JP3148369B2 - スリップ性の改良された多層フィルム - Google Patents

スリップ性の改良された多層フィルム

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JP3148369B2 JP18616892A JP18616892A JP3148369B2 JP 3148369 B2 JP3148369 B2 JP 3148369B2 JP 18616892 A JP18616892 A JP 18616892A JP 18616892 A JP18616892 A JP 18616892A JP 3148369 B2 JP3148369 B2 JP 3148369B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの多層フ
ィルムに関し、特にスリップ性に優れた多層フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体
のフィルムは、透明性に優れるとともに、ある程度のヒ
ートシール性を有することから、各種包装用に広く用い
られている。しかしながら、ポリプロピレンフィルムは
スリップ性に劣り、特に45℃以上の高温下で保存した
り、加熱処理を行った場合には、スリップ性が低下し、
印刷や、ラミネート工程等の二次加工を行うときや包装
するときにトラブルを生じやすいという問題がある。
【0003】そこで、スリップ性の改良されたポリプロ
ピレンフィルムとして、結晶性ポリプロピレン100 重量
部に対し、融点が100 〜125 ℃の滑剤0.07〜1.0 重量部
を添加してなる組成物から溶融押出して得られたフィル
ム、あるいは結晶性ポリプロピレン100 重量部に対し、
融点が100 〜125 ℃の滑剤[A] と、融点が70〜90℃の滑
剤[B] との合計が、0.05〜1.0 重量部になるように添加
してなる組成物から溶融押出して得られたフィルムが提
案されている (特開昭62−265335号、同62−265336号)
【0004】上記フィルムは、初期滑り性が0.7 以下
で、かつ60℃加熱処理後の滑り性が1.0 以下であり、ス
リップ性が改良されている。しかしながら、上記フィル
ムは、初期滑り性、及び加熱処理後あるいは高温で保管
した後の滑り性がいまだ十分でないという問題がある。
加熱処理後あるいは高温で保管した後の滑り性は、包装
等の用途に供する場合には特に重要である。
【0005】したがって、本発明の目的は、製膜直後か
ら加熱処理後あるいは高温保管後を通して優れたスリッ
プ性を発揮する多層フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、プロピレン−エチレンランダム
共重合体と高密度ポリエチレンとを含有する樹脂成分
に、比較的低い融点を有するスリップ剤をフィルム全体
に対して所定の割合で配合してなる組成物をシール層と
し、プロピレン−エチレンランダム共重合体に比較的高
い融点を有するスリップ剤をフィルム全体に対して所定
の割合で配合してなる組成物を中間層とし、ホモポリプ
ロピレンやプロピレン−エチレンランダム共重合体等の
ポリプロピレンをラミネート層としてなる多層フィルム
は、シール層側が良好な初期スリップ性を発揮するとと
もに、加熱処理後や高温保管後でも、良好なスリップ性
を発揮することを見出し、本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の多層フィルムは、シー
ル層と、中間層と、ラミネート層とからなるものであっ
て、(A) シール層がエチレン含量2〜10重量%のプロピ
レン−エチレンランダム共重合体99〜90重量%と、高密
度ポリエチレン1〜10重量%とからなる樹脂成分と、70
〜90℃の融点を有するスリップ剤(a) とを含有する組成
物からなり、(B) 中間層がエチレン含量2〜10重量%の
プロピレン−エチレンランダム共重合体と、100 〜125
℃の融点を有するスリップ剤(b) とを含有する組成物か
らなり、(C) ラミネート層がポリプロピレンからなり、
前記(A) 、(B)及び(C) 層の樹脂成分の合計を100 重量
部として、前記スリップ剤(a) の配合量が0.03〜0.25重
量部であり、前記スリップ剤(b) の配合量が0.03〜0.20
重量部であることを特徴とする。
【0008】本発明を以下詳細に説明する。本発明の多
層フィルムは、シール層、中間層及びラミネート層の3
層からなる。以下、各層用の成分について説明する。
【0009】(A) シール層 シール層は、エチレン含量2〜10重量%のプロピレン−
エチレンランダム共重合体と、高密度ポリエチレンとか
らなる樹脂成分に、70〜90℃の融点を有するスリップ剤
(a) を配合してなる組成物からなる。
【0010】プロピレン−エチレンランダム共重合体
は、プロレンと、エチレンとを共存させて共重合したも
ので、エチレンを2〜10重量%、好ましくは3〜8重量
%含有する共重合体である。上記プロピレン−エチレン
ランダム共重合体のメルトフローレート(MFR 、230
℃、2.16kg荷重) は、4〜30g/10 分が好ましく、特に
6〜15g/10 分が好ましい。
【0011】高密度ポリエチレン (HDPE) は、密度が0.
