JPH06186689A - 超硬調ネガ画像の形成方法 - Google Patents

超硬調ネガ画像の形成方法

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JPH06186689A
JPH06186689A JP34232592A JP34232592A JPH06186689A JP H06186689 A JPH06186689 A JP H06186689A JP 34232592 A JP34232592 A JP 34232592A JP 34232592 A JP34232592 A JP 34232592A JP H06186689 A JPH06186689 A JP H06186689A
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JP34232592A
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English (en)
Inventor
Naoki Koo
直紀 小尾
Kiyoshi Suematsu
清 末松
Yasuhiko Kojima
靖彦 児島
Yasuro Shigemitsu
靖郎 重光
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体上の乳剤層または他の親水性コロイド
層の同一または異なった層に還元電位がマイナスの有機
化合物と芳香核に2個以上の水酸基を有する有機化合物
とを含有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料を、画像
露光後レダクトン類を含有するアルカリ性現像液で処理
する。 【効果】 長期保存安定性に優れ、高温多湿環境下での
作業にも適する経時安定性の改良されたハロゲン化銀写
真感光材料を現像処理してガンマが10を越える超硬調
画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラフィックア−ツの
印刷用写真製版工程に有用で、長期に亘って安定に硬調
なネガチブ画像を形成するのに適したハロゲン化銀写真
感光材料を用いてガンマが10を超える超硬調な画像が
得られる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックア−ツの印刷用写真製版工
程においては、シヤープな網点画像あるいは線画像の形
成が要求されるため、極めて硬調な写真特性(特にガン
マが10以上)を示す画像形成システムが必要である。
従来この目的のために、塩化銀の含有量が50モル%、
好ましくは70モル%をこえる塩臭化銀乳剤からなるリ
ス型ハロゲン化銀写真感光材料を、現像主薬としてハイ
ドロキノンのみを含む、遊離亜硫酸イオン濃度を極めて
低くした(通常0.1モル/リツトル 以下)リス現像
液で処理する方法が用いられてきた。しかし、リス型ハ
ロゲン化銀写真乳剤は塩化銀含量の高い塩臭化銀乳剤を
用いなければならないため、高感度化の達成が困難であ
った。
【0003】硬調なネガチブ画像を得る別の方法として
は米国特許第4,168,977号、同第4,224,
401号、同第4,241,164号、同第4,26
9,929号、同第4,311,781号、同第4,6
50,746号、同第4,927,734号等に開示さ
れている特定のヒドラジン誘導体を用いる方法がある。
この方法によれば、造核剤として特定のヒドラジン誘導
体(一般にアシルフエニルヒドラジン誘導体)を含有す
る表面潜像型ハロゲン化銀写真感光材料をpH11.0
から12.3の現像液で処理してガンマが10をこえる
超硬調で高い感度の写真特性が得られる。この方法で
は、臭化銀や臭化銀含有量の高い塩臭化銀乳剤を用いる
ことができるのでリス型ハロゲン化銀に比べて高感度化
を達成することができた。
【0004】しかしながら、上記のアシルヒドラジン誘
導体を用いる硬調画像形成システムはいくつかの欠点を
有することが判ってきた。すなわち、上記の画像形成シ
ステムを用いると硬調なネガチブ画像が得られると同時
にペツパー(黒ポツ)の発生をともない写真製版工程上
大きな問題となっている。ペツパーというのは、未露光
部、例えば網点と網点の間の非現像部となるべき部分に
発生する黒胡麻のようなスポツトのことで、写真製版感
材としての商品価値を著しく低下させる故障を引き起こ
す。従って、ペッパー抑制技術の開発に多大の努力がな
されているが、ペッパーの改良が感度およびガンマの低
下をもたらすことが多く、ペッパー発生をともなわずに
高感度硬調化を達成する画像形成システムの開発が強く
望まれている。
【0005】従来の硬調画像形成システムの第二の欠点
として、現像液の活性度を一定に保つために有害で環境
汚染物質となるハイドロキノンを多量に用いなければな
らないことである。リス現像液は液中の亜硫酸イオン濃
度が低いため容易に空気酸化を受け現像主薬であるハイ
ドロキノンの消費が著しい。また、ヒドラジン誘導体を
用いる硬調画像形成システムの現像液中には高濃度の亜
硫酸塩を加えることが許容されているが高pH(11.
0以上)であるため空気酸化を受けやすくハイドロキノ
ンの消費が著しい。従って、これらの現像液の現像活性
度を保持するためには有害で環境汚染物質であるハイド
ロキノンを多量に用いたり、空気酸化によるハイドロキ
ノンの消費量を補充したりして現像液中のハイドロキノ
ン量を一定水準以上に保つ必要があり、ハイドロキノン
の消費量が少ないあるいは現像主薬としてハイドロキノ
ンを使用しない現像液による硬調画像形成システムの開
発が望まれている。
【0006】上述の問題を解決する方法として、特願平
4−152,006号では、ネガ型ハロゲン化銀写真感
光材料を画像露光後還元電位がマイナスの有機化合物の
存在下にアミノフェノ−ル系現像主薬およびレダクトン
類を含む現像剤で現像処理する硬調画像形成方法が開示
されている。しかしながらこの特願の画像形成方法にお
ける、ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料上の乳剤層また
は他の親水性コロイド層に還元電位がマイナスの有機化
合物を添加し、アミノフェノ−ル系現像主薬およびレダ
クトン類を含む現像剤で現像処理する画像形成方法の場
合、ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料を長期間室内に保
存したり高温多湿の場所に放置すると写真性能の変質が
起こり、カブリが増加したりガンマが低下したりして良
好な硬調画像が得られなくなってしまうことが判ってき
た。特に長期保存によって、現像処理時の造核反応効率
が低下してガンマが低下し、硬調画像が得られなくなる
のが問題となってきた。
【0007】従来このような写真性能の変質を防ぎ得る
乳剤安定剤として、日本写真学会編「写真工学の基礎、
銀塩写真編」コロナ社、(1978年)、ジエ−ムス
(T.H.James)編「ザ セオリ− オブ ジ フォトグ
ラフィック プロセス(The Thery of the Photograp
hic Process)」、マクミラン パブリッシング(Macmi
lan Publishing Co., Inc.)社、第4刊、(1977
年)398頁に記述されているようにベンゾチアゾ−
ル、ニトロベンツイミダゾ−ル、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾ−ル、含窒素5員環化合物、含窒素6
員環化合物、縮合複素環化合物、オニウム塩、第二水銀
塩と有機アミンとの分子化合物、有機水銀化合物、ピロ
リドンやオキサゾリドン基を有するポリマ−類などが知
られていた。
【0008】しかしながら、これら化合物を還元電位が
マイナスの有機化合物を含有したハロゲン化銀写真感光
材料に用いた場合、強い抑制作用を示したり硬調化反応
を阻害するなど安定した良好な硬調画像を得るには満足
できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ネガ型ハロゲン化銀写真乳剤層または他の少なくと
も一つの親水性コロイド層に還元電位がマイナスの有機
化合物および芳香核に2個以上の水酸基を有する有機化
合物を含有させることにより、保存安定性の改良された
ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料を用い、長期に亘って
安定的にペッパ−のない良好な硬調画像が得られる超硬
調ネガ画像の形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上に少なくとも一つのネガ型ハロゲン化銀乳剤層と
必要に応じて他の親水性コロイド層とを有するネガ型ハ
ロゲン化銀写真感光材料において、乳剤層または他の親
水性コロイド層の同一または異なった層に、還元電位が
マイナスの有機化合物と芳香核に2個以上の水酸基を有
する有機化合物とを含有するネガ型ハロゲン化銀写真感
光材料を用い、該写真感光材料に画像露光後、レダクト
ン類を主現像主薬とするアルカリ性現像液で現像処理す
ることにより達成された。
【0011】本発明において使用し得る還元電位がマイ
ナスの有機化合物としては、環を構成する原子として炭
素以外に窒素、酸素、硫黄、セレン又は燐を有するヘテ
ロ環化合物が好ましく、色素、またはピリジニウム塩ま
たはその誘導体、キノリニウム塩またはその誘導体およ
びイソキノリニウム塩またはその誘導体(以下、これら
ピリジニウム塩またはその誘導体以下を単にピリジニウ
ム塩誘導体類と言う)などが特に好ましい。
【0012】また、これら有機化合物の還元電位はマイ
ナス、好ましくは−0.60ボルトよりも卑、さらに好
