JPH0619291U - 回転体と固定体間の伝送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 相対的に回転可能な内側ケース１と外側ケー
ス２とで形成された空間内に、巻き方向反転部を有する
ゼンマイ巻き状のフラットケーブル３とガイドリング４
を収納する。ガイドリング４は、対向配置された円板状
の下部支持体４ｄ、上部支持体４ｅと、これら下部支持
体４ｄおよび上部支持体４ｅの内周面、外周面に位置し
てフラットケーブル４を押圧する弾性体４ｆとから構成
されている。 【効果】 弾性体４ｆでフラットケーブル３を押圧する
のでフラットケーブルのたるみを防止でき、たとえ弾性
体の弾性が弱まっても下部支持体および上部支持体がフ
ラットケーブルの傾きを防止するので、滑らかな回転が
得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転体と固定体間で信号や小電力あるいはこれら双方を伝送するの に用いられる回転体と固定体間の伝送装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

図６および図７に従来の回転体と固定体間の伝送装置の一例を示す。この伝送 装置は、同軸配置された内側ケース１と外側ケース２とが相対的に回転可能に組 み合わされており、かつ前記内側ケース１と外側ケース２とで形成された空間内 に、フラットケーブル３とガイドリング４とを収納したものである。 フラットケーブル３は、内側端３ａが内側ケース１に外側端３ｂが外側ケース ２にそれぞれ取り付けられ、長手方向の途中に巻き方向反転部３ｃを有するゼン マイ巻き状のものである。 ガイドリング４は、周方向の一部にフラットケーブル３の巻き方向反転部３ｃ が通過する切欠き部４ｃを有する略Ｃ字状のもので、図７に示すように、ガイド 本体４ａと、フラットケーブル３を押圧するバネ部材４ｂとから構成されている 。

【０００３】 次に、この装置の動作を説明する。 内側ケース１が回転し、外側ケース２が固定されているものとして、内側ケー ス１を矢印Ａ方向に回転させると、フラットケーブル３が内側ケース１に巻き取 られるため、フラットケーブル３の巻き方向反転部３ｃが矢印Ｂ方向に移動し、 それに伴いガイドリング４が同方向に移動する。これによりフラットケーブル３ はガイドリングの切欠き部４ｃを通って内側ケース１に巻き取られる。 逆に内側ケース１を矢印Ｃ方向に回転させると、フラットケーブル３が内側ケ ース１から送り出されるため、フラットケーブル３の巻き方向反転部３ｃが矢印 Ｄ方向に移動し、それに伴いガイドリング４が同方向に移動する。これによりフ ラットケーブル３はガイドリングの切欠き部４ｃを通って外側ケース２の内側に 巻き込まれる。

【０００４】 このような構造の回転体と固定体間の伝送装置は、摺動接続部がないので信頼 性の高い伝送線路を構成できる利点がある。 また、長手方向の途中で巻き方向を反転したゼンマイ巻き状のフラットケーブ ルを使用すると、単にフラットケーブルを一方向にゼンマイ巻き状に巻いたもの に比べて、同じ相対回転数を得るのに必要なフラットケーブルの長さを短くでき る利点がある。 さらにガイドリングを使用すると、ガイドリングによってフラットケーブルの たるみを抑制できるため、フラットケーブルのたるみによるトラブルの発生を無 くすることが可能となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来の伝送装置のガイドリング４は、その幅ｗが内側ケース１と 外側ケース２とで形成された空間内の幅Ｗより小さく、またバネ部材４ｂに変形 等が生じることがあるため、フラットケーブル３に作用する押圧力が不均一とな り、フラットケーブルが傾いてしまい、フラットケーブルの巻き取り、巻き戻し が円滑に行われなくなるという問題あった。

【０００６】

【考案の目的】

本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、フラットケーブルの巻き取り、 巻き戻しを円滑に行うことができる回転体と固定体間の伝送装置を提供するもの である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため本考案は、同軸配置された内側ケースと外側ケースと が相対的に回転可能になっており、かつ前記内側ケースと外側ケースとで形成さ れた空間内に、内側端が内側ケースに外側端が外側ケースにそれぞれ取り付けら れ途中に巻き方向反転部を有するゼンマイ巻き状のフラットケーブルと、周方向 の一部にフラットケーブルの巻き方向反転部が通過する切欠き部を有するガイド リングとを収納してなる回転体と固定体間の伝送装置において、前記ガイドリン グは、対向配置された円板状の下部支持体および上部支持体と、これら下部支持 体および上部支持体の内周面および外周面に位置してフラットケーブルを押圧す る弾性体とから構成されていることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

