JPH06192876A - ガリウムの電解方法 - Google Patents
ガリウムの電解方法Info
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- JPH06192876A JPH06192876A JP34468092A JP34468092A JPH06192876A JP H06192876 A JPH06192876 A JP H06192876A JP 34468092 A JP34468092 A JP 34468092A JP 34468092 A JP34468092 A JP 34468092A JP H06192876 A JPH06192876 A JP H06192876A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インジウム、銅、鉛などの不純物を含む電解
液から、停電させたり、途中で金属を系外に取り出すこ
ともなく、高純度のガリウム金属を直接効率的に得られ
る電解方法を提供するものである。 【方法】 電解槽1を2,3の2室に区切り、両室の底
部を原料用ガリウム金属12を介して接続し、室2で、
ガリウムと不純物元素を含む溶液13から電解採取によ
り不純物元素を含むガリウム金属を析出させると同時
に、室3で前記ガリウム金属12を陽極として電解を行
い陰極側6に析出することを特徴とする。
液から、停電させたり、途中で金属を系外に取り出すこ
ともなく、高純度のガリウム金属を直接効率的に得られ
る電解方法を提供するものである。 【方法】 電解槽1を2,3の2室に区切り、両室の底
部を原料用ガリウム金属12を介して接続し、室2で、
ガリウムと不純物元素を含む溶液13から電解採取によ
り不純物元素を含むガリウム金属を析出させると同時
に、室3で前記ガリウム金属12を陽極として電解を行
い陰極側6に析出することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガリウム金属中に含ま
れるインジウム、銅、鉛などの不純物元素の除去に関
し、とくに不純物を多く含む溶液から、不純物元素の含
有が少ないガリウム金属の回収に関する。
れるインジウム、銅、鉛などの不純物元素の除去に関
し、とくに不純物を多く含む溶液から、不純物元素の含
有が少ないガリウム金属の回収に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子材料の半導体素子として、ガ
リウム−砒素( Ga-As)、ガリウム−燐(Ga-P)などの普及
に伴い、その化合物半導体は、発光, マイクロ波発進素
子として利用されるようになり、ガリウムの需要が増加
している。ガリウムは、単独の鉱石としては存在しない
ため、例えば亜鉛や鉛の精錬などからの副産物としてガ
リウムを回収したり、ガリウムを含有するスクラップを
処理してガリウムの生産を行っている。
リウム−砒素( Ga-As)、ガリウム−燐(Ga-P)などの普及
に伴い、その化合物半導体は、発光, マイクロ波発進素
子として利用されるようになり、ガリウムの需要が増加
している。ガリウムは、単独の鉱石としては存在しない
ため、例えば亜鉛や鉛の精錬などからの副産物としてガ
リウムを回収したり、ガリウムを含有するスクラップを
処理してガリウムの生産を行っている。
【0003】一般には、これらガリウムを含む副産物や
スクラップを酸やアルカリの溶液に溶解した後、電解採
取によりガリウム金属を得ている。これら電解液は、溶
解時に酸化剤を含む溶解液を用いるため、インジウム,
銅,鉛などの金属も溶出することが多く、これらの不純
物元素は、電解採取の際にガリウム金属の中に移行す
る。
スクラップを酸やアルカリの溶液に溶解した後、電解採
取によりガリウム金属を得ている。これら電解液は、溶
解時に酸化剤を含む溶解液を用いるため、インジウム,
銅,鉛などの金属も溶出することが多く、これらの不純
物元素は、電解採取の際にガリウム金属の中に移行す
る。
【0004】金属精錬の副産物からのガリウム回収の際
には、多くの金属元素が含まれるから、有機溶媒を使用
