JP2002071821A - 荷電粒子検出装置 - Google Patents

荷電粒子検出装置

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JP2002071821A
JP2002071821A JP2000256149A JP2000256149A JP2002071821A JP 2002071821 A JP2002071821 A JP 2002071821A JP 2000256149 A JP2000256149 A JP 2000256149A JP 2000256149 A JP2000256149 A JP 2000256149A JP 2002071821 A JP2002071821 A JP 2002071821A
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tunnel junction
superconducting
superconducting tunnel
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Hiromi Sato
広海 佐藤
Hirohiko Shimizu
裕彦 清水
Tokihiro Ikeda
時浩 池田
Takayuki Oku
隆之 奥
Yoshiyuki Takizawa
慶之 滝澤
Hiroshi Watanabe
博 渡辺
Kazuhiko Kawai
和彦 川井
Tomoyuki Otani
知行 大谷
Hiromasa Miyasaka
浩正 宮坂
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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  • Measurement Of Radiation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線耐性が高く、時間応答性が早く、特に
重イオンビーム検出器として用いるのに好適な荷電粒子
検出装置を提供する。 【解決手段】 2枚の超伝導金属薄膜でトンネル障壁を
挟んで構成された超伝導トンネル接合素子41に電流を
流すための電流源45,46と、超伝導トンネル接合素
子に発生する電圧パルスを検出する電圧検出器43を備
える。電流源は、粒子待ちの状態では超伝導トンネル接
合素子に素子の臨界電流より小さく素子に荷電粒子が入
射したときに減少する臨界電流より大きなバイアス電流
を流しており、荷電粒子が入射したとき電圧検出器43
の出力をトリガーとしてバイアス電流をゼロ電流を経て
初期のバイアス電流に復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重イオンビーム等
の荷電粒子線を検出する荷電粒子検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、重イオン検出装置として利用され
ているものに半導体検出器がある。半導体検出器は、入
射した重イオンによって与えられたエネルギーが、半導
体中の電子を励起して電子−空孔対を発生させ、外部か
ら高電圧を印加してこれを電気信号として取り出すこと
で重イオンの入射を検出する検出器である。一対の電子
−空孔対を発生するのに必要なエネルギーが数eVと小
さいことから、半導体検出器はエネルギー分解能のよい
検出器として知られている。
【0003】また、Nucl. Instrum. Meth., A396(1997)
277; Nucl. Instrum. Meth., A417(1998) 111; IEEE T
rans. Appl. Supercond. 9(1999) 3628等に記載されて
いるように、電流応答弁別器として超伝導トンネル接合
(Superconducting Tunnel Junction:STJ)素子を
用いることによって高速のハイブリッド超伝導検出装置
を開発する試みがなされている。しかし、超伝導トンネ
ル接合素子で重イオンの照射を直接受けて超伝導トンネ
ル接合素子を粒子検出器として動作させる試みはほとん
どなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記半導体検出器は放
射線に対する耐性が低く、ある量の放射線が照射される
と検出器として動作しなくなるため、高価な消耗品とし
て使用されている。また、半導体検出器の信号読み出し
のための周辺回路も、通常の半導体デバイスから構成さ
れているため、発生放射線量の多い場所(原子核反応が
起こる反応点の極近傍等)での使用は、検出器のみなら
ず周辺回路にもダメージを与えることになり、困難であ
る。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、放
射線耐性が高く、時間応答性が早く、特に重イオンビー
ム検出器として用いるのに好適な荷電粒子検出装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、これ
まで高速電子デバイスやX線検出器として開発が進めら
れていた超伝導トンネル接合素子を重イオンビーム等の
荷電粒子線を検出する検出器として用いることにより前
記目的を達成する。
【0006】図1に略示するように、超伝導トンネル接
合素子10は、薄い酸化物絶縁膜(トンネル障壁)11
を2枚の超伝導金属薄膜12,13で挟み込んだジョセ
