JPH06193690A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH06193690A
JPH06193690A JP34630092A JP34630092A JPH06193690A JP H06193690 A JPH06193690 A JP H06193690A JP 34630092 A JP34630092 A JP 34630092A JP 34630092 A JP34630092 A JP 34630092A JP H06193690 A JPH06193690 A JP H06193690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
clutch
cam
armature
differential case
Prior art date
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Pending
Application number
JP34630092A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Hirota
功 広田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication of JPH06193690A publication Critical patent/JPH06193690A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のスラローム走行時でも左右旋回の差動
制限機能を均一にする。 【構成】 この発明のデファレンシャル装置7は、デフ
ケース21内に配置された差動機構35と、その差動ト
ルクがパイロットクラッチ69を介して入力するとメイ
ンクラッチ53を締結させるカム63と、電磁石87に
吸引されてパイロットクラッチ69を締結させるアーマ
チャ79とを備え、パイロットクラッチにおいてデフケ
ース側の外側のクラッチ板をアーマチャと接触可能に配
置すると共に内側クラッチ板がカム側と接触する前に外
側クラッチ板がデフケースと接触するように各スプライ
ン部75,77のバックラッシュを決定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公開実用平成4−63855号公報に図
4のようなデファレンシャル装置201が記載されてい
る。これは、デフケース203内に配置されているプラ
ネタリーギヤ式の差動機構205と、多板式のパイロッ
トクラッチ207とアーマチャ209と電磁石211
と、ボールカム213と、多板式のメインクラッチ21
5とを備えている。電磁石211がアーマチャ209を
吸引してパイロットクラッチ207が締結されると差動
機構205の差動トルクがパイロットクラッチ207を
介してボールカム213に働き、そのカムスラスト力で
メインクラッチ215が締結され各クラッチ207,2
15の連結力により差動機構205の差動が制限され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図5,図6はデファレ
ンシャル装置201を後輪217,219間に配置した
車両221を示し、これらの図は車両221がスラロー
ム走行(例えば30°程度の小さい舵角で左右交互に旋
回する)をしている状態を示す。
【0004】図7,図8はデファレンシャル装置201
のパイロットクラッチ207及びボールカム213周辺
の断面図であり、ボールカム213のプレッシャプレー
ト223は図4のように右後輪219側に連結されたハ
ブ225と一体に形成され、カムリング227はパイロ
ットクラッチ207を介してデフケース203に連結さ
れている。又、矢印229,231は車両221が前進
するときのデフケース203とカムリング227の回転
速度をそれぞれ示している。
【0005】パイロットクラッチ207が締結された状
態で車両221が図10のように左旋回すると旋回の外
輪側となる右後輪219の先行回転によりプレッャプレ
ート223が図7の矢印233のように加速され、ボー
ルカム213の位相方向は矢印234のようになり、カ
ムスラスト力によりメインクラッチ215が締結され
