JPH06187988A - 改良された非水溶媒リチウム二次電池 - Google Patents

改良された非水溶媒リチウム二次電池

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JPH06187988A
JPH06187988A JP4258479A JP25847992A JPH06187988A JP H06187988 A JPH06187988 A JP H06187988A JP 4258479 A JP4258479 A JP 4258479A JP 25847992 A JP25847992 A JP 25847992A JP H06187988 A JPH06187988 A JP H06187988A
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健一 中村
Hiroaki Shigeta
浩彰 滋田
Jitsuo Oishi
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Abstract

(57)【要約】 改良された非水溶媒リチウム二次電池 【目的】 負極の劣化が起こりにくいため安全性に優
れ、且つ電池容量の高いリチウム二次電池。 【構成】 縮合多環式化合物とニトロ化合物またはニト
ロ化剤との反応により得られた原料有機化合物を、不活
性ガス雰囲気下、800〜1800℃で焼成することに
より調製された窒素原子の含量が0.5〜6%であり、
更に該窒素原子の80%以上がC=NおよびC−Nの結
合に由来する負極材料を用いることを特徴とする非水溶
媒リチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大容量で充放電サイク
ル特性に優れた、改良された非水溶媒リチウム二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極材料として金属リチウムを用いたリ
チウム一次電池は、高エネルギー密度、軽量小型および
長期保存性などの利点を有しているため、既に、実用化
されて汎用されている。
【0003】しかし、このリチウム一次電池の負極材料
として有効な金属リチウムを、二次電池の負極材料とし
て用いると、一次電池では認められない種々の新しい問
題点が生じるため、実質的にリチウム二次電池の負極と
して使用することが出来ない。何故ならば、金属リチウ
ムを負極としたリチウム二次電池は、充放電サイクル寿
命が短く、しかも、充放電における充放電効率が低いと
いった重大な欠陥・欠点を有しているからである。この
欠陥・欠点は、充放電により負極にデンドライト状[樹
枝状]の金属リチウムが析出するという電気化学的な化
学反応によって生じる負極の劣化に起因するものであ
る。従って、金属リチウムを負極とするリチウム二次電
池において、負極の劣化を回避することはできない。
【0004】上述したように、二次電池の負極として金
属リチウムを使用すると、負極の劣化という欠陥が生じ
るが、この欠陥を解決する方法として、リチウム−アル
ミニウム合金を負極材料として用いる方法が提案され、
種々の小型電子機器のメモリーバックアップ用などに広
く用いられている。しかし、リチウム金属に由来する危
険性を内蔵しており、高い容量の要求される携帯機器の
電源など、ニッケルカドミニウム電池が使用されている
分野への適用には問題があった。そこで、リチウム金属
ではなく、リチウムイオンを吸蔵する炭素材料を負極と
する種々の二次電池が提案された。例えば、グラファイ
トを負極材料とする方法が、米国特許4,304,82
5、特開昭57−208079、米国特許4,423,
125あるいは特開昭58−102464に記載されて
いる。しかしながら、グラファイトは結晶子が発達して
いるため、リチウムイオンのインターカレーション・デ
インターカレーションに際して結晶の破壊を生じ、この
ため可逆性に乏しく、さらには、高い反応性のため電解
液の分解を生じせしめ、自己放電が大きいなどの欠点が
あり、実用性に欠ける物であった。
【0005】一方、高表面積炭素材料である活性炭を負
極材料として用いることが、米国特許4,497,88
3等に記載されている。これは、活性炭の高表面積に基
く電気二重層形成を利用するものであるが、充放電効率
が低く、また、これを負極とした二次電池の電池電圧が
低いという欠点を有している。
【0006】この様な欠点を解決するため、結晶子の発
達したグラファイトと、高表面積炭素材料である活性炭
とは異なった炭素材料を負極材料として利用するという
提案もされている。具体的には、焼成温度によって規定
することが提案されており、1500℃以下の焼成温度
で得られた有機物焼成体を負極材料として用いる方法が
特開昭58−93176および特開昭60−23537
2に記載されている。また、特開昭60−54181に
は2000℃前後の焼成によって得られた炭素繊維を負
極として用いることが記載されており、さらに特開昭6
0−221973には1000℃〜2500℃のグラフ
ァイト構造含有炭素材を負極材料として用いることが記
載されている。一方、物性値によって炭素材料を規定す
ることも提案されており、例えば、特開昭62−122
066にはX線回折における格子面間隔(d002)が3.37Å
以上で、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc002) が 150Å以
下の擬黒鉛構造を有する炭素材料が記載されており、ま
た特開昭62−90863には、比表面積A(m2/g)が
0.1<A<100 の範囲で、Lc002 と真密度ρ(g/cm3)の値
が 1.70 <ρ<2.18 かつ 10 <Lc002 <120 ρ-189を
満たす炭素材料を負極材料として使用する方法が記載さ
れている。しかしながら、これらに記載の炭素材料は、
上述したようなグラファイトや活性炭に比べれば性能面
でかなり改善されてはいるが、電池容量特に電池電圧の
高いところでの容量が不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池
は、その特徴である大容量を実現するには十分なもので
はなかった。本発明は、従来のかかる問題を解消し、大
容量を実現でき、かつ充放電サイクル特性が良好で、し
かも、安定かつ安全性に優れた高性能なリチウム二次電
池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記の目的を達成するために、従来の特許等に記載され
ている種々の炭素材料を検討した。その結果、炭素材料
の焼成温度、結晶化度あるいは表面積等を変えたとして
も負極性能は頭打ちであり、大幅な改良は望めないこと
が判明した。
【0009】しかしながら、含窒素有機化合物の焼成物
の中にリチウム−グラファイトインターカレーション
(LiC6 )化合物の理論容量である372(mAh/
g)を越える容量を持つものが見いだされ、特にポリア
クリロニトリルの焼成物の中には400(mAh/ g)
の容量を持つものが見いだされた。また、これらの炭素
材料にリチウムイオンを吸蔵させた試料についてX線回
折スペクトルを測定したところ、グラファイトとは異な
りLiC6 化合物に対応するピークは認められなかっ
た。そこで、種々の基礎的実験・検討を行った結果、特
定量の窒素原子を含有し、さらにその窒素原子が炭素原
子と特定の結合状態にある炭素材料が負極活物質として
すぐれていることをつきとめた。すなわち、この条件を
満足する炭素材料ではリチウムイオンの吸蔵においてグ
ラファイトとは異なった機構が主に作用しており、その
ことが容量増に結び付いていることが示唆された。
【0010】そこで、有機化合物を種々の含窒素化合物
により改質することで上記の条件を満足する炭素材料を
得る方法を探索した結果、驚くべきことにピッチなどの
縮合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との
反応により得られた原料有機化合物を焼成することによ
り調製された炭素材料が従来の炭素材料を大幅に上回る
性能を持ち、これを負極材料として用いることにより高
性能なリチウム二次電池が実現でき、目的を達成するこ
とが出来た。
【0011】本発明のリチウム二次電池において用いら
れる負極材料を得るための出発原料としてはピッチに代
表される縮合多環式化合物であって、石油系ピッチ、コ
ールタールピッチ及び合成ピッチあるいは類似の重質油
が用いられる。特に、軟化点にして100〜170℃の
ピッチが好適に使用される。
【0012】ニトロ化合物としては芳香族ニトロ化合物
が好ましく、特にジニトロナフタレンが好適に使用され
る。ニトロ化合物の縮合多環式化合物に対する重量比は
適宜、最適値が選択されるが、例えばジニトロナフタレ
ンとピッチの場合では0.5〜3程度が好ましい。反応
温度についても適宜、最適値が選択されるが通常300
℃程度が好ましい。
【0013】ニトロ化剤によるニトロ化反応は通常の有
機化合物をニトロ化する方法が適用できる。例えば、硝
酸と硫酸あるいは硝酸と無水酢酸を用いてニトロ化を行
うことが出来る。また、二酸化窒素ガスとオゾンガスを
含む酸素または空気を用いてもニトロ化を行うこことが
出来る。得られたニトロ化生成物は水洗して酸を除去、
乾燥する。
【0014】この様にして得られた原料有機化合物に含
量されている窒素原子の炭素原子に対する比(N/ C)
は0. 02〜0. 2であり、窒素原子の酸素原子に対す
る比(N/ O)は0. 2〜2. 0である。該原料有機化
合物を不活性ガスの雰囲気下で焼成することにより、負
極材料として最適な炭素材料が得られる。従来の炭素化
においては、不融化処理が必要であったが、該原料有機
化合物は不融化処理することなく焼成することが出来
る。焼成温度は800〜1800℃、焼成時間は1〜5
0時間で原料有機化合物の組成に応じて適宜、最適な条
件が選択される。不活性ガスとしては窒素ガスが好まし
く、ガスを気流として連続的に供給し、原料有機化合物
の焼成によって発生するガスを同伴して排出される。
【0015】この様にして得られた炭素材料は種々の負
極材料として種々の優れた特徴を持っているが、特に、
容量は従来の炭素材料に比べてきわめて大きく、対リチ
ウム電位で0〜3(V)の間で500(mAh/ g)以
上の容量が可能であり、また0〜0. 5(V)の間でも
400(mAh/ g)以上の容量が可能である。また、
本願発明の炭素材料は窒素原子を相当量含有するもので
あって、通常0. 5〜6重量%好ましくは1〜5重量%
である。さらに、X線光電子分光分析において、その多
くは399eV(詳細には398. 8±0. 4eVの範囲)
と401eV(401. 2±0. 2eVの範囲)の近傍に現
れる2つのピークで示され、これは窒素原子−炭素原子
の結合に由来するものである。すなわち、本発明の負極
材料に含まれる全窒素原子の結合の内、80%以上が結
合エネルギー399eVと401eVの近傍に現れる2つの
ピークで示される結合である。
【0016】炭素材料の結晶化度のパラメーターである
格子面間隔d002 は3. 4〜3. 6Å、および結晶子の
大きさLc002 は50Å以下である。また、真密度は1.
