JPH0619831B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0619831B2
JPH0619831B2 JP59015259A JP1525984A JPH0619831B2 JP H0619831 B2 JPH0619831 B2 JP H0619831B2 JP 59015259 A JP59015259 A JP 59015259A JP 1525984 A JP1525984 A JP 1525984A JP H0619831 B2 JPH0619831 B2 JP H0619831B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)技術分野 この発明は磁気記録媒体に関し、特に走行安定性、耐久
性等のすぐれた強磁性薄膜を磁気記録層とする磁気記録
媒体に関するものである。
(ロ)背景技術 現在、磁気記録媒体は、オーディオ、ビデオ、コンピュ
ーター、磁気ディスク等の分野で広範囲に使用されるよ
うになっており、それに伴い、磁気記録媒体に記録する
情報量も年々増加の一途をたどり、そのため磁気記録媒
体に対しては記録密度の向上が益々要求されるようにな
ってきている。
塗布型の磁気記録媒体より薄型化が容易で飽和磁化も大
きい非バインダー型磁気記録媒体、即ち強磁性薄膜から
なる磁気記録媒体は、腐食、衝撃及び摩擦強度に問題が
あり、磁気信号の記録、再生及び消去の過程で磁気ヘッ
ドとの高速相対運動により摩擦もしくは破壊が生ずるこ
とがある。すなわち電気メッキ、無電解メッキ、スパッ
タリング、真空蒸着、イオンプレーティング等の方法に
よる強磁性薄膜を設けた磁気記録媒体はバインダーを含
まないため、磁気ヘッドとの接触摺動時に摩擦のため磁
気記録層が削りとられるか、破壊され易いものであっ
た。
又、強磁性薄膜からなる磁気記録媒体はその表面が腐食
し易いが、腐食が進行すると、ヘッドタッチ、耐摩耗性
等の実用特性が劣化し、電磁変換特性にも悪影響を及ぼ
す。
そのため磁気金属薄膜表面上に潤滑剤を塗布する方法
(特公昭39−25246号公報)があるが、そのよう
な方法では磁気ヘッド等で潤滑剤が拭きとられる等して
潤滑作用が永続的でなく、勿論この方法では防錆効果、
耐久性等の効果は期待すべくもなかった。
又、潤滑作用を継続的に磁気記録層上に供給する手段と
して磁気記録層の反対側の面に液状又は半固体状の潤滑
剤及び有機バインダーを主成分とする潤滑層(バックコ
ート層)を設ける方法(特公昭57−29769号公
報)も提案され、この方法では磁気記録層の裏面ににじ
み出た潤滑剤がロール状に巻かれた際磁気記録層に移
り、磁気記録層の表面に常に潤滑剤を供給でき、磁気記
録層の耐久性(スリキズやハガレの程度)や動摩擦係数
の変化において、すぐれた効果が奏せられるとするもの
であるが、この方法のように強磁性薄膜にトップコート
層を設けないでバックコート層のみに潤滑剤を含有させ
たものでは磁気薄膜と磁気ヘッドとの摩擦レベルは依然
として高く、走行不良をもたらし、又耐腐食、防錆効果
においても未だ充分なものとは言えないものであった。
(ハ)発明の開示 本発明者等はそれらの欠点を改善すべく、鋭意研究の結
果、非磁性基材上に強磁性薄膜を設けた磁気記録媒体に
おいて、薄膜表面上に特定成分のトップコート層を設け
ることにより、前記欠点とされていた走行性、耐久性等
の改善されたすぐれた磁気記録媒体が得られることを見
出したものである。
前記のとおり、強磁性薄膜表面上に潤滑剤をのみを塗布
するもの、或いは該薄膜にバックコート層に含有する潤
滑剤を裏型転写して供給するものにあっては、潤滑剤を
継続的に供給できないか、或いは潤滑剤を継続的に供給
できても、バックコート層の潤滑剤がトップコートされ
ていない強磁性薄膜に裏型転写されると、例えば蒸着膜
が酸素導入のないもの(酸素不含有の金属膜、特公昭5
7−29769号公報)においてはそれほどでもない
が、現在通常行なわれている蒸着方法での酸素が導入さ
れたもの(酸素含有金属膜)の場合には膜が不安定な状
態となり、出力ダウンして目づまりをしたり、画像が出
ないか、或いは摩擦抵抗が未だ大きく、不十分であり、
時には膜がとれるか或いは壊れてしまい、特にスチール
