JPH06194434A - スクイド磁束計 - Google Patents

スクイド磁束計

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JPH06194434A
JPH06194434A JP4343811A JP34381192A JPH06194434A JP H06194434 A JPH06194434 A JP H06194434A JP 4343811 A JP4343811 A JP 4343811A JP 34381192 A JP34381192 A JP 34381192A JP H06194434 A JPH06194434 A JP H06194434A
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superconducting
temperature
ring
squid magnetometer
superconducting material
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JP4343811A
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Juichi Nishino
壽一 西野
Eriko Takeda
栄里子 武田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 スクイド磁束計の磁束トラップによる誤動作
の発生を低減し動作の安定化をはかる。 【構成】 スクイド磁束計の信号検出用の閉ループ2を
超電導状態に保ったまま、磁気遮蔽リングの一部分5を
超電導状態に保ち残りの部分を常伝導状態もしくは超電
導状態に保つための状態制御手段を含んで構成する。 【効果】 磁束トラップによる誤動作の発生が少なくな
り、スクイド磁束計が安定に動作する。また、スクイド
磁束計の操作が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導素子を用いた磁束
計に関わり、動作が安定で操作が容易なスクイド磁束計
の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジョセフソン素子を用いたスクイ
ド磁束計においては、第2回高温超電導デバイスに関す
るワークショップ予稿集(新機能素子研究開発協会、6
月7−9日、1989年、北海道、219頁−222
頁)(2nd Workshop on HighTemperature Superconduct
ing Electronics R&D Association for FutureElectron
Devices、 June 7-9、 1989、in Shikabe、 Hokkaid
o、 Japan 、pp.219-222)に開示されたるごとく、図8
に示したように超高感度の動作を実現する場合や磁束雑
音の多い場所で使用する場合には外部の磁気雑音を排除
する目的で、ジョセフソン素子1を含んで構成された超
電導材料からなる信号検出用の閉ループ2の周囲に1種
類の超電導材料から構成した閉ループよりなる磁束雑音
遮蔽用の遮蔽リング7を設け、外部からの磁束雑音を超
電導閉ループの磁気遮蔽効果によって低減していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のスクイド磁
束計においては、超電導材料で構成した回路部分を材料
が超電導状態となる温度以下に冷却する際に、磁束雑音
遮蔽用の遮蔽リングの中に磁束がトラップされ、そのた
めに磁束の測定結果がずれる現象が確率的に発生し、磁
束計の誤動作につながるという問題があった。さらに、
遮蔽リングの中に磁束がひとたびトラップされると、こ
れを解除するにはヒータ等によって加熱し、回路全体を
温めて超電導材料を常伝導状態にもどすことが必要にな
るが、前記ように、磁束のトラップが確率的な現象であ
るため、確実なトラップの解除は期待できなかった。
【0004】また、従来のスクイド磁束計においては、
前記磁束トラップのために、一つのチップ上に複数のス
クイドを設けた多チャンネルの磁束計の場合、各チャン
ネルごとの特性が磁束トラップによってばらつくため
に、磁束計システムの動作が不安定になるという問題が
あった。
【0005】本発明の目的は、これらの問題を解決し
て、磁束トラップによる誤動作の発生が少なく安定に動
作するスクイド磁束計を提供することにある。また本発
明の別の目的は、トラップした磁束を容易に解除するこ
とのできる、操作が容易なスクイド磁束計を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、一
つ以上のジョセフソン素子を含んで構成された超電導材
料からなる信号検出用の閉ループと、この閉ループに被