して溶媒抽出や、イオン交換樹脂などを使って、各元素
を分離したリ、除去したりすることが多いが、特にスク
ラップからのガリウム金属を回収する場合には、一般に
は、溶解後に、そのまま電解採取にかけられることが多
いため、スクラップ中に含まれるインジウム,銅,鉛な
どの金属は、一旦溶解すると除去されることなくガリウ
ム金属の中に入ってしまう。
には、多くの金属元素が含まれるから、有機溶媒を使用
して溶媒抽出や、イオン交換樹脂などを使って、各元素
を分離したリ、除去したりすることが多いが、特にスク
ラップからのガリウム金属を回収する場合には、一般に
は、溶解後に、そのまま電解採取にかけられることが多
いため、スクラップ中に含まれるインジウム,銅,鉛な
どの金属は、一旦溶解すると除去されることなくガリウ
ム金属の中に入ってしまう。
【0005】これら不純物元素あは、原料スクラップの
種類や溶解の条件によって、必ずしも電解液中に存在す
るものではなく、そのときの条件で入ったり、入らなか
ったりするため、これらの電解液の精製工程を持つこと
が有利とは限らない。
種類や溶解の条件によって、必ずしも電解液中に存在す
るものではなく、そのときの条件で入ったり、入らなか
ったりするため、これらの電解液の精製工程を持つこと
が有利とは限らない。
【0006】従って、一旦金属に含有された不純物元素
は、単結晶法や、再結晶の繰り返しにより純度を上げて
いくことが普通であるが、これらの方法は、条件範囲が
狭く設備が高価であったり、操作を繰り返す必要がある
ため、連続的に作ることが難しく、工数がかかることや
歩留りが悪いなどの欠点があった。
は、単結晶法や、再結晶の繰り返しにより純度を上げて
いくことが普通であるが、これらの方法は、条件範囲が
狭く設備が高価であったり、操作を繰り返す必要がある
ため、連続的に作ることが難しく、工数がかかることや
歩留りが悪いなどの欠点があった。
【0007】出願人は、本願と同時に提出した別の特許
願にも述べたように、電解による精製が有効であること
を見出したが、全体的に考察した場合、先の発明では、
一旦電解採取によって電解ガリウムを作って取り出し、
更に電解精製を行うと云う方法であるから、不純物を含
有する電解液から、電解採取によって不純物を含有する
ガリウム金属を得た後、ガリウム金属を取り出し、この
金属を原料として電解精製する方法は、これを別の電解
槽に移して行うため、或る程度の手間のかかるという欠
点があることは否めない。
願にも述べたように、電解による精製が有効であること
を見出したが、全体的に考察した場合、先の発明では、
一旦電解採取によって電解ガリウムを作って取り出し、
更に電解精製を行うと云う方法であるから、不純物を含
有する電解液から、電解採取によって不純物を含有する
ガリウム金属を得た後、ガリウム金属を取り出し、この
金属を原料として電解精製する方法は、これを別の電解
槽に移して行うため、或る程度の手間のかかるという欠
点があることは否めない。
【0008】若し、原料に不純物が含有され、電解液中
に含まれることが避けられないとしたら、一度の電解で
高純度、若しくは不純物含有の少ないガリウム金属が得
られれば望ましい。
に含まれることが避けられないとしたら、一度の電解で
高純度、若しくは不純物含有の少ないガリウム金属が得
られれば望ましい。
【0009】ガリウム金属の特色は、その融点が他の金
属に比して極めて低いと云うことである。即ち、ガリウ
ムの融点は29.9℃であり、通常の電解実施の状態では液
体状態を呈するので、電着で得られる精製ガリウム金属
も液体状態であり、カソードから滴下してくる。
属に比して極めて低いと云うことである。即ち、ガリウ
ムの融点は29.9℃であり、通常の電解実施の状態では液
体状態を呈するので、電着で得られる精製ガリウム金属
も液体状態であり、カソードから滴下してくる。
【0010】従って、通常の電解精製のように、アノー
ドを整形することが困難であり、電極の配置、金属の取
り出しについては他の金属の場合とは異なった技術が必
要となるが、反面、ガリウムが電解中は液体状態である
ことを利用することで、ガリウム独特な電解が可能であ