フソン素子の一種である。超伝導トンネル接合素子10
を重イオン等の荷電粒子が通過すると、荷電粒子のエネ
ルギーの一部が超伝導トンネル接合素子に与えられ荷電
粒子の通過軌跡15に沿う領域16のクーパー対が瞬時
に解離するため、その領域16の超伝導性が破壊される
(ホットスポットの発生)。このホットスポットの発生
により超伝導トンネル接合素子の超伝導体としての面積
が減少し、超伝導トンネル接合素子の臨界電流(電圧ゼ
ロの状態で素子に流すことが可能な最大電流)IがI
′に減少する。この時、図2に示すように、超伝導ト
ンネル接合素子に臨界電流Iより小さく、ホットスポ
ットの発生により減少した臨界電流I′より大きなバ
イアス電流Iを流しておくと、荷電粒子の通過により
超伝導トンネル接合素子の電圧は0Vからギャップ電圧
にスイッチする。この超伝導トンネル接合素子に発
生する電圧Vを検出することで、荷電粒子の検出が可
能となる。
【0007】前述のように、超伝導トンネル接合素子を
高速の電流応答弁別器として用いた高速のハイブリッド
超伝導検出器は従来から研究されていたが、荷電粒子線
の直接照射によるホットスポット原理を用いて超伝導ト
ンネル接合素子を荷電粒子検出器として動作させる試み
はほとんどなされていなかった。本発明は、ホットスポ
ット原理を用いて超伝導トンネル接合素子を実用的な荷
電粒子検出器として動作させることを可能にするもので
ある。
【0008】すなわち、本発明による荷電粒子検出装置
は、基板上に形成された、2枚の超伝導金属薄膜でトン
ネル障壁を挟んで構成された超伝導トンネル接合素子
と、超伝導トンネル接合素子に電流を流すための電流源
と、超伝導トンネル接合素子に発生する電圧信号が入力
される信号処理回路とを含み、電流源は、超伝導トンネ
ル接合素子に当該素子の臨界電流より小さく当該素子に
荷電粒子が入射したときの減少した臨界電流より大きな
バイアス電流を流し、超伝導トンネル接合素子から電圧
信号が発生されたとき前記バイアス電流をゼロ電流を経
て初期のバイアス電流に復帰させることを特徴とする。
トンネル障壁は薄い酸化物絶縁膜によって形成すること
ができる。また、電流源は、関数発生器と抵抗を直列接
続して構成することができる。
【0009】本発明による荷電粒子検出装置は、また、
基板上に上下に位置合わせして積層された、2枚の超伝
導金属薄膜でトンネル障壁を挟んで構成された第1及び
第2の超伝導トンネル接合素子と、第1の超伝導トンネ
ル接合素子に電流を流すための第1の電流源と、第2の
超伝導トンネル接合素子に電流を流すための第2の電流
源と、第1の超電導トンネル接合素子に発生した電圧信
号と第2の超電導トンネル接合素子に発生した電圧信号
との一方をスタート信号とし他方をストップ信号として
両者の間の時間間隔を表す信号を出力する時間−電圧変
換器と、時間−電圧変換器の出力スペクトルを測定する
マルチチャネルアナライザとを含み、第1の電流源は、
第1の超伝導トンネル接合素子に当該素子の臨界電流よ
り小さく当該素子に荷電粒子が入射したときの減少した
臨界電流より大きなバイアス電流を流し、第1の超電導
トンネル接合素子から電圧信号が発生したとき当該バイ
アス電流をゼロ電流を経て初期のバイアス電流に復帰さ
せ、第2の電流源は、第2の超伝導トンネル接合素子に
当該素子の臨界電流より小さく当該素子に荷電粒子が入
射したときの減少した臨界電流より大きなバイアス電流
を流し、第2の超電導トンネル接合素子から電圧信号が
発生したとき当該バイアス電流をゼロ電流を経て初期の
バイアス電流に復帰させることを特徴とする。
【0010】時間−電圧変換器は、時間−アナログ電圧
変換器(TAC)によって実現することができる。ただ
し、時間−電圧変換器は、超伝導デバイス回路によって
スタート信号とストップ信号の間の時間間隔を表すデジ
タル電圧を出力する超伝導時間−デジタル電圧変換器
(TDC)を用いるのが好ましく、信号の高速な伝達を
実現するため第1及び第2の超伝導トンネル接合素子と
同じ極低温部に配置されていることが好ましい。検出さ
れる荷電粒子の経路上に位置する基板厚は薄くして、荷
電粒子通過の際のエネルギー損失をできるだけ小さくす
るのが好ましい。
【0011】本発明による荷電粒子検出装置は、また、
表裏を貫通する開口部を有しコールドフィンガーに接続
される高熱伝導率部材と、高熱伝導率部材に開口部を塞
ぐようにマウントされた、2枚の超伝導金属薄膜でトン
ネル障壁を挟んで構成された超伝導トンネル接合素子が
複数形成された超伝導トンネル接合素子チップと、高熱
伝導率部材にマウントされた超伝導トンネル接合素子チ
ップ上の超伝導トンネル接合素子から発生された電圧信
号を処理するための超伝導回路チップと、超伝導トンネ
ル接合素子チップに形成された複数の超伝導トンネル接
合素子の各々にバイアス電流を流すための複数の電流源
とを含み、複数の電流源は、当該電流源が接続された超
伝導トンネル接合素子に当該素子の臨界電流より小さく
当該素子に荷電粒子が入射したときの減少した臨界電流
より大きなバイアス電流を流し、当該素子から電圧信号
が発生されたときバイアス電流をゼロ電流を経て初期の
バイアス電流に復帰させることを特徴とする。
【0012】この場合、超伝導トンネル接合素子チップ
は基板上に上下に位置合わせして積層された超伝導トン
ネル接合素子対を有し、超伝導回路チップは超伝導トン
ネル接合素子対の一方の超伝導トンネル接合素子から発
生された電圧信号と他方の超伝導トンネル接合素子から
発生された電圧信号の一方をスタート信号とし他方をス
