JPH06190983A - 樹脂被覆紙 - Google Patents

樹脂被覆紙

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JPH06190983A
JPH06190983A JP35800692A JP35800692A JPH06190983A JP H06190983 A JPH06190983 A JP H06190983A JP 35800692 A JP35800692 A JP 35800692A JP 35800692 A JP35800692 A JP 35800692A JP H06190983 A JPH06190983 A JP H06190983A
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Tetsuya Ashida
哲也 芦田
Toru Noda
徹 野田
Nobushige Iketani
暢重 池谷
Takuya Seri
卓也 世利
Kohei Nitta
晃平 新田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メルトフロ−レ−ト10.0 g/10分〜40.0g/1
0分、密度0.960 g/cm3以上の高密度ポリエチレン樹脂9
0〜65重量部と、メルトフロ−レ−ト0.2 g/10分〜2 g
/10分、密度0.935 g/cm3以下、分子量50万以上の割合
が10重量%以上、臨界剪断速度0.5(1/秒)以下の低密度
ポリエチレン樹脂又は中密度ポリエチレン樹脂10〜35重
量部を溶融混合した樹脂組成物からなり、該樹脂組成物
の臨界剪断速度が10(1/秒)以下である樹脂層を基紙の
片面に有する樹脂被覆紙。 【効果】 樹脂層の成形加工性が良好で、樹脂層と基紙
との接着性に優れ、ゲルの少ないポリエチレン系樹脂被
覆紙が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙基体の片面をポリエ
チレン系樹脂組成物からなる樹脂層で被覆した樹脂被覆
紙に関するものである。詳しくは、樹脂層の成形加工が
良好で、樹脂層と紙基体との接着性に優れ、さらに樹脂
層にゲルの少ないポリエチレン系樹脂被覆紙に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】紙、板紙、セロハン等の紙基体(以下、
基紙という)上にフィルム形成能のある樹脂を溶融して
押出し、被覆することは広く行なわれており、これを用
いた食品用容器、包装材料、剥離紙、印刷用紙、写真用
支持体等の樹脂被覆紙はよく知られている。
【0003】基紙に溶融したポリエチレン系樹脂を押出
して被覆する場合は、ポリエチレン系樹脂の融点よりも
かなり高い温度で行なわれている。例えば、低密度ポリ
エチレンの融点は105〜110℃付近であり、高密度
ポリエチレンの融点は120〜130℃付近であるのに
対し、Tダイ法による溶融押出し温度は、薄膜塗布を行
なうために300℃付近で行なう必要がある。
【0004】一般にポリエチレン分子中には、エチレン
モノマ−の重合体としての直鎖状炭素鎖の他に、炭素-
炭素二重結合のような不飽和結合や、メチル基あるいは
それ以上の炭素骨格を結合した側鎖状の炭素鎖を含むこ
とが知られている。ポリエチレンに対し、300℃付近
での温度は加工適正面からは適度な温度であるが、分子
レベルでは活性化を促進させる範囲であり、実際の長時
間操業では、溶融ポリエチレン系樹脂の流動変化等の要
因により、分子中の不飽和結合や側鎖状の炭素付近でラ
ジカルが発生し易い状態になり、ラジカルが連鎖反応し
て橋かけ反応を起し、フィルムとなって押出されたとき
にゲル状の欠陥となって現れることがしばしばある。こ
のゲルは樹脂被覆紙表面の突起となって外観を損ない、
機能的にも種々の障害となる。
【0005】食品用容器、印刷用紙等では樹脂層にゲル
が存在すると、その部分の印刷不良や基紙との接着不良
による剥離等を生じる。また、剥離紙ではゲルの存在が
樹脂層上へのシリコ−ン等の離型剤塗布工程で品質不良
を招く場合が多い。さらに写真用支持体の場合には、ゲ
ルの存在そのものが写真画像としての質を低下させた
り、正常な写真画像を形成できない場合は、写真印画紙
としての商品価値を喪失することが多い。このため、充
分なゲル防止対策を講ずることが必要である。
【0006】このようなゲルの生成を防止する方法とし
て、押出し加工温度を下げて操業する方法があるが、そ
の場合、ポリエチレン系樹脂と紙との接着性が低下する
ため、所要の接着性を維持するためには加工速度が制限