5〜1. 8g/cm3 の範囲にある。また、リチウムを吸蔵
させた炭素材料の 7Li−核磁気共鳴(NMR)スペク
トルを測定したところ約20ppm 〜約35ppm にピーク
が観測された。
【0017】本発明の炭素材料にリチウムイオンを吸蔵
させた場合も、ポリアクリロニトリル等の焼成物の場合
と同様リチウム−グラファイトインターカレーション化
合物に対応するX線回折ピークが認めらず、米国特許
4, 423, 125に記載されているようなLiC6
合物は形成されていないことが確認された。またLiC
6 化合物の理論容量である372(mAh/ g)を越え
る500〜600(mAh/ g)の容量を持つことから
も、その機構は不明であるが、本発明の炭素材料におい
てもリチウムイオンの吸蔵においてグラファイトとは異
なった機構が主に作用していることを示唆している。 7
Li- NMRナイトシフト値からもグラファイトに比べ
リチウムをイオンとして吸蔵しやすいことが推察され
る。
【0018】また、本願発明の炭素材料と同様な含窒素
炭素材料を負極材料として使用することは、特開昭58
−93176、特開昭60−54181、特開昭60−
221973、特開昭60−235372、特開昭62
−90863、特開昭62−122066にポリアクリ
ロニトリル等の含窒素有機高分子化合物を炭化すること
によって得られた炭素材料を負極として用いることが記
載されている。また、ピッチを炭化することによって得
られた炭素材料を負極材料として使用することは特開昭
60−235372、特開昭62−90863、特開昭
62−122066に記載されており、特に特開昭62
−90863にはテトラベンゾフェナジンの熱分解によ
り得られるピッチを負極材料とすることが記載されてい
る。しかしながら、これらの方法で得られた負極材料に
はポリアクリロニトリルの炭化物により得られる約40
0(mAh/ g)の容量を大きく越えるものはなく、縮
合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との反
応により得られた化合物を焼成するという本願発明の方
法によって、はじめて500〜600(mAh/ g)の
容量を持つ炭素材料を得ることが可能となった。上記の
炭素材料を負極材料とする本発明の非水溶媒二次電池を
組み立てる場合の基本構成要素としては、本発明の炭素
材料を負極材料として使用した負極、更には正極、セパ
レーター、非水溶媒および容器が挙げられる。
【0019】本発明の炭素材料を負極として使用する方
法は、特に限定されないが、例えば、粉末状の負極材料
にバインダー及び必要な場合は溶剤も加えて混練し、シ
ート化した後、集電体と密着あるいは直接集電体に塗布
することにより作製された電極体が使用される。また、
バインダーとして各種ピッチを使用し、粉末状の負極材
料との混練物を焼成して得られる板状の電極体も好適に
使用される。正極材料としては特に限定されないが、例
えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4 などのリチウ
ム含有酸化物、TiO2、V2O5、MoO3、MnO2などの酸化物や
TiS2、FeS 、MoS3などの硫化物、並びにNbSe3 などのセ
レン化合物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニ
レン、ポリピロール及びポリアニリン等の共役高分子化
合物、活性炭等が使用される。これらの正極材料を正極
として使用する方法は、特に限定されないが、例えば、
粉末状の正極材料にバインダー、導電材及び必要な場合
は溶剤も加えて混練し、シート化した後集電体と密着あ
るいは直接集電体に塗布することにより作製された電極
体が使用される。セパレーターは特に限定されないが、
合成樹脂繊維やガラス繊維または天然繊維の織布あるい
は不織布、及び合成樹脂微多孔膜等が挙げられる。
【0020】本発明の非水溶媒二次電池には有機電解液
または固体電解質が使用される。有機電解液としては、
リチウム塩を高誘電率の有機溶媒に溶解させた溶液が使
用される。リチウム塩の種類には、特に制限はなく、例
えば、LiClO4、LiPF6 、LiSbF6などが使用できる。ま
た、二種類以上を適宜に配合して使用することもでき
る。ここに使用される有機溶媒は、リチウム塩を溶解
し、かつ非プロトン性で高誘電率であればよく、ニトリ
ル、カーボネート、エーテル、ニトロ化合物、含硫黄化
合物、塩素化炭化水素、ケトン及びエステル等を挙げる
ことが出来る。更に具体的にいえば、例えば、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、プロピレンカービネート、
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、1,2ージメトキシエタン、ニ
トロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホオキシド、スルホランおよびγー ブチロラクトン等の
単独、あるいは二種類以上を混合して混合溶媒としたも
のが好適に使用される。容器には通常のステンレス鋼
板、ニッケルメッキ鋼板の他、合成樹脂と電気絶縁性無
機質皮膜からなる多層材料も使用できる。
【0021】以下、本発明について実施例、及び、比較
例を示してその効果を具体的にかつ詳細に説明するが、
以下に示す例は、具体的に説明するためのものであって
本発明の実施態様や発明の範囲を限定するものとしては
意図されていない。また、本実施例での負極材料の各種
分析方法及び分析条件を以下に記載する。 [粒度分布測定]装置は堀場製作所製、レーザー回折
式、粒度分布測定装置、LA-500型を使用した。測定は10
0ml の純水に3滴の界面活性剤を加え、この中に所定濃
度になるように試料を加え、超音波分散を10分間行っ
たのち、測定し、得られたメジアン径を平均粒子径とし
た。
【0022】[元素分析]炭素、窒素、水素の同時分析
には、分析装置としてパーキンエルマー(PERKIN-ELME
R)社製、2400CHN 型元素分析計を使用した。測定は、
試料の負極材料を錫製の容器に1.5 ±0.2mg を精秤し、
装置にセット後、975 ℃の温度で5分間燃焼し、Heガ
スキャリヤーによりTCDで検出し測定した。なお、試
料の測定に当たって、予め、標準物質のアセトアニリド
(2.0±0.1mg)により補正した。
【0023】酸素、窒素の同時分析には、分析装置とし
てはレコ(LECO)社製、TC−436型酸素窒素同
時分析装置を使用した。測定は、試料の負極材料をニッ
ケル製の容器に10. 0±0. 5mgを精秤し、装置にセ
ットした後、4800Wに加熱された黒鉛るつぼ中で燃
焼し、Heガスキャリヤーによる赤外線で検出した。な
お、試料の測定に当たって、予め、標準物質の窒化ケイ
素粉末((社)日本セラミックス協会製 酸素1. 67
%含有)により更正した。
【0024】[XPS分析]装置はヴィ・ジー・サイエ
ンティフィック(V.G.Scientific)社製 ESCALABMK−2
型を使用した。測定は、線源としてMg−Kα線を使用
し、15KV-20mA で,Al スリット(2×5mm)を使用して行な
った。試料の前処理は、両面接着テープ上に試料を保持
し、そのまま、あるいは場合によっては試料の表面層を
アルゴンエッチングした後測定した。測定は全ピークの
広域測定をした後、各ピークの狭域精密測定を行い、ピ
ーク毎に分割を行なった。なお、チャージアップ補正
は、観測されるC-1sの結合エネルギーを284.4eV とし
て、他のピークを補正した。
【0025】[真密度測定]真密度は25℃でブロモホ
ルム、四塩化炭素混合溶液を用いる浮沈法により測定し
た。 [核磁気共鳴スペクトル測定]装置は日本電子製α40
0を用いて、測定周波数155. 25MHzで測定し
た。基準試料として重水中にLiClを1(mol/l) の濃
度になるように溶解したものを使用した。試料調製は炭
素材料に、対極を金属リチウムとし、プロピレンカーボ
ネートと1,2-ジメトキシエタンの等モル混合溶媒にLi
ClO4 を溶解した物を電解液として、電流密度1.0
(mA/cm2)で電気化学的にリチウムを吸蔵することで行な
った。溶媒で洗浄、乾燥後粉砕しφ5mmNMRサンプル
管に封入した後測定した。
【0026】
【実施例】
実施例1 内容積500mlの耐酸オートクレーブに、ナフタレン1
モル、弗化水素(HF)0.5モル、三弗化硼素(BF
3 )0. 5モルを仕込み、25kg/cm2の加圧下に200
℃にまで昇温した後、更に2時間、200℃に保持して
反応させた。次いで、常法に従って、オートクレーブ内
に窒素を吹き込んでHF及びBF3 を回収し、引き続い
て低沸点成分を除去して軟化点115℃のピッチを得
た。次いで、ここで得られたピッチ100重量部に97
%濃硫酸1000重量部,62%硝酸1000重量部を
加え70℃に昇温した後、更に2時間70℃に保持して
反応させた。反応生成物を濾過、水洗、乾燥してニトロ
化ピッチを得た。ニトロ化ピッチに含量されている窒素
原子の炭素原子に対する比(N/ C)は0.14であ
り、窒素原子の酸素原子に対する比(N/ O)は0.3
4であった。このニトロ化ピッチを電気炉[シリコニッ
ト高熱工学社製、THS1060]に設置されたアルミ
ナ製炉心管[ニッカトー社製]に入れ、窒素ガス気流
下、昇温速度5℃/minで1000℃まで加熱し、2時間
保持した。次いで、室温まで冷却し、得られた黒色の焼
成体をボールミル[日本化学陶業製、ポットミル]を用
いて粉砕した。更に、窒素ガス気流中、1000℃で2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た
【0027】ここに得られた負極材料の元素分析値は、
炭素93.84wt%、水素0.07wt%、窒素2.22
wt%であった。また、この負極材料のXPS分析の結
果、結合エネルギー398.6eVと401.3eVに2つ
のN−1sに基づくピークが確認された。この2つのピ
ークの強度比(401.3eVのピーク強度/ 398.6
eVのピーク強度)は2.8であった。また、この2つの
ピークの全窒素原子の結合に占める割合は100%であ
った。
【0028】[負極材料の評価]上記で得られた粉末状
の負極材料85重量部と、軟化点115℃のピッチ粉末
15重量部とを、小平製作所ミキサー[商品名 ケンミ
ックスアイコー]に仕込み、均一に混合したのち、常法
に従って、ロール法により厚さ0.3mmのシートを作製
した。ここに得られたシートから、直径15mmの試験片
を打ち抜いた。ついで、この試験片を窒素ガス気流中1
000℃で2時間焼成して得られた焼結成形体を評価用
試験片とした。
【0029】この評価用試験片を用いて、常法にしたが
って、過塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,
2-ジメトキシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液
[濃度1. 0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポ
リプロピレン製微孔膜をセパレータとするハーフセルを
作製した。なお、対極として直径16mm、厚さ0.5mm
のリチウム金属を使用した。また、参照極として対極と
同様にリチウム金属の小片を使用した。
【0030】ここに得られたハーフセルの初期回路電位
は3.18V(volt) であった。次いで、電流密度1.0
mA/cm2で参照極に対する評価用試験片の電極電位が変化
しなくなるまで充電した。つづいて、電流密度1.0mA
/cm2にて放電を行ったところ、参照極に対する評価用試
験片の電極電位が、0.1V までで279mAh/g 、0.
