JP5537312B2 - 地下資源探査用磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、地質調査や地下資源探査などの電磁探査に用いられ、超電導量子干渉素子(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)を備えた地下資源探査用磁気センサに関する。
従来から、地質調査や地下資源探査などには、電磁探査が実用化されている。この電磁探査では、地質の電気的物性(比抵抗)が測定される。地質の電気的物性を測定する方法として、地表面から地下の探査対象の地質に向けて、周期的に変化する1次磁場を発生させ、この1次磁場によって探査対象の地質で発生する2次磁場を測定する方法が知られている(たとえば、特許文献1や非特許文献1等を参照)。このため、深部からの2次磁場ほど遅れて測定され、その測定値も小さくなる傾向にある。
この2次磁場の測定には、地下資源探査用磁気センサが用いられている。地下資源探査用磁気センサとしては、SQUIDを用いて、磁場の大きさを直接測定する構成が提案されている(非特許文献1等を参照)。これは、2次磁場の時間的変化は、2次磁場の時間微分の時間的変化に比較して緩やかであり、かつその測定値も大きいからである。このため、SQUIDを用いた地下資源探査用磁気センサでは、1次磁場の周期が低周波領域(時間的変化が緩やか)でも高感度であり、より微小な2次磁場を検出できるので、より遅い時間まで測定値を取得でき、より深部の地質の比抵抗分布を取得できる。そして、より一層深部の比抵抗分布を取得するために、(1)SQUIDの感度をさらに向上させ(雑音を下げ)、(2)環境雑音を確実にキャンセルすることが望まれている。
一般に、SQUIDを用いた地下資源探査用磁気センサでは、SQUIDに検出コイルが接続された構成となっている。具体的に、SQUIDは、超電導リングに2つのジョセフソン接合が形成された構造である。SQUID単体でも磁気センサとして機能するが、磁場を検出する面積が狭いため磁場感度が低い。そこで、SQUIDに、SQUIDよりも大きな面積の検出コイルを結合させることで高感度化が図られている。
また、SQUIDを用いた地下資源探査用磁気センサでは、取り扱いが容易な液体窒素での冷却 が可能なため、高温超電導材によるSQUIDの使用が求められている。高温超電導材では、まだ、超電導体同士の接続技術が確立していない。そこで、基板上に成膜された高温超電導材の薄膜に、SQUIDと検出コイルが形成されている。発明者らは高温超電導材の薄膜の多層構造作成技術を開発しており、SQUIDと磁気結合した入力コイルと、その入力コイルに接続する検出コイルとを同一基板上に形成した世界最高感度クラスのSQUID磁束計を作製している(非特許文献2参照)。
検出コイルを大きくすると検出感度は向上するが、空間分解能は低下することになる。しかしながら、本発明が対象とする地質調査や地下資源探査などでは、地下数十mから数百mの深部からの2次磁場を計測することを目的とするため、基板の大きさ10mmから20mm角レベルでの空間分解能の低下は問題にならない。そして、そのレベル以上の検出コイルの大型化は、SQUIDの感度を向上させる方法として有効なアプローチである。
また、環境雑音をキャンセルできる有力な方法として微分型検出コイルを使用する方法(グラジオメータ)が知られている。グラジオメータでは、2つの検出コイルループが逆相で接続された構造になっており、それぞれの検出コイルループに鎖交する環境雑音の磁場をキャンセルし、2つの検出コイルループ間の磁場勾配を信号として計測する。グラジオメータでは、2つの検出コイルループの距離(ベースライン長)に対して、探査対象の地質(磁場源)までの距離(深度)が長いほど、信号もキャンセルされるため、深部の信号を測定するためにはベースライン長を長くする必要がある。しかし、超電導体同士の接続技術が確立していない高温超電導体の場合、ベースライン長が数mmと短いが微分型検出コイルとSQUIDを同じ基板上に形成できる平面型グラジオメータが作製されている。ベースラインが短いのは、高品質な超電導薄膜を成膜可能な基板サイズが小さいためである。
地下資源探査用ではないが、Tianら(非特許文献3参照)は、高温超電導体での大型の検出コイルを実現するため、大面積基板(2インチ角)に作製した超電導薄膜を使用して、ベースライン長が15mmの平面型一次微分検出コイルを作製した。SQUIDは別基板上に作製されておりフリップチップ方式で磁気結合されている。
また、Dyvorneら(非特許文献4参照)は、フレキシブルな金属基板上に超電導薄膜が形成された超電導テープ線材を使用した検出コイルを作製し、この検出コイルを同様の超電導テープ線材で作製した入力コイルを介して別基板上の磁気センサと磁気的に結合させている。磁気センサにはGMR(Giant Magneto Resistive)磁気センサを使用している。超電導テープ線材を使用することで大型の検出コイルを作製可能にしている。
特開平7−110382号公報
T. Nagaishi, et. al., IEEE Trans. Appl. Supercond., Vol.15, No.2 (2005) 749. H.Wakana et. al., IEEE Trans. Appl. Supercond., Vol.19, No.3 (2009) 7852. Y. J. Tian, S. Linzen, F. Schmidl, L. Dorrer, R. Weidl, P. Seidel、Appl. Phys. Lett. Vol. 74 No. 9(1999)1302. H. Dyvorne, R. Guerrero, C. Fermon, M. Pannetier-Lecoeur, J.-F. Jacquinot, IEEE Trans. Appl. Supercond., Vol. 19 No. 3(2009) 761.