ることを発見した。
ドを整形することが困難であり、電極の配置、金属の取
り出しについては他の金属の場合とは異なった技術が必
要となるが、反面、ガリウムが電解中は液体状態である
ことを利用することで、ガリウム独特な電解が可能であ
ることを発見した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来
は、ガリウム金属を、不純物を含む電解液から一旦電解
採取によって不純物を含むガリウム金属として取り出し
た後、この不純物を除去するために別の電解槽で電解精
製や他の精製工程と組み合わせて不純物の少ないガリウ
ム金属を得るなど行程が大変手間のかかるものであっ
た。
は、ガリウム金属を、不純物を含む電解液から一旦電解
採取によって不純物を含むガリウム金属として取り出し
た後、この不純物を除去するために別の電解槽で電解精
製や他の精製工程と組み合わせて不純物の少ないガリウ
ム金属を得るなど行程が大変手間のかかるものであっ
た。
【0012】本発明は、以上の問題点を解消すべく発明
されたものであって、インジウム、銅、鉛などの不純物
を含む電解液から、停電させたり、途中で金属を系外に
取り出すこともなく、高純度のガリウム金属を直接効率
的に得られる電解方法を提供することを目的とするもの
である。
されたものであって、インジウム、銅、鉛などの不純物
を含む電解液から、停電させたり、途中で金属を系外に
取り出すこともなく、高純度のガリウム金属を直接効率
的に得られる電解方法を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】電解槽の底の一部を除い
て絶縁物で2室に区切り、その底にガリウム金属を溶融
した状態で入れ、底に位置する両方の室に連がる隙間を
ガリウム金属で塞ぐように保持する。区切られた電解槽
の一室にはガリウム金属の回収工程からの電解液を入
れ、廃液を電解槽の外へ流れ出すようにする。他の室に
インジウム、銅、鉛などの不純物の少ない電解液を入れ
る。
て絶縁物で2室に区切り、その底にガリウム金属を溶融
した状態で入れ、底に位置する両方の室に連がる隙間を
ガリウム金属で塞ぐように保持する。区切られた電解槽
の一室にはガリウム金属の回収工程からの電解液を入
れ、廃液を電解槽の外へ流れ出すようにする。他の室に
インジウム、銅、鉛などの不純物の少ない電解液を入れ
る。
【0014】不純物元素を含有する電解液を入れる槽に
は、板状、棒状等の電解液に溶解しない金属を設置し
て、整流器などの直流電源の陽極に接続する。これに対
し、底に入れたガリウム金属や、電解槽の側壁や底部に
設置したチタンなどの金属板等を陰極として電解採取を
行う。以下、この室を電解採取室と呼び、電解精製を行
う室を電解精製室呼ぶ。
は、板状、棒状等の電解液に溶解しない金属を設置し
て、整流器などの直流電源の陽極に接続する。これに対
し、底に入れたガリウム金属や、電解槽の側壁や底部に
設置したチタンなどの金属板等を陰極として電解採取を
行う。以下、この室を電解採取室と呼び、電解精製を行
う室を電解精製室呼ぶ。
【0015】電解採取室で電着したガリウム金属は、電
解液中の不純物も同時に電着するので、不純物を含んだ
液体状となって、底部の陰極側のガリウム金属上に増え
て流れて溜まる。この底部の金属は、次の役割がある。 底部の間隙を埋めて、電解採取室と電解精製室との液
を区切り、混じらないようにする。 底部に溜まった金属を電解精製室に供給する。 不純物を濃縮する。 電気の導体として作用する。 電解精製室ではアノードとして作用する。
解液中の不純物も同時に電着するので、不純物を含んだ
液体状となって、底部の陰極側のガリウム金属上に増え
て流れて溜まる。この底部の金属は、次の役割がある。 底部の間隙を埋めて、電解採取室と電解精製室との液
を区切り、混じらないようにする。 底部に溜まった金属を電解精製室に供給する。 不純物を濃縮する。 電気の導体として作用する。 電解精製室ではアノードとして作用する。
【0016】電解精製室では、電解槽の底部に不導電質
の受器を設置して、この上部に陰極となる金属(通常は
チタンが多用される)を設置する。底部のガリウム金属
