JP2004286715A - 超伝導放射線検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程を削減し、測定誤差を低減することができる放射線検出器を提供する。
【解決手段】絶縁体層13及び常伝導体層14を超伝導体層11で挟んだジョセフソン接合を有するRF−SQUID素子10において、常伝導体層14に放射線吸収体15を接続する((a))。これらと空間的に離間して、タンク回路17を設ける((b))。タンク回路17により高周波磁場を生成し、RF−SQUID素子10に高周波電流を誘導する。放射線吸収体15に放射線が入射すると、常伝導体層14の温度が上昇し、RF−SQUID素子10の高周波電流の大きさが変化する。これをタンク回路17で検出して、放射線が入射したことを検出する。この放射線検出器では、RF−SQUID素子10とタンク回路17を配線により接続しないため、その製造工程を削減することができ、且つ配線を通じてRF−SQUID素子10に熱が伝導して測定誤差が生じることを防ぐことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁体層13及び常伝導体層14を超伝導体層11で挟んだジョセフソン接合を有するRF−SQUID素子10において、常伝導体層14に放射線吸収体15を接続する((a))。これらと空間的に離間して、タンク回路17を設ける((b))。タンク回路17により高周波磁場を生成し、RF−SQUID素子10に高周波電流を誘導する。放射線吸収体15に放射線が入射すると、常伝導体層14の温度が上昇し、RF−SQUID素子10の高周波電流の大きさが変化する。これをタンク回路17で検出して、放射線が入射したことを検出する。この放射線検出器では、RF−SQUID素子10とタンク回路17を配線により接続しないため、その製造工程を削減することができ、且つ配線を通じてRF−SQUID素子10に熱が伝導して測定誤差が生じることを防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線、イオン線等の放射線を検出するものであり、半導体ウエハの不純物検査、微量元素分析、X線蛍光分析その他の検査機器や実験機器等に用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハの不純物検査等の分野では、X線検出器等の放射線検出器が用いられる。例えば、元素分析を行う場合、試料にX線を照射し、そのエネルギーを吸収した原子が発する特性X線を放射線検出器で検出する。その原子に特有の特性X線のエネルギー分散から、試料が含有する元素及びその組成比を同定することができる。従って、元素分析の精度を高めるためには、放射線検出器のエネルギー分解能を高くする必要がある。
【0003】
エネルギー分解能を高めるために、超伝導体を用いた放射線検出器が開発されている。超伝導体放射線検出器には検出方法の違いにより様々な種類のものが知られている。
【0004】
超伝導体−絶縁体−超伝導体接合を用いたSIS型超伝導体放射線検出器は、一方の超伝導体層に入射した放射線がフォノンを介して、超伝導を担う電子対(クーパー対)を破壊し、それにより生成された準粒子を電流として検出するものである。このSIS型超伝導体放射線検出器は、エネルギー分解能は高いものの、放射線以外の熱的な要因により準粒子が生成されることを抑制するために、400mK以下の極低温とする必要がある。
【0005】
また、超伝導転移端を利用した放射線検出器であるTES(Transition Edge Sensor, 転移端センサ)が開発されている。これは、超伝導体が超伝導状態から常伝導状態に転移する際に電気抵抗が急激に変化することを利用したものである。その構成は、超伝導体層と、放射線吸収体となる常伝導金属層を組み合わせたものである。放射線吸収体に放射線が入射してそのエネルギーが吸収されると、放射線吸収体に接する超伝導体層の温度が上昇する。この時、超伝導体が超伝導状態から常伝導状態に転移することにより、超伝導体層の電気抵抗が急激に変化する。この変化を検出することにより放射線を検出する。TESは、放射線吸収体の温度揺らぎによるノイズ信号を抑制するため、100mK以下の温度で動作させる。
【0006】
このTESにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、超伝導体薄膜に一定のバイアス電圧を印加し、放射線検出による電流の変化をSQUID(超伝導量子干渉素子)アンプ等を用いて増幅して測定することにより、超伝導体層の電気抵抗を測定している。そのため、バイアス電圧を印加するための配線を超伝導体層に設ける必要がある。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5641961号明細書(FIG. 4)