前記のように、検出コイルの大型化による感度向上、ベースライン長の長い微分型検出コイル(グラジオメータ)による環境雑音のキャンセルは、一層微弱な磁気信号の検出が求められる深部の探査を行うために有効な手段と考えられる。大型の検出コイルを作製するためには超電導線材を使用する必要があるが、高温超電導体では超電導線材を接続する技術がまだ開発されていないため、大型の検出コイルとSQUIDを効率良く結合させることができなかった。
非特許文献4では、超電導テープ線材を用いて大型の検出コイルを作製可能にしているが、その検出コイルに接続する入力コイルと磁気センサの磁気結合が弱いと考えられた。それは、超電導テープ線材は、許容される曲率半径よりも曲げると、超電導薄膜にクラックが発生し、超電導電流が流れなくなるため、超電導テープ線材を使用した入力コイルを、磁気センサのサイズ程度に小さくすることができないと考えられるからである。また、超電導テープ線材の超電導薄膜の周りの保護層やシース材の厚みがあるため、入力コイルと磁気センサ間の実効的な距離を小さくできないことも入力コイルと磁気センサの磁気結合を弱くしていると考えられる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、超電導テープ線材を使用した検出コイルとSQUIDの結合効率が高い地下資源探査用磁気センサを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、
基板上に形成された超電導層を有し、前記超電導層に超電導量子干渉素子(SQUID)が形成されている地下資源探査用磁気センサにおいて、
前記超電導層に形成され前記SQUIDに接続又は磁気結合する薄膜状入力コイルと、
前記薄膜状入力コイルと閉ループを形成するように接続され、超電導テープ線材を湾曲させて形成されたテープ状検出コイルとを有し、
前記超電導テープ線材は、長手方向に沿い、かつ、端部に達しない切れ込みを有し、前記切れ込みにより幅方向に分離はしていないが2分割され、その2分割された一方が分断され、
前記テープ状検出コイルでは、周上に前記端部が配置され、前記端部でコイル電流の向きが変わることを特徴としている。
本発明によれば、超電導テープ線材を使用した検出コイルとSQUIDの結合効率が高い地下資源探査用磁気センサを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサを備えた地下資源電磁探査装置の動作原理を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサのテープ状検出コイルの展開図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの集積磁気回路の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの集積磁気回路のSQUID素子周辺の拡大図(その1)である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの集積磁気回路のSQUID素子周辺の拡大図(その2)である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの集積磁気回路の電気回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの集積磁気回路の製造方法における各工程毎の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの製造方法における、集積磁気回路とテープ状検出コイルの接続工程を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの電気回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)における、(a)はフィードバックをかけずに測定したFLL回路の出力電圧の波形図であり、(b)はFLL回路のフィードバックをオンにした時のFLL回路の出力電圧の波形図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)における、均一な磁場を印加して測定したFLL回路の出力電圧の波形図である。 本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)の有効面積の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサのテープ状検出コイルの展開図である。 本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(テープ状検出コイルが3巻きのマグネトメータ)の電気回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(テープ状検出コイルが1巻きと3巻きのマグネトメータ)の有効面積の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(同軸型のグラジオメータ)の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(マグネトメータ)の電気回路図である。 本発明の第5の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ(マグネトメータ)の電気回路図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1を備えた地下資源電磁探査装置100の動作原理を説明する。地下資源電磁探査では、まず、地表面5上方に配置した送信ループコイル3に、制御・データ収録用パソコンPCにより制御された送信機4より電流を流し、地中に1次磁場8を印加する。そして、その電流を遮断すると、1次磁場8の急激な減衰に伴い、その減衰を妨げる方向に誘導電流7、7’が流れる。この誘導電流7、7’によって2次磁場9が発生する。誘導電流7、7’は、伝播経路にある地質の比抵抗の大きさに応じて減衰するため、この誘導電流7、7’によって発生する2次磁場9を非磁性の冷却容器1b内で超伝導状態に冷却された磁気センサ1および受信機2で時間の関数として測定し、減衰特性を制御・データ収録用パソコンPCに取得することにより、地下地質の比抵抗分布を取得することができる。具体的に、図1に示すように地下資源6の比抵抗が周囲と異なれば、その比抵抗の差異を検知できる。
