JPH0619054A - 写真フィルム用容器及びその製造方法並びに写真フィルム包装体 - Google Patents

写真フィルム用容器及びその製造方法並びに写真フィルム包装体

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JPH0619054A
JPH0619054A JP10683593A JP10683593A JPH0619054A JP H0619054 A JPH0619054 A JP H0619054A JP 10683593 A JP10683593 A JP 10683593A JP 10683593 A JP10683593 A JP 10683593A JP H0619054 A JPH0619054 A JP H0619054A
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JP
Japan
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photographic film
weight
container
resin
container body
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Application number
JP10683593A
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English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Kouji Inoue
皐児 井上
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形時に底ヒケ及び座屈が発生せず、かつ、耐
摩耗性及び滑性が良好な写真フィルム用容器を提供でき
るようにする。 【構成】写真フィルム用容器1は、容器本体2と蓋3と
からなり、容器本体2の内面は横方向に微小なすじが形
成された粗雑面4となっている。粗雑面4は、0.001〜
5μmの高低差を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムを密封収
納する写真フィルム用容器及びその写真フイイルム用容
器を連続成形する製造方法、並びにこの写真フィルム用
容器を用いた写真フィルム包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真フィルム用容器は、その容器本体の
周壁部が平滑に形成されていると、完全に冷却固化する
前に金型(コア型)を抜き去った場合、容器本体内部が
真空状態になる結果、パンという爆発音や底面部が内方
に変形する底ひけ、周壁部が内方に撓む座屈が発生する
ことを本発明者はつきとめた。したがって、不良品の発
生を無くそうとすると、冷却時間を長くして容器本体の
温度を20℃以下にしてから金型(コア型)を抜き去る必
要があり、成形サイクルが長くなるものであった。
【0003】そこで、本発明者は、周壁部の底面から1
/3以上の内面が少なくとも7μmの高低差を有する粗
雑面に形成されている写真フィルムパトローネ用容器本
体を提案した(特開昭63−193142号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の写真フィルムパトローネ用容器本体は、ポンと
いう爆発音や底ヒケ及び座屈が発生せず好ましいもので
あるが、耐衝撃強度低下や透明度低下があり耐摩耗性及
び滑性が良いとは言えず、遮光性物質の摩耗粉や離脱粉
が発生する場合があった。
【0005】本発明は、以上の問題点を解消し、ポンと
いう爆発音や底ひけ、座屈等が発生せず、耐衝撃強度低
下や透明度低下がほとんどなく、しかも耐摩耗性及び滑
性が良好な、成形サイクルを短縮できる写真フィルム用
容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するためになされたもので、本発明の写真フィルム用
容器は、容器本体が熱可塑性樹脂で形成され、かつ、容
器本体の周壁部の内面に0.001〜5μmの高低差を有す
る粗雑面が形成されて構成されている。
【0007】粗雑面の形状は、例えば、円周方向に細か
い横筋が多数形成されたもの、底部に垂直な縦筋が多数
形成されたもの、細かい格子目状、絹目状及び梨地状等
があり、これらを組み合わせてもよい。また、粗雑面
は、容器本体の周壁部の内面の他、周壁部の外面に形成
することもできる。
【0008】粗雑面の高低差は0.001〜5μmで、好ま
しくは0.005〜2.5μm、特に好ましくは0.01〜1.0μm
である。高低差が0.001μmより小さいと、爆発音が大
きくなったり、座屈や底ヒケ等が発生しやすく、また、
高低差が5μmより大きいと、耐衝撃強度の低下が大き
くなり、透明度が低下すると共に滑りが悪く、かつ、摩
耗粉などが発生しやすい。筋と筋との間隙は0.1〜1000
μm、好ましくは0.5〜500μm、特に好ましくは1〜20
0μmである。この範囲外では効果が少ない。
【0009】粗雑面を形成するには、容器本体の周壁部
の内面に形成の場合は、金型のコア型(オス型)の表面
に凹凸を形成する。形成方法としてはサンドブラスト
法、腐蝕方法、彫刻方法、研摩方法等公知の各種の方法
を用いることができる。また、容器本体の周壁部の外面
に形成の場合は、金型のキャビティー(メス型)の表面
に凹凸を形成する。形成方法は、金型のコア型(オス
型)と同一の方法を用いることができる。
【0010】然し、本発明のように非常に高低差が小さ
い粗雑面を形成するには、平滑面に仕上げた金型のコア
型表面を研摩紙や研摩布等で研摩しながら形成すること
が好ましい。
【0011】例えば、円周方向に細かい横筋を多数形成
するには、円柱状(真円柱や楕円柱も含む)や角柱状の
コア型の表面を円周方向に研摩紙や研摩布を手で押さえ
た状態で回転させて形成してもよいし、円柱状や角柱状
のコア型を固定しておいて研摩紙や研摩布を円周方向に
回転させて研摩することにより形成してもよい。
【0012】また、底部に垂直な縦筋を多数形成するに
は、上述の円周方向の動作を上下方向の動作にすること
により簡単に形成できる。さらに細かい格子目状の粗雑
面を形成するには、上述の円周方向に細かい横筋を多数
形成する動作と底部に垂直な縦筋を多数形成する動作を
組み合せることにより簡単に形成できる。粗雑面は傾斜
させた多数の細かい筋としてもよいことはいうまでもな
く、容器本体内が金型のコア型を抜き去る時に真空状態
になるのを防止できるあらゆる粗雑面の形成できる方法
を用いることができる。
【0013】本発明の写真フィルム用容器は熱可塑性樹
脂で形成されており、この熱可塑性樹脂としては、エチ
レン共重合体樹脂、ホモポリエチレン樹脂、ホモポリプ
ロピレン樹脂、プロピレン共重合体樹脂、塩化ビニル樹
脂等がある。
【0014】透明容器としては、各種造核剤を0.01〜2.
0重量%含む密度が0.935g/cm3以上、好ましくは0.945
g/cm3以上、特に好ましくは0.955g/cm3以上、最も
好ましくは0.960g/cm3以上のホモポリエチレン樹脂と
エチレン・αオレフィン共重合体樹脂、特に炭素数が3
〜10ヶのαオレフィンの前記エチレン・αオレフィンラ
ンダム共重合体樹脂と各種造核剤を0.01〜2.0重量%含
むプロピレンエチレンランダム共重合体樹脂が好まし
く、白色や黒色等の着色容器としては密度が0.935g/c
m3以上、好ましくは0.945g/cm3以上、特に好ましくは
0.955g/cm3以上のホモポリエチレン樹脂とプロピレン
エチレンブロック共重合体樹脂が好ましい。
【0015】これらの樹脂をメイン樹脂(樹脂中の50重
量%以上を占める)とし、物理強度向上、遮光性物質の
分散性向上等の目的で容器本体を形成している(各種添
加剤を含んでいてもよい。)各種ポリプロピレン樹脂
(ホモ、ランダム又はブロック共重合体)の特性は、メ
ルトフローレート(ASTM D−1238、試験温度230
℃、試験荷重2.16kg)が10〜80g/10分、好ましくは15
〜50g/10分、曲げ弾性率(ASTM D−790)が4000
kg/cm2以上、好ましくは8000kg/cm2以上、23℃のノッ
チ付アイゾット衝撃強度(ASTM D−256)は2.0kg・
cm/cm以上である。
【0016】本発明で特徴的なのは、容器本体の周壁部
の内面を粗雑面に形成することにより、座屈や底ヒケが
発生しなくなったので、従来必要とした曲げ弾性率を半
分以下の4000kg/cm2以上とすることが可能になり、特
に身蓋一体型の容器の密封、嵌合性を向上できることで
ある。また、各種のポリエチレン樹脂(ホモ、ランダム
又はブロック共重合体)の特性は、メルトフローレート
(ASTM D−1238、試験温度190℃、試験荷重2.16k
g)が5〜80g/10分、好ましくは7〜70g/10分、特
に好ましくは10〜60g/10分、最も好ましくは11〜40g
/10分、密度(ASTM D−1505)が0.935g/cm3
上、好ましくは0.940g/cm3、特に好ましくは0.950g
/cm3以上、最も好ましくは0.960g/cm3以上、曲げ剛
性(ASTMD− 747)が4000kg/cm2以上、好ましく
は6000kg/cm2以上、特に好ましくは8000kg/cm2以上、
最も好ましくは10000kg/cm2以上である。
【0017】物理強度や透明性を要求される用途には各
種造核剤を0.01〜2.0重量%含むホモポリエチレン樹脂
とエチレン・αオレフィンランダム共重合体樹脂が好ま
しく、着色又は遮光性を要求される用途には各種着色染
顔料又は遮光性物質を含むホモポリエチレン樹脂やエチ
レン・αオレフィンブロック共重合体樹脂が好ましい。
【0018】エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示
す。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂 (以後、EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 (11)アイオノマー樹脂 (エチレンと不飽和酸との共重合物を亜鉛などの金属で
架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂 (以後、L−LDPE樹脂と表示) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体樹
【0019】エチレン共重合体樹脂中では、写真フィル
ムの写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、物理強度向
上効果が大きく、遮光性物質の分散性が良好でウェルド
ラインの強度も大きいL−LDPE樹脂とEEA樹脂が
好ましい。また、必要特性に適合させるために、他の熱
可塑性樹脂、合成ゴム等の各種エラストマー、各種添加
剤、改質剤等とブレンドして用いることも好ましい。
【0020】エチレン共重合体樹脂の中で特に好ましい
ものはエチレン・αオレフィン共重合体樹脂で、一般に
は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以後、略号のL−L
DPE樹脂と表示する)と呼ばれる樹脂である。
【0021】L−LDPE(iner ow ensity o
lyethylene)樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、
中低圧法、高圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ
省エネルギー、省資源という時代の要請に合致する低コ
スト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧
改良法でエチレンと炭素数が3〜13個、好ましくは4〜
10個のα−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状
の直鎖に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂であ
る。物理強度やコストの点で好ましいα−オレフィンと
してはブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘプテン−1、デセン−1などが
使用される。
【0022】密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂程
度とされているが、本発明の写真フィルム用容器では0.
