JP3017943B2 - 樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物 - Google Patents

樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出ラミネート成
形法により紙基材の片面または両面を樹脂層で被覆する
ためのポリエチレン組成物に関する。更に詳しくは、樹
脂層の成形加工性が良好で、特に、樹脂層の防湿性及び
紙基材と樹脂層との接着性に優れた樹脂被覆紙用ポリエ
チレン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、板紙、セロハン等の紙基材(以下、
紙基材という)の片面または両面に押出ラミネート成形
が可能な樹脂を被覆することは一般的に行われており、
これらを用いた食品包装材料、防湿紙、剥離紙、写真印
画紙等の樹脂被覆紙はよく知られている。
【0003】これらの樹脂被覆紙において、特に防湿性
や耐熱性、樹脂膜表面の平滑性が要求される場合には、
樹脂層に融点の高い高密度ポリエチレンを使用すること
が多く、密度が高い程、防湿性や耐熱性が向上すること
はよく知られている。しかしながら、樹脂の密度を高く
すると、樹脂被覆紙を製造する際のラミネート加工にお
いて、樹脂膜の厚み変動や膜切れ、過大なネックイン、
紙基材との接着不良などの問題が生ずる。特に、紙基材
との接着性が不足する場合には、二次加工において剥離
の問題が生じるのみでなく、防湿性や、耐熱性にも悪影
響を与える。
【0004】これら問題のうち、ネックインやドローダ
ウン性などの加工性の改良については、高圧法低密度ポ
リエチレンとの混合により対処する方法があり、例え
ば、特開平06−190983号公報には、高密度ポリ
エチレンと低密度ポリエチレンとの混合物において、使
用する高密度ポリエチレンは、特定の密度、MFRを満
足すれば各種の物性のものを混合して使用できるとの記
載がある。
【0005】しかしながら、紙基材との満足される接着
性を得るためには、単に高密度ポリエチレンと高圧法低
密度ポリエチレンとの溶融混合のみでは十分でなく、更
なる改良が望まれる。また、樹脂被覆紙用ポリエチレン
組成物の紙基材へのラミネート加工は、生産性を上げる
ために、通常、150m/分以上の走行速度で行われる
が、このような高速加工時には、特に樹脂と紙基材との
接着が不足して品質の低下が顕著に認められるようにな
る場合がある。
【0006】更に、紙基材との接着を高めるためには、
ラミネート加工時の温度を上げ、樹脂膜の酸化度を上げ
ることが有効な方法であるが、適当な酸化度を得るため
の適正温度である320℃以上の温度では、長期の連続
運転による溶融樹脂の流動変化や、ポリエチレンのラジ
カル連鎖反応等により、樹脂膜中にゲル状の欠点が現れ
ることがある。
【0007】特に、高密度ポリエチレンのような、金属
触媒を用いて製造する樹脂においては、触媒残渣が熱酸
化を助長するために、ラミネート成形のような高温加工
においては、溶融樹脂膜中にゲルが非常に発生しやすく
なる。このゲルは、食品包装材や写真印画紙等では被覆
紙表面の突起物となって外観を損なうばかりでなく、印
刷不良や接着不足による剥離等を生じる原因となる場合
がある。
【0008】また、剥離紙では樹脂層上へのシリコン離
型剤塗布工程において、不均一な塗布部分が生じ、品質
不良を招く場合がある。以上のように、従来、高密度タ
イプの樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物は、製品の防湿
性や耐熱性を保ちながら、良好な成形加工性を有し、か
つ、紙基材との十分な接着性が得られる組成物を提供す
ることは実際上困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエチレ
ン系樹脂被覆紙において、樹脂層の成形加工性が良好で
あり、高速加工においても紙基材との十分な接着が得ら
れ、高い防湿性、耐熱性を有する樹脂被覆紙を製造する
ためのポリエチレン系樹脂を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエチ
レン系樹脂を樹脂層とする樹脂被覆紙において、特定の
相関関係を有する2成分以上の高密度ポリエチレンと、
特定の物性を有する高圧法低密度ポリエチレンとの樹脂
混合物が、上記の目的に適合し得ることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、メルトフローレート
が異なる2成分以上の高密度ポリエチレンと高圧法低密
度ポリエチレンとからなる組成物において、上記高密度
ポリエチレンが下記の(1)式で表される分子量分布指
数(r)1.2〜4を満足するもの65〜95重量部で
あり、上記高圧法低密度ポリエチレンがメルトフローレ
ート0.2〜10g/10分、密度0.93g/cm3
以下、溶融弾性指数5〜15gのもの35〜5重量部で
あり、かつ、上記組成物のメルトフローレートが8g/
10分以上、溶融弾性指数が1.2g以上、密度が0.
