JPH06192357A - 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法 - Google Patents

木粉ノボラック樹脂およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06192357A
JPH06192357A JP36195492A JP36195492A JPH06192357A JP H06192357 A JPH06192357 A JP H06192357A JP 36195492 A JP36195492 A JP 36195492A JP 36195492 A JP36195492 A JP 36195492A JP H06192357 A JPH06192357 A JP H06192357A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
phenol
wood
phenols
melting point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36195492A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kono
剛 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU
KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU KYODO KUMIAI
Original Assignee
KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU
KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU KYODO KUMIAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU, KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU KYODO KUMIAI filed Critical KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU
Priority to JP36195492A priority Critical patent/JPH06192357A/ja
Publication of JPH06192357A publication Critical patent/JPH06192357A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来、融点が高く各種用途への適用が困難であ
った木粉ノボラック樹脂を木粉に対するフェノール類の
重量仕込比を3.5〜50倍の範囲内で調節することに
より、融点の低いものに調整して、用途に適応した実用
性の高い樹脂原料を提供する。 【構成】各種木粉にフェノール類を少量の酸の存在下で
反応させて得られる樹脂状物質において、木粉に対する
フェノール類の重量仕込比を3.5〜50倍とすること
により得られる融点が60〜100℃の木粉ノボラック
樹脂およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、融点が低く、加工法お
よび流動性にすぐれた木粉ノボラック樹脂およびその製
造方法に関するものであり、特に成型材料用およびコー
テッドサンド用に好適な樹脂原料を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種木粉とフェノール類との反応によっ
て木粉樹脂を製造することは公知であり、その方法とし
て無触媒高圧法(特開昭61−261358号公報、特
開平3−59035号公報および特開平3−12672
8号公報参照)および酸触媒常圧法(特公昭61−26
97号公報および特願平2−175578号参照)があ
る。
【0003】両者を比較すると、前者は設備費が高額と
なり、作業工程上のトラブルが起こりやすい等製造上の
困難がある。また木粉樹脂の物性面でも、力学的強度、
耐アセトン性等で前者によるものは後者のものより劣っ
ており、今日、後者の優位性が、一般的に認められるよ
うになってきた。
【0004】しかしながら後者によるものも、従来法に
おいては力学的強度、耐アセトン性において、市販のノ
ボラック樹脂より劣っている。その主な原因は、木粉樹
脂の融点が120〜140℃であり、通常の硬化剤(ヘ
キサメチレンテトラミン)による架橋反応温度より高
く、流れの悪いうちに架橋反応が起こり始め、硬化反応
が不均一となることにあった。
【0005】そこで、本特許出願人らは、木粉樹脂の融
点を下げるために、樹脂中に残存する未反応フェノール
類を一部可塑剤として残す方法(特願平3−32807
8号参照)を開発した。この方法により軟化点は35〜
110℃となり成形材料用樹脂としての性能にある程度
の向上が見られた。しかしコーテッドサンド用樹脂とし
ての利用には効果がなく、融着点は高く、流れも悪かっ
た。さらに未反応フェノール類の影響でゲルタイムが異
常に速いという問題が生じ、環境への悪影響ということ
からも、好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで木粉樹脂の化
学構造の研究は、ほとんどなく、フェノールと木粉分解
物との結合形態は解明されていなかった。従来説とし
て、セルロース等の水酸基にフェノールが置換したもの
であるとする説、セルロース類がヒドロキシメチルフル
フラール等に分解された後に、フェノールとの反応によ
って置換フェノール型生成物になるとする説等がある
が、いずれも推論の域を出ない。
【0007】従来フェノールの仕込量を増大すること
は、木粉の利用率を下げるだけでなく、樹脂生成物の物
