JP7064750B2 - 中性子イメージング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、中性子イメージング装置、イメージング装置およびカメラに関する。
中性子によるイメージング技術(中性子ラジオグラフィ)は、X線やガンマ線を用いた解析技術と同様に、中性子線が物質を通り抜ける性質を利用して物質内部を観察する技術である。
中性子ラジオグラフィは、金属など重い元素の撮影に適したX線と異なり、水素や炭素など軽元素の観察に適しており、生物や水分を多く含む物質の観察を可能にする。また、感度が高いため、映像として実時間観察できるなどの特徴を有し、生物中の水分の移動の様子なども観察できる。
また、一般の金属は、中性子の吸収が少ないという特性を活かし、機械内部を移動する燃料やオイルの様子も観察可能である。
さらに、磁気モーメントを有するという特性を活かして磁気分布を調べることもできる。
従来、このような中性子線の特性を活かし、燃料電池内の水のダイナミクスを高空間分解能の動画として観測したいとの要望がある。
また、サブミクロン領域の分解能で大画素化が実現できれば、スピン偏極中性子源を用いて磁性体材料におけるスピンの運動の様子を高速観察できるため、スピントロニクスなど最先端の研究を支援する強力なツールにもなる。
それゆえ、大画素化の実現、特にサブミクロン領域の高空間分解能でリアルタイムに観測できる中性子ラジオグラフィの技術が求められている。
例えば、大強度陽子加速器施設J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)利用者協議会においては、「燃料電池」「蓄電デバイス」分野において、2015年に1μmの空間分解能、2030年に10msのフレーム時間が全体構想として掲げられている。
中性子ラジオグラフィの検出装置としては、ガス放電方式を用いたものやシンチレーション方式を用いたもの、イメージングプレートを用いたものなど、様々な方式のものが挙げられる。
また、前述の構想に応え得る高分解能、高速の中性子イメージング装置の候補としては、ナノワイヤ状に微細加工した超伝導元素からなる検出素子を縦横にマトリックス状に配置し、これらの検出素子と中性子との核反応に伴う発熱による検出素子の電子状態の変化を電気抵抗値の変化として測定する中性子イメージング装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、中性子と中性子検出用物質との核反応に伴って異なる方向へ放射される2つの粒子のうちの一つの粒子をX座標検出素子群で検出し、他の粒子をY座標検出素子群で検出することにより、マトリックス状に検出素子を配置する構成よりも少ない個数の検出素子で、同じ空間分解能を有する中性子検出を実現する中性子検出装置の発明も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
WO2006/095659号 特許第5846574号
しかしながら、従来の中性子イメージング装置の位置分解能はおおむねサブmmの領域にとどまり、サブミクロン領域の観測は実現できていないのが実情であった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置、イメージング装置およびカメラを実現するものである。
(1)この発明は、中性子検出用物質と、前記中性子検出用物質および中性子の核反応によって熱エネルギーを伴って生成され、異なる方向へ放射される少なくとも2つの粒子のうち、一の粒子の熱エネルギーを受容した場合に電子状態の変化が生じる超伝導物質からなる第1粒子検出素子と、他の粒子の熱エネルギーを受容した場合に電子状態の変化が生じる超伝導物質からなる第2粒子検出素子とを備え、前記第1粒子検出素子および前記第2粒子検出素子は、前記中性子検出用物質を間に挟んで予め定められた間隔を隔てて対向する位置に設けられ、前記第1粒子検出素子が検出した前記一の粒子の検出位置および前記第2粒子検出素子が検出した前記他の粒子の検出位置に基づき、前記中性子検出用物質の前記核反応が発生した位置を検出することを特徴とする中性子イメージング装置を提供するものである。
また、この発明は、光エネルギーを受容した場合に電子状態の変化が生じる超伝導物質からなる光検出素子を備え、前記光検出素子は、X方向を進行方向とし前記X方向に垂直なY方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたX座標検出素子と、前記Y方向を進行方向とし前記X方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたY座標検出素子を重ね合わせてなり、前記X座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記光エネルギーの検出位置のX座標を検出し、前記Y座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記光エネルギーの検出位置のY座標を検出することを特徴とするイメージング装置を提供するものである。