時の測定において、膜がつきぬけてとれてしまい、目づ
まりを発生し大問題となるという欠点は解消できず、又
これらいずれの方法においても防錆性、耐腐食性の点で
満足できるものは得られないことが判明しているが、意
外にも強磁性薄膜表面上に放射線硬化型リン酸エステル
モノマー及び潤滑剤を含有するトップコート層を設ける
ことにより、防錆性、耐腐食性、耐久性、走行安定性の
すぐれた磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明
に到達したものである。
即ち、本発明は非磁性基材上に酸素含有強磁性金属薄膜
を設けた磁気記録媒体において、該強磁性金属薄膜の表
面上に、放射線硬化型リン酸エステルモノマー及び潤滑
剤とを含有するトップコート層を設けたことを特徴とす
る磁気記録媒体に関するものである。
本発明の強磁性薄膜に用いられる強磁性金属あるいは強
磁性合金としては、鉄、コバルト、ニッケルその他の強
磁性金属あるいはFe−Co、Fe−Ni、Co−N
i、Fe−Rh、Fe−Cu、Fe−Au、Co−C
u、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co−Pr、
Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、F
e−Co−Nd、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−Al
のような磁性合金を挙げることができる。
強磁性薄膜は非磁性基材、即ちポリエステルフィルム、
ポリアミドフィルム等のプラスチックフィルム、アルミ
板、ステンレス板等の金属板、ガラス板のような無機質
の板等の公知の基材の上に直接あるいは非磁性薄膜層を
介して、上記金属又は合金を真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング、メッキその他の方法で形成
され得る。
本発明の強磁性薄膜は前記どのような方法によって製造
されたものでも勿論用いることができるが、前記特公昭
57−29769号公報実施例5に記載のような真空度
5.0×10-6Torrの真空中で、その幅方向が蒸発
源に対して50゜傾斜して蒸着するもの(1)よりも、
現在一般に行なわれているところの、蒸着方向が長手方
向に傾斜(90゜〜30゜)し、幅方向には傾斜してい
ないもので、雰囲気として、O又はOとArを導入
しながら、〜1×10-4Torrで蒸着したもの(2)
が好ましく用いられる。
前記の(1)の方法で製造された蒸着膜は全面金属状態
(空気中に取り出した後に自然酸化された表面を除け
ば)であるのに対して、(2)の方法の微量の酸素ガス
の存在する真空中で金属又は合金を蒸着するものでは磁
性金属は酸素を含有し、その酸素は金属と固溶せず、酸
化物の状態で存在する。そして、この酸化物の存在が磁
気記録媒体にとっては好ましく、特にベースとの界面及
びベースと反対側の表面に酸化物が多く存在する場合
に、本発明において良好な特性が得られることが判明し
た。
又、強磁性金属薄膜への酸素導入法としては前記の酸素
の存在下での蒸着のほかに、酸素の存在しない真空蒸着
での蒸着膜を、例えば90℃、20%RH等の雰囲気中
で強制酸化し、そのベースと反対側の表面を酸化物のみ
とすることもできる。
酸素を含有する強磁性薄膜の酸素の含有量は で3〜60%である。
前述の通り磁気記録層が強磁性薄膜のみからなり、トッ
プコート層のないものでは、バックコート層に潤滑剤が
含有されたものであっても、摩擦レベルが高く、走行安
定性がなく、又耐久性においても劣り、トップコート層
のない蒸着膜において、現在行なわれている蒸着法で製
造される蒸着膜は酸素を含有するものであるが、これは
酸素を含有しない蒸着膜に比して耐食性、抗磁力、電磁
変換特性等の点ですぐれているけれども、磁気ヘッド等
との摩擦抵抗が未だ大きく不十分で、走行安定性、耐久
性の点で実用レベルの特性が得られない。そして、バッ
クコート層の潤滑剤が蒸着膜に裏型転写し、膜をいた
め、出力が不安定な状態となり、出力ダウン、目づまり
をしたり、画像が出ないか、或いは摩擦レベルが不安定
となり、時には膜がとれたり、或いはこわれたりする。