性にもよい影響を及ぼさないと考えられていた。例えば
前述のセルロース等の水酸基にフェノールが多量に置換
するという説にたてば、仕込フェノール量を増やせばフ
ェノールが多量に置換するため分子量は増大することに
なる。これまでの研究の多くは、木粉の利用率の増大に
関心が向けられ(例えば特願平3−126728号参
照)、フェノールの仕込率の増大には注意が払われなか
った。従来法では、一般にフェノールの対木粉仕込比は
2.5倍以内で行われていた。
【0008】本発明者は、フェノールの対木粉仕込比
2.5〜100倍までのフェノール過剰下で詳細な研究
を行ったところ、フェノールの仕込比を増大するとそれ
に伴って平均分子量が減少する傾向を見出した。詳しく
述べれば、ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量分
布の分析において、フェノール仕込比100倍の大過剰
下で分子量数百のフェノールの2核体らしき顕著なピー
クが見られた。フェノール仕込比を減少させていくと2
核体らしきピークが減少し、3核体、4核体らしき高分
子領域のピークが規則性をもって増大した。これは木粉
樹脂の主成分がフェノールとアルデヒド型木粉分解物と
の重縮合物であり、フェノールの仕込比によってその平
均分子量が決まることを示唆している。また木粉樹脂の
融点は、平均分子量の減少に伴い低下する結果が得られ
た。
【0009】以上、木粉樹脂の化学構造に関して鋭意研
究した結果、木粉樹脂の融点はフェノール仕込比を増大
させることにより低く調整できることを見出して、本発
明に至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、各種木
粉にフェノール類を少量の酸の存在下で反応させて得ら
れる樹脂状物質において、木粉に対するフェノール類の
重量仕込比を3.5〜50倍とすることにより得られる
融点が60〜100℃であることを特徴とする木粉ノボ
ラック樹脂に関する。
【0011】本発明の第2は、各種木粉にフェノール類
を少量の酸の存在下で反応させる樹脂状物質の製造方法
において、木粉に対するフェノール類の重量仕込比を
3.5〜50倍とすることを特徴とする融点60〜10
0℃の木粉ノボラック樹脂の製造方法に関する。
【0012】本発明における各種木粉としては、スギ、
カラマツ、カバ、ブナのような一般的な針葉樹、広葉樹
の製材鋸屑や間伐材の木粉などであり、細かくされた木
片を含むものとする。
【0013】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール等、好ましくはフェノールであ
る。本発明においては、木粉に対するフェノール類の重
量仕込比は3.5〜50倍であるが、この仕込比を調節
することにより所定の融点をもつ木粉ノボラック樹脂を
容易に製造することができる。例えば融点80〜100
℃の成形材料用樹脂原料として好適な樹脂を得るために
は木粉に対するフェノール類の重量仕込比を3.5〜8
倍、好ましくは4〜5倍にする。また融点60〜75℃
のコーテッドサンド用樹脂原料として好適な樹脂を得る
ためには、木粉に対するフェノール類の重量仕込比を5
〜50倍、好ましくは5〜8倍にするとよい。
【0014】本発明における酸としては、硫酸、リン
酸、塩酸、真化水素酸などの無機酸が好ましく、特に硫
酸が望ましい。酸の添加量は、例えばフェノール類に対
して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量
%である。また反応温度は、一般に100〜200℃、
好ましくは120〜180℃である。
【0015】
【作用】従来、フェノール仕込比の増大は、木粉利用率
を減少させると考えられていた。しかしながら本発明者
の研究によって、仕込フェノール量の増加は、主に未反
応フェノール量をも増加させ、木粉ノボラック樹脂中の
フェノール割合は余り変わらないことがわかった。例え
ばフェノール/木粉比率3倍のものと6倍のものとを比
較すると、得られる木粉ノボラック樹脂の重量は木粉1
に対して前者が2.1倍、後者が2.3倍であり両者の
差はわずかである。従って未反応フェノールを回収する
ことによって、原料費の増加はわずかにおさえることが
できる。
【0016】本発明では、1回の仕込みで液が十分に浸
透し、反応が円滑に進行するため、酸触媒の量を減ら
し、反応時間を短縮することが可能である。
【0017】また本発明では、木粉ノボラック樹脂その
ものが架橋反応温度で十分に流動性をもち、しかも架橋
反応に加わるのが2核体以上のフェノール重縮合物であ
るため、物理的性能の向上が可能となる。
【0018】
【実施例1】撹拌器、温度計、蒸留用リービッヒコンデ
ンサーおよび仕込口を備えたセパラブルフラスコに、ま
ず100重量部のスギーベイトガ混合木粉を仕込み次で
400重量部の融解したフェノールに、4重量部の硫酸
を溶解させたものを添加した。添加終了後、撹拌を続け
ながら130〜150℃で3時間反応させた。次に水酸
化ナトリームで中和し、減圧にし最高210℃の温度で
未反応フェノールを溜去したところ、重量平均分子量1
030、融点95℃の木粉ノボラック樹脂220重量部
を得た。
【0019】該樹脂100重量部、スギ木粉130重量
部、ヘキサメチレンテトラミン25重量部、ステアリン
酸亜鉛3重量部および水酸化カルシウム6重量部の混合
粉を用い、10kgf/mm、150℃で加熱加圧し
て得た試験片をJISK6911 5.17に準拠して
測定した結果、曲げ強さは、9.0kgf/mm(試
験片4個の平均)であった。
【0020】従来法(特願平2−175578号)で、
木粉に対するフェノールの仕込比率を2.4倍によるも
のを、同様に試験したところ、曲げ強さは、6.2kg
f/mm(試験片4個の平均)であった。また特願平
3−328078号の方法による未反応フェノール15
重量%のものを、同様に試験したところ曲げ強さは8.