また、この発明は、前記イメージング装置を備えたカメラを提供するものである。
この発明において、「中性子検出用物質」としては、例えば、二硼化マグネシウム(MgB2)が挙げられる。また、10Bそのものの薄膜であってもよい。その場合、核反応により放射される粒子は4He(アルファ線)と7Li(リチウム線)である。
「熱エネルギーを受容」するとは、粒子の持つ熱エネルギーによって第1または第2粒子検出素子の特性の変化が生じること、特に、電子状態の変化が生じることをいう。
何らかの手段でその電子状態の変化が検出できれば特に検出手法は限定されないが、後述する実施例においては、電子状態の変化を運動インダクタンスの変化として検出している。
この発明の中性子イメージング装置は、ある時点においては中性子が一カ所にしか衝突せず、通常は複数箇所に同時に中性子が衝突することはないことを前提としており(仮にそのような事象が生じても確率が低ければよい)、衝突が順次発生しそれによる核反応の位置を検出するものである。
例えば、中性子検出用物質がMgB2で、核反応により放出される粒子がアルファ線とリチウム線の場合、それらのうちいずれが第1粒子であるかは問わない。さらに、中性子とMgB2との衝突が順次発生するとき、第1粒子検出素子が一貫してアルファ線またはリチウム線を検出すると限定するものではなく、あるときは第1粒子検出素子がアルファ線を検出し、その次はリチウム線を検出してもよい。
この発明によれば、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置、イメージング装置およびカメラが実現できる。
また、この発明の中性子イメージング装置およびイメージング装置は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(2)この発明による中性子イメージング装置において、前記第1粒子検出素子および前記第2粒子検出素子は、X方向を進行方向とし前記X方向に垂直なY方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたX座標検出素子と、前記Y方向を進行方向とし前記X方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたY座標検出素子を重ね合わせてなり、前記X座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記粒子の検出位置のX座標を検出し、前記Y座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記粒子の検出位置のY座標を検出するものであってもよい。
このようにすれば、蛇行経路を有するX座標検出素子およびY座標検出素子を重ね合わせてなる第1粒子検出素子および第2粒子検出素子を用いることにより、素子内への熱流入を抑えつつ大画素化を実現し、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
(3)この発明による中性子イメージング装置において、前記蛇行経路は、超伝導細線を予め定められた長さおよび幅で蛇行させることにより形成されるものであってもよい。
「予め定められた長さおよび幅で蛇行させる」とは、例えば、超伝導細線を数mm~数十mmの長さごとに0.1μm~数μmの幅で蛇行させる場合などがあげられる。
このようにすれば、大きな有感面積により大画素化を実現しつつ、サブミクロン~ミクロン領域の高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
(4)この発明による中性子イメージング装置において、前記超伝導細線がNbを含むものであってもよい。
このようにすれば、Nb系の読出回路と同じNbを含む超伝導細線を用いることにより、Nb系電流バイアス運動インダクタンス検出器モノリシック素子を実現できるため、従来よりも高分解能の位置分解能を有し、かつ、信頼性の高い中性子イメージング装置を実現することができる。
(5)この発明による中性子イメージング装置において、前記第1粒子検出素子は、前記第1粒子の熱エネルギーの受容によって超伝導電子対が減少する電子状態の変化を運動インダクタンスの変化として検出し、前記第2粒子検出素子は、前記第2粒子の熱エネルギーの受容によって超伝導電子対が減少する電子状態の変化を運動インダクタンスの変化として検出するものであってもよい。
このようにすれば、超伝導電子対が減少する電子状態の変化を運動インダクタンスの変化を検出することにより、素子内でのジュール熱の発生がなく、従来よりも高速で動作し、高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
(6)この発明による中性子イメージング装置において、前記中性子検出用物質が中性子との核反応によって相反する方向に2つの粒子を放射する物質を含むものであってもよい。
このようにすれば、中性子検出用物質として、中性子と反応して相反する方向に2つの粒子を放射する物質を用いることにより、中性子の検出精度を高めることができるため、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