測定信号を伝達するための超電導材料よりなる入力コイ
ルと、その周囲に設けた超電導材料の閉ループよりなる
磁束雑音遮蔽用の遮蔽リングとを少なくとも含んで構成
されたスクイド磁束計において、前記信号検出用の閉ル
ープを超電導状態に保ったまま、前記遮蔽リングの一部
分を超電導状態に保ち、残りの部分を常伝導状態もしく
は超電導状態に保つための状態制御手段を含んで構成す
ることにより達することができる。
【0007】また本発明の別の目的は、前記構成に加え
て、さらに前記遮蔽リングは第1の超電導材料より構成
された部分とこれよりも超電導転移温度の低い第2の超
電導材料によって構成された部分とを接続して構成する
か、あるいは前記遮蔽リングの一部分の温度を、前記第
1の超電導材料の超電導転移温度よりも高く保つための
温度制御手段を含んで前記状態制御手段を構成すること
により達することができる。
【0008】
【作用】本発明においては、前記信号検出用の閉ループ
を超電導状態に保ったまま、前記遮蔽リングの一部分を
超電導状態に保ち、残りの部分を超電導状態もしくは常
伝導状態に保つための状態制御手段を含んでスクイド磁
束計を構成している。遮蔽リングを持ったスクイド磁束
計を、動作温度まで冷却する際には、遮蔽リングを構成
する超電導材料が常伝導状態にあったときに遮蔽リング
を構成する材料を貫いていた磁束は、超電導材料が超電
導転移することにともなって遮蔽リングを構成する超電
導材料から排除される。磁束の排除が遮蔽リングの外側
へ向かって行われる場合には磁束トラップはおこらない
が、遮蔽リングの内側へ排除された磁束は、従来のスク
イド磁束計では遮蔽リングの内側にトラップされ、スク
イド磁束計の被測定磁束に対する出力電圧の関係が変化
するために、スクイド磁束計の動作が不安定になってい
た。
【0009】つまり従来の遮蔽リングを持ったスクイド
磁束計では、遮蔽リングが1種類の超電導材料を用いて
構成されており、冷却に際しては特別な温度制御の配慮
を行っていなかったために、遮蔽リングの内側方向へ排
除された磁束はそのままトラップされる。
【0010】これに対して、本発明では遮蔽リングの内
側へ向かって排除された磁束の大部分は、さらに遮蔽リ
ングの一部分の常伝導状態の部分を通って遮蔽リングの
外側へと排除される。このため、従来技術において磁束
トラップの原因となっていた外部磁束が逃げ場を失って
遮蔽リングの内部に濃縮されるということを防止するこ
とができる。そのため、遮蔽リングへの磁束トラップに
よるスクイド磁束計の誤動作は極めて少なくなる。従っ
て、本発明によれば、1チャンネルあるいは多チャンネ
ルの磁束計の場合であっても安定に動作する磁束計シス
テムを実現することができる。つまり、磁束トラップに
よる誤動作の発生が少なく安定に動作するスクイド磁束
計を提供することができる。
【0011】さらにこの効果は、スクイド磁束計を最初
に冷却する場合に限らず、仮に動作中に遮蔽リングへの
磁束トラップが発生した場合にも、このトラップ磁束を
前記遮蔽リングの一部分の常伝導状態の部分を通して遮
蔽リングの外側へと排除することができるので、スクイ
ド磁束計の安定な動作を容易に回復できる。従って、本
発明によればトラップした磁束を容易に排除することが
できるので、スクイド磁束計の操作が容易になる。
【0012】前記遮蔽リングは第1の超電導材料より構
成された部分とこれよりも超電導転移温度の低い第2の
超電導材料によって構成された部分とを接続して構成し
てあるので、前記信号検出用の閉ループおよび遮蔽リン
グの温度を、前記第1の超電導材料の超電導転移温度よ
り低く、かつ前記第2の超電導材料の超電導転移温度よ
りは高く保てば、第2の超電導材料によって構成された
部分は常伝導状態にあるので、トラップ磁束をこの常伝
導状態の部分を通して遮蔽リングの外側へと排除するこ
とができる。
【0013】このような遮蔽リング中の常伝導状態の部
分の構成方法は、このほかに前記遮蔽リングの一部分の
温度を、前記第1の超電導材料の超電導転移温度よりも
高く保つための温度制御手段を含んで前記状態制御手段
を構成することにより達することができる。すなわち、
ヒーター等によって局所的に遮蔽リングの一部分を常伝
導状態にしても良い。この場合にもトラップ磁束をこの
常伝導状態の部分を通して遮蔽リングの外側へと排除す
ることができる。従って、安定に動作しトラップした磁
束を容易に排除することのできるスクイド磁束計を実現
することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0015】図1を用いて本発明の第1の実施例を説明
する。この実施例では、dcスクイド4の周囲に外部磁
束の遮蔽用の遮蔽リングを設けている。この遮蔽リング
は、厚さ約300nmで幅が約100μmのNb薄膜か
