JPH06186757A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JPH06186757A
JPH06186757A JP34000892A JP34000892A JPH06186757A JP H06186757 A JPH06186757 A JP H06186757A JP 34000892 A JP34000892 A JP 34000892A JP 34000892 A JP34000892 A JP 34000892A JP H06186757 A JPH06186757 A JP H06186757A
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JP34000892A
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English (en)
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Hitoshi Hisada
均 久田
Yoshinobu Murakami
嘉信 村上
Ryuichi Niigae
龍一 新ヶ江
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電荷発生層と電荷輸送層とを積層
した積層型の電子写真感光体において、画像欠陥がなく
湿度による特性変動の少ないものとし、またその電荷発
生層を形成するための樹脂組成物として、分散液中の電
荷発生物質の沈降が少なく安定な分散液を形成し、さら
にその分散液を用いて、膜厚の制御が容易でかつ均一な
電荷発生層を形成することができる製造法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 アルミニウムまたはアルミニウム合金からな
る導電性基板をアルマイト処理した支持体上に電荷発生
層と電荷輸送層とを積層して形成される電子写真感光体
であって、電荷発生層を形成するための樹脂組成物とし
て、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含
有する溶剤溶液中に電荷発生物質を分散してなる分散液
を用い、この分散液中にアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金からなる導電性基板をアルマイト処理した支持体
を浸積して塗工することによって、前記電子写真感光体
を得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機光導電性物質を含有
する電子写真感光体に関し、特にはアルミニウムまたは
アルミニウム合金からなる導電性基板をアルマイト処理
した支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を形成してなる
改良された電子写真感光体と電子写真感光体の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体として成膜の容易
性、安価で無公害であるなどの長所のため有機光導電性
物質を含有する有機感光体が開発され実用化されてい
る。特に半導体レーザーを光源に用いたレーザービーム
プリンタなどの光プリンタ、ファクシミリに適した長波
長領域に高い感度を有する有機感光体の発展がめざまし
い。その実用化されている有機感光体のほとんどが、電
荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有
する電荷輸送層とを積層してなる積層型有機感光体であ
り、機能分離の構成によって大幅な特性の向上が図られ
てきた。
【0003】この積層型電子写真感光体の電荷発生層
は、感光体の暗減衰を少なくして帯電能を高め、かつ感
度を向上させるために、通常、1μm以下の薄層に形成
される。電荷発生層の膜厚を厚くすると熱励起キャリア
によって暗減衰が増加して帯電電位が低下し、また光吸
収によって生成した光励起キャリアのトラップ、再結合
により繰り返し変動が大きくなるなどの特性劣化の要因
となるためである。
【0004】このような薄層の電荷発生層を導電性支持
体上に形成すると、導電性支持体の表面状態や表面粗さ
によって電荷発生層の均一性に影響を及ぼし、電荷発生
層の膜厚ムラや部分的な電荷発生物質の凝集などの膜欠
陥を起こし易くその全表面にわたって均一な薄膜層を形
成することが困難となっている。
【0005】また、一般に使用されている導電性支持体
はコスト、加工容易性、軽量などの理由でアルミニウム
またはアルミニウム合金からなるものがほとんどであ
り、これらの支持体は円筒状に加工される場合の加工性
のためにマンガンなどの異種金属を含有しており、この
異種金属とアルミニウムとの晶出物が導電性支持体の表
面欠陥となりやすい。これらの表面欠陥が導電性支持体
上に存在すると、その上に形成された薄膜の電荷発生層
の膜欠陥となり、帯電電位や感度の局所的なムラをひき
おこすだけでなく、特にレーザープリンタのような反転
現像を用いる場合に黒点、黒筋などの画像欠陥を生じる
ことがある。
【0006】そこで、導電性支持体の上に下引層または
中間層と称される樹脂層を形成し、その上に電荷発生層
を形成することによって接着性を向上させると共にこれ
らの欠陥を防止することが提案されている。例えば、特