トップ信号として両者の間の時間間隔を表す信号を出力
する時間−電圧変換器を含むものとすることができる。
【0013】また、超伝導トンネル接合素子チップはア
レイ状に配列された複数の超伝導トンネル接合素子を備
え、超伝導回路チップは複数の超伝導トンネル接合素子
からの電圧信号の発生をカウントするマルチチャネル型
超電導カウンターを備えることができる。この荷電粒子
検出装置は、ビーム形状(強度分布)のデータ取得のた
めに用いることができる。
【0014】荷電粒子検出部である超伝導トンネル接合
素子は優れた耐放射線性能を示し、現在よく使われてい
るシリコン半導体検出器に比べておよそ千倍の放射線耐
性をもつ。そのため、放射線の強い環境下での使用に適
し、反応点近傍への設置や、ビーム形状モニター用検出
器として用いるのに適している。また、超伝導トンネル
接合素子が発生する荷電粒子線入射信号の立ち上がり時
間は数ピコ秒と非常に高速であるため、飛行時間測定等
にこの検出器を応用することで、時間分解能の高い測定
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本発明による荷電粒子検出装置
は、超伝導トンネル接合素子(ジョセフソン素子)から
なる荷電粒子検出器、この素子を極低温まで冷却するた
めのクライオスタット等の冷却部、及び検出器からの荷
電粒子線入射信号を読み取る回路部によって構成され
る。
【0016】図3は超伝導トンネル接合素子を用いた荷
電粒子検出器の例を示す図であり、図3(a)は平面
図、図3(b)は1個の超伝導トンネル接合素子の概略
断面図である。この超伝導トンネル接合素子は次のよう
にして製造した。厚さ400μmのシリコン基板21の
表面をスパッタリングにより清浄にし、その上に膜厚5
0nmのAl絶縁層22を形成した。その上にD
Cマクネトロンスパッタリングによって膜厚150nm
のNb層を形成し、g線ステッパによるパターン露光の
後、圧力20PaでCFプラズマを用いた反応性イオ
ンエッチング(RIE)によってパターニングして底部
Nb電極23を形成した。次に、真空を破ることなく、
Nb(50nm)/Al(10nm)−AlO/Nb
(150nm)の多層構造を積層した。NbとAlの堆
積速度は各々90nm/分、100nm/分であり、バ
ックグラウンド圧力は1×10−5Paである。Al層
24の上に形成されたAlOからなるトンネル障壁2
5は、1330Paの酸素雰囲気中に1時間置いて熱酸
化によって形成した。次に、上部のNb層をRIEによ
ってエッチングして上部Nb電極26を形成した。次
に、薄いAl層と底部のNb層をRIEによって底部N
b電極23と同じ形に成形した。さらに、RFマグネト
ロンスパッタリングによってSiO絶縁層27を堆積
し、RIEによってコンタクトホールを形成し、Nbワ
イヤ層28を形成しパターニングした。
【0017】製造された超伝導トンネル接合素子は、上
部Nb電極26の寸法20×20μm、下部Nb電極
23の寸法40×40μmの正方形である。この超伝
導トンネル接合素子を液体He中に浸漬し静的特性を測
定したところ、臨界電流密度は380A/cm、トン
ネル障壁による電気抵抗(normal resistance)は1.
5Ω、ギャップ電圧(gap sum voltage)は2.9m
V、2mVにおける抵抗値と臨界電流の積(quality pa
rameter)は75mVであった。
【0018】図4は、本発明による荷電粒子検出器を用
いた荷電粒子検出装置の全体構成を示す概略図である。
図5は検出装置の測定系のブロック図、図6は測定のタ
イムシーケンスを示す図である。ここでは飛行時間検出
装置を例にとって説明する。図4に示すように、超伝導
トンネル接合素子(41)が形成されたチップ31を先
端に取り付けたロッド32を液体Heクライオスタット
33中に直接浸漬し、超伝導トンネル接合素子を4.2
Kに冷却した。クライオスタット33は液体He容器の
壁及び外側の真空シュラウドの壁に荷電粒子線を通す膜
厚0.25mmのAl窓34を有する。ビーム強度モニ
タ用として、厚さ3mmのプラスチックシンチレーショ
ン検出器35をクライオスタット33の前方に配置し
た。リングサイクロトロンで発生されビームダクトを通
して導かれた40Arビーム36を検出した。
【0019】飛行時間(time of flight:TOF)測定
は、粒子がある距離を通過するのにかかった時間を測定
することで、粒子の速度すなわちエネルギーを決定する
ものである。いまの場合、プラスチックシンチレータ3
5を粒子が通過した際に発生した信号とチップ31の超
伝導トンネル接合素子を粒子が通過した際に発生した信
号の時間間隔を測定して飛行時間を求める。
【0020】図5に示すように、超伝導トンネル接合素
子41からの信号は増幅器42で増幅され、波高弁別器
43を通って時間−アナログ電圧変換器(Time to Anal
ogConverter:TAC)44のスタート信号入力端子に
入力される。波高弁別器43は、設定された閾値電圧を
超えた電圧が入力された場合にのみパルス電圧を出力す
るもので、超伝導トンネル接合素子41からの信号に乗
っているノイズを除去するためのものである。また、プ
ラスチックシンチレータ35から発生された光信号はプ
ラスチックシンチレータ35の両側にある光電子増倍管
47で検出され、その検出信号は波高弁別器48でノイ
ズ除去された後、同時計測器(コインシデンスレジス
タ:coincidence register)49で両側の光電子増倍管