され生産性が低下する。また、短い周期で押出機の分解
掃除を行なえば効果はあるものの生産性の低下は避けら
れない。
【0007】一方、ポリエチレン系樹脂のフィルム製造
において、このゲルの生成を防止するために酸化防止剤
を添加することにより効果を挙げている場合がある。し
かし、基紙上にポリエチレン系樹脂を押出し被覆する場
合に、ゲルを防止するため酸化防止剤を添加することは
基紙とポリエチレン系樹脂の接着を悪化させるため一般
的にはあまり行なわれていない。
【0008】また、樹脂層の平滑性、耐熱性、耐摩擦性
等が要求される剥離紙等では、樹脂層に融点の高い高密
度ポリエチレンを用いているが、該樹脂被覆紙を製造す
る際、サ−ジングあるいはドロ−レゾナンスの程度によ
る流動の不安定性、ネックイン、ドロ−ダウン性による
膜切れ等の成形加工性がなお不充分である。特に、基紙
の走行速度150m/分以上である高速条件で生産した
場合には、上記の問題に加え、樹脂層と基紙との接着性
が悪化して樹脂層が剥離し易くなるという問題があっ
た。上述のように、従来、樹脂層の成形加工が良好で樹
脂層と基紙との接着性に優れ、かつ樹脂層中のゲル発生
を極力防止したポリエチレン系樹脂被覆紙を得ることは
実際上困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエチレ
ン系樹脂被覆紙における叙上の問題を解決し、樹脂層の
成形加工が良好で、樹脂層と基紙との接着性に優れ、樹
脂層のゲル生成を極力防止して樹脂被覆紙としての性能
を損なうことのないポリエチレン系樹脂被覆紙を生産性
を低下させることなく得ることを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこの目的を
達成するため検討を重ねた結果、基紙の片面にポリエチ
レン系樹脂を主成分とする樹脂層を有する樹脂被覆紙に
おいて、樹脂として特定の高密度ポリエチレン樹脂と低
密度ポリエチレン樹脂もしくは中密度ポリエチレン樹脂
との溶融混合組成物からなり、かつその臨界剪断速度を
特定のものとすることにより所期の樹脂被覆紙が得られ
ることを見い出し本発明に到達した。
【0011】即ち、本発明の要旨は、紙基体の片面にポ
リエチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる樹
脂層を有する樹脂被覆紙において、樹脂層がメルトフロ
−レ−トが10.0g/10分〜40.0g/10分、
密度が0.960g/cm3以上である高密度ポリエチ
レン樹脂90重量部〜65重量部と、メルトフロ−レ−
トが0.2g/10分〜2g/10分、密度が0.93
5g/cm3以下、分子量50万以上の割合が10重量
%以上、臨界剪断速度が0.5(1/秒)以下である低密
度ポリエチレン樹脂もしくは中密度ポリエチレン樹脂1
0重量部〜35重量部とを溶融混合したポリエチレン系
樹脂組成物からなり、かつ該溶融混合した樹脂組成物の
臨界剪断速度が10(1/秒)以下であることを特徴とす
る樹脂被覆紙に存する。ここで、臨界剪断速度とは、コ
−ン・プレ−ト型回転式粘度計を用い、後述する方法に
より240℃において測定した剪断応力と第一法線応力
差が等しくなる点における剪断速度のことをいう。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
樹脂被覆紙における樹脂層に用いられる高密度ポリエチ
レン樹脂は、そのメルトフロ−レ−ト(以下、MFRと
いう)が10.0g/10分〜40.0g/10分、好
ましくは10.0g/10分〜30.0g/10分の範
囲であり、密度が0.960g/cm3以上、好ましく
は0.962g/cm3以上のものである。上記の物性
を有する高密度ポリエチレン樹脂(以下、HDPEとい
う)としては、HDPE単独の外、エチレンを主成分と
し、これとプロピレン、ブテン等の低級α−オレフィン
との共重合体あるいはこれらの混合物等が擧げられる。
【0013】HDPEのMFRが10.0g/10分よ
り低い場合は、基紙と樹脂層との接着性、成形加工性等
が劣化し、40.0g/10分より高いと樹脂の混合
性、成形加工性等が悪くなる。また、密度が0.960
g/cm3より低い場合は、裁断性等の二次加工性が悪
化し好ましい結果が得られない。樹脂のMFR及び密度
が上記の範囲であれば、各種のMFR、密度、分子量、
分子量分布のものを単独で又は混合して使用することが
できる。
【0014】一方、樹脂層に用いられる低密度ポリエチ
レン樹脂もしくは中密度ポリエチレン樹脂(以下、LD
PEという)は、そのMFRが0.2g/10分〜2g
/10分、好ましくは0.2g/10分以上1.0g/