特にスチール時の測定において、膜がつきぬけてとれて
しまい、目づまりを発生し問題となる。したがってバッ
クコート層に潤滑剤を含有させるだけでは、満足できる
磁気記録媒体は得られず、又、トップコート層に潤滑剤
のみを塗布するものでは一時的摩擦の低下しか得られ
ず、防錆性、耐腐食性、耐久性の点でも著しく劣る故に
それらを解決する技術手段として、本発明では特定のト
ップコート層を設けるものである。
本発明のトップコート層は、放射線硬化型リン酸エステ
ルと潤滑剤を含有するものである。
本発明のトップコート層で用いられる放射線硬化型リン
酸エステルモノマーとしては、エステル部分のRとして
アルキル基、アルキルフェニル基、その他酸化エチレ
ン、酸化プロピレンを含有し(そのRとしてはC1〜2
6が好ましく、更に好ましいのは1〜22である)た
り、NH4 タイプのものも含まれるが、それらをイオン
化エネルギーに感応するアクリル系二重結合やマレイン
系二重結合を有するリン酸エステルとしたものである。
リン酸エステルとしてはモノ、ジ、トリのものが含ま
れ、モノあるいはジの成分が多いものであってもよく、
トリタイプのものはカットされていてもよい。これらリ
ン酸エステルとしては例えば(2−ヒドロキシエチル)
メタクリレートホスフェート、ブチルヒドロキシメタク
リレートホスフェート、カプリルヒドロキシメタクリレ
ートホスフェート、ミリスチルヒドロキシメタクリレー
トホスフェート、ステアリルヒドロキシメタクリレート
ホスフェート、セチルヒドロキシメタクリレートホスフ
ェート、ブチルフェニルヒドロキシメタクリレートホス
フェート、アミルフェニルヒドロキシメタクリレートホ
スフェート、ノニルフェニルヒドロキシメタクリレート
ホスフェート、及びこれらのアクリレートタイプのもの
が挙げられる。
これらの放射線硬化型リン酸エステルを用いる場合は、
トップコート層の製造上、連続処理が可能であり、オン
ライン上で処理できるので省エネルギー、コストの低減
に役立ち、又、塗膜が均一であり、磁性薄膜に良く付着
するというすぐれた効果が奏せられる。
本発明で用いられる潤滑剤としては従来この種磁気記録
媒体に用いられる潤滑剤としてシリコンオイル、弗素オ
イル、脂肪酸、脂肪酸エステル、パラフィン、流動パラ
フィン、界面活性剤等を用いることができるが、脂肪酸
および/又は脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。
脂肪酸としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアロール酸等の炭素数12以上の脂肪酸(RC
OOH、Rは炭素数11以上のアルキル基)であり、脂
肪酸エステルとしては、炭素数12〜16個の一塩基性
脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコールからなる
脂肪酸エステル類、炭素数17個以上の一塩基性脂肪酸
と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が21〜23個よ
り成る一価のアルコールとから成る脂肪酸エステル等が
使用される。
シリコーンとしては脂肪酸変性よりなるもの、一部フッ
素変性されているものが使用される。アルコールとして
は高級アルコールよりなるもの、フッ素としては電解置
換、テロメリゼーション、オリゴメリゼーション等によ
って得られるものが使用される。
潤滑剤の中では放射線硬化型のものも使用して好都合で
ある。これらは強磁性薄膜への裏型転写を抑えるため、
ドロップアウトの防止、ロール状に巻かれたときの内外
径の個所による出力差の減少の他、オンライン上での製
造が可能である等の利点を持つ。
放射線硬化型潤滑剤としては、滑性を示す分子鎖とアク
リル系二重結合とを分子中に有する化合物、例えばアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル酢酸エ
ステル、アクリル酸アミド系化合物、ビニルアルコール
エステル、メチルビニルアルコールエステル、アリルア
ルコールエステル、グリセライド等があり、これらの潤
滑剤を構造式で表すと、 等で、ここでRは直鎖又は分枝状の飽和もしくは不飽和
炭化水素基で、炭素数は7以上、好ましくは12以上2