【非特許文献1】
E. J. Tarte他, ”アシンメトリ モジュレーティド スクイド”, スーパーコンダクター サイエンス アンド テクノロジー, (英国), アイオーピー パブリシング, 2000年, 第13巻, 983〜988ページ(E. J. Tarte et al., ”Asymmetry modulated SQUIDS”, Superconductor Science & Technology, (UK), IOP Publishing Ltd., 2000, vol. 13, p. 983〜988)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
こうした放射線検出器を用いてイメージング測定を行う場合、多数の放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサが用いられる。その場合、各放射線検出器に対して上記のバイアス電圧印加用の配線を行う必要があるため、配線が複雑になる。これが製造工程の手間及びコストを増加させる要因となる。
【0009】
また、この配線を通して、検出器外部から超伝導体層に熱が伝導する恐れがある。この放射線検出器は上記のように超伝導体層の温度変化により放射線の検出を行うものであるため、外部の熱が超伝導体層へ伝導することは測定誤差の原因となる。
【0010】
一方、配線を簡略化することができる構成として、非特許文献1に、直流SQUID(DC−SQUID)の2つのジョセフソン接合に超伝導体−常伝導体−超伝導体接合(SNS接合)を用い、このうちの一方のジョセフソン接合の常伝導体に放射線吸収体を接合した放射線検出器が記載されている。この装置では、放射線吸収体に放射線が入射すると、SNS接合の常伝導体の温度が上昇し、SQUIDを流れる電流が変化する。この電流の変化を検出することで放射線の入射を検知する。この検出器では、放射線を検出するSQUID自身にバイアス電圧が印加されて電流が増幅されるため、別途電流増幅回路を設ける必要がない。
【0011】
しかし、この検出器においては、放射線を検出するSQUIDに、バイアス電圧を印加するための配線を行わなければならない。そのため、検出器外部の熱が検出器に伝導して、測定誤差を生じる恐れがある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、配線に要する製造工程及びコストを低減し、測定誤差を低減することができる超伝導放射線検出器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る超伝導放射線検出器は、
a)超伝導体、常伝導体、超伝導体の順又は超伝導体、常伝導体、絶縁体、超伝導体の順に接合されたジョセフソン接合を超伝導体から成るループ中に有する高周波SQUID素子と、
b)前記ジョセフソン接合中の常伝導体に熱的に接触する放射線吸収体と、
c)前記高周波SQUID素子と磁気的に結合され、その高周波SQUID素子のループに高周波電流を誘導する励振手段と、
d)前記放射線吸収体に入射された放射線による温度変化に伴って前記ループを流れる前記高周波電流の変化に起因する高周波磁場の変化を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超伝導放射線検出器においては、放射線のエネルギーから変換された熱を更に外部から検出可能な情報に変換する素子として高周波SQUID(RF−SQUID)素子を用いる。RF−SQUID素子は超伝導体から成るループ中にジョセフソン接合を1つ設けたものである。本発明においては、ジョセフソン接合には、超伝導体(S)、常伝導体(N)、超伝導体(S)の順に接合されたSNS型又は超伝導体(S)、常伝導体(N)、絶縁体(I)、超伝導体(S)の順に接合されたSNIS型のものを用いる。いずれの接合も常伝導体を有するものである。
【0015】
ジョセフソン接合中の常伝導体に放射線吸収体が熱的に接続される。この放射線吸収体には、放射線を吸収した時に発生する熱をジョセフソン接合中の常伝導体に伝導することができる材料を用いる。接続部での熱伝導率の低下の問題が生じないようにするために、放射線吸収体にジョセフソン接合中の常伝導体と同じ材料を用いて両者を一体のものとすることが望ましい。
【0016】
このRF−SQUID素子及び放射線吸収体と離間して、このRF−SQUID素子と磁気的に結合され、前記超伝導ループに高周波電流を誘導する励振手段を設ける。また、この超伝導ループに流れる高周波電流の変化により生じる高周波磁場の変化を検出する検出手段を設ける。
【0017】