10分未満の範囲であり、密度が0.935g/cm3
以下、好ましくは0.930g/cm3以下であり、分
子量50万以上の割合が10重量%以上、好ましくは1
2重量%以上であり、臨界剪断速度が0.5(1/秒)以
下、好ましくは0.4(1/秒)以下のものである。
【0015】LDPEのMFRが0.2g/10分より
も低いと、樹脂の混合性、基紙と樹脂層との接着性、成
形加工性等が悪化し、2g/10分より高いと成形加工
性が悪くなる。また、密度が0.935g/cm3より
高いと基紙と樹脂層との接着性、成形加工性等が悪くな
り好ましい結果が得られない。また、樹脂の分子量50
万以上の割合が10重量%より少ないと成形加工性、特
にネックインが大きくなり好ましくない。ここで、分子
量の測定は、ウォ−タ−ズ社製150−C(カラム:東
ソ−社製GMH−XL HT 8mmφ×30cm×3
本、溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン、温度:135
℃、流量:1ml/分)を用いるGPC法により行なっ
た。
【0016】また、LDPEの臨界剪断速度は0.5
(1/秒)以下であることが必要であり、これより大きい
と成形加工性、樹脂層のゲル発生等の問題が生じる。図
1は、剪断応力及び第一法線応力差と、剪断速度との関
係を表わす図表であり、図1における縦軸は剪断応力及
び第一法線応力差を示し、横軸は剪断速度を示す。ま
た、図1中の線aは剪断応力を示し、線bは第一法線応
力差を示す。
【0017】本発明における臨界剪断速度の測定は、コ
−ン・プレ−ト型回転式粘度計(レオメトリック社製 レ
オメトリックメカニカルスペクトロメ−タ−、コ−ン・
プレ−ト直径:25mm、角度:0.1rad、温度2
40℃)を用いて行ない、図1において、剪断応力と第
一法線応力差が等しくなる点(線aと線bとの交差点)に
おける剪断速度である。剪断応力及び第一法線応力は次
式より求められる。 剪断応力=(粘度)×(臨界剪断速度) 第一法線応力=(第一法線応力差係数)×(臨界剪断速度)
2
【0018】本発明の樹脂被覆紙における樹脂層として
は、90重量部〜65重量部の前記物性を有するHDP
Eと、10重量部〜35重量部の前記物性を有するLD
PEとを、予め溶融混合して調製したポリエチレン系樹
脂組成物からなるコンパウンド樹脂が用いられる。そし
て、その臨界剪断速度が10(1/秒)以下であることが
必要であり、特に8(1/秒)以下のものが好適である。
臨界剪断速度が10(1/秒)より大きいとゲルが生成し
易く好ましくない。
【0019】本発明によるゲル生成の抑制は、溶融押出
被覆時の高い樹脂温度下における樹脂の粘弾性的性質に
起因するものと考えられ、上記10(1/秒)以下の臨界
剪断速度で樹脂の性質が粘性的から弾性的になることに
よって、ゲル化の機会減少、ゲルの粉砕及び混練等によ
りゲルの抑制が発現されるものと思われる。
【0020】上記割合のHDPEとLDPEを溶融混合
する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等
を用いることができる。例えば、バンバリ−ミキサ−、
加圧ニ−ダ−、加熱ロ−ル練り機、押出機、二軸押出機
等が使用される。なお、HDPEとLDPEを予め溶融
混合することなく、乾燥混合のままの状態で溶融被覆用
押出機を用いて押出被覆した場合には、基紙と樹脂層と
の接着性、樹脂の混合性、成形加工性等が悪くなる。
【0021】樹脂層に用いるポリエチレン系樹脂組成物
には、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線防止
剤、熱安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、滑
剤、核剤、着色剤等の各種添加剤を適宜加えることがで
きる。これらの添加剤は、使用するHDPE又はLLD
PEに予め加えるか、溶融混合時に加えるか、あるいは
これらの樹脂に高濃度に添加した所謂マスタ−バッチを
予め調製し、このマスタ−バッチを溶融押出被覆時に該
樹脂に添加してもよい。
【0022】本発明に使用される基紙としては、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パルプと
合成繊維とからなる混抄紙、合成パルプ、合成繊維、あ
るいは合成樹脂フィルムからなる合成紙の何れでもよ
い。また、基紙には、サイズ剤、紙力増強剤、填料、定
着剤,pH調整剤、着色剤、蛍光増白剤等の各種の添加
剤を含有させることができる。
【0023】本発明の樹脂被覆紙を製造するには、走行