90〜0.97g/cm3のものを使用目的に応じて選択して用
いる。メルトフローレート(ASTM D 1238)は5〜
80g/10分のものを使用目的に応じて選択して用いる。
オルゼン剛性(ASTM D 747)は身蓋別体形式(図
1、図2等)の場合、身(容器本体)は5000kg/cm2
上とし、蓋(キャップ)は4500kg/cm2以下とし、身蓋
一体形式(図3、図4、図7、図8等)の場合は5000kg
/cm2〜18000kg/cm2とすることが写真フィルムパトロ
ーネの保護、密封性確保等の点から好ましい。
【0023】L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては
中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相スラリー法
と高圧改良法装置を用いるイオン重合法等がある。
【0024】L−LDPE樹脂の具体例を以下に示す。 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 Gレジン (UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン-1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0025】また、最近発売された密度が0.910g/cm3
未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えば
UCC社のNUC−FLXや住友化学(株)のエクセレン
VLも好ましい(以上、2社品共α−オレフィンが炭素
数4個のブテン−1を使用)。
【0026】また、接着性ポリオレフィン樹脂も、遮光
性物質等の分散性を向上させ、かつ物性も向上させるの
で好ましい。この接着性ポリオレフィン樹脂は、ポリオ
レフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性し
た変性樹脂である。例えば、グラフト変性ポリエチレン
樹脂、グラフト変性、エチレン・アクリル酸エチル共重
合体樹脂、グラフト変性エチレン・酢酸ビニル共重合体
樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂およびポリブテ
ン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレフ
ィンやエチレン・αオレフィン共重合体樹脂を不飽和カ
ルボン酸等でグラフト変性した樹脂等がある。好ましく
は、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽
和カルボン酸をポリオレフィン樹脂にグラフトしたグラ
フト変性ポリオレフィン樹脂である。また、不飽和カル
ボン酸類のグラフト率が0.01〜10%であることが好まし
い。
【0027】不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含め
て総称するもので、代表例をあげると、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テ
トラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シト
ラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタ
クリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマ
ル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モ
ノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−
ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カ
リウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アク
リル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。
【0028】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0029】接着性ポリオレフィン樹脂における不飽和
カルボン酸類をグラフト変性させる方法は、特に限定さ
れない。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−2742
1号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特公
昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリー状態で
反応させる特公昭43−18144号公報等に開示の方法や、
気相状態で反応させる特公昭50−77493号公報等に開示
の方法等がある。
【0030】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作が簡便でかつ安価な方法なので好ましい。
【0031】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン-1樹脂、ポリ−4−
メチルペンテン−1樹脂等のα−オレフィン樹脂等)10
0重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.2〜5重
量部である。
【0032】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために過酸化物等が用いられる。
【0033】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイド
ロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパー
オキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等が
ある。無機過酸化物としては、例えば、アソビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物、過流酸アンモニウム等が
ある。
【0034】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃〜2
00℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−ク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンであ
る。
【0035】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.005〜
5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0036】市販の接着性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “ノバテック−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “メルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等
【0037】また、本発明の写真フィルム用容器には、
廃棄物として埋立て処理する場合を考えて、現在、研究
が進められている、又は一部市場に導入されているよう
な分解性プラスチックを利用することができる。例え
ば、生分解性を有するポリマーとしてICI「BIOP
OL」、UCC「ポリカプロラクトン等を利用すると
か、あるいは生分解を受けやすい天然、あるいは合成高
分子を添加剤として配合することによって間接的に崩壊
させるポリマー、又はデンプン配合ポリエチレン等を利
用することもできる。
【0038】特に最近安価で、微生物の働きで二酸化炭
素と水に分解する化学合成の生分解性プラスチックとし
て発売された、昭和高分子(株)製の「ビオノール」(ジ
カルボン酸等から化学合成した特殊なポリエステル系樹
脂)やイタリアのノバモント社製の「マタービー」(ト
ウモロコシのでんぷんと生分解性を持つ変性ポリビニル
アルコールのポリマーアロイ)を本発明の成形品用樹脂
組成物中に10重量%以上添加することも産業廃棄物処理
性向上の点で好ましい。
【0039】また、光分解性のポリマーを利用すること
も可能である。例えば、ポリエチレン重合時に主鎖に光
増感基としてカルボニル基を導入したエチレンと一酸化
炭素との共重合によるECOコポリマーを利用すると
か、あるいは添加剤として遷移金属塩、酸化促進剤、光
増感材等をベースポリマーに加え、光分解性を付与した
ものを利用することができる(特開平3−129341号公報
参照)。
【0040】本発明の写真フィルム用容器には、爆発音
の低下、成形サイクル短縮、擦り傷や底ひけや座屈等の
成形故障減少、写真フィルムの出し入れ適性向上、耐摩
耗性向上及び滑性を向上させるために、滑性向上物質を
添加することができる。この滑性向上物質には、滑剤、
帯電防止剤、界面活性剤、防滴剤等がある。
【0041】写真フィルムに悪影響を与えない市販の代
表的滑剤名と製造メーカー名を以下示す。
【0042】(1) シリコーン系滑剤 各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性
物、カルボキシル変性シリコン、αメチルスチレン変性
シリコン、αオレフィン変性シリコン、ポリエーテル変
性シリコン、フッ素変性シリコン、親水性特殊変性シリ
コン、オレフィンポリエーテル変性シリコン、エポキシ
変性シリコン、アミド変性シリコン、アミノ変性シリコ
ン、アルコール変性シリコン(信越シリコーン、東レシ
リコーン)等
【0043】(2) オレイン酸アミド系滑剤 アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロ
ン(日本精化)、ニュートロンE−18(日本精化)、ア
マイドO(日東化学)、アルフロE−10(日本油脂)、
ダイヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−20
0(日本化成)等
【0044】(3) エルカ酸アミド系滑剤 アルフロ−P−10(日本油脂)等
【0045】(4) ステアリン酸アミド系滑剤 アルフロ−S−10(日本油脂)、ニュートロン2(日本
精化)、ダイヤミッド200(日本化成)等
【0046】(5) ビス脂肪酸アミド系滑剤 ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス(日
本化成)、アーモワックスEBS(ライオン・アクゾ)
【0047】(6) アルキルアミン系滑剤 エレクトロストリッパ−TS−2(花王石鹸)等
【0048】(7) 炭化水素系滑剤 流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、
合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカルボン等
【0049】(8) 脂肪酸系滑剤 高級脂肪酸(C12以上が好ましい)、オキシ脂肪酸等
【0050】(9) エステル系滑剤 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪
酸の脂肪アルコールエステル等
【0051】(10)アルコール系滑剤 多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0052】(11)金属石けん ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ステアリル乳
酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、乳酸、フタル
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸とLi、K、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Z
n、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との化合物等
【0053】滑剤の種類及び添加量と写真フィルム用容
器本体の静摩擦係数との関係を図25に示す。この図にお
いて、樹脂としてはMFRが40g/10分のプロピレン・
エチレン共重合体樹脂を用い、滑剤としてはaはオレイ
ン酸アミド0.5重量%添加した樹脂、bはオレイン酸ア
ミド0.3重量%添加した樹脂、cはエルカ酸アミド0.3重
量%添加した樹脂、dはステアリン酸アミド0.3重量%
添加した樹脂、eは花王(株)製エレクトロストリッパー
TS−2(アルキルアミン)1.0重量%添加した樹脂、
fはオレイン酸アミド0.1重量%添加した樹脂、gはオ
レイン酸アミド無添加の樹脂である。
【0054】また、滑剤と成形性との関係を図26に示
す。この図は、LDPE樹脂(低密度ホモポリエチレン
樹脂)にオレイン酸アミドを添加した樹脂組成物で写真
フィルム用キャップ(蓋)を成形した時の、オレイン酸
アミドの添加量と成形サイクルの関係を示している。
【0055】金型としては、24ヶ取りホットランナー方
式を用い、射出成形機としては型締圧150tのトグル式
型締機構の射出成形機を用いた。
【0056】帯電防止剤の例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油脂)、T
−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット31
0(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400(ラ
イオン油脂) N,N−bis(2−hydroxyethyl cocoamine):アーモス
タット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC 273C,273,273E
(Fine Org.Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−ethanol−amine:Belg.
P. 654, 049 N−hydroxyoctadecyl−di−ethanol−amine:(Natio
nal Dist.)
【0057】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−115(松
本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリークSM−
2(吉村油化学) シュウ酸-N,N'-ジステアリルアミドブチルエステル:ヘ
キスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0058】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,116〜118
(第一工業製薬)、レジスタットPE132, 139(第一工
業製薬)、エレガンE115,ケミスタット1005(日本油
脂)、エリークBM−1(吉村油化学)、エレクトロス
トリッパーTS,TS2,3,5,EA,EA2,3
(花王石鹸)
【0059】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:モノグリ((日本樟脳)、
TB−123(松本油脂)、レジスタット113(第一工業製
薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:ブリティシュ・セロファン
【0060】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na (2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0061】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300, 401, 40
2, 406, 411(第一工業製薬) (2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC60
9(アメリカン・シアナミド)、デノン314C(丸菱油
化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、100V(ア
ーマー)、エレクトロストリッパーES(花王石鹸)、
ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl−dimethyl−β−hydroxyethyl amm
onium nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・
ジアナミド)
【0062】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型 (2) イミダゾリン型 レオスタット53, 532(ライオン油脂)、AMS53(ライ
オン油脂)、AMS303, 313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型 (3) 金属塩 AMS576(ライオン油脂) レオスタット826, 923(ライオン油脂) (RNR'CH2CH2CH2NCH2COO)2MgR≧C,
R'=Hまたは(CH2)mCOO−:ライオン油脂 R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属 (4) アルキルアラニン型
【0063】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0064】VI.その他:レジスタット204, 205(第一
工業製薬)、エレガン2E, 100E(日本油脂)、ケミ
スタット1002, 1003, 2010(日本油脂)、エリーク51
(吉村油化学)、ALROMINE RV−100(ガイギ
ー)
【0065】以上帯電防止剤の中で写真性及び人身に与
える悪影響が小さいので、非イオン(ノニオン)系帯電
防止剤が特に好ましい。
【0066】帯電防止剤について具体的に説明する。内
部用帯電防止剤としては非イオン系、アニオン系、両性
イオン系のいずれを用いても良い。
【0067】具体的には、非イオン系としては高級アル
コールのエチレンオキサイド付加体、アルキルフェノー
ルのエチレンオキサイド付加体、エステル類(たとえば
高級脂肪酸と多価アルコールのエステル、高級脂肪酸の
ポリエチレン−グリコールエステル等)、ポリエーテル
類、アミド類(たとえば高級脂肪酸アミド、ジアルキル
アミド、高級脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加体
等)が効果的である。
【0068】アニオン系としては、アルキルアリルホス
ホン酸、アジピン酸、グルタミン酸、アルキルスルホン
酸塩類、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンア
ルキルホスフェート、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩、および
ソジウムジアルキルスルホサクシネートが効果的であ
る。
【0069】カチオン系については、アミン類(たとえ
ばアルキルアミンのリン酸塩、シッフ塩基、アミドアミ
ン、ポリエチレンイミン、アミドアミンと金属塩の複合
体、アミノ酸のアルキルエステル等)、イミダゾリン
類、アミンエチレンオキサイド付加体、第4級アンモニ
ウム塩などが良い。
【0070】両イオン性系については、N-アシルザルコ
シネート、アミノカルボン酸誘導体類、アラニン型金属
塩、イミダゾリン型金属塩、カルボン酸型金属塩、ジカ
ルボン酸型金属塩、ジアミン型金属塩、酸化エチレン基
を有する金属塩等が良い。
【0071】上記の範疇に入らない物質として、無機電
解質、金属粉末、金属酸化物、カオリン、ケイ酸塩、炭
素粉末、炭素繊維も本発明の効果がある。また、グラフ
ト重合およびポリマーブレンド等も効果的である。
【0072】次に外部用帯電防止剤として用いられる代
表例をあげると、非イオン系では多価アルコール類(た
とえばグリセリン、ソルビット、ポリエチレングリコー
ル、ポリエチレンオキサイド等)、多価アルコールエス
テル類、高級アルコールエチレン−オキサイド付加体
類、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体類、
脂肪酸エチレンオキサイド付加体類、アミド類、アミド
酸化エチレン付加体類、アミン酸化エチレン付加体類等
があり、また両イオン性系ではカルボン酸類(たとえば
アルキルアラニン等)、スルホン酸類等が効果的であ
る。
【0073】アニオン系では、カルボン酸塩、硫酸誘導
体(例えばアルキルスルホン酸塩等)、リン酸誘導体
(たとえばホスホン酸、リン酸エステル等)ポリエステ
ル誘導体が良い。
【0074】カチオン系では、アミン類(たとえばアル
キルアミン、アミドアミン、エステルアミン等)、ビニ
ル窒素誘導体、第4級アンモニウム塩(たとえばアミド
基を含むアンモニウム塩、エチレンオキサイドを含むア
ンモニウム塩等)、アクリル酸エステル誘導体、アクリ
ル酸アミド誘導体、ビニルエーテル誘導体等がある。
【0075】界面活性剤の例を以下に示す。 (1) 非イオン界面活性剤(代表的成分ポリオキシエチレ
ングリコール類) (2) アニオン界面活性剤(代表的成分ポリオキシエチレ
ングリコール類) (3) 陽イオン界面活性剤(代表的成分第4級アンモニウ
ム塩) (4) 両性界面活性剤
【0076】前記非イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミ
ン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ペンタエリ
スリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミノ
または脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アル
キルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキル
ナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコー
ルの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加
物、その他特公昭63−26697号公報120頁記載の各種非イ
オン帯電防止剤等。
【0077】前記アニオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂肪
酸金属塩、リシノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ
塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの硫
酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソー
ダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォ
ン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレン
スルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コ
ハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等
【0078】前記陽イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、ピリジン誘導体等
【0079】前記両性界面活性剤の代表例を以下に示
す。カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体、ペタイン
誘導体等 帯電防止剤の添加量は、0.001〜5.0重量%が好ましく、
0.005〜3.0重量%がより好ましい。添加量が0.001重量
%未満であると、帯電防止効果や滑性向上効果がほとん
ど発揮されず、混練経費増になるだけである。また、添
加量が5.0重量%を越えると、増量効果がほとんどない
だけでなく、経時によるブリードアウトの増加や樹脂の
押出し量がスクリューとのスリップのために大きく変動
し、樹脂充填量が増減してショートショットやバリ等の
成形故障が多発する。
【0080】防滴物質には、吸水性又は吸湿性物質(ポ
リビニルアルコール、デンプン、表面処理デンプン又は
変性デンプン、ポリマー鎖あるいは側鎖に水酸基、カル
ボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミ
ド基、スルホニル基等の極性基またはイオン性基等から
なる親水性基を含有する親水性ポリマー又は吸水性ポリ
マー等、具体的にはデンプン−アクリロニト加水分解
物、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体の酸化物、
架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド−アクリ
ル酸共重合体、ポリアクリル酸−ジアクリレート共重合
体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコールの架橋物、ポリエチレングリコー
ル等)と防滴剤がある。
【0081】本発明で防滴剤とは、写真フィルム用容器
に0.01〜3.0重量%ブレンドした時に、この容器に対す
る純水の接触角が50度以下、好ましくは45度以下、特に
好ましくは35度以下にさせる物質はすべて含むものであ
る。特に好ましい代表的防滴剤を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。また吸水性物質、
吸湿性物質、防滴剤のいずれか2種以上をミックスして
用いることもできる。
【0082】さらに、また無滴物質を含む写真フィルム
用容器にコロナ放電処理、オゾン接触処理、プラズマ処
理等の表面活性化処理を施すと防曇作用、防滴作用がさ
らに効果的に発揮されるので好ましい。
【0083】〈特に好ましい防滴剤の代表例〉ジグリセ
リンモノステアリン酸エステル、ポリグリセリンモノパ
ルミチン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタン
モノオレイン酸エステル、ソルビタンモノエルカ酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリ
セライド、オレイン酸モノグリセライド、ラウリン酸モ
ノグリセライド、ポリオキシエチレンノニルフェノール
エーテル、ソルビタンセスキパルミテート、ジグリセリ
ンセスキオレエート、ソルビトール脂肪酸エステル、ソ
ルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂
肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸
エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソル
ビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビ
タンパルミテート・プロピオレンオキサイド3モル付加
物、ソルビタンパルミテート・プロピオレンオキサイド
2モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトー
ルステアレート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジ
グリセリンパルミテート、グリセリンパルミテート、グ
リセリンパルミテート・エチレンオキサイド2モル付加
物等。
【0084】以上のような滑性向上物質の添加量は、0.
001〜5.0重量%が好ましく、0.01〜3.0重量%が特に好
ましく、0.02〜2.0重量%が最も好ましい。添加量が0.0
01重量%未満では、座屈や底ヒケの発生を防止すること
が出来ず、容器本体から金型コアを抜く時に爆発音が発
生し、成形サイクルを短縮することも困難になり、滑性
向上物質の添加効果が発揮されず混練経費増となるだけ
である。添加量が5.0重量%を越えると、ブリードアウ
トが多くなる。且つ増量した効果がほとんど発揮されず
コストアップになるだけである。
【0085】本発明の写真フィルム用容器には、印刷適
性や剛性向上及び遮光性(不透明度)と物理強度(特に
落下衝撃強度)等を向上させるために、遮光性物質を添
加することができる。
【0086】遮光性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、ゼオ
ライト、硫化モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊
維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸
鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウ
ム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト等
【0087】(2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン、芳香族ポリアミド繊維等
【0088】これらの遮光性物質の中で、不透明化する
無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比
較的不活性な物質であるので、光吸収性のカーボンブラ
ックと窒化チタンとグラファイトが好ましい。
【0089】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0090】実際の製品としては、例えば三菱化成製の
カーボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40
(B),#41(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#10
0,#600,#950,#1000,#2200(B),#2400(B),M
A8,MA11,MA100等が挙げられる。
【0091】海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,74,80,81,607等、
Regal 300,330, 400, 660, 991,SRF−S等、Vul
can3,6等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。
【0092】さらにアシュランドケミカル社のUnited
R,BB,15,102,3001,3004,3006,3007,3008,3
009,3011,3012,XC−3016,XC−3017,3020等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0093】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが望ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが望ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも望ま
しい。遮光性物質をポリエチレン系ポリマーに配合する
形態は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコ
スト、作業場の汚染防止等の点で望ましい。公知文献の
特公昭40−26196号では有機溶媒に溶解した重合体の溶
液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体−カー
ボンブラックのマスターバッチをつくる方法を、特公昭
43−10362号にはカーボンブラックをポリエチレンに分
散してマスターバッチをつくる方法を述べている。
【0094】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質はLarsenの油浸法で測定した屈折率が1.50以上の無
機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金属ペース
ト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈折率が1.