5V までで432mAh/g 、さらに3.0V まで放電を行
ったところ、583mAh/g の放電容量が確認された。こ
の放電曲線は電極電位0.5V までの電位の平坦性に優
れていた。
【0031】[二次電池としての評価例]上記の評価用
試験片と同様にして作製した厚さ0.3mm、直径15m
m、重量90mgの試験片を負極とし、常法に従って、過
塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,2-ジメト
キシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液[濃度1.
0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポリプロピレ
ン性微孔膜をセパレータとする二次電池を作製した。な
お、正極として、LiCoO285重量部にアセチレンブラッ
ク10重量部[導電剤]とポリテトラフルオロエチレン
粉末5重量部[バインダー]とを配合・混合して円盤状
に圧縮成形した成形体[重量250mg、直径14mm]を
用いた。
【0032】ここに得られた二次電池の初回回路電圧
は、0.03V であった。次いで、電流密度1.0mA/c
m2にて充電電圧が4.10V になるまで定電流充電を行
ったのち、電流密度1.0mA/cm2で定電流放電試験を行
ったところ、初期放電容量34.9mAh なる結果を得
た。次いで、定電流充放電サイクル試験を、電流密度
1.0mA/cm2、下限電圧2.00V 、上限電圧4.10
V の条件下に実施したところ、40サイクル目の放電容
量34.2mAh 、250サイクル目の放電容量34.0
mAh 、500サイクル目の放電容量33.7mAh なる結
果を得た。なお、500サイクル目までの二次電池の放
電平均電圧は3.6V 以上であった。また、同様にして
作製した二次電池の5サイクル目における60℃、20
日間保存での自己放電率は8%であった。
【0033】実施例2 実施例1で得られた軟化点115℃のピッチ100重量
部に100重量部のジニトロナフタレンを180℃に加
熱しながら混合し、更に、270℃まで昇温した。この
化合物に含有されている窒素原子の炭素原子に対する比
(N/C)は0.05であり、窒素原子の酸素原子に対
する比(N/O)は1.42であった。この混合物をボ
ールミルを用いて粉砕した。更に、得られた黒色の粉末
を、窒素ガス気流中、1000℃で2時間焼成し、粉末
状の負極材料を得た。この負極材料の元素分析値は、炭
素95.79wt%、水素0.01wt%、窒素1.67wt
%であった。また、この負極材料のXPS分析の結果、
結合エネルギー398.6eVと401.4eVに2つのN
−1sに基づくピークが確認された。この2つのピーク
の強度比(401.4eVのピーク強度/ 398.6eVの
ピーク強度)は2.5であり、この2つのピークの全窒
素原子の結合に占める割合は100%であった。更に、
リチウムを吸蔵させた試料について 7Li−NMRを測
定したところ、372mAh/g の吸蔵量では19.3ppm
に1本のピークが観測され、500mAh/g の吸蔵量では
24ppm に主ピークが、35ppm にショルダーが観測さ
れた。また、実施例1と同様にハーフセル、二次電池を
製造し、定電流充放電試験を実施したところ、実質的に
実施例1と同じ結果が得られた。
【0034】実施例3 実施例1で得られた粉末状負極材料100重量部に、ポ
リテトラフルオロエチレン粉末5重量部[バインダー]
を配合・混合して円板状に圧縮成形した柔軟な成形体を
作製し、評価用試験片とした。ついで、実施例1と同様
にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を実施したと
ころ、初期回路電圧は3.18Vであり、電極電位が
0.1Vまでで237mAh/g 、0.5Vまでで367mA
h/g 、更に、3.0Vまで放電を行ったところ、496
mAh/g の放電容量が確認された。この放電曲線は低電位
の平坦性に優れていた。また、実施例1と同様に二次電
池を作製し、定電流充放電試験を実施したところ、初期
回路電圧は0.03Vであり、初期放電容量は29.7
mAh であった。
【0035】比較例1 実施例1においてピッチのニトロ化を行わない以外は、
すべて実施例1と同様にして粉末状の負極材料を得た。
ここに得られた負極材料の元素分析値は、炭素97.8
0wt%、水素0.05wt%、窒素0.08wt%であっ
た。また、この負極材料のXPS分析の結果、窒素接合
に関わる結合エネルギーのピークは検出されなかった。
【0036】実施例1と同様に、焼結成形体を作製し評
価用試験片とした。ついで、実施例1と同様にハーフセ
ルを作製し、定電流充放電試験を実施したところ、電極
電位が0.1Vまでで105mAh/g 、0.5Vまでで2
45mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったところ3
63mAh/g の放電容量であり、全体の放電容量は大幅に
低下した。また、実施例1と同様に二次電池を作製し、
定電流充放電試験を実施したところ、初期回路電圧は
0.03Vであり、初期放電容量は21.2mAhであっ
た。
【0037】比較例2 ポリアクリロニトリル系炭素繊維[繊維径7μm、長さ
160μm]をボールミル粉砕機にて、平均粒子径4.
3μmに粉砕し、ついで窒素ガス気流下1200℃、2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た。ここに得られた
負極材料の元素分析値は、炭素94.35wt%、水素
0.07wt%、窒素4.32wt%であった。また、この
負極材料のXPS分析の結果、結合エネルギー398.
9eVと401.1eVに2つのN−1sに基づくピークが
確認された。この2つのピークの強度比(401.1eV
のピーク強度/398.9eVのピーク強度)は3.0で
あった。また、この2つのピークの全窒素原子の結合に
占める割合は100%であった。
【0038】この負極材料を用いて、実施例1と同様に
焼結成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、実施
例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は3.20Vであり、電
極電位が0.1Vまでで190mAh/g 、0.5Vまでで
310mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったとこ
ろ、402mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実
施例1と同様に二次電池を作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は0.01Vであり、初
期放電容量は24.7mAh であった。
【0039】比較例3 比較例2で得られた炭素粉末を用いて、実施例3と同様
に柔軟な成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、
実施例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試
験を実施したところ、初期回路電圧は3.20Vであ
り、0.1Vまでで162mAh/g 、0.5Vまでで26
4mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったところ34
2mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実施例2と
同様に二次電池を作製したところ、初期回路電圧は0.
01V、初期放電容量は21.0mAh であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の二次電池は、従来のものに比べ
負極が劣化しにくいため安全性に優れ、また充放電特性
が優れているとともに電池容量が大きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 改良された非水溶媒リチウム二次電池
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大容量で充放電サイク
ル特性に優れた、改良された非水溶媒リチウム二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極材料として金属リチウムを用いたリ
チウム一次電池は、高エネルギー密度、軽量小型および
長期保存性などの利点を有しているため、既に、実用化
されて汎用されている。
【0003】しかし、このリチウム一次電池の負極材料
として有効な金属リチウムを、二次電池の負極材料とし
て用いると、一次電池では認められない種々の新しい問
題点が生じるため、実質的にリチウム二次電池の負極と
して使用することが出来ない。何故ならば、金属リチウ
ムを負極としたリチウム二次電池は、充放電サイクル寿
命が短く、しかも、充放電における充放電効率が低いと
いった重大な欠陥・欠点を有しているからである。この
欠陥・欠点は、充放電により負極にデンドライト状[樹
枝状]の金属リチウムが析出するという電気化学的な化
学反応によって生じる負極の劣化に起因するものであ
る。従って、金属リチウムを負極とするリチウム二次電
池において、負極の劣化を回避することはできない。
【0004】上述したように、二次電池の負極として金
属リチウムを使用すると、負極の劣化という欠陥が生じ
るが、この欠陥を解決する方法として、リチウム−アル
ミニウム合金を負極材料として用いる方法が提案され、
種々の小型電子機器のメモリーバックアップ用などに広
く用いられている。しかし、リチウム金属に由来する危
険性を内蔵しており、高い容量の要求される携帯機器の
電源など、ニッケルカドミニウム電池が使用されている
分野への適用には問題があった。そこで、リチウム金属
ではなく、リチウムイオンを吸蔵する炭素材料を負極と
する種々の二次電池が提案された。例えば、グラファイ
トを負極材料とする方法が、米国特許4,304,82
5、特開昭57−208079、米国特許4,423,
125あるいは特開昭58−102464に記載されて
いる。しかしながら、グラファイトは結晶子が発達して
いるため、リチウムイオンのインターカレーション・デ
インターカレーションに際して結晶の破壊を生じ、この
ため可逆性に乏しく、さらには、高い反応性のため電解
液の分解を生じせしめ、自己放電が大きいなどの欠点が
あり、実用性に欠ける物であった。
【0005】一方、高表面積炭素材料である活性炭を負
極材料として用いることが、米国特許4,497,88
3等に記載されている。これは、活性炭の高表面積に基
く電気二重層形成を利用するものであるが、充放電効率
が低く、また、これを負極とした二次電池の電池電圧が
低いという欠点を有している。
【0006】この様な欠点を解決するため、結晶子の発
達したグラファイトと、高表面積炭素材料である活性炭
とは異なった炭素材料を負極材料として利用するという
提案もされている。具体的には、焼成温度によって規定
することが提案されており、1500℃以下の焼成温度
で得られた有機物焼成体を負極材料として用いる方法が
特開昭58−93176および特開昭60−23537
2に記載されている。また、特開昭60−54181に
は2000℃前後の焼成によって得られた炭素繊維を負
極として用いることが記載されており、さらに特開昭6
0−221973には1000℃〜2500℃のグラフ
ァイト構造含有炭素材を負極材料として用いることが記
載されている。一方、物性値によって炭素材料を規定す
ることも提案されており、例えば、特開昭62−122
066にはX線回折における格子面間隔(d002)が3.37Å
