JPS6137300B2 - - Google Patents
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- JPS6137300B2 JPS6137300B2 JP52070634A JP7063477A JPS6137300B2 JP S6137300 B2 JPS6137300 B2 JP S6137300B2 JP 52070634 A JP52070634 A JP 52070634A JP 7063477 A JP7063477 A JP 7063477A JP S6137300 B2 JPS6137300 B2 JP S6137300B2
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
本発明は、フイルム、シート、紙、PPクロス
などの薄膜状表面に結晶性ポリプロピレン系樹脂
を主成分とする樹脂組成物を押出被覆して得られ
た製品の膜接着強度およびヒートシール強度の良
好な押出被覆用樹脂組成物を提供することを目的
としたもので、さらに詳しく説明すれば、 結晶性ポリプロピレン系樹脂ａ重量％および結
晶性ポリプロピレン系樹脂以外の１種あるいは２
種以上の熱可塑性樹脂ｂ重量％からなる樹脂組成
物にジベンジリデンソルビトールを添加してなる
組成物からなり、ａとｂの混合割合がａ＞ｂ≧３
であり、かつジベンジリデンソルビトールの添加
量Ｃ（重量部）がａ＋b100重量部に対し、１／
√≧Ｃ≧0.02の範囲から成ることを特徴とする
膜接着性およびヒートシール性の優れた押出被覆
用樹脂組成物に関するものである。 ポリプロピレン系樹脂は、防湿性、耐ガス透過
性、耐油性、耐熱性、腰の強さ、ヒートシール強
度、ホツトタツク性等の諸性質がポリエチレン系
樹脂に比較して優れているにもかかわらず、フイ
ルム、シート、紙およびその他の薄物基材に直接
押出被覆して使用するということがあまり発展を
みない理由の一つには、ポリプロピレン系樹脂は
低密度ポリエチレン等に比較してネツクインが大
きいことあるいは高速で押出被覆加工した際、サ
ージング現象（被覆樹脂の引取り方向に発生する
規制的な厚み厚薄現象あるいはダイスの平行方向
に伸縮するエツヂの不安定化現象）が発生し高速
加工性が著しく劣る等、これら加工性の欠点とな
ることが大きかつた。しかし、この加工性の欠点
はポリプロピレン系樹脂にポリエチレンあるいは
ポリエチレンと無定形のエチレン−α−オレフイ
ン共重合体等を適量添加することにより、ポリプ
ロピレン系樹脂単独の場合に比較してかなり改良
されるようになつたことは事実であり、特公昭45
−33298、特公昭47−30614、特開昭50−26886お
よび特開昭50−8848にもそれらに関する記載があ
る。そしてさらに加工性だけでなく低温ヒートシ
ール性についても、かなりの改良がされることも
事実であるが、しかしながら、ポリプロピレン系
樹脂のネツクイン高速加工性あるいは低温ヒート
シール性等を改良するためにこれらポリプロピレ
ン系樹脂以外の樹脂を改良剤として添加した結
果、ポリプロピレン系樹脂本来の優れた諸特性が
著しく低下するという問題が生ずる結果となり、
特にポリプロピレン押出被覆加工においてその最
も大きな特徴であり利点とされるポリプロピレン
二軸延伸フイルム、PPシート、PPクロス等ポリ
プロピレンを主成分とする基材あるいは紙等へ、
臭気、食品衛生面上あまり好ましくない接着剤あ
るいはアンカーコート剤を使用せずにポリプロピ
レン同志の熱融着による接着を利用しているにも
拘わらず、その熱融着性が低下し、膜接着強度が
大幅に低下する。さらに又、高温でのヒートシー
ル強度が改良剤の添加量が増えるに従い大幅に低
下する。 結局、現状では押出被覆加工用樹脂として必要
不可欠である加工性の改良をするためポリプロピ
レン系樹脂以外の樹脂を改良剤として用いた結
果、ポリプロピレン系樹脂の有する優れた諸性質
を犠性にして使用しているのが現状である。 本発明者等は、この現状の問題点を打開すべく
結晶性ポリプロピレン系樹脂を主成分とする押出
被覆用樹脂組成物において、高速加工性、ネツク
インが良好で、かつポリプロピレン系樹脂本来の
優れた特性を有する押出被覆用樹脂組成物を確立
すべく鋭意検討した結果、結晶性ポリプロピレン
系樹脂ａ重量％および結晶性ポリプロピレン系樹
脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性樹脂ｂ
重量％からなる樹脂組成物にジベンジリデンソル
ビトールを添加してなる組成物からなり、ａとｂ
の混合割合が、ａ＞ｂ≧３であり、かつジベンジ
リデンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）がａ＋
b100重量部に対し、１／√≧Ｃ≧0.02重量部の
範囲の組成物を使用することにより、膜接着強度
およびヒートシール強度が著しく改良されること
を見い出し本発明に到達したものである。 結晶性ポリプロピレン系樹脂および結晶性ポリ
プロピレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の混合割合
がｂ≧ａである場合は、ポリプロピレン系樹脂本
来の持つ特性が大きく失なわれ、又ｂ＜３の場合
においては押出被覆加工時において高速加工性お
よびネツクインが不良であり好ましくない。即ち
本発明の主旨は、あくまでも押出被覆加工性が良
好でかつ、結晶性ポリプロピレン系樹脂の諸特性
を生かしながら押出被覆加工の利点である膜接着
性の改良を目的としたものであり、ジベンジリデ
ンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）は、ａ＋
b100重量部に対し１／√≧Ｃ≧0.02が好まし
い。Ｃ＜0.02の場合は膜接着強度およびヒートシ
ール強度改良効果が認められず、又Ｃ＞１／√
の場合は膜接着強度およびヒートシール強度の改
良は認められるが、押出被覆加工時に於てダイス
から押出された溶融フイルムが冷却ロールと圧着
ロールの間を通り基材に圧着される際、冷却ロー
ルへの粘着が著しくバツクロールをおこし、作業
性が低下するばかりか高速での押出被覆加工が非
常に困難となり良好な高速加工が得られない。こ
の現象は、結晶性ポリプロピレン系樹脂以外の熱
可塑性樹脂の混合割合ｂが多くなるに従い著しく
なる傾向があり、ジベンジリデンソルビトールの
添加量Ｃ（重量部）は、Ｃ≦１／√でなければ
ならない。又、製品物性においても、基材が二軸
延伸ポリプロピレンフイルムのような透明基材の
場合には、被覆膜の透明性が著しく悪化し、商品
としての価値を失う結果となる。即ちジベンジリ
デンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）が結晶性
ポリプロピレン系樹脂のａ重量％および該樹脂以
外の熱可塑性樹脂ｂ重量％でａ＋ｂが100重量部
に対し、１／√≧Ｃ≧0.02の場合にのみ加工性
が良好でかつ膜接着強度及びヒートシール強度が
著しく改良された商品価値の高い製品が得られる
ことに特徴がある。 ヒートシール強度改良効果についてもう少し詳
細に説明すれば、従来公知の結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂を主成分とする押出被覆用樹脂組成物を
用いて押出被覆加工して得られた製品の場合、ヒ
ートシール後フイルムの引取加工方向と同方向
（以下MD方向と呼ぶ）に引き裂いた場合とフイ
ルムの引取加工方向と直角方向（以下TD方向と
呼ぶ）に引き裂いた場合のヒートシール強度を比
較した場合、樹脂組成物のメルトフローレート
（MI）が大きいほど、MD方向のヒートシール強
度に比較してTD方向のヒートシール強度が低く
なるという問題点があつたが、ジベンジリデンソ
ルビトール添加量（Ｃ重量部）を１／√≧Ｃ≧
0.02の範囲で使用することにより、MD方向およ
びTD方向のヒートシール強度が向上すると同時
にMD／TDのヒートシール強度比が１に近づき
非常にバランスのとれたヒートシール強度を有す
る製品を得ることができる。 尚、本発明で膜接着強度およびヒートシール強
度改良に著しい効果を有するジベンジリデンソル
ビトールは、一般にはゲル化剤として知られてお
り、又特公昭52−5935および特開昭51−22740に
おいてポリプロピレン樹脂あるいは結晶性プラス
チツク成形品の透明性、収率、改良、射出成形品
等のヒケ防止等に効果が認められるとされてお
り、その理由としてはジベンジリデンソルビトー
ルが結晶性プラスチツクの微細結晶を更に微細に
することにより、結晶性を低下させないことによ
り上記の効果が得られるとされているが、本発明
でジベンジリデンソルビトールを用いた場合、即
ち、結晶性ポリプロピレン系樹脂に加工性改良剤
としての該樹脂以外の熱可塑性樹脂組成物を添加
した組成物にジベンジリデンソルビトールを添加
した押出被覆用樹脂組成物の場合、前述したごと
く、ジベンジリデンソルビトールを添加すると透
明性の改良効果は全くみられず増量すればむしろ
悪化し、ブリード白化さえ引き起こす傾向にあ
り、さらに又該樹脂組成物がダイスから押出され
て溶融状態にある段階で高速で走行している基材