公昭58−45707号号公報には下引層としてアルコ
ール可溶性ポリアミド樹脂が記載されており、また特開
昭58−30757号号公報には下引層としてポリアミ
ド樹脂を用いると共に電荷発生層にポリビニルブチラー
ル樹脂を用いることが記載されている。
【0007】しかしながら、これらの下引層は樹脂層の
ため抵抗値が大きく、またその抵抗値が湿度によって影
響されるため、膜厚を厚くすれば画像欠陥はなくなる
が、使用環境、特に湿度によって特性変動が大きくな
り、また膜厚が薄ければ画像欠陥が十分解消されないと
いう不安定さを含んでいる。
【0008】一方、近年、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金からなる導電性基板をアルマイト処理すること
によって、導電性支持体の表面に酸化アルミニウム層を
形成して表面性を制御し、接着性を向上させると共に支
持体の表面欠陥を隠ぺいして画像欠陥を改善する方法が
提案されている。例えば、特開昭50−87629号公
報、特開昭59−158号公報、実開昭60−1457
26、特開昭61−198243号公報、特開昭61−
198244号公報、特開昭61−198245号公
報、特開昭61−198246号公報、特開昭61−2
62744号公報、特開昭63−116160号公報、
特開昭63−116161号公報、特開昭63−116
162号公報、特開昭63−116163号公報、特開
昭63−116164号公報、特開昭63−17936
5号公報、特開昭63−214759号公報、特開昭6
3−311260号公報、特開昭63−311261号
公報、特開昭63−311262号公報、特開昭63−
314555号公報、特開昭63−316060号公報
などにアルミニウムまたはアルミニウム合金のアルマイ
ト処理の方法、組成、膜厚について、さらに形成された
多孔質層を封孔処理する方法、組成、膜厚などについて
記載されている。
【0009】また一般に、積層型の電子写真感光体にお
いて電荷発生層を形成するには、電荷発生物質の結着剤
として適当なバインダー樹脂を溶剤に溶解し、その溶液
に電荷発生物質を分散して、この分散液を支持体上に塗
布し薄膜の電荷発生層を得る。この時均一な電荷発生層
を形成するためには、前述したような支持体の表面状態
以外に、前記分散液中において電荷発生物質が均一に分
散された状態にあること、塗布工程において分散液と支
持体表面とのぬれ性が最適であることが必要となる。特
に、塗布工程に一般に用いられている浸積塗工法を用い
た場合、前記分散液中に支持体を浸積した後引き上げる
ことによってその膜厚を制御するために、支持体表面と
分散液の親和性が重要である。
【0010】このように、導電性支持体上に薄層の電荷
発生層を均一に形成するために、導電性支持体の表面状
態、電荷発生層に用いる分散液組成、分散液を支持体上
に塗布する塗工方法などについてさらに研究が継続され
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明も、前述したア
ルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基板
をアルマイト処理した支持体上に電荷発生層、電荷輸送
層を積層して感光体を形成することを鋭意検討してき
た。
【0012】その結果、フタロシアニン系顔料などの有
機顔料を電荷発生物質とした場合、結着剤樹脂としてポ
リアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体などの比較的親水性の大きなバインダー樹脂
を用いると分散液における電荷発生物質の分散性が良好
であるが、アルマイト処理された支持体上に浸積塗工す
ると、その親和性が大きいために膜厚の薄膜制御が困難
で、電荷発生層が厚くなりすぎたり、電荷発生物質の部
分的な凝集が起こり易い。また、これらのバインダー樹
脂を電荷発生層の結着剤として用いて形成した積層型の
電子写真感光体は使用環境によって湿度の影響を受けや
すく、感度変動を起こすことがわかった。
【0013】そこで、アルマイト処理された支持体表面
との親和性が小さく、湿度の影響が少ない比較的疎水性
の大きな樹脂として、一般にポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニリデンなどがあるが、これらは各種有機溶剤
に溶解しにくく塗料化が難しい。一方、同様に疎水性が
大きいと思われるフッ素含有共重合体を電荷発生層に用
いることが、例えば特開昭62−83752号公報に記
載されているが、これらを用いたバインダー樹脂溶液は
電荷発生物質の分散性が悪いため分散液中で電荷発生物
質である顔料が沈降し易く、アルマイト処理された支持
体上に浸積塗工した場合、部分的に電荷発生物質がなく
なったり、筋状のムラができるなど均一な電荷発生層が
得られなかった。
【0014】したがって、本発明はアルミニウムまたは
アルミニウム合金からなる導電性基板をアルマイト処理
した支持体上に、浸積塗工によって均一な電荷発生層を
形成し、画像欠陥がなく、また使用環境、特に湿度によ
る特性変動の少ない積層型電子写真感光体と、その電荷
発生層に用いる電子写真感光体用樹脂組成物と、その電
子写真感光体の製造方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる導電性基板をアルマイ