47から同時に発生した信号のみが選別され、遅延回路
50で200ns遅延されてTAC44のストップ信号
入力端子に入力される。TAC44は、スタート信号入
力端子に信号が入力した時間とストップ信号入力端子に
信号が入力した時間の時間間隔を測定し、時間間隔に応
じた電圧を出力する。
【0021】TAC44からの出力信号はマルチチャネ
ルアナライザ(MCA)51に入力される。マルチチャ
ネルアナライザ51は入力された電圧のスペクトルを測
定する装置であり、横軸を電圧とし、縦軸をその電圧が
入力された回数とするグラフ(スペクトル)を得る。い
まの場合、入力電圧がTAC44からの出力電圧である
ため、マルチチャネルアナライザ51からは、荷電粒子
40Ar)がプラスチックシンチレータ35と超伝導
トンネル接合素子41の間の距離Lを通過するのに要し
た時間に対応した位置にピークが現れるようなタイムス
ペクトルが得られる。
【0022】プラスチックシンチレータ35からの信号
を遅延回路50で遅延させてTAC44にストップ信号
として入力した理由は次の通りである。上記のように、
TAC44にはスタート・ストップ信号を入力するわけ
で、図4の配置ではプラスチックシンチレータ35を上
流側に、超伝導トンネル接合素子41を下流側に設置し
ているため、本来であればプラスチックシンチレータ3
5からの信号をTAC44のスタート端子に、超伝導ト
ンネル接合素子41からの信号をTAC44のストップ
端子に入力すれば、プラスチックシンチレータと超伝導
トンネル接合素子が置かれた距離Lを荷電粒子線が飛行
した時間がTAC44によって測定される。
【0023】ところが、荷電粒子線を検出する有感領域
がプラスチックシンチレータ35の方が超伝導トンネル
接合素子41に比べてはるかに大きいため、プラスチッ
クシンチレータ35を通過して超伝導トンネル接合素子
41は通過しない荷電粒子が圧倒的な数になる。従って
超伝導トンネル接合素子41を通過した信号をスタート
端子に入力し、遅延したプラスチックシンチレータから
の信号をストップ端子に入力することで、確実に「プラ
スチックシンチレータを通過して更に超伝導トンネル接
合素子も通過した粒子」の飛行時間を測定することが可
能になる。TAC44によって測定された時間は、この
遅延時間を加味したものであるため、それを補正して真
の飛行時間を求める。
【0024】スケーラー52,53は、設定した時間内
に入力されたパルス電圧の回数を計数する装置である。
プラスチックシンチレータ35からの信号の数、及びプ
ラスチックシンチレータ35と超伝導トンネル接合素子
41の両方がほぼ同時に信号を発生した数を計数するこ
とで、荷電粒子線の強度(1秒間当たりの荷電粒子数)
と超伝導トンネル接合素子に入射した荷電粒子線の強度
(同じく1秒間当たりの荷電粒子数)を測定する。
【0025】超伝導トンネル接合素子41への電流バイ
アスIは、関数発生器45から可変抵抗器46を通し
て供給した。電流バイアスIは、臨界電流Iに対し
て−0.95I<I<−Iに設定した。超伝導ト
ンネル接合素子41からの出力信号Voutは増幅器4
2によって増幅され、波高弁別器43から論理パルスが
発生される。論理パルスは3つの信号路に分割され、第
1の信号はTAC44のスタート信号として用いられ、
第2の信号はプラスチックシンチレーション検出器から
の信号とのコインシデンスを見るために用いられ、第3
の信号は超伝導トンネル接合素子41の電圧状態へのス
イッチングの後、Voutを0Vにリセットするために
電流バイアスIを掃引するためのトリガー信号として
用いられる(図2参照)。
【0026】超伝導トンネル接合素子の電圧状態への転
移は非可逆であるため、一度電圧を発生するとその電圧
状態に留まる。超伝導トンネル接合素子が次の荷電粒子
線入射に対して反応し電圧を発生するためには、荷電粒
子線入射の前に電圧状態を超伝導状態(0V)に戻す必
要がある。これを実現するために、トンネル接合素子か
らの荷電粒子入射信号自身をトリガーとして利用し、印
加している電流バイアスを掃引することで、トンネル接
合素子の状態をリセットする。このリセットのための回
路として関数発生器45を用いた。関数発生器45は、
通常状態(検出器が荷電粒子線を待ちかまえている状
態)ではある一定の直流電圧を連続して出力し、荷電粒
子線が入射した際の検出器からの信号をトリガーとし
て、予めプログラムしておいた初期電圧→ゼロ電圧→初
期電圧という電圧をたどる三角波電圧を一回出力する。
【0027】図6は、本発明の荷電粒子検出装置による
測定のタイムシーケンスを示す図である。横軸は時間で
あり、超伝導トンネル接合素子の制御を時間の経過とと
もに表している。図6(a)は荷電粒子線の超伝導トン
ネル接合素子への入射を表す図であり、波形61,62
の立ち上がりが荷電粒子の入射時間を表している。図6
(b)は超伝導トンネル接合素子から出力される電圧波
形63,64を表す図、図6(c)は関数発生器45に
入力されるトリガー信号65,66の波形図、図6
(d)は超伝導トンネル接合素子に入力されているバイ
アス電流波形67を表す図である。
【0028】図6(d)に示すように、荷電粒子が超伝
導トンネル接合素子に入射する前、すなわち検出器が荷
電粒子の到着を待ちかまえている状態では、関数発生器
45から一定の直流電圧を出力する。これは図6(d)
の時刻tからtまでに相当する。この電圧を可変抵
抗器46を通して電流値として制御し、超伝導トンネル
