JPH06191905A - 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス - Google Patents

遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス

Info

Publication number
JPH06191905A
JPH06191905A JP34648192A JP34648192A JPH06191905A JP H06191905 A JPH06191905 A JP H06191905A JP 34648192 A JP34648192 A JP 34648192A JP 34648192 A JP34648192 A JP 34648192A JP H06191905 A JPH06191905 A JP H06191905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
laminated glass
degree
sound
acetalization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34648192A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Miyai
二郎 宮井
Hirobumi Omura
博文 尾村
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Naoki Ueda
直樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP34648192A priority Critical patent/JPH06191905A/ja
Publication of JPH06191905A publication Critical patent/JPH06191905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる中
間膜の有する種々の優れた性能(透明性、耐候性、接着
性、ガラス破片の飛散防止)を生かし、且つ広い温度領
域(例えば、−10〜80℃)において優れた遮音性を
発揮する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得
る。 【構成】 この遮音性中間膜は、ポリビニルアルコール
を炭素数4〜10のアルデヒドでアセタール化して得ら
れるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなり、樹
脂のアセタール化度分布が、平均アセタール化度(モル
%)+10モル%以上に10〜30%占有し、且つ平均
アセタール化度(モル%)−10モル%以下に10〜3
0%占有する。樹脂の平均アセタール化度は40〜75
モル%が好ましい。そして、二枚のガラス板の間に上記
の遮音性中間膜を接着させて遮音性合わせガラスを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遮音性合わせガラス
用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】二枚の透明なガラス板の間に、ポリビニ
ルアセタール樹脂と可塑剤とからなる中間膜を接着させ
た合わせガラスは、自動車、航空機、建築物等の窓ガラ
スに広く使用されている。
【0003】ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリ
ビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドをはじめ炭素
数4〜10のアルデヒドでアセタール化して得られる樹
脂が用いられている(例えば、特開昭56−82806
号公報及び特開昭62−27814号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の合わせガラス
は、耐候性がよい、接着性がよい、ガラス破片が飛散し
ない、透明性がよい、光学歪みが生じない等の種々の優
れた性能を有するが、遮音性が劣る。特に、2000H
z付近の中高音域において所謂コインシデンス効果によ
って遮音性が低下する。
【0005】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、従来のポリビニルアセタ
ール樹脂と可塑剤とからなる中間膜を用いた合わせガラ
スの有する種々の優れた性能を生かし、且つ広い温度領
域において優れた遮音性を発現する遮音性合わせガラス
用中間膜及び遮音性合わせガラスを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の遮音性合わせガラス用中間膜は、ポリビ
ニルアルコールを炭素数4〜10のアルデヒドでアセタ
ール化して得られるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤
とからなり、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化
度分布が、平均アセタール化度(モル%)+10モル%
以上に10〜30%占有し且つ平均アセタール化度(モ
ル%)−10モル%以下に10〜30%占有するように
構成されている。
【0007】また、この発明の遮音性合わせガラスは、
二枚のガラス板の間に、上記の遮音性合わせガラス用中
間膜が接着されてなる。
【0008】この発明に用いるポリビニルアセタール樹
脂は、ポリビニルアルコールを炭素数4〜10のアルデ
ヒドでアセタール化して得られる。このポリビニルアセ
タール樹脂の調製において、ポリビニルアルコールとし
ては、平均重合度1000〜3000のものが好まし
い。平均重合度が1000未満であると合わせガラスの