送信ループコイル3に流していた一定電流を瞬間的に遮断した場合、深部方向に拡散する誘導電流7、7’の深度である拡散深度δは、電流を遮断してからの経過時間tを用いてδ=(2t/σμ)1/2(σ:地下の導電率、μ:地下の透磁率)と表すことができる。したがって、測定時間をより長くすることによって(低周波領域において)、より深部までの比抵抗分布を取得することができる。しかしながら、深部になるほど誘導電流7、7’が減衰するため、発生する2次磁場9の強度も減衰する。そこで、地下資源探査用磁気センサ1では、低周波領域でも高感度なSQUIDを用いて、磁場の大きさを直接測定している。SQUIDには、取り扱いが容易な液体窒素での冷却が可能な高温超電導材が使用されている。
SQUIDは、基板28上に形成された集積磁気回路1a内に設けられている。地下資源探査用磁気センサ1は、集積磁気回路1aと、この集積磁気回路1aに接続するテープ状検出コイル30とを有している。テープ状検出コイル30は、磁気的にSQUIDに結合され、SQUIDの感度を一層向上させている。
また、テープ状検出コイル30は、環境雑音をキャンセルできる有力な方法である微分型検出コイル(グラジオメータ)の構成を有している。テープ状検出コイル30は、右側のテープ状検出コイル30rと、右側のテープ状検出コイル30rから離れた左側のテープ状検出コイル30lを有している。右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lは、逆相に接続されている。逆相に接続されているので、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lに鎖交した環境雑音をキャンセルし、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの間の磁場勾配を信号として計測することができる。この右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの距離(ベースライン長)に対して2次磁場9の発振源(地下資源6)とテープ状検出コイル30r、30lの距離(深度)が長いほど、信号自身もキャンセルされるため、深部の信号を測定するためにはベースライン長を長くする必要がある。この必要に対し、テープ状検出コイル30であれば、そのテープ状の長さを調節するだけで、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの距離(ベースライン長)を長くすることができる。
図2に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1の斜視図を示す。地下資源探査用磁気センサ1は、集積磁気回路1aと、この集積磁気回路1aに接続するテープ状検出コイル30とを有している。テープ状検出コイル30は、湾曲可能な幅10mmの超電導テープ線材10で形成されている。超電導テープ線材10は、湾曲可能なテープ状の金属基板と、その金属基板上に形成された超電導薄膜と、超電導薄膜の上に形成され超電導薄膜を保護する銀(Ag)保護層を有している。湾曲可能なテープ状の金属基板としては、ハステロイ基板を用いることができる。金属基板上に、GdBa2Cu3Oy(GBCO)超電導体を成膜して、超電導薄膜としている。GdBa2Cu3Oy(GBCO)超電導体は、いわゆる高温超電導体である。
テープ状検出コイル30は、右側のテープ状検出コイル30rと、右側のテープ状検出コイル30rから離れた左側のテープ状検出コイル30lを有している。テープ状検出コイル30の幅10mmの超電導テープ線材10は、レーザー切断法により長手方向に切れ込み18が入れられ、幅半分の5mmとなった超電導テープ線材10の一部(下側テープ線路13、上側テープ線路16)が、左右のボビン20r、20lに巻かれて、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lが形成されている。右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの直径は、0.1mとし、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの中心間の距離であるベースライン長は、0.15mとしている。ベースライン長は、超電導テープ線材10(ベースライン線路14)の長さを長くすることで、容易に長くでき、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの検出間の磁場勾配を、信号として高感度に計測することができる。
テープ状検出コイル30の切れ込み18は、長手方向に沿って伸びているが、両端の切り返し端部12、15の手前で止まり、切り返し端部12、15に達していない。長手方向の切れ込み18により、テープ状検出コイル30は幅方向に、分離はしていないが2分割されている。その2分割された上側が、テープ状検出コイル30の幅方向に沿った切断部19において分断されている。切断部19の両側が、接続端部11、17となり、集積磁気回路1aの検出コイル用端子24r、24lに接続している。なお、図2では集積磁気回路1a(基板28)の表面が表示されているが、集積磁気回路1a(基板28)を裏返して(図2において集積磁気回路1a(基板28)の裏面が表示されるように)設置してもよく、その場合、テープ状検出コイル30も裏返してボビン20r、20lに巻き付ければよい。この裏返しの関係は、後記する図11と図15でも同様に成立する。
切り返し端部12、15は、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lの周上、すなわち、ボビン20r、20lの周上に固定・配置されている。切り返し端部12、15において、コイル電流の向きが変えられている。切り返し端部12、15では、超電導テープ線材同士を接続するような接続部を設けることなく、コイル電流の向きを変えることに成功しており、テープ状検出コイル30(30r、30l)には、超電導テープ線材10同士を接続した接続部が設けられていない。このため、電気抵抗を低減でき、雑音が抑制できるので、特に、低周波側での検出感度の低下を抑えることができる。
右側のテープ状検出コイル30rでは、切り返し端部15から、ボビン20rに、超電導テープ線材10の上側の上側テープ線路16を、湾曲させながら時計回りに巻き付けている。左側のテープ状検出コイル30lでは、切り返し端部12から、ボビン20lに、超電導テープ線材10の下側の下側テープ線路13を、湾曲させながら反時計回りに巻き付けている。右側のテープ状検出コイル30rの切り返し端部15と、左側のテープ状検出コイル30lの下側テープ線路13とは、超電導テープ線材10の下側のベースライン線路14によって接続されている。これにより、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lは、逆相に接続され、1次微分型の検出コイル(グラジオメータ)が構成される。右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30lは、コイル面に垂直なz方向の磁界Bzのベースライン方向(x方向)の空間差分dBz/dxを検出可能な微分型検出コイルとして機能する。
