画分およびVLDL
画分を除去することも、また重要である。
【0069】血清または血漿から全血の細胞性成分を、
そして血清または血漿からLDL画分およびVLDL画
分を分離する、いかなる方法または試験具も、迅速に効
率的に細胞、LDL画分およびVLDL画分の分離を達
成し;HDL画分ではなく、細胞性成分、LDL画分お
よびVLDL画分のみを除去し;干渉性イオンまたは分
子による血清または血漿の汚染を回避し;赤血球が破裂
して高度に有色の成分を血清または血漿に放出する溶血
を排除するべきである。血液試料の潜在的に感染性の性
質のため、方法および試験具はまた、人間と血液試料と
の接触を最小限にするか、排除すべきである。
【0070】本発明の重要な特徴によれば、全血試料
を、フィルターパッドのような好適な担体マトリックス
を含む第一のゾーンを有する分離域と接触させ、それを
通って浸透させることにより、全血の細胞性成分が、実
質的に無色の血清または血漿から効果的に分離される。
担体マトリックスは、場合により分離試薬組成物を含有
する。該分離試薬組成物は、レクチンのようなアグルチ
ニン;またはトロンビンもしくはトロンビン様化合物の
ような凝固剤;あるいはそれらの混合物を含む。分離試
薬組成物は、全血試料から高度に有色の細胞性成分を除
去し、可溶性成分の簡便で正確な測定にかけられる淡黄
色の血清または血漿を生じる、担体マトリックスの固有
の能力を強化する。
【0071】希釈されておらず、変化してない淡黄色の
血清または血漿は、次いで分離域の第二のゾーンに向け
られる。第二の分離ゾーンは、血清または血漿からLD
L画分およびVLDL画分を除去するためにその中に包
含された沈殿試薬組成物を有する、フィルターパッドの
ような好適な担体マトリックスを含む。血清または血漿
は第二の分離ゾーンと接触し、それを通って浸透し、そ
して、1)多価金属イオン、好ましくはマグネシウムイ
オンのような二価金属イオン、および2)沈殿化合物、
例えば硫酸デキストランを含む沈殿試薬組成物が、血清
または血漿からVLDL画分およびLDL画分を除去す
るが、しかし血清または血漿からHDL画分を除去しな
い。場合によっては、分離域の処理されていない第三の
ゾーンが、第二のゾーンを出ていく血清または血漿を受
け取るように位置する。第三のゾーンは、血清または血
漿から細胞性成分ならびにLDL画分およびVLDL画
分の最後の痕跡を除去する。
【0072】分離域の最後のゾーン、すなわち第二また
は第三のゾーンは、試験具の試験域と密接に接触してい
てもよく、あるいは毛細管によるなどして試験具の試験
域とフルイドコミュニケーションの状態であることもで
きる。最後のゾーンが試験域と密接に接している場合、
試験域は一般に試験パッドを含む。したがって、ひとつ
の態様においては、全血が第一の分離ゾーンを通って浸
透するにつれて、細胞性成分は全血試料から分離され
て、第一のゾーンに集められ、保持される。変化してい
ない血清または血漿は、次いで第二の分離ゾーンに進行
してそれを飽和する。第二の分離ゾーンは、第一のゾー
ンと層状接触の状態にあって、血清または血漿からLD
L画分およびVLDL画分を除去する。HDL画分を含
有する血清または血漿は、次いで第二の分離ゾーンと層
状接触の状態にある試験パッド、あるいは存在すれば第
三の分離ゾーンに進行してそれを飽和する。試験パッド
は、HDLコレステロールと相互作用して検出可能また
は測定可能な応答を与える試薬組成物をその中に包含す
る好適な基材物質を含む。試験パッドが血清または血漿
によって飽和された後、血清または血漿中に存在するH
DLコレステロールに対する、例えば色原性応答のよう
な応答に関して、視覚的にまたは機器により試験パッド
を検査する。
【0073】別の態様においては、試験域は第二のゾー
ンもしくは場合により存在する第三のゾーンと接触して
おらず、しかし毛細管によって試験具の分離域とフルイ
ドコミュニケーションの状態にある。この態様において
は、HDL画分を含有する血清または血漿は、分離域を
出て毛細管に入る。毛細管は、血清または血漿を集め、
次いで該血清または血漿を試験具の試験域へ送達し、そ
こで血清または血漿は集められてHDLコレステロール
に関してアッセイされる。試験域はHDLコレステロー
ルに関してアッセイするための試薬組成物を含有しても
よく、あるいは試薬組成物を、HDLコレステロールに
関してアッセイするために、集められた血清または血漿
に後に添加してもよい。
【0074】一般に、本発明の分離域の第一のゾーン
は、全血試料の細胞性成分をろ過する固有の能力を有す
る担体マトリックスを含む。好ましくは、該担体マトリ
ックス、例えばフィルターパッドは、全血試料から実質
的に全ての細胞性成分をろ過する固有の能力を有する。
担体マトリックスは、通常、血清または血漿から全血の
細胞性成分を分離することができる親水性で吸収性のマ
トリックスであり、全血試料からの細胞性成分の実質的
に完全な分離を容易にするために場合により用いられる
分離試薬組成物を包含し得る。分離された細胞性成分を
集めて保持することに加えて、担体マトリックスは、血
清または血漿が第一の分離ゾーンを実質的に妨害され
ず、変化せずに通過して、分離域の第二のゾーンに接触
することを可能にする。
【0075】第一のゾーンの担体マトリックスはまた、
赤血球の効率的な分離を可能にするのに充分な速度で、
かつ比較的速く血液アッセイを行うのに充分迅速に、血
液試料が第一のゾーンを浸透することを可能にするべき
である。その上、担体マトリックスは、溶血を促進した
り、血清または血漿による担体マトリックスの成分の抽
出によって血清または血漿を汚染したり、化学的もしく
は物理的相互作用によって血清または血漿成分を除去し
たり、あるいは希釈されていない血清または血漿を、後
のHDLコレステロールアッセイが結論的でないか、不
正確なまたは疑わしいものになるような形で認め得るほ
ど変化させたりしてはならない。
【0076】好ましくは、分離域の第一のゾーンは、上
記の特性を有する親水性担体マトリックスと、分離試薬
組成物とを含む。担体マトリックスは、血液が毛細管力
に応じて第一のゾーンを通って移動することを可能にす
る。細胞性成分は、分離試薬組成物と担体マトリックス
によって血清または血漿から分離され、第一のフィルタ
ーパッドに保持される。実質的に変化していない血清ま
たは血漿は、次いで第一のゾーンを通って進行し続け、
第一のゾーンに接している第二の分離ゾーンに接触し、
それを飽和する。
【0077】担体マトリックスは、実質的に細胞を含ま
ない淡黄色の血清または血漿のみが、第一のゾーンを通
って、HDLコレステロールの分析のための試験域に最
終的に接触することを可能にする、いかなる親水性物質
であってもよい。好適な親水性担体マトリックスとして
は、吸水性および非吸水性、繊維性および非繊維性マト
リックス、例えば、シリカゲル、アルミナ、ケイ藻土な
どのような親水性無機粉末;スポンジ材;粘土質物質;
布;親水性天然高分子物質、特にセルロースビーズのよ
うなセルロース系物質、そして特にろ紙またはクロマト
グラフ紙のような繊維含有紙類;ならびに合成または改
変天然ポリマー、例えばセルロースアセテート、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポ
リウレタン、架橋デキストラン、アガロースおよびその
他のそのような架橋または非架橋の水不溶性親水性ポリ
マーが挙げられる。同様に、その他の好適な担体マトリ
ックスとしては、グラスファイバーマトリックスのよう
な繊維性および非繊維性マトリックス;および合成ポリ
マー、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロ
ン、フッ化ポリビニリデン、またはポリスルホンが挙げ
られる。硬質の多孔性プラスチックもまた、該プラスチ
ックを通って血清または血漿が浸透し、試験域に接触す
るのに充分な多孔性を有する限りは、担体マトリックス
として有用である。
【0078】したがって、細胞性成分の効率的な分離を
達成し、第一のゾーンを通って血清または血漿を進行さ
せるためには、第一の分離ゾーンの担体マトリックス
は、約0.1μ(ミクロン)〜約50μ、好ましくは約
0.3μ〜約10μの孔サイズを有する。本発明の充分
な利点を達成するためには、担体マトリックスは、約
0.5μ〜約8μの範囲の孔サイズを有する。
【0079】分離域の第一のゾーンは、2つ以上のマト
リックスを含むことができる。複数のマトリックスは、
異なる物理特性を有することができ、異なる化学組成物
または化学組成物の混合物であってよい。第一のゾーン
の単数または複数のマトリックスは、滑らかさと粗さ、
および硬さと柔らかさの点において変化し得る。しかし