95g/cm3以上であり、さらに脂肪酸金属塩が50
0ppm以下配合されていることを特徴とする樹脂被覆
紙用ポリエチレン組成物、である。
【0012】
【数2】
【0013】ここで、(1)式におけるMFRA 及びM
FRZ は、2成分以上の高密度ポリエチレンのうち、最
小及び最大のメルトフローレート(以下、MFRと表記
する)であり、MFRA <MFRZ を満足するものであ
る。また、溶融弾性指数とは、室温23℃、湿度50%
の室内にて、MFR測定と同一の温度、荷重で押出され
た溶融樹脂のストランドを、8m/分の速度で引取る時
の引取張力のことをいう。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物に用いられる高密度ポ
リエチレンは、少なくとも2成分以上のMFRの異なる
樹脂であることが必要であり、(1)式で表される分子
量分布指数rが1.2〜4、好ましくは1.4〜3.5
を満足するものである。
【0015】
【数3】
【0016】上記の物性を有する高密度ポリエチレンと
しては、エチレンの単独重合体の他、エチレンを主成分
としたα−オレフィンとの共重合体あるいはこれらの混
合物が挙げられる。本発明に使用する高密度ポリエチレ
ンは、MFRの異なる2成分以上であることが必要であ
り、1成分のみでは紙基材との十分な接着力が得られな
い。
【0017】更に、使用する2成分以上の高密度ポリエ
チレンは、(1)式で表される分子量分布指数rが特定
の範囲にあることが必要であり、この値が1.2以下に
なる場合、紙基材との十分な接着力が得られない。ま
た、この値が4.0以上になる場合、接着力は得られる
ものの、溶融混合においても未溶融の高分子量成分が残
存し、製品の外観を悪化させるばかりでなく、印刷欠点
や印画紙における乳剤の不均一塗布、及び剥離紙におけ
るシリコンの不均一塗布等の製品品質への悪影響も生じ
る。
【0018】本発明に使用する高密度ポリエチレンは、
分子量分布指数が上記の範囲であれば、別々に製造され
た樹脂の混合物であっても、また、多段階重合により製
造された2成分以上の混合物であってもよい。また、2
成分以上の高密度ポリエチレンの混合比は自由に選択す
ることが可能であるが、高密度ポリエチレン全体量に対
する各成分の配合量をそれぞれ10重量%以上とするこ
とが好ましい。
【0019】本発明に使用する高密度ポリエチレンは、
分子量分布指数以外の各成分のMFR、密度等の物性に
ついては特に規定されないが、好ましくは、MFRが
0.2g/10分以上、100g/10分以下、密度が
0.96g/cm3 以上であり、更に好ましくは、MF
Rが0.5以上、85g/10分以下、密度が0.96
3g/cm3 以上である。
【0020】MFRが0.2g/10分未満や、100
g/10分を越えるような場合、低密度ポリエチレンと
の混合が不均一になり、ラミネート加工時にゲルが発生
したり、流れムラによる高速加工性の低下をきたす場合
がある。また、密度が0.96g/cm3 未満の場合、
ラミネート加工後の製品の耐熱性が低下する場合があ
る。
【0021】一方、高圧法低密度ポリエチレンは、MF
Rが0.2〜10g/10分、好ましくは0.5〜8g
/10分の範囲にあり、密度が0.93g/cm3 以下
であり、溶融弾性指数が5g以上15g以下の物性が必
要である。高圧法低密度ポリエチレンのMFRが0.2
g/10分よりも低い場合、高密度ポリエチレンとの混
合時あるいはラミネート加工時に樹脂膜中にゲルが発生
し、製品に欠点が生じるため好ましくない。MFRが1
0g/10分以上の場合、ネックインやドローダウン性
といった加工特性が悪化するため好ましくない。また、
密度が0.93g/cm3 を越える場合、紙基材との接
着性が悪化するとともに、加工性も悪化するため好まし
くない。
【0022】更に、溶融弾性指数が5g未満の場合、ネ
ックインの改良効果が認められず、十分な高速加工性も
得られず好ましくない。溶融弾性指数が15g以上にな
る場合、ネックインは大幅に改良されるが、ドローダウ
ン性が不足気味になり、薄膜の製品を製造する際には高
速加工性に劣る問題があるため好ましくない。本発明の
樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物は、溶融後の物性が、