3以下であり、これらは弗素置換体とすることもでき
る。弗素置換体としては CnF2n+1−、CnF2n+1(CH2m−(但し、m=
1〜5)、 CnF2n+1CH2 CH2 NHCH2 CH2 −、 等がある。
これら放射線硬化型潤滑剤の好ましい具体例としては、
ステアリン酸メタクリレート(アクリレート)、ステア
リルアルコールのメタクリレート(アクリレート)、グ
リセリンのメタクリレート(アクリレート)、グリコー
ルのメタクリレート(アクリレート)、シリコーンのメ
タクリレート(アクリレート)等が挙げられる。
本発明のトップコート層における放射線硬化型リン酸エ
ステルと潤滑剤の使用割合はリン酸エステル100重量
部に対し0.5〜30重量部である。
なお前記の添加剤に加えて通常用いられるリン酸エステ
ル以外の酸化防止剤を用いることも可能である。
強磁性薄膜表面に放射線硬化型リン酸エステルモノマー
及び潤滑剤を含むトップコート層を設ける方法として
は、前記添加剤を混合して強磁性薄膜上に該混合物を塗
布し、放射線を照射して硬化したり、又は先ず放射線硬
化型リン酸エステルモノマーを塗布、硬化後、該塗布膜
上に前記潤滑剤を塗布或いは蒸着して塗布膜或いは蒸着
膜を形成することができる。
前記添加剤の塗布に当っては、溶剤を用いて行なうこと
ができる。
又、前記潤滑剤の蒸着は、該潤滑剤を大気中、不活性ガ
ス中、あるいは真空中で気化せしめてその蒸気を前記塗
膜の表面に当てて行なうものである。
潤滑剤の蒸着法によるものでは、その膜の表面が均一と
なり、出力波形が良好なものが得られる。
トップコート層の厚みとしては10〜800Åが好まし
い。あまり厚すぎると電特の低下を生じたり、ケズレを
生ずる。又、あまり薄すぎると目づまりが発生する。ト
ップコートなしの強磁性薄膜の表面粗度は100Å以下
が好ましいため、この上にトップコート層を形成する場
合、あまり厚すぎるとケズレを生ずることが判った。あ
まり少なすぎるとトップコート層の吸着が弱すぎ、目づ
まりを発生することが予想される。このようなことは本
発明ではじめて判明したものである。特に好ましい範囲
としては10〜300Åである。
また本発明のトップコート層に用いる放射線硬化型添加
剤の架橋に使用する活性エネルギー線としては、放射線
加速器を線源とした電子線、Co60を線源としたγ−
線、Sr90を線源としたβ−線、X線発生器を線源とし
たX線あるいは紫外線等が使用される。
特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ライン
への導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加熱器
により放射線を使用する方法が有利である。
本発明において、トップコート層に前記の放射線硬化型
リン酸エステルを含有することにより、防錆効果が著し
く、又潤滑剤を含ませることにより、磁性層の表面の摩
擦抵抗が低下するという効果が奏せられ、走行安定性、
耐久性の優れた、ドロップアウトの減少した磁気記録媒
体が得られる。
本発明においてバックコート層は必要ないが、バックコ
ート層があれば走行性が更に安定し、好ましい。バック
コート層は通常用いられる無機顔料、潤滑剤、有機バイ
ンダーからなるものである。
(ニ)発明の利用分野 本発明の磁気記録媒体は、オーディオテープ、ビデオテ
ープ、コンピューター用テープ、エンドレステープ、磁
気ディスク等として利用でき、中でもドロップアウトが
最も重要な特性の1つであるビデオテープ、コンピュー
ター用テープとして用いることができ非常に有用であ
る。
近年、特に技術進歩が著しく、しかも市場性の拡大して
いる高バイアスのHiFi用オーディオカセットテー
プ、ビデオカセットテープ、ビデオテープ接触転写プリ
ント用マスターテープ等には本発明の特定のトップコー
ト層を設けた金属薄膜からなる磁気記録層を用いること
により、極めて良好な電磁変換特性と物性信頼性を有す
る高性能テープを得ることができ、本発明の磁気記録媒
体は有用性の大きいすぐれたものであるということがで
きる。
(ホ)発明を実施するための最良の形態 以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明がこの実施