耐貫通性が低下する。逆に、平均重合度が3000を越
えると膜の成形が難しくなる。
【0009】そして、ポリビニルアルコールの平均鹸化
度は、78モル%以上のものが好ましい。平均鹸化度が
78モル%未満であると、膜の透明性や耐熱性が低下
し、またアルデヒドとの反応性も低下する。
【0010】また、アセタール化に用いるアルデヒドと
しては、炭素数4〜10のアルデヒドが用いられ、例え
ば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2
−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、
n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−
デシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデ
ヒド等の脂肪族、芳香族のアルデヒドが挙げられる。こ
れ等のアルデヒドは単独或いは二種以上組み合わせて用
いられる。
【0011】アルデヒドの炭素数が4未満では、充分な
遮音性を得ることができない。逆に、アルデヒドの炭素
数が10を越えると、アセタール化の反応性が著しく低
下し、しかも得られるポリビニルアセタール樹脂の剛性
が低く且つ遮音性も低下する。
【0012】この発明に用いるポリビニルアセタール樹
脂は、その樹脂のアセタール化度分布が、平均アセター
ル化度(モル%)+10モル%以上に10〜30%占有
し且つ平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下
に10〜30%占有するように調製することが必要であ
る。
【0013】樹脂のアセタール化度分布が、平均アセタ
ール化度(モル%)+10モル%以上と−10モル%以
下のそれぞれ或いは片方において、10%よりも少ない
場合は、低温や高温の環境温度で充分な遮音性が得られ
ない。逆に、樹脂のアセタール化度分布が、平均アセタ
ール化度(モル%)+10モル%以上と−10モル%以
下のそれぞれ或いは片方において、30%よりも多い場
合は、低温や高温での遮音性は向上するが、常温近辺の
環境温度で充分な遮音性が得られない。
【0014】ポリビニルアセタール樹脂は、一般的に
は、ポリビニルアルコールを熱水に溶解し、得られた水
溶液を所定の温度に保持しておいて、これに所要の酸触
媒とアルデヒドとを加え、攪拌しながらアセタール化反
応を進行させ、次いで反応温度を上げて恒温に保持し熟
成し反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を行
って製造される。
【0015】通常の反応条件でポリビニルアセタール樹
脂を調製すると、ポリビニルアルコールと反応するアル
デヒド及び酸触媒が大量に高温条件下に存在するため、
アセタール化反応が非常に速い。そのため、樹脂の粒子
表面でアセタール化反応が急速に進行し、逆に粒子の中
心部では反応が殆ど進行しない。
【0016】それゆえ、得られるポリビニルアセタール
樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度分
布が、平均アセタール化度(モル%)+10モル%以上
に0〜7%程度占有し且つ平均アセタール化度(モル
%)−10モル%以下に0〜7%程度占有するものとな
り、このようなポリビニルアセタール樹脂を用いると、
充分な遮音性は得られない。
【0017】この発明において、目標とするポリビニル
アセタール樹脂を調製するには、特別の反応条件を採用
する。例えば、樹脂のアセタール化度分布は、酸触媒と
アルデヒドとをポリビニルアルコール水溶液に加える際
の温度によって大きく影響を受け、この温度を比較的高
温にすることにより、目標とするアセタール化度分布の
樹脂を得ることができる。適切な温度は、使用するポリ
ビニルアルコールの重合度や鹸化度及びアルデヒドの種
類により異なるが、一般的には20℃以上が好ましい。
【0018】また、樹脂のアセタール化度分布は、アル
デヒドの添加方法によって影響を受け、目標とするとす
るアセタール化度分布の樹脂は、例えば、ポリビニルア
ルコールを熱水に溶解し、得られた水溶液を所定の温度
に保持しておいて、酸触媒と全添加量の40%以下のア
ルデヒドとを加え、攪拌しながらアセタール化反応を進
行させる。次いで、反応液を必要な恒温に保持し残りの
アルデヒドを少量づつゆっくり加え、引き続き恒温で熟
成し反応を完結させることによって得ることができる。
【0019】上記方法において、残りのアルデヒドを加
える速度は、恒温に保持する温度や残りのアルデヒド量
により異なるが、恒温の温度が高いほど、また残りのア
ルデヒド量が多いほど、ゆっくりと残りのアルデヒドを
加える必要がある。一般的には、30分〜3時間が好ま
しい。
【0020】また、目標とするアセタール化度分布の樹
脂は、酸触媒の量を増加する方法や、アルデヒドと酸触
媒を加えた後恒温温度へ昇温する際の昇温速度を非常に
速くする方法によっても得ることができる。しかし、こ
れ等の方法では得られるポリビニルアセタール樹脂のア
セタール化度を制御するのが容易でない。
【0021】さらに、目標とするアセタール化度分布の
樹脂は、平均アセタール化度の異なる二種類以上のポリ
ビニルアセタール樹脂を作り、これ等の樹脂を様々の混
合比で組み合わせて混合することにより調製することも
できる。
【0022】この発明において、ポリビニルアセタール
樹脂の平均アセタール化度は、一般に40〜75モル%
が好ましい。樹脂の平均アセタール化度が40モル%未
満では、可塑剤との相溶性が悪くなり、遮音性や耐貫通
性の確保に必要な量の可塑剤の配合が難しくなる。逆
に、75モル%を越える平均アセタール化度樹脂を得る
には長時間の反応時間を要し、プロセス上好ましくな
い。
【0023】樹脂のアセタール化度の分布は、液体クロ