MFRが8g/分以上、密度が0.95g/cm3 以上
であり、溶融弾性指数が1.2g以上好ましくは1.4
g以上であり、更に脂肪酸金属塩の配合量が500pp
m以下のものである。
【0023】本発明における樹脂被服紙用ポリエチレン
組成物は、MFRが8g/10分未満である場合、ある
いは、密度が0.95g/cm3 未満である場合は、裁
断不良等の二次加工性に劣る現象が認められる場合があ
るとともに、特に密度が低くなった場合は、防湿性や耐
熱性等の物性が低下するため好ましくない。また、溶融
弾性指数が1.2g未満の場合、ネックインの改良効果
が認められず、高速加工性の大幅な低下をきたすため好
ましくない。
【0024】更に、高密度ポリエチレンを使用する組成
物の場合、触媒残渣に含まれる遊離クロルを捕捉する目
的、及び離型剤として脂肪酸金属塩を配合するのが一般
的であるが、配合量が500ppmを越える場合は紙基
材との接着性が悪化する。これらの問題点から、配合さ
れてる脂肪酸金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム
の量は500ppm以下であることが必要である。
【0025】本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物
は、前述の物性を示す65〜95重量部の2成分以上の
高密度ポリエチレンと、前述の物性を有する35〜5重
量部の高圧法低密度ポリエチレンとを予め混合したコン
パウンド樹脂である。2成分以上からなる高密度ポリエ
チレンの総計の割合が65重量部より少なくなる場合、
混合後の組成物の密度が低くなり、防湿性や、耐熱性と
いった製品物性が低下するとともに、裁断性といった二
次加工性も悪化し、好ましくない。逆に、高密度ポリエ
チレンの総計の割合が95重量部よりも多くなると、加
工性が悪化するのみでなく、紙基材との接着力も低下
し、好ましくない。
【0026】本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物
は、MFRの異なる2成分以上の構成成分の高密度ポリ
エチレンのうち、低分子量成分で紙基材への接着効果、
高分子量成分で紙基材へのアンカー効果が得られるもの
である。本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物は、
良好な一次、二次加工性と、高い製品物性を発現する
が、その理由は厳密にコントロールされた各原料の一次
構造と、樹脂の粘弾性的性質によるものであると考えら
れる。すなわち、混合後の溶融弾性指数が1.2g以上
の場合にのみ良好な加工性が達成され、使用する高密度
ポリエチレンには2成分以上のものを使用して各成分の
相関関係が特定の範囲にある場合にのみ良好な接着性が
達成でき、並びに、高密度化により高い防湿性能、耐熱
性能が達成されるものであると考えられる。
【0027】上記、高密度ポリエチレン65〜95重量
部と高圧法低密度ポリエチレン35〜5重量部とは、溶
融混合されている組成物であることが好ましい。溶融混
合の方法としては、一般的に行われている種々のものが
使用でき、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、加圧ニーダー、加熱ロール練り機等が挙げ
られる。
【0028】なお、本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン
組成物は、各成分が予め溶融混合されることなく、ドラ
イブレンドの状態でラミネート加工される場合には、混
合不足による加工性の悪化や接着性の低下、ゲルの発生
等が認められる場合がある。本発明の樹脂被覆紙用ポリ
エチレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で
各種の添加剤を混合することが可能であり、例えば、紫
外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、核
剤、着色剤等の添加剤を混合することは差し支えない。
これらの添加剤は、高密度ポリエチレン及び高圧法低密
度ポリエチレンの製造時に予め混合するか、両者の混合
時に添加するか、あるいは、加工時にいわゆるマスター