なお、図2では、右側のテープ状検出コイル30rと左側のテープ状検出コイル30l
に、1回巻きした場合を示しているが、これに限らず、複数回巻きのマルチターン構造にしてもよい。複数回巻きにすることで、測定感度を一層高めることができる。複数回巻きするには、上側テープ線路16と下側テープ線路13の長さを長くすればよく、超電導テープ線材10の長さを長くすればよい。具体的に、テープ状検出コイル30r、30lの直径を0.1mとし、ベースライン長を0.15mとしたとき、巻き数が1回巻きの場合は、超電導テープ線材10の長さを、約0.6mとするところ、巻き数が3回巻きの場合は、超電導テープ線材10の長さを、約1.2mとすればよい。また、超電導テープ線材10の長さを長くすることで、ベースライン長を長くすることができる。例えば、ベースライン長を1mとし、テープ状検出コイル30r、30lの直径を0.1mとしたとき、巻き数が3回巻きの場合は、超電導テープ線材10の長さを、約2mとすればよい。このように、テープ状検出コイル30(30r、30l)は、任意の大きさの検出コイルを作製できる構造となっている。
図3に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1のテープ状検出コイル30の展開図を示す。テープ状検出コイル30を展開すると、テープ状検出コイル30が、テープ状の超電導テープ線材10から形成されていたことが容易に理解できる。超電導テープ線材10は、両端の切り返し端部12、15線材を除き、超電導テープ線材10の中心線に沿ってレーザー切断法で切断され、スリットホール(切れ込み)18が形成されている。さらに、2分割された上側が切断部19において切断されている。切断部19の両側が、接続端部11、17になっている。上側の接続端部11は、切り返し端部12を介して、下側の下側テープ線路13(左側のボビン20lに巻かれる)に接続する。下側テープ線路13は、ベースライン線路14(ベースライン長を決定する)を介して、切り返し端部15に接続する。切り返し端部15は、下側のベースライン線路14と、上側の上側テープ線路16(右側のボビン20rに巻かれる)を接続する。上側テープ線路16は、接続端部17に接続する。具体的に、テープ状検出コイル30(30r、30l)の直径を0.1mとし、ベースライン長を0.15mとし、巻き数が1回巻きの場合は、超電導テープ線材10の長さを、約0.6mとなり、スリットホール(切れ込み)18の長さは約0.5mとなる。切断部19は、スリットホール(切れ込み)18の左端から90mmの位置に設けることができる。このように、スリットホール(切れ込み)18を有する超電導テープ線材10を用いることで、テープ状検出コイル30に超電導テープ線材10同士の接続部を含まずに、1次微分の平面型検出コイルを作製できる。
図4Aに、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1の集積磁気回路1aの平面図を示す。集積磁気回路1aは、超電導層を第1超電導層と第2超電導層の2層含む高温超電導多層構造プロセスを用いて基板28上に形成されている。なお、図4Aにおいて、斜線でハッチングされた領域は、基板28上に形成された第1超電導層の配置された領域を示し、黒色の塗りつぶしでハッチングされた領域は、第1超電導層の上方に絶縁層32(図5(b)等参照)を介して形成された第2超電導層の配置された領域を示している。この表示法は、図4B、図4C、図5でも同様である。
基板28上には、第1超電導層と第2超電導層を用いて、2つのSQUID(素子)23が形成されている。2つのSQUID(素子)23にはそれぞれ、一対のSQUID素子用端子26、27が接続されている。SQUID素子用端子26、27には、受信機2(図1参照)が接続され、2次磁場に起因する信号が出力される。具体的に、片方のSQUID(素子)23に接続するSQUID素子用端子26と27の間には、バイアス電流を流し、もう片方のSQUID(素子)23に接続するSQUID素子用端子26と27の間には、バイアス電流を流さず、SQUID(素子)23を、ただの超電導配線として機能させることで、2次磁場の計測を行う。
2つのSQUID(素子)23に直接結合(接続)する右側の薄膜状検出コイル29r(29)と、2つのSQUID(素子)23に直接結合(接続)する左側の薄膜状検出コイル29l(29)とが、第1超電導層(斜線ハッチング)に形成されている。右側の薄膜状検出コイル29r(29)の上には、絶縁層32(図5(b)等参照)を介して、5.5巻きの薄膜状入力コイル25r(25)が、第2超電導層(黒色塗りつぶしハッチング)に形成されている。左側の薄膜状検出コイル29l(29)の上には、絶縁層32(図5(b)等参照)を介して、5.5巻きの薄膜状入力コイル25l(25)が、第2超電導層(黒色塗りつぶしハッチング)に形成されている。薄膜状入力コイル25r(25)の最も内側のターンと、薄膜状入力コイル25l(25)の最も内側のターンは、2つのSQUID(素子)23の間において接続している。この接続によって、薄膜状入力コイル25r(25)と、薄膜状入力コイル25l(25)とは、逆相に接続されている。
薄膜状入力コイル25r(25)の一端は、検出コイル用端子24rに接続されている。薄膜状入力コイル25l(25)の一端は、検出コイル用端子24lに接続されている。検出コイル用端子24rは、金電極パッド31を介して、テープ状検出コイル30r(30)の接続端部17に接続している。検出コイル用端子24lは、金電極パッド31を介して、テープ状検出コイル30l(30)の接続端部11に接続している。これにより、薄膜状入力コイル25(25r、25l)と、テープ状検出コイル30(30r、30l)とは、閉ループを形成するように接続されている。
テープ状検出コイル30(30r、30l)が受信した2次磁場9(図1参照)の信号は、接続端部11、17間から、検出コイル用端子24r、24l間に電流として伝達されるが、接続端部11、17は、テープ状の一部であるため、平坦で広面積を確保しやすく低抵抗に接続できるので、雑音を抑え信号を減衰させることなく伝達させることができる。