この超伝導放射線検出器の動作を説明する。励振手段により、RF−SQUID素子の超伝導ループ内を貫く高周波磁場を生成して、この超伝導ループに高周波電流を誘導する。この高周波電流の大きさは、RF−SQUID素子のジョセフソン接合中の常伝導体の状態により、以下のように変化する。
【0018】
本発明の超伝導放射線検出器で用いられるSNS型又はSNIS型ジョセフソン接合においては、電流がある一定値(臨界電流Ic)以下の場合には、ジョセフソン接合間の電圧が0となる。この臨界電流Icの大きさは常伝導体の電子温度に依存する。そのため、常伝導体の温度が変化すると、臨界電流Icの大きさが変化し、RF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の大きさも変化する。
【0019】
放射線吸収体に放射線が放射されると、放射線吸収体の温度が上昇する。この放射線吸収体の熱がジョセフソン接合の常伝導体に伝導する。この時、上記の理由により、RF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の大きさが変化する。この高周波電流の変化の影響を受けてこの超伝導ループ内の高周波磁場も変化する。この高周波磁場の変化を検出手段で検出することにより、放射線吸収体に放射線が入射したことを検出することができる。
【0020】
本発明の超伝導放射線検出器では、RF−SQUID素子を用いるため、DC−SQUID素子を用いる場合とは異なり、RF−SQUID素子の超伝導ループにバイアス電圧を印加する必要はない。また、上記のように励振手段が生成する高周波磁場によりこの超伝導ループに非接触で高周波電流を流すため、この超伝導ループに電流供給用の配線を行う必要はない。更に、検出手段はこの超伝導ループ内の高周波磁場の変化を検出するものであるため、検出のための配線を超伝導ループに接続する必要はない。
【0021】
また、タンク回路を用いることにより、励振手段と検出手段を同一の回路により構成することができる。この場合の超伝導放射線検出器の動作は以下の通りである。まず、RF−SQUID素子の超伝導ループに高周波電流を流すために、タンク回路のコイル等に所定の高周波電圧(又は高周波電流)を印加する。前記のように放射線入射によりRF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の変化に伴って超伝導ループ内の高周波磁場が変化すると、このタンク回路のコイルを流れる高周波電流(又は高周波電圧)が変化することから、放射線吸収体に放射線が入射したことを検出することができる。
【0022】
また、本発明の超伝導放射線検出器は、こうした放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサに好適に用いることができる。このイメージセンサでは超伝導放射線検出器に配線を接続する必要がないため、イメージセンサ全体として配線が複雑になることはない。
【0023】
【発明の効果】
本発明の超伝導放射線検出器では、RF−SQUID素子に対して、バイアス電圧を印加するための配線や、励振手段及び検出手段に接続するための配線を行う必要がない。そのため、配線に要する製造工程及びコストを低減することができる。この超伝導放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサにおいて、この配線が不要になることによる効果が大きい。また、配線が不要であることにより、配線を通してRF−SQUID素子の超伝導ループに流入する熱に起因した測定精度の低下を防ぐことができる。
【0024】
【実施例】
本発明に係る超伝導放射線検出器の一実施例の構成を図1を用いて説明する。超伝導体層11は矩形のループの一部に欠損12を設けた形状を有する。この欠損12に面した超伝導体層11の端部に絶縁体層13及び常伝導体層14が配設される。更に常伝導体層14の上に超伝導体層11が接続される。これにより、超伝導体層11による超伝導ループ中にSNIS型ジョセフソン接合を有するRF−SQUID素子10が構成される。常伝導体層14には放射線吸収体15が接続される。この常伝導体層14と放射線吸収体15は、後述のように一体のものとして作製される。以下では、図1(a)に示した、RF−SQUID素子10と放射線吸収体15とを合わせて放射線検出部16と呼ぶ。
【0025】
本実施例では、超伝導体層11にはNb(ニオブ)を、絶縁体層13にはAl2O3(アルミナ)を、常伝導体層14及び放射線吸収体15にはAg(銀)を用いた。また、各層の厚さは、超伝導体層11は0.2μm(ジョセフソン接合部は上下の層の厚さがそれぞれ0.2μm)、絶縁体層13は0.02μm、常伝導体層14は0.1μm、放射線吸収体15は2μmとした。また、超伝導体層11の内側に形成される空間の一辺の長さを50μm、ジョセフソン接合部の1辺の長さを10μmとした。放射線吸収体15の面積は0.01mm2である。なお、本実施例ではRF−SQUID素子10の形状を矩形としたが、円形等の他の形状としてもよい。