へ、圧着ロール圧力により溶融延伸圧着される際
にポリプロピレン押出被覆の特徴であるポリプロ
ピレン同志の熱融着による接着を阻害する加工性
改良剤を添加したことによる欠点を改良するため
の接着性改良剤として用いることに新規性を見い
出し本発明に至つたものであり結晶性ポリプロピ
レン系樹脂ａ重量％および結晶性ポリプロピレン
系樹脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性樹
脂ｂ重量％で混合割合がａ＞ｂ≧３の場合でか
つ、押出被覆加工時に使用することによつて始め
て押出被覆加工特性が良好でかつ膜接着強度、ヒ
ートシール強度改良に特徴があり、特公昭52−
5935および特開昭51−22740とは使用目的、作用
効果、作用機械等本質的に異なるものであること
は言うまでもない。さらに付け加えるならば、本
発明樹脂組成物を使用することにより膜接着強度
の著しい改良効果の他に、ヒートシール強度の改
良効果が著しいが、これは基材と被覆フイルムと
の接着強度が著しく改良された結果、たとえば基
材／被覆フイルム二層構造より成る複合フイルム
同志をヒートシールした場合、基材／被覆フイル
ム／被覆フイルム／基材の３ケ所の接着面におい
て、従来基材／複合フイルム層で剥離していたも
のが、膜接着強度の向上により剥離しなくなり被
覆フイルム／被覆フイルム面で剥離あるいはヒー
トシールされてない部分とヒートシールされた部
分の境界面で切断するようになつたことによるも
ので結局はジベンジリデンソルビトールが該樹脂
組成物の溶融延伸圧着時において基材への接着性
付与剤として作用しているところに本発明の特徴
があることは言うまでもない。 本発明で用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂と
しては、公知の方法で製造されたプロピレンホモ
ポリマーあるいプロピレンを主体とする結晶性共
重合体を含み、特にプロピレン−エチレン共重合
体についてはエチレン含有量が５重量％以下のも
のが好ましい。又流動率（MFI）は３〜60ｇ／10
分（ASTMD−1238L）の範囲のものが好まし
い。又、加工性改良剤としての作用効果のある結
晶性ポリプロピレン系樹脂以外の１種あるいは２
種以上の熱可塑性樹脂は１種類添加する場合は公
知のごとくポリエチレンが好ましく、２種以上の
場合にはポリエチレンと併用して結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂より軟化温度あるいは融点が低い熱
可塑性樹脂が好ましく、たとえば無定形のエチレ
ン−α−オレフイン共重合体が好ましい。ただ
し、いずれの場合においてもこれら熱可塑性樹脂
は押出被覆加工時における結晶性ポリプロピレン
系樹脂の加工性の欠点を改良する目的を主眼にお
いて添加するものであり、配合割合は前述したご
とく、結晶性ポリプロピレン系樹脂ａ重量％およ
び該樹脂以外の熱可塑性樹脂ｂ重量％とすればａ
＞ｂ≧３であることが好ましく、さらに言えば25
≧ｂ≧３であることが好ましく、又この範囲で加
工性が改良される熱可塑性樹脂組成を用いること
が逆に言えが好ましい。 本発明の押出被覆用樹脂組成物を用いる場合結
晶性ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性
樹脂およびジベンジリデンソルビトールを均一に
ブレンドした後、押出機で溶融混練後ペレツト化
する等通常一般に使用されている公知の方法で同
時にブレンドしてペレツト化されたものを用いて
もよいし、あるいは又ジベンジリデンソルビトー
ル以外の樹脂組成物を先に均一混練後ペレツト化
しておき、押出被覆加工時にジベンジリデンソル
ビトールのマスターバツチペレツトを添加しても
よい。しかしこの場合は、押出被覆加工機内での
均一な分散効果を期待するためには、１〜６重量
％のマスターバツチペレツトを用いることが好ま
しい。 尚、本発明の押出被覆用樹脂組成物を押出被覆
用に使用する場合通常使用されている公知の耐熱
一耐老化、耐光などの目的に用いる安定剤や、滑
剤、帯電防止剤、防曇性を有する添加剤等併用し
ても本発明樹脂組成物に対しては何らその作用効
率が阻害されることはない。 以下、本発明を実施例によつてさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら特定の具体例に限定
されるべきものでないことは言うまでもない。 実施例 １ 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体