50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。( )内の
数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以上の無機顔料とし
ては、ルチル型酸化チタン(2.76)、アナターゼ型酸化
チタン(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモン
(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.02)、リトポン
(1.84)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム(1.6
4)、炭酸カルシウム(1.58)、タルク(1.58)、硫酸
カルシウム(1.56)、無水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.
54)、水酸化マグネシウム(1.54)、塩基性炭酸マグネ
シウム(1.52)、アルミナ(1.50)等がある。特に好ま
しいのは、屈折率が1.56以上、最も好ましいのは屈折率
が1.60以上の遮光性物質である。
【0095】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム(1.
46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.44)等は遮光
能力が小さいので多量の添加が必要で遮光性物質として
の使用は好ましくない。
【0096】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例
としては、銅粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、銀粉末、
錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等がある。
【0097】以上のような遮光性物質の添加量は、0.01
〜40重量%が好ましく、0.05〜30重量%が特に好まし
く、0.1〜20重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量
%未満では、添加効果が発揮されず混練経費増になるだ
けである。また、添加量が40重量%を越えると、物理強
度低下が大きく(特に落下衝撃強度)、ウェルドライン
の発生が強く、外観が不良になり写真フィルム用容器と
しては実用化不可である。
【0098】遮光性物質の分散性向上、ブツ(異物状の
固り)の発生防止、金型表面の汚れの発生防止のため遮
光性物質の表面を被覆処理して用いることが好ましい。
【0099】遮光性物質の表面被覆処理用として好まし
いものは、遮光性物質の凝集を防止するため粒子の表面
を被覆しやすい物質が好ましい。
【0100】このような表面処理に用いる物質として
は、各種ワックス、酸変性熱可塑性樹脂(前記接着性ポ
リオレフィン樹脂が代表例)、特に酸変性ポリオレフィ
ン樹脂、エチレン・アクリル酸エステル共重合体樹脂、
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。特に、
これらの酸変性ポリオレフィン樹脂の中でもビカット軟
化点が低い、好ましくは100℃以下、特に好ましくは90
℃以下、メルトインデックスが1.0g/10分以上、好ま
しくは5.0g/10分以上、特に好ましくは8.0g/10分以
上のものである。
【0101】重量平均分子量が10,000以下の低分子量の
ポリオレフィン樹脂も好ましく、ポリエチレンワックス
(ホモポリエチレンワックス、エチレンαオレフィンワ
ックス)、ポリプロピレンワックスを単独又は熱可塑性
樹脂又は以下の物質とブレンドして用いることが好まし
い。また、各種滑剤(前記参照)や界面活性剤(前記参
照)や帯電防止剤(前記参照)や可塑剤及び各種カップ
リング剤等も遮光性物質の分散性向上、成形性向上、表
面平滑性向上、ブツの発生防止、滑性向上、帯電防止性
向上、写真フィルムの包装加工適性向上を達成し、ブリ
ードアウトしやすい滑剤や界面活性剤や帯電防止剤や可
塑剤を遮光性物質に吸着又は化学反応させる状態で遮光
性物質の表面被覆処理できるので好ましい。
【0102】以下に特に好ましい遮光性物質の表面被覆
に用いる代表的物質について述べるが、本発明はこれら
に限定されるものでなく、遮光性物質を表面被覆した状
態で用いることをすべて包含するものである。
【0103】(1) 2ないし4価のアルコールで被覆処理
した遮光性物質を各層のいずれか1層以上に用いる。2
ないし4価としてはエチレングリコール、プロピレング
リコール、ペンタメチレングリコール、ヘプタメチレン
グリコール、ドデカメチレングリコール、1,3−ジヒ
ドロキシブタン、1,4−ジヒドロキシブタン、2.5−
ジヒドロキシヘキサン、2.4−ジヒドロキシ−2−メ
チルペンタン等の1分子中に2個のヒドロキシル基を有
するもの。
【0104】(2) トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン等の1分子中に3個のヒドロキ
シル基を有するもの。ペンタエリスリトール等の1分子
中に4個のヒドロキシル基を有するものが好ましい。多
価アルコールの遮光性物質の表面被覆処理量は、遮光性
物質に対して0.001ないし20重量%、好ましくは0.005な
いし10重量%、特に好ましくは0.01ないし5重量%であ
る。
【0105】本発明における多価アルコールには、1分
子中に2ないし18ヶの炭素原子を有するものを使用しう
るが、その中でも1分子中に2ないし6ヶの炭素原子を
有するものが好ましい。更には、1分子中に3ヶのメチ
ロール基を有し、且つ1分子中に4ないし5ヶの炭素原
子を有するものが好ましく、その中でもトリメチロール
エタンが特に好ましい。
【0106】特に、上記多価アルコールと滑剤と併用す
ることが成形性向上、滑性向上、ブリードアウトによる
白粉防止、加工包装適性向上等各種の特性を同時に向上
することが出来るので好ましい。
【0107】多価アルコールを遮光性物質の表面に被覆
処理するには、多価アルコールを溶剤に溶解したものの
中に遮光性物質を浸漬してから溶剤を蒸散乾燥する方
法、多価アルコールを溶剤に溶解したものを遮光性物質
に噴霧してから溶剤を除去・乾燥する方法、あるいは多
価アルコールを液状に溶融して遮光性物質と混和させる
方法等がある。
【0108】特に、多価アルコールと遮光性物質を混和
して粉砕する方法が好ましい。具体的には、遮光性物質
をマイクロナイザーあるいはジェットミル等の流体エネ
ルギー粉砕機で粉砕する際に多価アルコールを添加した
り、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高剪断
力混和機を用いて均一に混合して遮光性物質の表面に被
覆する方法等が用いることができる。
【0109】エチレン共重合体樹脂、酸変性樹脂、無水
マレイン酸との共重合体樹脂、100℃以下の低ビカット
軟化点樹脂やパラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス等と遮光性物質を温度と高
いシェアをかけて溶融混練することにより遮光性物質の
表面に被覆することが好ましい。
【0110】各種滑剤、各種界面活性剤、各種帯電防止
剤、防滴剤等についても上記多価アルコールと略同様の
方法で遮光性物質の表面に被覆することができる。
【0111】本発明の写真フィルム用容器には、熱分解
による写真フィルムの写真性に悪影響を与える物質の発
生防止及び樹脂焼けを防止するために、酸化防止剤を添
加することができる。樹脂焼けによるブツ(異物状の不
溶解物質の固り)が発生するとこれがゲート詰まりを発
生させ、ショートショット等の成形故障を発生させるだ
けでなく、場合によっては欠落が発生する。
【0112】酸化防止剤の代表例を以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤(tはtertの略号である) 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6
−ジ−t−ブチル−Pクレゾール、2・6−ジ−t−ブ
チル−フェノール、2・6−ジ−t−ブチル−α−ジメ
チルアミノ−p−クレゾール、2・6−ジ−t−ブチル
−p−エチルフェノール、2・2'−メチレンビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4'
−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、4・4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)、4・4−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキ
サン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
n−オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2'−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニール)、4・4'−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3・
5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5ト
リメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブチ
ル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メ
チレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン等
【0113】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0114】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N'−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0115】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0116】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等
【0117】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0118】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0119】本発明に最も好ましいヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の代表例を以下に示す。1,3,5−トリ
メチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチ
レン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナメート)〕メタン、テトラキス〔メチレン−
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、オクタデシル−3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメ
ート、2,2',2'−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エ
チルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メチルベンジ
ル)イソシアヌレート、テトラキス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ亜リン酸エ
ステル、4,4'−チオビス−(6−tert−ブチル−O−
クレゾール)、2,2'−チオビス−(6−tert−ブチル
−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(2,6
−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン
ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4
−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノール、2,6−ジ−tert−4−n−ブチルフェノー
ル、2,6−ビス(2'−ハイドロキシ−3'−tert−ブ
チル−5'−メチルベンジル)−4−メチルフェノー
ル、4,4'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−O
−クレゾール)、4,4'ブチリデン−ビス(6−tert−
ブチル−m−クレゾール)などがあげられる。これらの
中でも融点が100℃以上、特に120℃以上のものが好まし
い。また、燐系酸化防止剤と併用することが効果的であ
る。
【0120】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER B
HT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギ
ー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER BP−76(住友)、TOMINOX
SS(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、
NONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Mo
nsanto)、SUMILIZER WX R(住友)、AN
TAGECRYSTAL(川口)、IRGANOX 103
5(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川口)、N
OCLIZERNS−6(大内新興)、IRGANOX
1425 WL(チバガイギー)、MARKAO−80(アデ
カ・アーガス)、SUMILIZER GA−80(住
友)、TOPANOL CA(ICI)、MARK AO
−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20(アデ
カ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガイギ
ー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IR
GANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790
(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、
MARK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMIL
IZER BP−101(住友)、TOMINOX TT(吉
富)等
【0121】(2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168
(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・アーガ
ス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、MARK
PEP−8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX
626(ボルグ・ワーナー)、MARK PEP−24G(ア
デカ・アーガス)、MARK PEP−36(アデカ・ア
ーガス)、HGA(三光)等
【0122】(3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTD
P "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER
TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DMTD
"YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER
TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DSTP
"YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER T
PS(住友)、ANTIOXS(日油)、SEENOX
412S(シプロ)、MARK AO−412S(アデカ・ア
ーガス)、SUMILIZER TP−D(住友)、M
ARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDST
AB P−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−BP
Q FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チバ
ガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、W
ESTON 399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260
(アデカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アー
ガス)等
【0123】(4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−
6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−1024
(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0124】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BH
T、Sumilizer BH−76、Sumilizer WX−R、Sum
ilizer BP−101等である。
【0125】また、2,6−ジ−tert−ブチル−p−ク
レゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型
酸化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ireganox 107
6,Topanol CA、Ionox 330等)、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジ
アルキルフォスフェート等の1種以上、特に2種以上を
併用するのが効果的である。
【0126】以上のような酸化防止剤の添加量は、0.00
1〜2重量%、0.001〜1重量%が好ましく、0.005〜0.5
重量%が特に好ましく、0.07〜0.3重量%が最も好まし
い。添加量が0.001重量%未満では、酸化防止剤として
の効果が発揮されず、樹脂の熱分解による写真特性の悪
化(カブリや感度異常の発生)、樹脂焼けによるブツの
発生増加や着色故障の発生が増加する。また、添加量が
1重量%を越えると、写真感光材料の写真特性に悪影響
(カブリの増加、感度異常等の発生)を及ぼし、致命的
な品質故障となり実用化不可になる。
【0127】さらにカーボンブラック等と併用すると酸
化防止作用と着色防止作用(着色故障が発生しても見え
なくなる)が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸
化防止剤(特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好
ましい)と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用す
ると、酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。ま
た、ビタミンEは着色向上、酸化防止性向上作用がある
ので着色容器用の酸化防止剤として特に好ましい。
【0128】その他の酸化防止剤についてはプラスチッ
ク データ ハンドブック(KK工業調査会発行)の794
〜799ページに開示されている。
【0129】さらにまたプラスチック添加剤データー集
(KK化学工業社)の327〜329ページに開示された各種
酸化防止剤やPLASTICS AGE ENCYCLO
PEDIA進歩編 1986(KKプラスチック・エージ)の
211〜212ページに開示された各種酸化防止剤等を選択し
て用いることが可能である。
【0130】以上のような酸化防止剤が写真感光材料に
悪影響を及ぼさないようにする機構について説明する。
【0131】酸化分解は、CH3の分岐の多いポリオレ
フィン樹脂ほど多い。それは酸素吸収量が多いからであ
り、従って酸化分解は、(多い)ポリプロピレン樹脂>
ホモポリエチレン樹脂>エチレン・αオレフィン共重合
体樹脂(少ない)となる。
【0132】結晶性樹脂の代表的な熱可塑性樹脂である
各種ポリエチレン樹脂(エチレン・αオレフィン共重合
体樹脂も含む)や各種ポリプロピレン樹脂(プロピレン
・エチレン共重合体樹脂も含む)等は炭化水素であり、
炭化水素の自動酸化は酸素の存在下で脱水して一旦遊離
基が生成すると、連鎖的に次のように進行するものと考
えられている。
【0133】 RH→R・ R・+O2→ROO・ ROO・+RH→ROOH+R・ ROOH→RO・+・OH RO・+RH→ROH+R・ ・OH+RH→HOH+R・ このようにして炭化水素の酸化が加速的にはやめられて
多量のアルコール、アルデヒド、酸などを生じ、さらに
これらが相互に反応して重合物を作る。
【0134】炭化水素の酸化を防止するには、上記連鎖
反応をたちきることが必要で、そのために酸化防止剤が
用いられる。その他、以下に記載するラジカル捕獲剤を
添加することも好ましい。
【0135】本発明に使用される、ラジカル捕獲剤とし
ては、ビスフェノールA、1・1−ジフェニル−2−ビ
クリルヒドラジル、1・3・5−トリフェニルフェルダ
ジル、2・2,6・6−テトラメチル−4−ピペリドン
−1−オキシル、N−(3−N−オキシアニリノ−1・
3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、塩化第
二鉄などのような高原子価金属塩、ジフェニルピクリル
ヒドラジン、ジフェニルアミン、ハイドロキノン、t−
ブチルカテコール、ジチオベンゾイルジスルフィド、p
・p'−ジトリルトリスルフィド、ベンゾキノン誘導
体、ニトロ化合物、およびニトロソ化合物などを挙げる
ことができる。これらのうちでも、ハイドロキノンを用
いることは特に好ましい。また、上記のラジカル捕獲剤
は単独で用いてもよく、あるいは数種類を併用すること
もできる。滑性熱可塑性樹脂層中のラジカル捕獲剤の含
有量は、100〜10,000ppmである。
【0136】酸化防止剤には、連鎖伝播体である遊離基
(主としてROO・)と反応してこれを不活性化する遊
離基連鎖停止剤と遊離基の主要な発生源であるヒドロペ
ルオキシドROOHを分解してこれを安定化する過酸化
物分解剤とがある。
【0137】前者としては、アルキルフェノール系酸化
防止剤と芳香族アミン系酸化防止剤がある。後者として
は、硫黄系酸化防止剤とリン系酸化防止剤がある。
【0138】樹脂の熱劣化による黄変又は褐変やブツ
(異物状の黒色の固り)の発生を防止するために遊離基
連鎖停止酸化防止剤と過酸化物分解酸化防止剤を併用す
ることが好ましい。
【0139】各種酸化防止剤は、写真感光材料に悪影響
を及ぼす還元剤でもあるので種類、添加量は慎重に検討
しないと写真感光材料の品質劣化が大きくなり問題にな
る。
【0140】熱可塑性樹脂、特にポリエチレン系樹脂の
熱劣化防止のために有機環状燐化合物を0.001〜1重量
%、好ましくは0.005〜0.8重量%、特に好ましくは0.01
〜0.5重量%単独で又は他の酸化防止剤と併用すること
が好ましい。併用する酸化防止剤としては環状燐化合物
の過酸化物分解作用とは異なる遊離基連鎖停止作用をす
る写真感光材料に悪影響を及ぼすことが少ないフェノー
ル系酸化防止、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤
を0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.8重量%、特
に好ましくは0.01〜0.5重量%併用することが好まし
い。
【0141】これらの併用にさらに前記ラジカル捕獲剤
及び/又はリン酸やクエン酸、リン酸化合物やクエン酸
化合物等を合わせて併用すると長時間連続成形が可能に
なるので好ましい。本発明の有機環状燐化合物の代表的
一般式を以下に記載する。
【0142】
【化1】 {式中、R1は第三ブチル基または第三アミル基を示
し、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、R3
水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
4は炭素原子数1〜30のアルキル基または炭素原子数
6〜15のアリール基を示す。}
【0143】
【化2】 {式中、R1は第三ブチル基または第三アミル基を示
し、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、R3
水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
4は炭素原子数1〜30のアルキル基または炭素原子数
6〜15のアリール基を示す。}
【0144】
【化3】 {式中、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、
3は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
示し、Mはアルカリ金属を示す。}
【0145】
【化4】 {式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜4のアル
キル基を示し、R5及びR 6はそれぞれ水素原子、炭素原
子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基またはアラルキル基を示し、Xは−OH基または−O
-NH4 +を示す。}
【0146】写真フィルム用容器の光劣化を防止するた
めに各種の紫外線吸収剤を0.001〜5重量%、好ましく
は0.005〜3重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%含
ませる。紫外線吸収剤として特に好ましいのはヒンダー
ドアミン系紫外線吸収剤である。代表例としては、2.