マトグラフィーや薄層クロマトグラフィー等により測定
することができる。例えば、液体クロマトグラフィーで
測定する場合、先ず、極性液体(例えば、水)を溶離液
としてカラムに流しておき、これにポリビニルアセター
ル樹脂をエタノール等の溶剤に完全溶解してカラムに注
入すると、極性の高い樹脂部分(低アセタール化度部
分)のみが流出検出される。
【0024】その後、溶離液の極性を徐々に低くしてい
く(例えば、水→エタノール→酢酸エチル→)ことによ
り、極性のより低い樹脂部分(より高いアセタール化度
部分)を順次流出検出する。そして、最後に非極性液体
(例えば、トルエン)を流すことにより、極性の低い樹
脂部分(高アセタール化度部分)まで全て流出検出され
る。これ等の値からアセタール化度分布を求める。
【0025】このようにして調製されたポリビニルアセ
タール樹脂に所定量の可塑剤を混合し、これを押出法、
カレンダー法、プレス法等によりシート状に製膜して、
合わせガラス用中間膜を製造する。
【0026】樹脂膜の膜厚は、通常の合わせガラス用中
間膜における膜厚と同様であり、一般に0.3〜1.6
mmの範囲とされる。この膜厚が0.3mm未満では、良好
な遮音性能や耐候性を発揮するのに充分でない。膜厚
は、厚いほうが遮音性はよいが、実用的には1.6mm以
下である。
【0027】可塑剤としては、この種の中間膜に用いら
れている公知の可塑剤、例えば、トリエチレングリコー
ルジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール
ジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール
ジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプ
トエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプトエ
ート等が好適に用いられる。
【0028】このような可塑剤は、一般に樹脂100重
量部に対して20〜60重量部、好ましくは30〜55
重量部が混合される。可塑剤の含有量が20重量部未満
であると、合わせガラスの耐貫通性が低下する。逆に、
可塑剤の含有量が60重量部を越えると、可塑剤が滲み
出し、合わせガラスの接着性などに悪影響がある。
【0029】なお、ポリビニルアセタール樹脂には、紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着性調整剤、界
面活性剤、着色剤など合わせガラス用中間膜に使用され
ている公知の添加剤を配合することができる。
【0030】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系のもの、例えば、チバガイギー社製のチヌビンP、
チヌビン320、チヌビン326、チヌビン328等が
挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系の
もの、例えば、旭電化社製のアデカスタブLA−57等
が挙げられる。
【0031】酸化防止剤としては、フェノール系のも
の、例えば、住友化学社製のスミライザーBHT、チバ
ガイギー社製のイルガノックス1010等が挙げられ
る。
【0032】接着性調整剤としては、カルボン酸の金属
塩、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻
酸等のカリウム塩やナトリウム塩が挙げられる。また、
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0033】製膜方法としては、通常行われている押出
成形法が好ましいが、特に限定されない。こうして得ら
れる中間膜には、他の機能を保持したフィルム、例えば
銀等の微粒子を塗布した層を有する熱線反射機能を持っ
たポリエステルフィルムを積層して使用してもよい。ま
た、一般の合わせガラス用中間膜として多用されている
通常の可塑化ポリビニルブチラール中間膜を積層して使
用してもよい。通常の可塑化ポリビニルブチラール中間
膜を積層する場合は、多層押出成形法が適している。
【0034】この発明の遮音性合わせガラス中間膜を用
いて合わせガラスを製造するには、二枚の無機ガラス板
或いはポリカーボネートのような剛性の高い有機ガラス
板の間に、上記の中間膜を挟み、これを例えばゴムバッ
クに入れ減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着
し、次いで、オートクレーブ内で約120〜150℃
で、約10〜15 kg/cm2の圧力で本接着を行う。こう
して、この発明の遮音性合わせガラスが製造される。
【0035】
【作用】発明者の知見によれば、ポリビニルアセタール
樹脂と可塑剤とからなる中間膜を用いた合わせガラスの
遮音性は、環境温度と関係があり、或る温度で極大値を
有し、その極大値は樹脂のアセタール化度が低いほど高
温側に移動し、アセタール化度が高いほど低温側に移動
する。また、樹脂のアセタール化度分布が広いほど遮音
性を示す温度領域は広がるが遮音性のレベルが低下し、
アセタール化度分布が狭いほど遮音性を示す温度領域は
狭くなるが遮音性のレベルが高くなる。
【0036】この発明で用いるポリビニルアセタール樹
脂は、ポリビニルアルコールを炭素数4〜10のアルデ
ヒドでアセタール化して得られるもので、その樹脂のア
セタール化度分布が、平均アセタール化度(モル%)+
10モル%以上に10〜30%占有し且つ平均アセター
ル化度(モル%)−10モル%以下に10〜30%占有
している。
【0037】このような特定のアセタール化度分布を有
するポリビニルアセタール樹脂を使用すると、特に、2
000Hz付近の中高音域においてコインシデンス効果
による遮音性の低下が防止され、従来のポリビニルアセ
タール樹脂を使用したものに比べ、低温から高温(例え