ら構成された第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導
リングの一部分5と、厚さ約400nmで幅が約100
μmのPb−5wt%In合金薄膜から構成された第2
の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部分6
を接続してリング状に構成してある。本実施例において
はジョセフソン素子1はNb/Al酸化物/Nbのサン
ドイッチ型であり、この素子はこれらの3つの材料をス
パッタリング法によって積層後にホトレジストをマスク
としたドライエッチングによって加工して形成した。信
号検出用超電導ループ2は第1の超電導体であるNb薄
膜を用いて形成してあり、その厚さは約300nmであ
る。実際のスクイド磁束計のチップではこの他にSiO
蒸着膜よりなる層間絶縁膜やMoの薄膜よりなる抵抗体
が設けられているが、図には明示していない。
【0016】入力信号をdcスクイド4に伝達するため
に、あるいはdcスクイドの特性の制御のために使用す
る2本の信号入力用超電導配線3は、やはりスパッタリ
ング法によって形成し、ホトレジストをマスクとしたド
ライエッチングによって加工して形成した厚さ約500
nmのNb薄膜を用いた。
【0017】このようにして作製したスクイド磁束計
を、液体ヘリウムを用いて徐々に冷却したところ、まず
はじめに第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リン
グの一部分5を含むNb薄膜から構成された部分が超電
導状態になり、そのあとでPb−5wt%In合金薄膜
から構成された第2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電
導リングの一部分6が超電導状態に転移する。このため
に、第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リング5
から掃き出された磁束は第2の超電導体からなる磁気遮
蔽用超電導リングの一部分6の位置から、磁気遮蔽用超
電導リングの外側に確実に排除される。このため、磁気
遮蔽用超電導リングの内部に磁束がトラップされること
がないので、スクイド磁束計の特性は安定動作した。
【0018】次に、図2を用いて別の実施例を説明す
る。図2は本発明の実施例によるスクイド磁束計の断面
図である。この実施例では図1に示したスクイド磁束計
に幾つかの構成要素が追加されている。図2には図1に
示した磁束計のうちで信号検出用超電導ループ2の断面
と第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一
部分5のみが示されている。このほかに第1の超電導体
であるNbの薄膜からなる配線21と第2の超電導体で
あるPb−5wt%In合金の薄膜からなる配線22と
がSi単結晶から成る基板26のdcスクイド、第1の
超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部分5、
および第2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リング
の一部分6と同じ側に設けられている。さらにヒーター
23が基板26のdcスクイドとは反対側に設けてあ
る。ヒーター23にはリード線24を介して電流を供給
できるようになっている。dcスクイドや磁気遮蔽用の
超電導リングの形成方法は図1に示したスクイド磁束計
と同じで良い。
【0019】本実施例では、スクイド磁束計を、液体ヘ
リウムを用いて徐々に冷却する際に第1の超電導体であ
るNbの薄膜からなる配線21と第2の超電導体である
Pb−5wt%In合金の薄膜からなる配線22の電気
抵抗を測定しながら、配線21が超電導状態にあってか
つ配線22が常伝導状態にあるように、ヒーター23に
リード線24を介して流す電流を調節しこの状態を5秒
間維持した。その後に、リード線24を介して流す電流
をゼロにして、チップ全体を冷却したところ、第1の超
電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部分5を含
むNb薄膜から構成された部分が超電導状態になったあ
とで、Pb−5wt%In合金薄膜から構成された第2
の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部分6
を超電導状態に転移させることを確実に実行できた。こ
のために、第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リ
ングから掃き出された磁束は第2の超電導体からなる磁
気遮蔽用超電導リングの一部分6の位置から、磁気遮蔽
用超電導リングの外側に確実に排除される。その後に第