2,6.6−テトラメチル−4−ピペリジノール、2.2,
6.6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート等
がある。その他ベンゾフェノン系紫外線吸収剤も好まし
い。
【0147】本発明の写真フィルム用容器には、結晶化
速度の向上による成形サイクルの短縮、透明性、硬度お
よび剛性の向上、ゲート残りの減少などのために、各種
の有機及び無機造核剤を添加することができる。好まし
い有機造核剤の例を以下に示す。
【0148】1・3・2・4−ジ(メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1・3・2・4−ジ(エチルベンジ
リデン)ソルビトール、1・3・2・4−ジ(プロピル
ベンジリデン)ソルビトール、1・3・2・4−ジ(メ
トキシベンジリデン)ソルビトール、1・3・2・4−
ジ(エトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3・2
・4−ジ(P−メチルベンジリデン)ソルビトール、1
・3・2・4−ジ(P−クロルベンジリデン)ソルビト
ール、1・3・2・4−ジ(P−メトキシベンジリデ
ン)ソルビトール、1・3・2・4−ジ(アルキルベン
ジリデン)ソルビトール、1・3・2・4−ビス(メチ
ルベンジリデン)ソルビトール、アルミニウムベンゾエ
ート等。特に、ジベンジリデンソルビトール化合物が好
ましい。
【0149】有機造核剤は、単独で用いても無機造核剤
(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属水酸化物、酸化ナトリウム等のアルカ
リ金属酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のア
ルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、
炭酸カルシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属
酸化物など)との併用、有機造核剤の2種以上を併用す
ることもできる。また、有機造核剤の表面を各種の脂肪
酸、脂肪酸化合物、カップリング剤、界面活性剤等で被
覆することができる。
【0150】造核剤をブレンドする方法としては、コン
パウンド方式やドライブレンド方式やマスターバッチ方
式等があるが、マスターバッチ方式が好ましい。カサが
高く、飛散しやすいのでそのまま配合することは困難で
あり、少量の分散剤や湿潤剤を入れて配合すると良い。
分散剤として効果があるものとしては無水カルボン酸、
高級脂肪酸等があり、オレイン酸アミド等の滑剤は特に
好ましい。湿潤剤としてはDOP、DHP等の可塑剤が
使用できる。
【0151】また高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金
属塩等の脂肪酸や脂肪酸化合物の純品を有機造核剤の表
面にコーティングしたり、ブレンドして分散効果を高
め、ブリードを防ぐことも好ましい。すなわち、これら
の添加剤を添加することにより、剛性が大きくなり摩耗
による白粉の発生を減少させるとともに、有機造核剤の
結晶化またはブリードアウトによる白粉の発生を減少さ
せる。さらに、有機造核剤の悪臭を防止でき、かつ金型
からの離形性、静電気の発生防止及びブロッキング防止
性を向上させることができる。
【0152】以上のような造核剤の添加量は、0.001〜
2重量%が好ましく、0.005〜1重量%が特に好まし
く、0.01〜0.5重量%が最も好ましい。添加量が0.001重
量%未満では、造核剤の添加効果が発揮されず、混練経
費増になるだけである。また、添加量が2重量%を越え
ると、ブリードアウトが多くなり白粉の発生が多くな
る。かつ、造核剤添加量を増加した効果が発生せず、コ
ストアップになるだけである。
【0153】また、本発明の写真フィルム用容器を、外
観を美しくして品質価値を向上させたり、印刷適性向
上、品種識別性向上、遮光性向上、容器内の温度上昇防
止、帯電防止、物理強度向上、X線遮断性向上等のため
に各種遮光性物質や各種充填剤を添加して着色すること
ができる。着色方法には以下に示す2つの方法がある。 (1) コンパウンド方式 成形品の着色濃度と同一濃度の均一着色樹脂ペレットを
用いる方式。 (2) マスターバッチ方式 着色剤が20重量%程度のカラーマスターバッチペレット
と、未着色の樹脂ペレットとを成形品の濃度となるよう
な割合で混合し、この混合したペレットを用いる方式。
【0154】これらの着色方式の内で、材料費が25%以
上安くなるので、マスターバッチ方式が好ましい。ま
た、マスターバッチ方式では、タンブラー混合機、オー
トカラー混合機(カラーマスターバッチペレットと未着
色樹脂ペレットを均一に混合する機械)スタチックミキ
サー、スーパーノズル(加熱溶融後の樹脂着色を均一に
する装置)などを導入して行う。マスターバッチペレッ
ト用樹脂としてはエチレン共重合体樹脂及び/又は低軟
化点(100℃以下)の熱可塑性樹脂(パラフィンワック
ス、低分子量のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
等)を50重量%以上含むことが好ましい。
【0155】光反射性着色剤としては、白色、黄色もし
くは半透明の有機又は無機の顔料又は染料がある。光反
射性無機顔料として炭酸カルシウム、焼成クレイ、酸化
チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、硫酸アルミ
ニウム、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、シ
リカ等がある。特に表面処理をした酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、硝酸バリウム、アルミニウム粉末、アルミニ
ウムペースト、合成シリカが好ましい。特に、硫酸バリ
ウムはX線遮断効果も有するので、海外旅行用の写真フ
ィルム用容器として最適である。
【0156】写真フィルム用容器の容器本体の好ましい
実施態様を以下に示す。 〈主として容器本体又は身蓋一体容器の場合〉 (1) プロピレン単位の含有率が50重量%以上の熱可塑性
樹脂よりなり、MFR(ASTM D−1238)が10〜80
g/10分、曲げ弾性率(ASTM D−790)が7000kg/
cm2以上、そして23℃におけるノッチ付のアイゾット衝
撃強度(ASTMD−256)が2.0kg・cm/cm以上である
ポリプロピレン系樹脂を用いて射出成形された容器本
体。
【0157】(2) プロピレン・エチレンランダム共重合
体樹脂50〜95重量%、ホモポリプロピレン樹脂及び/又
はプロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂5〜50重
量%、造核剤0.001〜2重量%、滑性向上物質0.001〜5
重量%含まれている容器本体。
【0158】(3) 防曇作用又は防滴作用を有する防滴物
質と滑剤とポリオレフィン樹脂50重量%以上含まれてい
る容器本体。
【0159】(4) MFRが8〜80g/10分、23℃におけ
るノッチ付アイゾット衝撃強度が1.5kg・cm/cm以上、
曲げ弾性率が7000kg/cm2以上のポリプロピレン樹脂50
〜95重量%とエチレン・αオレフィン共重合体樹脂4〜
50重量%、滑性向上物質が0.001〜5重量%含まれてい
る容器本体。
【0160】(5) MFR(ASTM D−1238)が7〜5
0g/10分、密度(ASTM D−1505)が0.945g〜0.9
85g/cm3以上、オルゼン剛性(ASTM D−747)が6
000kg/cm2以上、ショア硬度(ASTM D−2240)が6
0D以上、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(AST
M D−256)が2.0kg・cm/cm以上のホモポリエチレン
樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂を
60重量%以上含む容器本体。ホモポリエチレン樹脂、炭
素数が3〜10ヶのαオレフィンであるエチレン・αオレ
フィン共重合体樹脂単独使用の容器本体であってもよ
く、また各種添加剤添加により上記特性の容器本体であ
ってもよい。透明容器本体とする時は各種造核剤を0.00
1〜2重量%と酸化防止剤を0.001〜2重量%添加するこ
とが好ましい。
【0161】(6) MFR(ASTM D−1238)が5〜5
0g/10分、密度(ASTM D−792)が0.95〜1.2g/
cm3、曲げ弾性率(ASTM D−790)が11000kg/cm2
以上、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(ASTM
D−256)が2kg・cm/cm以上、ビカット軟化点(AS
TM D−1525)が95℃以上、ロックウェル硬度(AS
TM D−785)が60L以上の合成ゴム入ポリスチレン樹
脂を60重量%以上含む容器本体。
【0162】(7)(1)〜(6)の容器本体に各種遮光性物
質、特に白色顔料、金属粉末、淡黄色顔料等の光反射性
遮光性物質を0.001〜30重量%添加する。印刷適性向
上、遮光性、防熱性等の向上、白化を見えにくくし3重
量%以下の添加では落下強度を向上させる。遮光性物質
は、エチレン共重合体樹脂に高濃度(5重量%以上、好
ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上)
に混練したマスターバッチとして用いることが好まし
い。各種カーボンブラックを用いた場合は落下強度向
上、滑性向上、酸化防止性向上、樹脂焼け発生しても見
えなくなる、遮光性向上等の利点あり。
【0163】(8) 容器本体用樹脂としてメルトフローレ
ート(ASTM D−1238、温度190℃、荷重2.16kgで測
定した値)が5〜40g/10分、密度が0.950〜0.985g/
cm3、曲げ剛性(ASTM D−747)が8000kg/cm2
上、ビカット軟化点(ASTMD−1525)が115℃以上
のホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフ
ィン共重合体樹脂が50重量%以上が好ましく、70重量%
が特に好ましく、90重量%以上が最も好ましい。
【0164】(9) 容器本体用樹脂中に酸化防止剤0.001
〜2重量%と、造核剤0.01〜2重量%と、滑剤0.001〜
5重量%含むことが透明性向上、樹脂及び造核剤の熱劣
化防止、射出成形性向上、写真フィルムの写真性に悪影
響を及ぼす物質の発生防止、着色物質発生の防止等の点
で好ましい。
【0165】(10)残留重合触媒が写真フィルムの写真性
に悪影響を及ぼすのを防止するために金属石けん(好ま
しくはステアリル乳酸カルシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等)を0.
001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%、特に好ま
しくは0.05〜1重量%含むポリオレフィン樹脂組成物を
用いて射出成形された容器本体。
【0166】(11)有機造核剤を0.01〜2重量%と酸化防
止剤を0.001〜2重量%含む190℃以上の熱履歴を1回以
上経たポリオレフィン樹脂組成物から成る容器本体
【0167】(12)容器本体のヘイズ(ASTM D−100
3に準拠して測定した容器本体周壁部の厚さ0.5〜1.2mm
の時の値)が70%以下、好ましくは50%以下、特に好ま
しくは40%以下、最も好ましくは30%以下であることが
容器本体内の写真フィルムパトローネに印刷された文字
やマーク等を容器本体の外から目で確認可能にする透明
容器本体としては好ましい。
【0168】(13)酸化防止剤として融点が100℃以上の
ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び/又は燐系酸化
防止剤の1種以上の合計含有量が0.001〜2重量%含む
ポリオレフィン樹脂組成物から成る容器本体。
【0169】本発明の写真フィルム用容器の形状とその
得失を以下に記載する。 身蓋一体形状:同一樹脂組成物なので再生活用(リサイ
クル)可能、化粧小箱廃止可能 多角筒(4角筒、6角筒、8角筒)、円筒、楕円筒等
【0170】特に各種熱可塑性樹脂組成物が使用可能な
身蓋一体角形容器とすることにより、化粧小箱を不用と
し、使用後は身蓋同一樹脂組成物なので再ペレット化し
て再利用(リサイクル)化可能。
【0171】身蓋別体形状:多数ヶ取り成形性が優れ、
成形サイルを短縮可能 金型が安価 (イ) 身蓋同一樹脂組成物 再生活用(リサイクル)可能、密封性劣る。 (ロ) 身蓋別樹脂組成物 密封性に優れる。易開性に優れる。さらに、運搬貯蔵適
性が優れる。
【0172】(ロ)の場合、再生利用(リサイクル)でき
るように身蓋の比重差を0.1g/cm3以上、好ましくは0.