ながら、いかなる場合にも、第一のゾーンの単数または
複数のマトリックスは、全血の細胞性成分を分離して保
持し、血清または血漿が変化せず実質的に妨害を受けず
に第一のゾーンを通過することを可能にする。したがっ
て、単数または複数の担体マトリックスの正確な組成に
かかわらず、第一に考慮することは、全血試料の細胞性
成分の分離、全血の細胞性成分の収集および保持、実質
的に変化・希釈されていない血清または血漿の移送、な
らびに場合により用いられる分離試薬組成物の包含であ
る。
【0080】本発明の充分な利点を達成するためには、
担体マトリックスは、紙のようなセルロース系物質、好
ましくはろ紙;またはグラスファイバーマトリックスを
含む。ろ紙およびグラスファイバーマトリックスは、共
に本発明の好適な担体マトリックスに必要とされる性質
を有し、さらに加えて豊富な供給、好ましい経済性およ
び好適な等級のバラエティといった利点を有する。さら
に、ろ紙およびグラスファイバーマトリックスは、第一
のフィルターパッド中に場合により用いられる分離試薬
組成物を懸濁し、配置することができ、また全血から細
胞性成分を分離することができる。
【0081】当業者には公知のように、ろ紙およびグラ
スファイバーマトリックスは様々な厚さおよび多孔度の
ものが入手可能である。全血試料が第一の分離ゾーンと
接触すること、そしてそこから実質的に無色の液体が現
れなければならないことが、本発明の試験具に必要とさ
れるので、担体マトリックスの厚さおよび多孔度は、試
験具の効率および分離法の有効性に影響する。第一のゾ
ーンの厚さおよび多孔度は、担体マトリックスが血清ま
たは血漿から細胞性成分を分離する固有の能力と、全血
が第一のゾーンに浸透して全血試料から細胞性成分が分
離されるのに必要な時間に、直接関連する。したがっ
て、多孔度の高い担体マトリックスが用いられる場合、
全血の細胞性成分の効果的な分離を達成するためには、
担体マトリックスの厚さは、全血と第一のゾーンとの最
小有効接触時間を可能にするのに充分でなければならな
い。逆に、多孔度の低い担体マトリックスが用いられる
場合、比較的薄い担体マトリックス層を用い得る。担体
マトリックスの多孔度と厚さとの正しいバランス、およ
び担体マトリックスに包含される場合により用いられる
分離試薬組成物のタイプおよび濃度の賢明な選択は、充
分に、本明細書に記載された試験具を製造する業界の当
業者によって用いられる実験技術の範囲内である。
【0082】未処理の担体マトリックスを含む第一の分
離ゾーンは、しばしば全血の細胞性成分を完全に分離す
ることができない。未処理のろ紙マトリックスに全血試
料を適用する場合、ろ紙を通って全血試料が浸透するに
つれて観察される分離された細胞性成分の量は、ろ紙の
厚さおよび多孔度と共に変化する。他の担体マトリック
スについては、充分な厚さと充分に低い多孔度を有する
担体マトリックスを通って血液が浸透するにつれて、全
血試料からの細胞成分の部分的な分離のみが観察されて
いる。しかしながら、担体マトリックスが薄すぎるか、
または多孔度が高すぎる場合、血清または血漿からの全
血の細胞と成分の分離は観察されない。しかし、担体マ
トリックスが好適な分離試薬組成物を包含するか、また
は他の方法でそれによって処理されていれば、血液試料
が第一の分離ゾーンを通って浸透するにつれて、細胞性
成分が効果的に分離され、担体マトリックス内に固定さ
れる。
【0083】少なくとも約1mmの厚さを有し、通常少な
くとも約1.5mmの厚さを有する処理されていない担体
マトリックスは、全血試料から細胞性成分を効果的に分
離するのに充分である。血清または血漿から細胞性成分
を除去するために、担体マトリックス中に場合により用
いられる分離試薬組成物が包含されている場合、担体マ
トリックスの厚さは約0.2mmまで、そして好ましくは
約0.3mmまで減少することができる。したがって本発
明の充分な利点を達成するためには、第一のフィルター
パットは、例えば約0.25cm〜約1cm×約0.5cm〜
約2cmの大きさを有し、その中にレクチンのようなアグ
ルチニン;トロンビンまたはトロンビン様化合物のよう
な凝固剤;あるいはそれらの混合物を含む分離試薬組成
物を包含するパッドの形態の担体マトリックスを含む。
このような大きさのフィルターパッドを含む第一の分離
ゾーンは、血液がフィルターパッドの一端または上面と
接触した後、充分に短い時間内に、細胞性成分を効果的
に分離するのに充分な長さ、幅および厚さを有する。
【0084】第一の分離ゾーンの担体マトリックスから
現われる、希釈されておらず、変化していない血清また
は血漿は、次いで第二の分離ゾーンに接触する。分離域
の第二のゾーンは、沈殿試薬組成物を包含する担体マト
リックスを含み、血清または血漿からLDL画分および
VLDL画分を分離する。第二のゾーンの担体マトリッ
クスは、第一のゾーンの担体マトリックスに関して上記
したのと同じ物理的および化学的性質を有する。したが
って第二のゾーンの担体マトリックスは、第一のゾーン
の担体マトリックスに関して上記した物質のいかなるも
のからでも作成し得る。第二のゾーンの担体マトリック
スは、第一のゾーンの担体マトリックスと同じ物理的特
性、例えば孔サイズおよびマトリックスの厚さを有し、
第一のゾーンの担体マトリックスと同一であることがで
きる。
【0085】いかなる場合においても、第二の分離ゾー
ンの担体マトリックスは、血清または血漿中のHDL画
分の濃度に実質的に影響せずに、血清または血漿からV
LDL画分およびLDL画分を分離するための沈殿試薬
組成物を包含する。第二の分離ゾーンの担体マトリック
ス中に包含される沈殿試薬組成物は、多価金属イオン、
好ましくはマグネシウムイオンのような二価金属イオ
ン、および硫酸デキストランのような沈殿化合物を含
む。沈殿試薬組成物は、血清または血漿中のLDL画分
およびVLDL画分と相互作用して、第二のゾーンの担
体マトリックス中に集められ保持される沈殿を形成す
る。担体マトリックスは、可溶性HDL画分を含有する
血清または血漿が第二の分離ゾーンを実質的に妨害され
ずに浸透して試験具の試験域と接触することを可能にす
る。
【0086】本発明の試験具が、第一および第二の分離
ゾーンの担体マトリックスとして上記の大きさのフィル
ターパッドを含む場合、約20μl のような針で刺した
量の血液が、通常、HDLコレステロールに関する迅速
で正確なアッセイを提供するのに充分な量の試料であ
る。また、血液試料は約65%以下のヘマトクリットを
含有することができ、ヘマトクリットに関するアッセイ
の修正は不要であることも見出された。血液試料は、滴
下するかまたはピペットを用いて試験具に適用すること
ができる。好ましくは、試験具が乾相試験ストリップの
場合、試験具を新鮮な刺し傷に接触させて、毛細管作用
によって試験具中に血液試料を採取する。本発明の別の
特徴によれば、試験具に接触する全血試料の量は正確に
測定する必要がない。しかしながら、全血の一部が試験
具の試験域に接触するような過剰に大量の血液試料を試
験具の分離域に載せすぎないように、注意を払うべきで
ある。
【0087】本明細書中においてさらに詳しく説明する
ように、分離域の第一のゾーンは、血清または血漿から
全血の細胞性成分を実質的に完全に分離するために、好
ましくは、場合により用いられる分離試薬組成物を包含
する担体マトリックスを含む。したがって、本発明の重
要な特徴によれば、アグルチニン、凝固剤またはそれら
の混合物を含む分離試薬組成物は、全血の細胞性成分が
凝集するか、または第一のゾーンを通って血液試料がク
ロマトグラフするにつれて捕獲されるように、担体マト
リックスに包含される。凝集したもしくは捕獲された細
胞は、血清または血漿が分離域を前進し続けて、最終的
に試験具の試験パッドと接触してそれを飽和するにつれ
て、第一の分離ゾーン内に固定され集められる。
【0088】本発明の以下の詳細な記載から明らかにな
るように、種々のレクチン、トロンビンまたはトロンビ
ン様化合物(個別にまたは組み合わせて用いられる)
は、細胞性成分を担体マトリックス中に凝集または凝固
させ、希釈されていない血清または血漿が分離域の第二
のゾーンに、変化されず、実質的に妨害を受けずに進行
することを可能にする。その上、分離試薬組成物中に存
在するレクチン、トロンビンまたはトロンビン様化合物
は、過剰な溶血を促さない。したがって、赤血球は破裂
せず、高度に有色の成分は色原性アッセイと干渉した
り、それをマスクしない。
【0089】分離試薬組成物中に存在する好ましいアグ
ルチニンは、レクチンである。レクチンは、細胞を凝集
または集塊にし、複雑な炭水化物を沈殿することが知ら
れているタンパク質または糖タンパク質である。レクチ
ンは、広範な天然源から単離され、これらには種子、植