「中性子との核反応によって相反する方向に2つの粒子を放射する物質」としては、例えば、10B、Li、Heなどがあげられる。
(7)この発明による中性子イメージング装置において、前記中性子検出用物質は、中性子との核反応によって相反する方向にアルファ線とリチウム線を放射する10Bを含むものであってもよい。
このようにすれば、中性子と反応してアルファ線とリチウム線の2つの粒子が相反する方向に放射することが知られている10Bを用い、かつ相反する方向に放射される2つの粒子を用いることにより、中性子の検出精度を高めることができるため、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
(8)この発明による中性子イメージング装置において、前記中性子検出用物質がMgB2を含むものであってもよい。
このようにすれば、中性子検出用物質として、加工しやすい高温超伝導体であるMgB2を用いて中性子イメージング装置を実現することができる。
(9)この発明によるイメージング装置において、前記光検出素子は、前記X方向および前記Y方向に垂直なZ方向に光エネルギーを閉じこめるキャビティ内に設けられたものであってもよい。
このようにすれば、キャビティにより微弱な光を検知することが可能なイメージング装置を実現することができる。
この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置の概略構成を示す説明図である。 図1の粒子検出素子の概略構成を示す説明図である。 図1の粒子検出素子の一実施例を示す図である。 中性子が10Bに衝突して核反応がおこり、アルファ線とリチウム線の2つの粒子が相反する方向に放射する様子を模式的に示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置内の中性子と10Bとの核反応の例を示す説明図である。 図1の10B層内の熱中性子反応により生じた7Liの軌跡をシミュレートした結果を示す。 この発明の中性子イメージング装置において、対向する2つの粒子検出素子における各粒子の検出位置と核反応位置との関係を示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置による測定の一例を示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る粒子検出素子の粒子検出原理の説明図である。 この発明の実施形態1に係る中性子イメージング装置の測定結果の一例である。 図10の10Bドット間のピッチを解析した結果である。 この発明の第2実施形態に係るイメージング装置の光の検出例を示す説明図である。 図12のX座標検出素子のX座標検出原理の説明図である。 この発明の第2実施形態に係るイメージング装置による測定結果の一例である。 この発明の第3実施形態に係るイメージング装置内のキャビティ構造の一例を示す説明図である。
以下、図面に基づいてこの発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100について詳述する。なお、以下の説明はすべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
<<第1実施形態>>
この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100について、図1~10に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100の概略構成を示す説明図である。また、図2は、図1の粒子検出素子10の概略構成を示す説明図である。また、図3は、図1の粒子検出素子10の一実施例を示す図である。
図1に示すように、この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100は、核反応層20を間に挟むようにして、対向して積層された2つの電流バイアス運動インダクタンス検出器(CB-KID)(以下、粒子検出素子10,10A,10B)を備える。
図1において、22mm角のシリコン基板30上にGround plane40を設け、その上にX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yを重ね合わせた粒子検出素子10Aを設ける。
なお、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yは、表面が直接空気に接するのを防止するため、SiO層50内に設けられる。
具体的には、Nb Ground plane上に厚み250nmのSiO層を成膜した後、当該SiO層上に厚み40nmのNbナノワイヤを形成してX座標検出素子1xを設け、その上に厚み50nmのSiO層を成膜する。
その後、化学機械研磨(CMP)により、Nbナノワイヤを平坦化(カルデラ平坦化)し、その上に厚み50nmのSiO層を成膜する。
次に、当該SiO層上に厚み40nmのNbナノワイヤを形成してY座標検出素子1yを設け、その上に厚み50nmのSiO層を成膜する。