は、陽極となって電気化学的に溶解する。電解によって
ガリウム金属が陰極に析出して、粒になって受器の中に
滴下し、受器に溜まったら金属を取り出す。
の受器を設置して、この上部に陰極となる金属(通常は
チタンが多用される)を設置する。底部のガリウム金属
は、陽極となって電気化学的に溶解する。電解によって
ガリウム金属が陰極に析出して、粒になって受器の中に
滴下し、受器に溜まったら金属を取り出す。
【0017】本発明によるガリウムの電解方法は、電解
槽を2室に区切り、両室の底部をガリウム金属を介して
接続し、一室で、ガリウムと不純物元素を含む溶液から
電解採取により不純物元素を含むガリウム金属を析出さ
せると同時に、他室で前記ガリウム金属を陽極として電
解を行うことを特徴とする。
槽を2室に区切り、両室の底部をガリウム金属を介して
接続し、一室で、ガリウムと不純物元素を含む溶液から
電解採取により不純物元素を含むガリウム金属を析出さ
せると同時に、他室で前記ガリウム金属を陽極として電
解を行うことを特徴とする。
【0018】
【作用】この方法は、電解液から金属を電解採取する電
解採取室と電解精製室とを連続して同時に進行させる一
体の装置に組み合わせたもので、液体状のガリウム金属
で結ばれている。 ガリウムの融点は29.9℃であるか
ら、電解時におけるジュール熱を利用することで、装置
内で液体状態を保つことができる。
解採取室と電解精製室とを連続して同時に進行させる一
体の装置に組み合わせたもので、液体状のガリウム金属
で結ばれている。 ガリウムの融点は29.9℃であるか
ら、電解時におけるジュール熱を利用することで、装置
内で液体状態を保つことができる。
【0019】電解採取室では、電解液からは、インジウ
ム、銅、鉛などの不純物は、むしろ優先的にガリウム金
属と共に電着し、電気的に絶縁された材質の壁で囲まれ
た電解室の底部の原料用ガリウム金属に含有されて溜ま
る。両室の液が混合しないように区切られた壁の底部に
空けられた穴、若しくは隙間は、この溜まった金属によ
って電解精製室と連ながっており、溜まった金属は電解
精製室へと流れて補給される。電解精製液室では、補給
された金属からガリウムが電気化学的に溶解し、これよ
り貴な金属であるインジウム、銅、鉛などは陽極金属中
に残留する。
ム、銅、鉛などの不純物は、むしろ優先的にガリウム金
属と共に電着し、電気的に絶縁された材質の壁で囲まれ
た電解室の底部の原料用ガリウム金属に含有されて溜ま
る。両室の液が混合しないように区切られた壁の底部に
空けられた穴、若しくは隙間は、この溜まった金属によ
って電解精製室と連ながっており、溜まった金属は電解
精製室へと流れて補給される。電解精製液室では、補給
された金属からガリウムが電気化学的に溶解し、これよ
り貴な金属であるインジウム、銅、鉛などは陽極金属中
に残留する。
【0020】従って、電解液には、これらインジウム、
銅、鉛などは殆ど溶解しない状態が保持されるので、陰
極に析出したガリウム金属には、インジウム、銅、鉛な
どの不純物含有量は格段と少ないものとなる。
銅、鉛などは殆ど溶解しない状態が保持されるので、陰
極に析出したガリウム金属には、インジウム、銅、鉛な
どの不純物含有量は格段と少ないものとなる。
【0021】この装置では底部のガリウム金属が陰極と
陽極(アノードとカソード)の両方の役割を果たすもの
で、所謂直列電解と称される方法に似ているが、固体金
属による極の製作では、不純物金属部分と、高純度金属
部分の区別、分離の困難さや、電流の漏洩による極板の
溶解における不均一な溶解の仕方や、いびつな電着形状
などが起こるので、高品質のものを得ることは困難であ
る。
陽極(アノードとカソード)の両方の役割を果たすもの
で、所謂直列電解と称される方法に似ているが、固体金
属による極の製作では、不純物金属部分と、高純度金属
部分の区別、分離の困難さや、電流の漏洩による極板の
溶解における不均一な溶解の仕方や、いびつな電着形状
などが起こるので、高品質のものを得ることは困難であ
る。
【0022】また、固体金属の場合には,極板の入替
え、不純物の溶解による電解液の精製は必要不可欠とな