ば、−10〜80℃)まで、幅広い温度領域で遮音性の
レベルを高く保持することができる。また、平均アセタ
ール化度を適当に設定することにより、遮音性のレベル
が高くなる温度領域を低温側或いは高温側に移動させる
ことができる。
【0038】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 ポリビニルアセタール樹脂の調製 重合度1700、鹸化度98.9モル%のポリビニルア
ルコール193gを、純水2900gに加えて加熱溶解
した。この溶液の温度を29℃に調節し、濃度35%の
塩酸201gとn−オクチルアルデヒド192gとを添
加し、液温を20℃に下げてこの温度を保持して反応物
を析出させた。
【0039】その後、液温を35℃で5時間保持して反
応を完了させ、中和、水洗、乾燥を経て、白色粉末状の
ポリビニルアセタール樹脂を得た。この樹脂の平均アセ
タール化度は63.6モル%で、アセタール化度分布が
平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下に28
%占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+10モ
ル%以上に17%占有していた。
【0040】合わせガラス用中間膜の製造 上記樹脂100重量部と可塑剤としてトリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート40重量部とを混合
し、これをミキシングロールで充分に溶融混練し、混練
物をプレス成形機で150℃、30分間プレス成形し
て、厚さ0.76mmの合わせガラス用中間膜を得た。
【0041】合わせガラスの製造 上記の合わせガラス用中間膜を、その両側から透明なフ
ロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ3mm)で挟
み、このサンドイッチ体をゴムバッグ内に入れ、20t
orrの真空度で20分間脱気した後、脱気した状態で
90℃のオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持
しつつ真空プレスした。
【0042】このようにして予備接着された合わせガラ
スを、エアー式オートクレーブで温度135℃、圧力1
2 kg/cm2 の条件で20分間本接着を行い、合わせガ
ラスを製造した。
【0043】合わせガラスの遮音性の測定 この合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(G
21−005D:振研社製)で加振し、それにより得ら
れる振動特性を機械インピーダンスアンプ(XG−8
1:リオン社製)で増幅し、振動スペクトルをFFTア
ナライザー(FFTスペクトラムアナライザー(HP
3582A:横河ヒューレットパッカード社製)により
解析した。
【0044】こうして得られた損失係数と、ガラスとの
共振周波数の比とから、透過損失(dB)を算出し(測
定温度−10〜80℃)、周波数(Hz)と透過損失
(dB)との関係を示すグラフを作成し、周波数200
0Hz近辺における極小の透過損失(TL値)を求め
た。その結果をまとめて表1に示す。
【0045】実施例2 実施例1のポリビニルアセタール樹脂の製造において、
n−オクチルアルデヒド192gをn−ヘキシルアルデ
ヒド192gに変更し、n−ヘキシルアルデヒドを添加
するポリビニルアルコール水溶液の温度29℃を32℃
に変更した。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0046】この場合、ポリビニルアセタール樹脂の平
均アセタール化度は62.9モル%で、アセタール化度
分布が平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下
に19%占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+
10モル%以上に12%占有していた。その結果をまと
めて表1に示す。
【0047】実施例3 実施例1のポリビニルアセタール樹脂の製造において、
重合度1700、鹸化度98.9モル%のポリビニルア
ルコール193gを、重合度1700、鹸化度87.8
モル%のポリビニルアルコール193gに変更した。ま
た、n−オクチルアルデヒド192gをn−ブチルアル
デヒド192gに変更し、n−ブチルアルデヒドを添加
するポリビニルアルコール水溶液の温度29℃を40℃
に変更した。また、可塑剤40重量部を50重量部に変
更した。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0048】この場合、ポリビニルアセタール樹脂の平
均アセタール化度は56.9モル%で、アセタール化度
分布が平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下
に20%占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+
10モル%以上に10%占有していた。その結果をまと
めて表1に示す。
【0049】実施例4 重合度1700、鹸化度98.9モル%のポリビニルア
ルコール193gを、純水2900gに加えて加熱溶解
した。この溶液の温度を15℃に調節し、濃度35%の
塩酸201gと、全添加量の30%に相当するn−オク
チルアルデヒド58gとを添加し、液温を8℃に下げて
この温度を保持して反応物を析出させた。
【0050】その後、液温を35℃に保持し、残りのn
−オクチルアルデヒド134gを1時間かけて添加し、
35℃の温度で4時間保持して反応を完了させ、中和、
水洗、乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルアセタール
樹脂を得た。この樹脂の平均アセタール化度は62.1