ましくは−0.80ボルトよりも卑なることが望まし
い。
【0013】ここで用いる還元電位Eredの値は、そ
の色素あるいはピリジニウム塩誘導体類がボルタンメト
リ−において陰極で電子の注入をうけて還元される電位
を意味する。還元電位Eredの値はボルタンメトリー
によって正確に測定することができる。即ち、支持電解
質としてテトラ−n−ブチルアンモニウム過塩素酸塩
0.1Mを含むアセトニトリル中で、色素あるいはピリ
ジニウム塩誘導体類1×10-3Mから1×10-4Mのボ
ルタモグラムを測定し、これより得られる半波電位とし
て求めた。作用電極には白金を、比較電極には飽和カロ
メル電極(SCE)を使用し、測定は25℃で行った。
更に詳しくは、米国特許第3,501,307号やドラ
ハイ(P.Delahay)著、ニュ−インストルメン
タルメソーズイン エレクトロケミストリー(New
Instrumental Methods in E
lectrochemistry)((インターサイエ
ンス パブリッシャーズ)(Interscience
Publishers)社、1954年)などに記載
されている。
【0014】本発明に用いられる色素としては、対称型
および非対称型シアニン色素やメロシアニン色素などが
有用である。本発明に用いるのに特に有用な色素は還元
電位が−0.60ボルトより卑な下記一般式(D−
I)、一般式(D−II)、一般式(D−III)また
は一般式(D−IV)で示される化合物である。
【0015】
【化2】
【0016】式中m1は0または1を表す。Q1およびQ
2は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を
表す。Q1およびQ2によって完成される含窒素複素環と
しては、例えば、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾー
ル環、ベンゾセナゾール環、ベンツオキサゾール環、キ
ノリン環、チアゾリン環などが含まれる。Q1およびQ2
によって完成されるこれらの含窒素複素環には置換基が
導入されてもよく、置換基としては、メチル基、エチル
基などの低級アルキル基、ハロゲン原子、メトキシ基な
どのアルコキシ基などが含まれる。R1およびR2はメチ
ル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基、カ
ルボキシメチル基、βーカルボキシエチル基、などのカ
ルボキシル基をもつ置換アルキル基、βースルホエチル
基、γースルホプロピル基などのスルホ基をもつ置換ア
ルキル基、アリル基やその他通常シアニン色素のN置換
基に用いられている置換基を表す。R3は水素原子また
はメチル基、エチル基などの低級アルキル基を表す。X
-は沃素イオン、臭素イオン、塩素イオン、過塩素酸イ
オン、pートルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオ
ンなどのシアニン色素塩を形成するのに通常用いられる
アニオンを表す。別に、シアニン色素がベタイン構造を
とる時Xは存在しない。
【0017】
【化3】
【0018】式中、Yは酸素原子またはイオウ原子を表
す。m2は0または1を表す。Q3は含窒素複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表す。Q3によって完成
される含窒素複素環としてはチアゾール環、チアゾリン
環、ピローリン環、キノリン環、テトラゾール環などが
有用である。Q3によって完成されるこれらの含窒素環
には置換基が導入されてもよく、置換基としてはメチル
基、エチル基などの低級アルキル基、ハロゲン原子、メ
トキシ基などのアルコキシ基などが含まれる。R4およ
びR5はメチル基、エチル基などの低級アルキル基、カ
ルボキシメチル基、βーカルボキシエチル基などのカル
ボキシル基(およびカルボキシル基がトリメチルアンモ
ニウム塩などの第四級アンモニウム塩を含む)をもつ置
換アルキル基、ヒドロキシメチル基、βーヒドロキシエ
チル基などのヒドロキシル基をもつ置換アルキル基、ア
リル基などが含まれる。R6は水素原子またはメチル
基、エチル基などの低級アルキル基を表す。
【0019】
【化4】
【0020】式中R7は水素原子、またはメチル基、エ
チル基、プロピル基などの低級アルキル基を表す。
8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、またはメチル基、エチル基などの低級アルキ
ル基、アミノ基、あるいはメチル基、エチル基などの低
級アルキル基で置換されたアミノ基などを表す。R12
無置換またはアミノ基、ジアルキルアミノ基、有機カル
ボン酸などで置換されたフェニル基を表す。X-は沃素
イオン、臭素イオン、塩素イオン、過塩素酸イオン、p
−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオンなどの
色素塩を形成するのに通常用いられるアニオンを表す。
【0021】
【化5】
【0022】式中、Q4は含窒素複素環を形成するのに
必要な非金属原子群を表す。Q4によって完成される含
窒素複素環としては、例えば、ベンゾチアゾール環、ナ
フトチアゾール環、ベンゾセナゾール環、ベンツオキサ
ゾール環、キノリン環、チアゾリン環などが含まれる。
4によって完成されるこれらの含窒素複素環には置換
基が導入されてもよく、置換基としては、メチル基、エ
チル基などの低級アルキル基、ハロゲン原子、メトキシ
基などのアルコキシ基などが含まれる。R13およびR14
はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基、エチル
基、プロピル基などの低級アルキル基を表す。R15およ
びR16はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基、エ
チル基、などの低級アルキル基、あるいはβ−クロロエ
チル基などのハロゲン原子により置換された低級アルキ
ル基、あるいは無置換またはメチル基、エチル基などの
低級アルキル基、ハロゲン原子、メトキシ基などのアル
コキシ基などによって置換されたフェニル基を表す。X
は沃素イオン、臭素イオン、塩素イオン、過塩素酸イ
オン、pートルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオ
ンなどの色素塩を形成するのに通常用いられるアニオン
を表す。
【0023】以下に本発明に用いられる色素の代表例を
挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】これらの色素は、例えばエフ・エッチ・ハ
ーマー(F.H.Hamer)著゛ザ・シアニン・ダイ
ズ・アンド・リレーテッド・コンパウンズ゛(TheC
yanine Dyes and Related C
ompounds)1964年、インターサイエンス・
パブリシャーズ、ニューヨーク社刊(Intersci
ence Publishers,N.Y.)55頁以
降を参照すれば記載された方法または類似の方法により
容易に合成することができる。
【0040】本発明に用いるのに有用なピリジニウム塩
誘導体類は、一般式(N−I)、(N−II)または
(N−III)で示される化合物である。
【0041】
【化21】
【0042】式中、R17はアミノ基、アルキル置換アミ
ノ基(Nーメチルアミノ基、N,Nージメチルアミノ基
など)、フェニル基やピリジル基などの芳香族基または
−A−Zを表す。Aは炭素原子数が1から20のアルキ
レン基またはCH2CH=CHCH2を表し、Zは水素原
子、置換されていてもよいフェニル基、水酸基、メトキ
シ基やエトキシ基などのアルコキシ基、ベンゾイル基や
アセチル基などのアシル基、メトキシカルボニル基やエ
トキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シ
アノ基、N−アルキルアミド基、アミド基または化22
で表される基を表す。
【0043】
【化22】
【0044】一般式(N−I)及び化22中、R18は低
級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基など)、水酸基、アルコキシ基、フェニル基やピリ
ジル基などの芳香族基で置換されている低級アルキル基
(2ーヒドロキシエチル基、3ーヒドロキシプロピル
基、2ーメトキシエチル基、4ーエトキシブチル基、ベ
ンジル基、2ーフェニルエチル基、3ー(4ーピリジ
ル)プロピル基など)、アミド基(ーCONH2、ーC
ONHCH3など)または置換されてもよいアミノ基
(−NH2、−NHSO2511、−NHSO2Phな
ど)を表す。n1は0、1、2または3を表す。ただ
し、R18が複数個存在する場合にはそれぞれが異なるも
のでもよい。Xはヨウ素イオン、臭素イオン、塩素イ
オン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、メチル硫酸イオンなどのアニオンを表す。ただし、
一般式(N−I)がベタイン構造のときXは存在しな
い。
【0045】
【化23】
【0046】式中、R19は置換もしくは無置換の低級ア
ルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。置
換基としては水酸基、メトキシ基、エトキシ基などの低
級アルコキシ基、フェニル基などの芳香族基、アセチル
基、ベンゾイル基などのアシル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、などのアルコキシカルボニ
ル基、アミド基、シアノ基などが好ましい。R19の具体
例としてメチル基、エチル基、nープロピル基、イソプ