する基紙上に上記ポリエチレン系樹脂組成物を溶融押出
機を用い、そのスリットダイからフィルム状に流延して
被覆する、いわゆる溶融押出し被覆法が採用される。溶
融押出温度は、通常280℃ないし340℃であるのが
好ましく、また、ポリエチレン系樹脂組成物を基紙に被
覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理等の活性
化処理を施すことが好ましい。樹脂層の厚みとして特に
制限はないが、5ミクロンないし50ミクロン程度の厚
さに塗布したものが一般的である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の
実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 MFR15.0g/10分、密度0.967g/cm3
のHDPE(後記する表1のA)71重量部と、MFR
0.6g/10分、密度0.924g/cm3、分子量
50万の割合が15重量%以上、臨界剪断速度が0.0
6(1/秒)のLDPE(表1のe)29重量部とを予め溶
融混合し、これを樹脂温度320℃で押出機より坪量1
70g/m2の平滑性の高い紙に厚さ25μmとなるよ
う押出塗工して作製した。
【0026】樹脂の溶融押出被覆時の成形加工性の評価
方法としては、樹脂被覆部分の横方向の長さを測定して
ネックインの程度を評価すると共に、溶融樹脂膜のスジ
の発生の程度、ドロ−ダウン性の程度による膜切れ発生
の有無、サ−ジング又はドロ−レゾナンスによる流動の
不安定性等の成形加工性について総合的に評価した。評
価基準としては、○:良好、△:やや悪いが実用上問題
がない程度、×:悪く実用上問題がある程度、を表わ
す。
【0027】樹脂被覆紙の基紙と樹脂層との接着性の評
価方法としては、試料を基紙層と樹脂層とに剥離し、剥
離した樹脂層に付着した基紙層の面積率を測定すること
により、基紙と樹脂層との接着性を評価した。評価基準
としては、○:面積率が100%で良好、△:面積率が
100%未満で80%以上であり、接着性がやや悪いが
実用上問題がない程度、×:面積率が80%未満であ
り、接着性が悪く実用上問題がある程度、を表わす。
【0028】樹脂の溶融押出時のゲルの評価方法として
は、設定温度320℃、1時間あたり2.5kgとなる
条件下で8時間フィルム状に押出した後の0.01m2
のフィルム中における0.1mm以上のゲルの個数を測
定し、初期の値と比較することによりゲルを評価した。
評価基準としては、○:8時間後のゲルの個数が初期値
と変わらない、×:8時間後のゲルの個数が初期値より
増加した程度、を表わす。
【0029】樹脂被覆紙の二次加工性の評価方法として
は、試料を市販のギロチンカッタ−で裁断した切り口の
状態の毛羽立ちの程度による裁断性の評価、樹脂被覆紙
の樹脂層面を相互に重ね擦り合わせた場合の樹脂層表面
の傷の程度による耐摩擦性、樹脂被覆紙の腰等の二次加
工性について総合的に評価した。評価基準としては、
○:良好、△:やや悪いが実用上問題がない程度、×:
悪く実用上問題がある程度、を表わす。本実施例に用い
たHDPE及びLDPEの物性を表1に示し、また、得
られた樹脂被覆紙につき上記評価方法により得られた評
価結果を表2に示す。
【0030】実施例2〜9 実施例1で使用したHDPEとLDPEの組合せの代り
に、夫々表1に示すHDPEとLDPEを組合せた種々
の樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして樹脂被覆紙
を得た。それらにつき上記評価方法による評価結果を表
2に示す。
【0031】比較例1〜9 比較例1〜8では、実施例1で使用したHDPEとLD
PEの組合せの代りに、夫々表1に示すHDPEとLD
PEを組合せた種々の樹脂組成物を用いた以外は、実施
例1と同様にして樹脂被覆紙を得た。それらにつき上記
評価方法による評価結果を表3に示す。また、比較例9
では、実施例1と同一の種類及び組成のHDPE及びL
DPEの樹脂組成物を使用し、これを溶融混合すること
なく、そのまま乾燥混合したもの用いた以外は、実施例
1と同様にして樹脂被覆紙を得た。その上記評価方法に
よる評価結果を表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表2の結果から、本発明に規定する物性の
HDPE90重量部〜65重量部と、LDPE10重量
部〜35重量部を配合した樹脂組成物で、かつその臨界
剪断速度が10(1/秒)以下の樹脂層を有する樹脂被覆
紙(実施例1〜9)は、成形加工性及び接着性が良好であ