また、粒子検出素子10AのSiO層上にKセルや電子ビームを用いた蒸着により核反応層20を形成する。
核反応層20は、MgB2薄膜に形成してもよいし、10Bそのものの薄膜であってもよい。
10Bは、自然界に主に存在する質量数11の11Bの同位体であり、中性子を吸収して4Heと7Liを生成する核反応を行うことが知られている。
この核反応は、電荷を持たないために検出が困難な中性子の検出に利用される。10Bは、特に冷中性子に対して反応確率が高いことが知られている。
一方、粒子検出素子10Aと同様に、粒子検出素子10Bについても、18mm角のシリコン基板30上にGround plane40を介してX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yを重ね合わせてSiO内に設けることにより作成する。
このように作成した粒子検出素子10Bを一定の間隔をあけて、粒子検出素子10Aに対向する位置に設ける。
第1実施形態においては、X座標検出素子1xとY座標検出素子1yとの間の間隔は5μmである。
その結果、核反応層20を間にはさんで、粒子検出素子10Aおよび10Bが対向するように設けられた中性子イメージング装置100が実現できる。
また、上側のシリコン基板30からはみ出た下側のシリコン基板30の周辺部に読出回路60を形成する
また、フリップチップボンダで接着することによって、粒子検出素子10A,10BのX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yと読出回路60との間に超伝導コンタクトをとる。
<粒子検出素子10の説明>
次に、粒子検出素子10の構造について説明する。
図2に示すように、粒子検出素子10は、経路が曲がりくねった蛇行形状(以下、メアンダ(meander)形状)の経路を有するNb細線からなるX座標検出素子1xとY座標検出素子1yとを重ね合わせた構造を有する。
図3において、22mm角の粒子検出素子10A上に核反応層20を設けた実施例が示されている。
図3に示すように、X座標検出素子1xは、X方向を進行方向とし、Y方向を幅方向とする蛇行経路を有する超伝導細線からなる。
また、Y座標検出素子1yは、Y方向を進行方向とし、X方向を幅方向とする蛇行経路を有する超伝導細線からなる。
なお、超伝導細線の素材としては、例えば、NbまたはNbNによる超伝導体や、MgB2、ボロンをドープしたダイヤモンド薄膜(Tc=11K)等の高温超伝導体などがあげられるが、他の超伝導体であってもよい。
第1実施形態において、メアンダ状の蛇行経路の幅は1μmであり、隣接する蛇行経路間の間隔も1μmである。
後述する運動インダクタンスの変化を効率的に検出できるのは、熱エネルギーの拡散長程度であるため、このように、超伝導細線の幅を1μm程度にすることにより、効率的な検出が可能となる。
また、素子をメアンダ形状の蛇行経路にすることにより、超伝導細線の幅を最適にしつつ、大面積化を図ることができるため、さらに検出効率を高めることが可能となる。
なお、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yは、図2および図3のような形状に限定されず、用途に応じて、種々の形状、大きさ、線幅を有していてもよい。
次に、中性子による核反応の検出原理について説明する。
図4は、中性子が10Bに衝突して核反応がおこり、アルファ線とリチウム線の2つの粒子が相反する方向に放射する様子を模式的に示す説明図である。
図4に示すように、中性子Nが10Bと核反応を起こすと、
10B+N→7Li+4He
の反応により、2つの粒子、4He(アルファ線)と7Li(リチウム線)とが生成され放射される。
このとき、約2.3MeVの核反応熱が発生するが、この熱エネルギーは4Heと7Liとによって運び出される。
4He,7Liの熱エネルギーはそれぞれ、0.88MeV、1.47MeVである。
この核反応の特徴は、運動量保存則に従い、4Heと7Liとが互いに相反する方向に放射されることであり、この発明では、この特徴を利用する。
なお、4Heと7Liとが放射される方向は一定ではなく確率的(ランダム)に決定され、核反応ごとに異なる。例えば、超伝導状態のMgB2中においては、4He、7Liの飛程はそれぞれ4μm、2μm程度である。
また、中性子との核反応により互いに相反する方向に放射される物質であれば、10B以外の物質であってもよい。このような物質としては、例えば、Li、Heなどの物質があげられる。
図5は、この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100において、核反応層20中の10Bと中性子Nとの核反応の例を示す説明図である。
図5に示すように、中性子NがX座標検出素子1y中の10Bと衝突した場合、核反応により4Heと7Liとが相反する方向に放射され、4Heおよび7Liがそれぞれ対向する粒子検出素子10Aおよび10B内のX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yと衝突する。
X軸方向において、X座標検出素子1xへの衝突を検出することにより、前記核反応がおこった位置のX座標を検出することができる。