信号が、薄膜状入力コイル25(25r、25l)に伝達すると、薄膜状入力コイル25(25r、25l)は、5.5巻きの複数回巻かれているので、信号を増幅して薄膜状検出コイル29(29r、29l)に伝達する。薄膜状入力コイル25(25r、25l)は第2超電導層(黒色塗りつぶしハッチング)に形成され、薄膜状検出コイル29(29r、29l)は第1超電導層(斜線ハッチング)に形成され、薄膜状入力コイル25(25r、25l)と薄膜状検出コイル29(29r、29l)とは、第1超電導層と第2超電導層の相異なる層に形成されているので、絶縁層32(図5(b)等参照)を隔て対向するように設けられている。このため、薄膜状入力コイル25(25r、25l)と薄膜状検出コイル29(29r、29l)とは、確実に磁気結合し、薄膜状入力コイル25(25r、25l)から、薄膜状検出コイル29(29r、29l)へ、信号を減衰させることなく確実に伝達させることができる。また、薄膜状入力コイル25rと25lは、逆相に接続されているので、薄膜状検出コイル29rと29lに流れる信号の電流の向きも、互いに逆向きになる。この逆向きの電流は、SQUID(素子)23には同じ方向となって流れ込み、実質的に信号の電流を2倍に増幅し、SQUID(素子)23の感度を向上させている。
このように見てくると、SQUID(素子)23は、薄膜状検出コイル29(29r、29l)を介して、薄膜状入力コイル25(25r、25l)に確実に磁気結合しており、ダブルトランス構造になっていると考えることができる。そして、薄膜状入力コイル25(25r、25l)とテープ状検出コイル30(30r、30l)とは、閉ループを構成しているので、SQUID(素子)23は、テープ状検出コイル30(30r、30l)に確実に磁気結合していると考えることができる。
図4Bに、集積磁気回路1aのSQUID(素子)23周辺の、図4Aの一部の拡大図を示す。薄膜状入力コイル25rの右側(内側)のターンには、上部超電導層(第2超電導層)UL1が設けられている。この上部超電導層UL1の直下には、下部超電導層(第1超電導層)DL1が設けられている。上部超電導層UL1と下部超電導層DL1とは、絶縁層32(図5(b)等参照)に形成されたコンタクトホールC1を介して接続されている。下部超電導層DL1は、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25rの下方をくぐり、上部超電導層(第2超電導層)UL2の直下に配置される。上部超電導層UL2と下部超電導層DL1とは、絶縁層に形成されたコンタクトホールC3を介して接続されている。上部超電導層UL2は、絶縁層を隔てた薄膜状検出コイル29のSQUID(素子)23との結合部(センタライン)29aの上方を跨ぎ、下部超電導層(第1超電導層)DL2の直上に配置される。上部超電導層UL2と下部超電導層DL2とは、絶縁層に形成されたコンタクトホールC4を介して接続されている。下部超電導層DL2は、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25lの下方をくぐり、上部超電導層(第2超電導層)UL3の直下に配置される。上部超電導層UL3と下部超電導層DL2とは、絶縁層に形成されたコンタクトホールC2を介して接続されている。上部超電導層UL3は、薄膜状入力コイル25lの左側(内側)のターンに設けられている。前記により、薄膜状入力コイル25rの右側(内側)のターンと、薄膜状入力コイル25lの左側(内側)のターンとが接続されている。
下部超電導層(第1超電導層)DL3は、一端がSQUID素子用端子26に接続し、他端が、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25rの下方をくぐり、上部超電導層(第2超電導層)UL4の直下に配置される。上部超電導層UL4と下部超電導層DL3とは、絶縁層に形成されたコンタクトホールC5を介して接続されている。上部超電導層UL4の一部は、SQUID(素子)23の一部となっている。下部超電導層(第1超電導層)DL4は、一端がSQUID素子用端子27に接続し、他端が、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25lの下方をくぐり、SQUID(素子)23の一部となっている。SQUID(素子)23には、薄膜状検出コイル29の結合部29aが接続されている。
下部超電導層(第1超電導層)DL6は、一端がSQUID素子用端子26に接続し、他端が、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25lの下方をくぐり、上部超電導層(第2超電導層)UL5の直下に配置される。上部超電導層UL5と下部超電導層DL6とは、絶縁層に形成されたコンタクトホールC6を介して接続されている。上部超電導層UL5の一部は、SQUID(素子)23の一部となっている。下部超電導層(第1超電導層)DL5は、一端がSQUID素子用端子27に接続し、他端が、絶縁層を隔てた薄膜状入力コイル25rの下方をくぐり、SQUID(素子)23の一部となっている。SQUID(素子)23には、薄膜状検出コイル29の結合部29aが接続されている。
図4Cに、集積磁気回路1aのSQUID(素子)23周辺の、図4Bの一部の拡大図を示す。SQUID(素子)23は、最大幅が数十から数百μm程度の超電導リング21(閉ループ)に2つの(ランプエッジ型)ジョセフソン接合22が形成された構造を有している。SQUID素子23単体でも磁気センサとして機能するが、磁場を検出する超電導リング21(閉ループ)の面積が狭いため磁場感度が低い。そこで、SQUID素子23にSQUID素子よりも大きな面積の薄膜状検出コイル29を結合させている。
図4Dに、集積磁気回路1aの電気回路図を示す。2次磁場9(図1参照)の信号が、検出コイル用端子24rと24l間に伝達されると、その信号は、薄膜状入力コイル25(25r、25l)に伝達される。薄膜状入力コイル25(25r、25l)は、薄膜状検出コイル29(29r、29l)と確実に磁気結合しているので、薄膜状検出コイル29(29r、29l)へ、信号を減衰させることなく確実に伝達させることができる。また、薄膜状入力コイル25rと25lは、逆相に接続されているので、薄膜状検出コイル29rと29lに流れる信号の電流の向きも、互いに逆向きになる。この逆向きの電流は、薄膜状検出コイル29の結合部29aを通って、SQUID(素子)23には同じ方向となって流れ込み、SQUID(素子)23の感度を向上させている。
図5に、集積磁気回路1aの製造方法における工程毎の断面図を示す。