モル%で、アセタール化度分布が平均アセタール化度
(モル%)−10モル%以下に15%占有し、且つ平均
アセタール化度(モル%)+10モル%以上に10%占
有していた。このポリビニルアセタール樹脂を用いるこ
と以外は実施例1と同様に行った。その結果をまとめて
表1に示す。
【0051】実施例5 従来方法により、平均アセタール化度62.4モル%、
アセタール化度分布56.4〜68.4モル%のポリビ
ニルオクチルアセタール樹脂Aと、平均アセタール化度
52.0モル%、アセタール化度分布45.0〜59.
0モル%のポリビニルオクチルアセタール樹脂Bとを作
り、この樹脂Aと樹脂BとをA:B=60:40の重量
比で混合して、ポリビニルアセタール樹脂を得た。それ
以外は実施例1と同様に行った。
【0052】この場合、ポリビニルアセタール樹脂の平
均アセタール化度は58.1モル%で、アセタール化度
分布が平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下
に15%占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+
10モル%以上に10%占有していた。その結果をまと
めて表1に示す。
【0053】実施例6 実施例1で得られる合わせガラス用中間膜の厚み0.7
6mmを0.38mmとし、この両側に厚み0.38mmの通
常のポリビニルブチラール中間膜を積層した中間膜を使
用した。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果
をまとめて表1に示す。
【0054】比較例1 重合度1700、鹸化度98.9モル%のポリビニルア
ルコール193gを、純水2900gに加えて加温溶解
した。この溶液の温度を18℃に調節し、n−オクチル
アルデヒド192gと濃度35%の塩酸201gとを添
加し、液温を10℃に下げてこの温度を保持して反応物
を析出させた。
【0055】その後、液温を35℃で5時間保持して反
応を完了させ、中和、水洗、乾燥を経て、白色粉末状の
ポリビニルアセタール樹脂を得た。この樹脂の平均アセ
タール化度は64.8モル%で、アセタール化度分布が
平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下に8%
占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+10モル
%以上に1%占有していた。このポリビニルアセタール
樹脂を用いること以外は実施例1と同様に行った。その
結果をまとめて表1に示す。
【0056】比較例2 重合度1700、鹸化度98.9モル%のポリビニルア
ルコール193gを、純水2900gに加えて加温溶解
した。この溶液の温度を18℃に調節し、n−オクチル
アルデヒド192gと濃度35%の塩酸201gとを添
加し、液温を13℃に下げてこの温度を保持して反応物
を析出させた。
【0057】その後、液温を45℃で3時間保持して反
応を完了させ、中和、水洗、乾燥を経て、白色粉末状の
ポリビニルアセタール樹脂を得た。この樹脂の平均アセ
タール化度は65.1モル%で、アセタール化度分布が
平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下に4%
占有し、且つ平均アセタール化度(モル%)+10モル
%以上には全く占有しなかった。このポリビニルアセタ
ール樹脂を用いること以外は実施例1と同様に行った。
その結果をまとめて表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】上述の通り、この発明の遮音性合わせガ
ラス用中間膜は、特定のアセタール化度分布を有するポ
リビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなり、この中間
膜を用いた遮音性合わせガラスは、広い温度領域におい
てコインシデンス効果による遮音性の低下を防止し、長
期にわたって優れた遮音性を発揮する。
【0060】例えば、従来のポリビニルアセタール樹脂
と可塑剤とからなる中間膜を用いた合わせガラでは、1
0〜40℃の温度領域でしかJIS A4706に規定
する遮音等級30を合格できなかったのに対し、この発
明によれば、−10〜80℃の温度領域で遮音等級30
を合格することができる。しかも、平均アセタール化度
を適当に設定することにより、優れた遮音性を発揮する
温度領域を用途に応じて自由に変更設定することができ
る。
【0061】また、この発明において、遮音性合わせガ
ラス用中間膜は、従来と同様に可塑化ポリビニルアセタ
ール樹脂膜より構成されているので、衝撃に対する耐貫
通性がよく、またガラスと中間膜との接着性もよく、破
損時にガラスの破片が飛散しなく、透明性で安全性に優
れ、耐候性も良好である。
【0062】したがって、この発明の合わせガラスの中
間膜及び合わせガラスは、例えば、建築物の天窓、自動
車のサンルーフやフロントガラスなど広い温度領域にお
いて遮音性が要求される用途に好適に使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールを炭素数4〜10
    のアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルア
    セタール樹脂と可塑剤とからなり、ポリビニルアセター
    ル樹脂のアセタール化度分布が、平均アセタール化度
    (モル%)+10モル%以上に10〜30%占有し且つ
    平均アセタール化度(モル%)−10モル%以下に10
    〜30%占有していることを特徴とする遮音性合わせガ
    ラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 二枚のガラス板の間に、請求項1記載の
    遮音性合わせガラス用中間膜が接着されていることを特