940 g/cm3 以上、好ましくは0.945〜0.960 g/cm3 のエ
チレンから誘導される繰り返し単位を主な重合成分とす
るポリマーである。上記高密度ポリエチレン (HDPE) の
メルトインデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重) は、5
〜30g/10 分が好ましく、特に8〜20g/10 分が好まし
い。
【0012】高密度ポリエチレン (HDPE) は、例えばエ
チレンをチーグラ触媒等の存在下に、低圧法により重合
することにより得ることができる。
【0013】上述したような樹脂成分の配合割合は、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体と高密度ポリエチ
レンとの合計を100 重量%として、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体が99〜90重量%、好ましくは98〜92
重量%であり、高密度ポリエチレンが1〜10重量%、好
ましくは2〜8重量%である。
【0014】高密度ポリエチレンが1重量%未満では
(プロピレン−エチレンランダム共重合体が99重量%を
超えると) 、製膜直後のスリップ性及びラミネート後の
スリップ性が低下し、また高密度ポリエチレンが10重量
%を超えると (プロピレン−エチレンランダム共重合体
が90重量%未満では) 、フィルムの透明性が悪化すると
共にフィルムの引裂強度及び衝撃強度が低下する。
【0015】上述したような樹脂成分に70〜90℃の融点
を有するスリップ剤(a) を配合する。スリップ剤(a) の
融点が70℃未満では、高温下でのスリップ性の低下が著
しく、また90℃を超えると、初期スリップ性が大幅に低
下する。上記融点を有するスリップ剤(a) としては、C
18〜C22の不飽和脂肪酸アミド及びその誘導体を用いる
ことができる。具体的には、オレイン酸アミド、エルカ
酸アミド、エライジン酸アミド、N−ステアリルエルカ
酸アミド、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これら
の中では特にエルカ酸アミド及びオレイン酸アミドが好
ましい。上記スリップ剤は単独で使用しても併用しても
よい。
【0016】上記スリップ剤(a) の配合量は、シール層
と中間層とラミネート層とを構成する樹脂成分の合計10
0 重量部に対して、0.03〜0.25重量部、好ましくは0.03
〜0.20重量部である。スリップ剤(a) の配合量が0.03重
量部未満では、その配合によるスリップ性の向上効果が
十分でなく、また0.25重量部を超えると、スリップ剤が
フィルム表面に多量にブリートアウトし、二次加工や包
装用等に使用するのが困難となる。
【0017】(B) 中間層 中間層は、エチレン含量2〜10重量%のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体と、100 〜125 ℃の融点を有す
るスリップ剤(b) とを含有する組成物からなる。プロピ
レン−エチレンランダム共重合体としては、上述したシ
ール層と同様のものを用いることができる。
【0018】また、中間層に配合するスリップ剤(b) の
融点が100 ℃未満では、高温下でのスリップ性の低下が
著しく、また125 ℃を超えると、スリップ性の発現が困
難となる。上記融点を有するスリップ剤(b) としては、
16〜C22の飽和脂肪酸アミド及びその誘導体を用いる
ことができる。具体的には、ステアリン酸アミド、パル
ミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−(2−ハイド
ロキシメチル)ステアリン酸アミド、及びこれらの誘導
体等が挙げられる。これらの中では特にステアリン酸ア
ミド及びベヘニン酸アミドが好ましい。上記スリップ剤
は単独で使用しても併用してもよい。
【0019】上記スリップ剤(b) の配合量は、シール層
と中間層とラミネート層とを構成する樹脂成分の合計10
0 重量部に対して、0.03〜0.20重量部、好ましくは0.03
〜0.10重量部である。スリップ剤(b) の配合量が0.03重
量部未満では、その配合によるスリップ性の向上効果が
十分でなく、また0.20重量部を超えると、スリップ剤