（MFI＝30ｇ／10分、エチレン濃度３重量％）ａ
重量％および低密度ポリエチレン（ASTMD−
1238EによるMI＝４、密度0.923ｇ／cm2）ｂ重量
％にジベンジリデンソルビトールをａ＋b100重
量部に対しＣ重量部添加し、さらに安定剤0.2重
量部を加え均一にブレンドした後、65m/mφの
押出機（200℃）で溶融混練した後ペレツト化
し、この組成物をダイスから押出される樹脂の温
度が280℃になるように設定した押出コーテイン
グ装置（押出機90m/mφ）を用い、ダイス幅580
mm、ダイスリツプ開度0.7mmで引取り加工速度が
80ｍ／分の場合に被覆厚みが30ミクロンになるよ
うに押出量を固定して幅580mm、厚み25ミクロン
の二軸延伸ポリプロピレンフイルムに引取り加工
速度を40ｍ／分から上昇させながら押出被覆加工
を行ない、安定して被覆できる最高加工速度およ
び加工速度が80ｍ／分（被覆厚み30ミクロン）の
場合のネツクインおよび被覆フイルムの透明性
（ヘイズ）、膜接着強度、ヒートシール強度を測定
した。そして配合量ａ，ｂ，ｃを種々変化させた
結果を第１表に示す。 尚、被覆フイルムの透明性（ヘイズ）、膜接着
強度およびヒートシール強度は下記の方法により
測定した。 透明性：被覆フイルムのヘイズ値をASTM−
D1003−57Tに準拠して測定した。 膜接着強度：被覆フイルムから幅25mm×長さ100
mmの試験片を採取し、最初の25mm間を手で剥
離した後、残りの25×75mmの面積部分をシヨ
ツパー氏型引張試験機を用い引張速度50mm／
mmで引き剥がしていき、その間の最大荷重を
膜接着強度とした。ただし、MD方向の膜接
着強度とは、試験片の長さ方向がフイルムの
引取加工方向と平行に採取した試料を用いた
時の強度であり、TD方向の膜接着強度とは
試験中の長さ方向がフイルムの引取加工方向
と直角方向に採取した試料を用いた時の強度
である。 ヒートシール強度：幅20mmのシールバーを有する
インパルス型のヒートシーラーを用い、シー
ル圧力１Kg／cm2、シール時間0.5秒、シール
温度160℃で被覆面同志を圧着させ、ヒート
シール部（幅20ｍ×長さ20mm）をシヨツパー
氏型引張試験機で引張速度200ｍ／mmで剥離
させその剥離区間の最大強度をヒートシール
強度とした。 MD方向およびTD方向のヒートシール強
度とは前述したとおりである。 実施例 ２ 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体
にMFI＝15ｇ／10分、エチレン濃度３重量％のも
のおよび低密度ポリエチレンにMI＝２ｇ／10
分、密度0.921ｇ／cm2のものを用いた以外は実施
例１と同様の方法で検討した結果を第２表に示
す。 実施例 ３ 結晶性ポリプロピレン（MFI＝25ｇ／10分）ａ
重量％ポリエチレン（MI＝７ｇ／10分、密度
0.921ｇ／cm2）b1重量％および無定形のエチレン
−プロピレンランダム共重合体（ASTMD−
1238LによるMFI＝4.8、エチレン濃度39重量％）
b2重量％にジベンジリデンソルビトールをａ＋b1
＋b2100重量部に対しＣ重量部および安定剤0.2重
量部添加し、均一にブレンドした後実施例１と同
様の方法で検討した結果を第３表に示す。
などの薄膜状表面に結晶性ポリプロピレン系樹脂
を主成分とする樹脂組成物を押出被覆して得られ
た製品の膜接着強度およびヒートシール強度の良
好な押出被覆用樹脂組成物を提供することを目的
としたもので、さらに詳しく説明すれば、 結晶性ポリプロピレン系樹脂ａ重量％および結
晶性ポリプロピレン系樹脂以外の１種あるいは２
種以上の熱可塑性樹脂ｂ重量％からなる樹脂組成
物にジベンジリデンソルビトールを添加してなる
組成物からなり、ａとｂの混合割合がａ＞ｂ≧３
であり、かつジベンジリデンソルビトールの添加
量Ｃ（重量部）がａ＋b100重量部に対し、１／
√≧Ｃ≧0.02の範囲から成ることを特徴とする
膜接着性およびヒートシール性の優れた押出被覆
用樹脂組成物に関するものである。 ポリプロピレン系樹脂は、防湿性、耐ガス透過
性、耐油性、耐熱性、腰の強さ、ヒートシール強
度、ホツトタツク性等の諸性質がポリエチレン系
樹脂に比較して優れているにもかかわらず、フイ
ルム、シート、紙およびその他の薄物基材に直接
押出被覆して使用するということがあまり発展を
みない理由の一つには、ポリプロピレン系樹脂は
低密度ポリエチレン等に比較してネツクインが大
きいことあるいは高速で押出被覆加工した際、サ
ージング現象（被覆樹脂の引取り方向に発生する
規制的な厚み厚薄現象あるいはダイスの平行方向
に伸縮するエツヂの不安定化現象）が発生し高速