物の根、樹皮、菌類、細菌、海藻、海綿、魚卵、無脊椎
動物および下等脊椎動物の体液、ならびに哺乳類細胞膜
などがある。本発明に用いられるレクチンは、好ましく
は特定の血液グループに特異的ではなく、さもないと本
発明の方法および試験具の一般的な利用が制限されう
る。したがって、血液グループに対して特異性を示さ
ず、本発明における使用に好適なレクチンとしては、以
下のものが挙げられるが、それらに限られるものではな
い:Abrus precatorius(アブリン、トウアズキ), Agar
icus bisporous(マッシュルーム), Bauhinia purpurea
(キャメルズ・フット・ツリー), Caragana arborescen
s (シベリアピーツリー), Cicer arietinum(ヒヨコマ
メ), Codium fragile(緑藻類), Canavalia ensiformis
(Con A 、コンカナバリンA、タチナタマメ), Datura s
tramonium (シロバナヨウシュチョウセンアサガオ), Gl
ycine max(ダイズ), Lathyrus odoratus(スイートピ
ー), Lens culinaris(レンズマメ), Limulus polyphemu
s(カブトガニ、Limulin), Lycopersicon esculentum(ト
マト), Maclura pomifera(オーセージオレンジ), Mycop
lasma gallisepticum, Naja mocambique mocambique(コ
ブラ venom), Naja naja kaouthia(コブラ venom), Per
seauamericana(アボガド), Phaseolus coccineus(ベ
ニバナインゲン), Phaseolusvulgaris(レッドキドニー
ビーン), Phytolacca americana(ヨウシュヤマゴボウ),
Pisum sativum(ガーデンピー), Pseudomonas aerugin
osa, Psophocarpus tetragonolobus(winged bean), Ric
inus communis(トウゴマ), Robinia pseudoacacia(blac
k locust、ニセアカシア), Sambucus nigra(ニワトコ),
Solanum tubersum(ジャガイモ), Triticum vulgaris
(小麦麦芽), Vicia faba( ソラマメ、faba bean、 bro
ad bean), Vicia sativa, Vigna radiata(ヤエナリ), V
iscum album(ヤドリギ), Wisteria floribunda(フ
ジ), およびその他の血液型非特異性レクチン。
【0090】第一の分離ゾーンの担体マトリックス中に
包含される好ましいレクチンは、コンカナバリンA(タ
チナタマメ)からのレクチン、Solanum tubersum(ジャ
ガイモ)からのレクチン、Triticum vulgaris(小麦麦
芽)からのレクチン、Bauhiniapurpurea(キャメルズ・
フット・ツリー) からのレクチンおよびPhytolacca ame
ricana(ヨウシュヤマゴボウ)からのレクチンである。
本発明の充分な利点を達成するためには、第一の分離ゾ
ーンは、その中にジャガイモからのレクチンまたはヨウ
シュヤマゴボウからのレクチンを包含する。
【0091】上述のレクチンに加えて、またはその代わ
りに、凝固剤を、血清または血漿から全血の細胞性成分
を分離するために用いることができる。具体的には、ウ
シ血漿からの酵素トロンビンを担体マトリックス中に包
含させ、全血試料から血清または血漿をうまく分離する
分離域の第一のゾーンを提供する。ウシトロンビンは、
血液が第一の分離ゾーンを通って浸透するにつれて全血
から赤血球が除去されるように、効果的に血液凝固を促
進する。本発明の方法に有用な他のトロンビンとして
は、ヒトトロンビン、ウマトロンビン、ヤギトロンビ
ン、マウストロンビン、ラットトロンビン、ブタトロン
ビン、ヒツジトロンビン、およびそれらの混合物が挙げ
られるが、これらに限られるものではない。
【0092】さらに、上述のレクチンおよびトロンビン
に加えて、またはそれらの代わりに、トロンビンと同様
にふるまう凝固剤を、全血の細胞性成分からの血清また
は血漿の分離を効果的にするために用いうる。このよう
なトロンビン様化合物としては、酵素アクターゼ(acut
ase)、アグキストロドン コントルトリックス(agkist
rodon contortrix)、アンクロッド(ancrod)、アトロ
キシン(atroxin)、クロタラーゼ(crotalase)およびそ
れらの組み合わせが挙げられるが、それらに限られるも
のではない。このような化合物は、作用がトロンビン様
であり、血液凝固を効果的に促進する。トロンビン、レ
クチンまたはトロンビン様化合物を担体マトリックス上
に固定化する必要はなく、全血試料からの細胞性成分の
効果的な分離は、レクチン、トロンビン、トロンビン様
化合物またはそれらの混合物を用いて達成しうる。
【0093】先に述べたように、本発明の試験具は、第
二の分離ゾーンをも含み、それは、血清または血漿中の
HDL画分に影響を与えずに、第一の分離ゾーンを出て
くる血清または血漿からLDL画分およびVDL分画を
分離するために、沈殿試薬組成物をその中に包含する担
体マトリックスを含んでいる。第二のゾーンの担体マト
リックス中に包含される沈殿試薬組成物は、多価金属イ
オン、例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオンま
たはマンガンイオンのような二価金属イオン、および硫
酸デキストラン、ヘパリンナトリウム、ホスホタングス
テン酸またはポリビニルスルフェートのような沈殿化合
物を含む。好ましい多価金属イオンは、マグネシウムイ
オンのような二価金属イオンであり、好ましい沈殿化合
物は硫酸デキストランである。
【0094】好適な沈殿試薬組成物は、実質的にVLD
L画分およびLDL画分のみと相互作用し、HDLコレ
ステロールのような別の可溶性血漿成分の濃度を変化さ
せず;第二の分離ゾーンから血清または血漿によって認
めうるほど抽出され、それにより試験具の試験域に移行
されず;かつ、そのほかの方法によってHDLコレステ
ロールのアッセイに干渉しない。
【0095】本発明の充分な利点を達成するためには、
多価金属イオンは、典型的には塩化物塩のような水溶性
塩として担体マトリックス中に包含される。その他の水
溶性多価金属塩の好適な陰イオンとしては、ナイトレー
ト、ブロミド、およびアセテートのような有機陰イオン
が挙げられるが、それらに限られるものではない。一般
に、HDL画分に影響を与えずに血清または血漿からL
DL画分およびVLDL画分を分離するいかなる多価金
属イオンも沈殿試薬組成物に含有させうる。本発明の充
分な利点を達成するためには、多価金属イオンは二価金
属イオンである。好適な二価金属イオンとしては、マグ
ネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト、ストロン
チウム、亜鉛、バリウム、銅およびそれらの混合物が挙
げられるが、それらに限られるものではない。カルシウ
ム、マグネシウムおよびマンガンは、好ましい二価金属
イオンである。2を越える原子価を有するその他の好適
な多価金属イオンとしては、アルミニウム、鉄およびク
ロムが挙げられるが、それらに限られるものではない。
多価金属イオンは、約10mM〜約1,000mM、好まし
くは約20mM〜約500mMの多価金属塩を含有する水性
溶液から、第二の分離ゾーン中に包含される。
【0096】沈殿試薬組成物は、多価金属イオンととも
に、血清または血漿中のLDL画分およびVLDL画分
と相互作用する沈殿化合物をも含有する。この相互作用
は、LDL画分およびVLDL画分を沈殿させるが、実
質的にHDL画分に影響を与えない。沈殿物は第二の分
離ゾーンの担体マトリックス中に保持されるが、一方、
HDL画分は第二のゾーンを通って移動し続け、試験具
の試験域と接触する。
【0097】一般に、HDL画分を分離せずに、血清ま
たは血漿からVLDL画分およびLDL画分を分離する
いかなる沈殿化合物も、沈殿試薬組成物中に含有させう
る。したがって、好適な沈殿化合物としては、硫酸デキ
ストラン、ヘパリンナトリウム、ポリビニルスルフェー
ト、ホスホタングステン酸、タングステン酸ナトリウ
ム、アンモニウムモリブデートおよびそれらの混合物が
挙げられるが、それらに限られるものではない。好まし
い沈殿化合物は、硫酸デキストラン、ホスホタングステ
ン酸またはそれらの混合物である。沈殿化合物は、0.