(b) がフィルム表面に多量にブリートアウトし、二次加
工や包装用等に使用するのが困難となる。
【0020】(C) ラミネート層 ラミネート層となるポリプロピレンとしては、プロピレ
ンのホモポリマーに限らず、8重量%以下、好ましくは
5重量%以下の他のα−オレフィンを含む ランダムま
たはブロック共重合体を用いることもできる。プロピレ
ンに共重合する他のα−オレフィンとしては、エチレ
ン、ブテン-1等が挙げられるが、特にエチレンが好まし
い。
【0021】これらのうちでは、フィルムの透明性や強
度の点で、プロピレンホモポリマー及びプロピレン−エ
チレンランダム共重合体が好ましい。特にプロピレンホ
モポリマーは、中間層に配合されたスリップ剤(b) がラ
ミネート層側に移行してくるのを抑制することができ、
もってラミネート層の剥離強度の低下を防止するととも
に、シール層側のスリップ性を一層向上させることがで
きる。上記プロピレンホモポリマーのメルトフローレー
ト(MFR 、230 ℃、2.16kg荷重) は、5〜15g/10 分が
好ましく、特に6〜12g/10 分が好ましい。またプロピ
レン−エチレンランダム共重合体としては、上述したシ
ール層のものと同様のものを用いることができる。
【0022】なお、上述したような各層用の樹脂には、
それぞれその改質を目的として、他の添加剤、例えば熱
安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤等
を添加することができる。
【0023】各層の厚さは、(A) シール層が好ましくは
2〜10μm、より好ましくは3〜6μmであり、(B) 中
間層が好ましくは15〜55μm、より好ましくは15〜50μ
mであり、(C) ラミネート層が好ましくは2〜10μm、
より好ましくは3〜6μmである。
【0024】シール層の厚さが2μm未満では、厚み精
度が悪くなり、ヒートシール性のバラツキが大きくな
り、一方10μmを超えると、スリップ性発現のコントロ
ールが困難となるため好ましくない。
【0025】また、多層フィルム全体の厚さは、15〜60
μmであるのが好ましい。フィルムの厚さが15μm未満
では、製膜が困難となり、また60μmを超えると、フィ
ルムのヒートシール性等が低下するため好ましくない。
【0026】上述したような各層用の組成物からなる本
発明の多層フィルムは、共押出Tダイ法、あるいは共押
出インフレーション法等により製造することができる
が、例えば、以下のような共押出キャストフィルム法に
より製造するのが好ましい。
【0027】まず、各層用の組成成分をそれぞれ溶融混
練する。混練条件は、使用する樹脂、押し出し条件等に
より適宜設定することができる。
【0028】次に、3台の押出機と接続した環状の共押
出ダイから、シール層、中間層、ラミネート層の層構成
で、各層の厚さが所望のものとなるように220 〜250 ℃
で樹脂組成物を押し出し、キャストフィルムを成形す
る。
【0029】なお、押し出し後のチルロールでの冷却方
法としては、エアナイフ方式、エアチャンバー方式が好
ましい。
【0030】上述したような本発明の多層フィルムに
は、必要に応じて30〜50℃及び12〜24時間の加熱処理
(エージング) を施すことができる。
【0031】また、本発明の多層フィルムは、ラミネー
ト層側に、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等を塗
布し、ドライラミネーション法等により二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルム(OPPフィルム)、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(PETフィルム)等のフィルム
にラミネートすることができる。なお、上記接着剤は、
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)等のフィルム側に塗布してもよい。
【0032】このような本発明の多層フィルムは、シー
ル層の摩擦係数(JIS 7218) が製膜直後で1.0 以下、好
ましくは0.6 〜1.0 であり、エージング等の加熱処理後
の摩擦係数が0.4 以下、好ましくは0.15〜0.3 である。
なお、摩擦係数の値は、一般に製膜直後で1.0 以下であ