例に限定されるものでないことは理解されるべきであ
る。
実施例1 (1)磁性層の形成 強磁性薄膜1 厚さ12μmのポリエステルフィルムを円筒状冷却キャ
ンの周面に沿わせて移動させ、O2 +Ar(容積比1:
1)を毎分800ccの速さで流し真空度を1.0×1
-4 Torrとしたチャンバー内で、Co80、Ni
20よりなる合金を溶融し、入射角90゜〜30゜の部
分のみ斜め蒸着し膜厚0.15μmのCo−Ni−O薄
膜を形成した。酸素はベースとの界面およびベースと反
対側の表面に多く偏在していた。またベースと反対側の
表面はほぼ酸化物のみで覆われていた。Hc=1000
Oe。膜中の平均酸素量はCoとNiに対する原子比 で40%であった。
強磁性薄膜2 厚さ12μmのポリエステルフィルムを円筒状冷却キャ
ンの周面に沿わせて移動させ、真空度を5.0×10-6
Torrとしたチャンバー内で、強磁性薄膜1の場合
と同様に蒸着した。膜厚は0.15μmで実質的にCo
−Niより成る。
このテープを90℃、20%RH雰囲気中で強制酸化
し、そのベースと反対側の表面を酸化物のみとした。H
c=900Oe。膜中の平均酸素量はCoとNiに対す
る原子比で45%であった。
強磁性薄膜3 酸素による酸化工程を省略した以外は強磁性薄膜2と同
様に厚さ12μmのポリエステルフィルムを円筒状冷却
キャンの周面に沿わせて移動させ、真空度を5.0×1
-6 Torrとしたチャンバー内で、強磁性薄膜1の
場合と同様に蒸着した。膜厚は0.15μmで実質的に
Co−Niより成るものであった。Hc=950Oe。
強磁性薄膜(比較例) 厚さ12μm幅1/2インチのポリエチレン・テレフタ
レートベースを真空度4.0×10-6 Torrの真空
中で、その幅方向が蒸発源に対して50゜に傾斜するよ
うに走行させつつ、Co75−Ni25(重量比)の合
金を蒸着せしめた。膜厚0.2μmでベースの長さの方
向の磁気特性が抗磁力420Oe、角型比0.80の磁
性薄膜が得られた。
(2)トップコート層の形成 トップコート1 重量部 ブチル(2)ヒドロキシメタクリレートホスフェー ト(モノ、ジの混合物) 2 フッ素変性ステアリン酸シリコーン 0.4 MEK 100 強磁性薄膜1に上記のトップコート組成を塗布し、15
0keV、6mA、3Mrad、N2 ガス中で照射し、
膜厚50Åのトップコートとした。
トップコート2 重量部 エチル(3)ヒドロキシメタクリレートホスフェー ト(モノ、ジ、トリの混合物) 3 ステアリン酸 0.5 ステアリン酸変性シリコーン 0.5 トルエン/エタノール(9/1) 100 強磁性薄膜1に上記トップコート1と同様にしてトップ
コート層を形成した。膜厚は100Åであった。
トップコート3 重量部 ステアリル(2)ヒドロキシアクリレートホスフェー ト(モノ、ジの混合物) 5 ステアリン酸アクリレート 1 MEK/トルエン(1/1) 100 強磁性薄膜2に上記のトップコート組成を塗布し、15
0keV、10mA、5Mrad、N2 ガス中で照射
し、膜厚300Åのトップコートとした。
トップコート4 重量部 ノニルフェニル(1)ヒドロキシメタクリレートホスフ
ェート(モノ、ジの混合物) 3 ベンゾインエチルエーテル 1 MEK/トルエン(1/1) 100 強磁性薄膜1に上記のトップコート組成を塗布し、紫外
線ランプ(出力80W/有効長1cm)の下で毎分30
mのラインスピードで照射し、膜厚100Åのトップコ
ートとした。
トップコート5 重量部 ノニルフェニル(2)ヒドロキシメタクリレートホ スフェートアミン(モノ、ジの混合物) 5 ベンゾフェノン 2 MEK/トルエン(1/1) 100 強磁性薄膜3に上記トップコート4と同様にしてトップ
コート層を得た。膜厚300Åであった。
2層塗布 トップコート6 重量部 A ブチル(2)ヒドロキシメタクリレートホスフェー ト 2 MEK 100 強磁性薄膜1に上記A組成を塗布し、150keV、6
mA、3Mrad、N2 ガス中で照射した。
次いでAの上に B ステアリルメタクリレート 0.3 フッ素オイル(テロメリゼーション法) 0.2 MEK 100 の組成を塗布し、150keV、4mA、2Mrad、
2 ガス中で照射し、膜厚50Åのトップコートとし
た。