1g/l 〜約20g/l 、好ましくは5g/l 〜約15g/l の
沈殿化合物を含有する水性溶液から、第二の分離ゾーン
中に包含される。沈殿化合物および多価金属イオンは、
一緒にして、同じ水性溶液から第二の担体マトリックス
中に包含させることができ、あるいは別々の水性溶液か
ら包含させることもできる。
【0098】したがって、要約すれば、約25単位〜約
250単位のレクチンまたは約50NIH単位〜約15
0NIH単位のトロンビンもしくはトロンビン様化合物
を含む水性分離試薬組成物を好適な担体マトリックス中
に包含させることは、本発明の好ましい第一の分離ゾー
ンを提供する。その上、約10mM〜約1,000mMの水
溶性多価金属塩および約0.1g/l 〜約20g/l の沈殿
化合物を含む水性沈殿試薬組成物を好適な担体マトリッ
クス中に包含させることは、本発明の第二の分離ゾーン
を提供する。第一のゾーンおよび第二のゾーンを層状配
列に配列することにより、全血試料は最初に第一のゾー
ンと接触し、実質的にすべての細胞性成分、および実質
的に全部のLDL画分およびVLDL画分が、HDL画
分に影響を与えずに、血清または血漿から分離される。
結果として生じる血清または血漿を、次いでHDLコレ
ステロールに関してアッセイすることができる。
【0099】したがって、希釈、沈殿および遠心分離の
ような操作的工程を行う必要なしに、HDLコレステロ
ールに関して全血試料をアッセイしうるので、より経済
的な試験具が提供される。その上、実験者が潜在的に感
染性の血液試料と接触することが実質的に排除されるの
で、本アッセイ方法は安全である。ヘマトクリット、す
なわち細胞性成分が約65%以下の血液試料を、ヘマト
クリットの量に関してアッセイを修正する必要なしにH
DLコレステロールに関してアッセイしうるので、より
正確で再現性のあるアッセイ結果もまた達成される。し
たがって、細胞性成分ならびにLDL画分およびVLD
L画分の干渉作用が効果的に排除されるので、本発明の
方法および試験具は、より感受性が高く、正確なHDL
コレステロールに関するアッセイを提供する。
【0100】本発明の方法によれば、全血試料は試験具
の分離域に接触し、血液試料が分離域の第一のゾーンを
通って進行するにつれて、血清または血漿から全血の細
胞性成分が分離される。希釈されておらず、変化してい
ない血清または血漿は、第一のゾーンを通って進行し、
第一のゾーンと接触している分離域の第二のゾーンと接
触してそれを飽和する。第二のゾーンは、希釈されてい
ない血清または血漿からLDL画分およびVLDL画分
を分離する。ひとつの態様においてはHDL画分を含有
する血清または血漿は、第二のゾーンを通って進行し、
第二のゾーンと密接に接触している試験域と接触してそ
れを飽和する。別の態様においては、HDL画分を含有
する血清または血漿は、第二の分離ゾーンを通って進行
し、毛細管に入る。毛細管は、血清または血漿を試験域
に導き、そこで血清または血漿は収集され、HDLコレ
ステロールに関してアッセイされる。
【0101】それぞれの態様において、試験具の試験域
は、HDLコレステロールに関してアッセイするのに好
適な指示試薬組成物を含有する。第一の態様、すなわち
乾燥試験ストリップにおいては、指示試薬組成物は、ろ
紙のような好適な基材物質中に包含される。試験域が血
清または血漿で飽和され、血清または血漿が指示試薬組
成物と接触した後、試験域は、血清または血漿中のHD
Lコレステロールに対する応答に関して、視覚的にまた
は機器により検査される。
【0102】各々の態様における分離域の分離ゾーンお
よび試験域の位置設定は、図1〜4を参照することによ
り、より容易に理解される。図1は、試験具10の透視
図であり、試験具10は、第二の分離ゾーン14の第一
の表面と接している表面を有する第一の分離ゾーン12
を含む分離域を有する。第二の分離ゾーン14は、場合
により存在する第三の分離ゾーン16の表面と接してい
る第二の表面を有する。各分離ゾーンは、適切な試薬組
成物で処理されているか処理されていない、ろ紙のよう
な別々の担体マトリックスであることができる。あるい
はそうでなければ、すべての分離ゾーンは、充分な厚み
を有する単一の担体マトリックス中に存在することがで
き、ここでは、担体マトリックスの適切な部分が、適切
な試薬組成物で処理されているか、または処理されてい
ない。分離ゾーン12、14および16は層状配列に配
列されており、各ゾーンは隣接する分離ゾーンと接して
いる。分離域は、試験域20と、毛細管18によってフ
ルイドコミュニケーションの状態にある。第一のゾーン
12は、好ましくは、アグルチニンまたは凝固剤を含有
する、場合により用いられる分離試薬組成物をその中に
包含している。第二のゾーン14は、多価金属イオンお
よび沈殿化合物を含む沈殿試薬組成物をその中に包含し
ている。第三のゾーン16は処理されていない。
【0103】分離域を出ていく血清または血漿は、毛細
管18によって試験域20に導入される。毛細管18
は、一般的に約5mils〜約75mils、好ましくは約15
mils〜約50milsの直径を有する。試験域20は、好適
な指示試薬組成物をその中に包含していることができ、
あるいは指示試薬組成物は後に導入することもできる。
本明細書中においてより詳しく説明するように、HDL
コレステロールの定量的測定を容易にするためには、毛
細管18および試験域20は、好ましくは親水性物質、
特に透明親水性物質から製造されている。
【0104】全血試料は試料口22を通って試験具に導
入され、試料の一部分が分離ゾーン12、14および存
在すれば16を通って通過し、毛細管18と接触する。
毛細管18は、血清または血漿試料を集め、次いで試料
を試験域20に導入する。空気孔24は、毛細管18か
ら試験域20への試料の通過を容易にする。
【0105】実質的に細胞を含まず、LDLを含まず、
かつVLDLを含まない血清または血漿が試験域20中
の指示試薬組成物と接触した後、指示試薬組成物とHD
Lコレステロールとの相互作用が、試験域20中に色原
性変化のような検出可能な変化を生じる。試験域20
は、次いで、視覚的にまたは機器により応答に関して検
査され、応答の強度および度合いが血液試料中のHDL
コレステロールの量と相関させられる。血液試料のヘマ
トクリット値に関して応答を修正する必要はない。全血
試料の細胞性成分は第一の分離ゾーン12に固定され、
LDL画分およびVLDL画分は第二の分離ゾーン14
に固定される。したがって、全血試料のこれらの成分
は、試験域20における検出可能な変化に干渉しない。
【0106】本発明のまた別の好ましい試験具の形態
は、試験具40を示す図2において説明されており、こ
こでは、第一、第二および場合により存在する第三の分
離ゾーンは、試験具40の分離域42において層状形態
に配列されている。全血試料は、試料口44から試験具
40に導入され、分離域42の分離ゾーンによる全血試
料からの細胞性成分ならびにLDL画分およびVLDL
画分の分離の後、血清または血漿は毛細管46を通って
試験域48へ移動する。空気孔50は、毛細管46を通
り試験域48への血清または血漿の通過を容易にする。
試験具40は、試験域48と分離域42とが異なる水平
面上にあるように設計されている。したがって、図1の
試験具10とは異なって、図2の毛細管46は水平に配
置されておらず、分離域42から試験域48へ向かって
下向きの方向に配置されている。血清または血漿は毛細
管46を通って通過し、試験域48中の指示試薬組成物
と接触する。血清または血漿中のHDLコレステロール
の存在または濃度は、透明ハウジング52を通して検出
可能な応答に関して試験域48を検査することにより測
定される。
【0107】本発明の別の態様が、試験具60を示す図
3に説明されている。試験具60は、第一、第二および
場合により存在する第三の分離ゾーンを層状配列で含む
分離域62を有する。分離域62は毛細管64と接触し
ている。全血試料は、試料口66を通って試験具60に
導入され、分離域62と接触し浸透する。分離域62
は、全血試料から細胞性成分ならびにLDL画分および
VLDL画分を分離し、血清または血漿は、分離域62
を通って進行し、毛細管64と接触してそれを満たす。
毛細管64が血清または血漿で満たされた後、例えば、
HDLコレステロールに関してアッセイするために必要
な試薬を含有する試験ストリップを血清または血漿中に
漬けることにより、あるいはHDLコレステロールに関
してアッセイするために必要な試薬の溶液と血清または
血漿とを接触させることにより、血清または血漿をHD
Lコレステロールに関してアッセイする。次いで、試薬
に対する応答に関して視覚的にまたは機器により検査す