ロピル基、nーブチル基、イソブチル基、ペンチル基、
2ーヒドロキシエチル基、3ーヒドロキシプロピル基、
2ーメトキシエチル基、3ーエトキシプロピル基、2ー
フェニルエチル基、3ーアセチルプロピル基、2ーベン
ゾイルエチル基、2ーメトキシカルボニルエチル基、2
ーシアノエチル基、2ーカルバモイルエチル基、ブテニ
ル基、プロパギル基、ベンジル基、トルイル基、フェネ
チル基などを挙げることができる。R20およびR21はそ
れぞれ独立にハロゲン原子、低級アルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、nープロピル基、イソプロピル基、
nーブチル基、イソブチル基、ペンチル基など)、置換
された低級アルキル基または低級アルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基など)を表す。置換された低級
アルキル基の置換基としては、水酸基、低級アルコキシ
基、置換もしくは無置換の芳香族基(例えばフェニル
基、アルキル置換フェニル基など)が好ましい。置換さ
れた低級アルキル基の具体例として、例えばヒドロキシ
メチル基、2ーヒドロキシエチル基、3ーヒドロキシプ
ロピル基、2ーメトキシエチル基、2ーエトキシエチル
基、ベンジル基、2ーフェニルエチル基、2ートリルエ
チル基などを挙げることができる。n2およびn3はそ
れぞれ独立に0、1または2を表す。R20および/ある
いはR21が複数個存在する場合、それぞれが異なるもの
でもよいし、それら相互間で環を形成(例えば、5員
環、6員環、7員環など)してもよい。Xはヨウ素イ
オン、臭素イオン、塩素イオン、p−トルエンスルホン
酸イオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸イオンなどのア
ニオンを表す。ただし、一般式(N−II)がベタイン
構造のときXは存在しない。
【0047】
【化24】
【0048】式中、R22はアルキル基(メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基など)または
置換アルキル基を表す。さらに、R22とR24とで6員環
もしくは5員環を形成してもよい。R23は水素原子、低
級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基など)、置換アルキル基またはアリー
ル基(フェニル基、アルキル置換フェニル基など)を表
す。R22およびR23における置換アルキル基の置換基と
しては例えば水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エト
キシ基など)、アリール基(フェニル基、アルキル置換
フェニル基など)などを挙げることができる。置換アル
キル基の具体例としては例えば2ーヒドロキシエチル
基、3ーヒドロキシプロピル基、2ーメトキシエチル
基、2ーエトキシエチル基、3ーメトキシプロピル基、
ベンジル基、2ーフェニルエチル基などを挙げることが
できる。R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、低
級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基な
ど)、水酸基、アルコキシ基、芳香族基などで置換され
た低級アルキル基(2ーヒドロキシエチル基、3ーヒド
ロキシプロピル基、2ーメトキシエチル基、3ーエトキ
シプロピル基、ベンジル基、2ーフェニルエチル基な
ど)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)ま
たはアミド基を表す。さらにR24とR25とで5員環ある
いは6員環などの環や芳香族環を形成してもよい。R26
はハロゲン原子(塩素原子、臭素原子など)、置換され
ていてもよい低級アルキル基(メチル基、エチル基、プ
ロピル基、2ーヒドロキシエチル基、3ーヒドロキシプ
ロピル基、2ーメトキシエチル基、ベンジル基など)、
アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)またはア
ルキル基で置換されていてもよいアミノ基を表す。n4
は0、1または2を表す。R26が複数個存在する場合に
は、それぞれが異なるものでもよい。Xはヨウ素イオ
ン、臭素イオン、塩素イオン、p−トルエンスルホン酸
イオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸イオンなどのアニ
オンを表す。ただし、一般式(N−III)がベタイン
構造のときXは存在しない。
【0049】以下に本発明に用いられるピリジニウム塩
誘導体類の代表例を挙げるが、本発明はこれらにより限
定されるものではない。
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】
【化28】
【0054】
【化29】
【0055】
【化30】
【0056】
【化31】
【0057】
【化32】
【0058】
【化33】
【0059】
【化34】
【0060】
【化35】
【0061】
【化36】
【0062】
【化37】
【0063】
【化38】
【0064】
【化39】
【0065】
【化40】
【0066】
【化41】
【0067】
【化42】
【0068】
【化43】
【0069】
【化44】
【0070】
【化45】
【0071】
【化46】
【0072】
【化47】
【0073】これらのピリジニウム塩誘導体類は、小竹
無二雄監修「大有機化学」16巻(III)7頁および
129頁(1959年、朝倉書店)に記載されているよ
うに、相当するピリジン、キノリンまたはイソキノリン
誘導体とハロゲン化アルキル誘導体との反応で合成する
ことができる。具体的な合成法は、.A.Grob,
E.Renk著の報文、Helv.Chim.Acta
37,1672(1954);R.E.Lyle,
E.F.Perlowski,H.J.Troscia
niec,G.G.Lyle著の報文、J.Org.C
hem.20,1761(1955);M.R.Lam
borg,R.M.Burton,N.O.Kapla
n著の報文、J.Am.Chem.Soc.79,61
73(1957);W.Ciusa,A.Buccel
li著の報文、GazzettaChimia Ita
liana88,393(1958)などに記載されて
いる。
【0074】本発明において用いられる色素およびピリ
ジニウム塩誘導体類は、ハロゲン化銀写真感光材料を構
成する少なくとも一層のネガ型ハロゲン化銀乳剤層ある
いは、それ以外の親水性コロイド層から成る非感光性
層、例えば保護層、中間層、ハレーション防止層、フィ
ルター層などに含有させることもできる。
【0075】本発明に用いられる色素およびピリジニウ
ム塩誘導体類のハロゲン化銀写真感光材料への添加量
は、ハロゲン化銀1モル当り10ー6モルから等モルの範
囲が適切であり、通常は10ー3モルから10ー2モルが好
ましくもちいられるが、ポリアルキレンオキサイドおよ
びその誘導体(以下単にポリアルキレンオキサイド誘導
体という)が存在する場合には10-5モルから10-3
ルが特に好ましい。また本発明に用いられる色素および
ピリジニウム塩誘導体類は、一種以上を併用して用いる
こともできる。
【0076】本発明に用いられる色素およびピリジニウ
ム塩誘導体類をネガ型ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれ
以外の非感光性層に添加するには水または水と混和しう
る有機溶媒、例えばアルコール類、ケトン類、エステル
類、アミド類などに溶解して本発明に用いるネガ型ハロ
ゲン化銀乳剤もしくは非感光性の親水性コロイド溶液に
添加すればよい。
【0077】本発明に用いられる色素およびピリジニウ
ム塩誘導体類をハロゲン化銀写真感光材料に添加する時
期は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造する工程中の任
意の時期を選ぶことができる。例えば、ネガ型ハロゲン
化銀乳剤に添加する場合には化学熟成の開始から塗布前
までの任意の時期に添加することができるが、化学熟成
終了後塗布直前までの任意の時期に添加するのが好まし
い。さらに、ハロゲン化銀写真感光材料を露光後に添加
してもよい。
【0078】本発明の色素およびピリジニウム塩誘導体
類の作用機構は充分に明かではないが、かならずしも露
光時に存在している必要はないので色素は通常の分光増
感作用には関与していない。本発明の色素およびピリジ
ニウム塩誘導体類は現像時にハロゲン化銀写真感光材料
の感度および階調を高める硬調化剤としての作用をして
いると推定される。レダクトン類を主現像主薬として含
有するアルカリ性現像剤を用いた画像形成方法におい
て、色素およびピリジニウム塩誘導体類による著しい高
感度化と超硬調化作用はこれまで知られておらず全く予
期せぬ効果である。
【0079】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物は、pHが11.0での酸化還元電
位が水素電極を基準電極として正なる有機化合物が好ま
しい。
【0080】ここで用いる酸化還元電位E1/2の値はボ
ルタンメトリ−によって測定される。即ち、支持電解質
として硫酸ナトリウム0.1Mを含むpH11.0の炭
酸塩緩衝液中で芳香核に2個以上の水酸基を有する芳香
族化合物の1×10-3Mから1×10-4Mのボルタモグ
ラムを測定し、これより得られる半波電位として求める
ことができる。作用電極には白金を、比較電極には飽和
カロメル電極を使用し、25℃で測定できる。得られた