加工性が著しく劣る等、これら加工性の欠点とな
ることが大きかつた。しかし、この加工性の欠点
はポリプロピレン系樹脂にポリエチレンあるいは
ポリエチレンと無定形のエチレン−α−オレフイ
ン共重合体等を適量添加することにより、ポリプ
ロピレン系樹脂単独の場合に比較してかなり改良
されるようになつたことは事実であり、特公昭45
−33298、特公昭47−30614、特開昭50−26886お
よび特開昭50−8848にもそれらに関する記載があ
る。そしてさらに加工性だけでなく低温ヒートシ
ール性についても、かなりの改良がされることも
事実であるが、しかしながら、ポリプロピレン系
樹脂のネツクイン高速加工性あるいは低温ヒート
シール性等を改良するためにこれらポリプロピレ
ン系樹脂以外の樹脂を改良剤として添加した結
果、ポリプロピレン系樹脂本来の優れた諸特性が
著しく低下するという問題が生ずる結果となり、
特にポリプロピレン押出被覆加工においてその最
も大きな特徴であり利点とされるポリプロピレン
二軸延伸フイルム、PPシート、PPクロス等ポリ
プロピレンを主成分とする基材あるいは紙等へ、
臭気、食品衛生面上あまり好ましくない接着剤あ
るいはアンカーコート剤を使用せずにポリプロピ
レン同志の熱融着による接着を利用しているにも
拘わらず、その熱融着性が低下し、膜接着強度が
大幅に低下する。さらに又、高温でのヒートシー
ル強度が改良剤の添加量が増えるに従い大幅に低
下する。 結局、現状では押出被覆加工用樹脂として必要
不可欠である加工性の改良をするためポリプロピ
レン系樹脂以外の樹脂を改良剤として用いた結
果、ポリプロピレン系樹脂の有する優れた諸性質
を犠性にして使用しているのが現状である。 本発明者等は、この現状の問題点を打開すべく
結晶性ポリプロピレン系樹脂を主成分とする押出
被覆用樹脂組成物において、高速加工性、ネツク
インが良好で、かつポリプロピレン系樹脂本来の
優れた特性を有する押出被覆用樹脂組成物を確立
すべく鋭意検討した結果、結晶性ポリプロピレン
系樹脂ａ重量％および結晶性ポリプロピレン系樹
脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性樹脂ｂ
重量％からなる樹脂組成物にジベンジリデンソル
ビトールを添加してなる組成物からなり、ａとｂ
の混合割合が、ａ＞ｂ≧３であり、かつジベンジ
リデンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）がａ＋
b100重量部に対し、１／√≧Ｃ≧0.02重量部の
範囲の組成物を使用することにより、膜接着強度
およびヒートシール強度が著しく改良されること
を見い出し本発明に到達したものである。 結晶性ポリプロピレン系樹脂および結晶性ポリ
プロピレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の混合割合
がｂ≧ａである場合は、ポリプロピレン系樹脂本
来の持つ特性が大きく失なわれ、又ｂ＜３の場合
においては押出被覆加工時において高速加工性お
よびネツクインが不良であり好ましくない。即ち
本発明の主旨は、あくまでも押出被覆加工性が良
好でかつ、結晶性ポリプロピレン系樹脂の諸特性
を生かしながら押出被覆加工の利点である膜接着
性の改良を目的としたものであり、ジベンジリデ
ンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）は、ａ＋
b100重量部に対し１／√≧Ｃ≧0.02が好まし
い。Ｃ＜0.02の場合は膜接着強度およびヒートシ
ール強度改良効果が認められず、又Ｃ＞１／√
の場合は膜接着強度およびヒートシール強度の改
良は認められるが、押出被覆加工時に於てダイス
から押出された溶融フイルムが冷却ロールと圧着
ロールの間を通り基材に圧着される際、冷却ロー
ルへの粘着が著しくバツクロールをおこし、作業
性が低下するばかりか高速での押出被覆加工が非
常に困難となり良好な高速加工が得られない。こ
の現象は、結晶性ポリプロピレン系樹脂以外の熱
可塑性樹脂の混合割合ｂが多くなるに従い著しく
なる傾向があり、ジベンジリデンソルビトールの
添加量Ｃ（重量部）は、Ｃ≦１／√でなければ
ならない。又、製品物性においても、基材が二軸
延伸ポリプロピレンフイルムのような透明基材の
場合には、被覆膜の透明性が著しく悪化し、商品
としての価値を失う結果となる。即ちジベンジリ
デンソルビトールの添加量Ｃ（重量部）が結晶性
ポリプロピレン系樹脂のａ重量％および該樹脂以
外の熱可塑性樹脂ｂ重量％でａ＋ｂが100重量部
に対し、１／√≧Ｃ≧0.02の場合にのみ加工性