り、本発明によるる液体電極の適応とは大いに異なった
ものとなっている。本発明では、ガリウム金属の融点が
低く、常温では液体状態であることを利用して、電解槽
の底にあるガリウム金属を一つの装置の中で、種々の役
目を持たせている。
え、不純物の溶解による電解液の精製は必要不可欠とな
り、本発明によるる液体電極の適応とは大いに異なった
ものとなっている。本発明では、ガリウム金属の融点が
低く、常温では液体状態であることを利用して、電解槽
の底にあるガリウム金属を一つの装置の中で、種々の役
目を持たせている。
【0023】即ち、ガリウム金属は、電解採取室では陰
極として、また、電解精製室では陽極として作用し、更
に、両室を電気的に接続する電気の導体となると同時
に、電解採取室と電解精製室の区切り、即ち、清浄液と
不純電解液の分離の役割や、陽極金属の電解精製室への
供給、更に不純物濃縮媒体としての役割等々を果たさせ
ることで、金属の移動と、精製とを極めて効率的に可能
にしており、停電させることが殆どない長時間の連続稼
働を可能にしている。
極として、また、電解精製室では陽極として作用し、更
に、両室を電気的に接続する電気の導体となると同時
に、電解採取室と電解精製室の区切り、即ち、清浄液と
不純電解液の分離の役割や、陽極金属の電解精製室への
供給、更に不純物濃縮媒体としての役割等々を果たさせ
ることで、金属の移動と、精製とを極めて効率的に可能
にしており、停電させることが殆どない長時間の連続稼
働を可能にしている。
【0024】電解精製室の陰極の上に電析した精製金属
は、電解槽の下部に滴下するので、金属と分離するた
め、金属から仕切られた受器を設置して、この中に溜
め、或る程度溜まると受器ごと取り出したり、底の抜き
口から金属を流して別の容器に精製金属を溜める。
は、電解槽の下部に滴下するので、金属と分離するた
め、金属から仕切られた受器を設置して、この中に溜
め、或る程度溜まると受器ごと取り出したり、底の抜き
口から金属を流して別の容器に精製金属を溜める。
【0025】このプロセスの原料である不純物を含んだ
電解液は、連続的に流しても、バッチ式に溜めて電解し
ても良いが、バッチ式であると液の出し入れの際に、電
解精製室の清浄な液との混合などに注意しなければなら
ない。
電解液は、連続的に流しても、バッチ式に溜めて電解し
ても良いが、バッチ式であると液の出し入れの際に、電
解精製室の清浄な液との混合などに注意しなければなら
ない。
【0026】また、電解精製室では、ガリウム以外の金
属極が露出していると、ここから酸素が発生して、陽極
のガリウム金属が溶けないと云う現象を起こすが、電解
採取室では、析出するだけなので、電解採取室と電解精
製室との間がガリウム金属で塞がれていれば、金属板の
陰極を使っても差し支えない。むしろ、最初に必要なガ
リウム金属量や仕掛かりなどから考えると有利であり、
ここに示した方法に限定されるものではない。
属極が露出していると、ここから酸素が発生して、陽極
のガリウム金属が溶けないと云う現象を起こすが、電解
採取室では、析出するだけなので、電解採取室と電解精
製室との間がガリウム金属で塞がれていれば、金属板の
陰極を使っても差し支えない。むしろ、最初に必要なガ
リウム金属量や仕掛かりなどから考えると有利であり、
ここに示した方法に限定されるものではない。
【0027】更には、原理的には何段にも接続すれば、
より高純度な金属精製装置を組み込むことも可能であ
る。
より高純度な金属精製装置を組み込むことも可能であ
る。
【0028】
【実施例】図1に本発明によるガリウム金属の電解方法
に用いる装置の概念構成を示す。1は塩ビ製の略直方体
状の電解槽であって、槽1は小部屋の電解採取室2と大
部屋の電解精製室3との二部屋に仕切板4によって区切
られている。仕切板4の下部は槽1の底まで届かないで
位置に設定されており、下部に若干の隙間4aが設けら
れている。
に用いる装置の概念構成を示す。1は塩ビ製の略直方体
状の電解槽であって、槽1は小部屋の電解採取室2と大
部屋の電解精製室3との二部屋に仕切板4によって区切
られている。仕切板4の下部は槽1の底まで届かないで