まず、図5(a)に示すように、4層構造の基板28を形成した。15×15mmの大きさの酸化マグネシウム(MgO(100))基板28aを使用し、その上に配向制御バッファー層28bとして膜厚5nmのBaZrO3層と、黒色均熱層28cとして膜厚300nmのPr1.4Ba1.6Cu2.6Ga0.4Oy層と、下部絶縁層28dとして膜厚250nmのSrSnO3層を、順にオフアクシススパッタ法によって形成し積層させた。その上に、下部超電導層(第1超電導層)DL(DL1〜6、図4B参照)として、膜厚250nmのSmBa2Cu3Oy(SmBCO)をオフアクシススパッタ法によって成膜した。
次に、図5(b)に示すように、下部超電導層DLを所望の回路パターン形状(例えば、薄膜状検出コイル29のパターン形状)に加工した。回路パターン形成は、フォトリソグラフィ法と、イオンミリングによるドライエッチング法で行った。次に、層間絶縁層(絶縁層)32として、膜厚280nmのSrSnO3(SSO)層をオフアクシススパッタ法によって形成した。
次に、図5(c)に示すように、層間絶縁膜32を所望の回路パターン形状に加工した。回路パターン形成は、フォトリソグラフィ法と、イオンミリングによるドライエッチング法で行った。層間絶縁膜32のこのエッチングによって、ランプエッジ型ジョセフソン接合22のランプ斜面と、下部超電導層DLと上部超電導層ULの接続のためのコンタクトホールC(C1〜6、図4B参照)のランプ斜面を、層間絶縁膜32と下部超電導層DLに形成した。すなわち、このエッチングでは、層間絶縁膜32と同時に下部超電導層DLもエッチングしている。次に、上部超電導層(第2超電導層)UL(UL1〜6、図4B参照)として、膜厚250nmのLa0.1-Er0.95Ba1.95Cu3Oy(L1ErBCO)層を、レーザー蒸着法により形成した。ランプエッジ型ジョセフソン接合22の下部超電導層DLのランプ斜面上に上部超電導層ULが形成されることにより、ランプエッジ型ジョセフソン接合22が完成する。コンタクトホールCの下部超電導層DLのランプ斜面上に上部超電導層ULが形成されることにより、下部超電導層DLと上部超電導層ULが接続する。さらに、金(Au)電極層33として膜厚100nmの金層をスパッタ法で形成した。
最後に、図5(d)に示すように、金電極層33と上部超電導層ULを所望の回路パターン形状(例えば、薄膜状入力コイル25や検出コイル用端子24r、24lのパターン形状)に加工した。また、ランプエッジ型ジョセフソン接合22の接合幅は2μmとした。回路パターン形成は、フォトリソグラフィ法と、イオンミリングによるドライエッチング法で行った。上部超電導層ULと金電極層33は同時にエッチングしているため、上部超電導層ULの表面はすべて金電極層33で覆われている。その後、1気圧の酸素雰囲気中で、400〜500℃に加熱して熱処理を行い、集積磁気回路1aを完成させた。
次に、図6を用いて、地下資源探査用磁気センサ1の製造方法における、集積磁気回路1aとテープ状検出コイル30(30r、30l)の接続工程を説明する。テープ状検出コイル30(30r、30l)は、超電導テープ線材10で構成されている。超電導テープ線材10は、ハステロイ基板(金属基板)34上に、GBCO超電導体の超電導薄膜35と、銀(Ag)保護層36とが、順に積層された構造になっている。一対のPEEK樹脂製の挟持部37に、集積磁気回路1aの検出コイル用端子24rと24lそれぞれの金電極パッド31と、対応するテープ状検出コイル30rと30lの銀保護層36とを対向させて挟み、ボルト38とナット39で締め付けた。そして、金電極パッド31と銀保護層36を物理的に接触させることで、集積磁気回路1aの検出コイル用端子24r、24lと、対応するテープ状検出コイル30r、30lとを接続させた。なお、金電極パッド31と銀保護層36の表面は、接触前に、粒度3μmのラッピングシートで予め研磨した。前記により、金電極パッド31と銀保護層36の接触抵抗、さらには、集積磁気回路1aの検出コイル用端子24r、24lとテープ状検出コイル30r、30lとの接触抵抗(図7の41参照)は、充分小さくなっている。なお、第1の実施形態では、集積磁気回路1aとテープ状検出コイル30の間に導電性の接着物を挟まずに機械的に強く接触させる方法で接触抵抗を低減させているが、これに限らない。接触抵抗低減の効果を得るために、導電性ペースト、例えば銀(Ag)ペーストを介して接続させる、あるいは低融点金属合金、例えばインジウム(In)やガリウム(Ga)、ハンダなどを介して集積磁気回路1aとテープ状検出コイル30を接続してもよい。
図7に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1の電気回路図を示す。グラジオメータ型のテープ状検出コイル30r、30lと、薄膜状入力コイル25(25r、25l)とが、接触抵抗41によって接続され、閉ループを形成している。接触抵抗41は、前記のように充分小さく抑えられている。
次に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1に、変調型FLL(Flux Locked Loop)回路を接続して動作させ、電気特性を測定した。なお、地下資源探査用磁気センサ1の冷却には液体窒素を使用し、その地下資源探査用磁気センサ1と液体窒素を入れる冷却容器1b(図1参照)には非磁性であり断熱真空層を有するガラス製デュワを使用した。
図8(a)に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)における、フィードバックをかけずに測定したFLL回路の出力電圧(Output voltage)の波形図を示す。入力信号(input signal)として、周波数60Hzの三角波の磁場(2次磁場9(図1参照)に対応)を印加して、FLL回路の出力電圧を測定した。丁度、1Φ0の周期で波形が反転するように磁場強度を調整した。すなわち、振幅1Φ0の磁場が印可された状態である。この結果から地下資源探査用磁気センサ1(SQUID(素子)23)が正常に動作していることがわかった。出力電圧の電圧振幅として120mVppが得られているが、FLL回路のアンプゲインが4000倍なので、30μVpp(=120mVpp/4000)のSQUID変調電圧が得られ、高い感度が得られていることがわかる。
図8(b)に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)における、FLL回路のフィードバックをオンにした時のFLL回路の出力電圧(Output voltage)の波形図を示す。入力信号(input signal)として、周波数60Hzの三角波の磁場(2次磁場9(図1参照)に対応)を印加して、FLL回路の出力電圧を測定した。また、FLL回路のフィードバック抵抗Rfは、3.3kΩとした。これより、フィードバックをかけた場合の出力信号は、入力信号に対応するため、入力信号と同様の三角波の信号が検出されている。1Φ0PPの印加磁場に対する電圧振幅が、0.235Vppであるので、地下資源探査用磁気センサ1の電圧出力の換算係数は、0.235V/Φ0になり、高い感度が得られていることがわかる。