バッチの方式で添加することも可能である。
【0029】本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物
は、押出ラミネート加工法により、予め準備された紙基
材の上に、押出機に連結されたスリットダイからフィル
ム状にされ、溶融被覆される。溶融樹脂の温度は通常2
70〜340℃とするのが好ましい。本発明の樹脂被覆
紙用ポリエチレン組成物は、接着性の点から、紙基材上
に被覆される前に、紙基材にコロナ放電処理、フレーム
処理等による活性化処理が施されていることが好まし
く、また、溶融樹脂膜の紙基材との接着面にオゾン処理
等による酸化処理が施されていることも有効である。樹
脂膜の厚みとしては、特に限定はないが、5ミクロンか
ら60ミクロン程度に塗布するが一般的である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって
本発明を更に詳細に説明する。評価方法は次の通り。 (1)樹脂の溶融被覆加工時の一次加工性 高速加工性の目安としてサージングが発生する速度を測
定し、ネックインは被覆部分の横方向の長さを測定して
評価した。
【0031】高速加工性の評価基準は、◎:200m/
分以上の加工が可能、○:160m/分以上、△:12
0m/分以上、×:120m/分未満、として4段階に
分けて表した。また、ネックインの評価基準は、両側ネ
ックインの合計値が、加工の設定幅に対して、◎:10
%以内、○:15%以内、△:25%以内、×:25%
を越える、として4段階に表した。 (2)樹脂被覆紙の二次加工性 加工速度60m/分、樹脂層の厚みが20ミクロンにな
るように加工条件を設定し、被覆紙の耳部をトリミング
装置により裁断した際の樹脂層の裁断状況から判定を行
った。
【0032】評価基準は、◎:裁断クズがなく完全に樹
脂層が切断されている、○:裁断部分で樹脂層が引き延
ばされた部分が認められるが実用上は問題がない程度、
△:裁断部分に樹脂が延ばされた跡が認められるが裁断
されてない部分は存在しない状態、×:樹脂層が裁断さ
れてない部分がある、として評価した。 (3)紙基材との接着性 被覆紙の紙側から圧縮空気をあてるボンドテスター法に
より行った。
【0033】評価基準は、60m/分の加工速度で20
ミクロンの樹脂膜を被覆した樹脂被覆紙に3.5kg/
cm2 の圧縮空気をあてた場合の樹脂層の紙からの剥離
状態で評価し、◎:剥離部分の面積が0%、○:剥離部
分の面積が5%未満、△:剥離部分の面積が20%未
満、×:剥離部分の面積が20%以上として表した。 (4)ゲル 溶融樹脂膜1600cm2 中の0.1mm以上の大きさ
のゲルの個数で評価した。評価基準は、◎:5個未満、
○:10個未満、△:30個未満、×:30個以上とし
て表した。 (5)耐熱性 60m/分の加工速度で20ミクロンの樹脂膜を被覆し
た樹脂被覆紙を20cm四方に切り出し、このサンプル
を130℃のオーブン中に60秒間放置した後のピンホ
ール数で行った。基準は、◎:2個以下、○:5個以
下、△:10個以下、×:11個以上として表した。な
お、ピンホールの検出は、ズダンIIIをn−ヘキサン
に溶解させた染色液を使用して行った。 (6)総合判定 上記(1)〜(5)の中の評価の最低のランクを総合判
定のランクとした。
【0034】
【実施例1】予めステアリン酸カルシウム250ppm
が配合された、MFR30g/10分、密度0.971
g/cm3 の高密度ポリエチレン(後記する表1のA)
60重量部と、予めステアリン酸カルシウム250pp
mが配合された、MFR5.0g/10分、密度0.9
69g/cm3 の高密度ポリエチレン(後記する表1の
D)20重量部、MFR2.0g/10分、密度0.9
18g/cm3 、溶融弾性指数8.0gの高圧法低密度
ポリエチレン(後記する表1のa)20重量部を単軸押
出機にて溶融混合し、この組成物を315℃の樹脂温度
でラミネート加工した。この際、紙基材には坪量75g
/m2 のクラフト紙を使用し、樹脂層の厚みが5〜30
ミクロンになるように加工した。
【0035】本実施例に使用した高密度ポリエチレン及
び高圧法低密度ポリエチレンの物性を表1に示した。ま
た、本実施例に使用した高密度ポリエチレンと高圧法低