位置に設定されており、下部に若干の隙間4aが設けら
れている。
【0029】電解採取室2の中央にはニッケルメッキさ
れた4本の陽極棒5が等間隔に、また、電解精製室3の
片側には3本のチタン製丸棒の陰極棒6が等間隔に絶縁
質の蓋7を貫通して垂下しており、両極棒5,6の上端
は、それぞれ直流電源8の陽極と陰極に接続されてい
る。
れた4本の陽極棒5が等間隔に、また、電解精製室3の
片側には3本のチタン製丸棒の陰極棒6が等間隔に絶縁
質の蓋7を貫通して垂下しており、両極棒5,6の上端
は、それぞれ直流電源8の陽極と陰極に接続されてい
る。
【0030】9は蓋8に設けられた電解液注入口,10
は槽1の上方側壁に設けられたオーバフロー用の電解液
排出口である。11は槽1の底部に設けられた精製ガリ
ウム金属受部であって,丁度、陰極棒6の真下に配置さ
れて、陰極棒6に電析して滴下する精製ガリウム金属S
を受け入れると共に,その底部に溜まった精製ガリウム
金属Sは排出口11aを開いて、適時排出できるように
構成されている。
は槽1の上方側壁に設けられたオーバフロー用の電解液
排出口である。11は槽1の底部に設けられた精製ガリ
ウム金属受部であって,丁度、陰極棒6の真下に配置さ
れて、陰極棒6に電析して滴下する精製ガリウム金属S
を受け入れると共に,その底部に溜まった精製ガリウム
金属Sは排出口11aを開いて、適時排出できるように
構成されている。
【0031】12は原料用ガリウム金属であって、槽1
の底部に充填されることで前述の仕切板4の下部は,原
料用ガリウム金属12によって完全に仕切られる。13
は電解採取液であって、スクラップを処理したガリウム
と微量の不純物を含む電解液であって、この電解液とし
て使用される。電解液13はポンプにて給液され、排出
液は電解液排出口10からオーバーフロして図示しない
別の槽へ溜められるようになっている。14は電解精製
液であって、高純度のガリウム金属を水酸化ナトリウム
(NaOH) と過酸化水素(H2O2)で溶解して調整した清浄な
電解液である。
の底部に充填されることで前述の仕切板4の下部は,原
料用ガリウム金属12によって完全に仕切られる。13
は電解採取液であって、スクラップを処理したガリウム
と微量の不純物を含む電解液であって、この電解液とし
て使用される。電解液13はポンプにて給液され、排出
液は電解液排出口10からオーバーフロして図示しない
別の槽へ溜められるようになっている。14は電解精製
液であって、高純度のガリウム金属を水酸化ナトリウム
(NaOH) と過酸化水素(H2O2)で溶解して調整した清浄な
電解液である。
【0032】これら両液13、14はそれぞれ電解採取
室2,電解精製室3に充填されるが、上述のように原料
用ガリウム金属によって隙間4aは塞がれて仕切られて
いるので両液が混合することはない。
室2,電解精製室3に充填されるが、上述のように原料
用ガリウム金属によって隙間4aは塞がれて仕切られて
いるので両液が混合することはない。
【0033】以上の装置を用いて、本発明の第1実施例
によるガリウムの電解方法について説明する。電解槽1
の外形は180 mm×180 mmの長方形であって、電解採取室
2、電解精製室3は仕切板4によってそれぞれ、180 mm
×80 mm,と180 mm×100 mmに形成されている。
によるガリウムの電解方法について説明する。電解槽1
の外形は180 mm×180 mmの長方形であって、電解採取室
2、電解精製室3は仕切板4によってそれぞれ、180 mm
×80 mm,と180 mm×100 mmに形成されている。
【0034】先ず、原料用ガリウム金属1.7 kgを電解槽
1の底部に充填し、電解採取室2には電解採取液13を
注入口9から3 mL/minの速度でポンプ送りし、排出口1
0からオーバーフロさせた。電解精製室3には高純度の
ガリウム金属を前述の電解液で溶解して調整した電解精
製液 2.5リットルを満たした。
1の底部に充填し、電解採取室2には電解採取液13を
注入口9から3 mL/minの速度でポンプ送りし、排出口1
0からオーバーフロさせた。電解精製室3には高純度の