2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部分
6は超電導状態に転移する。このため、磁気遮蔽用超電
導リングの内部に磁束が濃縮されてトラップされること
がないので、スクイド磁束計は安定に動作した。
【0020】さらに、この実施例ではスクイド磁束計の
動作中に発生した磁束トラップも、上記のヒーター23
に通電する方法によって確実に除去できるとともに、ヒ
ーターで加熱する際の昇温を制御できるので、冷媒であ
る液体ヘリウムの無駄が少なく、効率が良く安定な動作
を実現できる。
【0021】つぎに、図3を用いて本発明の別の実施例
を説明する。図2の構造を有する実施例では熱源にヒー
ターを用いていたのに対して、この実施例では光を含む
電磁波を照射することによって、スクイド磁束計の温度
を上昇させている。光は光ファイバ25を通して室温に
置かれた光源から導かれ、チップに照射される。この場
合にも、第1の超電導体であるNbの薄膜からなる配線
21と第2の超電導体であるPb−5wt%In合金の
薄膜からなる配線22の電気抵抗を測定しながら、配線
21が超電導状態にあってかつ配線22が常伝導状態に
あるように、光量を調節しこの状態を5秒間維持した。
その後に、光量をゼロにして、チップ全体を冷却したと
ころ、第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リング
の一部分を含むNb薄膜から構成された部分が超電導状
態になったあとで、Pb−5wt%In合金薄膜から構
成された第2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リン
グの一部分を超電導状態に転移させることを確実に実行
できる。このために、第1の超電導体からなる磁気遮蔽
用超電導リングから掃き出された磁束は第2の超電導体
からなる磁気遮蔽用超電導リングの位置から、磁気遮蔽
用超電導リングの外側に確実に排除される。このため、
磁気遮蔽用超電導リングの内部に磁束がトラップされる
ことがないので、スクイド磁束計の特性は安定動作し
た。
【0022】つぎに、図4を用いて本発明の別の実施例
を説明する。この実施例でも図1に示したスクイド磁束
計に幾つかの構成要素が追加されている。このほかに第
1の超電導体であるNbの薄膜からなる配線21、第2
の超電導体であるPb−5wt%In合金の薄膜からな
る配線22、Moの薄膜からなる抵抗体43とが、ホイ
ートストン・ブリッジを構成するごとくに設けられてい
る。このホイートストン・ブリッジの回路図を図5に示
す。
【0023】このホイートストン・ブリッジからは電圧
バイアス配線41、42と電圧読み取り用配線44、4
5とが引き出されており、電圧読み取り用配線44と4
5の間に発生する電圧によって、第1の超電導体である
Nbの薄膜からなる配線21が超電導状態にあり、第2
の超電導体であるPb−5wt%In合金の薄膜からな
る配線22が常伝導状態にあることを検出できる。さら
にヒーター23が基板26のdcスクイドとは反対側に
設けてある。この検出結果に従ってヒーターに電流を供
給できる。dcスクイドや磁気遮蔽用の超電導リングの
形成方法は図1に示したスクイド磁束計と同じで良い。
【0024】本実施例では、ホイートストン・ブリッジ
の構成を用いたことによって、電気抵抗の検出精度が向
上し、しかも第1の超電導体であるNbの薄膜からなる
配線21、第2の超電導体であるPb−5wt%In合
金の薄膜からなる配線22を別々に配線して電気抵抗を
測定した場合に比べて配線の数を減らすことができる。
このため、チップ上の占有面積を小さくするとともに、
外部からの熱の流入を減らすことができる。
【0025】本実施例では、スクイド磁束計を、液体ヘ
リウムを用いて徐々に冷却する際に電圧読み取り用配線
44と45の間に発生する電圧を測定しながら、配線2
1が超電導状態にあってかつ配線22が常伝導状態にあ
るように、ヒーター23にリード線24を介して流す電
流を調節しこの状態を5秒間維持した。その後に、リー
ド線24を介して流す電流をゼロにして、チップ全体を
冷却したところ、第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超
電導リングの一部分5を含むNb薄膜から構成された部
分が超電導状態になったあとで、Pb−5wt%In合
金薄膜から構成された第2の超電導体からなる磁気遮蔽
用超電導リングの一部分6を超電導状態に転移させるこ
とを確実に実行できる。このために、第1の超電導体か
らなる磁気遮蔽用超電導リング5ら掃き出された磁束は
第2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部
分6の位置から、磁気遮蔽用超電導リングの外側に確実
に排除される。このため、磁気遮蔽用超電導リングの内