ガイドリングを、対向配置された円板状の下部支持体および上部支持体とで構 成すると、下部および上部にそれぞれ円板状の支持体が配置されるので、フラッ トケーブルの傾きを防止することが出来る。すなわちフラットケーブルが傾くと 、その傾いたフラットケーブルは、円板状の下部支持体および上部支持体に当た り、速やかに傾きのない状態に戻る。また、フラットケーブルを押圧する弾性体 が設けてあるので、フラットケーブルのたるみを防止でき、たるみによるトラブ ルを有効に防止できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 図１ないし図３は本考案の一実施例を示す。この伝送装置も、従来のものと同 様に、同軸配置された内側ケース１と外側ケース２とが相対的に回転可能に組合 わされ、内側ケース１と外側ケース２とで形成された空間内にフラットケーブル ３とガイドリング４が収納されている。フラットケーブル３はゼンマイ巻き状で 、その内側端が内側ケース１に外側端が外側ケース２にそれぞれ取り付けられ、 長手方向の途中に巻き方向反転部３ｃを有している。ガイドリング４は、周方向 の一部にフラットケーブル３の巻き方向反転部３ｃが通過する切欠き部４ｃを有 している。

【００１０】 この伝送装置の特徴は、ガイドリング４を、対向配置された円板状の下部支持 体４ｄおよび上部支持体４ｅと、これら下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅの 内周面および外周面に位置してフラットケーブル３を押圧する弾性体４ｆとから 構成した点にある。

【００１１】 弾性体４ｆは下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅの周方向に間隔を開けて複 数個配置されている。内周面側の断線体４ｆは両端が下部支持体４ｄおよび上部 支持体４ｅに固定されている。また外周面側の弾性体４ｆは、一端側が上部支持 体４ｅに固定されており、他端側が下部支持体４ｄに可動的に取り付けられてい る。したがって外周面側の弾性体４ｆは可動端５側が変位して、その外側に位置 するフラットケーブル３を押圧する。

【００１２】 このガイドリング４は、弾性体４ｆでフラットケーブル３を押圧するのでフラ ットケーブル３のたるみを防止でき、また、たとえ弾性体４ｆの弾性が弱まって も下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅがフラットケーブル３の傾きを防止する ので、滑らかな回転を確保することができる。

【００１３】 なお、この装置の動作は従来と同様であり、内側ケース１または外側ケース２ の回転に伴い、フラットケーブルの巻き方向反転部３ｃおよびガイドリング４が 移動すると同時に、フラットケーブル３がガイドリングの切欠き部４ｃを通過し て、フラットケーブル３の巻き取り、巻き戻しを行なうものである。

【００１４】 次に図４および図５は本考案で使用するガイドリングの他の実施例を示す。こ のガイドリング４は、下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅを対向配置した点は 前記実施例と同じであるが、弾性体４ｆを下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅ の内周面・外周面にそれぞれ形成した点が前記実施例と相違する。すなわち、弾 性体４ｆを下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅの内周面・外周面に切込み部６ を設けて、そこにそれぞれ弾性体４ｆを形成したものである。

【００１５】 このように、下部支持体４ｄおよび上部支持体４ｅの内周面・外周面にそれぞ れ弾性体４ｆを形成しても、フラットケーブル３の傾きを防止することができる と共に、フラットケーブル３のたるみを防止できる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る伝送装置は、円板状の下部支持体と上部支持 体を対向配置し、かつフラットケーブルを押圧する弾性体を設けたガイドリング を使用するので、フラットケーブルの傾きを防止することができると共に、フラ ットケーブルのたるみを防止できる。したがってフラットケーブルの回転を円滑 に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る伝送装置の一実施例を示す縦断
面図。

【図２】 図１の装置で使用するガイドリングの一例を
示す平面図。

【図３】 図２のＡ−Ａ線における断面図。

【図４】 本考案で使用するガイドリングの他の例を示
す平面図。

【図５】 図４のガイドリングの縦断面図。

【図６】 従来の伝送装置の一例を示す横断面図。

【図７】 従来の伝送装置で使用するガイドリングの一
例を示す断面図。

【符号の説明】

１：内側ケース ２：外側ケース ３：フラットケーブル ３ａ：巻き方向反転部 ４：ガイドリング ４ｃ：切欠き部 ４ｄ：下部支持体 ４ｅ：上部支持体 ４ｆ：弾性体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】同軸配置された内側ケースと外側ケースと
   が相対的に回転可能になっており、かつ前記内側ケース
   と外側ケースとで形成された空間内に、内側端が内側ケ
   ースに外側端が外側ケースにそれぞれ取り付けられ途中
   に巻き方向反転部を有するゼンマイ巻き状のフラットケ
   ーブルと、周方向の一部にフラットケーブルの巻き方向
   反転部が通過する切欠き部を有するガイドリングとを収
   納してなる回転体と固定体間の伝送装置において、前記
   ガイドリングは、対向配置された円板状の下部支持体お
   よび上部支持体と、これら下部支持体および上部支持体
   の内周面および外周面に位置してフラットケーブルを押
   圧する弾性体とから構成されていることを特徴とする回
   転体と固定体間の伝送装置。