以上で、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc002) が 150Å以
下の擬黒鉛構造を有する炭素材料が記載されており、ま
た特開昭62−90863には、比表面積A(m2/g)が
0.1<A<100 の範囲で、Lc002 と真密度ρ(g/cm3)の値
が 1.70 <ρ<2.18 かつ 10 <Lc002 <120 ρ-189を
満たす炭素材料を負極材料として使用する方法が記載さ
れている。しかしながら、これらに記載の炭素材料は、
上述したようなグラファイトや活性炭に比べれば性能面
でかなり改善されてはいるが、電池容量特に電池電圧の
高いところでの容量が不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池
は、その特徴である大容量を実現するには十分なもので
はなかった。本発明は、従来のかかる問題を解消し、大
容量を実現でき、かつ充放電サイクル特性が良好で、し
かも、安定かつ安全性に優れた高性能なリチウム二次電
池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記の目的を達成するために、従来の特許等に記載され
ている種々の炭素材料を検討した。その結果、炭素材料
の焼成温度、結晶化度あるいは表面積等を変えたとして
も負極性能は頭打ちであり、大幅な改良は望めないこと
が判明した。
【0009】しかしながら、含窒素有機化合物の焼成物
の中にリチウム−グラファイトインターカレーション
(LiC6 )化合物の理論容量である372(mAh/
g)を越える容量を持つものが見いだされ、特にポリア
クリロニトリルの焼成物の中には400(mAh/ g)
の容量を持つものが見いだされた。また、これらの炭素
材料にリチウムイオンを吸蔵させた試料についてX線回
折スペクトルを測定したところ、グラファイトとは異な
りLiC6 化合物に対応するピークは認められなかっ
た。そこで、種々の基礎的実験・検討を行った結果、特
定量の窒素原子を含有し、さらにその窒素原子が炭素原
子と特定の結合状態にある炭素材料が負極活物質として
すぐれていることをつきとめた。すなわち、この条件を
満足する炭素材料ではリチウムイオンの吸蔵においてグ
ラファイトとは異なった機構が主に作用しており、その
ことが容量増に結び付いていることが示唆された。
【0010】そこで、有機化合物を種々の含窒素化合物
により改質することで上記の条件を満足する炭素材料を
得る方法を探索した結果、驚くべきことにピッチなどの
縮合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との
反応により得られた原料有機化合物を焼成することによ
り調製された炭素材料が従来の炭素材料を大幅に上回る
性能を持ち、これを負極材料として用いることにより高
性能なリチウム二次電池が実現でき、目的を達成するこ
とが出来た。
【0011】本発明のリチウム二次電池において用いら
れる負極材料を得るための出発原料としてはピッチに代
表される縮合多環式化合物であって、石油系ピッチ、コ
ールタールピッチ及び合成ピッチあるいは類似の重質油
が用いられる。特に、軟化点にして170℃以下のピッ
チが好適に使用される。
【0012】ニトロ化合物としては芳香族ニトロ化合物
が好ましく、特にジニトロナフタレンが好適に使用され
る。ニトロ化合物の縮合多環式化合物に対する重量比は
適宜、最適値が選択されるが、例えばジニトロナフタレ
ンとピッチの場合では0.1〜3程度が好ましい。反応
温度についても適宜、最適値が選択されるが通常200
〜500℃程度が好ましい。
【0013】ニトロ化剤によるニトロ化反応は通常の有
機化合物をニトロ化する方法が適用できる。例えば、硝
酸と硫酸あるいは硝酸と無水酢酸を用いてニトロ化を行
うことが出来る。また、二酸化窒素ガスとオゾンガスを
含む酸素または空気を用いてもニトロ化を行うこことが
出来る。得られたニトロ化生成物は水洗して酸を除去、
乾燥する。
【0014】この様にして得られた原料有機化合物に含
量されている窒素原子の炭素原子に対する比(N/ C)
及び窒素原子の酸素原子に対する比(N/O)は出発原
料、反応温度等により異なるが、通常、N/ Cは0.0
1〜0.3、N/Oは0.1〜3.0である。該原料有
機化合物を不活性ガスの雰囲気下で焼成することによ
り、負極材料として最適な炭素材料が得られる。従来の
炭素化においては、不融化処理が必要であったが、該原
料有機化合物は不融化処理することなく焼成することが
出来る。焼成温度は800〜1800℃、焼成時間は1
〜50時間で原料有機化合物の組成に応じて適宜、最適
な条件が選択される。また、800℃以下で予備焼成を
おこなってもよい。不活性ガスとしては窒素ガスが好ま
しく、ガスを気流として連続的に供給し、原料有機化合
物の焼成によって発生するガスを同伴して排出される。
【0015】この様にして得られた炭素材料は種々の負
極材料として種々の優れた特徴を持っているが、特に、
容量は従来の炭素材料に比べてきわめて大きく、対リチ
ウム電位で0〜3(V)の間で500(mAh/ g)以
上の容量が可能であり、また0〜0. 5(V)の間でも
400(mAh/ g)以上の容量が可能である。また、
本願発明の炭素材料は窒素原子を相当量含有するもので
あって、通常0. 5〜6重量%好ましくは1〜5重量%
である。さらに、X線光電子分光分析において、その多
くは399eV(詳細には398. 8±0. 4eVの範囲)
と401eV(401. 2±0. 2eVの範囲)の近傍に現
れる2つのピークで示され、これは窒素原子−炭素原子
の結合に由来するものである。すなわち、本発明の負極
材料に含まれる全窒素原子の結合の内、80%以上が結
合エネルギー399eVと401eVの近傍に現れる2つの
ピークで示される結合である。
【0016】炭素材料の結晶化度のパラメーターは製造
条件によって異なるが、通常、格子面間隔d002 は3.
4〜3. 7Å、および結晶子の大きさLc002 は70Å以
下である。また、真密度は1. 5〜2. 0g/cm3 の範囲
にある。また、リチウムを吸蔵させた炭素材料の 7Li
−核磁気共鳴(NMR)スペクトルを測定したところ約
20ppm 〜約35ppm にピークが観測された。
【0017】本発明の炭素材料にリチウムイオンを吸蔵
させた場合も、ポリアクリロニトリル等の焼成物の場合
と同様リチウム−グラファイトインターカレーション化
合物に対応するX線回折ピークが認めらず、米国特許
4, 423, 125に記載されているようなLiC6
合物は形成されていないことが確認された。またLiC
6 化合物の理論容量である372(mAh/ g)を越え
る500〜600(mAh/ g)の容量を持つことから
も、その機構は不明であるが、本発明の炭素材料におい
てもリチウムイオンの吸蔵においてグラファイトとは異
なった機構が主に作用していることを示唆している。 7
Li- NMRナイトシフト値からもグラファイトに比べ
リチウムをイオンとして吸蔵しやすいことが推察され
る。
【0018】また、本願発明の炭素材料と同様な含窒素
炭素材料を負極材料として使用することは、特開昭58
−93176、特開昭60−54181、特開昭60−
221973、特開昭60−235372、特開昭62
−90863、特開昭62−122066にポリアクリ
ロニトリル等の含窒素有機高分子化合物を炭化すること
によって得られた炭素材料を負極として用いることが記
載されている。また、ピッチを炭化することによって得
られた炭素材料を負極材料として使用することは特開昭
60−235372、特開昭62−90863、特開昭
62−122066に記載されており、特に特開昭62
−90863にはテトラベンゾフェナジンの熱分解によ
り得られるピッチを負極材料とすることが記載されてい
る。しかしながら、これらの方法で得られた負極材料に
はポリアクリロニトリルの炭化物により得られる約40
0(mAh/ g)の容量を大きく越えるものはなく、縮
合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との反
応により得られた化合物を焼成するという本願発明の方
法によって、はじめて500〜600(mAh/ g)の
容量を持つ炭素材料を得ることが可能となった。上記の
炭素材料を負極材料とする本発明の非水溶媒二次電池を
組み立てる場合の基本構成要素としては、本発明の炭素
材料を負極材料として使用した負極、更には正極、セパ
レーター、非水溶媒および容器が挙げられる。
【0019】本発明の炭素材料を負極として使用する方
法は、特に限定されないが、例えば、粉末状の負極材料
にバインダー及び必要な場合は溶剤も加えて混練し、シ
ート化した後、集電体と密着あるいは直接集電体に塗布
することにより作製された電極体が使用される。また、
バインダーとして各種ピッチを使用し、粉末状の負極材
料との混練物を焼成して得られる板状の電極体も好適に
使用される。正極材料としては特に限定されないが、例
えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4 などのリチウ
ム含有酸化物、TiO2、V2O5、MoO3、MnO2などの酸化物や
TiS2、FeS 、MoS3などの硫化物、並びにNbSe3 などのセ
レン化合物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニ
レン、ポリピロール及びポリアニリン等の共役高分子化
合物、活性炭等が使用される。これらの正極材料を正極
として使用する方法は、特に限定されないが、例えば、
粉末状の正極材料にバインダー、導電材及び必要な場合
は溶剤も加えて混練し、シート化した後集電体と密着あ
るいは直接集電体に塗布することにより作製された電極
体が使用される。セパレーターは特に限定されないが、
合成樹脂繊維やガラス繊維または天然繊維の織布あるい
は不織布、及び合成樹脂微多孔膜等が挙げられる。
【0020】本発明の非水溶媒二次電池には有機電解液
または固体電解質が使用される。有機電解液としては、
リチウム塩を高誘電率の有機溶媒に溶解させた溶液が使
用される。リチウム塩の種類には、特に制限はなく、例
えば、LiClO4、LiPF6 、LiSbF6などが使用できる。ま
た、二種類以上を適宜に配合して使用することもでき
る。ここに使用される有機溶媒は、リチウム塩を溶解
し、かつ非プロトン性で高誘電率であればよく、ニトリ
ル、カーボネート、エーテル、ニトロ化合物、含硫黄化
合物、塩素化炭化水素、ケトン及びエステル等を挙げる
ことが出来る。更に具体的にいえば、例えば、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、プロピレンカービネート、
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、1,2ージメトキシエタン、ニ
トロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホオキシド、スルホランおよびγー ブチロラクトン等の
単独、あるいは二種類以上を混合して混合溶媒としたも
のが好適に使用される。容器には通常のステンレス鋼
板、ニッケルメッキ鋼板の他、合成樹脂と電気絶縁性無
機質皮膜からなる多層材料も使用できる。
【0021】以下、本発明について実施例、及び、比較
例を示してその効果を具体的にかつ詳細に説明するが、
以下に示す例は、具体的に説明するためのものであって
本発明の実施態様や発明の範囲を限定するものとしては
意図されていない。また、本実施例での負極材料の各種
分析方法及び分析条件を以下に記載する。 [粒度分布測定]装置は堀場製作所製、レーザー回折
式、粒度分布測定装置、LA-500型を使用した。測定は10