ガリウム金属を前述の電解液で溶解して調整した電解精
製液 2.5リットルを満たした。
【0035】陽極棒5には4本の 8mmφニッケルメッキ
棒を等間隔に、また、陰極棒6にはチタン製の 8mmφ丸
棒3本を相互間隔は25mmに固定して、精製ガリウム金属
受部11の真上に直立させた。直流電源に10A の電流を
通じさせ電解を行った。
棒を等間隔に、また、陰極棒6にはチタン製の 8mmφ丸
棒3本を相互間隔は25mmに固定して、精製ガリウム金属
受部11の真上に直立させた。直流電源に10A の電流を
通じさせ電解を行った。
【0036】温度が安定しない状態では、電圧も高かっ
たが、次第にジュール熱により安定し、液の温度は約63
℃で、電圧は略8.6 〜 8.8 Vで安定した。
たが、次第にジュール熱により安定し、液の温度は約63
℃で、電圧は略8.6 〜 8.8 Vで安定した。
【0037】精製ガリウム金属受部11にある程度の精
製ガリウム金属Sが溜まると、精製ガリウム金属受部1
1の下部の金属排出口11aの口を開け、精製ガリウム
金属Sを取り出した。電流は、電解開始後5日後に約20
リットルの電解液を流した時点で停止し、得られた精製
ガリウム金属Sは合計 886g 、電解槽底部の残留金属は
1318g であった。また、電解精製室内の電解液は2.1 リ
ットルに減少していた。
製ガリウム金属Sが溜まると、精製ガリウム金属受部1
1の下部の金属排出口11aの口を開け、精製ガリウム
金属Sを取り出した。電流は、電解開始後5日後に約20
リットルの電解液を流した時点で停止し、得られた精製
ガリウム金属Sは合計 886g 、電解槽底部の残留金属は
1318g であった。また、電解精製室内の電解液は2.1 リ
ットルに減少していた。
【0038】精製前後の電解液中のガリウムその他不純
物元素の含有量の比較は表1に示す通りである。
物元素の含有量の比較は表1に示す通りである。
【0039】また、底の金属、精製金属および残留金属
中の不純物元素の含有量値を表2に示す。
中の不純物元素の含有量値を表2に示す。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によるガリウムの
電解方法は、インジウム,銅,鉛などの不純物が少ない
高純度のガリウム金属を得ることができると共に、イン
ジウム,銅,鉛などの不純物を残留金属に濃縮すること
ができる。
電解方法は、インジウム,銅,鉛などの不純物が少ない
高純度のガリウム金属を得ることができると共に、イン
ジウム,銅,鉛などの不純物を残留金属に濃縮すること
ができる。
【図1】本発明によるガリウムの電解方法を行う装置の
概念構成を示す。
概念構成を示す。
1 電解槽 2 電解採取室 3 電解精製室 4 仕切板 4a 隙間 5 陽極棒 6 陰極棒 7 蓋 8 直流電源 9 電解液注入口 10 電解液排出口 11 精製ガリウム金属受部 11a 金属取り出し口 12 原料用ガリウム金属 13 電解採取液 14 電解精製液 S 精製ガリウム金属
Claims (4)
- 【請求項1】 電解槽を2室に区切り、両室の底部を原
料用ガリウム金属を介して接続し、一室で、ガリウムと
不純物元素を含む溶液から電解採取により不純物元素を
含むガリウム金属を析出させると同時に、他室で前記ガ
リウム金属を陽極として電解を行うことを特徴とするガ
リウムの電解方法。 - 【請求項2】 一室で電解採取により不純物元素を含む
ガリウム金属を析出させ、他室で前記ガリウム金属を陽
極として電解を行い、インジウム、銅、鉛などの不純物
元素を底部のガリウム金属に濃縮させ、陰極に純度の高
いガリウム金属を析出させることを特徴とする請求項1
に記載のガリウムの電解方法。 - 【請求項3】 電解槽の一室を不純物を含まない電解液
で満たし、底部の原料用ガリウム金属を陽極として、陰
極に純度の高いガリウム金属を析出させ、滴下するガリ
ウム金属のみを不純物含有ガリウムに混じらないよう回
収することを特徴とする請求項1に記載のガリウムの電
解方法。 - 【請求項4】 電解採取側の陰極がガリウム金属若しく
はチタンなどの金属で成立する構成の電解槽を使用した