る。
【0006】ところが、このときアーマチャ209はパ
イロットクラッチ207との摩擦力237によって矢印
239の方向(矢印229,231と同方向)に回転
し、その慣性力によりパイロットクラッチ207を介し
てカムリング227が矢印241のように加速される。
ボールカム213に限らずカムには組立てガタ243が
あり、このガタ243だけカムリング227が位相方向
235と反対方向に動き、カムスラスト力(差動制限
力)の発生を遅らせる。
【0007】スラローム走行では、このように差動制限
力の発生が遅いと差動制限力が発生する前に図6のよう
に右旋回に入ってしまうから、左旋回時に差動制限力が
得られず車両221の操作性と安定性とが悪化する。こ
れに加えて、右旋回では図8の矢印245のようにプレ
ッシャプレート223の回転速度がデフケース203と
カムリング227の回転速度(矢印229,231)よ
り遅くなり、ボールカム213の位相方向が矢印247
のように逆転する。このとき、アーマチャ209の慣性
力はこの位相方向に働いて差動制限力を強め、その発生
を促進する。
【0008】こうして、左旋回と右旋回とで差動制限機
能が不均一になり、車両の操縦性と安定性とが損なわれ
る。
【0009】そこで、この発明は、スラローム走行のよ
うな走行条件でも左右の旋回で均一な差動制限機能が得
られ、車両の操縦性と安定性とが向上するデファレンシ
ャル装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のデファレンシ
ャル装置は、デフケースを介してエンジンの駆動力を受
ける差動機構と、外側と内側のクラッチ板がデフケース
とカムリングとに各別にスプライン連結された多板式パ
イロットクラッチと、デフケース側の外側クラッチ板に
隣り合って配置されたアーマチャと、アーマチャを吸引
してパイロットクラッチを締結する電磁石と、デフケー
スに対して差動回転する差動部材と前記カムリングとの
間に設けられたカムと、このカムにより締結される差動
制限用の摩擦式メインクラッチとを備え、前記スプライ
ンのバックラッシュによる回転角が内側クラッチ板側よ
り小さくなる範囲内で外側クラッチ板側のバックラッシ
ュを決定したことを特徴する。
【0011】
【作用】アーマチャが電磁石に吸引されるとパイロット
クラッチが締結され、差動機構の差動トルクがパイロッ
トクラッチと差動部材とを介してカムに働き、そのカム
スラスト力によりメインクラッチが締結され、両クラッ
チの連結力により差動が制限される。
【0012】又、パイロットクラッチにおいてデフケー
ス側の外側クラッチ板とアーマチャとを接触状態にし、
アーマチャの慣性力が外側クラッチ板から内側クラッチ
板に伝達されるようにすると共に、スプラインのバック
ラッシュによる各クラッチ板の回転角度が内側クラッチ
板側より小さな範囲で外側クラッチ板のバックラッシュ
を決定した。従って、アーマチャの慣性力は内側クラッ
チ板側でカムリングに作用する前に外側クラッチ板とデ
フケースとの接触により遮断されるから、カムはアーマ
チャの慣性力の影響から解放される。
【0013】こうして、この発明のデファレンシャル装
置は、左右の旋回で均一な差動制限機能が得られ、車両
の操縦性と安定性とが向上する。
【0014】
【実施例】図1ないし図3により一実施例の説明をす
る。図1はこの実施例のデファレンシャル装置を示し、
図3はこの実施例を用いた車両の動力系を示す。左右の
方向はこの車両及び図1での左右の方向を示し、符号を
附していない部材は図示されていない。
【0015】図3のように、この動力系は、エンジン
1、トランスミッション3、プロペラシャフト5、リヤ
デフ7(後輪側に用いられた実施例のデファレンシャル
装置)、後車軸9,11、左右の後輪13,15、左右
の前輪17,19などから構成されている。リヤデフ7
のデフケース21はデフキャリヤ23内に回転自在に配
置されており、デフケース21にはリングギヤ25が固
定されている。リングギヤ25はドライブピニオンギヤ
27と噛合い、ドライブピニオンギヤ27はプロペラシ
ャフト5側に連結されたドライブピニオンシャフト29
と一体に構成されている。こうして、エンジン1の駆動
力はトランスミッション3とプロペラシャフト5とを介
してデフケース21を回転駆動する。