0ml の純水に3滴の界面活性剤を加え、この中に所定濃
度になるように試料を加え、超音波分散を10分間行っ
たのち、測定し、得られたメジアン径を平均粒子径とし
た。
【0022】[元素分析]炭素、窒素、水素の同時分析
には、分析装置としてパーキンエルマー(PERKIN-ELME
R)社製、2400CHN 型元素分析計を使用した。測定は、
試料の負極材料を錫製の容器に1.5 ±0.2mg を精秤し、
装置にセット後、975 ℃の温度で5分間燃焼し、Heガ
スキャリヤーによりTCDで検出し測定した。なお、試
料の測定に当たって、予め、標準物質のアセトアニリド
(2.0±0.1mg)により補正した。
【0023】酸素、窒素の同時分析には、分析装置とし
てはレコ(LECO)社製、TC−436型酸素窒素同
時分析装置を使用した。測定は、試料の負極材料をニッ
ケル製の容器に10. 0±0. 5mgを精秤し、装置にセ
ットした後、4800Wに加熱された黒鉛るつぼ中で燃
焼し、Heガスキャリヤーによる赤外線で検出した。な
お、試料の測定に当たって、予め、標準物質の窒化ケイ
素粉末((社)日本セラミックス協会製 酸素1. 67
%含有)により更正した。
【0024】[XPS分析]装置はヴィ・ジー・サイエ
ンティフィック(V.G.Scientific)社製 ESCALABMK−2
型を使用した。測定は、線源としてMg−Kα線を使用
し、15KV-20mA で,Al スリット(2×5mm)を使用して行な
った。試料の前処理は、両面接着テープ上に試料を保持
し、そのまま、あるいは場合によっては試料の表面層を
アルゴンエッチングした後測定した。測定は全ピークの
広域測定をした後、各ピークの狭域精密測定を行い、ピ
ーク毎に分割を行なった。なお、チャージアップ補正
は、観測されるC-1sの結合エネルギーを284.4eV とし
て、他のピークを補正した。
【0025】[真密度測定]真密度は25℃でブロモホ
ルム、四塩化炭素混合溶液を用いる浮沈法により測定し
た。 [核磁気共鳴スペクトル測定]装置は日本電子製α40
0を用いて、測定周波数155. 25MHzで測定し
た。基準試料として重水中にLiClを1(mol/l) の濃
度になるように溶解したものを使用した。試料調製は炭
素材料に、対極を金属リチウムとし、プロピレンカーボ
ネートと1,2-ジメトキシエタンの等モル混合溶媒にLi
ClO4 を溶解した物を電解液として、電流密度1.0
(mA/cm2)で電気化学的にリチウムを吸蔵することで行な
った。溶媒で洗浄、乾燥後粉砕しφ5mmNMRサンプル
管に封入した後測定した。
【0026】
【実施例】 実施例1 内容積500mlの耐酸オートクレーブに、ナフタレン1
モル、弗化水素(HF)0.5モル、三弗化硼素(BF
3 )0. 5モルを仕込み、25kg/cm2の加圧下に200
℃にまで昇温した後、更に2時間、200℃に保持して
反応させた。次いで、常法に従って、オートクレーブ内
に窒素を吹き込んでHF及びBF3 を回収し、引き続い
て低沸点成分を除去して軟化点115℃のピッチを得
た。次いで、ここで得られたピッチ100重量部に97
%濃硫酸1000重量部,62%硝酸1000重量部を
加え70℃に昇温した後、更に2時間70℃に保持して
反応させた。反応生成物を濾過、水洗、乾燥してニトロ
化ピッチを得た。ニトロ化ピッチに含量されている窒素
原子の炭素原子に対する比(N/ C)は0.14であ
り、窒素原子の酸素原子に対する比(N/ O)は0.3
4であった。このニトロ化ピッチを電気炉[シリコニッ
ト高熱工学社製、THS1060]に設置されたアルミ
ナ製炉心管[ニッカトー社製]に入れ、窒素ガス気流
下、昇温速度5℃/minで1000℃まで加熱し、2時間
保持した。次いで、室温まで冷却し、得られた黒色の焼
成体をボールミル[日本化学陶業製、ポットミル]を用
いて粉砕した。更に、窒素ガス気流中、1000℃で2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た
【0027】ここに得られた負極材料の元素分析値は、
炭素93.84wt%、水素0.07wt%、窒素2.22
wt%であった。また、この負極材料のXPS分析の結
果、結合エネルギー398.6eVと401.3eVに2つ
のN−1sに基づくピークが確認された。この2つのピ
ークの強度比(401.3eVのピーク強度/ 398.6
eVのピーク強度)は2.8であった。また、この2つの
ピークの全窒素原子の結合に占める割合は100%であ
った。
【0028】[負極材料の評価]上記で得られた粉末状
の負極材料85重量部と、軟化点115℃のピッチ粉末
15重量部とを、小平製作所ミキサー[商品名 ケンミ
ックスアイコー]に仕込み、均一に混合したのち、常法
に従って、ロール法により厚さ0.3mmのシートを作製
した。ここに得られたシートから、直径15mmの試験片
を打ち抜いた。ついで、この試験片を窒素ガス気流中1
000℃で2時間焼成して得られた焼結成形体を評価用
試験片とした。
【0029】この評価用試験片を用いて、常法にしたが
って、過塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,
2-ジメトキシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液
[濃度1. 0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポ
リプロピレン製微孔膜をセパレータとするハーフセルを
作製した。なお、対極として直径16mm、厚さ0.5mm
のリチウム金属を使用した。また、参照極として対極と
同様にリチウム金属の小片を使用した。
【0030】ここに得られたハーフセルの初期回路電位
は3.18V(volt) であった。次いで、電流密度1.0
mA/cm2で参照極に対する評価用試験片の電極電位が変化
しなくなるまで充電した。つづいて、電流密度1.0mA
/cm2にて放電を行ったところ、参照極に対する評価用試
験片の電極電位が、0.1V までで279mAh/g 、0.
5V までで432mAh/g 、さらに3.0V まで放電を行
ったところ、583mAh/g の放電容量が確認された。こ
の放電曲線は電極電位0.5V までの電位の平坦性に優
れていた。
【0031】[二次電池としての評価例]上記の評価用
試験片と同様にして作製した厚さ0.3mm、直径15m
m、重量90mgの試験片を負極とし、常法に従って、過
塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,2-ジメト
キシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液[濃度1.
0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポリプロピレ
ン性微孔膜をセパレータとする二次電池を作製した。な
お、正極として、LiCoO285重量部にアセチレンブラッ
ク10重量部[導電剤]とポリテトラフルオロエチレン
粉末5重量部[バインダー]とを配合・混合して円盤状
に圧縮成形した成形体[重量250mg、直径14mm]を
用いた。
【0032】ここに得られた二次電池の初回回路電圧
は、0.03V であった。次いで、電流密度1.0mA/c
m2にて充電電圧が4.10V になるまで定電流充電を行
ったのち、電流密度1.0mA/cm2で定電流放電試験を行
ったところ、初期放電容量34.9mAh なる結果を得
た。次いで、定電流充放電サイクル試験を、電流密度
1.0mA/cm2、下限電圧2.00V 、上限電圧4.10
V の条件下に実施したところ、40サイクル目の放電容
量34.2mAh 、250サイクル目の放電容量34.0
mAh 、500サイクル目の放電容量33.7mAh なる結
果を得た。なお、500サイクル目までの二次電池の放
電平均電圧は3.6V 以上であった。また、同様にして
作製した二次電池の5サイクル目における60℃、20
日間保存での自己放電率は8%であった。
【0033】実施例2 実施例1で得られた軟化点115℃のピッチ100重量
部に100重量部のジニトロナフタレンを180℃に加
熱しながら混合し、更に、270℃まで昇温した。この
化合物に含有されている窒素原子の炭素原子に対する比
(N/C)は0.05であり、窒素原子の酸素原子に対
する比(N/O)は1.42であった。この混合物をボ
ールミルを用いて粉砕した。更に、得られた黒色の粉末
を、窒素ガス気流中、1000℃で2時間焼成し、粉末
状の負極材料を得た。この負極材料の元素分析値は、炭
素95.79wt%、水素0.01wt%、窒素1.67wt
%であった。また、この負極材料のXPS分析の結果、
結合エネルギー398.6eVと401.4eVに2つのN
−1sに基づくピークが確認された。この2つのピーク
の強度比(401.4eVのピーク強度/ 398.6eVの
ピーク強度)は2.5であり、この2つのピークの全窒
素原子の結合に占める割合は100%であった。更に、
リチウムを吸蔵させた試料について 7Li−NMRを測
定したところ、372mAh/g の吸蔵量では19.3ppm
に1本のピークが観測され、500mAh/g の吸蔵量では
24ppm に主ピークが、35ppm にショルダーが観測さ
れた。また、実施例1と同様にハーフセル、二次電池を
製造し、定電流充放電試験を実施したところ、実質的に
実施例1と同じ結果が得られた。
【0034】実施例3 実施例1で得られた粉末状負極材料100重量部に、ポ
リテトラフルオロエチレン粉末5重量部[バインダー]
を配合・混合して円板状に圧縮成形した柔軟な成形体を
作製し、評価用試験片とした。ついで、実施例1と同様
にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を実施したと
ころ、初期回路電圧は3.18Vであり、電極電位が
0.1Vまでで237mAh/g 、0.5Vまでで367mA
h/g 、更に、3.0Vまで放電を行ったところ、496
mAh/g の放電容量が確認された。この放電曲線は低電位
の平坦性に優れていた。また、実施例1と同様に二次電
池を作製し、定電流充放電試験を実施したところ、初期
回路電圧は0.03Vであり、初期放電容量は29.7
mAh であった。
【0035】比較例1 実施例1においてピッチのニトロ化を行わない以外は、
すべて実施例1と同様にして粉末状の負極材料を得た。
ここに得られた負極材料の元素分析値は、炭素97.8
0wt%、水素0.05wt%、窒素0.08wt%であっ
た。また、この負極材料のXPS分析の結果、窒素接合
に関わる結合エネルギーのピークは検出されなかった。
【0036】実施例1と同様に、焼結成形体を作製し評
価用試験片とした。ついで、実施例1と同様にハーフセ
ルを作製し、定電流充放電試験を実施したところ、電極
電位が0.1Vまでで105mAh/g 、0.5Vまでで2
45mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったところ3
63mAh/g の放電容量であり、全体の放電容量は大幅に
低下した。また、実施例1と同様に二次電池を作製し、
定電流充放電試験を実施したところ、初期回路電圧は
0.03Vであり、初期放電容量は21.2mAhであっ
た。
【0037】比較例2 ポリアクリロニトリル系炭素繊維[繊維径7μm、長さ
160μm]をボールミル粉砕機にて、平均粒子径4.
3μmに粉砕し、ついで窒素ガス気流下1200℃、2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た。ここに得られた
負極材料の元素分析値は、炭素94.35wt%、水素
0.07wt%、窒素4.32wt%であった。また、この
負極材料のXPS分析の結果、結合エネルギー398.