接合素子の臨界電流よりも僅かに小さくなるような値I
にセットする。
【0029】ここで、超伝導トンネル接合素子に粒子が
入射すると(図6(a)の最初の立ち上がり61)、超
伝導トンネル接合素子は電圧状態に移行し、図6(b)
の波形63に示すように電圧Vgを発生する。この信号
63が波高弁別器43に入力されると、波高弁別器43
から電圧パルス65が発生される(図6(c))。この
電圧パルスを幾つかに分け、そのうちの一つを関数発生
器45のトリガー入力端子に入力する。関数発生器45
には、トリガーが入ると電圧ゼロ(t)を通ってまた
初期の電圧に戻る(t)ような三角波が出力されるよ
うに予めプログラムしておき、荷電粒子入射によって発
生したトリガーを検知して出力電圧をそのように掃引す
る(図6(d))。関数発生器45の電圧、すなわちバ
イアス電流をゼロを通るように掃引すると、図2の超伝
導トンネル接合素子の電流−電圧特性曲線にリセットと
して示した道筋を通って超伝導トンネル接合素子の状態
が初期状態、つまり出力電圧ゼロの状態に戻る。荷電粒
子が超伝導トンネル接合素子に入射するたびに、以上の
動作が自動的に反復される。
【0030】図7は、図4,5にて説明した装置を用い
て、TACからの出力電圧をMCAに入力して得られた
「プラスチックシンチレータを通過し、更に超伝導トン
ネル接合素子を通過」した荷電粒子の飛行時間の測定結
果を示す図である。横軸が飛行時間、縦軸がその時間で
飛行してきた荷電粒子の個数を表す。加速器で加速した
荷電粒子線は、運動エネルギーすなわち速度が揃ってい
るのである一定の時刻の位置にピークが現れる。ただ
し、ここでは荷電粒子線の飛行時間の測定ではなく、測
定される時間の測定精度を知ることを目的としたため、
図ではピークの位置を0としてある。プラスチックシン
チレータ、超伝導トンネル接合素子、その他の回路を含
めた測定系の測定精度(時間決定精度)は、得られたピ
ークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWH
M)から求められ、ピークの幅が狭ければ狭いほど時間
の測定精度が良いことになる。この実験では、FWHM
として1.7±0.2nsが得られた。
【0031】図8は、本発明による荷電粒子検出器の他
の例を示す断面模式図である。荷電粒子検出器を飛行時
間測定(TOF)で使用するTOFカウンターとして用
いるためには、粒子が通過する厚さを極力薄くする必要
がある。そこで、シリコン基板71上に超伝導トンネル
接合素子72を作成した後に、基板71の裏面をエッチ
ングして削り、検出部の厚みを薄くした。この手法によ
り荷電粒子線が通過する部分の厚さは2μm程度とする
ことが可能となる。重イオン検出器は、検出器を通過す
る重イオンから与えられるエネルギーを利用して動作す
るため、原理的に重イオンのエネルギー損失は避けられ
ない。しかしながら、検出器の厚さを極力薄くすること
で、通過の際のエネルギー損失を小さくすることが可能
になる。これは特に、重イオンのエネルギー測定におい
ては、入射エネルギーを損なわないという点で重要であ
り、本発明の超伝導トンネル接合素子と基板のエッチン
グにより、厚さの薄い検出器を実現する。
【0032】図9は、本発明による飛行時間測定に用い
られる荷電粒子検出器の他の例の断面模式図である。図
10は、検出回路の例を示すブロック図である。飛行時
間測定では、荷電粒子線の軌道上に2個の検出器を置
き、それぞれの検出器からの信号をスタート信号、スト
ップ信号としてその時間間隔を測定する。本例の飛行時
間検出用の荷電粒子検出器80は、図9に示すように、
1枚の基板81上に重ねて作製した2個の超伝導トンネ
ル接合素子82,83によって2個の検出器を構成す
る。荷電粒子検出器80の製造に当たっては、最初、図
3によって説明したのと同様の方法によって基板81上
に第1の超伝導トンネル接合素子82を形成する。その
上にSiO等の絶縁膜84を形成し、絶縁膜84の表
面をイオンポリッシュによって平坦化する。その後、絶
縁膜84の上に第1の超伝導トンネル接合素子82と同
様の方法で第2の超伝導トンネル接合素子83を形成す
る。ただし、第2の超伝導トンネル接合素子83の製造
に当たっては、最下層の絶縁層の形成を省略することが
できる。こうして、2個の検出器間の距離Lが100μ
m程度である飛行時間検出用の荷電粒子検出器80を製
造することができる。その後、基板81の裏面をエッチ
ングして削り、検出部の厚みを薄くする。入射した重イ
オンが検出器内に停止せずに通過できることから、通過
した重イオンを他の物理量の測定(例えば、重イオンの
寿命測定等)に利用可能となる。
【0033】超伝導トンネル接合素子のサイズは単体で
は数μm×数μmと小さいため、別々の基板上に作製し
た2つの超伝導トンネル接合素子を同一線上に精度良く
並べて配置するのは困難である。図9に示すように2個
の超伝導トンネル接合素子を1つのチップ上に重ねて作
製することで、別々のチップ上に作製した超伝導トンネ
ル接合素子の両方を通過するようにチップを整列させる
困難さが解消される。
【0034】図9に示した荷電粒子検出器80を用いた
飛行時間測定の動作原理は、図4〜図6を用いて説明し
た測定方法において、プラスチックシンチレータの代わ
りに、チップ内に形成した超伝導トンネル接合素子を用
いること以外、同じである。例えば、荷電粒子がチップ
内の上層の第2の超伝導トンネル接合素子83を通過し
た時に発生する信号をスタート信号とし、下層の第1の
超伝導トンネル接合素子82を通過した時に発生する信