ことを特徴とする請求項1に記載のガリウムの電解方
法。
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---|---|---|---|
JP34468092A JP3146706B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | ガリウムの電解方法 |
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JPH06192876A true JPH06192876A (ja) | 1994-07-12 |
JP3146706B2 JP3146706B2 (ja) | 2001-03-19 |
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ID=18371152
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JP34468092A Expired - Fee Related JP3146706B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | ガリウムの電解方法 |
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JP (1) | JP3146706B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000061827A1 (en) * | 1999-04-12 | 2000-10-19 | Ea Technology Limited | An electrochemical cell for use in the recovery of mercury from aqueous solutions |
JP2006083426A (ja) * | 2004-09-15 | 2006-03-30 | Dowa Mining Co Ltd | ガリウム中のゲルマニウム除去方法及びこの方法によって得たガリウム並びにゲルマニウム除去装置 |
WO2013103034A1 (ja) * | 2012-01-06 | 2013-07-11 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 水酸化ガリウムの製造方法、酸化ガリウム粉末の製造方法、酸化ガリウム粉末、該酸化ガリウムの焼結体及び該焼結体からなるスパッタリングターゲット |
JP2014062313A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-10 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 金属化合物粉末の製造方法、焼成粉末及びスパッタリングターゲット |
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JP2015147956A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | Jx日鉱日石金属株式会社 | ガリウムの回収方法 |
CN108642523A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-10-12 | 河南海之德高新环保科技有限公司 | 一种金属镓循环电解系统 |
CN112111758A (zh) * | 2020-09-07 | 2020-12-22 | 中铝矿业有限公司 | 低铁4n镓的制取工艺 |
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-
1992
- 1992-12-24 JP JP34468092A patent/JP3146706B2/ja not_active Expired - Fee Related
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