また、Y軸方向においても同様に、Y座標検出素子1yへの衝突を検出することにより、核反応が生じた位置のY座標を検出することができる。
なお、4Heと7Liの放射方向が粒子検出素子10Aおよび10Bと略平行な方向である場合は、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yとの衝突は生じない。
しかし、粒子検出素子10Aおよび10Bの間隔はたかだか5μm程度であるため、4Heと7LiのいずれもがX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yと衝突を生じない確率は低い。
また、ラジオグラフィでは多数の中性子を用いて試料を観察するため、一部の中性子が検出できなくても問題にならない。
この発明の中性子イメージング装置を用いた測定においては、一つの中性子が検出されてから次の中性子が検出されるまでの時間は十分に長く、複数の箇所で同時に中性子が検出されることはほとんどないものとしている。
この前提は、一つの中性子の検出に要する時間がナノ秒のオーダーと短いことから、利用可能な加速器の中性子発生頻度に照らして十分合理的である。
また、この前提を満たすように中性子の発生を制御すればよい。
なお、4Heおよび7LiがX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yのいずれか一方または両方にそれぞれ衝突しなくとも、熱エネルギーの受容によりX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yの電子状態に変化が生じれば、検出が可能である。
それゆえ、必ずしも粒子がX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yに衝突する必要はない。
例えば、熱エネルギーを有する粒子がX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yの近傍を通り過ぎることによって、当該X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yの電子状態の変化が生じる場合でも、検出が可能である。
なお、放射される2つの粒子に限定されず、核反応により放射される粒子が3つ以上であってもよい。一つの核反応でX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yに衝突するような方向を有する粒子が放射されればよい。
図6は、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いた10B層内の熱中性子反応により生じた7Liの軌跡をシミュレートした結果を示す。
図6において、1μm幅の核反応層20に中性子が衝突して、熱中性子反応により生じた7Liが、核反応層20に接する粒子検出素子10Aおよび核反応層20から5μm離れた位置に設けられた粒子検出素子10Bでそれぞれ検出された場合の軌跡が示されている。
図6に示されるように、7Liの軌跡は上下非対称になり、粒子検出素子10Aでは、数μmの広がりを有するのに対し、粒子検出素子10Bでは、約14μmの広がりをもつことがわかる。
このシミュレーション結果から、4He、7Liの軌跡の方向によっては、核反応位置からの検出位置のずれが大きくなり、10μm以上ものずれが生じるため、検出精度が悪くなってしまうことがわかる。
そこで、この発明においては、対向する2つの粒子検出素子10A,10Bの検出結果に基づき、正確な核反応位置を求める。
図7は、この発明の中性子イメージング装置100において、対向する2つの粒子検出素子10A,10Bにおける各粒子の検出位置と核反応位置との関係を示す説明図である。
図7において、粒子検出素子10A,10BのX座標検出素子1xに、Heおよび7Liが検出された検出位置をそれぞれAおよびBとする。
このとき、図7に示すように、中性子Nが位置Oで核反応層20内の10Bと反応し、生成された7Liおよび4Heがそれぞれ地点Aおよび地点Bで中性子検出素子1xによって検出されたものとする。
図7において、位置O,AおよびBのX座標をそれぞれx,xおよびxとし、位置Aおよび位置O間の間隔をh、位置Oおよび位置B間の間隔をhとする。
このとき、位置ABを通る直線とX軸との間の角度をθとすると、次の関係が成り立つ。
tanθ=(h+h)/(x-x) (1)
また、比例関係から、
(x-x)/(x-x)=h/(h+h) (2)
の関係が成り立つ。
(2)式より、xは次のようにかける。
={h/(h+h)}(x-x)+x (3)
ここで、間隔hおよびhは既知の値である。
図7の例においては、h=0.5μm、h=5.0μmとする。
このとき、位置A,Bのx座標x,xが分かれば、(3)式から中性子Nが核反応層20と反応した位置Oのx座標xを求めることができる。
また、Y軸方向についても、X軸方向と同様にして、位置Oのy座標yを求めることができる。