号をストップ信号としてその時間差を測定する。
【0035】図10は、図9の荷電粒子検出器80を用
いた飛行時間測定回路の例を示す図である。上流側の超
伝導トンネル接合素子83及び下流側の超伝導トンネル
接合素子82からの信号は、超伝導時間−デジタル電圧
変換器(Time to Digital Converter:TDC)91に
スタート信号及びストップ信号として入力される。超伝
導TDCの出力はマルチチャネルアナライザ(MCA)
92に入力される。マルチチャネルアナライザ92から
は、入射した荷電粒子が2個の超伝導トンネル接合素子
83,82の間の距離Lを通過するのに要した時間に対
応した位置にピークが現れるようなタイムスペクトルが
出力される。
【0036】超伝導TDC91は、TACと同様、スタ
ート・ストップの時間間隔に応じた電圧を出力する装置
であり、TACの機能を超伝導デバイス回路を用いて実
現するものである。TACからはアナログ電圧が出力さ
れるのに対して、TDCではデジタル電圧が出力され
る。超伝導トンネル接合素子からの信号をそのままクラ
イオスタット(極低温部)から通常の測定回路(室温
部)にもってくると、その伝送経路で信号がなまってし
まい、良好な時間特性が失われてしまう。超伝導トンネ
ル接合素子が本来有する優れた高速な時間応答特性を引
き出すためには、図12に示すように、超伝導トンネル
接合素子82,83と同じ極低温部に超伝導TDC91
を設置し、時間情報はそこで処理してしまうのが有利で
ある。また、超伝導トンネル接合素子はプラスチックシ
ンチレータよりも動作速度が速いので、2個の超伝導ト
ンネル接合素子を重ねた検出器を用いることで、プラス
チックシンチレータを用いた場合よりも時間精度の高い
測定が可能になる。
【0037】超伝導トンネル接合素子82,83の出力
は、また、増幅器93a,93bで増幅された後、波高
弁別器94a,94bに入力される。波高弁別器94
a,94bの出力は関数発生器95a,95bにトリガ
ー信号として入力される。関数発生器95a,95b
は、トリガー信号が入力されると図6(d)にて説明し
たように、電圧ゼロを通ってまた初期の電圧に戻るよう
な三角波を出力する。この三角波電圧を可変抵抗器96
a,96bを通して電流値として制御して超伝導トンネ
ル接合素子82,83に流すことによって、前述のよう
に超伝導トンネル接合素子82,83の状態を出力電圧
ゼロの初期状態に戻す。この関数発生器95a,95b
を含むリセット回路は室温部に配置されている。また、
同時計測器97にほぼ同時に波高弁別器94a,94b
からの出力パルスが入力された場合にのみ、同時計測器
97から出力があるように設定を行い、その出力をスケ
ーラー98で計測することで、超伝導トンネル接合素子
82,83を通過した重イオンの数を数える。
【0038】飛行時間検出用の荷電粒子検出器80は、
上下一組で検出器として機能するが、この荷電粒子検出
器80を同一チップ上に多数並べて配置し、それぞれに
ついてこれまで説明したようなバイアス回路、リセット
回路、TDC等の周辺回路を用意することで、検出器の
有効面積を実効的に大きくすることができる。これによ
り、測定対象となる重イオンが非常に少ない場合に、よ
り取りこぼし無く測定することが可能になる。
【0039】超伝導トンネル接合素子による荷電粒子線
通過の信号はピコ秒の速さで発生する。この速度を活か
すためには、検出部である超伝導トンネル接合素子のご
く近傍に信号処理回路があることが望ましく、なおかつ
信号処理回路はトンネル接合素子が置かれる極低温の環
境で動作する必要がある。このための回路として超伝導
TDCを採用する。超伝導TDCは検出部と同様にトン
ネル接合素子の組み合わせで構成されているため、この
回路自身も強い耐放射線性を併せ持っている。従って検
出部であるトンネル接合素子の近傍へ設置することが可
能である。
【0040】また、チップとプリント基板の配線にフリ
ップチップボンディング技術を用いた配線を行う。フリ
ップチップボンディングは、チップ上の配線とパッドと
プリント基板の配線パッドに鉛やスズでバンプを作り、
チップの配線部とプリント基板の配線部を向かい合わせ
にして張り合わせ、加熱することで両方のバンプを融合
して配線する方法である。この結果、クライオスタット
からの信号は時間に応じた電圧信号という形で出力され
るため、それ以降の回路はそれほど高速である必要がな
くなり、簡便な回路が利用可能となる。
【0041】図12は、超伝導トンネル接合素子チップ
と超伝導TDCチップを実装したプリント基板の概略図
である。図12(a)は全体の斜視図、図12(b)は
図12(a)のA方向から見た図、図12(c)は図1
2(a)のB方向から見た側面図である。
【0042】超伝導トンネル接合素子チップ及び超伝導
TDCチップ115は、表面すなわち超伝導トンネル接
合素子がある面をプリント基板116側に向けて、プリ
ント基板116にフリップチップボンディング117に
よって実装されている。プリント基板116は、クライ
オスタットコールドフィンガーに接続される銅製治具1
18に固定されている。図12(b)(c)に示すよう
に、超伝導トンネル接合素子チップ111の感応領域に
直接荷電粒子119が入射するように銅製治具118に
は荷電粒子線を通すための開口120が設けられてい
る。超伝導TDC115は銅製治具118によって荷電
粒子線から遮蔽されているので、TDC115に荷電粒
子線が入射することによって超伝導TDC115が誤動