が良好でかつ膜接着強度及びヒートシール強度が
著しく改良された商品価値の高い製品が得られる
ことに特徴がある。 ヒートシール強度改良効果についてもう少し詳
細に説明すれば、従来公知の結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂を主成分とする押出被覆用樹脂組成物を
用いて押出被覆加工して得られた製品の場合、ヒ
ートシール後フイルムの引取加工方向と同方向
（以下MD方向と呼ぶ）に引き裂いた場合とフイ
ルムの引取加工方向と直角方向（以下TD方向と
呼ぶ）に引き裂いた場合のヒートシール強度を比
較した場合、樹脂組成物のメルトフローレート
（MI）が大きいほど、MD方向のヒートシール強
度に比較してTD方向のヒートシール強度が低く
なるという問題点があつたが、ジベンジリデンソ
ルビトール添加量（Ｃ重量部）を１／√≧Ｃ≧
0.02の範囲で使用することにより、MD方向およ
びTD方向のヒートシール強度が向上すると同時
にMD／TDのヒートシール強度比が１に近づき
非常にバランスのとれたヒートシール強度を有す
る製品を得ることができる。 尚、本発明で膜接着強度およびヒートシール強
度改良に著しい効果を有するジベンジリデンソル
ビトールは、一般にはゲル化剤として知られてお
り、又特公昭52−5935および特開昭51−22740に
おいてポリプロピレン樹脂あるいは結晶性プラス
チツク成形品の透明性、収率、改良、射出成形品
等のヒケ防止等に効果が認められるとされてお
り、その理由としてはジベンジリデンソルビトー
ルが結晶性プラスチツクの微細結晶を更に微細に
することにより、結晶性を低下させないことによ
り上記の効果が得られるとされているが、本発明
でジベンジリデンソルビトールを用いた場合、即
ち、結晶性ポリプロピレン系樹脂に加工性改良剤
としての該樹脂以外の熱可塑性樹脂組成物を添加
した組成物にジベンジリデンソルビトールを添加
した押出被覆用樹脂組成物の場合、前述したごと
く、ジベンジリデンソルビトールを添加すると透
明性の改良効果は全くみられず増量すればむしろ
悪化し、ブリード白化さえ引き起こす傾向にあ
り、さらに又該樹脂組成物がダイスから押出され
て溶融状態にある段階で高速で走行している基材
へ、圧着ロール圧力により溶融延伸圧着される際
にポリプロピレン押出被覆の特徴であるポリプロ
ピレン同志の熱融着による接着を阻害する加工性
改良剤を添加したことによる欠点を改良するため
の接着性改良剤として用いることに新規性を見い
出し本発明に至つたものであり結晶性ポリプロピ
レン系樹脂ａ重量％および結晶性ポリプロピレン
系樹脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性樹
脂ｂ重量％で混合割合がａ＞ｂ≧３の場合でか
つ、押出被覆加工時に使用することによつて始め
て押出被覆加工特性が良好でかつ膜接着強度、ヒ
ートシール強度改良に特徴があり、特公昭52−
5935および特開昭51−22740とは使用目的、作用
効果、作用機械等本質的に異なるものであること
は言うまでもない。さらに付け加えるならば、本
発明樹脂組成物を使用することにより膜接着強度
の著しい改良効果の他に、ヒートシール強度の改
良効果が著しいが、これは基材と被覆フイルムと
の接着強度が著しく改良された結果、たとえば基
材／被覆フイルム二層構造より成る複合フイルム
同志をヒートシールした場合、基材／被覆フイル
ム／被覆フイルム／基材の３ケ所の接着面におい
て、従来基材／複合フイルム層で剥離していたも
のが、膜接着強度の向上により剥離しなくなり被
覆フイルム／被覆フイルム面で剥離あるいはヒー
トシールされてない部分とヒートシールされた部
分の境界面で切断するようになつたことによるも
ので結局はジベンジリデンソルビトールが該樹脂
組成物の溶融延伸圧着時において基材への接着性
付与剤として作用しているところに本発明の特徴
があることは言うまでもない。 本発明で用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂と
しては、公知の方法で製造されたプロピレンホモ
ポリマーあるいプロピレンを主体とする結晶性共
重合体を含み、特にプロピレン−エチレン共重合
体についてはエチレン含有量が５重量％以下のも
のが好ましい。又流動率（MFI）は３〜60ｇ／10
分（ASTMD−1238L）の範囲のものが好まし
い。又、加工性改良剤としての作用効果のある結
晶性ポリプロピレン系樹脂以外の１種あるいは２
種以上の熱可塑性樹脂は１種類添加する場合は公
知のごとくポリエチレンが好ましく、２種以上の