ト処理した支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層
して形成され、前記電荷発生層が電荷発生物質と溶剤可
溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含有する電子
写真感光体によって、画像欠陥がなく湿度による特性変
動の少ないものとなる。また、電荷発生層を形成するた
めの樹脂組成物として、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタク
リル共重合体との特定のバインダー樹脂の組合せを含有
する溶剤溶液中に電荷発生物質を分散してなる分散液を
用い、この分散液中にアルミニウムまたはアルミニウム
合金からなる導電性基板をアルマイト処理した支持体を
浸積して塗工することによって、均一な電荷発生層を形
成し、前記電子写真感光体を得るものである。
【0016】
【作用】本発明の電子写真感光体は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなる導電性基板をアルマイト処
理した支持体を用いることによって画像欠陥がなくな
り、電荷発生層中に溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル
共重合体とを含有することによって、均一で湿度による
特性変動が少ないものとなる。
【0017】詳細については実施例中で述べるが、ここ
で用いられる溶剤可溶性フッ素樹脂は、フルオロオレフ
ィンとビニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエ
ステル類などのエチレン性不飽和単量体の共重合体であ
り、フルオロオレフィンによりフッ素樹脂の持つ疎水
性、低吸湿性の特徴を損なわずに、導入するビニルエー
テル類などの種類によって各種溶剤に対する溶解性が得
られる。また、メタクリル共重合体は、iso−ブチル
メタクリレートとメタクリル酸とヒドロキシエチルメタ
クリレートとの共重合体などで、側鎖あるいは末端にヒ
ドロキシ基、カルボキシル基などを有することにより電
荷発生物質との親和性が大きく、電荷発生物質である顔
料の分散安定性や接着性を向上させる。
【0018】本発明の電子写真感光体用樹脂組成物は、
前記溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含
有する溶剤溶液中に電荷発生物質を分散することにより
得られ、比較的疎水性の大きなフッ素樹脂と比較的親水
性の大きなメタクリル共重合体の組合せによって、アル
マイト処理された支持体表面との親和性が最適になり、
かつ分散液中の電荷発生物質の沈降も少なく安定な分散
液を形成することができるものである。
【0019】また、本発明の電子写真感光体の製造方法
は、前記電荷発生層用の樹脂組成物からなる分散液に、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基
板をアルマイト処理した支持体を浸積した後引き上げる
ことによって電荷発生層の膜厚を制御し、アルマイト処
理された支持体表面との親和性が最適であるために、前
述したような不均一化を防止して電荷発生層を形成する
ことができるものである。
【0020】
【実施例】以下に本発明の電子写真感光体、電子写真感
光体用樹脂組成物および電子写真感光体の製造方法につ
いて詳細に説明する。
【0021】本発明に用いる溶剤可溶性フッ素樹脂は、
フルオロオレフィンとビニルエーテル類、アリルエーテ
ル類、ビニルエステル類などのエチレン性不飽和単量体
の共重合体である。フルオロオレフィンとしては、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ト
リフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオ
ロプロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどが挙げら
れる。またエチレン性不飽和単量体としては、ビニルエ
ーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリ
ルエステル類、オレフィンなどが挙げられるが、中で
も、フルオロオレフィンとの共重合性、共重合体である
フッ素樹脂の溶剤可溶性などの点から、アルキルビニル
エーテル、特に炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状あ
るいは脂環状のアルキル基を有するアルキルビニルエー
テルが好ましい。またエチレン性不飽和単量体は、炭素
に直接結合した水素の少なくとも一部がフッ素に置換さ
れたものであってもよい。
【0022】ここでフッ素樹脂中のフルオロオレフィン
に基づく単位の割合が30〜70%のものが好ましい。
フルオロオレフィンに基づく単位の割合が小さすぎるも
のはフッ素樹脂としての疎水性、低吸湿性などの特徴が
得られず、大きすぎるものは溶剤への溶解性が損なわれ
る。
【0023】また、本発明に用いる溶剤可溶性フッ素樹
脂は、テトラヒドロフラン中、30℃で測定される固有
粘度が0.05〜0.1dl/g程度の分子量のものが
好ましい。分子量が大きすぎると溶液の粘度が高くな