このように、本願発明では、2つの対向する粒子検出素子10Aおよび10Bで検出した粒子の検出位置に基づいて、核反応位置を求めることにより、サブミクロン領域の分解能の実現も期待でき、従来よりも高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置100を実現することができる。
図8は、この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100による測定の一例を示す説明図である。
X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yの超伝導状態を維持するため、中性子イメージング装置100を100mWのGifford-MacMahon(GM)冷凍機の中に入れ、真空中に保持する。
第1実施形態において、液体ヘリウムを用いたGM冷凍機により超伝導転移温度Tc(Nbの場合、約9.2K)以下(第1実施形態の場合、約4K)に冷却することにより、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yが超伝導状態にされている。
図8に示すように、中性子源101から放射された中性子をスリット102a,102b間を通り抜けて試料103に照射する。
現在日本国内において利用可能な中性子源としては、J-PARCなどのパルス中性子源が挙げられ、加速器で発生させた陽子ビーム等の高エネルギービームを水銀原子核に衝突させることにより中性子を発生させる。
試料103に照射された中性子のうちの一部は、試料103内を通り抜け、試料103の裏側に突き抜ける。その他の中性子は、試料103の内部で吸収されたり散乱されたりする。
それゆえ、試料103の裏側に中性子イメージング装置100を設置して試料103の内部を通り抜けた中性子を測定することにより、試料103の内部の詳細な様子を知ることができる。
中性子イメージング装置100は、試料103を通り抜けた中性子が、粒子検出素子10Aおよび10Bに略垂直に照射されるように設置する。
また、中性子イメージング装置100は、窓部を備えた断熱容器(不図示)の内部に設置され、試料103を通り抜けた中性子は、当該窓部を介して中性子イメージング装置100に至る。
当該窓部には、例えば、薄いアルミ合金等の中性子透過性のある材質を用いる。
読出回路60として、25psの分解能を有する時間デジタル回路(TDC)であるKalliope-IIを用いることで、従来の中性子イメージングの分解能を大幅に改善し、1μm級の分解能の実現が期待できる。
なお、GM冷凍機により、Kalliope-IIからなる読出回路60の温度も4Kに保たれる。
<<粒子検出素子10の粒子検出原理>>
次に、図9に基づき、粒子検出素子10の粒子検出原理について説明する。
図9は、この発明の第1実施形態に係る粒子検出素子10の粒子検出原理の説明図である。
図9に示すように、この発明の中性子イメージング装置100において、メアンダ形状の超伝導細線(Nb細線)にバイアス電流Ibが直流電源から供給されている。
ここで、超伝導細線が外部から熱などの刺激を受けて局所的にエネルギーが付与されると、超伝導細線中の一部の超伝導電子対(クーパー対)が壊れて減少することにより、電子状態が変化する。
この超伝導電子対の減少は、運動インダクタンスの変化として高感度に検出することができる。
超伝導電子対の減少により中性子検出素子内の一部の超伝導電子対のみが常伝導状態に転移する場合、超伝導状態が一部残存する。
この状態においては、電気抵抗のない超伝導電子対が一部電気抵抗を有する常伝導電子対に転移することにより運動インダクタンスの変化ΔLが生じる。
このような運動インダクタンスの変化は、超伝導転移温度Tc(Nbの場合、約9.2K)よりずっと低い温度で生じる。
なお、この発明の第1実施形態に係る中性子イメージング装置100においては、4Kの超伝導状態で検出を行う。
ここで、超伝導電子対が壊れて減少したホットスポットの長さ(ホットスポット長)をΔl、当該ホットスポット長Δl部分に対応する局所的な運動インダクタンスの変化をΔLkとすると、超伝導電子対の減少により、粒子検出素子10には、
V(t)={dΔLk(t)/dt}Ib
の電圧が発生し、蛇行経路の両端に接続された電極に伝搬する。
このように、超伝導電子対の減少で生じる電圧は運動インダクタンスLkそのものではなく、その時間微分d(ΔLk)/dtに依存するため、超伝導電子対が外的刺激を受けて極めて短時間(例えば、ps領域)で破壊された場合、微分値dΔLk(t)/dtは非常に大きくなる。
一方、超伝導電子対の再結合過程である準粒子‐フォノンの再結合過程は、一定の緩和時間を要して再結合するため、微分値dΔLk(t)/dtは小さくなり、観測されない。
それゆえ、粒子検出素子10は、超伝導電子対が壊れる過程で生じる運動インダクタンスの急速な変化をもっぱら検出するため、高速に動作する検出素子を実現することが可能となる。
なお、超伝導電子対の質量をm、電荷をq、密度をnとし、また、ホットスポットの断面積をSとすると、局所的な運動インダクタンスの変化ΔLk(t)は、次のようにかける。
ΔLk(t)={m/n}{Δl/S}