作を起こすことはない。
【0043】次に、図11を用いて、超伝導トンネル接
合素子をマルチピクセル化したビーム形状モニター用の
荷電粒子検出装置の例について説明する。図11は、超
伝導トンネル接合素子を基板上に多数個並ベマルチピク
セル化した検出器の概略図である。この例のマルチピク
セル検出器は、サイズ5mm×5mm、厚さ0.4mm
のチップ111に1個の大きさが20μm×20μmの
超伝導トンネル接合素子112を75×75個アレイ状
に配列したものである。超伝導トンネル接合素子の配置
された検知領域の寸法は3mm×3mmである。素子一
つ一つが荷電粒子線入射の信号を独立に発生するため、
はじめからデジタル位置情報をもったデータの取得が可
能となる。
【0044】各々の超伝導トンネル接合素子112から
の出力信号は、前述した超伝導TDCチップの実装と同
様、図12に示すごとく、チップ111に隣接して実装
されたマルチチャネル型超伝導カウンター115に入力
され、各超伝導トンネル接合素子112への重イオン入
射による信号の発生を素子毎に計数する。この情報を読
み出すことで、x座標、y座標、座標(x,y)におけ
る計数という3次元のデータ、すなわちビーム形状(強
度分布)のデータが取得可能となる。
【0045】
【発明の効果】本発明によると、時間分解能が高く放射
線耐性が高い荷電粒子検出装置を得ることができる。ま
た、ビーム形状をモニタすることのできるビーム形状モ
ニター用荷電粒子検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷電粒子線通過によって超伝導トンネル接合素
子に発生するホットスポットの説明図。
【図2】超伝導トンネル接合素子の電流−電圧特性曲線
を示す図。
【図3】超伝導トンネル接合素子を用いた荷電粒子検出
部の例を示す図。
【図4】本発明による荷電粒子検出器を用いた荷電粒子
検出装置(飛行時間検出装置)の全体構成を示す概略
図。
【図5】検出装置の測定系のブロック図。
【図6】測定のタイムシーケンスを示す図。
【図7】荷電粒子線の飛行時間の測定結果を示す図。
【図8】本発明による荷電粒子検出器の他の例の断面模
式図。
【図9】飛行時間測定に用いられる本発明による荷電粒
子検出器の他の例の断面模式図。
【図10】検出回路の例を示すブロック図。
【図11】マルチピクセル検出器の例を示す図。
【図12】超伝導トンネル接合素子チップと超伝導回路
チップを実装したプリント基板の概略図。
【符号の説明】
10…超伝導トンネル接合素子、11…薄い酸化物絶縁
膜(トンネル障壁)、12,13…超伝導金属薄膜、1
5…荷電粒子の通過軌跡、21…基板、22…絶縁層、
23…底部Nb電極、24…Al層、25…トンネル障
壁、26…上部Nb電極、27…絶縁層、28…Nbワ
イヤ層、31…チップ、32…ロッド、33…クライオ
スタット、34…Al窓、35…プラスチックシンチレ
ーション検出器、36…40Arビーム、41…超伝導
トンネル接合素子、42…増幅器、43…波高弁別器、
44…時間−アナログ電圧変換器(TAC)、45…関
数発生器、46…可変抵抗器、47…光電子増倍管、4
8…波高弁別器、49…同時計測器、50…遅延回路、
51…マルチチャネルアナライザ(MCA)、52,5
3…スケーラー、71…基板、72…超伝導トンネル接
合素子、80…荷電粒子検出器、81…基板、82,8
3…超伝導トンネル接合素子、84…絶縁膜、91…超
伝導時間−デジタル電圧変換器(TDC)、92…マル
チチャネルアナライザ、93a,93b…増幅器、94
a,94b…波高弁別器、95a,95b…関数発生
器、96a,96b…可変抵抗器、97…同時計測器、
98…スケーラー、111…チップ、112…超伝導ト
ンネル接合素子、115…超伝導TDCや超伝導カウン
タ等の超伝導回路チップ、116…プリント基板、11
7…フリップチップボンディング、118…銅製治具、
119…荷電粒子、120…開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 39/02 ZAA H01L 39/02 ZAAA 39/04 ZAA 39/04 ZAA 39/22 ZAA 39/22 ZAAD ZAAK (72)発明者 池田 時浩 埼玉県和光市丸山台2−7−18 ロシュホ ール402 (72)発明者 奥 隆之 埼玉県和光市大字新倉2857−1 ファイン コーポラスB202 (72)発明者 滝澤 慶之 東京都板橋区舟渡1−21−1 亀山ビル 301 (72)発明者 渡辺 博 東京都板橋区赤坂新町3−19−9 ルーミ 赤坂103 (72)発明者 川井 和彦 埼玉県和光市丸山台2−4−12 シェルブ ール308 (72)発明者 大谷 知行 埼玉県和光市新倉2884 コンフォート201 (72)発明者 宮坂 浩正 埼玉県志木市柏町2−16−3 メゾン中野 102 Fターム(参考) 2G088 FF12 FF13 FF15 GG22 GG23 GG25 JJ05 JJ09 JJ37 KK11 KK15 KK24 KK29 KK32 LL05 4M113 AA04 AA14 AA25 AC24 AD01 AD36 BA05 BB08 BC04 BC16 CA13 4M114 AA21 AA28 AA29 BB03 CC08 CC16 CC18 DA02 DA07 DA45 DA51 DA60 5C038 FF04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された、2枚の超伝導金属