り、電荷発生物質の分散性が低下したり、浸積塗工して
電荷発生層を形成するときに膜の形成が行ないにくくな
る。分子量が小さすぎると電荷発生層の機械的強度、成
膜性などの特性が低下するため好ましくない。
【0024】このような溶剤可溶性フッ素樹脂はフルオ
ロオレフィン、エチレン性不飽和単量体、及び必要によ
り水酸基含有単量体混合物に重合開始剤、特にラジカル
重合開始剤を作用させて重合することにより製造でき
る。
【0025】本発明に用いるメタクリル共重合体は、i
so−ブチルメタクリレートとメタクリル酸とヒドロキ
シエチルメタクリレートとを共重合することによって得
られるもので、それぞれの単量体比率によって側鎖また
は末端に未反応のヒドロキシル基、カルボキシル基を有
しており、これらが電荷発生物質である顔料の分散安定
性や接着性を向上させているものと考えられる。したが
って、電荷発生物質の分散安定性を考慮すると、それぞ
れの単量体比率が80〜85/1〜5/10〜20モル
%のものが好ましい。
【0026】このメタクリル共重合体の分子量は、15
000〜25000程度のものであれば良いが、分子量
の余りに小さいものは電荷発生層の膜強度が低下し、大
きすぎるものは浸積塗工して電荷発生層を形成する際に
膜形成が行ないにくい。
【0027】前記溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共
重合体の割合は、両者の合計に対し、それぞれ20〜8
0重量%、80〜20重量%であることが好ましい。溶
剤可溶性フッ素樹脂の割合が少なすぎると感光体の湿度
による特性変動が改善されず、メタクリル共重合体の割
合が少なすぎると電荷発生物質の分散安定性が低下す
る。また、溶剤可溶性フッ素樹脂の割合が少なすぎて
も、メタクリル共重合体の割合が少なすぎても、アルマ
イト処理された支持体表面との親和性の最適化が図れず
に、浸積塗工して電荷発生層を形成する際に不均一にな
ったり、膜欠陥を生じさせたりして好ましくない。
【0028】本発明の電子写真感光体用樹脂組成物は、
前記溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを有
機溶剤に溶解した後、電荷発生物質をこの溶液中に分散
して形成される。ここで用いられる有機溶剤としてはメ
チルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン
などのエーテル類、塩化メチレン、四塩化炭素などのハ
ロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノールなどのア
ルコール類など、種々の有機溶剤が使用可能であるが、
アルマイト処理された支持体上に浸積塗工して電荷発生
層を形成する際のぬれ性、蒸発速度、電荷発生物質の分
散安定性などからアルコール系溶剤、特にブタノール
系、プロパノール系溶剤が良好である。
【0029】また、電荷発生物質としてはフタロシアニ
ン系、アゾ系、スクエアリリウム系、ペリレン系、シア
ニン系などの有機顔料が用いられる。特にフタロシアニ
ン系顔料は近赤外領域の長波長にまで感度を有するもの
が多く、半導体レーザを用いるレーザービームプリンタ
に適しており、無金属フタロシアニンや種々の金属フタ
ロシアニン、具体的にはα型銅フタロシアニン、β型銅
フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、τ型無金属フ
タロシアニン、X型無金属フタロシアニン、α型チタニ
ルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニンなどが
挙げられる。電荷発生物質の有機顔料をバインダー樹脂
溶液中に分散する方法としては、ボールミル、ロールミ
ル、サンドミルなどを用いる方法、超音波分散を用いる
方法などが挙げられる。
【0030】本発明の電子写真感光体の製造方法は、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基板
をアルマイト処理した支持体上に電荷発生層を形成する
際に、前述した電荷発生物質と溶剤可溶性フッ素樹脂と
メタクリル共重合体とを有機溶剤中に分散した分散液中
に浸積塗工して形成する。ここで用いられるアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金からなる導電性基板をアルマ
イト処理した支持体は、一般に陽極酸化によって形成さ
れるもので、処理液としては硫酸、リン酸などが用いら
れる。また形成された多孔質層を封孔処理したものでも
よい。
【0031】これらのアルミニウムまたはアルミニウム
合金からなる導電性基板をアルマイト処理した支持体
を、必要に応じて洗浄した後、前記分散液中に浸積し
て、引き上げることによって電荷発生層を形成する。引
き上げ速度は分散液粘度、分散液温度、分散液の容器で
ある塗工タンクの大きさ、分散液上面から解放領域まで
の溶剤蒸気層の長さなどによって決まるが、引き上げ速
度を速くすると膜厚が厚くなり、引き上げ速度を遅くす
ると膜厚が薄くなる。電子写真感光体の帯電性、感度、
繰り返し安定性などの特性面から電荷発生層の乾燥後膜
厚として1μm以下、好ましくは0.5μm以下程度に
形成するのが良く、そのために作業性などの点から50