【0026】
図1(b)に示すように、放射線検出部16とは離間して、タンク回路17を設ける。本実施例で用いるタンク回路17は、コンデンサ18と抵抗19を直列に接続したものとコイル20とを並列に接続し、これらに高周波電源21を接続したものである。放射線検出部16とタンク回路17との間には、配線を行う必要はない。
【0027】
本実施例の放射線検出部16は、図2に示すような手順で作製することができる。まず、基板上にNbを成膜して、ループの一部に欠損12を設けた超伝導体層11を作製する((a))。次に、欠損12に面した一方の端部211の近傍の超伝導体層11上にAlを成膜して、このAl薄膜を酸化させてAl2O3膜から成る絶縁体層13を作製する((b))。次に、Agを成膜して、絶縁体層13上に常伝導体層14を作製すると共に、放射線吸収体15を作製する。次に、絶縁体層13上の常伝導体層14、及び超伝導体層11の端部212(前記欠損部を挟んで前記端部211に対向する端部)の上に、Nbを成膜して超伝導体層111を作製する。これにより、放射線検出部16が完成する。
【0028】
各層の成膜は、いずれもスパッタリングにより行うことができる。また、各層の成膜時にシャドーマスクを用いて、各層を所定の形状にすることができる。
【0029】
本実施例の超伝導放射線検出器の動作を説明する。タンク回路17の高周波電源21から所定の高周波電圧を印加する。これによりコイル20から高周波磁場が生成され、RF−SQUID素子10の超伝導ループ内に高周波電流が誘導される。
【0030】
放射線吸収体15に放射線が入射すると、放射線吸収体15の温度が上昇する。これに伴いジョセフソン接合部の常伝導体層14の温度も上昇する。これにより、ジョセフソン接合の臨界電流が小さくなり、それに伴いRF−SQUID素子10の超伝導ループに流れる高周波電流が変化し、その影響を受けてこの超伝導ループ内の高周波磁場が変化する。これにより、タンク回路17のコイル20に流れる高周波電流の大きさも変化する。この電流の変化により、放射線の入射を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超伝導放射線検出器の一実施例を示す概略構成図。
【図2】本実施例の超伝導放射線検出器の製造方法を示す平面図。
【符号の説明】
10…RF−SQUID素子
11、111…超伝導体層
12…欠損
13…絶縁体層
14…常伝導体層
15…放射線吸収体
16…放射線検出部
17…タンク回路
18…コンデンサ
19…抵抗
20…コイル
21…高周波電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線、イオン線等の放射線を検出するものであり、半導体ウエハの不純物検査、微量元素分析、X線蛍光分析その他の検査機器や実験機器等に用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハの不純物検査等の分野では、X線検出器等の放射線検出器が用いられる。例えば、元素分析を行う場合、試料にX線を照射し、そのエネルギーを吸収した原子が発する特性X線を放射線検出器で検出する。その原子に特有の特性X線のエネルギー分散から、試料が含有する元素及びその組成比を同定することができる。従って、元素分析の精度を高めるためには、放射線検出器のエネルギー分解能を高くする必要がある。
【0003】
エネルギー分解能を高めるために、超伝導体を用いた放射線検出器が開発されている。超伝導体放射線検出器には検出方法の違いにより様々な種類のものが知られている。
【0004】
超伝導体−絶縁体−超伝導体接合を用いたSIS型超伝導体放射線検出器は、一方の超伝導体層に入射した放射線がフォノンを介して、超伝導を担う電子対(クーパー対)を破壊し、それにより生成された準粒子を電流として検出するものである。このSIS型超伝導体放射線検出器は、エネルギー分解能は高いものの、放射線以外の熱的な要因により準粒子が生成されることを抑制するために、400mK以下の極低温とする必要がある。
【0005】
また、超伝導転移端を利用した放射線検出器であるTES(Transition Edge Sensor, 転移端センサ)が開発されている。これは、超伝導体が超伝導状態から常伝導状態に転移する際に電気抵抗が急激に変化することを利用したものである。その構成は、超伝導体層と、放射線吸収体となる常伝導金属層を組み合わせたものである。放射線吸収体に放射線が入射してそのエネルギーが吸収されると、放射線吸収体に接する超伝導体層の温度が上昇する。この時、超伝導体が超伝導状態から常伝導状態に転移することにより、超伝導体層の電気抵抗が急激に変化する。この変化を検出することにより放射線を検出する。TESは、放射線吸収体の温度揺らぎによるノイズ信号を抑制するため、100mK以下の温度で動作させる。