    薄膜でトンネル障壁を挟んで構成された超伝導トンネル
    接合素子と、前記超伝導トンネル接合素子に電流を流す
    ための電流源と、前記超伝導トンネル接合素子に発生す
    る電圧信号が入力される信号処理回路とを含み、 前記電流源は、前記超伝導トンネル接合素子に当該素子
    の臨界電流より小さく当該素子に荷電粒子が入射したと
    きの減少した臨界電流より大きなバイアス電流を流し、
    前記超伝導トンネル接合素子から電圧信号が発生された
    とき前記バイアス電流をゼロ電流を経て初期のバイアス
    電流に復帰させることを特徴とする荷電粒子検出装置。
  2. 【請求項2】 基板上に上下に位置合わせして積層され
    た、2枚の超伝導金属薄膜でトンネル障壁を挟んで構成
    された第1及び第2の超伝導トンネル接合素子と、前記
    第1の超伝導トンネル接合素子に電流を流すための第1
    の電流源と、前記第2の超伝導トンネル接合素子に電流
    を流すための第2の電流源と、前記第1の超電導トンネ
    ル接合素子に発生した電圧信号と第2の超電導トンネル
    接合素子に発生した電圧信号との一方をスタート信号と
    し他方をストップ信号として両者の間の時間間隔を表す
    信号を出力する時間−電圧変換器と、前記時間−電圧変
    換器の出力スペクトルを測定するマルチチャネルアナラ
    イザとを含み、 前記第1の電流源は、前記第1の超伝導トンネル接合素
    子に当該素子の臨界電流より小さく当該素子に荷電粒子
    が入射したときの減少した臨界電流より大きなバイアス
    電流を流し、前記第1の超電導トンネル接合素子から電
    圧信号が発生したとき当該バイアス電流をゼロ電流を経
    て初期のバイアス電流に復帰させ、前記第2の電流源
    は、前記第2の超伝導トンネル接合素子に当該素子の臨
    界電流より小さく当該素子に荷電粒子が入射したときの
    減少した臨界電流より大きなバイアス電流を流し、前記
    第2の超電導トンネル接合素子から電圧信号が発生した
    とき当該バイアス電流をゼロ電流を経て初期のバイアス
    電流に復帰させることを特徴とする荷電粒子検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の荷電粒子検出装置におい
    て、前記時間−電圧変換器は、超伝導デバイス回路によ
    って前記スタート信号とストップ信号の間の時間間隔を
    表すデジタル電圧を出力する超伝導時間−デジタル電圧
    変換器からなり、前記第1及び第2の超伝導トンネル接
    合素子と同じ極低温部に配置されていることを特徴とす
    る荷電粒子検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の荷電粒子検出
    装置において、検出される荷電粒子の経路上に位置する
    基板厚を薄くしたことを特徴とする荷電粒子検出装置。
  5. 【請求項5】 表裏を貫通する開口部を有しコールドフ
    ィンガーに接続される高熱伝導率部材と、 前記高熱伝導率部材に前記開口部を塞ぐようにマウント
    された、2枚の超伝導金属薄膜でトンネル障壁を挟んで
    構成された超伝導トンネル接合素子が複数形成された超
    伝導トンネル接合素子チップと、 前記高熱伝導率部材にマウントされた前記超伝導トンネ
    ル接合素子チップ上の超伝導トンネル接合素子から発生
    された電圧信号を処理するための超伝導回路チップと、 前記超伝導トンネル接合素子チップに形成された複数の
    超伝導トンネル接合素子の各々にバイアス電流を流すた
    めの複数の電流源とを含み、 前記複数の電流源は、当該電流源が接続された超伝導ト
    ンネル接合素子に当該素子の臨界電流より小さく当該素
    子に荷電粒子が入射したときの減少した臨界電流より大
    きなバイアス電流を流し、当該素子から電圧信号が発生
    されたとき前記バイアス電流をゼロ電流を経て初期のバ
    イアス電流に復帰させることを特徴とする荷電粒子検出
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の荷電粒子検出装置におい
    て、前記超伝導トンネル接合素子チップは基板上に上下
    に位置合わせして積層された超伝導トンネル接合素子対
    を有し、前記超伝導回路チップは前記超伝導トンネル接
    合素子対の一方の超伝導トンネル接合素子から発生され
    た電圧信号と他方の超伝導トンネル接合素子から発生さ
    れた電圧信号の一方をスタート信号とし他方をストップ
    信号として両者の間の時間間隔を表す信号を出力する時
    間−電圧変換器を含むことを特徴とする荷電粒子検出装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の荷電粒子検出装置におい
    て、前記超伝導トンネル接合素子チップはアレイ状に配
    列された複数の超伝導トンネル接合素子を備え、前記超
    伝導回路チップは前記複数の超伝導トンネル接合素子か
    らの電圧信号の発生をカウントするマルチチャネル型超
    電導カウンターを備えることを特徴とする荷電粒子検出
    装置。
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