るのが好ましく、また加熱処理後は、二次加工や包装等
を行うことから0.4 以下であるのが好ましい。本発明の
多層フィルムは、上記要件を満たした十分なスリップ性
を有するものとなっている。
【0033】
【作用】本発明の多層フィルムは、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体と高密度ポリエチレンとを含有する
樹脂成分に、比較的低い融点を有するスリップ剤(a) を
フィルム全体に対して所定の割合で配合してなる組成物
をシール層とし、プロピレン−エチレンランダム共重合
体に比較的高い融点を有するスリップ剤(b) をフィルム
全体に対して所定の割合で配合してなる組成物を中間層
とし、ホモポリプロピレンやプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体等のポリプロピレンをラミネート層として
いるので、多層フィルムのシール層側が製膜直後及び高
温保存後、さらにはドライラミネーション後でも極めて
優れたスリップ性を発揮する。
【0034】このような効果が得られる理由については
必ずしも明らかではないが、シール層に配合した融点の
低いスリップ剤(a) が、製膜直後のシール層側のスリッ
プ性を良好なものとするとともに、中間層に配合した融
点の高いスリップ剤(b) が、製膜後徐々にシール層側に
滲出してきて、高温保存後のシール層側のスリップ性を
向上するためであると考えられる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、原料となる樹脂及びスリップ剤としては
以下のものを使用した。 [1] プロピレン−エチレンランダム共重合体 RPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) 9g/10 分、エチレン含有量3.6 重量%〕 [2] ホモポリプロピレン HPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) 9g/10 分〕 [3] 高密度ポリエチレン HDPE:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16kg
荷重) 12g/10 分、密度0.958g/cm 3 〕 [4] スリップ剤(a) エルカ酸アミド:EA〔融点83.5℃〕 オレイン酸アミド:OA〔融点73℃〕 [5] スリップ剤(b) ベヘニン酸アミド:BA〔融点112.0 ℃〕 ステアリン酸アミド:SA〔融点102 ℃〕
【0036】実施例1 プロピレン−エチレンランダム共重合体 (RPP) 95 重量
部と、高密度ポリエチレン (HDPE) 5重量部とからなる
樹脂成分をシール層用樹脂として用意した。また中間層
用の樹脂としてプロピレン−エチレンランダム共重合体
(RPP) を、ラミネート層用の樹脂成分としてホモポリプ
ロピレン(HPP) をそれぞれ用意した。
【0037】上記各層用の樹脂をシール層:中間層:ラ
ミネート層=3:19:3の重量比にそれぞれ配分し、各
樹脂成分の合計(シール層+中間層+ラミネート層)10
0 重量部に対して、エルカ酸アミド(EA) 0.04 重量部を
シール層用の樹脂に、ベヘニン酸アミド(BA) 0.04 重量
部を中間層用の樹脂にそれぞれ配合し、各層用の成分と
した。
【0038】この各層用の成分を、それぞれ40mmφの押
出機にて240 ℃で溶融混練して、マルチマニホールド型
3層共押出Tダイを有するキャストフィルム成形機によ
り、押し出し温度240 ℃、引取り速度30m/min で製膜
し、膜厚25μm(シール層/中間層/ラミネート層=3
μm/19μm/3μm) の多層フィルムを得た。
【0039】得られた多層フィルムのシール層側のスリ
ップ性(摩擦係数)を測定した。結果をシール層の樹脂
成分、及びシール層、中間層に添加したスリップ剤の種
類及び添加量とともに第1表に示す。
【0040】次に、この多層フィルムに40℃で24時間の
加熱処理(エージング)を施し、その後のシール層側の
スリップ性を測定した。結果を第1表に合わせて示す。
【0041】さらに、エージング後の多層フィルムのラ
ミネート層側と、表面にウレタン系接着剤を塗布した二
軸延伸ポリプロピレンフィルムとを、50℃にてドライラ
ミネーションした。続いて40℃で72時間の加熱処理を施