2g/cm3以上、特に好ましくは0.3g/cm3以上とするこ
とにより、水洗後比重差による身蓋の浮遊選別が可能に
なり、すべての点で優れた好ましい容器となる。比重差
を大きくするには顔料添加も有効手段。選別後、再ペレ
ット化してリサイクルしてもよい。
【0173】また、蓋用としてL−LDPE樹脂を用
い、身(容器本体)用としてホモポリプロピレン樹脂、
プロピレン・αオレフィン共重合体樹脂、密度0.94g/
cm3以上のホモポリエチレン樹脂又はエチレン・αオレ
フィン共重合体樹脂を60重量%含む樹脂組成物とすれば
蓋体用の混合樹脂を身用樹脂としてリサイクル可能であ
る。
【0174】容器本体と蓋体との関係で好ましい実施態
様を以下に示す。 (1) 容器本体を高剛性とし、蓋体を柔軟にすることによ
り密封性、嵌合強度、開封性、取扱い性を優れたものに
する。例えば、容器本体用樹脂の曲げ剛性/蓋体用樹脂
の曲げ剛性が1.5以上が好ましく、2以上が特に好まし
く、3以上が最も好ましい。
【0175】(2) 容器本体用樹脂として曲げ剛性の小さ
いものを使用するが、底部を厚肉又は補強リブを設け、
耐圧強度を大きくさせ、蓋用樹脂は容器本体用樹脂の曲
げ剛性以上のものを使用し、密封性を向上させる(蓋の
容器本体との蓋合部の外径は、身の内径より大きくす
る)。耐圧強度は高剛性の蓋と容器本体の底部で確保す
る。
【0176】(3) 容器本体および蓋共に着色し、不透明
になっているために容器内の製品の種類を容器外観から
判別できない欠点を蓋及び/又は身の着色区別により識
別させる。 例:赤色蓋とブラウン身…リバーサルフィルム 緑色蓋とブラウン身…ISO感度100ネガフィルム 白色蓋とブラウン身…マイクロフィルム 黒色蓋とブラウン身…ISO感度400ネガフィルム 黒色蓋と黒色身………ISO感度800ネガフィルム 銀色蓋と銀色身………ISO感度1600ネガフィルム (X線遮断機能を有する樹脂組成品とすることが好まし
い。)
【0177】(4) 容器本体と蓋を同一樹脂組成にする。
再生利用(リサイクル)可能化。身蓋一体形状とするこ
とが好ましい。
【0178】(5) 容器本体と蓋の比重差を0.1以上、好
ましくは0.2以上、特に好ましくは0.3以上とし、比重に
より身と蓋を洗浄しながら分別できるようにする。再生
利用(リサイクル)可能化。比重差は樹脂の種類の選
択、高比重の顔料、金属粉末添加等を利用する。
【0179】また、容器本体と蓋との嵌合は、要するに
嵌合状態で固定されていればよく、突起及び溝の形状、
突起をどちらに形成するか等は適宜変更できる。
【0180】本発明の写真フィルム用容器の適用できる
用途としては、写真フィルムパトローネ用容器がある。
この写真フィルムパトローネ用容器には、身蓋別の嵌合
形式および身蓋一体の嵌合形式がある。また、写真フィ
ルムの先端がリーダー部として予め突出させた現在最も
普及している135タイプ及び写真フィルムの先端までパ
トローネ本体内に巻き込んでおき、スプールの回転によ
って写真フィルムを送り出させるようにした写真フィル
ムパトローネ(米国特許第4,634,306号明細書、同第4,8
32,275号明細書、特開平4−320258号公報等に開示)用
容器として最も適している。
【0181】本発明の写真フィルム用容器を写真フィル
ムパトローネ用に適用する場合は、収納する写真フィル
ムパトローネとしては、写真用ロールフィルムを巻きつ
けるスプール軸を有するもので、円柱状、四角柱状等の
一般に用いられる各種のものが考えられる。材質は、現
在市販されている金属製でもよく、樹脂成形されたもの
でもよい。樹脂成形されたパトローネのように強度的に
弱いものには、耐衝撃強度、耐圧縮強度等の優れた本発
明の写真フィルムパトローネ用容器は特に有効である。
【0182】容器本体は、収納しようとする写真フィル
ムパトローネの形状に合わせて全体形状を決定すればよ
く、円柱状(真円柱状、楕円柱状も含む)、四角柱状、
多角柱状等いずれでもよい。
【0183】またその他、マイクロフィルム用容器、コ
アに長巻きした撮影用ネガフィルム容器、16mmカートリ
ッジ入ネガ写真フィルム(ポケットインスタマチックフ
ィルム)、プローニーフィルムなどの容器に適用でき
る。
【0184】以上のような写真フィルム用容器は、写真
フィルム容器を射出形成する樹脂をペレット状に形成
し、このペレット状の容器成形用樹脂を密封状態でコン
テナから射出成形機のホッパーへ空送して製造すること
が樹脂ペレット以外の不純物(砂、小石、紙繊維、塵、
放射能埃等)の混入防止のために好ましい。すなわち、
熱可塑性樹脂を異物混入防止密封系で(樹脂メーカーか
らの密封コンテナ輸送ペレットをパイプ輸送、サイロー
時貯蔵オートローラによる射出成形機のホッパーまでの
供給等)行うことにより、ゲート詰まりによるショート
ショットや欠落等の射出成形故障がなく連続成形が可能
になる。
【0185】このペレット状の容器成形用樹脂は、パイ
プ輸送適性、熱溶融適性等より寸法については長さ/直
径=0.1〜15が好ましく、特に0.3〜5が好ましい。そし
て、このような形状としては、円柱状、多角柱状、円錐
状、楕円状などがある。
【0186】また、写真フィルム用容器を射出成形する
には、樹脂注入口を容器本体の低部の略中心となる部位
に有し、外表面を高低差0.001〜5μmの粗雑面にした
雌型(キャビティー)と、内表面を高低差0.001〜5μ
mの粗雑面にした雄型(コア型)とを設け、これらの間
に巾0.4〜1.2mmのキャビテーを有し、キャビテーの先端
の雌型と雄型の合わさり目(金型の分割面)にガス抜き
用切り欠きを設けた金型を用いて射出成形することが好
ましい。このガス抜き用切り欠きの形状や寸法は特に限
定されるものではないが、ガス抜き効果が大きく、且つ
このガス抜き用切り欠き部から溶融樹脂が流れ出す故障
(バリ)を防止できるように設定する必要がある。具体
的寸法の例としては、このガス抜きの切り欠きの平均深
さはバリ発生防止とガス抜き効果のバランスより0.001
〜5μm、好ましくは0.005〜2.5μm、特に好ましくは
0.01〜1μmとする。ガス抜きの切り欠き幅は1μm以
上、好ましくは1000μm以上、特に好ましくは0.5〜5m
mである。
【0187】また、本発明発明の写真フィルム用容器に
印刷を施したり、印刷付包装材料(袋、ラッピング包
装、シュリンク包装、包装箱等)に収納することによ
り、内容表示、使用説明、バーコード等、ユーザー使用
適性と写真フィルム用容器の保護特性、オリジナルシー
ル性を確保することができる写真フィルム包装体を構成
する。また、写真フィルム用容器に包装フィルムを被覆
することにより、商品のバージン性を保証するととも
に、商品に化粧性を持たせることができる。この包装フ
ィルムとしては、シュリンクフィルムが好ましい。シュ
リンクフィルムは、一般に知られているポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を
使用することができる。リサイクル化を考慮すると、容
器本体及び蓋とほぼ同一材料のシュリンクフィルムで包
装することが再生材料化する場合に好ましい。
【0188】また、包装フィルムには、開封を容易にす
るため易開封手段をもうけることができる。この易開封
手段としては、例えば、オープニングテープ、ミシン
目、イージーピールの分離帯を用いることができる。こ
の易開封手段は、フィルムの全周に渡って設けてもよ
く、部分的に設けてもよい。また、1箇所に設けてもよ
く、複数箇所に設けてもよい。
【0189】上記包装箱は、二層構成または三層構成の
合紙で形成されるのが好ましい。産業廃棄物の再生活用
(リサイクル)の点から表面層を印刷適性を有する白色
紙又は淡い着色紙(例えば後述の晒バージンパルプを用
いた白色紙や上白古紙等)とし、裏面層を古紙、再生
紙、高収率パルプ紙、未晒又は半晒パルプ紙の1以上を
30重量%以上含む紙とした二層構成の合紙で形成される
のが好ましい。特に、三層構成の合紙で形成されるのが
カーリング防止、外観向上、両表面に印刷可能等の点で
好ましい。この合紙は、抄き合わせの合紙でも接着剤層
で貼り合わせた合紙でも使用可能である。印刷適性を有
する合紙の両表面層に用いられる紙は、晒バージンパル
プを用いた白色紙(酸性紙でも中性紙でも可)であって
も、上白古紙(上紙などを原料とする古紙)であっても
よい。合紙の中間層としては、新聞古紙、段ボール故
紙、高収率パルプ(コピー用に多用されている)、未晒
又は半晒クラフト紙、ネズミボード紙、雑誌等の再生紙
等、見栄え、印刷適性の劣る紙でよく、合紙全体に占め
る古紙(再生紙を含む)の配合量は60重量%前後までに
することが可能である。印刷面はミラーコート紙、キャ
ストコート紙、クレーコート紙、アート紙等とすること
が見栄え、印刷適性、耐摩耗性向上等の点で好ましい。
合紙としての坪量は使用目的に適合するように選択すれ
ばよいが、本発明の包装箱用としては100〜750g/
2、好ましくは150〜650g/m2、特に好ましくは200
〜550g/m2である。
【0190】包装箱に易開封手段を設けることが好まし
い。この易開封手段は、包装フィルムの場合と同様に、
ミシン目などを形成することにより行う。
【0191】また、写真フィルム用容器本体と蓋体との
間を帯状シールで封緘することもできる。この帯状シー
ルとしは、紙、合成紙、不織布、プラスチックフィル
ム、積層フィルムの上表面に印刷を施し、容器本体部分
にはシール可能な各種接着剤(感熱接着剤、感圧接着
剤、ホットメルト接着剤、粘着剤等)を施した帯状シー
ルが好ましい。
【0192】
【作用】本発明の写真フィルム用容器では、粗雑面が空
気の流入を図るとともに、耐摩耗性及び滑性を良好にし
ている。また、この粗雑面が樹脂組成物中の揮発性成分
(ガス成分)をガス抜き用切り欠き部分から排出しやす
くしている。
【0193】
【実施例】本発明の写真フィルム用容器を図面に基づい
て説明する。図1は写真フィルム用容器の一実施例の断
面図である。この図に示す写真フィルム用容器1は、容
器本体2と蓋3とから成り、容器本体2の内面は横方向
に微小なすじが形成された粗雑面4となっている。
【0194】図2は写真フィルム用容器の他の実施例の
断面図である。この図に示す写真フィルム用容器1は、
容器本体2と蓋3とから成り、容器本体2の内面は縦方
向に微小なすじが形成された粗雑面4となっている。
【0195】図3も写真フィルム用容器の他の実施例の
断面図である。この図に示す写真フィルム用容器1は、
容器本体2と蓋3とがヒンジ部材5で一体に連結して形
成されており、容器本体2の内面は格子状の微細なすじ
からなる粗雑面4となっている。
【0196】図4から図8までは、写真フィルム用容器
の全体形状を変更した実施例を示す図である。図4に示
す写真フィルム用容器1は、全体形状が円筒状に形成さ
れ、容器本体2と蓋3がヒンジ部材5で一体に連結され
ている。図5に示す写真フィルム用容器1は、容器本体
2が外観が直方体状に形成されるとともに、写真フィル
ムを収納する部分が円柱状に形成されている。図6に示
す写真フィルム用容器1は、容器本体2と蓋3とが嵌合
形式のものである。図7に示す写真フィルム用容器1
は、ロール状の長尺巻き写真フィルム(マイクロフィル
ム)を収納するためのもので、容器本体2と蓋3とがヒ
ンジ部材5で一体に連結されている。図8に示す写真フ
ィルム用容器1は、外観直方体状の容器本体2と平板状
の蓋3とがヒンジ部材5で一体に連結されている。
【0197】図9は、写真フィルム用容器の容器本体を
形成するために使用する成形装置の例を示す断面図であ
る。この図において、符号11は雌型、符号12は雄型であ
り、これら雌型11と雄型12は金型13に組み込むようにな
っている。また、金型13の容器本体の端部に該当する部
位は、凹凸状に形成されて空気を抜くことができるよう
になっている(ガス抜き用の切り欠き部)。なお、符号
14は樹脂を注入するためのノズルである。この装置で成
形された容器本体は、図10に示すように、容器本体2の
先端部分が段差を持ったガス抜き用の切り欠き部が凹凸
状に形成されている。
【0198】図11は、写真フィルム用容器を形成するた
めの樹脂を搬送する手順を示す工程図である。この図に
おいて、符号20はトラックで搬送される樹脂ペレットの
コンテナ、符号21はサイロ、符号22は容器本体を成形す
る射出成形機、符号23及び24は容器本体を一時保管する
ためのホッパーである。そして、コンテナ20とサイロ2
1、サイロ21と成形機22のオートローラー付きホッパー
及び成形機22で成形した容器本体の空送装置と容器本体
一時貯蔵ホッパー23、24間は、空送するための空送パイ
プ25で連結されている。空送パイプの材料としてはステ
ンレス製パイプ、密度が0.935g/cm3以上のポリエチレン
樹脂製パイプ、特に滑剤又はカーボンブラック入の密度
0.941g/cm3以上、好ましくは0.950g/cm3以上の高密
度ポリエチレン樹脂製パイプが好ましい。
【0199】図12は写真フィルム包装体30の一実施例の
斜視図である。この図に示す写真フィルム包装体30は、
写真フィルム容器の全面を防湿性シュリンクフィルム31
で覆ったもので、易開封部32及び印刷33が設けられてい
る。
【0200】図13は写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図で、易開封部35を設けた包装用小箱から形成さ
れている。図14は写真フィルム包装箱に使用する図13の
包装用小箱34の易開封部35から開口した状態の斜視図
で、図15は包装用小箱34を展開した状態の平面図であ
る。これらの図に示す写真フィルム包装体30は、紙製の
包装用小箱34に写真フィルム用容器1が収納されている
もので、この包装用小箱34は、上部が開口するように構
成されており、側面には開口時に切り取られる易開封部
35が形成されている。そして、図15の展開図において、
接着剤36で接着することにより箱状に形成されている。
【0201】図16は写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図、図17は写真フィルム包装体30に使用する図16
の包装用小箱34の易開封部37から開口した状態の斜視
図、図18は包装用小箱34を展開した状態の平面図であ
る。これらの図に示す写真フィルム包装体30は、紙製の
包装用小箱34に写真フィルム用容器が収納されており、
この包装用小箱34は、横長の直方体状に形成されてお
り、上面の角部に直線状に及び側面に円弧状に形成した
開封用のミシン目から成る易開封部37が形成されてい
る。