り、かつゲルが少なく優れた品質のものであることが理
解される。
【0036】一方、表3の結果から、本発明の要件を具
備しない場合、例えば、HDPEの含有量が90重量部
より多い場合(比較例1〜2)には、成形加工性、接着性
が悪くゲルも多い。HDPEの含有量が65重量部より
少ない場合(比較例3)には二次成形加工性が劣り、ま
た、LDPEの臨界剪断速度が0.5(1/秒)より大き
い場合(比較例4〜7)にはゲルが多く、LDPE中の分
子量50万以上の割合が10重量%より少ない場合(比
較例5〜8)には成形加工性が不良である。
【0037】更に、HDPEとLDPEとの樹脂組成物
の臨界剪断速度が10.0(1/秒)より大きい場合(比
較例1、2及び4〜7)にはゲルが多い。また、HDP
EとLDPEの組成物を溶融混合せずに、そのまま乾燥
混合した場合(比較例9)には成形加工性が悪く好ましい
結果が得られない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂層の成形加工性が
良好で、樹脂層と基紙との接着性に優れ、ゲルの少ない
ポリエチレン系樹脂被覆紙が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】剪断応力及び第一法線応力差と剪断速度との関
係を表わす図表であり、縦軸は剪断応力及び第一法線応
力差を示し、横軸は剪断速度を示す。
【符号の説明】
a 剪断応力 b 第一法線応力差
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明における臨界剪断速度の測定は、コ
−ン・プレ−ト型回転式粘度計(レオメトリック社製 レ
オメトリックメカニカルスペクトロメ−タ−、コ−ン・
プレ−ト直径:25mm、角度:0.1rad、温度2
40℃)を用いて行ない、図1において、剪断応力と第
一法線応力差が等しくなる点(線aと線bとの交差点)に
おける剪断速度である。剪断応力及び第一法線応力
次式で表わされる。 剪断応力=(粘度)×(剪断速度) 第一法線応力=(第一法線応力差係数)×(剪断速度)2
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明によるゲル生成の抑制は、溶融押出
被覆時の高い樹脂温度下における樹脂の粘弾性的性質に
起因するものと考えられ、臨界剪断速度で樹脂の性質が
粘性的から弾性的になることによって、ゲル化の機会減
少、ゲルの粉砕及び混練等によりゲルの抑制が発現され
るものと思われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例1 MFR15.0g/10分、密度0.967g/cm3
のHDPE(後記する表1のA)70重量部と、MFR
0.6g/10分、密度0.924g/cm3、分子量
50万の割合が15重量%以上、臨界剪断速度が0.0
6(1/秒)のLDPE(表1のe)30重量部とを予め溶
融混合し、これを樹脂温度320℃で押出機より坪量1
70g/m2の平滑性の高い紙に厚さ25μmとなるよ
う押出塗工して作製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池谷 暢重 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内 (72)発明者 世利 卓也 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内 (72)発明者 新田 晃平 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体の片面にポリエチレン系樹脂を主
    成分とする樹脂組成物からなる樹脂層を有する樹脂被覆
    紙において、樹脂層が、メルトフロ−レ−トが10.0
    g/10分〜40.0g/10分、密度が0.960g
    /cm3以上である高密度ポリエチレン樹脂90重量部
    〜65重量部と、メルトフロ−レ−トが0.2g/10
    分〜2g/10分、密度が0.935g/cm3以下、
    分子量50万以上の割合が10重量%以上、臨界剪断速
    度が0.5(1/秒)以下である低密度ポリエチレン樹
    脂もしくは中密度ポリエチレン樹脂10重量部〜35重
    量部とを溶融混合したポリエチレン系樹脂組成物からな
    り、かつ該溶融混合した樹脂組成物の臨界剪断速度が1
    0(1/秒)以下であることを特徴とする樹脂被覆紙。
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