〜200mm/分程度の引き上げ速度になるように分散液
粘度を調整するのが好ましい。
【0032】本発明の電子写真感光体は、このようにし
て、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電
性基板をアルマイト処理した支持体上に、電荷発生物質
と溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含有
する電荷発生層と電荷輸送層とを積層して形成される。
【0033】本発明の電子写真感光体の支持体、電荷発
生層は前述した通りである。本発明の電子写真感光体の
電荷輸送層は電荷輸送剤とバインダー樹脂とからなる。
ここで用いられる電荷輸送剤としては、アルキル基、ア
ルコキシ基、アミノ基、イミド基などの電子供与性基を
有する化合物、アントラセン、ピレン、フェナントレン
などの多環芳香族化合物またはそれらを含む誘導体、オ
キサゾール、カルバゾール、ピラゾリン、インドール、
チアゾール、イミダゾールなどの複素環化合物またはそ
れらを含む誘導体、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合
物などが挙げられる。またバインダー樹脂としては、ポ
リカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など従来から知
られている熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂が用いられ
る。これらの電荷輸送剤とバインダー樹脂とを適当な溶
剤に溶解し、通常の塗布法によって塗布、乾燥して電荷
輸送層を形成せしめる。電荷輸送層の膜厚としては数μ
m〜数十μmであるが、好ましくは5〜25μmであ
る。
【0034】以下に、本発明の実施例を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に示すものだけに限定され
るものではない。
【0035】(実施例1)クロロトリフルオロエチレ
ン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテルをそれぞれ5
6、22、6、16重量%の割合で共重合した溶剤可溶
性フッ素樹脂3重量部と、iso−ブチルメタクリレー
ト、メタクリル酸、ヒドロキシメタクリレートをそれぞ
れ84、1、15モル%の割合で共重合し分子量約20
000のメタクリル共重合体1重量部とを2−ブタノー
ルに溶解してバインダー樹脂溶液を得た。ここにτ型無
金属フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製)を8
重量部加えて全体の固形分濃度が5重量%になるように
2ーブタノールで調整した後、ボールミルにて4時間分
散し、電荷発生層に用いる樹脂組成物の分散液を調液し
た。この分散液を1晩静置し、顔料の沈降度合を目視に
て観察した。
【0036】次に、アルミニウムドラムを硫酸にてアル
マイト処理して6μmのアルマイト層を形成した後、酢
酸ニッケルにて封孔処理を施したアルマイト処理された
支持体をエタノール溶剤中で超音波洗浄した。この支持
体を前記分散液中に浸積し、引き上げ速度100mm/分
で引き上げ、風乾して膜厚0.15μmの電荷発生層を
形成した。この時の電荷発生層の塗りムラ、顔料凝集な
どの膜状態を目視にて観察した。
【0037】さらに1、1ービス(p−ジエチルアミノ
フェニル)ー4、4ージフェニルー1、3ーブタジエン
1重量部とポリカーボネイト樹脂(三菱瓦斯化学工業株
式会社製商品名ユーピロンZ−300)を塩化メチレン
9重量部に溶解した塗料を前記電荷発生層上に浸積塗工
し、110℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送
層を形成した。
【0038】このようにして製造した積層型の電子写真
感光体ドラムを、自作の特性試験機を用いて特性を測定
した。試験機は図1に示すような構成で、表面電位計プ
ローブA(3)にて帯電後の電位V0を、表面電位計プ
ローブB(6)にて露光後の電位VLを測定した。表面
電位計はトレック・ジャパン株式会社製モデル344を
用い、露光光量は800nm光で3μJ/cm2とし、帯
電器のコロナ電圧を調整してV0が600Vになるよう
にして感度を評価した。また、湿度依存性は常温・常湿
度(25℃、50%RH)、高温・高湿度(33℃、8
0%RH)、低温・低湿度(7℃、20%RH)にて測
定した。
【0039】分散液での顔料の沈降度合、電荷発生層の
膜状態と感度特性の結果を(表1)に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例2)実施例1の電荷発生層に用い
る樹脂組成物の分散液で、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタ
クリル共重合体とをそれぞれ2重量部、2重量部とした
以外は実施例1と同様にして積層型電子写真感光体ドラ
ムを作製し、実施例1と同様にして特性の測定を行なっ
た。
【0042】結果を(表1)に示す。 (実施例3)実施例1の電荷発生層に用いる樹脂組成物
の分散液で、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合
体とをそれぞれ1重量部、3重量部とした以外は実施例