測定値は水素電極を基準電極とする値に換算して用いる
ことができる。
【0081】更に詳しくは、米国特許第3,501,3
07号やドラハイ(P.Delahay)著、「ニュ−
インストルメンタル メソーズ イン エレクトロケ
ミストリー(New Instrumental Me
thods in Electrochemistr
y)」(インターサイエンス パブリッシャーズ( I
nterscience Publishers)社、
1954年)、藤嶋昭、相澤益男、井上徹著、「電気化
学測定法」技報堂出版、1984年などに記載されてい
る。また、有機化合物のpH11.0における酸化還元
電位E1/2の値はジエ−ムス(T.H.James)編「ザ セオ
リ− オブ ジ フォトグラフィックプロセス(The Th
ery of the Photographic Process)」、マクミラン
パブリッシング(Macmilan Publishing Co., Inc.)
社、第4刊、(1977年)305頁に一部表として記
述されている。
【0082】本発明に用いられる芳香核に2個以上の水
酸基を有する有機化合物としては、ベンゼン、ナフタレ
ン、アズレン、インデン、ペンタレン、ヘプタレン、a
s−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フ
ルオレン、フェナレン、アントラセン、フェナンスレ
ン、フルオランテン、アセフェナントレン、アセアント
リレン、トリフェニレン、ベンツ[a]アントラセン、
9,10−ベンゾフェナントレン、ベンゾ[c]フェナ
ントレン、ナフタセン、ピレン、クリセン、プレイアデ
ン、ピセン、ペリレン、ビフェニル、ビフェニレン、
1,1′−ビナフチル、ペンタフェン、ペンタセン、
1,2′−ビナフチル、9−フェニルアントラセン、2
−フェニルナフタレン、1,2−ベンツアントラセン、
ベンゾフェノン、アセトフェノン、およびバックスミン
スタ−フラ−レンの炭化水素から成る芳香族化合物を基
本骨格として芳香核が2個以上の水酸基で置換された有
機化合物である。またさらに、これらの化合物は1ケ以
上のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基など)、アルケニル基(ビニル基、アリル
基、プロピレン基など)、アルキニル基(エチニル基、
プロパギル基など)、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭
素、沃素など)、ニトロ基、シアノ基、エ−テル基(メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、O−アシ
ル基(ホルミルオキシ基、アセトキシ基など)、カルボ
ン酸基およびカルボン酸エステル(カルボン酸基、カル
ボン酸メチルエステル基、カルボン酸エチルエステル基
など)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プルピオ
ニル基など)、チオエ−テル基(メチルチオ基、エチル
チオ基など)、スルホン酸基、メシル基、スルファモイ
ル基、スルホアミノ基、アルキル置換アミノ基(N−メ
チルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基など)、アシ
ル置換アミノ基(N−アセチルアミノ基、N−プロピオ
ニルアミノ基など)などの置換基によって置換されてい
てもよい。またこれら置換基相互で5員環や6員環の環
を形成してもよい。これら置換基の中で、カルボン酸や
スルホン酸などの酸性置換基がナトリウムやカリウムな
どのアルカリ金属原子との塩やアンモニウム塩を形成し
た塩化合物であってもよい。
【0083】以下に本発明に用いる芳香核が2個以上の
水酸基で置換された有機化合物の具体例を挙げるが、本
発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0084】本発明に用いる芳香核が2個以上の水酸基
で置換された有機化合物の具体例として、ハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブ
ロモハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノ
ン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,6−ジクロ
ロハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、
2,5−ジブロモハイドロキノン、2,6−ジブロモハ
イドロキノン、2,3−ジヒドロキシベンゼンカルボン
酸、2,4−ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、2,5
−ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、2,6−ジヒドロ
キシベンゼンカルボン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼ
ンカルボン酸、3,5−ジヒドロキシベンゼンカルボン
酸、2,3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,4
−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒドロ
キシベンゼンスルホン酸、2,6−ジヒドロキシベンゼ
ンスルホン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン
酸、3,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、1,3
−ジヒドロキシ−4−クロロベンゼン、3,4−ジヒド
ロキシフェニル酢酸、ピロカテコ−ル−3,5−ジスル
ホン酸、ピロカテコ−ル−o−カルボン酸、ピロカテコ
−ル−p−カルボン酸、ピロカテコ−ル−o−スルホン
酸、ピロカテコ−ル−p−スルホン酸、2′,4′−ジ
ヒドロキシアセトフェノン、2′,5′−ジヒドロキシ
アセトフェノン、 2′,6′−ジヒドロキシアセトフ
ェノン、3′,5′−ジヒドロキシアセトフェノン、
1,2−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒド
ロキシアントラキノン、1,5−ジヒドロキシアントラ
キノン、1,8−ジヒドロキシアントラキノン、3′,
4′−ジヒドロキシ−2−クロロアセトフェノン、3,
6−ジヒドロキシ−2,5−ジブロモ−p−キノン、
1,3−ジヒドロキシ−4,6−ジクロロベンゼン、
3,6−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロ−p−キノ
ン、フェニルハイドロキノン、2,4−ジヒドロキシエ
チルベンゼン、2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベン
ゼンカルボン酸エチルエステル、1,3−ジヒドロキシ
ナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5
−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフ
タレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒド
ロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、1,7−ジ
ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、2,3−ジヒ
ドロキシナフタレン−6−スルホン酸、3,5−ジヒド
ロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,4−ジヒドロ
キシフェニル酢酸、1,8,9−トリヒドロキシアント
ラセン、1,2,4−トリヒドロキシアントラセン、
1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,3,4−ト
リヒドロキシベンゼンカルボン酸、2,4,6−トリヒ
ドロキシベンゼンカルボン酸、3,4,5−トリヒドロ
キシベンゼンカルボン酸、2,3,4−トリヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリヒドロキシベン
ゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキシベンゼン
スルホン酸、1,4,9,10−テトラヒドロキシアン
トラセン、1,2,5,8−テトラヒドロキシアントラ
キノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾ
フェノンなどを挙げることができ、その他以下の構造式
で示される化合物を挙げることができる。
【0085】
【化48】
【0086】
【化49】
【0087】
【化50】
【0088】
【化51】
【0089】
【化52】
【0090】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物は、市販の有機薬品や化成品として
購入可能であるが、必要に応じて例えば、有機合成化学
協会編「有機化学ハンドブック」、技報堂(1968
年)290頁以降、ワ−グナ−、ズ−ク(R.B.WAGNER/
H.D.ZOOK)著、「シンセテイツク オ−ガニック ケミス
トリ−(Synthetic Organic Chemistry)」ジョン ウイ
リ− アンド サンズ(John Wiley & Sons, Inc.)