【0202】図19も写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図、図20は写真フィルム包装体を開口した状態の
斜視図、図21は写真フィルム包装体30に使用する包装用
小箱34の展開した状態の平面図である。これらの図に示
す写真包装体30は、包装用小箱34に写真フィルム用容器
が収納されており、この包装用小箱34は、縦長の直方体
状に形成されており、上面の角部に直線状に及び側面に
円弧状に開封用のミシン目からなる易開封部37が形成さ
れている。
【0203】図22も写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図である。この図に示す写真フィルム包装体30
は、容器本体2と蓋3とからなる写真フィルム容器1に
帯状シール38を貼付し、容器本体2と蓋3とを一体に固
定したものである。また、帯状シール38にはバーコード
39が設けられている。
【0204】図23も写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図である。この図に示す写真フィルム包装体30
は、写真フィルム容器を防湿シュリンクフィルム31で包
み、このフィルム31をシール40で固定しているものであ
る。
【0205】図24も写真フィルム包装体30の他の実施例
の斜視図である。この図に示す写真フィルム包装体30
は、写真フィルム容器1の容器本体2と蓋3とを帯状シ
ール38で固定しているものである。
【0206】〔実施例1〕樹脂ペレットは、容器本体用
も蓋用も樹脂メーカーからの密封コンテナ〜成形機ホッ
パーまで完全密封系で搬送した。
【0207】230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート
(以後、MFRと表示。ASTM D−1238)が25g/1
0分、密度(ASTM D−1505)が0.90g/cm3、曲げ
初期弾性率(ASTM D−790)が13200kg/cm2、23℃
のノッチ付アイゾット衝撃強度(ASTM D−256)が
6kg・cm/cm、ロックウェル硬度(ASTM D−785)
が86R、ビカット軟化点(ASTM D−1525)が150℃
のエチレン含有率が3.5重量%のプロピレン・エチレン
ランダム共重合体樹脂99.7重量%、オレイン酸アミド滑
剤0.05重量%、フェノール系酸化防止剤0.05重量%、
1.3,2.4−ジベンジリデンソルビトール0.2重量%か
らなるプロピレン・エチレン共重合体樹脂組成物を用い
て、図1に示す容器本体を射出成形方法により24ヶ取
り、ホットランナー方式の金型を用い樹脂温度200℃で
成形した。
【0208】容器本体の内面及び外面には、円周方向に
0.1μmの高低差を有する横筋状の粗雑面が形成されて
いる。
【0209】蓋は190℃、2.16kg荷重のMFR(AST
M D−1238)30g/10分、密度(ASTM D−1505)
が0.926g/cm3の高圧法低密度ホモポリエチレン樹脂9
9.9重量%、エルカ酸アミド滑剤0.05重量%、フェノー
ル系酸化防止剤0.05重量%からなる低密度ホモポリエチ
レン樹脂組成物を用いて図1に示す蓋を24ヶ取り、ホッ
トランナー方式の金型を用い射出成形方法により成形し
た。
【0210】本実施例の容器本体は、座屈や底ヒケの発
生が皆無であり、コア(雄型のこと。以後、コアと表
示)が容器本体から抜ける瞬間に音も発生せず、透明性
が非常に優れたものであった。蓋も変形等の成形故障の
発生や樹脂焼けによる斑点状の着色故障もなく、容器本
体、蓋共に1ヵ月以上定期掃除まで連続成形可能であっ
た。密封性、身蓋嵌合性、写真フィルムパトローネの挿
入性、搬送性も優れたものであった。
【0211】〔比較例1〕容器本体用のプロピレン・エ
チレンランダム共重合体樹脂組成物は、実施例1と同一
であり形状も実施例1と同一の図1に示すものであり、
金型も樹脂温度も同一であるが、容器本体の周壁部の内
面及び外面には円周方向が0.001μm未満の略鏡面にな
ったものを射出成形した。
【0212】コアが容器本体から抜ける瞬間にポンとい
う曝発音が毎回発生し、作業環境を悪化させるだけでな
く、コアが抜ける時に容器本体内部が一瞬真空状態にな
るために座屈や底ヒケが散発し、且つコアによるスリ傷
が発生し実用化困難であった。
【0213】〔比較例2〕容器本体用のプロピレン・エ
チレンランダム共重合体樹脂組成物として、比較例1の
樹脂組成物からオレイン酸アミド滑剤0.05重量%を削除
した他は比較例1と同一の樹脂組成物、金型、樹脂温度
で図1に示す容器本体を成形した。容器本体の周壁部の
内面及び外面は比較例1と同一の高低差が0.001μm未
満の略鏡面のものである。
【0214】樹脂ペレットは、成形機に取り付けられて
いるホッパーから成形機への食い込みが悪く、射出量が
不安定でコアが容器本体から抜ける瞬間にポンという曝
発音を毎回発生させ、耳栓がないと音が大きく作業困難
であり、且つ座屈や底ヒケが多発して実用化不可であっ
た。蓋も滑剤を0にすると変形が多発し、成形サイクル
が非常に長くなり実用化不可であった。
【0215】〔実施例2〕MFRが20g/10分、密度が
0.940g/cm3、オルゼン曲げ剛性(ASTM D 747)が6
100kg/cm2のエチレン・ブテン-1共重合体樹脂を59.5重
量部にシリコンオイルで表面処理したスターチ50重量%
と接着性ポリエチレン樹脂40重量%とパラフィンワック
ス10重量%から成る遮光性物質のマスターバッチ樹脂を
40重量部、オレイン酸アミド0.05重量部、フェノール系
酸化防止剤0.05重量部、1.3,2.4−ジベンジリデン
ソルビトール0.2重量部、グリセリンモノステアレート
0.2重量部からなる白色着色ポリオレフィン樹脂組成物
を用いて図3の形状の身蓋一体形式の写真フィルム用容
器を射出成形方法により成形した。
【0216】容器本体の内面には、0.1μmの高低差を
有する格子状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外
面には、0.05μmの高低差を有する格子状の粗雑面が形
成されている。
【0217】この容器は、従来の紙製の化粧小箱と容器
を兼用することができるので、産業廃棄物が減少でき
(小箱不用)、容器は身蓋共同一樹脂組成なので再生利
用可能であり、コアが容器本体から抜ける瞬間も空気が
粗雑面から入るので容器本体内が真空状態になることが
なく、音も座屈も底ヒケも発生することがなく成形サイ
クルが短縮できた。また、吸湿性で生分解性のスターチ
が樹脂組成物中に25重量%含まれているので、防滴性が
優れると共に、使用後廃棄された場合はバクテリアによ
り物性劣化し土にかえるものである。さらに、シリコン
オイルとスターチを併用しているので白色不透明であ
り、容器本体の外面が格子状の0.05μmの高低差の粗雑
面に形成されているので、このままで印刷可能で化粧小
箱を用いる必要がなく、コストダウン、産業廃棄物の減
少、再利用可能(身蓋同一樹脂)と優れた容器であっ
た。
【0218】〔実施例3〕MFRが50g/10分、密度が
0.90g/cm3、曲げ初期弾性率が9800kg/cm2、23℃のノ
ッチ付アイゾット衝撃強度が4.0kg・cm/cm、ロックウ
ェル硬度が72R、ビカット軟化点が132℃のエチレン含
有量が2.5重量%のプロピレン・エチレンランダム共重
合体樹脂87.3重量部、アルミニウムペーストを20重量
%、エチレン・エチルアクリレート樹脂80重量%からな
るアルミニウムペーストマスターバッチ樹脂10重量部、
オレイン酸アミド0.05重量部、ステアリン酸モノグリセ
ライド0.2重量部、フェノール系酸化防止剤0.05重量
部、燐系酸化防止剤0.05重量部、炭酸カルシウム2.5重
量部(造核剤)からなるプロピレン・エチレンランダム
共重合体樹脂組成からなる図1に相当する写真フィルム
用容器の容器本体を射出成形方法により、24ヶ取りホッ
トランナー方式の金型を用い、樹脂温度180℃で成形し
た。
【0219】容器本体の内面には、0.8μmの高低差を
有する縦筋状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外
面には、0.03μmの高低差を有する格子状の粗雑面が形
成されている。
【0220】蓋は、実施例1の高圧法低密度ポリエチレ
ン樹脂組成物95重量%に実施例3の容器本体の着色に用
いたアルミニウムペーストマスターバッチ樹脂(アルミ
ペースト濃度20重量%)5重量%をペレット状でオート
カラー(自動計量混合機)を用いて混合し、成形機のス
クリューにより均一混練した着色成形品として図1の形
状のものを得た。金型としては、24ヶ取りホットランナ
ー方式を用い、樹脂温度170℃で射出成形方法で製造し
た。
【0221】得られた容器本体は射出成形性、物理強
度、防湿、防温性に優れ、外観の美しい商品価値の高い
ものであった。特に、0℃で5mの高さから35mmネガフ
ィルム36枚撮りを蓋で密封後、落下させた時の割れやピ
ンホールの発生率は実施例3の容器本体用プロピレン・
エチレンランダム共重合体樹脂組成物からアルミニウム
ペーストマスターバッチ樹脂を削除した容器本体の1/
3以下に減少し、強度が向上することが判明した。射出
成形時のコアが容器本体から抜ける瞬間の音の発生も、
座屈や底ヒケの発生もなく樹脂焼けによる着色故障は実
用化可レベルにすべてが入り(アルミペーストの着色に
より)、連続射出成形可能であった。密封性、身蓋嵌合
性、写真フィルムパトローネの挿入性、搬送性も優れた
ものであった。
【0222】〔実施例4〕MFRが50g/10分、密度が
0.90g/cm3、曲げ初期弾性率が9800kg/cm2、23℃のノ
ッチ付アイゾット衝撃強度が4.0kg・cm/cm、ロックウ
ェル硬度が72R、ビカット軟化点が132℃のエチレン含
有量が2.5重量%のプロピレン・エチレンランダム共重
合体樹脂87.3重量部、アルミニウムペーストを20重量
%、エチレン・エチルアクリレート樹脂80重量%からな
るアルミニウムペーストマスターバッチ樹脂10重量部、
オレイン酸アミド0.05重量部、ステアリン酸モノグリセ
ライド0.2重量部、フェノール系酸化防止剤0.05重量
部、燐系酸化防止剤0.05重量部、炭酸カルシウム2.5重
量部(造核剤)からなるプロピレン・エチレンランダム
共重合体樹脂組成からなる図1に相当する写真フィルム
用容器の容器本体を射出成形方法により、24ヶ撮りホッ
トランナー方式の金型を用い樹脂温度180℃で成形し
た。
【0223】容器本体の内面には、0.2μmの高低差を
有する横筋と0.55μmの高低差を有する縦筋とからなる
格子状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外面に
は、0.1μmの高低差を有する横筋状の粗雑面が形成さ
れている。蓋は実施例1と同一品を用いた。
【0224】得られた容器本体は、射出成形性、物理強
度、防湿・防温性に優れ、外観の美しい高品価値の高い
ものであった。特に、0℃で5mの高さから35mmネガフ
ィルム36枚撮りを蓋で密封後落下させた時の割れやピン
ホールの発生率は、実施例4の容器本体用プロピレン・
エチレンランダム共重合体樹脂組成物からアルミニウム
ペーストマスターバッチ樹脂を削除した容器本体の1/
3以下に減少し、強度が向上することが判明した。射出
成形時のコアが容器本体から抜ける瞬間の音の発生も、
座屈や底ヒケの発生もなく樹脂焼けによる着色故障は実
用化可レベルにすべてが入り(アルミペーストの着色に
より)、連続射出成形可能であった。密封性、身蓋嵌合
性、写真フィルムパトローネの挿入性、搬送性も優れた
ものであった。
【0225】〔実施例5〕メルトフローレートが22g/
10分、密度が0.90g/cm3、曲げ初期弾性率が9200kg/c
m2、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度が4.3kg・cm/c
m、ロックウェル硬度が72R、ビカット軟化点が136℃の
エチレン含有率が4.0重量%のプロピレンエチレンラン
ダム共重合体樹脂99.84重量%、オレイン酸アミド滑剤
0.10重量%、燐系及びフェノール系酸化防止剤をそれぞ
れ0.03重量%、計0.06重量%からなるプロピレン・エチ
レン共重合体樹脂組成物を用いて図1に示す容器本体を
射出成形方法により24ヶ取りホットランナー方式の金型
を用い、樹脂温度190℃で成形した。
【0226】容器本体の内面には、0.3μmの高低差を
有する横筋状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外
面には、0.3μmの高低差を有する横筋状の粗雑面が形
成されている。蓋は実施例1と同一品を用いた。
【0227】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生が
皆無であり、コアが容器本体から抜ける瞬間に音も発生
せず、擦り傷の発生もほとんどなく、透明性も優れたも
のであった。また、36枚撮りの35mmネガフィルムをこの
容器本体に収納後、上記蓋で密封後高さ5mの高さから
コンクリートの床に落下させても割れや蓋はずれが発生
しない密封性に優れたものであった。
【0228】〔実施例6〕メルトフローレートが45g/
10分、密度が0.90g/cm3、曲げ初期弾性率が13000kg
/cm2、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度が3.3kg・cm
/cm、ロックウェル硬度が95R、ビカット軟化点が150
℃のエチレン含有率が4.0重量%のプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体樹脂96.7重量%、オレイン酸アミド
滑剤0.05重量%、燐系酸化防止剤0.05重量%、表面処理
酸化チタン3重量%、ステアリン酸モノグリセライド防
滴剤0.2重量%、ジベンジリデンソルビトール化合物0.2
重量%からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体
樹脂組成物を用いて図3に示す構造の身蓋一体形式の写
真フィルム用容器を射出成形方法により成形した。
【0229】容器本体の内面には、0.2μmの高低差を
有する縦筋状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外
面には、0.001μm未満の高低差を有する縦筋状の粗雑
面が形成されている。
【0230】この容器は、従来の紙製の化粧小箱と容器