9eVと401.1eVに2つのN−1sに基づくピークが
確認された。この2つのピークの強度比(401.1eV
のピーク強度/398.9eVのピーク強度)は3.0で
あった。また、この2つのピークの全窒素原子の結合に
占める割合は100%であった。
【0038】この負極材料を用いて、実施例1と同様に
焼結成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、実施
例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は3.20Vであり、電
極電位が0.1Vまでで190mAh/g 、0.5Vまでで
310mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったとこ
ろ、402mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実
施例1と同様に二次電池を作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は0.01Vであり、初
期放電容量は24.7mAh であった。
【0039】比較例3 比較例2で得られた炭素粉末を用いて、実施例3と同様
に柔軟な成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、
実施例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試
験を実施したところ、初期回路電圧は3.20Vであ
り、0.1Vまでで162mAh/g 、0.5Vまでで26
4mAh/g 、さらに3.0Vまで放電を行ったところ34
2mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実施例2と
同様に二次電池を作製したところ、初期回路電圧は0.
01V、初期放電容量は21.0mAh であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の二次電池は、従来のものに比べ
負極が劣化しにくいため安全性に優れ、また充放電特性
が優れているとともに電池容量が大きい。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 改良された非水溶媒リチウム二次電池
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大容量で充放電サイク
ル特性に優れた、改良された非水溶媒リチウム二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極材料として金属リチウムを用いたリ
チウム一次電池は、高エネルギー密度、軽量小型および
長期保存性などの利点を有しているため、既に、実用化
されて汎用されている。
【0003】しかし、このリチウム一次電池の負極材料
として有効な金属リチウムを、二次電池の負極材料とし
て用いると、一次電池では認められない種々の新しい問
題点が生じるため、実質的にリチウム二次電池の負極と
して使用することが出来ない。何故ならば、金属リチウ
ムを負極としたリチウム二次電池は、充放電サイクル寿
命が短く、しかも、充放電における充放電効率が低いと
いった重大な欠陥・欠点を有しているからである。この
欠陥・欠点は、充放電により負極にデンドライト状[樹
枝状]の金属リチウムが析出するという電気化学的な化
学反応によって生じる負極の劣化に起因するものであ
る。従って、金属リチウムを負極とするリチウム二次電
池において、負極の劣化を回避することはできない。
【0004】上述したように、二次電池の負極として金
属リチウムを使用すると、負極の劣化という欠陥が生じ
るが、この欠陥を解決する方法として、リチウム−アル
ミニウム合金を負極材料として用いる方法が提案され、
種々の小型電子機器のメモリーバックアップ用などに広
く用いられている。しかし、リチウム金属に由来する危
険性を内蔵しており、高い容量の要求される携帯機器の
電源など、ニッケルカドミニウム電池が使用されている
分野への適用には問題があった。そこで、リチウム金属
ではなく、リチウムイオンを吸蔵する炭素材料を負極と
する種々の二次電池が提案された。例えば、グラファイ
トを負極材料とする方法が、米国特許4, 304, 82
5、特開昭57−208079、米国特許4, 423,
125あるいは特開昭58−102464に記載されて
いる。しかしながら、グラファイトは結晶子が発達して
いるため、リチウムイオンのインターカレーション・デ
インターカレーションに際して結晶の破壊を生じ、この
ため可逆性に乏しく、さらには、高い反応性のため電解
液の分解を生じせしめ、自己放電が大きいなどの欠点が
あり、実用性に欠ける物であった。
【0005】一方、高表面積炭素材料である活性炭を負
極材料として用いることが、米国特許4, 497, 88
3等に記載されている。これは、活性炭の高表面積に基
く電気二重層形成を利用するものであるが、充放電効率
が低く、また、これを負極とした二次電池の電池電圧が
低いという欠点を有している。
【0006】この様な欠点を解決するため、結晶子の発
達したグラファイトと、高表面積炭素材料である活性炭
とは異なった炭素材料を負極材料として利用するという
提案もされている。具体的には、焼成温度によって規定
することが提案されており、1500℃以下の焼成温度
で得られた有機物焼成体を負極材料として用いる方法が
特開昭58−93176および特開昭60−23537
2に記載されている。また、特開昭60−54181に
は2000℃前後の焼成によって得られた炭素繊維を負
極として用いることが記載されており、さらに特開昭6
0−221973には1000℃〜2500℃のグラフ
ァイト構造含有炭素材を負極材料として用いることが記
載されている。一方、物性値によって炭素材料を規定す
ることも提案されており、例えば、特開昭62−122
066にはX線回折における格子面間隔(d002)が3.37Å
以上で、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc002) が 150Å以
下の擬黒鉛構造を有する炭素材料が記載されており、ま
た特開昭62−90863には、比表面積A(m2/g)が
0.1<A<100 の範囲で、Lc002 と真密度ρ(g/cm3)の値
が 1.70 <ρ<2.18 かつ 10 <Lc002 <120 ρ-189
を満たす炭素材料を負極材料として使用する方法が記載
さ れている。しかしながら、これらに記載の炭素材料
は、上述したようなグラファイトや活性炭に比べれば性
能面でかなり改善されてはいるが、電池容量特に電池電
圧の高いところでの容量が不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池
は、その特徴である大容量を実現するには十分なもので
はなかった。本発明は、従来のかかる問題を解消し、大
容量を実現でき、かつ充放電サイクル特性が良好で、し
かも、安定かつ安全性に優れた高性能なリチウム二次電
池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記の目的を達成するために、従来の特許等に記載され
ている種々の炭素材料を検討した。その結果、炭素材料
の焼成温度、結晶化度あるいは表面積等を変えたとして
も負極性能は頭打ちであり、大幅な改良は望めないこと
が判明した。
【0009】しかしながら、含窒素有機化合物の焼成物
の中にリチウム−グラファイトインターカレーション
(LiC6 ) 化合物の理論容量である372 (mAh/
g) を越える容量を持つものが見いだされ、特にポリア
クリロニトリルの焼成物の中には400 (mAh/ g)
の容量を持つものが見いだされた。また、これらの炭素
材料にリチウムイオンを吸蔵させた試料についてX線回
折スペクトルを測定したところ、グラファイトとは異な
りLiC6 化合物に対応するピークは認められなかっ
た。そこで、種々の基礎的実験・検討を行った結果、特
定量の窒素原子を含有し、さらにその窒素原子が酸素原
子が特定の結合状態にある炭素材料が負極活物質として
すぐれていることをつきとめた。すなわち、この条件を
満足する炭素材料ではリチウムイオンの吸蔵においてグ
ラファイトとは異なった機構が主に作用しており、その
ことが容量増に結び付いていることが示唆された。
【0010】そこで、有機化合物を種々の含窒素化合物
により改質することで上記の条件を満足する炭素材料を
得る方法を探索した結果、驚くべきことにピッチなどの
縮合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との
反応により得られた原料有機化合物を焼成することによ
り調製された炭素材料が従来の炭素材料を大幅に上回る
性能を持ち、これを負極材料として用いることにより高
性能なリチウム二次電池が実現でき、目的を達成するこ
とが出来た。
【0011】本発明のリチウム二次電池において用いら
れる負極材料は縮合多環式化合物から選ばれた少なくと
も一種の化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との反
応により得られた原料有機化合物を焼成することにより
調製された炭素材料である。
【0012】縮合多環式化合物としては、ナフタレン、
アントラセン、ピレン、コロネン等の縮合多環式炭化水
素化合物及びその誘導体、ベンゾフラン、キノリン、チ
アナフタレン、シラナフタレン等の縮合複素環式化合物
及びその誘導体、これらの化合物が相互に架橋した化合
物、さらに上記の化合物の混合物である石炭、コーク
ス、石油ピッチ、コールタールピッチ、合成ピッチ、タ
ールや類似の重質油が挙げられる。特に、軟化点にして
170℃以下のピッチまたはタールが好適に使用され
る。縮合多環式化合物の種類により、適宜、前処理を実
施してもよい。例えば、ナフタレンを用いる場合、HF
およびBF3 等の触媒により軟化点170℃以下のピッ
チまたはタールを合成した後、ニトロ化合物またはニト
ロ化剤と反応させるのが好ましい。
【0013】ニトロ化合物としては芳香族ニトロ化合物
が好ましく、特にジニトロナフタレンが好適に使用され
る。ニトロ化合物の縮合多環式化合物に対する重量比は
適宜、最適値が選択されるが、例えばジニトロナフタレ
ンとピッチの場合では0. 1〜3程度、ジニトロナフタ
レンとタールの場合で0. 05〜2程度が好ましい。反
応温度についても適宜、最適値が選択されるが通常20
0℃〜600℃である。
【0014】ニトロ化剤によるニトロ化反応は通常の有
機化合物をニトロ化する方法が適用できる。例えば、硝
酸と硫酸あるいは硝酸と無水酢酸を用いてニトロ化を行
うことが出来る。ニトロ化剤として濃硝酸と濃硫酸の等
量混合物を用いた場合、ニトロ化剤の縮合多環式化合物
に対する重量比は5〜100程度であり、反応温度は通
常50℃〜80℃である。また、二酸化窒素ガスとオゾ
ンガスを含む酸素または空気を用いてもニトロ化を行う
こことが出来る。得られたニトロ化生成物は水洗して酸
を除去、乾燥する。
【0015】この様にして得られた原料有機化合物に含
量されている窒素原子の炭素原子に対する比(N/ C)
及び窒素原子の酸素原子に対する比(N/ O)は出発原
料、反応温度等により異なるが、通常、N/ Cは0. 0
1〜0. 3、N/ Oは0. 1〜3. 0である。
【0016】本願発明の負極用炭素材料は、該原料有機
化合物を負活性ガスの雰囲気下で焼成することにより得
られる。従来の炭素化においては、不融化処理が必要で
あったが、該原料有機化合物は不融化処理することなく
焼成することが出来る。焼成温度は800〜1800
℃、好ましくは1000℃〜1300℃、焼成時間は
0. 1〜50時間、好ましくは1〜5時間で原料有機化
合物の組成に応じて適宜、最適な条件が選択される。ま
た、800℃以下で予備焼成をおこなってもよい。不活
性ガスとしては窒素ガスが好ましく、ガスを気流として
連続的に供給し、原料有機化合物の焼成によって発生す
るガスを同伴して排出される。
【0017】この様にして得られた炭素材料は、窒素原
子を相当量含有するものであり、窒素含量は通常0. 5
〜6重量%好ましくは0. 7〜4重量%である。さら
に、X線光電子分光分析において、その多くは399eV
(詳細には398. 8±0. 4eVの範囲)と401eV
(401. 2±0. 2eVの範囲)の近傍に現れる2つの
ピークで示され、これは窒素原子ー炭素原子の結合に由
来するものである。すなわち、本発明の負極材料に含ま
れる全窒素原子の結合の内、80%以上が結合エネルギ
ー399eVと401eVの近傍に現れる2つのピークで示
される結合である。
【0018】炭素材料の結晶化度のパラメーターは製造
条件によって異なるが、通常、格子面間隔d002 は3.