ることにより、血液試料中のHDLコレステロールを測
定する。ヘマトクリット値の変異に関する修正は必要で
はない。
【0108】図4は、本発明の乾相試験ストリップ型試
験具80の端面図である。試験ストリップ80は、疎水
性ストリップまたは把手82を有する。試験パッド84
は、ストリップまたは把手82の表面に接着固定されて
いる。試験パッド84は、HDLコレステロールに関し
てアッセイするのに必要な試薬をその中に包含してい
る。試験パッド84は、したがってHDLコレステロー
ルと接触すると検出可能な応答を生じ、この応答は、透
明材料から製造されたストリップまたは把手82を通し
て検査することができる。
【0109】場合により存在する第三の分離フィルター
86は、ストリップまたは把手82に接着固定された試
験パッド84の表面とは反対側の、試験パッド84の表
面に接着固定されている。第三の分離フィルター86
は、処理されていない吸水性マトリックスを含み、フィ
ルターパッド88および90を通過する細胞性成分また
はLDL画分もしくはVLDL画分の痕跡を除去するた
めの、最終的で付加的なフィルターとして役立つ。
【0110】第二のフィルターパッド88は、試験パッ
ド84に接着固定されている第三のフィルター86の表
面とは反対側の、第三の分離フィルター86の表面に接
着固定されている。第二のフィルターパッド88は、沈
殿試薬組成物を包含する担体マトリックスを含み、血清
または血漿からLDL画分およびVLDL画分を除去す
る。同様に、第一のフィルターパッド90は、分離フィ
ルター86に接着固定されている第二のフィルターパッ
ド88の表面とは反対側の、第二のフィルターパッド8
8の表面に接着固定されている。第一のフィルターパッ
ド90は、担体マトリックスを含み、好ましくは全血試
料から細胞性成分を除去するのを助けるために場合によ
り用いられる分離試薬組成物を包含する。ストリップま
たは把手82、試験パッド84、第三の分離フィルター
86、第二のフィルターパッド88、および第一のフィ
ルターパッド90からなる層状配列は、疎水性垂直支持
体92によって補強される。
【0111】本発明の重要な特徴によれば、全血試料
は、試験具80の第一のフィルターパッド90と最初に
接触する。全血試料は、全血試料から細胞性成分ならび
にLDL画分およびVLDL画分を除去するための第一
のフィルターパッド90、第二のフィルターパッド88
および場合により存在する第三の分離フィルター86を
通って移動する。第三の分離フィルター86から現われ
る血清または血漿は、HDL画分を含有する。試験パッ
ド84中に包含されている指示試薬組成物と接触する
と、血清または血漿は、透明ストリップまたは把手82
を通して検査しうる検出可能な応答を生じる。したがっ
て、希釈、沈殿および遠心分離といった時間のかかる操
作工程なしに、HDLコレステロールに関する迅速で正
確なアッセイが達成されうる。このような操作工程の排
除は、実験者誤差の可能性を排除することによりアッセ
イの精度を増し、実験者が潜在的に感染性の血液試料と
接触する可能性を排除することによりアッセイの安全性
を増す。
【0112】図1〜4に説明されている試験具と同様の
いくつかのその他の代替的な試験具の態様もまた考案さ
れる。例えば、より多いまたは少ない血液試料に対応さ
せるために、分離域および試験パッドのサイズも相対的
に変化させうる。分離域と試験パッドとの相対的なサイ
ズは、HDLコレステロールに関して正確にアッセイす
るのに必要な血液試料の量に関連している。
【0113】
【実施例】
例1 第一の分離ゾーンの担体マトリックス中への分離
試薬組成物の包含 アグルチニン、凝固剤またはそれらの混合物、例えばウ
シトロンビン、ジャガイモからのレクチン、レクチンコ
ンカナバリンA、ヨウシュヤマゴボウからのレクチン、
またはトロンビン様酵素アクターゼを、通常のまたは等
張の生理食塩溶液に溶解した。分離試薬組成物を、次い
でWhatman Ltd., Maidenshead, Kent, U. K.から入手可
能な Whatman CCP500 ろ紙のようなろ紙、またはWhatma
n PD107のようなグラスファイバーマトリックスなどの
担体マトリックス中に、分離試薬組成物中に担体マトリ
ックスを浸漬するか、または担体マトリックスのシート
もしくは予め裁断されたストリップ上に分離試薬組成物
を噴霧することにより包含させる。分離試薬組成物を包
含する担体マトリックスを、次いでオーブン中、約50
℃で、約20分〜約40分乾燥し、本発明の第一の分離
ゾーンを製造した。
【0114】例1のように担体マトリックス中に分離試
薬組成物を包含させる場合、トロンビン、トロンビン様
化合物またはレクチンを担体マトリックス上に固定化す
る必要はない。全血試料からの細胞性成分の分離のため
の担体マトリックス内に、レクチン、トロンビンまたは
トロンビン様化合物を維持させるためには、簡便な乾燥
技術で充分である。第一の分離ゾーンの担体マトリック
スを、適切なサイズ、例えば0.5cm×1.0cmにした
後、図1に示される第二の分離ゾーン14または図4に
示される第二のフィルターパッド88などのような第二
の分離ゾーンの担体マトリックスに固定した。
【0115】例2 第二の分離ゾーンの担体マトリック
ス中への沈殿試薬組成物の包含 多価金属イオンの塩および沈殿化合物を水に溶解した。
水性沈殿試薬組成物を、次いでWhatman Ltd., Maidensh
ead, Kent, U. K.から入手可能な Whatman CCP500 ろ紙
のようなろ紙、またはWhatman PD107 のようなグラスフ
ァイバーマトリックスなどの担体マトリックス中に、沈
殿試薬組成物中に担体マトリックスを浸漬するか、また
は担体マトリックスのシートもしくは予め裁断されたス
トリップ上に沈殿試薬組成物を噴霧することにより包含
させる。沈殿試薬組成物を包含する担体マトリックス
を、次いでオーブン中、約50℃で、約20分〜約40
分乾燥し、本発明の第二のフィルターパッドを製造し
た。
【0116】本発明の方法および試験具によって達成さ
れる新規な予期せぬ結果を立証するために、図4に示さ
れているような、透明プラスチック把手を有する乾相試
験ストリップを製造した。各試験ストリップは、コレス
テロールに関してアッセイするために必要な試験試薬を
包含するろ紙基材からなる試験パッドを有していた。各
試験ストリップはまた、ジャガイモのレクチンをその中
に包含するグラスファイバーマトリックスからなる第一
のフィルターパッドを有していた。レクチンは、0.2
mg/ml のジャガイモのレクチンを含有する水性分離試薬
組成物からグラスファイバーマトリックス中に包含させ
た。分離試薬組成物中のレクチンの量は、グラスファイ
バーマトリックス1cm3 当たり約25単位〜約250単
位のレクチンを包含させるのに充分であった。
【0117】各試験ストリップはまた、塩化マグネシウ
ムと硫酸デキストランを含む沈殿試薬組成物をその中に
包含するろ紙マトリックスからなる第二のフィルターパ
ッドを有していた。沈殿試薬組成物は、10g/l の硫酸
デキストランと500mMの塩化マグネシウムを含有する
水性沈殿試薬組成物から、ろ紙マトリックス中に包含さ
せた。各試験ストリップはまた、処理されていないろ紙
からなる、場合により用いられる第三のフィルターを有
していた。該試験ストリップを、65%以下のヘマトク
リットを含む血液試料をHDLコレステロールに関して
アッセイするのに用いた。
【0118】乾相試験ストリップに加えて、図2に示し
たような試験具を、全血試料中のHDLコレステロール
に関してアッセイするのに用いた。第一、第二および第
三の分離ゾーンは、上記のように製造したフィルターパ
ッドであった。フィルターパッドを、直径0.9cmの円
形に裁断し、3つのフィルターパッドの積層配置に配列
した。血液試料は、細胞性成分を分離するための第一の
フィルターパッドを最初に通過して、次いでLDL画分
およびVLDL画分を分離するための第二のフィルター
パッドを通過し、最後に細胞性成分、LDL画分および
VLDL画分の最終的な痕跡を除去するための第三のフ
ィルターパッドを通過した。HDL画分を含有する希釈
されていない血清または血漿は、毛細管を通過し、集め
られた。血清または血漿を、次いで当業者に公知の標準
的手順によって、Miles, Inc., Elkhart, INから入手可
能な OPTIMATE 自動分析器を用いてHDLコレステロー
ルに関して分析した。
【0119】全血試料から干渉性成分を分離し、試料を
HDLコレステロールに関してアッセイする上記の試験
具の能力を明らかにするために、既知または未知の量の
HDLコレステロールを含有する試験試料を、図2に示