を兼用することができるので産業廃棄物が減少でき(小
箱不用)、容器は身蓋共に同一樹脂組成物なので再ペレ
ット化して再生利用することが可能である。容器本体は
粗雑面が形成されているので、コアが容器本体から抜け
る瞬間も空気が粗雑面から入るので容器本体内が真空状
態になることがなく、音も座屈も底ヒケも発生しないの
で冷却時間を大巾に短縮でき、その結果成形サイクルを
大巾に(比較例3)の1/2以下に短縮できた。ヘイズ
の高いプロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂(0.3
mm厚さで56%)を使用しているので、白色顔料の表面処
理酸化チタンを3重量%添加すると、完全遮光性を有す
る遮光容器となり、36枚撮り35mm写真フィルムを密封包
装状態で8万ルックスの太陽光下に3時間放置しても容
器内の温度は29℃であり、写真フィルムの品質劣化やス
プールの熱変形を発生させることがなく、容器の周壁部
の内面に水滴の発生も肉眼では観察できなかった。
【0231】また、印刷付オリジナルシール用シュリン
クフィルムでこの容器を密封収納した写真フィルム包装
体とすることにより、従来の化粧小箱を廃止することが
でき、産業廃棄物の減少とコストダウンを同時に達成で
きた。
【0232】また、この容器は5mの高さからコンクリ
ートの床に36枚撮り35mmネガフィルムを収納した状態で
落下させても割れが発生せず、白化も目立たず実用化で
きるレベルであった。
【0233】〔比較例3〕実施例6のプロピレン・エチ
レンブロック共重合体樹脂組成物から滑性向上物質のオ
レイン酸アミド0.05重量%と防滴剤のステアリン酸モノ
グリセライド0.2重量%と遮光性物質の表面処理酸化チ
タン3重量%を削除した他は、実施例6と同一樹脂組成
を用いて図3に示す構造の写真フィルム用容器を成形し
た。
【0234】容器本体の周壁部の内面及び外面は縦筋状
の高低差が0.001未満の実質的に平滑面に仕上げた身蓋
一体形式の写真フィルム用容器を射出成形方法により成
形した。
【0235】容器本体の内面には、0.001μm未満の高
低差を有する縦筋状の粗雑面が形成され、また、容器本
体の外面には、0.001μm未満の高低差を有する縦筋状
の粗雑面が形成されている。
【0236】この容器は、半透明で36枚撮り35mmネガ写
真フィルムを密封包装状態で8万ルックスの太陽光下に
3時間放置すると容器内の温度が78℃に上昇し、写真フ
ィルムの感度低下、諧調変化等品質劣化が発生し、スプ
ールの変形も散発し、容器の周壁部の内面には水滴が多
発した。また、この容器に36枚撮り35mmネガ写真フィル
ムを密封し、5mの高さからコンクリートの床に落下さ
せると、割れは発生しないが衝撃を受けた個所が白く白
化し、外観が悪く商品価値が低下し、実用化困難であっ
た。また、コアを容器本体から抜こうとする時に大きな
曝発音を発生させ、座屈や底ヒケも多少発生した。
【0237】〔実施例7〕メルトフローレート(AST
M D−1238)が15g/10分、密度(ASTM D−150
5)が0.960g/cm3、曲げ剛性(ASTM D−747)が95
00kg/cm2、ショア硬度(ASTM D−2240)が72D、
23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(ASTM D−25
6)が3.8kg・cm/cm、ビカット軟化点が125℃の高密度
ホモポリエチレン樹脂(以後、HDPE樹脂と表示)9
9.5重量%、オレイン酸モノグリセライドで表面被覆し
たファーネスタイプのカーボンブラック0.5重量%から
なる遮光性HDPE樹脂組成物を用いて図1に相当する
容器本体(身)を射出成形方法により、24ヶ取りホット
ランナー方式の金型を用い樹脂温度180℃で成形した。
【0238】容器本体の内面には、0.15μm未満の高低
差を有する縦筋状の粗雑面が形成され、容器本体の外面
には粗雑面は形成されていない。
【0239】蓋はMFRが38g/10分、密度が0.925g
/cm3の低密度ホモポリエチレン樹脂98.7重量%、オレ
イン酸モノグリセライド0.2重量%、フェノール系酸化
防止剤0.05重量%、ステアリン酸アミド0.05重量%、フ
ァーネスタイプのカーボンブラック1.0重量%からなる
遮光性低密度ホモポリエチレン樹脂組成物を用いて図1
に示す蓋を24ヶ取りホットランナー方式の金型を用い射
出成形方法により成形した。
【0240】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生も
なく、容器本体からコアが抜ける時も音が発生せず、密
封性、遮光性、落下強度の優れた容器であった。
【0241】〔実施例8〕メルトフローレート(AST
M D−1238)が15g/10分、密度(ASTM D−79
2)が1.07g/cm3、曲げ剛性(ASTM D−790)が22
000kg/cm2、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(AS
TM D−256)が6kg・cm/cm、ビカット軟化点(AS
TM D−1525)が107℃、ロックウェル硬度(ASTM
D−785)が80Lのブタジエンゴムが3重量%含まれる
High Impactポリスチレン樹脂96.0重量%、ジメチル
ポリシロキサン2.0重量%、表面処理酸化チタン2.0重量
%からなる遮光性ポリスチレン樹脂組成物を用いて図1
に相当する容器本体(身)を射出成形方法により、24ヶ
取りホットランナー方式の金型を用い樹脂温度170℃で
成形した。
【0242】容器本体の内面には、1.0μmの高低差を
有する縦筋状の粗雑面が形成され、また、容器本体の外
面には、1.0μmの高低差を有する縦筋状の粗雑面が形
成されている。
【0243】蓋はMFR(ASTM D−1238)が32g
/10分、密度(ASTM D−1505)が0.925g/cm3
曲げ剛性(ASTM D−747)が3200kg/cm3、ビカッ
ト軟化点(ASTM D−1525)が102℃、ショア硬度
(ASTM D−2240)が58Dの低密度ホモポリエチレ
ン樹脂97.9重量%、オレイン酸アミド0.05重量%、フェ
ノール系酸化防止剤0.05重量%、ソルビタンモノオレイ
ン酸エステル系防滴剤0.2重量%、表面処理酸化チタン
2.0重量%からなる遮光性低密度ホモポリエチレン樹脂
組成物を用いて図1に示す蓋を24ヶ取りホットランナー
方式の金型を用い射出成形方法により成形した。
【0244】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生
も、容器本体からコアが抜ける時も音が発生せず、8万
ルックスの太陽光下に36枚撮り35mmネガ写真フィルムの
密封包装体を放置しても容器内の温度は32℃で、写真フ
ィルムの品質劣化やスプールの熱変形が発生せず、容器
の周壁部の内面に水滴が発生しなかった。従来の防湿性
が優れていないと、容器内の写真フィルムの品質確保が
困難と言われて、そのような容器本体とするためPO樹
脂を用いてきたのに反し、本実施例のポリスチレン樹脂
製容器本体の防湿性は他の実施例1〜6より劣り、透湿
度は約10倍と大きいにもかかわらず、写真フィルムの品
質劣化が発生しないのは容器内の温度が高くなると写真
フィルムの写真性を悪化させる水蒸気が容器本体の周壁
部を通過して容器外に放出されるためと考えられる。
【0245】非結晶性のポリスチレン樹脂を用いている
ので、可塑化温度が従来の結晶性のPP樹脂やPE樹脂
の約1/2なのでエネルギーコスト、成形サイクルの点
で有利であり、且つ寸度安定性が優れているので本発明
の容器用樹脂として好ましいことが今回初めて判明し
た。
【0246】〔実施例9〕エルカ酸アミド0.1重量(容
器本体全体に対しては0.08重量%)、1・3,2・4ジ
(メチルベンジリデン)ソルビトール0.15重量%(容器
本体全体に対しては0.12重量%)及びフェノール系酸化
防止剤0.1重量%(容器本体全体に対しては0.08重量
%)含み、かつMFRが35g/10分、密度(JIS K 7
112)が0.90g/cm3、曲げ弾性率が10300kg/cm2、23℃
アイゾット衝撃強度が3.5kg・cm/cm、ヘイズが13%で
エチレン含有率が2.1重量%のプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体樹脂80重量%と、MFRが27g/10分、
密度が0.90g/cm3、曲げ弾性率が12100kg/cm2、23℃
アイゾット衝撃強度が5.7kg・cm/cmそしてヘイズが83
%でエチレン含有率が3.7重量%のプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体樹脂20重量%とからなるプロピレン
・エチレン共重合体樹脂組成物を用いた。
【0247】そして、型締圧150tのトグル式射出成形
機{住友重機製ネスタール(商品名)}及びキャビティ数
24ヶのホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度220
℃で、図1に示す写真フィルム用容器の容器本体を射出
成形法により樹脂温度200℃で作成した。
【0248】容器本体の内面には、0.25μmの高低差を
有する縦筋状の粗雑面が形成され、容器本体の外面には
0.15μmの高低差を有する縦筋状の粗雑面が形成されて
いる。
【0249】蓋はMFRが38g/10分、密度が0.925g
/cm3の低密度ホモポリエチレン樹脂98.7重量%、オレ
イン酸モノグリセライド0.2重量%、フェノール系酸化
防止剤0.05重量%、ステアリン酸アミド0.05重量%、フ
ァーネスタイプのカーボンブラック1.0重量%からなる
遮光性低密度ホモポリエチレン樹脂組成物を用いて図1
に示す蓋を24ヶ取りホットランナー方式の金型を用い射
出成形方法により成形した。
【0250】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生も
なく、容器本体からコアが抜ける時も音が発生せず、密
封性、遮光性、落下強度の優れた容器であった。
【0251】〔実施例10〕MFR(JIS K 7210)が
35g/10分、密度(JIS K 7112)が0.90g/cm3
曲げ弾性率(JIS K 7203)が11300kg/cm2、23℃の
ノッチ付アイゾット衝撃強度(JIS K 7110)が3.6k
g・cm/cm、ロックウェル硬度(JIS K 7202)が88
Rのエチレン含有率が2.7重量%のプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体樹脂99.27重量%、ビス脂肪酸アミ
ド0.05重量%、グリセリンモノステアレートとグリセリ
ンジステアレートの混合物0.3重量%、N,N'−ビス
(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン0.15重量
%、1・3,2・4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビ
トール0.1重量%、テトラキス〔メチレン−3−(3',
5'−ジ−ターシャル−ブチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン0.1重量%から成るポリプ
ロピレン系樹脂組成物を用いた。
【0252】そして、成形機として住友重機製クローズ
ドシステムタイプのネスタール(商品名)を用い(型締
圧150t)、キャビティー数24ヶ、ホットランナー形式
の金型を用いて図1に示す身蓋嵌合形式の写真フィルム
用容器の容器本体を射出成形法により樹脂温度210℃で
作成した。
【0253】容器本体の内面には、0.25μmの高低差を
有する縦筋状の粗雑面が形成され、容器本体の外面には
0.15μmの高低差を有する縦筋状の雑面は形成されてい
る。
【0254】蓋はMFRが38g/10分、密度が0.925g
/cm3の低密度ホモポリエチレン樹脂98.7重量%、オレ
イン酸モノグリセライド0.2重量%、フェノール系酸化
防止剤0.05重量%、ステアリン酸アミド0.05重量%、フ
ァーネスタイプのカーボンブラック1.0重量%からなる
遮光性低密度ホモポリエチレン樹脂組成物を用いて図1
に示す蓋を24ヶ取りホットランナー方式の金型を用い射
出成形方法により成形した。
【0255】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生
も、容器本体からコアが抜ける時も音が発生せず、密封
性、遮光性、落下強度の優れた容器であった。
【0256】〔実施例11〕メルトフローレート(AST
M D−1238)が20g/10分、密度(ASTM D−150
5)が0.967g/cm3、曲げ剛性(ASTM D−747)が1
4,200kg/cm2、ショア硬度(ASTM D−2240)が70
D、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(ASTM D−
256)が7.0kg・cm/cm、ビカット軟化点(ASTM D−
1525)が128℃、融点(ASTM D−2117)が137℃、
破断点伸び(ASTM D−638)が500%以上の高密度
ホモポリエチレン樹脂99.3重量%、酸化防止剤としてヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3・5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロシフェニル)プロピオネート〕メタン0.1重量
%と燐系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト0.05重量%、有機造核剤と
して1・3,2・4−ジ(パラメチルベンジリデン)ソ
ルビトール(新日本理化KK製,ゲルオールMD)0.2
重量%、滑剤としてステアリル乳酸カルシウム0.1重量
%とエルカ酸アミド0.05重量%、防滴剤としてステアリ
ン酸モノグリセライド0.2重量%から成る高密度ホモポ
リエチレン樹脂組成物を用いた。
【0257】そして型締圧150tのトグル式射出成形機
{住友重機製,ネスタール(商品名)}及びキャビティ数
24ヶのホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度200
℃で図1に示す写真フィルム用容器本体を射出成形法に
より作成した。
【0258】容器本体の内面には0.35μmの高低差を有
する縦筋状の粗雑面が形成され、容器本体の外面には0.