4Å以上、結晶子の大きさLc002 は70Å以下である。
真密度は1. 4〜2. 0g/cm3 の範囲にある。また、リ
チウムを吸蔵させた炭素材料の 7Li−核磁気共鳴 (N
MR) スペクトルを測定したところ、リチウムの吸蔵量
によりピーク位置はシフトし、また炭素材料によってピ
ーク位置は異なるが、通常、ポリアクリロニトリルの場
合よりも高磁場側へシフトしており、ある材料では約2
0ppm 〜約35ppm にピークが観測された。
【0019】本願発明の炭素材料は負極材料として種々
の優れた特徴を持っているが、特に容量は従来の炭素材
料に比べてきわめて大きく、対Li電位で0〜3 (V)
の間で500 (mAh/ g) 以上の容量が可能であり、
また0〜0. 5 (V) の間でも400 (mAh/ g) 以
上の容量が可能である。
【0020】本願発明の炭素材料にリチウムイオンを吸
蔵させた場合も、ポリアクリロニトリル等の焼成物の場
合と同様リチウム−グラファイトインターカレーション
化合物に対応するX線回折ピークが認めらず、米国特許
4, 423, 125に記載されているようなLiC6
合物は形成されていないことが確認された。またLiC
6 化合物の理論容量である372 (mAh/ g) を越え
る500〜600 (mAh/ g) の容量を持つことから
も、その機構は不明であるが、本願発明の炭素材料にお
いてもリチウムイオンの吸蔵においてグラファイトとは
異なった機構が主に作用していることを示唆している。
7Li- NMRナイトシフト値からもグラファイトに比
べリチウムをイオンとして吸蔵しやすいことが推察され
る。
【0021】また、本願発明の炭素材料と同様な含窒素
炭素材料を負極材料として使用することは、特開昭58
−93176、特開昭60−54181、特開昭60−
221973、特開昭60−235372、特開昭62
−90863、特開昭62−122066にポリアクリ
ロニトリル等の含窒素有機高分子化合物を炭化すること
によって得られた炭素材料を負極として用いることが記
載されている。また、ピッチを炭化することによって得
られた炭素材料を負極材料として使用することは特開昭
60−235372、特開昭62−90863、特開昭
62−122066に記載されており、特に特開昭62
−90863にはテトラベンゾフェナジンの熱分解によ
り得られるピッチを負極材料とすることが記載されてい
る。しかしながら、これらの方法で得られた負極材料に
はポリアクリロニトリルの炭化物により得られる約40
0 (mAh/ g) の容量を大きく越えるものはなく、縮
合多環式化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との反
応により得られた化合物を焼成するという本願発明の方
法によって、はじめて500〜600 (mAh/ g) の
容量を持つ炭素材料を得ることが可能となった。上記の
炭素材料を負極材料とする本発明の非水溶媒二次電池を
組み立てる場合の基本構成要素としては、本発明の炭素
材料を負極材料として使用した負極、更には正極、セパ
レーター、非水溶媒および容器が挙げられる。
【0022】本発明の炭素材料を負極として使用する方
法は、特に限定されないが、例えば、粉末状の負極材料
にバインダー及び必要な場合は溶剤も加えて混練し、シ
ート化した後、集電体と密着あるいは直接集電体に塗布
することにより作製された電極体が使用される。また、
バインダーとして各種ピッチを使用し、粉末状の負極材
料との混練物を焼成して得られる板上の電極体も好適に
使用される。正極材料としては特に限定されないが、例
えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4 などのリチウ
ム含有酸化物、TiO2、V2O5、MoO3、MnO2などの酸化物や
TiS2、FeS 、MoS3などの硫化物、並びにNbSe3 などのセ
レン化合物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニ
レン、ポリピロール及びポリアニリン等の共役高分子化
合物、活性炭等が使用される。これらの正極材料を正極
として使用する方法は、特に限定されないが、例えば、
粉末状の正極材料にバインダー、導電材及び必要な場合
は溶剤も加えて混練し、シート化した後集電体と密着あ
るいは直接集電体に塗布することにより作製された電極
体が使用される。セパレーターは特に限定されないが、
合成樹脂繊維やガラス繊維または天然繊維の織布あるい
は不織布、及び合成樹脂微多孔膜等が挙げられる。
【0023】本発明の非水溶媒二次電池には有機電解液
または固体電解質が使用される。有機電解液としては、
リチウム塩を高誘電率の有機溶媒に溶解させた溶液が使
用される。リチウム塩の種類には、特に制限はなく、例
えば、LiClO4、LiPF6 、LiSbF6などが使用できる。ま
た、二種類以上を適宜に配合して使用することもでき
る。ここに使用される有機溶媒は、リチウム塩を溶解
し、かつ非プロトン性で高誘電率であればよく、ニトリ
ル、カーボネート、エーテル、ニトロ化合物、含硫黄化
合物、塩素化炭化水素、ケトン及びエステル等を挙げる
ことが出来る。更に具体的にいえば、例えば、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1、
2ージメトキシエタン、ニトロメタン、N, N-ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホオキシド、スルホランおよ
びγーブチロラクトン等の単独、あるいは二種類以上を
混合して混合溶媒としたものが好適に使用される。容器
には通常のステンレス鋼板、ニッケルメッキ鋼板の他、
合成樹脂と電気絶縁性無機質皮膜からなる多層材料も使
用できる。
【0024】以下、本発明について実施例、及び、比較
例を示してその効果を具体的にかつ詳細に説明するが、
以下に示す例は、具体的に説明するためのものであって
本発明の実施態様や発明の範囲を限定するものとしては
意図されていない。また、本実施例での負極材料の各種
分析方法及び分析条件を以下に記載する。 [粒度分布測定]装置は堀場制作所製、レーザー回折
式、粒度分布測定装置、LA-500型を使用した。測定は10
0ml の純水に3滴の界面活性剤を加え、この中に所定濃
度になるように試料を加え、超音波分散を10分間行っ
たのち、測定し、得られたメジアン径を平均粒子径とし
た。
【0025】[元素分析]炭素、窒素、水素の同時分析
には、分析装置としてパーキンエルマー (PERKIN-ELME
R) 社製、2400CHN 型元素分析計を使用した。測定は、
試料の負極材料を錫製の容器に1.5 ±0.2mg を精秤し、
装置にセット後、975 ℃の温度で5分間燃焼し、Heガ
スキャリヤーによりTCDで検出し測定した。なお、試
料の測定に当たって、予め、標準物質のアセトアニリド
(2.0±0.1mg)により補正した。
【0026】酸素、窒素の同時分析には、分析装置とし
てはレコ(LECO)社製、TC−436型酸素窒素同
時分析装置を使用した。測定は、試料の負極材料をニッ
ケル製の容器に10. 0±0. 5mgを精秤し、装置にセ
ットした後、4800Wに加熱された黒鉛るつぼ中で燃
焼し、Heガスキャリヤーによる赤外線で検出した。な
お、試料の測定に当たって、予め、標準物質の窒化ケイ
素粉末 ( (社) 日本セラミックス協会製 酸素1. 67
%含有) により更正した。
【0027】[XPS分析]装置はヴィ・ジー・サイエ
ンティフィック(V.G.Scientific)社製 ESCALABMK−2
型を使用した。測定は、線源としてMg−Kα線を使用
し、15KV-20mA で,Al スリット(2×5mm)を使用して行な
った。試料の前処理は、両面接着テープ上に試料を保持
し、そのまま、あるいは場合によっては試料の表面層を
アルゴンエッチングした後測定した。測定は全ピークの
広域測定をした後、各ピークの狭域精密測定を行い、ピ
ーク毎に分割を行なった。なお、チャージアップ補正
は、観測されるC-1sの結合エネルギーを284.4eV とし
て、他のピークを補正した。
【0028】[真密度測定]真密度は25℃でブロモホ
ルム、四塩化炭素混合溶液を用いる浮沈法により測定し
た。 [核磁気共鳴スペクトル測定]装置は日本電子製α40
0を用いて、測定周波数155. 25MHzで測定し
た。基準試料として重水中にLiClを1(mol/l) の濃
度になるように溶解したものを使用した。試料調製は炭
素材料に、対極を金属リチウムとし、プロピレンカーボ
ネートと1,2-ジメトキシエタンの等モル混合溶媒にLi
ClO4 を溶解した物を電解液として、電流密度1. 0
(mA/cm2)で電気化学的にリチウムを吸蔵することで行な
った。溶媒で洗浄、乾燥後粉砕しφ5mmNMRサンプル
管に封入した後測定した。
【0029】
【実施例】 実施例1 内容積500mlの耐酸オートクレーブに、ナフタレン1
モル、弗化水素(HF) 0. 5モル、三弗化硼素 (BF
3 ) 0. 5モルを仕込み、25kg/cm2の加圧下に200
℃にまで昇温した後、更に2時間、200℃に保持して
反応させた。次いで、常法に従って、オートクレーブ内
に窒素を吹き込んでHF及びBF3 を回収し、引き続い
て低沸点成分を除去して軟化点115℃のピッチを得
た。次いで、ここで得られたピッチ100重量部に97
%濃硫酸1000重量部,62%硝酸1000重量部を
加え70℃に昇温した後、更に2時間70℃に保持して
反応させた。反応生成物を濾過、水洗、乾燥してニトロ
化ピッチを得た。ニトロ化ピッチに含量されている窒素
原子の炭素原子に対する比 (N/ C) は0. 14であ
り、窒素原子の酸素原子に対する比 (N/ O) は0. 3
4であった。このニトロ化ピッチを電気炉[シリコニッ
ト高熱工学社製、THS1060]に設置されたアルミ
ナ製炉心管[ニッカトー社製]に入れ、窒素ガス気流
下、昇温速度5℃/minで1000℃まで加熱し、2時間
保持した。次いで、室温まで冷却し、得られた黒色の焼
成体をボールミル[日本化学陶業製 ポットミル]を用
いて粉砕した。更に、窒素ガス気流中、1000℃で2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た。
【0030】ここに得られた負極材料の元素分析値は、
炭素93. 84wt%、水素0. 07wt%、窒素2. 22
wt%であった。また、この負極材料のXPS分析の結
果、結合エネルギー398. 6eVと401. 3eVに2つ
のN−1sに基づくピークが確認された。この2つのピ
ークの強度比 (401. 3eVのピーク強度/ 398. 6
eVのピーク強度) は2. 8であった。また、この2つの
ピークの全窒素原子の結合に占める割合は100%であ
った。
【0031】[負極材料の評価]上記で得られた粉末状
の負極材料85重量部と、軟化点115℃のピッチ粉末
15重量部とを、小平製作所ミキサー[商品名 ケンキ
ックスアイコー]に仕込み、均一に混合したのち、常法
に従って、ロール法により厚さ0. 3mmのシートを作製
した。ここに得られたシートから、直径15mmの試験片
を打ち抜いた。ついで、この試験片を窒素ガス気流中1
000℃で2時間焼成して得られた焼結成形体を評価用
試験片とした。
【0032】この評価用試験片を用いて、常法にしたが
って、過塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,
2-ジメトキシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液
[濃度1. 0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポ
リプロピレン製微孔膜をセパレータとするハーフセルを
作製した。なお、対極として直径16mm、厚さ0. 5mm
のリチウム金属を使用した。また、参照極として対極と
同様にリチウム金属の小片を使用した。
【0033】ここに得られたハーフセルの初期回路電位
は3. 18V(volt) であった。次いで、電流密度1. 0
mA/cm2で参照極に対する評価用試験片の電極電位が変化
しなくなるまで充電した。つづいて、電流密度1. 0mA
/cm2にて放電を行ったところ、参照極に対する評価用試
験片の電極電位が、0. 1V までで279mAh/g 、0.