し、得られた多層フィルムのシール層側のスリップ性を
測定した。結果を第1表に合わせて示す。
【0042】実施例2 実施例1において、ラミネート層用の樹脂成分をプロピ
レン−エチレンランダム共重合体(RPP) とした以外は同
様にして多層フィルムを製造し、続いて同様にして加熱
処理及びラミネートを行い、得られた多層フィルムのシ
ール層側のスリップ性(摩擦係数)をそれぞれ測定し
た。結果を、シール層の樹脂成分、及びシール層、中間
層に添加したスリップ剤の種類及び添加量とともに、第
1表に示す。
【0043】実施例3 実施例1において、中間層のスリップ剤をステアリン酸
アミド(SA) 0.06 重量部とした以外は同様にして多層フ
ィルムを製造し、続いて同様にして加熱処理及びラミネ
ートを行い、得られた多層フィルムのシール層側のスリ
ップ性(摩擦係数)をそれぞれ測定した。結果を、シー
ル層の樹脂成分、及びシール層、中間層に添加したスリ
ップ剤の種類及び添加量とともに、第1表に示す。
【0044】実施例4 実施例1において、シール層のスリップ剤をオレイン酸
アミド(OA) 0.03 重量部とした以外は同様にして多層フ
ィルムを製造し、続いて同様にして加熱処理及びラミネ
ートを行い、得られた多層フィルムのシール層側のスリ
ップ性(摩擦係数)をそれぞれ測定した。結果を、シー
ル層の樹脂成分、及びシール層、中間層に添加したスリ
ップ剤の種類及び添加量とともに、第1表に示す。
【0045】比較例1 実施例1において、シール層用の樹脂成分を、高密度ポ
リエチレン(HDPE)を配合せずプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(RPP) 単独とした以外は同様にして多層フ
ィルムを製造し、続いて同様にして加熱処理及びラミネ
ートを行い、得られた多層フィルムのシール層側のスリ
ップ性(摩擦係数)をそれぞれ測定した。結果を、シー
ル層の樹脂成分、及びシール層、中間層に添加したスリ
ップ剤の種類及び添加量とともに、第1表に示す。
【0046】比較例2 実施例1において、シール層のスリップ剤をエルカ酸ア
ミド(EA) 0.06 重量部とし、中間層のスリップ剤をベヘ
ニン酸アミド(BA)を0.01重量部とした以外は同様にして
多層フィルムを製造し、続いて同様にして加熱処理及び
ラミネートを行い、得られた多層フィルムのシール層側
のスリップ性(摩擦係数)をそれぞれ測定した。結果
を、シール層の樹脂成分、及びシール層、中間層に添加
したスリップ剤の種類及び添加量とともに、第1表に示
す。
【0047】比較例3 実施例1において、シール層のスリップ剤をエルカ酸ア
ミド(EA) 0.01 重量部とした以外は同様にして多層フィ
ルムを製造し、続いて同様にして加熱処理及びラミネー
トを行い、得られた多層フィルムのシール層側のスリッ
プ性(摩擦係数)をそれぞれ測定した。結果を、シール
層の樹脂成分、及びシール層、中間層に添加したスリッ
プ剤の種類及び添加量とともに、第1表に示す。
【0048】比較例4、5 実施例1において、シール層のスリップ剤をエルカ酸ア
ミド(EA) 0.30 重量部(比較例4)及び中間層のスリッ
プ剤をベヘニン酸アミド(BA)0.3 重量部(比較例5)
とした以外は同様にして多層フィルムを製造し、続いて
同様にして加熱処理及びラミネートを行い、得られた多
層フィルムのシール層側のスリップ性(摩擦係数)をそ
れぞれ測定した。結果を、シール層の樹脂成分、及びシ
ール層、中間層に添加したスリップ剤の種類及び添加量
とともに、第1表に示す。
【0049】 第 1 表 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 シール層の樹脂成分(1) RPP 95 95 95 95 HDPE 5 5 5 5 シール層へのスリップ剤の添加量(2) EA 0.04 0.04 0.04 − OA − − − 0.03 中間層へのスリップ剤の添加量(2) BA 0.04 0.04 − 0.04 SA − − 0.06 − スリップ性(3) 製膜直後 0.92 0.93 0.91 0.94 加熱処理後 0.36 0.39 0.35 0.39 ドライラミネート+加熱処理後 0.30 0.38 0.36 0.30