このようにして得られた電圧の出力は、図9に示すように、増幅度200倍、帯域100Mzの低雑音増幅器(例えば、NF SA-230F5など)で増幅される。
図10は、この発明の実施形態1に係る中性子イメージング装置100の測定結果の一例である。
図10において、横軸はX軸(単位mm)を示し、縦軸はY軸(単位mm)を示す。
図10の測定例では、試料103として、テントウムシ、小さなナットとボルト、ならびに10Bのドットを測定し、それぞれ明確なイメージが得られた。
なお、ドットのサイズは100μm、厚みは50μm、ドット間のピッチは250μmである。
図11は、図10の10Bドット間のピッチを解析した結果である。
図11の横軸は、10Bドット間のピッチを示し、縦軸は度数を表す。
これから、10Bドット間のピッチは249.38±0.06μmであり、半値全幅(FWHM)6.99±0.16μmもの高分解能が得られたことがわかった。
このように、大きな有感面積により大画素化を実現しつつ、サブミクロン領域の高分解能の位置分解能を有する中性子イメージング装置が実現できる。
<<第2実施形態>>
次に、図12~図14に基づき、この発明の第2実施形態に係るイメージング装置200について説明する。
図12は、この発明の第2実施形態に係るイメージング装置200の光の検出例を示す説明図である。また、図13は、図12のX座標検出素子1xのX座標検出原理の説明図である。
この発明の第2実施形態に係るイメージング装置200は、図12に示すように、外部から光が入射したとき、メアンダ形状の超伝導細線(Nb細線)からなる光検出素子11中の超伝導電子対を壊すメゾ(熱)励起によるホットスポットの発生地点の分布に基づき、画像を構成する。
次に、図13に基づき、X座標検出素子1xのX座標検出原理について説明する。
超伝導細線(Nb細線)中の信号の伝搬速度vは、光速をcとしたとき、v=約c/3である。
このとき、メゾ励起によるホットスポットの位置Oから電極el1までの距離をΔxとし、ホットスポットの位置Oから電極el1までの伝搬時間をτとしたとき、次の関係がある。
Δx=τ
ここで、vは既知の値であるため、ホットスポットの位置Oから電極el1までの伝搬時間τを知ることができれば、ホットスポットの位置Oから電極el1までの距離Δxが分かる。
同様に、超伝導細線を90度回転させたY座標検出素子1yにより、Y座標も検知することもできる。
それゆえ、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yを重ね合わせることで、(X,Y)イメージングが可能となる。
また、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yの有感面積Sを15×15mmとすることにより、2本の超伝導細線と4つの出力端子だけで大画素イメージング素子を構成できる。
このような四端子のイメージング素子は、超伝導素子への熱流入量が少ないため、小型冷凍機による冷却が可能となり、コンパクトなイメージング装置100が実現できる。
また、超伝導臨界電流よりも小さな直流バイアス電流Ibのみで済むため、途中のリード線の発熱も心配する必要もない。
さらに、超伝導状態では、直流抵抗が完全に0の状態において、ホットスポット部分の運動インダクタンスの変化ΔLkの時間微分dΔLk/dtを利用するため、高速の動作も期待できる。
また、光検出素子11内の一部の超伝導電子対のみが常伝導状態に転移する場合、常伝導電子は電気抵抗を有するが、光検出素子11内の電流はもっぱら電気抵抗のない超伝導電子対を通じて流れる。
それゆえ、常伝導電子による電気抵抗による熱の発生は若干生じるものの、超伝導電子対が全て常伝導電子に転移する場合ほど大きなジュール熱の発生は生じない。
この発明の実施形態2に係るイメージング装置200においては、25psで動作する時間デジタル変換回路を構成でき、1μmの空間分解能を実現できる。
また、読出回路60にField Programmable Gate Array(FPGA)を組み込むことにより、CMOSのようにリアルタイムの画像プレビュー表示を実現することもできる。
図14は、この発明の第2実施形態に係るイメージング装置200による測定結果の一例である。
図14(A)は、第2実施形態において測定対象となった試料のロゴマークであり、縦横のサイズは約900μmである。
図14(B)は、電位差計で読み取った図14(A)のロゴマークの形状である。
図14(C)は、この発明の第2実施形態に係るイメージング装置200(温度4K、サンプリング時間0.4ns)で読み取った図14(A)のロゴマークの形状である。
図14(C)において、銀杏の葉形の根もとの部分の長さが約60μmであり、わずか四端子で10μmもの高分解能のイメージングが実現できた。
このように、メアンダ形状の超伝導細線(Nb細線)からなるX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yによって光を検出することにより、半導体のCMOSのような大画素イメージング素子をCMOSよりも単純かつ安価につくることができる。
<<第3実施形態>>
次に、図15に基づき、この発明の第3実施形態に係るイメージング装置200について説明する。