【0006】
このTESにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、超伝導体薄膜に一定のバイアス電圧を印加し、放射線検出による電流の変化をSQUID(超伝導量子干渉素子)アンプ等を用いて増幅して測定することにより、超伝導体層の電気抵抗を測定している。そのため、バイアス電圧を印加するための配線を超伝導体層に設ける必要がある。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5641961号明細書(FIG. 4)
【非特許文献1】
E. J. Tarte他, ”アシンメトリ モジュレーティド スクイド”, スーパーコンダクター サイエンス アンド テクノロジー, (英国), アイオーピー パブリシング, 2000年, 第13巻, 983〜988ページ(E. J. Tarte et al., ”Asymmetry modulated SQUIDS”, Superconductor Science & Technology, (UK), IOP Publishing Ltd., 2000, vol. 13, p. 983〜988)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
こうした放射線検出器を用いてイメージング測定を行う場合、多数の放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサが用いられる。その場合、各放射線検出器に対して上記のバイアス電圧印加用の配線を行う必要があるため、配線が複雑になる。これが製造工程の手間及びコストを増加させる要因となる。
【0009】
また、この配線を通して、検出器外部から超伝導体層に熱が伝導する恐れがある。この放射線検出器は上記のように超伝導体層の温度変化により放射線の検出を行うものであるため、外部の熱が超伝導体層へ伝導することは測定誤差の原因となる。
【0010】
一方、配線を簡略化することができる構成として、非特許文献1に、直流SQUID(DC−SQUID)の2つのジョセフソン接合に超伝導体−常伝導体−超伝導体接合(SNS接合)を用い、このうちの一方のジョセフソン接合の常伝導体に放射線吸収体を接合した放射線検出器が記載されている。この装置では、放射線吸収体に放射線が入射すると、SNS接合の常伝導体の温度が上昇し、SQUIDを流れる電流が変化する。この電流の変化を検出することで放射線の入射を検知する。この検出器では、放射線を検出するSQUID自身にバイアス電圧が印加されて電流が増幅されるため、別途電流増幅回路を設ける必要がない。
【0011】
しかし、この検出器においては、放射線を検出するSQUIDに、バイアス電圧を印加するための配線を行わなければならない。そのため、検出器外部の熱が検出器に伝導して、測定誤差を生じる恐れがある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、配線に要する製造工程及びコストを低減し、測定誤差を低減することができる超伝導放射線検出器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る超伝導放射線検出器は、
a)超伝導体、常伝導体、超伝導体の順又は超伝導体、常伝導体、絶縁体、超伝導体の順に接合されたジョセフソン接合を超伝導体から成るループ中に有する高周波SQUID素子と、
b)前記ジョセフソン接合中の常伝導体に熱的に接触する放射線吸収体と、
c)前記高周波SQUID素子と磁気的に結合され、その高周波SQUID素子のループに高周波電流を誘導する励振手段と、
d)前記放射線吸収体に入射された放射線による温度変化に伴って前記ループを流れる前記高周波電流の変化に起因する高周波磁場の変化を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超伝導放射線検出器においては、放射線のエネルギーから変換された熱を更に外部から検出可能な情報に変換する素子として高周波SQUID(RF−SQUID)素子を用いる。RF−SQUID素子は超伝導体から成るループ中にジョセフソン接合を1つ設けたものである。本発明においては、ジョセフソン接合には、超伝導体(S)、常伝導体(N)、超伝導体(S)の順に接合されたSNS型又は超伝導体(S)、常伝導体(N)、絶縁体(I)、超伝導体(S)の順に接合されたSNIS型のものを用いる。いずれの接合も常伝導体を有するものである。