密度ポリエチレンとの組み合わせ及び、溶融混合後の組
成物の物性を表2に示し、これらの樹脂を使用して評価
した加工性及び製品物性の結果を表3に示した。
【0036】
【実施例2〜6】実施例1で使用した高密度ポリエチレ
ンと高圧法低密度ポリエチレンの組合せの代わりに、そ
れぞれ表2に示した組合せの組成物を使用して、実施例
1と同様に樹脂被覆紙を製造し、その際の加工性及び製
品物性等を評価した。ただし、実施例3については、溶
融混合後のステアリン酸カルシウムの配合量が400p
pmとなるように、単軸押出機での混合時に追加添加し
た。また、実施例6では、同様に溶融混合後のステアリ
ン酸カルシウムの配合量が300ppmとなるように追
加添加したものである。それぞれの評価結果を表3に示
す。
【0037】表3の結果から、本発明の、2成分以上の
高密度ポリエチレン65〜95重量部と高圧法低密度ポ
リエチレン35〜5重量部とを配合した樹脂組成物で、
かつ溶融混合後の密度が0.950g/cm3 以上、M
FRが8.0g/10分以上、溶融弾性指数が1.2g
以上、ステアリン酸カルシウムの配合量が500ppm
以下であるポリエチレン樹脂組成物は、ラミネート加工
性が非常に良好であり、紙基材との接着も優れ、また、
樹脂被覆紙としての製品物性も優れた品質のものであ
る。
【0038】
【比較例1〜8】実施例1で使用した高密度ポリエチレ
ン及び高圧法低密度ポリエチレンの組み合わせの代わり
に、それぞれ表4に示す種々の組み合わせの組成物とし
た以外は、実施例1と同様にして加工性、製品物性等を
評価した。ただし、比較例7については、溶融混合後の
ステアリン酸カルシウムの配合量が700ppmとなる
ように、溶融混合時に追加添加したものである。その評
価結果を表5に示す。
【0039】表5の結果から、本発明の要件を満たさな
い比較例1〜8は、ラミネート加工の一次加工性、樹脂
被覆紙の製品物性のいづれかに良好な結果は得られな
い。たとえば、2成分以上の高密度ポリエチレンの分子
量分布指数rが1.2を下回る場合(比較例1)あるい
は、分子量分布指数rが4を越える場合(比較例4)に
は、紙基材との接着性が極端に悪化する。また、溶融混
合後の樹脂密度が0.950g/cm3 未満の場合(比
較例2、5)、裁断性等の二次加工性及び耐熱性が悪化
する。更に、低密度ポリエチレンのMFRが0.2g/
10分未満の場合(比較例8)はゲルが発生して製品の
品質を悪化させる他、溶融混合後の溶融弾性指数が1.
2g未満になる場合(比較例3、6)は加工性が悪化す
る。配合されるステアリン酸カルシウムの量が500p
pmを越える場合(比較例7)にも接着性が悪化する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆紙用ポリエチレン組成
物は、紙基材への樹脂被覆加工において、従来のものに
較べて、成形加工性が良好で樹脂膜と紙基材との接着が
非常に良好であり、防湿性、耐熱性に優れたポリエチレ
ン系樹脂被覆紙を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 5/00 - 5/59 C08J 5/00 - 5/24 B32B 29/00 - 29/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが異なる2成分以上
    の高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとか
    らなる組成物において、上記高密度ポリエチレンが下記
    の(1)式で表される分子量分布指数(r)1.2〜4
    を満足するもの65〜95重量部、上記高圧法低密度ポ
    リエチレンがメルトフローレート0.2〜10g/10
    分、密度0.93g/cm3 以下、溶融弾性指数5〜1
    5gのもの35〜5重量部で、かつ、上記組成物のメル
    トフローレートが8g/10分以上、密度が0.95g
    /cm3 以上、溶融弾性指数が1.2g以上であり、さ
    らに脂肪酸金属塩が500ppm以下配合されているこ
    とを特徴とする樹脂被覆紙用ポリエチレン組成物。 【数1】
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