される本発明の試験具を用いてアッセイした。アッセイ
結果を、従来の沈殿および遠心分離法によって得た結果
と比較した。表Iはこれらの実験の結果を示す。したが
って、表Iは、本発明の方法および試験具によって測定
したHDLコレステロール濃度は、従来の、しかしより
時間がかかる沈殿および遠心分離法によって実施したH
DLコレステロールアッセイと等価であるということを
示す。
【0120】
【表1】
【0121】表IIは、本発明の方法および試験具によ
り、および従来の遠心分離法により、HDLコレステロ
ールに関してアッセイした血液試料の比較をまとめたも
のである。5つの例の各々において、本発明の方法およ
び試験具によるHDLコレステロールアッセイは、従来
法によって得られたアッセイ結果と実質的に等しいもの
であった。
【0122】
【表2】
【0123】図5〜図8は、本発明の試験具および方法
の、HDLコレステロールに関するアッセイにおいて全
血試料から干渉性の細胞性成分、LDL画分およびVL
DL画分を分離する能力をさらに示す。図5〜図8は、
電気泳動データのプロットであり、本発明の方法および
試験具によって全血試料からLDL画分およびVLDL
画分が除去されたことを示す。ろ過された血清または血
漿の薄い淡黄色によって立証されるように、ろ過された
血清または血漿は、実質的に細胞性成分を含まない。
【0124】特に、図5は、付加的なアグルチニンを包
含しない第一の分離ゾーンによって全血の細胞性成分か
ら分離された血清または血漿のリポタンパク質スキャン
からの電気泳動データのプロットである。図5は、血清
または血漿が、VLDL画分、LDL画分およびHDL
画分を含有することを示す。さらに、図8は、血清また
は血漿からの細胞性成分の除去を容易にするために第一
の分離ゾーン中にジャガイモからのレクチン(S. tuber
sum のレクチン)を包含させることは、血清または血漿
中に存在する3つの可溶性リポタンパク質画分のいずれ
にも影響しないことを示す。したがって、第一の分離ゾ
ーン中に場合によりレクチンを包含させることは、全血
試料中のHDLコレステロールに関する後のアッセイに
悪影響を与えない。
【0125】図6は、従来の沈殿および遠心分離法によ
ってLDL画分およびVLDL画分を除去した血清また
は血漿試料のリポタンパク質スキャンからの電気泳動デ
ータのプロットである。図6は、LDL画分およびVL
DL画分によるバンドが欠如していることを示す。図7
は、図2に示されるような本発明の試験具から出てきた
後に集められた血清または血漿試料のリポタンパク質ス
キャンからの電気泳動データのプロットである。図7の
プロットもまた、LDL画分およびVLDL画分による
バンドが欠如していることを示す。図7のプロットは図
6のプロットと実質的に同一であり、本発明の方法およ
び試験具が血清または血漿から実質的にすべてのLDL
画分およびVLDL画分を分離することを示す。
【0126】本発明の別の重要な特徴によれば、約65
%以下のヘマトクリットを含む全血試料中のHDLコレ
ステロールの濃度は、本発明の方法および試験具を用い
ることにより、修正なしで正確に測定されうることが示
されている。図5および図8に示されているように、好
ましくは場合により用いられるアグルチニンまたは凝固
剤を含有する第一の分離ゾーンの担体マトリックスは、
血清または血漿中の可溶性リポタンパク質の濃度に悪影
響を与えることなしに、血清または血漿から細胞性成分
を効果的に分離した。したがって、本発明は、試験試料
中のヘマトクリットの量に依存せず、より再現性のある
アッセイ結果を与える、HDLコレステロールに関する
アッセイの経済的な試験具および方法を提供する。本発
明の試験具および方法は、アッセイ干渉物の効果的な除
去、およびその後の現在利用可能な機器によるまたは視
覚的な検出技術によるHDLコレステロールに対するア
ッセイ応答の、迅速で、安全で、経済的かつ正確な検出
を立証する。
【0127】本発明のさらに別の重要な特徴によれば、
試験具の第一の分離ゾーンは、第一の分離ゾーンがレク
チン、トロンビン、トロンビン様化合物またはそれらの
組み合わせを含有するかぎりにおいて、抗凝固剤の存在
下でさえも血清または血漿から全血の細胞性成分を効果
的に分離した。具体的には、ヘパリンまたはエチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)のような抗凝固剤を含有する
全血は、本発明の分離方法および試験具にかけることが
できる。したがって、新鮮な血液試料を抗凝固剤で処理
し、次いで後日に本発明の方法および試験具によってH
DLコレステロールに関してアッセイすることができ
る。
【0128】血清または血漿からの赤血球細胞、LDL
画分およびVLDL画分の予期せぬほどに効率的な分離
に加えて、本発明の方法および試験具は、充分に多量で
アッセイ可能な量の血清または血漿が試験具の試験域に
達することを可能にする。さらに、血清または血漿は、
実質的に変化していない形態で試験具の試験域に達す
る。一般に、乾相試験ストリップの場合においては、試
験パッドが血清または血漿で飽和される場合に正しい量
の血清または血漿が試験域に達している。これは、試験
パッドの血清または血漿による飽和を確かにするために
充分に多量の全血試料を用いることにより、あるいは好
ましくは試験域が血清または血漿で飽和されるように分
離域の分離ゾーンと試験パッドとの相対的なサイズを調
整することにより、達成される。全血試料の容量を正確
に測る必要はない。この方法は、実質的に一定量の血清
または血漿が試験パッドに達することを可能にし、可溶
性成分のより正確な測定にする。血液試料のサイズ、フ
ィルターパッドのサイズ、試験パッドのサイズおよび試
験域に包含される指示試薬組成物の量といった変数は、
診断試験ストリップを設計する領域の当業者には容易に
決定することができる。
【0129】全血の血清または血漿からの細胞成分、L
DL画分およびVLDL画分の迅速で効率的な分離、な
らびに変化していない血清または血漿の試験域への実質
的に妨害を受けない移動に加えて、本発明の方法および
試験具は、全血、血清または血漿の希釈なしに、ならび
に高度に有色な赤血球細胞、LDL画分およびVLDL
画分からの干渉なしに、HDLコレステロールの定量的
アッセイを可能にする。希釈されていない血清または血
漿を試験することは、操作的工程をなくし、より重要な
ことには、実験者誤差の可能性および実験者が潜在的に
感染性の試験試料と接触することを排除する。
【0130】好適な色原性試薬組成物は、試験具の試験
域中に充分な量で包含され、新たに分離された希釈され
ていない血清または血漿中のHDLコレステロールとの
検出可能な相互作用を可能にする。色原性反応の範囲、
およびしたがってHDLコレステロールの定量的量は、
次いで当業界において公知の視覚的なまたは機器による
色原性検出技術によって測定される。したがって、本発
明の方法および試験具は、より経済的であり;より再現
性のある結果を生じ;アッセイが試験試料のヘマトクリ
ット値に依存せず;実験者が操作的工程を実施する必要
がなく、潜在的な実験者誤差が回避され;実験者が血液
試料との物理的接触を回避するので、従来の方法および
試験具よりもかなりの利点を立証する。
【0131】したがって、HDLコレステロールに関す
る少容量の全血の正確で信頼できるアッセイは、全血の
細胞性成分によるまたは可溶性LDL画分もしくはVL
DL画分による干渉なしに、数分以内に達成される。本
アッセイは、希釈または遠心分離のような付加的な操作
的工程が不必要なので、簡便で経済的で安全である。さ
らに、本発明の試験具および方法は、実験者が潜在的に
感染性の全血試料との接触から効果的に保護されるの
で、安全である。乾相試験ストリップの場合には、全血
試料全体、すなわち分離域において分離された成分およ
び試験パッド中の血清または血漿の両方は、試験具の要
素に保持される。したがって、全血試料と人間との接触
は実質的に除外される。このような特徴は、当業界にお
いて新規である。なぜならば、血清または血漿を試験す
るための従来の方法および試験具は、試験具から分離さ
れた成分を拭き取るかまたはすすぎ落とす際に、または
遠心分離および関連の物理的分離法において血液を移し
たり希釈する際に、ヒトが血液試料と接触する可能性を
生じるからである。
【0132】例3および4は、HDLコレステロールに
関してアッセイするための本発明の方法および試験具に
よって実施されたアッセイを立証する。
【0133】 例3 血清または血漿中のHDLコレステロールの測定 希釈されていない全血試料を、図2に示されるような試
験具によってHDLコレステロールに関してアッセイし
た。同様に、希釈されていない全血試料を、図1および