【0015】
ジョセフソン接合中の常伝導体に放射線吸収体が熱的に接続される。この放射線吸収体には、放射線を吸収した時に発生する熱をジョセフソン接合中の常伝導体に伝導することができる材料を用いる。接続部での熱伝導率の低下の問題が生じないようにするために、放射線吸収体にジョセフソン接合中の常伝導体と同じ材料を用いて両者を一体のものとすることが望ましい。
【0016】
このRF−SQUID素子及び放射線吸収体と離間して、このRF−SQUID素子と磁気的に結合され、前記超伝導ループに高周波電流を誘導する励振手段を設ける。また、この超伝導ループに流れる高周波電流の変化により生じる高周波磁場の変化を検出する検出手段を設ける。
【0017】
この超伝導放射線検出器の動作を説明する。励振手段により、RF−SQUID素子の超伝導ループ内を貫く高周波磁場を生成して、この超伝導ループに高周波電流を誘導する。この高周波電流の大きさは、RF−SQUID素子のジョセフソン接合中の常伝導体の状態により、以下のように変化する。
【0018】
本発明の超伝導放射線検出器で用いられるSNS型又はSNIS型ジョセフソン接合においては、電流がある一定値(臨界電流Ic)以下の場合には、ジョセフソン接合間の電圧が0となる。この臨界電流Icの大きさは常伝導体の電子温度に依存する。そのため、常伝導体の温度が変化すると、臨界電流Icの大きさが変化し、RF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の大きさも変化する。
【0019】
放射線吸収体に放射線が放射されると、放射線吸収体の温度が上昇する。この放射線吸収体の熱がジョセフソン接合の常伝導体に伝導する。この時、上記の理由により、RF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の大きさが変化する。この高周波電流の変化の影響を受けてこの超伝導ループ内の高周波磁場も変化する。この高周波磁場の変化を検出手段で検出することにより、放射線吸収体に放射線が入射したことを検出することができる。
【0020】
本発明の超伝導放射線検出器では、RF−SQUID素子を用いるため、DC−SQUID素子を用いる場合とは異なり、RF−SQUID素子の超伝導ループにバイアス電圧を印加する必要はない。また、上記のように励振手段が生成する高周波磁場によりこの超伝導ループに非接触で高周波電流を流すため、この超伝導ループに電流供給用の配線を行う必要はない。更に、検出手段はこの超伝導ループ内の高周波磁場の変化を検出するものであるため、検出のための配線を超伝導ループに接続する必要はない。
【0021】
また、タンク回路を用いることにより、励振手段と検出手段を同一の回路により構成することができる。この場合の超伝導放射線検出器の動作は以下の通りである。まず、RF−SQUID素子の超伝導ループに高周波電流を流すために、タンク回路のコイル等に所定の高周波電圧(又は高周波電流)を印加する。前記のように放射線入射によりRF−SQUID素子の超伝導ループに流れる高周波電流の変化に伴って超伝導ループ内の高周波磁場が変化すると、このタンク回路のコイルを流れる高周波電流(又は高周波電圧)が変化することから、放射線吸収体に放射線が入射したことを検出することができる。
【0022】
また、本発明の超伝導放射線検出器は、こうした放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサに好適に用いることができる。このイメージセンサでは超伝導放射線検出器に配線を接続する必要がないため、イメージセンサ全体として配線が複雑になることはない。
【0023】
【発明の効果】
本発明の超伝導放射線検出器では、RF−SQUID素子に対して、バイアス電圧を印加するための配線や、励振手段及び検出手段に接続するための配線を行う必要がない。そのため、配線に要する製造工程及びコストを低減することができる。この超伝導放射線検出器を2次元状に配置した放射線イメージセンサにおいて、この配線が不要になることによる効果が大きい。また、配線が不要であることにより、配線を通してRF−SQUID素子の超伝導ループに流入する熱に起因した測定精度の低下を防ぐことができる。
【0024】
【実施例】
本発明に係る超伝導放射線検出器の一実施例の構成を図1を用いて説明する。超伝導体層11は矩形のループの一部に欠損12を設けた形状を有する。この欠損12に面した超伝導体層11の端部に絶縁体層13及び常伝導体層14が配設される。更に常伝導体層14の上に超伝導体層11が接続される。これにより、超伝導体層11による超伝導ループ中にSNIS型ジョセフソン接合を有するRF−SQUID素子10が構成される。常伝導体層14には放射線吸収体15が接続される。この常伝導体層14と放射線吸収体15は、後述のように一体のものとして作製される。以下では、図1(a)に示した、RF−SQUID素子10と放射線吸収体15とを合わせて放射線検出部16と呼ぶ。