6kgf/mm(試験片4個の平均)であった。以上
の結果、本発明による木粉ボラック樹脂は、成形材料用
樹脂原料として好適であることが判明した。
【0021】
【実施例2】仕込量を、スギーベイトガ混合木粉100
重量部、フェノール600重量部および硫酸3重量部と
する以外は、実施例1と同じ条件で反応させたところ重
量平均分子量820、融点72℃の木粉ノボラック樹脂
230重量部を得た。
【0022】該樹脂と、市販のコーテッドサンド用ノボ
ラック、従来法によるもの(リグラックN)、特願平3
−32807号による未反応フェノール16重量%のも
の(リグラック15)および未反応フェノール22重量
%のもの(リグラック19)との、コーテッドサンド用
樹脂としての樹脂特性の試験結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】以上の結果、本発明による木粉ノボラック
樹脂は、融点が低く、流動性が良好でゲルタイムが適切
であり、コーテッドサンド用樹脂原料として好適である
ことが判明した。
【発明の効果】木粉に対するフェノール類の重量仕込比
を3.5〜50倍の範囲内で調節することにより、60
〜100℃の低融点をもつ木粉ノボラック樹脂を用途に
応じて容易に製造することができる。例えば融点80〜
100℃の成形材料用樹脂原料として好適な樹脂を得る
ためには、木粉に対するフェノール類の重量仕込比を
3.5〜8倍、また融点60〜75℃のコーテッドサン
ド用樹脂原料として好適な樹脂を得るためには、木粉に
対するフェノール類の重量仕込比を5〜50倍るするこ
とにより、それぞれの用途に適応した樹脂が容易に得ら
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各種木粉にフェノール類を少量の酸の存在
    下で反応させて得られる樹脂状物質において、木粉に対
    するフェノール類の重量仕込比を3.5〜50倍とする
    ことにより得られる融点が60〜100℃であることを
    特徴とする木粉ノボラック樹脂。
  2. 【請求項2】各種木粉にフェノール類を少量の酸の存在
    下で反応させる樹脂状物質の製造方法において、木粉に
    対するフェノール類の重量仕込比を3.5〜50倍とす
    ることを特徴とする融点60〜100℃の木粉ノボラッ
    ク樹脂の製造方法。
JP36195492A 1992-12-24 1992-12-24 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法 Pending JPH06192357A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36195492A JPH06192357A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36195492A JPH06192357A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06192357A true JPH06192357A (ja) 1994-07-12

Family

ID=18475412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36195492A Pending JPH06192357A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06192357A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7276591B2 (en) 2003-05-06 2007-10-02 Fuji Carbon Co., Ltd. Biomass resin composition, process for preparing the same and molding material using the biomass composition

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7276591B2 (en) 2003-05-06 2007-10-02 Fuji Carbon Co., Ltd. Biomass resin composition, process for preparing the same and molding material using the biomass composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SU784787A3 (ru) Способ получени углеводфенольной смолы
US11566099B2 (en) Furfuryl alcohol-derived bifunctional furan epoxy and method for producing same
US2471631A (en) Furfuryl alcohol-phenol aldehyde resinous products and method of making the same
US4368299A (en) Epoxy resin compositions
US2895945A (en) Aldehyde polyerythritol polymers
JPH08506374A (ja) 樹脂バインダー組成物
JPH06192357A (ja) 木粉ノボラック樹脂およびその製造方法
US3390127A (en) Water-soluble ketone-aldehyde-phenol resins and process of making same
US4011280A (en) Process for the production of binders for weather-proof wood materials and product
JPH0681775B2 (ja) ポリヒドロキシ化合物の製造法
JPH06228255A (ja) 生分解性フェノール樹脂の製造方法
US2830971A (en) Artificial resin from furfuryl alcohol, formaldehyde, and boric acid, and process ofmaking the same
EP0419741B1 (en) Rubber compounding resin
JPS6368623A (ja) フエノ−ル樹脂組成物の製造法
US3042655A (en) Novolak and method of manufacture thereof
JPH07119268B2 (ja) ノボラック型フェノール樹脂の製造方法
JPH11302350A (ja) フェノール樹脂の製造方法
JPH05140465A (ja) 熱硬化性木粉樹脂組成物及びその製造方法
JPH06179740A (ja) ナフタレン系アラルキル樹脂の製造方法
SU556578A1 (ru) Способ получени фураноэпоксидной смолы
JPH0463834A (ja) 木質系粉末から樹脂粉末を製造する方法
SU1235874A1 (ru) Способ получени алкилрезорцинфенолформальдегидной смолы
JPH0359022A (ja) 熱硬化性樹脂
SU753855A1 (ru) Способ получени новолачных фенолоацетальдегидных смол
JPH11106461A (ja) フェノール樹脂の製造方法