【0050】 第 1 表 (続 き) 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 シール層の樹脂成分(1) RPP 100 95 95 95 95 HDPE − 5 5 5 5シール層へのスリップ剤の添加量(2) EA 0.04 0.06 0.01 0.30 − BA − − − − −中間層へのスリップ剤の添加量(2) EA − − − − − BA 0.04 0.01 0.04 − 0.30スリップ性(3) 製膜直後 1.52 0.87 1.56 0.52 0.65 加熱処理後 0.41 0.30 0.62 0.08 0.13 ドライラミネート+加熱処理後 0.70 0.83 0.37 0.15 0.17
【0051】(1) シール層の樹脂成分:シール層の樹脂
成分全体を100 重量部として、各樹脂成分の割合を表示
(単位は重量部) 。 (2) スリップ剤の添加量:全層の樹脂成分の合計100 重
量部に対するスリップ剤の添加量を表示 (単位は重量
部) 。 (3) スリップ性:JIS 7218、摩擦係数試験に準拠し、
製膜直後、40℃、24時間の加熱処理後、多層フィ
ルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィル
ム)とラミネートし、続いて40℃、72時間の加熱処理し
た後についてそれぞれ測定。
【0052】第1表から明らかなように、本発明の多層
フィルムは、フィルム製膜直後の摩擦係数が1.0 以下で
あり、また加熱処理後、及びドライラミネート+加熱処
理後の摩擦係数がいずれも0.4 以下であった。これに対
し比較例1〜3の多層フィルムは、製膜直後の摩擦係数
が1.0 を超えるか、加熱処理後あるいはドライラミネー
ト+加熱処理後の摩擦係数が0.4 を超えるものであっ
た。また、比較例4、5の多層フィルムは、スリップ性
は良好であるが、シール層表面へのスリップ剤のブリー
ドアウトが著しく、包装用等に使用するには不適当なも
のであった。
【0053】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の多層フ
ィルムはプロピレン−エチレンランダム共重合体と高密
度ポリエチレンとを含有する樹脂成分に、比較的低い融
点を有するスリップ剤(a) をフィルム全体に対して所定
の割合で配合してなる組成物をシール層とし、プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体に比較的高い融点を有す
るスリップ剤(b) をフィルム全体に対して所定の割合で
配合してなる組成物を中間層とし、ホモポリプロピレン
やプロピレン−エチレンランダム共重合体等のポリプロ
ピレンをラミネート層としてなるので、フィルムのシー
ル層が製膜直後及び高温保存後、さらにはドライラミネ
ーション後でも極めて優れたスリップ性を発揮する。こ
のような本発明の多層フィルムは、各種包装用に好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−281341(JP,A) 特開 昭62−265336(JP,A) 特開 平2−69237(JP,A) 特開 昭62−290744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール層と、中間層と、ラミネート層と
    からなる多層フィルムであって、(A) シール層がエチレ
    ン含量2〜10重量%のプロピレン−エチレンランダム共
    重合体99〜90重量%と、高密度ポリエチレン1〜10重量
    %とからなる樹脂成分と、70〜90℃の融点を有するスリ
    ップ剤(a) とを含有する組成物からなり、(B) 中間層が
    エチレン含量2〜10重量%のプロピレン−エチレンラン
    ダム共重合体と、100 〜125 ℃の融点を有するスリップ
    剤(b) とを含有する組成物からなり、(C) ラミネート層
    がポリプロピレンからなり、前記(A) 、(B) 及び(C) 層
    の樹脂成分の合計を100 重量部として、前記スリップ剤
    (a) の配合量が0.03〜0.25重量部であり、前記スリップ
    剤(b) の配合量が0.03〜0.20重量部であることを特徴と
    する多層フィルム。
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