【0016】図1のように、デフケース21の内部には
左右のハブ31,33が同軸配置されており、左のハブ
31は後車軸9にスプライン連結され。右のハブ33は
後車軸11にスプライン連結されている。
【0017】デフケース21内にはダブルピニオンのプ
ラネタリーギヤ式差動機構35が配置されている。イン
ターナルギヤ37はデフケース21に形成され、サンギ
ヤ39は左のハブ31に形成されている。外側のピニオ
ンギヤ41は両端の軸部43,43によりブッシュ45
を介して左右のピニオンキャリヤ47,49に支承され
ている。又、内側のピニオンギヤも同様に両端の軸部に
よりブッシュを介してピニオンキャリヤ47,49に支
承されている。ピニオンキャリヤ47,49は溶接で一
体にされ、右のピニオンキャリヤ49(差動部材)はハ
ブ33と一体に形成されている。
【0018】エンジン1の駆動力はデフケース21(イ
ンターナルギヤ37)からピニオンギヤを介してサンギ
ヤ39(ハブ31)とピニオンキャリヤ49(ハブ3
3)とに分配され、左右の後輪13,15に送られる。
又、後輪間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤの自転
と公転とによりエンジン1の駆動力は左右各側に差動分
配される。
【0019】左のハブ47の円筒部51とサンギヤ39
との間には多板式のメインクラッチ53が配置されてい
る。メインクラッチ53の左側には爪55をデフケース
21の開口57に係合したワッシャ59が配置されてい
る。
【0020】ハブ33の外周にはカムリング61が配置
され、カムリング61とピニオンキャリヤ49との間に
はボールカム63(カム)が設けられている。カムリン
グ61とデフケース21との間にはボールカム63のカ
ム反力を受けるニードルベアリング65とシム67とが
配置されている。
【0021】デフケース21とカムリング61との間に
は多板式のパイロットクラッチ69が配置されている。
パイロットクラッチ69は4枚の外側クラッチ板71と
3枚の内側のクラッチ板73とからなり、これらは交互
に配置されていると共に、図2に示すように、外側クラ
ッチ板71はスプライン部75によりデフケース21に
連結され、内側クラッチ板73はスプライン部77によ
りカムリング61に連結されている。又、パイロットク
ラッチ69の左側にはアーマチャ79が配置され、デフ
ケース21にはアーマチャ79の止め輪81が装着され
ている。
【0022】デフケース21の右ボス部83にはベアリ
ング85,85を介してリング状の電磁石87が支承さ
れており、デフキャリヤ23側に固定されて回り止めさ
れている。デフケース21の右側壁89には電磁石87
の磁束の短絡を防いでアーマチャ79に導くステンレス
鋼のリング91が配置されている。
【0023】電磁石87がアーマチャ79を吸引すると
パイロットクラッチ69が締結され、差動機構35の差
動トルクがボールカム63に掛り、生じたカムスラスト
力によりピニオンキャリヤ47,49を介してメインク
ラッチ53が押圧されて締結し、各クラッチ53,69
の摩擦トルクにより差動が制限される。
【0024】電磁石85の吸引力によりパイロットクラ
ッチ69の滑りを調節し差動制限力を適度な強さにする
と、図3の車両は円滑で安定な旋回が行える。又、差動
制限力を強めるか又は差動をロックさせると車両の直進
安定性が向上すると共に、悪路などで後輪13,15の
一方が空転してもリヤデフを介して大きな駆動力が他方
の後輪に送られ、悪路走破性が向上する。パイロットク
ラッチ69を開放するとボールカム63のカムスラスト
力が消失してメインクラッチ53が開放され、差動はフ
リーになる。
【0025】ボールカム63の組立てガタは軸方向で約
0.3〜0.5mmであり、このガタによりボールカム6
3に位相方向の隙間が生じる。又、図2のように、パイ
ロットクラッチ69において外側と内側のスプライン部
75,77の半径比は約3:2であり、各バックラッシ
ュa,bはそれぞれ0.25〜0.40mmの範囲内で決
定される。
【0026】これらのバックラッシュによりカム基準円
上に生じる周方向隙間はそれぞれ0.12〜0.19及
び0.21〜0.33となり、前記の半径比からこの隙
間によるクラッチ板71,73の回転角はそれぞれ0.