図9に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(1t-Grad;テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)における、場所的(三次元的)に均一な磁場を印加して測定したFLL回路の出力電圧(Output voltage)の波形図を示す。印加した均一な磁場は、ヘルムホルツコイル(Helmholtz coil)で発生させ、磁場の方向(z)はテープ状検出コイル30のコイル面に垂直な方向とした。印加した均一な磁場Bz(入力信号)は、22.2nTppで周波数210Hzのサイン波(sine wave)とした。FLL回路の出力電圧に、入力信号と同様のサイン波が得られており、磁束計(磁気センサ)として動作していることが確認できた。出力電圧の振幅は、71mVppであった。図8(b)で求めた換算係数が、0.235V/Φ0であるので、71mVppの電圧振幅は、0.302Φ0ppの磁束信号(検出磁束)が検出されたことに対応する。印加磁場(入力信号)に対する検出磁束の比は、有効面積Aeffと呼ばれており、検出感度の性能指数となる。前記実験データより、有効面積Aeffは、0.302Φ0/22.2nT=2.82e−8=0.0282mmとなる。なお、磁束量子Φ0=2.07×10−15Wbである。第2の実施形態で報告する1巻きマグネトメータの有効面積Aeffの2.43mmを基準にして、作製したグラジオメータのバランスを見積もると、約1/86(=0.0282mm/2.43mm)となる。これより、均一な磁場の約99%をキャンセルできていると考えられ、試作したグラジオメータが正しく動作していることが確認できた。
図10に、本発明の第1の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(1t-Grad;テープ状検出コイルが1巻きのグラジオメータ)の有効面積Aeffの周波数依存性を示す。場所的(三次元的)に均一な磁場Bz(入力信号)の周波数を変えて、有効面積Aeffの測定を行った。高周波側では約0.03mmの有効面積Aeffでほぼ一定であるが、低周波側では300Hz付近から有効面積Aeffが下がり始めている。漸近線の交点をカットオフ周波数fcとして求めた。カットオフ周波数fcは100Hzであった(fc=100Hz)。したがって、約100Hzよりも高い磁気信号(入力信号)に対しては、信号計測が可能であると考えられる。低周波側での有効面積Aeffの低下は、接触抵抗41(図7参照)に起因し、カットオフ周波数fcから見積もられる接触抵抗41の抵抗値は0.45mΩであった。地下資源探査に使用するためには、接触抵抗は少なくとも1mΩ以下である必要があり、第1の実施形態では、それに対して充分低い接触抵抗が実現できた。
(第2の実施形態)
図11に、本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1の斜視図を示す。第2の実施形態の地下資源探査用磁気センサ1が、第1の実施形態の地下資源探査用磁気センサ1と異なる点は、テープ状検出コイル30が、ボビン20rに巻かれておらず、テープ状検出コイル30rが形成されていない点である。ボビン20rの周上には超電導テープ線材10の切り返し端部15が固定されているが、切り返し端部15から、超電導テープ線材10は、ボビン20rに巻かれることなく、接続端部17を介して、集積磁気回路1aに接続されている。このため、テープ状検出コイル30としては、左側のテープ状検出コイル30lのみが機能し、マグネトメータ型の検出コイルが構成されることになる。マグネトメータ型の検出コイルでは、テープ状検出コイル30lのコイル面に垂直な方向(z方向)の磁界Bzを検出可能である。
図12に、第2の実施形態の地下資源探査用磁気センサ1のテープ状検出コイル30の展開図を示す。第2の実施形態のテープ状検出コイル30が、第1の実施形態のテープ状検出コイル30と異なっている点は、上側テープ線路16が設けられておらず、その分、切断部19の間隔が空いている点である。
図13に、第2の実施形態の地下資源探査用磁気センサ1(テープ状検出コイル30lが3巻きのマグネトメータ)の電気回路図を示す。テープ状検出コイル30としては、左側のテープ状検出コイル30lのみが形成され、マグネトメータ型の検出コイルが構成されている。マグネトメータ型のテープ状検出コイル30l(30)と、薄膜状入力コイル25(25r、25l)とが、接触抵抗41によって接続され、閉ループを形成している。接触抵抗41は、第1の実施形態と同様に小さく抑えられている。
図14に示すように、本発明の第2の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(テープ状検出コイル30lが1巻きと3巻きのマグネトメータ)の有効面積Aeffの周波数依存性を測定した。測定では、テープ状検出コイル30lが1巻きのマグネトメータと、テープ状検出コイル30lが3巻きのマグネトメータについて測定した。テープ状検出コイル30lが1巻きのマグネトメータのカットオフ周波数fcは、80Hzとなった。また、テープ状検出コイル30lが3巻きのマグネトメータのカットオフ周波数fcは、9Hzとなった。また、高周波側の有効面積Aeffは、1巻きのマグネトメータで2.43mmであり、3巻きのマグネトメータで1.55mmであった。1巻きのマグネトメータでの2.43mmの有効面積Aeffは、超電導工学研究所で作製している集積型マグネトメータの有効面積Aeff(2mm)を20%程度上回る、良好な値である。すなわち、基板サイズの制約を受けずに任意の大きさの検出コイル(テープ状検出コイル30l)を作製可能な本発明の検出コイル構造は高感度化に有効であることが確認できた。特に、地下資源探査のような空間分解能を必要としない応用では、検出コイルの大型化による感度向上は、デメリットがなくメリットが大きい。
カットオフ周波数fcから見積もられた接触抵抗41の値は、1巻きマグネトメータの場合で0.3mΩであり、3巻きマグネトメータの場合で0.1mΩであった。地下資源探査に使用するためには、接触抵抗は少なくとも1mΩ以下である必要があり、第2の実施形態では、それに対して充分低い接触抵抗が実現できた。