社、New York,London(1961年)196頁、ビユ−ラ
−、ピア−ソン(C.A.BUEHLER,D.E.PEARSON)著、「サ−
ベイ オブ オ−ガニック シンセシス(Survey of Or
ganic Syntheses)」、ジョン ウイリ− アンド サ
ンズ(John Wiley & Sons, Inc.)社、New York,London
(1970年)246頁以降、ビユ−ラ−、ピア−ソン
(C.A.BUEHLER,D.E.PEARSON)著、「サ−ベイ オブ
オ−ガニック シンセシスII(Survey of Organic
Syntheses Volume II)」、ジョン ウイリ− アン
ド サンズ(John Wiley & Sons, Inc.)社、New York,
London(1977年)270頁以降、などに記述された
合成方法を参考にして、合成し用いることができる。
【0091】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料を構
成する少なくとも一層のネガ型ハロゲン化銀乳剤層ある
いは、それ以外の親水性コロイド層から成る非感光性
層、例えば保護層、中間層、ハレーション防止層、フィ
ルター層などに含有させることもできる。好ましくはピ
リジニウム塩誘導体類を含有する層と同一の親水性コロ
イド層に添加することである。
【0092】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物のハロゲン化銀写真感光材料への添
加量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10ー6モルから当
モルの範囲が適切であり、通常は1×10ー4モルから
0.1モルが好ましくもちいられる。また本発明に用い
られる芳香核に2個以上の水酸基を有する有機化合物
は、一種以上を併用して用いることもできる。
【0093】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物をネガ型ハロゲン化銀乳剤層あるい
はそれ以外の非感光性層に添加するには、水または水と
混和しうる有機溶媒、例えばアルコール類、ケトン類、
エステル類、アミド類などに溶解して本発明に用いるネ
ガ型ハロゲン化銀乳剤もしくは非感光性の親水性コロイ
ド溶液に添加すればよい。
【0094】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物をハロゲン化銀写真感光材料に添加
する時期は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造する工程
中の任意の時期を選ぶことができる。例えば、ネガ型ハ
ロゲン化銀乳剤に添加する場合には化学熟成の開始から
塗布前までの任意の時期に添加することができるが、化
学熟成終了後塗布直前までの任意の時期に添加するのが
好ましい。
【0095】本発明に用いる芳香核に2個以上の水酸基
を有する有機化合物の中、ジヒドロキシベンゼン類カル
ボン酸またはジヒドロキシベンゼン類スルホン酸はビア
−(E.J.Birr)著、「スタビリゼイション オブ フォ
トグラフィック シルバ−ハライド エマルジョンズ
(Stabilization of Photographic Silver Halide Emul
sions)」、フォ−カル出版社(Focal Press)、(Lond
on,New York、1974年)36および37頁に記述さ
れているように、ハロゲン化銀乳剤のカブリ防止安定剤
として知られていた。しかし、本発明による芳香核に2
個以上の水酸基を有する有機化合物が、硬調画像の得ら
れるピリジニウム塩誘導体類を含有したハロゲン化銀写
真感光材料に添加することにより、長時間室温で保存し
たり高温多湿の場所に放置した場合に硬調画像が得られ
なくなるのを有効に防止し、ピリジニウム塩誘導体類に
よるハロゲン化銀写真感光材料の硬調化作用を長期に安
定化する優れた写真性能の安定化作用を発揮することは
知られていなかった。
【0096】本発明の画像形成方法により極めて硬調な
ネガチブ画像を形成させるばあい、ポリアルキレンオキ
サイド又はその誘導体をハロゲン化銀写真感光材料中に
添加して現像処理するとさらに良好な超硬調ネガチブ画
像を得ることができる。
【0097】本発明に使用されるポリアルキレンオキサ
イド又はその誘導体としては、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイドの如きポリアルキレンお
よびポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイ
ドなどのポリアルキレンオキサイドと水、脂肪族アルコ
ール類、フエノール類、グリコール類、脂肪酸類、有機
アミン類の群から選ばれた一種の化合物との付加重合
物、またはポリアルキレンオキサイドと上記化合物群か
ら選ばれた一種の化合物との縮合物、または、種々のア
ルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイド)相互のブロックコポリマーなどであ
る。また、本発明に使用されるポリアルキレンオキサイ
ド又はその誘導体は数平均分子量が500から20,0
00、特に好ましくは1,000から10,000であ
る。
【0098】次に本発明に用いられるポリアルキレンオ
キサイド又はその誘導体の若干の具体例をしめす。
【0099】
【化53】
【0100】
【化54】
【0101】
【化55】
【0102】
【化56】
【0103】本発明に使用されるポリアルキレンオキサ
イド又はその誘導体は、ハロゲン化銀写真感光材料中に
添加して用いられる。
【0104】ポリアルキレンオキサイド又はその誘導体
をハロゲン化銀写真感光材料中に添加するにはネガ型ハ
ロゲン化銀乳剤中に添加してもよいし、それ以外の親水
性コロイド層から成る非感光性層、例えば、保護層、中
間層、ハレーシヨン防止層、フイルター層などの層中に添
加してもよい。好ましいのは、本発明に用いるネガ型ハ
ロゲン化銀乳剤に添加させることである。
【0105】本発明に用いられるポリアルキレンオキサ
イド又はその誘導体をハロゲン化銀写真感光材料中に添
加するには水または水と混和しうる有機溶媒、例えばア
ルコール類、ケトン類、エステル類、アミド類、などに
溶解して本発明に用いるネガ型ハロゲン化銀乳剤もしく
は非感光性の親水性コロイド溶液に添加すればよい。
【0106】本発明に用いられるポリアルキレンオキサ
イド又はその誘導体のハロゲン化銀写真感光材料中への
添加量はハロゲン化銀1モル当り0.1gから10gの
範囲が適切であり、1gから5gの範囲が特に好まし
い。また、これらの化合物を添加する時期は、ハロゲン
化銀写真感光材料を製造する工程中の任意の時期を選ぶ
ことができる。例えば、ハロゲン化銀乳剤層中に添加す
る場合には、第二熟成を終えた後塗布前までの任意の時
期に添加するのが好ましい。
【0107】次に本発明のハロゲン化銀写真感光材料に
ついて説明する。本発明に用いられるハロゲン化銀写真
感光材料はネガ型ハロゲン化銀乳剤からなる乳剤層を少
なくとも一層有するものである。使用するハロゲン化銀
乳剤のハロゲン組成には特別な限定はなく、塩化銀、塩
臭化銀、沃臭化銀、沃臭塩化銀などの組成であってもか
まわない。沃化銀の含量は5モル%以下で、さらに3モ
ル%以下であることが好ましい。
【0108】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
比較的広い粒子サイズ分布をもつこともできるが、狭い
粒子サイズ分布をもつことが好ましく、特に全粒子の9
0%を占める粒子サイズが平均粒径の40%以内にあ
る単分散乳剤であることが好ましい。
【0109】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
平均粒径が0.7μm以下が好ましく、特に0.4μm
以下が好ましい。また、ハロゲン化銀粒子は立方体、八
面体のような規則的な結晶形を有するものでも、球状、
板状、ハマグリ状のような変則的な結晶形を有するもの
でもよい。
【0110】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は任
意の公知の方法を用いて調製することができる。すなわ
ち、酸性法、中性法、アンモニア法などのいずれでもよ
く、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の反応形式としては
順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど
のいずれを用いてもよい。同時混合法の一つとして、ハ
ロゲン化銀の生成される液相中の銀イオン濃度(pA
g)を一定に保つ方法、すなわち、pAgコントロール
ド・ダブルジエット法(C.D.J.法)を用いると結
晶形が揃い、かつ粒子サイズが均一に近い単分散ハロゲ
ン化銀粒子が得られる。ハロゲン化銀粒子形成または物
理熟成の過程においてハロゲン化銀乳剤のコントラスト
を増大させるためにカドミウム塩、イリジウム塩または
ロジウム塩を共存させてもよい。
【0111】本発明に用いるハロゲン化銀写真乳剤層に
含まれるバインダーはハロゲン化銀1モル当り250g
をこえないことが好ましい。バインダーとしてはゼラチ
ンが最も好ましいが、ゼラチン以外の親水性コロイドを