    徴とする遮音性合わせガラス。
JP34648192A 1992-12-25 1992-12-25 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス Pending JPH06191905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34648192A JPH06191905A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34648192A JPH06191905A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06191905A true JPH06191905A (ja) 1994-07-12

Family

ID=18383723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34648192A Pending JPH06191905A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06191905A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6132882A (en) * 1996-12-16 2000-10-17 3M Innovative Properties Company Damped glass and plastic laminates
JP5632077B1 (ja) * 2013-03-22 2014-11-26 株式会社クラレ 透明性に優れる組成物
CN113880970A (zh) * 2021-10-27 2022-01-04 四川东材科技集团股份有限公司 一种隔音聚乙烯醇缩醛树脂及其制备方法与用途

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6132882A (en) * 1996-12-16 2000-10-17 3M Innovative Properties Company Damped glass and plastic laminates
JP5632077B1 (ja) * 2013-03-22 2014-11-26 株式会社クラレ 透明性に優れる組成物
US10519295B2 (en) 2013-03-22 2019-12-31 Kuraray Co., Ltd. Composition having excellent transparency
CN113880970A (zh) * 2021-10-27 2022-01-04 四川东材科技集团股份有限公司 一种隔音聚乙烯醇缩醛树脂及其制备方法与用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2703471B2 (ja) 合わせガラス用中間膜
KR100458923B1 (ko) 합판 유리용 중간막 및 합판 유리
EP0566890B1 (en) An interlayer film for laminated glass
JPH05310449A (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JPH05104687A (ja) 遮音性中間膜
JP3204890B2 (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜及び遮音性合わせガラス
JPH05138840A (ja) 遮音性中間膜
CN111497383A (zh) 夹层玻璃用树脂膜,以及夹层玻璃及其制造方法
JP2562237B2 (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜
JPH07206483A (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JPH1036146A (ja) 遮音性合わせガラス
JP2003252656A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPH06115981A (ja) 合わせガラス用中間膜
JP2004067427A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JPH06191905A (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス
JP4365559B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPH06135748A (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JPH06191904A (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜及びそれを用いた遮音性合わせガラス
JP5019706B2 (ja) 熱可塑性樹脂シート及び透明積層板
JP6222521B2 (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2003327455A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2007039300A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JPH07172879A (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JPH0551243A (ja) 合わせガラス用中間膜
JPH06115980A (ja) 合わせガラス用中間膜