1と同様にして積層型電子写真感光体ドラムを作製し、
実施例1と同様にして特性の測定を行なった。
【0043】結果を(表1)に示す。 (比較例1)比較例1として電荷発生層のバインダー樹
脂を溶剤可溶性フッ素樹脂のみとしてサンプルの作製を
行なった。
【0044】実施例1の電荷発生層に用いる樹脂組成物
の分散液を、溶剤可溶性フッ素樹脂のみとした以外は実
施例1と同様にして分散液を作製した。この時、分散液
においてτ型無金属フタロシアニンの沈降が大きく、実
施例1と同様にして電荷発生層を形成すると、筋状の塗
布ムラがみられた。
【0045】(比較例2)比較例2として電荷発生層の
バインダー樹脂をメタクリル共重合体のみとしてサンプ
ルの作製を行なった。
【0046】実施例1の電荷発生層に用いる樹脂組成物
の分散液を、メタクリル共重合体のみとした以外は実施
例1と同様にして分散液を作製し、実施例1と同様にし
て積層型電子写真感光体ドラムを作製し、実施例1と同
様にして特性の測定を行なった。
【0047】結果を(表1)に示す。
【0048】
【発明の効果】以上、本発明の積層型の電子写真感光体
とその電子写真感光体用樹脂組成物およびその電子写真
感光体の製造方法について詳細に説明したが、本発明の
電子写真感光体は、アルミニウムまたはアルミニウム合
金からなる導電性基板をアルマイト処理した支持体を用
いることによって画像欠陥を解消し、電荷発生層中に溶
剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含有する
ことによって、均一で湿度による特性変動を低減でき、
電子写真特性の環境安定性を向上させることができる。
【0049】また、本発明の電子写真感光体用樹脂組成
物は、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを
含有する溶剤溶液中に電荷発生物質を分散することによ
り、アルマイト処理された支持体表面との親和性が最適
になり、かつ分散液中の電荷発生物質の沈降も少なく安
定な分散液を提供できるものである。
【0050】さらに本発明の電子写真感光体の製造方法
は、前記電荷発生層用の樹脂組成物からなる分散液に、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基
板をアルマイト処理した支持体を浸積した後引き上げる
ことによって電荷発生層の膜厚の制御範囲が広がりかつ
均一な電荷発生層を形成することができ、特性の安定な
高品質の電子写真感光体を製造することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体ドラムの特性を測定するための
自作の特性試験機の概略図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金から
    なる導電性基板をアルマイト処理した支持体上に電荷発
    生層と電荷輸送層とを形成してなる積層型電子写真感光
    体において、前記電荷発生層が電荷発生物質と溶剤可溶
    性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含有することを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】前記電荷発生層中の電荷発生物質が、フタ
    ロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】アルミニウムまたはアルミニウム合金から
    なる導電性基板をアルマイト処理した支持体上に電荷発
    生層と電荷輸送層とを形成してなる積層型電子写真感光
    体の電荷発生層に用いるバインダー樹脂組成物であっ
    て、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含
    有する溶剤溶液中に電荷発生物質を分散して得られた電
    子写真感光体用樹脂組成物を用いた電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記樹脂組成物中の電荷発生物質が、フタ
    ロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項3記載
    の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを形
    成する積層型電子写真感光体の製造方法において、溶剤
    可溶性フッ素樹脂とメタクリル共重合体とを含有する溶
    液中に電荷発生物質を分散してなる分散液に、アルミニ
    ウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基板をアル
    マイト処理した支持体を浸積して塗工し、前記電荷発生
    層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記電荷発生層中の電荷発生物質が、フタ
    ロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項5記載
    の電子写真用感光体の製造方法。
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