用いることもできる。例えば、アルブミン、カゼイン、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミドなどの親水性ポリマ
ーなどを用いることが出来る。
【0112】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増
感を行わなくともよいが,通常は化学増感される。化学
増感法として硫黄増感、還元増感、貴金属増感およびそ
れらの組合せが用いられるが、本発明の実施のために特
に好ましい化学増感は硫黄増感法あるいは硫黄増感と、
貴金属増感の一つである金増感を組合せた方法である。
【0113】硫黄増感剤としては活性ゼラチン、チオ硫
酸塩、チオ尿素類、アリルチオカルバミドなどを用いる
ことができる。金増感剤としてはHAuCl4、Au
(SCN)2 塩、Au(S232 3ー塩などを用いるこ
とができる。
【0114】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、所望
の感光波長域に感光性を付与するために、一種または二
種以上の増感色素を用いて分光増感されていてもよい。
【0115】本発明に係わるハロゲン化銀写真感光材料
は支持体上にネガ型ハロゲン化銀乳剤を含有する少なく
とも一つの親水性コロイド層を塗設して成るが、それ以
外の非感光性の親水性コロイド層例えば、保護層、中間
層、ハレーシヨン防止層、フイルター層、などが塗設され
ていてもよい。これらの親水性コロイド層には無機また
は有機の硬膜剤を含有してよい。硬膜剤としてはクロム
塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデ
ヒド、グリオキサールなど)、N−メチロール化合物
(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン
など)、活性ハロゲン化合物(2,4ージクロルー6ー
ヒドロキシ−s−トリアジン、ムコクロール酸など)、
活性ビニル化合物(1,3,5ートリアクリロイルーヘ
キサヒドロ−s−トリアジンなど)、エポキシおよびア
ジリジン系硬膜剤などを用いることができる。
【0116】本発明に用いられる上記親水性コロイド層
には必要に応じて各種写真用添加剤、例えば乳剤安定剤
(6ーヒドロキシー4ーメチル−1,3,3a,7ーテ
トラザインデンなどのヒドロキシテトラザインデン化合
物)、延展剤(サポニンなど)、ゼラチン可塑剤(アク
リル酸エステルの共重合体など)、帯電防止、塗布助
剤、および写真特性改良(たとえば現像促進、硬調化)
など種々の目的のための各種界面活性剤(カチオン性、
アニオン性、非イオン性、両性界面活性剤)、カブリ抑
制剤(ハイドロキノン、5ーメチルベンゾトリアゾー
ル、1ーフエニルー5ーメルカプトテトラゾールな
ど)、マット剤、写真感光材料の寸度安定性の改良など
の目的で水不溶または難溶性ポリマーラテックス(アル
キルアクリレート、アルキルメタアクリレート、アクリ
ル酸、グリシジルアクリレートなどのホモまたはコポリ
マー)などを本発明の効果が損なわれない範囲で使用す
ることができる。
【0117】上記写真感光材料に使用し得る支持体は、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポ
リオレフイン、酢酸セルロース、硝酸セルロースなどの
セルロースエステルフイルム、ポリエチレンテレフタレ
ートのようなポリエステルフイルム、紙、合成紙、また
はこれらを複合したもの、例えば紙やフイルムの両面も
しくは片面をポリオレフインで被覆したもの、ガラス板
など公知の支持体が全て使用できる。
【0118】次に、本発明で使用されるアルカリ性写真
現像液について説明する。本発明に用いる現像剤は、少
なくともレダクトン類を主現像主薬として含有するアル
カリ性現像液であることを特徴とする。
【0119】本発明の現像液に用いられるレダクトン類
は、エンジオール型(Endiol)、エナミノール型
(Enaminol)、エンジアミン型(Endiam
ine)、チオールエノール型(Thiol−Eno
l)およびエナミンチオール型( Enamine−T
hiol)が化合物として一般に知られている。これら
の化合物の例は米国特許第2,688,549号、特開
昭62−237,443号などに記載されている。これ
らのレダクトン類の合成法もよく知られており、例えば
野村男次と大村浩久共著「レダクトンの化学」(内田老
鶴圃新社1969年)に詳細に述べられている。
【0120】この中でも、本発明に用いるのに特に好ま
しいレダクトン類は、次の一般式(I)で示される化合
物である。
【0121】
【化57】
【0122】ここでRは水素原子または水酸基であり、
lは1から4の整数である。次に本発明に用いられるレ
ダクトン類の特に好ましい具体例をあげる。
【0123】
【化58】
【0124】
【化59】
【0125】本発明に用いられるレダクトン類はリチウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩
の形でも使用できる。これらのレダクトン類は、現像液
1リットル当り1から100g、好ましくは5から50
g用いるのが好ましい。
【0126】本発明の現像液には上記主現像主薬レダク
トン類の他に補助現像主薬としてジヒドロキシベンゼン
類(例えば、ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、
ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノ
ン、2,3−ジブロモハイドロキノン、2,5−ジメチ
ルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸カリ
ウム、ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウム、カテ
コ−ル、ピラゾ−ルなど)、3−ピラゾリドン類(例え
ば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1,
5−ジフェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−アセチル−4,
4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−ヒドロキシ
フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−
(2−ベンゾチアゾリル)−3−ピラゾリドン、3−ア
セトキシ−1−フェニル−3−ピラゾリドンなど)、3
−アミノピラゾリン類(例えば、1−(p−ヒドロキシ
フェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチル
アミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−
アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリン
など)およびフェニレンジアミン類(例えば、4−アミ
ノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミ
ノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチ
ル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルア
ニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β
−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニ
リンなど)等を添加することができる。
【0127】また、さらに、補助現像主薬として特願平
4−152,006号に記載されているようにアミノフ
ェノール類を用いても硬調な画像を得ることができる。
アミノフェノール類現像主薬としては4−アミノフェノ
ール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−(N−
メチル)アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノー
ル、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、N−
(2′−ヒドロキシエチル)−2−アミノフェノール、
2−ヒドロキシメチル−4−アミノフェノール、2−ヒ
ドロキシメチル−4−(N−メチル)アミノフェノール
やこれらの化合物の塩酸塩や硫酸塩などを挙げることが
できる。
【0128】これらの補助現像主薬の添加量は現像液1
リットル当り0.2gから20g、好ましくは0.5か
ら5gである。
【0129】本発明の画像形成方法では、還元電位がマ
イナスの有機化合物および芳香核に2個以上の水酸基を
有する有機化合物を含有したハロゲン化銀写真感光材料
を画像露光後、上述のレダクトン類を主現像主薬として
含有した現像液、または主現像主薬としてレダクトン類
を含有し補助現像主薬としてジヒドロキシベンゼン類、
3−ピラゾリドン類、3−アミノピラゾリン類、p−フ
ェニレンジアミン類またはアミノフェノ−ル類を含有す
る現像液にて現像処理することにより硬調な画像を得る
ことができる。