場合にはポリエチレンと併用して結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂より軟化温度あるいは融点が低い熱
可塑性樹脂が好ましく、たとえば無定形のエチレ
ン−α−オレフイン共重合体が好ましい。ただ
し、いずれの場合においてもこれら熱可塑性樹脂
は押出被覆加工時における結晶性ポリプロピレン
系樹脂の加工性の欠点を改良する目的を主眼にお
いて添加するものであり、配合割合は前述したご
とく、結晶性ポリプロピレン系樹脂ａ重量％およ
び該樹脂以外の熱可塑性樹脂ｂ重量％とすればａ
＞ｂ≧３であることが好ましく、さらに言えば25
≧ｂ≧３であることが好ましく、又この範囲で加
工性が改良される熱可塑性樹脂組成を用いること
が逆に言えが好ましい。 本発明の押出被覆用樹脂組成物を用いる場合結
晶性ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂以外の１種あるいは２種以上の熱可塑性
樹脂およびジベンジリデンソルビトールを均一に
ブレンドした後、押出機で溶融混練後ペレツト化
する等通常一般に使用されている公知の方法で同
時にブレンドしてペレツト化されたものを用いて
もよいし、あるいは又ジベンジリデンソルビトー
ル以外の樹脂組成物を先に均一混練後ペレツト化
しておき、押出被覆加工時にジベンジリデンソル
ビトールのマスターバツチペレツトを添加しても
よい。しかしこの場合は、押出被覆加工機内での
均一な分散効果を期待するためには、１〜６重量
％のマスターバツチペレツトを用いることが好ま
しい。 尚、本発明の押出被覆用樹脂組成物を押出被覆
用に使用する場合通常使用されている公知の耐熱
一耐老化、耐光などの目的に用いる安定剤や、滑
剤、帯電防止剤、防曇性を有する添加剤等併用し
ても本発明樹脂組成物に対しては何らその作用効
率が阻害されることはない。 以下、本発明を実施例によつてさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら特定の具体例に限定
されるべきものでないことは言うまでもない。 実施例 １ 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体
（MFI＝30ｇ／10分、エチレン濃度３重量％）ａ
重量％および低密度ポリエチレン（ASTMD−
1238EによるMI＝４、密度0.923ｇ／cm2）ｂ重量
％にジベンジリデンソルビトールをａ＋b100重
量部に対しＣ重量部添加し、さらに安定剤0.2重
量部を加え均一にブレンドした後、65m/mφの
押出機（200℃）で溶融混練した後ペレツト化
し、この組成物をダイスから押出される樹脂の温
度が280℃になるように設定した押出コーテイン
グ装置（押出機90m/mφ）を用い、ダイス幅580
mm、ダイスリツプ開度0.7mmで引取り加工速度が
80ｍ／分の場合に被覆厚みが30ミクロンになるよ
うに押出量を固定して幅580mm、厚み25ミクロン
の二軸延伸ポリプロピレンフイルムに引取り加工
速度を40ｍ／分から上昇させながら押出被覆加工
を行ない、安定して被覆できる最高加工速度およ
び加工速度が80ｍ／分（被覆厚み30ミクロン）の
場合のネツクインおよび被覆フイルムの透明性
（ヘイズ）、膜接着強度、ヒートシール強度を測定
した。そして配合量ａ，ｂ，ｃを種々変化させた
結果を第１表に示す。 尚、被覆フイルムの透明性（ヘイズ）、膜接着
強度およびヒートシール強度は下記の方法により
測定した。 透明性：被覆フイルムのヘイズ値をASTM−
D1003−57Tに準拠して測定した。 膜接着強度：被覆フイルムから幅25mm×長さ100
mmの試験片を採取し、最初の25mm間を手で剥
離した後、残りの25×75mmの面積部分をシヨ
ツパー氏型引張試験機を用い引張速度50mm／
mmで引き剥がしていき、その間の最大荷重を
膜接着強度とした。ただし、MD方向の膜接
着強度とは、試験片の長さ方向がフイルムの
引取加工方向と平行に採取した試料を用いた
時の強度であり、TD方向の膜接着強度とは
試験中の長さ方向がフイルムの引取加工方向
と直角方向に採取した試料を用いた時の強度
である。 ヒートシール強度：幅20mmのシールバーを有する
インパルス型のヒートシーラーを用い、シー
ル圧力１Kg／cm2、シール時間0.5秒、シール
温度160℃で被覆面同志を圧着させ、ヒート
シール部（幅20ｍ×長さ20mm）をシヨツパー
氏型引張試験機で引張速度200ｍ／mmで剥離
させその剥離区間の最大強度をヒートシール
強度とした。 MD方向およびTD方向のヒートシール強