図3に示されるような試験具によってHDLコレステロ
ールに関してアッセイすることができる。針で刺した量
程度の全血試料を試験具の試料口に導入し、全血試料
を、好ましくは場合により用いられるレクチンを含有す
る分離試薬組成物を包含する担体マトリックスからなる
第一のフィルターパッドに吸収させる。血液試料は、第
一のフィルターパッドを通ってクロマトグラフし、それ
により血清または血漿から全血の細胞性成分が分離され
る。血液試料は、第一のフィルターパッドをクロマトグ
ラフした後に、試料中の血清または血漿の量が第一のフ
ィルターパッドに接している第二のフィルターパッドを
完全に湿らせるかまたは飽和するのに足りるように、充
分な量であった。第二のフィルターパッドは、多価金属
イオン、好ましくは二価金属イオン、および沈殿化合物
を含む沈殿試薬組成物を包含する担体マトリックスから
なっていた。血清または血漿は第二のフィルターパッド
を通ってクロマトグラフし、それにより可溶性LDL画
分およびVLDL画分が血清または血漿から分離され
る。血清または血漿試料は、第二のフィルターパッドを
クロマトグラフした後に、血清または血漿の量が毛細管
を通って移動し試験具の試験域に集められるのに足りる
ように、充分な量であった。HDLコレステロールに関
してアッセイするのに必要な試薬を含み、先に試験具の
試験域中に包含されている試薬組成物は、血清または血
漿中のHDLコレステロールと相互作用し、血清または
血漿中のHDLコレステロール含量と定量的に相関する
測定可能な色原性変化を生じる。
【0134】試験域中の色原性変化を、視覚的に、例え
ば標準化色チャートとの比較により、あるいは機器によ
り、例えば反射率測定機器により、測定した。本発明の
方法は、全血試料の不溶性細胞成分からの、または血清
または血漿中の可溶性LDL画分もしくはVLDL画分
からの干渉なしに、希釈されていない血清または血漿試
料中のHDLコレステロールの濃度に対する応答を提供
する。さらに、本アッセイは全血試料のヘマトクリット
値に依存しない。
【0135】例4 乾相試験ストリップによる血清また
は血漿中のHDLコレステロールの測定 希釈されていない全血試料を、図4に示されるような乾
相試験具を用いてHDLコレステロール含量に対してア
ッセイした。各試験具は、ポリアミド、例えばPall Cor
porationから入手可能で3μの孔サイズを有するBIODYN
E B のようなナイロン、またはMillipore Corporation
、Bedford, MA から入手可能で0.65μの孔サイズ
を有するDURAPOREのようなフッ化ポリビニリデンの基材
物質を含む試験パッドを有していた。試験パッドの基材
物質は、約1.5%(w/w)のテトラメチルベンジジンヒ
ドロクロリド指示色素、および約0.4%(w/w)のポリ
(メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物)(GAF Che
micals Corp., Wayne, NJ から入手可能なGANTREZ AN-1
39) を含有する水性溶液中に基材物質を浸漬することに
より、試薬組成物をまず包含させた。含浸した基材物質
を、次いで熱気対流オーブン中、約50℃で、約5分〜
約10分間乾燥した。含浸した基材物質を、次いで以下
のものを含有する第二の水性溶液中に浸漬した:
【0136】 0.2M リン酸緩衝液(pH6.0) 67.9% (w/w) グリセロール 6.4% (w/w) タウロコール酸ナトリウム 0.7% (w/w) ペルオキシダーゼ 500U/ml コレステロールエステラーゼ 500U/ml コレステロールオキシダーゼ 250U/ml ポリビニルピロリドン(PVP K-60、GAF Chemicals Corp., Wayne, NJから入手 可能)(45%w/w) 23.8% (w/w)
【0137】第二の含浸の後、基材物質を、再び熱気対
流オーブン中、約50℃で、約5分〜約10分間乾燥
し、液体試験試料中のコレステロールの量を測定するた
めの試験パッドを製造した。
【0138】各試験具は、レクチンを含有する分離試薬
組成物を包含する担体マトリックスからなる第一のフィ
ルターパッド;ならびに二価金属イオンおよび沈殿化合
物を含む沈殿試薬組成物を包含する担体マトリックスか
らなる第二のフィルターパッドをも有していた。第一お
よび第二のフィルターパッドの担体マトリックスは、Wh
atman Ltd.またはMillipore Corporation から入手可能
な、約1μ〜約6μの孔サイズを有するグラスファイバ
ーマトリックスであった。第一のフィルターパッドを、
約0.05%(w/w)のヨウシュヤマゴボウからのレクチ
ンを含有する水性分離試薬組成物中に浸漬した。第二の
フィルターパッドは、約500mMの塩化マグネシウムお
よび約10g/l の硫酸デキストランを含有する水性沈殿
試薬組成物中に浸漬した。
【0139】分離試薬組成物と沈殿試薬組成物をそれぞ
れのグラスファイバーマトリックス中に包含させたの
ち、それぞれの含浸したグラスファイバーマトリックス
をガラス棒でひっかいて、過剰な分離試薬組成物または
沈殿試薬組成物を除去した。含浸したグラスファイバー
マトリックスを、次いで熱気対流オーブン中、約50℃
で、約30分乾燥し、本発明の第一のフィルターパッド
および第二のフィルターパッドを製造した。
【0140】試験パッドならびに第一および第二のフィ
ルターパッドを、次いで図4に示されるように透明な把
手の上に層状配列で配置した。得られた試験パッドを、
HDLコレステロールに関して全血試料をアッセイする
ために用いた。各アッセイは、約30μl の全血試料お
よび本発明の試験具1個を必要とした。
【0141】アッセイは、最初に身体のどこかに小さい
刺し傷を作ることにより実施した。試験具の第一のフィ
ルターパッドを、次いで傷から出る全血に接触させた。
充分な量の全血が第一のフィルターパッドを飽和した後
に、試験具を傷から除去した。全血試料を、次いで過剰
な全血試料が試験具のいかなる外表面にもたまって留ま
らないように、第一および第二のフィルターパッド中に
充分に吸収させた。充分な時間の後、例えば約1〜2分
後に試験パッドを、反射率測定機、すなわちMiles, In
c., Elkhart, INから入手可能なOPTIMATE機器で、透明
な把手を通して検査した。あるいはそうでなければ、試
験具を視覚的に、例えば標準化色チャートと試験パッド
を視覚的に比較することにより検査した。試験パッドを
応答に関して試験した後、試験パッドを廃棄した。本発
明の方法および試験具は、実験者が潜在的に感染性の全
血試料を含む表面と接触することをなくす。
【0142】HDL画分を含有する血清または血漿と、
試験パッド中に包含される指示試薬組成物との相互作用
から生ずる色遷移を、反射率光度計によって検査した。
一般に、未知の濃度のHDLコレステロールの血液試料
と試験パッドとの接触によって生ずる色遷移の、標準化
HDLコレステロール濃度と試験パッドとの接触によっ
て生ずる色遷移との比較は、血液試料中のHDLコレス
テロール濃度に関する定量的アッセイを与える。次い
で、用量応答プロットをグラフ化し、アッセイの色遷移
の強度が、試験試料中のHDLコレステロール濃度に直
接比例して変化したことを示した。
【0143】本明細書の開示は、好ましい態様によって
のみなされたものであり、本明細書中において特許請求
された発明の精神および範囲を逸脱することなしに、構
築物、組合せおよび部品の配列の詳細において多数の変
更が可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験具の一態様の透視図。
【図2】本発明の試験具の一態様の透視図。
【図3】本発明の試験具の一態様の透視図。
【図4】本発明の乾相試験ストリップ型試験具の端面
図。
【図5】本発明の第一の分離ゾーンによって細胞性成分
を除去された血清または血漿のリポタンパク質スキャン
の電気泳動データのプロット。
【図6】従来法によってLDL画分およびVLDL画分
を除去された血清または血漿のリポタンパク質スキャン
の電気泳動データのプロット。
【図7】図2の試験具によって分離された血清または血
漿のリポタンパク質スキャンの電気泳動データのプロッ
ト。
【図8】レクチンを含む第一の分離ゾーンによって細胞
性成分を除去された血清または血漿のリポタンパク質ス
キャンの電気泳動データのプロット。
【符号の説明】