トップコート7 強磁性薄膜2上に設けたトップコート6の組成Aの上に
4×10-3 Torrの条件の雰囲気でステアリルアル
コールを吸着させた。膜厚50Å。
トップコート8 強磁性薄膜3上に設けたトップコート6の組成Aの上に
4×10-3 Torrの条件の雰囲気でフッ素オイルを
吸着させた。膜厚50Å。
これらの磁気記録媒体、及び比較例の特性を以下の表に
示す。
上記表の結果を以下に考察する。
1.スチール特性が、放射線硬化型のリン酸エステルが
放射線硬化型でないもの(比較例5)に比べすぐれてい
ることが判る。
2.錆の効果については、1週間保存で発生せず、効果
があることが判る。O2 導入なしの膜(比較例4)は1
日で錆が発生し、O2 導入ありのものに比べ、膜が錆や
すいことも判る。
3.磁性面側の摩擦については酸素有の膜(比較例1〜
3)の方が酸素無の膜(比較例4)に比べ摩擦が低いが
未だ摩擦レベルが高い。トップコートすることにより摩
擦レベルが下る。
4.トップコートによる摩擦は二層塗布の方が低い(実
施例6)。二層の中では蒸着法による方法の方が更に摩
擦が低くなる(実施例6、9)。蒸着法による場合、顕
微鏡での目視、及び写真判定で比べてみると、塗布によ
る二層のものより、表面性がすぐれていることが判る。
又、摩擦レベルが最も低いことが判る。
電特のエンベロープにおいても、このことが言える。
上記特性の測定方法について以下に記す。
1.スチール特性 5MHzで記録し、再生出力のスチール特性を測定す
る。10分以上をOKレベルとする。
2.磁性面側摩擦測定 磁気テープの磁性面がシリンダー側に来るように巻きつ
け、一方の端面に20gの負荷をかけ、シリンダーを9
0゜回転したときの張力変化を読みとって摩擦測定をす
る。
3.表面性 干渉顕微鏡にて50、400倍の倍率にて目視、及び写
真により調査する。
4.出力 中心周波数5MHzで記録、再生した場合のS/N比
(相対値)を示す。VHSのVTRを改造し5MHzま
で測定できるようにする。
5.錆 50℃、90%RHの環境下に2日間保存する。
6.粘着性試験 ガラス管に約1mのテープを500gの分銅で巻き、1
日後にとり出し、常温に6時間保存後、測定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−218043(JP,A) 特開 昭50−66206(JP,A) 特開 昭57−44223(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基材上に酸素含有強磁性金属薄膜を
    設けた磁気記録媒体において、該強磁性金属薄膜の表面
    上に放射線硬化型リン酸エステルモノマー及び潤滑剤と
    を含有するトップコート層を設けたことを特徴とする磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】トップコート層が放射線硬化型リン酸エス
    テルモノマー及び潤滑剤を混合して塗布してなるもので
    ある、特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】トップコート層が放射線硬化型リン酸エス
    テルモノマーの塗布膜上に更に潤滑剤の塗布膜もしくは
    蒸着膜を設けた二層構造からなる特許請求の範囲第1項
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】潤滑剤が放射線硬化型のものを含むもので
    ある特許請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の
    磁気記録媒体。
JP59015259A 1984-02-01 1984-02-01 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH0619831B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59015259A JPH0619831B2 (ja) 1984-02-01 1984-02-01 磁気記録媒体
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