【0025】
本実施例では、超伝導体層11にはNb(ニオブ)を、絶縁体層13にはAl2O3(アルミナ)を、常伝導体層14及び放射線吸収体15にはAg(銀)を用いた。また、各層の厚さは、超伝導体層11は0.2μm(ジョセフソン接合部は上下の層の厚さがそれぞれ0.2μm)、絶縁体層13は0.02μm、常伝導体層14は0.1μm、放射線吸収体15は2μmとした。また、超伝導体層11の内側に形成される空間の一辺の長さを50μm、ジョセフソン接合部の1辺の長さを10μmとした。放射線吸収体15の面積は0.01mm2である。なお、本実施例ではRF−SQUID素子10の形状を矩形としたが、円形等の他の形状としてもよい。
【0026】
図1(b)に示すように、放射線検出部16とは離間して、タンク回路17を設ける。本実施例で用いるタンク回路17は、コンデンサ18と抵抗19を直列に接続したものとコイル20とを並列に接続し、これらに高周波電源21を接続したものである。放射線検出部16とタンク回路17との間には、配線を行う必要はない。
【0027】
本実施例の放射線検出部16は、図2に示すような手順で作製することができる。まず、基板上にNbを成膜して、ループの一部に欠損12を設けた超伝導体層11を作製する((a))。次に、欠損12に面した一方の端部211の近傍の超伝導体層11上にAlを成膜して、このAl薄膜を酸化させてAl2O3膜から成る絶縁体層13を作製する((b))。次に、Agを成膜して、絶縁体層13上に常伝導体層14を作製すると共に、放射線吸収体15を作製する。次に、絶縁体層13上の常伝導体層14、及び超伝導体層11の端部212(前記欠損部を挟んで前記端部211に対向する端部)の上に、Nbを成膜して超伝導体層111を作製する。これにより、放射線検出部16が完成する。
【0028】
各層の成膜は、いずれもスパッタリングにより行うことができる。また、各層の成膜時にシャドーマスクを用いて、各層を所定の形状にすることができる。
【0029】
本実施例の超伝導放射線検出器の動作を説明する。タンク回路17の高周波電源21から所定の高周波電圧を印加する。これによりコイル20から高周波磁場が生成され、RF−SQUID素子10の超伝導ループ内に高周波電流が誘導される。
【0030】
放射線吸収体15に放射線が入射すると、放射線吸収体15の温度が上昇する。これに伴いジョセフソン接合部の常伝導体層14の温度も上昇する。これにより、ジョセフソン接合の臨界電流が小さくなり、それに伴いRF−SQUID素子10の超伝導ループに流れる高周波電流が変化し、その影響を受けてこの超伝導ループ内の高周波磁場が変化する。これにより、タンク回路17のコイル20に流れる高周波電流の大きさも変化する。この電流の変化により、放射線の入射を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超伝導放射線検出器の一実施例を示す概略構成図。
【図2】本実施例の超伝導放射線検出器の製造方法を示す平面図。
【符号の説明】
10…RF−SQUID素子
11、111…超伝導体層
12…欠損
13…絶縁体層
14…常伝導体層
15…放射線吸収体
16…放射線検出部
17…タンク回路
18…コンデンサ
19…抵抗
20…コイル
21…高周波電源
Claims (2)
- a)超伝導体、常伝導体、超伝導体の順又は超伝導体、常伝導体、絶縁体、超伝導体の順に接合されたジョセフソン接合を超伝導体から成るループ中に有する高周波SQUID素子と、
b)前記ジョセフソン接合中の常伝導体に熱的に接触する放射線吸収体と、
c)前記高周波SQUID素子と磁気的に結合され、その高周波SQUID素子のループに高周波電流を誘導する励振手段と、
d)前記放射線吸収体に入射された放射線による温度変化に伴って前記ループを流れる前記高周波電流の変化に起因する高周波磁場の変化を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする超伝導放射線検出器。 - 前記励振手段及び検出手段が共通のタンク回路から成ることを特徴とする請求項1に記載の超伝導放射線検出器。
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2003
- 2003-03-25 JP JP2003082453A patent/JP2004286715A/ja active Pending
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