10、40、60、80 試験具 12 第一の分離ゾーン 14 第二の分離ゾーン 16 第三の分離ゾーン 18、46、64 毛細管 20、48 試験域 22、44、66 試料口 24、50 空気孔 42、62 分離域 82 ストリップまたは把手 84 試験パッド 86 第三の分離フィルター 88 第二のフィルターパッド 90 第一のフィルターパッド 92 疎水性垂直支持体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希釈されていない全血試料から、細胞性
    成分、低密度リポタンパク質画分および超低密度リポタ
    ンパク質画分を分離する方法であって、 (a)希釈されていない全血試料を、第一の担体マトリ
    ックスと接触させて該全血試料の細胞性成分を分離し、
    血清または血漿を得; (b)該血清または血漿を、第一の担体マトリックスと
    フルイドコミュニケーションの状態にあり、該血清また
    は血漿から低密度リポタンパク質画分および超低密度リ
    ポタンパク質画分を分離するのに充分な量の多価金属イ
    オンおよび充分な量の沈殿化合物を含む沈殿試薬組成物
    をその中に包含する第二の担体マトリックスへ移動させ
    て、該血清または血漿から低密度リポタンパク質画分お
    よび超低密度リポタンパク質画分を分離し、高密度リポ
    タンパク質画分を含有する血清または血漿を得;そして (c)該高密度リポタンパク質画分を含有する血清また
    は血漿を、第二の担体マトリックスを通って流れ出させ
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 第二の担体マトリックスを通って流れ出
    る高密度リポタンパク質画分を含有する血清または血漿
    を処理して、高密度リポタンパク質画分の予め決められ
    た成分の存在または濃度を測定することをさらに含む、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 希釈されていない全血試料から、細胞性
    成分、低密度リポタンパク質および超低密度リポタンパ
    ク質を実質的に含まない血清または血漿を分離し、該血
    清または血漿中に存在する高密度リポタンパク質の予め
    決められた成分に関して該血清または血漿を試験する方
    法であって、 (a)希釈されていない全血試料を、第一の担体マトリ
    ックスと接触させて該全血試料の細胞性成分を分離した
    血清または血漿を得; (b)該血清または血漿を、第一の担体マトリックスと
    フルイドコミュニケーションの状態にあり、該血清また
    は血漿から低密度リポタンパク質および超低密度リポタ
    ンパク質を分離するのに充分な量の多価金属イオンおよ
    び充分な量の沈殿化合物とを含む沈殿試薬組成物をその
    中に包含する第二の担体マトリックスへ移動させて、該
    血清または血漿から低密度リポタンパク質および超低密
    度リポタンパク質を分離し、細胞性成分、低密度リポタ
    ンパク質および超低密度リポタンパク質を実質的に含ま
    ず、かつ高密度リポタンパク質を含有する血清または血
    漿を得; (c)該高密度リポタンパク質を含有する血清または血
    漿を、該血清または血漿中の高密度リポタンパク質の予
    め決められた成分を分析するための試薬組成物を包含す
    る試験域と接触させ、ここで該試薬組成物は高密度リポ
    タンパク質の予め決められた成分と相互作用して該試験
    域中に検出可能な変化を生じることができ;そして (d)該試験域を、検出可能な変化に関して検査するこ
    とを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 第一の担体マトリックスが、シリカゲ
    ル、アルミナ、ケイ藻土、ろ紙、クロマトグラフィー
    紙、グラスファイバー、セルロースアセテート、セルロ
    ース系ビーズ、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、
    ポリアクリレート、ポリウレタン、架橋デキストラン、
    アガロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
    ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、およびそれ
    らの混合物より成る群から選択される、請求項3記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 第一の担体マトリックスが、約0.1μ
    〜約50μの範囲の孔サイズを有する、請求項3記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 液体試験試料中の高密度リポタンパク質
    成分に実質的に影響を与えずに、液体試験試料から、細
    胞性成分、低密度リポタンパク質成分および超低密度リ
    ポタンパク質成分を分離し、高密度リポタンパク質成分
    中の予め決められた成分の存在または濃度を測定する分
    析対象物試験具であって、該試験具が、 (a)試験パッドを支持するための支持手段; (b)該支持手段に固定され、液体試験試料と接触する
    と、液体試験試料中の高密度リポタンパク質成分の予め
    決められた成分に応答して検出可能な変化を生じる試薬
    組成物を包含する基材物質を含む多孔性試験パッド;お
    よび (c)液体試験試料から、細胞性成分、低密度リポタン
    パク質成分および超低密度リポタンパク質成分を分離す
    るための分離手段であって、(i) 液体試験試料から細
    胞性成分を分離するための第一の担体マトリックス手
    段、および(ii)多価金属イオンおよび沈殿化合物を含
    む沈殿試薬組成物をその中に包含する第二の担体マトリ
    ックスを含む、液体試験試料から低密度リポタンパク質
    成分および超低密度リポタンパク質成分を分離するため
    の第二の担体マトリックス手段を含み、ここで該第一の
    担体マトリックス手段は、該第二の担体マトリックス手
    段と接し、試験試料を受けるために適当な露出部分を有
    し;該第二の担体マトリックス手段は、該試験パッドと
    フルイドコミュニケーションの状態にある分離手段を含
    むことを特徴とする試験具。
  7. 【請求項7】 第一の担体マトリックス手段が、アグル
    チニン、凝固剤、およびそれらの混合物より成る群から
    選択される分離試薬を包含する、請求項6記載の分析対
    象物試験具。
  8. 【請求項8】 細胞性成分、低密度リポタンパク質およ
    び超低密度リポタンパク質を実質的に含まず、高密度リ
    ポタンパク質を含有する血清または血漿を生物学的液体
    から分離し、高密度リポタンパク質の予め決められた成
    分を検出するための試験具であって、 (a)生物学的液体から細胞性成分を分離するための第
    一の担体マトリックス; (b)該第一の担体マトリックスと接し、多価金属イオ
    ンおよび沈殿化合物を含む沈殿試薬組成物をその中に包
    含する、該生物学的液体から低密度リポタンパク質およ
    び超低密度リポタンパク質を分離して高密度リポタンパ
    ク質を含有する血清または血漿を生成するための第二の
    担体マトリックス;および (c)該第二の担体マトリックスとフルイドコミュニケ
    ーションの状態にあり、高密度リポタンパク質を含有す
    る血清または血漿と接触すると、高密度リポタンパク質
    の予め決められた成分と相互作用して試験域中に検出可
    能な変化を生じるのに充分な量の試薬組成物を含有する
    試験域を含み、ここで該第一の担体マトリックスが、生
    物学的液体が最初に該第一の担体マトリックスと接触す
    るように配置され、該試験域が、細胞性成分、低密度リ
    ポタンパク質成分および超低密度リポタンパク質成分か
    ら実質的に干渉を受けずに高密度リポタンパク質の予め
    決められた成分と該試薬組成物との相互作用が検出され
    るように配置されていることを特徴とする試験具。
  9. 【請求項9】 生物学的液体が、全血である請求項8記
    載の試験具。
  10. 【請求項10】 高密度リポタンパク質の予め決められ
    た成分が、コレステロールである請求項8記載の試験
    具。
JP5255837A 1992-10-13 1993-10-13 Hdlコレステロールに関する全血アッセイの改良型試験具および方法 Pending JPH06201704A (ja)

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