5V までで432mAh/g 、さらに3. 0V まで放電を行
ったところ、583mAh/g の放電容量が確認された。こ
の放電曲線は電極電位0. 5V までの電位の平坦性に優
れていた。
【0034】[二次電池としての評価例]上記の評価用
試験片と同様にして作製した厚さ0. 3mm、直径15m
m、重量90mgの試験片を負極とし、常法に従って、過
塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートと1,2-ジメト
キシエタンとの等容量混合物に溶解した溶液[濃度1.
0mol/l ]を電解液とし、厚さ50μmのポリプロピレ
ン性微孔膜をセパレータとする二次電池を作製した。な
お、正極として、LiCoO285重量部にアセチレンブラッ
ク10重量部[導電剤]とポリテトラフルオロエチレン
粉末5重量部[バインダー]とを配合・混合して円盤状
に圧縮成形した成形体[重量250mg、直径14mm]を
用いた。
【0035】ここに得られた二次電池の初回回路電圧
は、0. 03V であった。次いで、電流密度1. 0mA/c
m2にて充電電圧が4. 10V になるまで定電流充電を行
ったのち、電流密度1. 0mA/cm2で定電流放電試験を行
ったところ、初期放電容量34. 9mAh なる結果を得
た。次いで、定電流充放電サイクル試験を、電流密度
1.0mA/cm2、下限電圧2. 00V 、上限電圧4. 10V
の条件下に実施したところ、40サイクル目の放電容
量34. 2mAh 、250サイクル目の放電容量34.0m
Ah 、500サイクル目の放電容量33. 7mAh なる結
果を得た。なお、500サイクル目までの二次電池の放
電平均電圧は3. 6V 以上であった。また、同様にして
作製した二次電池の5サイクル目における60℃、20
日間保存での自己放電率は8%であった。
【0036】実施例2 実施例1で得られた軟化点115℃のピッチ100重量
部に100重量部のジニトロナフタレンを180℃に加
熱しながら混合し、更に、270℃まで昇温した。この
化合物に含有されている窒素原子の炭素原子に対する比
(N/ C) は0. 05であり、窒素原子の酸素原子に対
する比 (N/ O) は1.42であった。この混合物をボ
ールミルを用いて粉砕した。更に、得られた黒色の粉末
を、窒素ガス気流中、1000℃で2時間焼成し、粉末
状の負極材料を得た。この負極材料の元素分析値は、炭
素95. 79wt%、水素0. 01wt%、窒素1. 67wt
%であった。また、この負極材料のXPS分析の結果、
結合エネルギー398. 6eVと401. 4eVに2つのN
−1sに基づくピークが確認された。この2つのピーク
の強度比 (401. 4eVのピーク強度/ 398. 6eVの
ピーク強度) は2.5であり、この2つのピークの全窒
素原子の結合に占める割合は100%であった。更に、
リチウムを吸蔵させた試料について 7Li−NMRを測
定したところ、372mAh/g の吸蔵量では19. 3ppm
に1本のピークが観測され、500mAh/g の吸蔵量では
24ppm に主ピークが、35ppm にショルダーが観測さ
れた。また、実施例1と同様にハーフセル、二次電池を
製造し、定電流充放電試験を実施したところ、実質的に
実施例1と同じ結果が得られた。
【0037】実施例3 実施例1で得られた粉末状負極材料100重量部に、ポ
リテトラフルオロエチレン粉末5重量部[バインダー]
を配合・混合して円板状に圧縮成形した柔軟な成形体を
作製し、評価用試験片とした。ついで、実施例1と同様
にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を実施したと
ころ、初期回路電圧は3. 18V であり、電極電位が
0. 1V までで237mAh/g 、0. 5V までで367mA
h/g 、更に、3. 0V まで放電を行ったところ、496
mAh/g の放電容量が確認された。この放電曲線は低電位
の平坦性に優れていた。また、実施例1と同様に二次電
池を作製し、定電流充放電試験を実施したところ、初期
回路電圧は0. 03V であり、初期放電容量は29. 7
mAh であった。
【0038】実施例4 タール(川崎製鉄株式会社製)70重量部に30重量部
のジニトロナフタレンを150℃に加熱しながら混合
し、更に、500℃まで昇温した。この化合物に含有さ
れている窒素原子の炭素原子に対する比 (N/ C) は
0. 05であり、窒素原子の酸素原子に対する比 (N/
O) は1. 57であった。この混合物をボールミルを用
いて粉砕した。更に、得られた黒色の粉末を、窒素ガス
気流中、1150℃で2時間焼成し、粉末状の負極材料
を得た。この負極材料の元素分析値は、炭素95. 73
wt%、水素0. 13wt%、窒素0. 91wt%であった。
また、この負極材料のXPS分析の結果、結合エネルギ
ー398. 6eVと401. 4eVに2つのN−1sに基づ
くピークが確認された。この2つのピークの強度比 (4
01. 4eVのピーク強度/ 398. 6eVのピーク強度)
は2. 5であり、この2つのピークの全窒素原子の結合
に占める割合は100%であった。また、実施例1と同
様にハーフセル、二次電池を製造し、定電流充放電試験
を実施したところ、実質的に実施例1と同じ結果が得ら
れた。
【0039】比較例1 実施例1においてピッチのニトロ化を行わない以外は、
すべて実施例1と同様にして粉末状の負極材料を得た。
ここに得られた負極材料の元素分析値は、炭素97. 8
0wt%、水素0. 05wt%、窒素0. 08wt%であっ
た。また、この負極材料のXPS分析の結果、窒素接合
に関わる結合エネルギーのピークは検出されなかった。
【0040】実施例1と同様に、焼結成形体を作製し評
価用試験片とした。ついで、実施例1と同様にハーフセ
ルを作製し、定電流充放電試験を実施したところ、電極
電位が0. 1V までで105mAh/g 、0. 5V までで2
45mAh/g 、さらに3. 0Vまで放電を行ったところ3
63mAh/g の放電容量であり、全体の放電容量は大幅に
低下した。また、実施例1と同様に二次電池を作製し、
定電流充放電試験を実施したところ、初期回路電圧は
0. 03V であり、初期放電容量は21. 2mAhであっ
た。
【0041】比較例2 ポリアクリロニトリル系炭素繊維[繊維径7μm、長さ
160μm]をボールミル粉砕機にて、平均粒子径4.
3μmに粉砕し、ついで窒素ガス気流下1200℃、2
時間焼成し、粉末状の負極材料を得た。ここに得られた
負極材料の元素分析値は、炭素94. 35wt%、水素
0. 07wt%、窒素4. 32wt%であった。また、この
負極材料のXPS分析の結果、結合エネルギー398.
9eVと401. 1eVに2つのN−1sに基づくピークが
確認された。この2つのピークの強度比 (401. 1eV
のピーク強度/ 398. 9eVのピーク強度) は3. 0で
あった。また、この2つのピークの全窒素原子の結合に
占める割合は100%であった。
【0042】この負極材料を用いて、実施例1と同様に
焼結成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、実施
例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は3. 20V であり、電
極電位が0. 1V までで190mAh/g 、0. 5V までで
310mAh/g 、さらに3. 0V まで放電を行ったとこ
ろ、402mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実
施例1と同様に二次電池を作製し、定電流充放電試験を
実施したところ、初期回路電圧は0. 01V であり、初
期放電容量は24. 7mAh であった。
【0043】比較例3 比較例2で得られた炭素粉末を用いて、実施例3と同様
に柔軟な成形体を作製し評価用試験片とした。ついで、
実施例1と同様にハーフセルを作製し、定電流充放電試
験を実施したところ、初期回路電圧は3. 20V であ
り、0. 1V までで162mAh/g 、0. 5V までで26
4mAh/g 、さらに3. 0V まで放電を行ったところ34
2mAh/g の放電容量でしかなかった。また、実施例2と
同様に二次電池を作製したところ、初期回路電圧は0.
01V 、初期放電容量は21. 0mAh であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の二次電池は、従来のものに比べ
負極が劣化しにくいため安全性に優れ、また充放電特性
が優れているとともに電池容量が大きい。
フロントページの続き (72)発明者 大石 實雄 茨城県つくば市和台22番 三菱瓦斯化学株 式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環式化合物から選ばれた少なくと
    も一種の化合物とニトロ化合物またはニトロ化剤との反
    応により得られた原料有機化合物を焼成することにより
    調製された負極材料を用いることを特徴とする非水溶媒
    リチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 縮合多環式化合物が軟化点100〜17
    0℃のピッチであることを特徴とする請求項1記載の非
    水溶媒リチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 ニトロ化合物が芳香族化合物のニトロ化
    物であることを特徴とする請求項1記載の非水溶媒リチ
    ウム二次電池。
  4. 【請求項4】 芳香族化合物のニトロ化物がジニトロナ
    フタレンであることを特徴とする請求項3記載の非水溶
    媒リチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 原料有機化合物を、不活性ガス雰囲気下
    で800〜1800℃で焼成することにより調製された
    負極材料を用いることを特徴とする請求項1記載の非水
    溶媒リチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 負極材料が少なくとも炭素原子と窒素原
    子を含み、かつ窒素原子の含量が0.5〜6重量%であ
    り、更に該窒素原子の80%以上がC=NおよびC−N
    の結合に由来し、X線光電子分光における結合エネルギ
    ー401.2 ±0.2eV に由来するピークの399.0 ±0.4eV に
    由来するピークに対する強度比が1.0以上である請求項
    1記載の非水溶媒リチウム二次電池。
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