【0130】本発明に用いる現像液には前記必須成分以
外に保恒剤およびアルカリを含むことが望ましい。保恒
剤としては亜硫酸塩を用いることができる。亜硫酸塩と
しては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リ
チウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重
亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウムなどがある。こ
れらの亜硫酸塩の添加量は現像液1リットル当り0.5
モル以下が好ましい。
【0131】アルカリ剤は現像液のpHを9以上に設定
するために加えられる。pH設定のために用いるアルカ
リ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、第三燐
酸カリウムなどを用いることができる。
【0132】本発明に用いる現像液は、上記成分の他に
必要に応じて水溶性の酸(例えば、酢酸、ホウ酸)、p
H緩衝剤(例えば、第三燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、メタホウ酸ナトリウム、4ホウ酸リ
チウムなど)、無機カブリ抑制剤(例えば、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム)、有機カブリ抑制剤(例えば、1
ーフエニルー5ーメルカプトテトラゾール、5ーニトロ
インダゾールなど)、有機溶剤(例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、メチルセロソルブな
ど)、色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤などを
本発明の効果が損なわれない範囲内で使用することがで
きる。
【0133】本発明に用いる現像液の現像処理温度は摂
氏18度から50度の範囲が選ばれるが、より好ましく
は摂氏20度から40度の範囲である。
【0134】本発明に用いられる定着剤としては、一般
に用いられる組成のものを使用することができる。例え
ば、日本写真学会編「写真工学の基礎 銀塩写真編」3
30頁以降(1979年 コロナ社)、笹井明著「写真
の化学」320頁以降(1982年 写真工業出版社)
および“エス ピ− エス イ− ハンドブック オブ
フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニ
アリング(SPSEHANDBOOK OF PHOT
OGRAPHIC SCIENCE ANDENGIN
EERING)”ト−マス(W.THOMAS,J
r.)編、ジョンウィリィ アンド サンズ(JOHN
WILEY & SONS)社刊(1973年)52
8頁などを参照にすることができる。定着剤主薬として
は、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩のほか定着剤としての
効果の知られている有機硫黄化合物を用いることができ
る。また、定着助剤として酸剤(例えば、酢酸、クエン
酸など)、保恒剤(例えば亜硫酸ナトリウムなど)、緩
衝剤(例えばホウ酸など)および硬膜剤(例えば、カリ
ミョウバン、明バン、硫酸アルミニウムなど)などを用
いることができる。
【0135】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。
【0136】実施例1 40℃に保ったゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液と銀
1モル当り3.0×10-7 モルの六塩化ロジウム(I
II)ナトリウムを含む臭化カリウムおよび塩化ナトリ
ウムの混合水溶液(モル比 Br:Cl=30:70)
をpAg7.2に保ちながら同時に75分にわたって加
えることにより、平均粒径0.28μmの立方晶単分散
の塩臭化銀乳剤(AgCl;70モル%)を調製した。
常法により可溶性塩類を除去したのちハロゲン化銀1モ
ル当り5×10-5 モルのチオ硫酸ナトリウム、1.0
×10-5 モルの塩化金酸および1.24×10-3 モル
の沃化カリウムを加え、52.2℃で100分間化学熟
成した。この乳剤にはハロゲン化銀1モル当り80gの
ゼラチンを含む。このようにして調製した乳剤にハロゲ
ン化銀1モル当り6×10-3 モルの6−ヒドロキシ−
4−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンおよ
び4×10-3 モルのピリジニウム塩化合物(具体例番
号;N−68)を添加したのち乳剤を小分割し、それぞ
れ表1に示した芳香核に2個以上の水酸基を有する有機
化合物を添加したのち、予め下引層を塗布したポリエチ
レンテレフタレ−トベ−ス上に100cm2 当り40m
gの銀量になるように塗布した。これらの乳剤層の上に
硬膜剤としてホルマリンおよびジメチロ−ル尿素を含む
ゼラチン保護層を塗布して乾燥し、それぞれフィルム試
料番号1から5とした。
【0137】
【表1】
【0138】以上のようにして作製したフイルムの試料
にLBー200フイルターを用い、2666Kのタング
ステン光源にて段差0.15のステップウエツジを通して
5秒間露光したのち、下記組成の現像液1、2、3、
4、5および6で30℃、2分間現像処理し、停止、定
着、水洗そして乾燥した。
【0139】 現像液1の組成 メトール 7.5 g アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) 臭化カリウム 5.0 g メタホウ酸ナトリウム・4水塩 70.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 16.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調製後pH 10.8
【0140】 現像液2の組成 アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) 炭酸ナトリウム 26.5 g 亜硫酸ナトリウム 60.0 g 臭化カリウム 5.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 15.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調製後pH 12.0
【0141】 現像液3の組成 アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) ハイドロキノン 2.5 g メタホウ酸ナトリウム・4水塩 35.0 g 臭化カリウム 1.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 14.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調整後pH 10.8
【0142】 現像液4の組成 アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) フェニドン 1.2 g メタホウ酸ナトリウム・4水塩 35.0 g 臭化カリウム 1.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 10.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調整後pH 10.8 現像液5の組成 アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) 1−(p−ヒドロキシフェニル)−3− 3.5 g アミノピラゾリン メタホウ酸ナトリウム・4水塩 35.0 g 臭化カリウム 1.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 16.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調整後pH 10.8
【0143】 現像液6の組成 アスコルビン酸ナトリウム 10.0 g (レダクトン1ー1のナトリウム塩) CD−4* 4.75 g メタホウ酸ナトリウム・4水塩 35.0 g 臭化カリウム 1.0 g 5−ニトロインダゾ−ル 14.0 mg 水を加えて 1.0 l 10%NaOH水溶液にて調整後pH 12.0
【0144】*2−メチル−4−N−エチル−N−βヒ
ドロキシエチルアニリン硫酸1水塩
【0145】得られた写真特性を表2および表3に示
す。
【0146】
【表2】
【0147】
【表3】
【0148】表2および表3において、相対感度は評価
試料のカブリを除く濃度3.0が得られる露光量の逆数
の相対値で、実験番号1によるフィルム試料番号1を現
像液1で30℃、2分間現像処理した時の感度を100
として表した。ガンマはカブリを除く黒化濃度0.5と
3.0の間の平均勾配、カブリは非露光部の濃度を表
す。
【0149】次に、高温多湿条件下でのフィルム写真性
能の安定性を調べるために、作製したフィルム試料番号
1から5のフィルムを、温度30℃湿度80%の条件下
で10日間保存したのち、前述の操作と同様の方法で露
光、現像、停止、定着、水洗そして乾燥して評価サンプ
ルを得た。写真性能評価結果を表4および表5に示す。
【0150】
【表4】