図15は、この発明の第3実施形態に係るイメージング装置300のキャビティ構造の一例を示す説明図である。
図15に示すように、この発明の第3実施形態に係るイメージング装置300は、X座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yをキャビティ内に設けた構造を有する。
キャビティは、シリコン基板30、Nb ground plane40およびSiO層50から構成される。
ここで、SiOの比誘電率は約3.9、シリコン(Si)の比誘電率は約11.2、Nbの比誘電率は約41であり、光がキャビティ内に閉じこめられて繰り返し反射するため、微弱な光も高感度に捉えることが可能になる。
このようにキャビティ構造内にX座標検出素子1xおよびY座標検出素子1yを閉じこめることで、微弱光を捉える高感度のイメージング装置300を実現することが可能となる。
本発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、本発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。本発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1x:X座標検出素子、 1y:Y座標検出素子、 10,10A,10B:粒子検出素子、 11:光検出素子、 20:核反応層、 30:シリコン基板、 40:Ground plane、 50:SiO層、 60:読出回路、 100:中性子イメージング装置、 101:中性子源、 102a,102b:スリット、 103:試料、 200,300:イメージング装置、 A,B:位置、 el1,el2:電極、 Δl:ホットスポット長、 ΔLk:運動インダクタンスの変化、 Δx:距離、 h,h:間隔、 Ib:バイアス電流、 Lk:運動インダクタンス、 N,N:中性子、 O:位置、 S:有感面積、 Tc:超伝導転移温度、 θ:角度、 v:伝搬速度、 x,x,x:x座標、 y:y座標

Claims (7)

  1. 中性子検出用物質と、
    前記中性子検出用物質および中性子の核反応によって熱エネルギーを伴って生成され、異なる方向へ放射される少なくとも2つの粒子のうち、一の粒子の熱エネルギーを受容した場合に電子状態の変化が生じる超伝導物質からなる第1粒子検出素子と、
    他の粒子の熱エネルギーを受容した場合に電子状態の変化が生じる超伝導物質からなる第2粒子検出素子とを備え、
    前記第1粒子検出素子および前記第2粒子検出素子は、前記中性子検出用物質を間に挟んで予め定められた間隔を隔てて対向する位置に設けられ、
    前記第1粒子検出素子が検出した前記一の粒子の検出位置の座標および前記第2粒子検出素子が検出した前記他の粒子の検出位置の座標、前記中性子検出用物質と前記第1粒子検出素子との間隔、および前記中性子検出用物質と前記第2粒子検出素子との間隔に基づき、前記中性子検出用物質の前記核反応が発生した位置の座標を検出し、
    前記第1粒子検出素子および前記第2粒子検出素子は、X方向を進行方向とし前記X方向に垂直なY方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたX座標検出素子と、前記Y方向を進行方向とし前記X方向を幅方向とする蛇行経路を有し、前記蛇行経路の両端に電極が接続されたY座標検出素子を重ね合わせてなり、
    前記X座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記粒子の検出位置のX座標を検出し、
    前記Y座標検出素子は、前記電子状態の変化により生じた電磁波が前記蛇行経路の両端の電極に到達するまでの時間差から前記粒子の検出位置のY座標を検出することを特徴とする中性子イメージング装置。
  2. 前記蛇行経路は、超伝導細線を予め定められた長さおよび幅で蛇行させることにより形成される請求項に記載の中性子イメージング装置。
  3. 前記超伝導細線がNbを含む請求項に記載の中性子イメージング装置。
  4. 前記第1粒子検出素子は、前記一の粒子の熱エネルギーの受容によって超伝導電子対が減少する電子状態の変化を運動インダクタンスの変化として検出し、
    前記第2粒子検出素子は、前記他の粒子の熱エネルギーの受容によって超伝導電子対が減少する電子状態の変化を運動インダクタンスの変化として検出する請求項1~のいずれか1つに記載の中性子イメージング装置。
  5. 前記中性子検出用物質は、中性子との核反応によって相反する方向に2つの粒子を放射する物質を含む請求項1~のいずれか1つに記載の中性子イメージング装置。
  6. 前記中性子検出用物質は、中性子との核反応によって相反する方向にアルファ線とリチウム線を放射する10Bを含む請求項1~のいずれか1つに記載の中性子イメージング装置。
  7. 前記中性子検出用物質がMgB2を含むものである請求項1~のいずれか1つに記載の中性子イメージング装置。
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