度とは前述したとおりである。 実施例 ２ 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体
にMFI＝15ｇ／10分、エチレン濃度３重量％のも
のおよび低密度ポリエチレンにMI＝２ｇ／10
分、密度0.921ｇ／cm2のものを用いた以外は実施
例１と同様の方法で検討した結果を第２表に示
す。 実施例 ３ 結晶性ポリプロピレン（MFI＝25ｇ／10分）ａ
重量％ポリエチレン（MI＝７ｇ／10分、密度
0.921ｇ／cm2）b1重量％および無定形のエチレン
−プロピレンランダム共重合体（ASTMD−
1238LによるMFI＝4.8、エチレン濃度39重量％）
b2重量％にジベンジリデンソルビトールをａ＋b1
＋b2100重量部に対しＣ重量部および安定剤0.2重
量部添加し、均一にブレンドした後実施例１と同
様の方法で検討した結果を第３表に示す。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 結晶性ポリプロピレン系樹脂ａ重量％および
結晶性ポリプロピレン系樹脂以外の１種あるいは
２種以上の熱可塑性樹脂ｂ重量％からなる樹脂組
成物にジベンジリデンソルビトールを添加してな
る組成物からなり、ａとｂの混合割合がａ＞ｂ≧
３であり、かつジベンジリデンソルビトールの添
加量Ｃ重量部がａ＋b100重量部に対し１／√
≧Ｃ≧0.02の範囲からなることを特徴とする 膜接着性およびヒートシール性の優れた押出被
覆用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7063477A JPS544948A (en) | 1977-06-14 | 1977-06-14 | Extrusion coating resin composition |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7063477A JPS544948A (en) | 1977-06-14 | 1977-06-14 | Extrusion coating resin composition |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS544948A JPS544948A (en) | 1979-01-16 |
| JPS6137300B2 true JPS6137300B2 (ja) | 1986-08-22 |
Family
ID=13437259
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7063477A Granted JPS544948A (en) | 1977-06-14 | 1977-06-14 | Extrusion coating resin composition |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS544948A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014063338A1 (zh) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | Chang Kai-Yu | 一种淋膜纸材的制造方法及淋膜纸材 |
| DE102016010605A1 (de) | 2016-09-01 | 2018-03-01 | Süddeutsche Gelenkscheibenfabrik GmbH & Co. KG | Fadenverstärkte Gelenkvorrichtung |
| CN109054148A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-12-21 | 怀宁县日升塑业有限公司 | 一种高热稳定性塑料袋 |
| CN108892844A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-11-27 | 怀宁县日升塑业有限公司 | 一种高机械强度的塑料垃圾袋制备方法 |
-
1977
- 1977-06-14 JP JP7063477A patent/JPS544948A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS544948A (en) | 1979-01-16 |
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