(第3の実施形態)
図15に、本発明の第3の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(同軸型のグラジオメータ)の斜視図を示す。第1の実施形態では、平面型のグラジオメータについて報告したが、第3の実施形態によれば、同軸型のグラジオメータも構成できる。ただ、この構成には、超電導テープ線材10同士の接続部56、57、58、59が含まれる。ボビン20には、超電導テープ線材10で形成された2つのテープ状検出コイル30r、30lが巻きつけられている。テープ状検出コイル30rと30lの一端は、超電導テープ線材61と、接続部58と56接続されている。テープ状検出コイル30rと30lの他端は、接続部59と57で、別の短い超電導テープ線材63と62に接続されている。2つの短い超電導テープ線材63と62は、集積磁気回路1aの検出コイル用端子24rと24lに、接続端部55と54で接続されている。テープ状検出コイル30r、30lと薄膜状入力コイル25(図4A参照)の閉ループに含まれる抵抗成分は、接続部56、57、58、59により増加するが、薄膜状入力コイル25(図4A参照)とSQUID(素子)23の結合は、第1の実施形態と同様に強いため、カットオフ周波数fc以上では、高感度な磁気センサを実現可能である。
(第4の実施形態)
図16Aに、本発明の第4の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(マグネトメータ)の電気回路図を示す。第1の実施形態では、SQUID(素子)23と、薄膜状入力コイル25の間に、薄膜状検出コイル29を介したダブルトランス構造について報告したが、図16Aに示すように、SQUID素子23のインダクタンスに薄膜状入力コイル25が直接接続した(薄膜状検出コイル29を省いた)方式でも、第1の実施形態と同様な効果が期待できる。
(第5の実施形態)
図16Bに、本発明の第5の実施形態に係る地下資源探査用磁気センサ1(マグネトメータ)の電気回路図を示す。図16Bに示すように、SQUID素子23のインダクタンスにテープ状検出コイル30が直接接続した(薄膜状検出コイル29と薄膜状入力コイル25を省いた)方式でも、第1の実施形態と同様な効果が期待できる。この場合、SQUID素子23のインダクタンスが、薄膜状入力コイル25を兼ねていると考えることができる。
1 (地下資源探査用)磁気センサ
1a 集積磁気回路
1b (非磁性)冷却容器
2 受信機
3 送信ループコイル
4 送信機
5 地表面
6 地下資源
7、7’ 誘導電流
8 1次磁場
9 2次磁場
10 超電導テープ線材
11 接続端部
12 切り返し端部
13 下側テープ線路
14 ベースライン線路
15 切り返し端部
16 上側テープ線路
17 接続端部
18 切れ込み(スリットホール)
19 切断部
20、20r、20l ボビン
21 超電導リング
22 (ランプエッジ型)ジョセフソン接合
23 SQUID(素子)
24r、24l 検出コイル用端子
25、25r、25l 薄膜状入力コイル
26、27 SQUID素子用端子
28 基板
28a MgO基板
28b 配向制御バッファー層
28c 黒色均熱層
28d 下部絶縁層
29 薄膜状検出コイル(微分型検出コイル、平面型)
29a 薄膜状検出コイルの結合部(センタライン)
30、30r、30l テープ状検出コイル(検出コイルループ)
31 金電極パッド
32 層間絶縁層(絶縁層)
33 金電極層
34 ハステロイ基板(金属基板)
35 (GBCO)超電導薄膜
36 銀保護層
37 PEEK樹脂製の挟持部
38 ボルト
39 ナット
41 接触抵抗
54、55 接続端部
56、57、58、59 接続部
61 超電導テープ線材(ベースライン線路)
62、63 超電導テープ線材
100 地下資源電磁探査装置
DL、DL1〜DL6 下部超電導層(第1超電導層)
UL、UL1〜UL6 上部超電導層(第2超電導層)
C、C1〜C6 コンタクトホール
PC 制御・データ収録用パソコン

Claims (5)

  1. 基板上に形成された超電導層を有し、前記超電導層に超電導量子干渉素子(SQUID)が形成されている地下資源探査用磁気センサにおいて、
    前記超電導層に形成され前記SQUIDに接続又は磁気結合する薄膜状入力コイルと、
    前記薄膜状入力コイルと閉ループを形成するように接続され、超電導テープ線材を湾曲させて形成されたテープ状検出コイルとを有し、
    前記超電導テープ線材は、長手方向に沿い、かつ、端部に達しない切れ込みを有し、前記切れ込みにより幅方向に分離はしていないが2分割され、その2分割された一方が分断され、
    前記テープ状検出コイルでは、周上に前記端部が配置され、前記端部でコイル電流の向きが変わる
    ことを特徴とする地下資源探査用磁気センサ。
  2. 前記超電導テープ線材は、
    湾曲可能なテープ状の金属基板と、
    前記金属基板上に形成された超電導薄膜を有することを特徴とする請求項1に記載の地下資源探査用磁気センサ。
  3. 前記テープ状検出コイルは、前記超電導テープ線材の前記切れ込みにより2分割された少なくともどちらか一方を複数回巻いたマルチターン構造のコイルであることを特徴とする請求項に記載の地下資源探査用磁気センサ。
  4. 前記超電導テープ線材では、前記切れ込みは両側の前記端部に達しておらず、
    前記テープ状検出コイルでは、
    互いに逆相の2つのコイルが設けられる1次微分型のコイルが構成され、
    それぞれの周上に前記端部が1つずつ配置され、
    前記超電導テープ線材の前記切れ込みにより2分割された一方により前記逆相の一方の相のコイルが形成され、
    前記超電導テープ線材の前記切れ込みにより2分割された他方により前記逆相の他方の相のコイルが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下資源探査用磁気センサ。
  5. 請求項1に記載の地下資源探査用磁気センサにおいて、
    前記基板は、前記基板上に形成され、前記SQUIDに接続し、前記薄膜状入力コイルと磁気結合する薄膜状検出コイルを有し、
    前記超電導層は、前記基板上に形成された第1超電導層と、前記第1超電導層の上方に絶縁層を介して形成された第2超電導層とを有し、
    前記薄膜状検出コイルと前記薄膜状入力コイルとは、前記第1超電導層と前記第2超電導層の相異なる層に形成され、前記絶縁層を隔て対向していることを特徴とする地下資源探査用磁気センサ。
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