【0151】
【表5】
【0152】表4および表5における写真性能は表2の
写真性能と同じ内容であり、相対感度も表2と同じく、
実験番号1のフィルム試料番号1を現像液1で30℃、
2分間現像処理した時の感度を100とした相対感度で
表した。
【0153】表2および表3の結果と表4および表5の
結果とを比較すれば明かなように、本発明によるハロゲ
ン化銀写真感光材料中に還元電位が−0.60ボルトよ
り卑なる有機化合物および芳香核に2個以上の水酸基を
有する有機化合物とを含有したフィルムは温度30℃湿
度80%で10日間保存した後でも十分に硬調化した良
好な硬調画像を得ることができる。一方、芳香核に2個
以上の水酸基を有する有機化合物を含有しない比較例の
場合(実験番号1、6、11、16、21および26に
対してそれぞれ実験番号31、36、41、46、51
および56とを比較)、フィルムが新鮮な間は良好な硬
調画像を得ることができるが、温度30℃湿度80%で
10日間保存した後では、ガンマが低下して硬調画像が
得られなくなる。
【0154】実施例2 化学熟成するまでは実施例1と同様の操作を行って調製
した塩臭化銀乳剤(AgCl;70モル%)にハロゲン
化銀1モル当り6×10-3 モルの6−ヒドロキシ−4
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、4×
10-3 モルのキノリニウム塩化合物(具体例番号;N
−28)およびハロゲン化銀1モル当り2gのポリアル
キレンオキサイド誘導体(具体例番号;P−17)を添
加したのち乳剤を小分割し、それぞれ表6に示した芳香
核に2個以上の水酸基を有する有機化合物を添加したの
ち、予め下引層を塗布したポリエチレンテレフタレ−ト
ベ−ス上に100cm2 当り40mgの銀量になるよう
に塗布した。これらの乳剤層の上に硬膜剤としてホルマ
リンおよびジメチロ−ル尿素を含むゼラチン保護層を塗
布して乾燥し、それぞれフィルム試料番号6から8とし
た。
【0155】
【表6】
【0156】以上のようにして作製したフイルムの試料
にLBー200フイルターを用い、2666Kのタング
ステン光源にて段差0.15のステップウエツジを通して
5秒間露光したのち、実施例1の現像液1および2で3
0℃、2分間現像処理し、停止、定着、水洗そして乾燥
し評価サンプルを得た。得られた写真特性を表7に示
す。
【0157】
【表7】
【0158】表7において、相対感度は評価試料のカブ
リを除く濃度3.0が得られる露光量の逆数の相対値
で、実験番号61によるフィルム試料番号6を現像液1
で30℃、2分間現像処理した時の感度を100として
表した。ガンマはカブリを除く黒化濃度0.5と3.0
の間の平均勾配、カブリは非露光部の濃度を表す。
【0159】次に、高温多湿条件下でのフィルム写真性
能の安定性を調べるために、実施例1と同様に作製した
フィルム試料番号6から8のフィルムを、温度30℃湿
度80%の条件下で10日間保存したのち、実施例1の
操作と同様の方法で露光、現像、停止、定着、水洗そし
て乾燥して評価サンプルを得た。写真性能評価結果を表
8に示す。
【0160】
【表8】
【0161】表8における写真性能は表7の写真性能と
同じ内容であり、相対感度も表7と同じく、実験番号6
1のフィルム試料番号6を現像液1で30℃、2分間現
像処理した時の感度を100とした相対感度で表した。
【0162】表7の結果と表8の結果とを比較すれば明
かなように、本発明によるハロゲン化銀写真感光材料中
に還元電位が−0.60ボルトより卑なる有機化合物、
芳香核に2個以上の水酸基を有する有機化合物およびポ
リアルキレンオキサイド誘導体とを含有したフィルムは
温度30℃湿度80%で10日間保存した後でも十分に
硬調化した良好な硬調画像を得ることができる。一方、
芳香核に2個以上の水酸基を有する有機化合物を含有し
ない比較例の場合(実験番号61および64に対して実
験番号67および70とを比較)、フィルムが新鮮な間
は良好な硬調画像を得ることができるが、温度30℃湿
度80%で10日間保存した後では、ガンマが低下して
硬調画像が得られなくなる。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、長期保存安定性に優
れ、高温多湿環境下での作業にも適する経時安定性の改
良されたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理してガン
マが10を越える超硬調ネガ画像が得られる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つのネガ型ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、かつ該乳剤層または他の少なく
    とも一つの親水性コロイド層に還元電位がマイナスであ
    るような有機化合物と芳香核に2個以上の水酸基を有す
    る有機化合物とを含有するネガ型ハロゲン化銀写真感光
    材料を画像露光後、レダクトン類を含むアルカリ性現像
    液で現像処理することを特徴とする超硬調ネガ画像の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンオキサイド又はその誘導
    体がネガ型ハロゲン化銀乳剤層又は他の親水性コロイド
    層中に存在する請求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 還元電位がマイナスの有機化合物がヘテ
    ロ環化合物である請求項1または請求項2記載の超硬調
    ネガ画像の形成方法。
  4. 【請求項4】 ヘテロ環化合物の還元電位が−0.60
    ボルトより卑である請求項3記載の超硬調ネガ画像の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 ヘテロ環化合物が色素である請求項3記
    載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  6. 【請求項6】 色素の還元電位が−0.60ボルトより
    卑である請求項5記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  7. 【請求項7】 ヘテロ環化合物がピリジニウム塩または
    その誘導体である請求項3記載の超硬調ネガ画像の形成
    方法。
  8. 【請求項8】 ピリジニウム塩またはその誘導体の還元
    電位が−0.60ボルトより卑である請求項7記載の超
    硬調ネガ画像の形成方法。
  9. 【請求項9】 ヘテロ環化合物がキノリニウム塩または
    その誘導体である請求項3記載の超硬調ネガ画像の形成
    方法。
  10. 【請求項10】 キノリニウム塩またはその誘導体の還
    元電位が−0.60ボルトより卑である請求項9記載の
    超硬調ネガ画像の形成方法。
  11. 【請求項11】 ヘテロ環化合物がイソキノリニウム塩
    またはその誘導体である請求項3記載の超硬調ネガ画像
    の形成方法。
  12. 【請求項12】 イソキノリニウム塩またはその誘導体
    の還元電位が−0.60ボルトより卑である請求項11
    記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  13. 【請求項13】 芳香核に2個以上の水酸基を有する有
    機化合物がpH11.0での酸化還元電位が正である請
    求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  14. 【請求項14】 レダクトン類が、一般式(I)で表さ
    れる化合物またはその塩である請求項1記載の超硬調ネ
    ガ画像の形成方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子または水酸基を表し、lは1から
    4の整数を表す。)
  15. 【請求項15】 レダクトン類を含むアルカリ性現像液
    が、補助現像薬としてジヒドロキシベンゼン類を含有す
    る請求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  16. 【請求項16】 レダクトン類を含むアルカリ性現像液
    が、補助現像薬として3−ピラゾリドン類を含有する請
    求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  17. 【請求項17】 レダクトン類を含むアルカリ性現像液
    が、補助現像薬として3−アミノピラゾリン類を含有す
    る請求項1記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 レダクトン類を含むアルカリ性現像液
    が、補助現像薬としてp−フェニレンジアミン類を含有
    する請求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
  19. 【請求項19】 レダクトン類を含むアルカリ性現像液
    が、補助現像薬としてp−アミノフェノ−ル類を含有す
    る請求項1記載の超硬調ネガ画像の形成方法。
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