20μmの高低差を有する縦筋状の粗雑面が形成されてい
る。
【0259】蓋は実施例1と同一の図1に示す蓋を24ヶ
取ホットランナー方式の金型を用い射出成形方法により
成形した。
【0260】本発明の容器本体は座屈や底ヒケの発生も
なく、容器本体からコアが抜ける時も音が発生せず、容
器本体の外からも密封包装した写真フィルムパトローネ
のデザインや文字が鮮明に見え、密封性、落下強度の優
れた容器であった。
【0261】〔実施例12〕メルトフローレート(AST
M D−1238)が14g/10分、密度(ASTM D−150
5)が0.965g/cm3、曲げ弾性率(ASTM D−790)
が13,500kg/cm2、ショア硬度(ASTM D−2240)が
72D、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度(ASTM
D−256)が5.3kg・cm/cm、ビカット軟化点(ASTM
D−1525)が128℃、融点(ASTM D−2117)が137
℃、破断点伸び(ASTM D−638)が38.7%の高密度
ホモポリエチレン樹脂98.3と、酸化防止剤としてヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロシフェニル)プロピオネート〕メタン0.1重量%と
燐系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト0.05重量%、有機造核剤として
1.3,2.4−ジ(パラメチルベンジリデン)ソルビト
ール(新日本理化KK製,ゲルオールMD)0.2重量
%、滑剤としてステアリル乳酸カルシウム0.1重量%と
エルカ酸アミド0.05重量%、ステアリン酸亜鉛0.2重量
%、表面被覆した平均粒子径が21mμ、pHが8.0、吸
油量が87ml/100g、硫黄含有量が0.3重量%、揮発成分
0.3重量%のオイルファーネスカーボンブラック1重量
%、A型ゼオライト0.2重量%から成るホモポリエチレ
ン樹脂組成物を用いた。
【0262】そして型締圧150tのトグル式射出成形機
{住友重機製,ネスタール(商品名)}及びキャビティ数
24ヶのホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度200
℃で、図1に示す写真フィルム用容器本体を射出成形法
により作成した。
【0263】容器本体の内側壁面には0.25μmの高低差
を有する縦筋状の粗雑面が形成され、容器本体の外側壁
面には0.15μmの高低差を有する格子状の粗雑面が形成
されている。
【0264】本発明の容器本体は、カーボンブラックの
均一分散性が向上し、写真感光材料の写真性が良好(カ
ブリの発生が少なく、感度変動が少ない)であり、遮光
能力が優れ、着色故障が皆無になり、ブツの発生もほと
んどなく、致命的な成形故障の発生がなくなり、長期間
連続無人射出成形が可能な外観の優れたものであった。
【0265】また、容器本体の内側壁面に0.25μmの高
低差を有する縦筋状の粗雑面を形成した効果も加わり、
座屈や底ヒケの発生が皆無となり、容器本体からコアが
抜ける時も音が発生しなかった。
【0266】上記各実施例及び比較例の特性を比較した
結果を表1及び表2に示す。
【0267】
【表1】
【0268】
【表2】
【0269】表1及び表2の評価は下記による。 ◎…非常に優れている ○…優れている ●…実用限度 ▲…やや問題あり(改良必要) ×…問題があり実用不可
【0270】*1:容器本体周壁内面の粗雑面の高低差 東京精密KK製 表面粗さ触針測定器“サーフコム 550
A”で測定した最高と最低の差を測定距離5mm×3ヶ所
の平均で求める。 *2:容器本体周壁外面の粗雑面の高低差 東京精密KK製 表面粗さ触針測定器“サーフコム 550
A”で測定した最高と最低の差を測定距離5mm×3ヶ所
の平均で求める。 *3:容器本体外観 射出成形された容器本体を肉眼が均一性、見栄え、擦り
傷、白化等を観察評価。 *4:容器本体の座屈防止性 射出成形直後の変形を肉眼で観察評価。 *5:容器本体からの曝発音防止性 容器本体からコアを抜く時に発生する音を耳で聞き評
価。 *6:底ヒケ 容器本体の底に朱肉をつけてスタンプのように白紙に押
し、押された形状を目で観察評価。底の押された面積が
広い程底ヒケは少なく良好。 *7:容器への写真フィルムパトローネ挿入性 写真フィルムパトローネが容器本体に完全に入るまでの
傾斜角度により評価。小さい程、良好。 *8:容器の化粧小箱への挿入性 組立てた化粧小箱へ挿入可能な傾斜角度と紙粉の発生度
合により評価。 *9:容器本体のホッパーでのブリッジ防止性 容器本体をホッパーに2000ヶ入れ振動を与えながら直径
10cmの丸穴からコンベアに落下させるときの落下しやす
さから評価。
【0271】
【発明の効果】本発明の写真フィルム用容器は、成形時
に座屈、底ヒケ、変形などが発生することなく、容器本
体から金型コアを抜く時にも爆発音が発生することもな
く、かつ、耐摩耗性及び滑性が良好にすることができ
る。
【0272】また、本発明の写真フィルム用容器の製造
方法は、樹脂溶解温度条件下でも固形状態の異物(ミシ
ン系、紙粉、ポリ袋クズ、小石、砂、木粉、花粉等)の
混入を皆無にでき、ホットランナーの狭い樹脂通路詰ま
りが皆無となった。この結果、連続無人成形が可能にな
り、成形故障もなくなった。
【0273】さらに本発明の写真フィルム包装体は、産
業廃棄物をリサイクルにより再利用しながら安価で見栄
えよくオリジナルシール性、密封性及び易開封性などを
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真フィルム用容器の一実施例
の断面図。
【図2】 本発明による写真フィルム用容器の粗雑面を
変更した他の実施例の断面図。
【図3】 本発明による写真フィルム用容器の粗雑面を
変更した他の実施例の断面図。
【図4】 本発明による写真フィルム用容器の全体形状
を変更した他の実施例の斜視図。
【図5】 本発明による写真フィルム用容器の全体形状
を変更した他の実施例の斜視図。
【図6】 本発明による写真フィルム用容器の全体形状
を変更した他の実施例の斜視図。
【図7】 本発明による写真フィルム用容器の全体形状
を変更した他の実施例の断面図。
【図8】 本発明による写真フィルム用容器の全体形状
を変更した他の実施例の斜視図。
【図9】 本発明による写真フィルム用容器を形成する
ための成形装置の断面図。
【図10】 図9示す成形装置で成形されてた容器本体の
斜視図。
【図11】 本発明の写真フィルム用容器を製造するため
の成形用樹脂の搬送方法を示す全体概略図。
【図12】 本発明の写真フィルム包装体の一実施例の斜
視図。
【図13】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図14】 図13の写真フィルム包装体を開口した状態の
斜視図。
【図15】 図13の写真フィルム包装体の包装箱を展開し
た状態の平面図。
【図16】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図17】 図17の写真フィルム包装体を開口した状態の
斜視図。
【図18】 図17の写真フィルム包装体の包装箱を展開し
た状態の平面図。
【図19】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図20】 図19の写真フィルム包装体を開口した状態の
斜視図。
【図21】 図19の写真フィルム包装体の包装箱を展開し
た状態の平面図。
【図22】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図23】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図24】 本発明の写真フィルム包装体の他の実施例の
斜視図。
【図25】 滑剤の種類及び添加量と写真フィルム用容器
本体の静摩擦係数との関係を示す図。
【図26】 写真フィルム用キャップ(蓋)を成形した時
のオレイン酸アミド滑剤添加量と成形性との関係を示す
図。
【符号の説明】
1…写真フィルム用容器 2…容器本体 3…蓋 4…粗雑面 20…コンテナ 21…サイロ 22…成形機 25…空送パイプ 30…写真フィルム包装体 31…包装フィルム 34…包装用小箱 38…帯状シール

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体が熱可塑性樹脂で形成され、か
    つ、容器本体の周壁部の内面に0.001〜5μmの高低差
    を有する粗雑面が形成されている写真フィルム用容器
  2. 【請求項2】 該容器本体の先端部分(開口部分)に段
    差を持った凹凸状に形成されている請求項1に記載の写
    真フィルム用容器
  3. 【請求項3】 容器本体に1種以上の滑性向上物質が含
    まれている請求項1又は2に記載の写真フィルム用容器
  4. 【請求項4】 容器本体に1種以上の遮光性物質が含ま
    れている請求項1、2又は3に記載の写真フィルム用容
  5. 【請求項5】 マスターバッチ着色方法により着色され
    た請求項1、2、3又は4に記載の写真フィルム用容器
  6. 【請求項6】 容器本体と嵌合する蓋体が、メルトフロ
    ーレート(ASTMD−1238、温度190℃、荷重2.16kg
    で測定した値)が5〜60g/10分、密度(ASTM D
    −1505)が0.90〜0.97g/cm3のホモポリエチレン樹脂
    及び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂50重量
    %以上、酸化防止剤0.001〜2.0重量%、滑性物質0.001
    〜5.0重量%含むポリエチレン系樹脂で形成されている
    写真フィルム用容器
  7. 【請求項7】 写真フィルム用容器を形成する樹脂をペ
    レット状に形成し、このペレット状の容器成形用樹脂を
    密封状態でコンテナから成形機のホッパーへ搬送する写
    真フィルム用容器の製造方法
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    の写真フィルム用容器が、易開封手段を有する紙製包装
    箱に収納されている写真フィルム包装体
  9. 【請求項9】 紙製包装箱が少なくとも二層構成の合紙
    から成り、該合紙の表面層は印刷適性を有する白紙紙又
    は淡い着色紙からなり、裏面層は古紙、再生紙、高収率
    パルプ紙及び未晒又は半晒パルプ紙の1以上を30重量%
    以上含む紙からなる請求項8に記載の写真フィルム包装
  10. 【請求項10】 紙製包装箱が少なくとも三層構成の合紙
    から成り、該合紙の両表面層は印刷適性を有する白色紙
    又は淡い着色紙からなり、中間層は古紙、高収率パルプ
    紙及び未晒パルプ紙の1以上を30重量%以上含む紙から
    なる請求項8に記載の写真フィルム包装体
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    の写真フィルム用容器が、易開封手段を有する防湿性シ
    ュリンクフィルムで包装されている写真フィルム包装体
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    の写真フィルム用容器の容器本体と蓋体との間が帯状シ
    ールで封緘されている写真フィルム包装体
  13. 【請求項13】 容器本体がメルトフローレート(AST
    M D−1238、温度190℃,荷重2.16kgで測定した値)が
    5〜80g/10分、密度(ASTM D−1505)が0.935g
    /cm3以上、曲げ剛性(ASTM D−747)が4000kg/c
    m2以上のホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・α
    オレフィン共重合体樹脂50重量%以上と、造核剤0.01〜
    2.0重量%と、酸化防止剤0.001〜2重量%とを含むポリ
    エチレン系樹脂組成物で形成されている請求項1、2、
    3、4又は5に記載の写真フィルム用容器
  14. 【請求項14】 容器本体が1種以上のフェノール系酸化
    防止剤0.001〜1重量%と1種以上の燐系酸化防止剤0.0
    01〜1重量%とを含むポリエチレン系樹脂組成物で形成
    されている請求項1、2、3、4、5又は13に記載の写
    真フィルム用容器
  15. 【請求項15】 容器本体がメルトフローレート(AST
    M D−1238、温度190℃、荷重2.16kgで測定した値)が
    5〜80g/10分、密度が0.941g/cm3〜0.985g/cm3
    曲げ剛性(ASTM D−747)が6000kg/cm2以上、シ
    ョア硬度(ASTM D−2240)が60D以上、23℃のノ
    ッチ付アイゾット衝撃強度(ASTMD−256)が2.0kg
    ・cm/cm以上、ビカット軟化点(ASTM D−1525)
    が110℃以上、融点(ASTM D−2117)が120℃以上
    のホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフ
    ィン共重合体樹脂50重量%以上と、無機及び/又は有機
    造核剤0.01〜2重量%と、酸化防止剤0.001〜2重量%
    とを含むポリエチレン系樹脂で形成されている請求項
    1、2、3、4、5、13又は14記載の写真フィルム用容
  16. 【請求項16】 容器本体がメルトフローレートが5〜80
    g/10分、密度が0.941g/cm3〜0.985g/cm3、曲げ剛
    性が6000kg/cm2以上のホモポリエチレン樹脂及び/又
    はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂50重量%以上
    と、炭素原子数3以上のカルボン酸とα−位にアミノ基
    または水酸基を有する含窒素複素環化合物との共結晶化
    合物及び/又は2価以上の脂肪族アミンの脂環式カルボ
    ン酸アミド化合物から成る有機造核剤を0.01〜5重量%
    とを含むポリエチレン系樹脂で形成されている請求項
    1、2、3、4、5又は14記載の写真フィルム用容器
  17. 【請求項17】 容器本体が有機環状燐化合物を0.001〜
    1重量%含むポリエチレン系樹脂組成物で形成されてい
    る請求項1、2、3、4、5、13、14、15又は16に記載
    の写真フィルム用容器
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2991949A4 (en) * 2013-05-02 2017-07-19 Melior Technology Inc. Polysilocarb materials and methods

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