25°〜0.40°及び0.43°〜0.69°とな
る。従って、外側スプライン部75の回転角が最大
(0.40°)のとき内側スプライン部77の回転角が
最小(0.43°)であっても、スプライン部77でク
ラッチ板73がカムリング61と接触する前にスプライ
ン部75でクラッチ板71とデフケース21とが接触す
るから、アーマチャ79の慣性力がパイロットクラッチ
69を介してカムリング61に伝わることはない。その
上、実際にバックラッシュaはバックラッシュbより小
さい範囲内で決定され、大幅な安全側で決定されてい
る。
【0027】こうしてボールカム63はアーマチャ79
の慣性力の影響から解放される。従って、図5ないし図
8で説明した従来例での現象と異って、車両はスラロー
ム走行中でも左旋回で所要の差動制限力が得られると共
に左右の旋回で差動制限力が均等になり、操縦性と安定
性とが著しく向上する。
【0028】なお、アーマチャは外側のクラッチ板のよ
うにデフケースにスプライン連結してもよい。
【0029】
【発明の効果】この発明のデファレンシャル装置は、メ
インクラッチを締結するカムに差動機構の差動トルクを
伝達する多板式のパイロットクラッチにおいて、アーマ
チャをケース外側のクラッチ板と隣り合った状態で配置
すると共に、内側クラッチ板がカムのカムリングと接触
する前に外側クラッチ板とデフケースとが先に接触する
ように各スプライン部のバックラッシュを決定した。従
って、パイロットクラッチはアーマチャの慣性力の影響
から解放され、車両は例えばスラローム走行でも左右均
等な差動制限機能が得られ、操縦性と安定性とが大きく
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の断面積である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】実施例を用いた車両の動力系を示すスケルトン
機構図である。
【図4】従来例の断面図である。
【図5】従来例を用いた車両の左旋回を示す概略図であ
る。
【図6】従来例を用いた車両の右旋回を示す概略図であ
る。
【図7】図4のパイロットクラッチ周辺の断面図であ
り、車両の左旋回時の状態を示す。
【図8】図4のパイロットクラッチ周辺の断面図であ
り、車両の右旋回時の状態を示す。
【符号の説明】
7 リヤデフ(デファレンシャル装置) 21 デフケース 35 差動機構 49 ピニオンキャリヤ(差動部材) 53 メインクラッチ 61 カムリング 63 ボールカム(カム) 69 パイロットクラッチ 71 外側クラッチ板 73 内側クラッチ板 75,77 スプライン部 79 アーマチャ 87 電磁石 a,b バックラッシュ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースを介してエンジンの駆動力を
    受ける差動機構と、外側と内側のクラッチ板がデフケー
    スとカムリングとに各別にスプライン連結された多板式
    パイロットクラッチと、デフケース側の外側クラッチ板
    に隣り合って配置されたアーマチャと、アーマチャを吸
    引してパイロットクラッチを締結する電磁石と、デフケ
    ースに対して差動回転する差動部材と前記カムリングと
    の間に設けられたカムと、このカムにより締結される差
    動制限用の摩擦式メインクラッチとを備え、前記スプラ
    インのバックラッシュによる回転角が内側クラッチ板側
    より小さくなる範囲内で外側クラッチ板側のバックラッ
    シュを決定したことを特徴とするデファレンシャル装置
JP34630092A 1992-12-25 1992-12-25 デファレンシャル装置 Pending JPH06193690A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34630092A JPH06193690A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 デファレンシャル装置

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34630092A JPH06193690A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 デファレンシャル装置

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JPH06193690A true JPH06193690A (ja) 1994-07-15

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ID=18382467

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34630092A Pending JPH06193690A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 デファレンシャル装置

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JP (1) JPH06193690A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009109020A (ja) * 2000-11-08 2009-05-21 Jtekt Corp 電磁クラッチを用いた駆動力伝達装置の組立方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009109020A (ja) * 2000-11-08 2009-05-21 Jtekt Corp 電磁クラッチを用いた駆動力伝達装置の組立方法

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