部に磁束がトラップされることがないので、スクイド磁
束計は安定動作した。
【0026】さらに、この実施例ではスクイド磁束計の
動作中に発生した磁束トラップも、上記のヒーター23
に通電する方法によって確実に除去できるとともに、ヒ
ーターで加熱する際の昇温を制御できるので、冷媒であ
る液体ヘリウムの無駄が少なく、効率が良く安定な動作
を実現できる。
【0027】つぎに、図6を用いて本発明の別の実施例
を説明する。図6は本発明の実施例によるスクイド磁束
計の断面図である。図6には磁束計のうちで信号検出用
超電導ループ2の断面と第1の超電導体からなる磁気遮
蔽用超電導リングの一部分5のみが示されている。この
ほかに第1の超電導体であるNbの薄膜からなる配線2
1と第2の超電導体であるPb−5wt%In合金の薄
膜からなる配線22とがSi単結晶から成る基板26の
dcスクイド、第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電
導リングと同じ側に設けられている。さらに光ファイバ
71が基板26のdcスクイドと同じ側に設けてある。
dcスクイドや磁気遮蔽用の超電導リングの形成方法は
図1に示したスクイド磁束計と同じで良い。ただし、磁
気遮蔽用の超電導リングは第1の超電導体のみで構成す
る。
【0028】このようにして作製したスクイド磁束計
を、液体ヘリウムを用いて徐々に冷却したところ、まず
はじめに第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リン
グの一部分を含むNb薄膜から構成された部分が超電導
状態になり、そのあとで光ファイバ71からの光が照射
された部分の第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導
リングの部分が超電導状態に転移する。このために、第
1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングから掃き
出された磁束はこの光ファイバ71からの光が照射され
た部分の第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リン
グの部分から、磁気遮蔽用超電導リングの外側に確実に
排除される。このため、磁気遮蔽用超電導リングの内部
に磁束がトラップされることがないので、スクイド磁束
計は安定に動作した。
【0029】つぎに、図7を用いて本発明の別の実施例
を説明する。図6に構成を示した実施例においては、遮
蔽リングの一部分に光を照射して常伝導状態に転移させ
ていたが、この実施例ではヒーター51に通電加熱して
遮蔽リングの一部分を常伝導状態に転移させている。こ
の場合にも磁気遮蔽用超電導リングの内部に磁束がトラ
ップされることがないので、スクイド磁束計は安定に動
作した。
【0030】また図6および図7に構造を示したスクイ
ド磁束計の実施例においては、第1の超電導体であるN
bの薄膜からなる配線と第2の超電導体であるPb−5
wt%In合金の薄膜からなる配線、あるいは第1の超
電導体であるNbの薄膜からなる配線、第2の超電導体
であるPb−5wt%In合金の薄膜からなる配線、M
oの薄膜からなる抵抗体とからなるホイートストン・ブ
リッジは明示されていないがこれらと組み合わせて使用
することは、別の実施例に記載したことと同様の効果を
生むことは明らかである。
【0031】また、本実施例では第1の超電導体として
Nb、第2の超電導体としてPb−5wt%In合金を
用いたがこの組合せに限るものではなく、例えば酸化物
超電導材料等を用いても良いことは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、遮蔽
リングの内側への磁束トラップを防ぐことができるので
スクイド磁束計の誤動作の発生を少なくして安定に動作
させることができる。また本発明によれば、スクイド磁
束計に一度トラップした磁束を容易に解除することがで
きるので、操作を容易にすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるスクイド磁束計の上面
図。
【図2】ヒータにより温度制御を行ったチップの断面
図。
【図3】光照射により温度制御を行ったチップの断面
図。
【図4】電気抵抗による温度検出回路を設けたスクイド
磁束計の上面図。
【図5】温度検出回路のホイートストン・ブリッジの回
路図。
【図6】本発明の実施例によるスクイド磁束計の上面
図。
【図7】本発明の実施例によるスクイド磁束計チップの
断面図。
【図8】従来例によるスクイド磁束計の上面図。
【符号の説明】
1…ジョセフソン素子、2…信号検出用超電導ループ、
3…信号入力用超電導配線、4…dcスクイド、5…第
1の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リングの一部
分、6…第2の超電導体からなる磁気遮蔽用超電導リン
グの一部分、7…第1の超電導体からなる磁気遮蔽用超
電導リング、21…第1の超電導体からなる配線、22
…第2の超電導体からなる配線、23…ヒーター、24
…リード線、25…光ファイバ、26…基板、41、4
2…電圧バイアス配線、43…抵抗体、44、45…電
圧読み取り用配線、51…ヒーター、71…光ファイ
バ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つ以上のジョセフソン素子を含んで構成
    された超電導材料からなる信号検出用の閉ループと、こ
    の閉ループに被測定信号を伝達するための超電導材料よ
    りなる入力コイルと、その周囲に設けた超電導材料の閉
    ループよりなる磁束雑音遮蔽用の遮蔽リングとを少なく
    とも含んで構成されたスクイド磁束計において、前記信
    号検出用の閉ループを超電導状態に保ったまま、前記遮
    蔽リングの一部分を超電導状態に保ち残りの部分を常伝
    導状態に保つための状態制御手段を含んで構成されたこ
    とを特徴とするスクイド磁束計。
  2. 【請求項2】前記遮蔽リングは第1の超電導材料より構
    成された部分と、これよりも超電導転移温度の低い第2
    の超電導材料によって構成された部分とを接続して構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載のスクイド
    磁束計。
  3. 【請求項3】前記信号検出用の閉ループおよび前記遮蔽
    リングの温度を、前記第1の超電導材料の超電導転移温
    度より低く、かつ前記第2の超電導材料の超電導転移温
    度よりは高く保つための温度制御手段を含んで前記状態
    制御手段を構成した請求項2に記載のスクイド磁束計。
  4. 【請求項4】前記温度制御手段は、前記第1の超電導材
    料よりなる配線と前記第2の超電導材料よりなる配線と
    の電気抵抗の値によって、前記信号検出用の閉ループの
    温度の検出手段を含んで構成されたことを特徴とする請
    求項3に記載のスクイド磁束計。
  5. 【請求項5】前記温度制御手段は、通電による常伝導体
    の発熱により温度上昇を行うことを特徴とする請求項3
    ないし4に記載のスクイド磁束計。
  6. 【請求項6】前記温度制御手段は、光あるいは電磁波の
    照射により温度上昇を行うことを特徴とする請求項3な
    いし4に記載のスクイド磁束計。
  7. 【請求項7】前記第1の超電導材料はNbであり前記第
    2の超電導材料はPbまたはPb合金であることを特徴
    とする請求項1ないし6に記載のスクイド磁束計。
  8. 【請求項8】前記信号検出用の閉ループの温度の検出手
    段は、前記第1の超電導体よりなる配線と前記第2の超
    電導体よりなる配線とを、それぞれ対角の位置に配置し
    たホイーストン・ブリッジであることを特徴とする請求
    項4に記載のスクイド磁束計。
  9. 【請求項9】前記信号検出用の閉ループを構成する超電
    導材料は前記遮蔽リングを構成する第1の超電導材料と
    同一であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の
    スクイド磁束計。
  10. 【請求項10】前記遮蔽リングの一部分の温度を、前記
    第1の超電導材料の超電導転移温度よりも高く保つため
    の温度制御手段を含んで前記状態制御手段を構成した請
    求項1に記載のスクイド磁束計。
  11. 【請求項11】前記温度制御手段は、通電による常伝導
    体の発熱により温度上昇を行うことを特徴とする請求項
    10に記載のスクイド磁束計。
  12. 【請求項12】前記温度制御手段は、光あるいは電磁波
    の照射により温度上昇を行うことを特徴とする請求項1
    0に記載のスクイド磁束計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006337297A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Kanazawa Inst Of Technology 超伝導磁気センサ
JP2012505414A (ja) * 2008-10-09 2012-03-01 ディー−ウェイブ システムズ,インコーポレイテッド 磁場測定用のシステム、方法および装置
JPWO2018211833A1 (ja) * 2017-05-19 2020-04-09 国立大学法人 岡山大学 磁場計測装置

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