JPH0618520U - 母屋ｃ型鋼への天井吊ボルト取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Ｃ型鋼を屋根母屋として使用する建築におい
て、天井吊りボルト上端をＣ型鋼に一動作で取付ける吊
りボルト支持金具を提供することを目的とする。 【構成】 勾配のある屋根梁の上に開口部を斜め上に向
けて取付けられたＣ型鋼の開口部に当接する当接鋼板
と、鉛直鋼板とにより下辺を溶接して三角形を形成し、
Ｃ型鋼の内法の高さよりやや短い長辺と、Ｃ型鋼の開口
部の巾より短い短辺よりなる矩形鋼板を、Ｃ型鋼の開口
部の厚さに等しい間隙を保って、当接鋼板と中央部で固
定し、鉛直鋼板には外面に吊ボルトに螺合するメネジ穴
を有する筒体を鉛直に固定した吊りボルト支持金具であ
る。その矩形鋼板を長辺を水平にしてＣ型鋼の開口部内
に入れ、当接鋼板との間隙に開口部縁を入れながら支持
金具を９０度回転すれば、支持金具は一動作でＣ型鋼に
固定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建築の母屋にＣ型鋼を使用している場合に、これに天井吊ボルトを簡 単に取付ける支持金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は軽量鉄骨建築などに母屋材としてＣ型鋼を使用している場合に、これに 天井吊ボルトを取付けるには図３に示すように、Ｃ型鋼２の背面に市販の天井吊 ボルト９を溶接し、溶接部の下端を鉛直に折り曲げ、その吊ボルト９の下端にハ ンガー１０を介してＣバー１１を吊り、更にグリップ１２によってＷバー１３を 取付け、その下面に天井板材１４をタッピング１５によって取付ける構造になっ ている。

【０００３】 上記の組み立て作業は建築職人が行うのであるが、溶接作業については殆ど全 部の職人が不得意であり、火傷をおったり目を傷めたりして安全第一の趣旨に反 していた。例え安全に施工できるにしても溶接作業そのものは、上記他の部材取 付作業の数倍の時間を消費し、天井吊ボルト取付作業を著しく非能率化していた 。又天井吊ボルトを溶接部の下端で鉛直に折り曲げる作業にしても、不安定な足 場の上で行うのは安全な作業とは言えない。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

本考案においては建築の母屋材としてのＣ型鋼に天井吊ボルトを取付ける工事 の中から、前記のように非能率で安全とは言えない溶接作業と、吊りボルトを溶 接部下端で鉛直に折り曲げる作業を廃して、一動作でＣ型鋼に取付け且つ天井吊 ボルトを直線状態のまま支持可能な金具を提供することを目的とする。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案に係わる天井吊ボルト支持金具は、母屋材としてのＣ型鋼の開口側に当 接する当接鋼板と鉛直鋼板とを、屋根勾配に等しい角度を挾んで接合した三角形 構造物で、高さはＣ型鋼の高さにほぼ等しくし、Ｃ型鋼への当接面にはＣ型鋼の 開口部の巾より小さい短辺とＣ型鋼の内法高さよりやや小さい長辺よりなる矩形 鋼板を、Ｃ型鋼の開口部の厚さの間隙を保って、長辺を三角形の高さ方向に平行 に互の中央部を固定し、又鉛直鋼板の外面には三角形の高さ方向に平行に、天井 吊ボルトに螺合するメネジ穴を有する円筒または角筒を固定したものである。

【０００６】

【作用】

前記三角形構造物はＣ型鋼の開口部の向きが棟側か軒側かにより、取付け方向 は頂点が下になるか上になるか、鉛直鋼板が鉛直になるように取付ける。 前記天井吊ボルト支持金具をＣ型鋼の開口部に取付けるには、支持金具の高さ 方向を水平に持って矩形鋼板をＣ型鋼の開口部内に入れ、開口部縁線が矩形鋼板 と当接鋼板の間隙に入るようにして、支持金具を９０度回転すれば、支持金具は Ｃ型鋼の開口部の上下縁に引っ掛かって固定される。上記間隙を上下両端では大 きく中央で小さくなるように勾配を付けておけば、支持金具のＣ型鋼への取付け は容易に且つ強固になり、取付けは一動作で完了する。この場合矩形鋼板の下辺 をＣ型鋼内側底面に接触させると吊下げる天井面が安定する。

【０００７】 次に鉛直鋼板の中央に固定された円筒または角筒に、市販の総ネジ吊ボルトを 下方からネジ込めば吊ボルト装着は完了する。吊ボルトは天井板材を取付けると 回転しないので、円筒または角筒の上端下端でロックナットで締付ける必要はな い。その下部の天井吊り構造は従来と同じである。

【０００８】

【実施例】

図１はＣ型鋼開口部を屋根梁の棟側に向けて固定した場合の天井吊ボルト支持 金具の側面図、図２は支持金具の正面図である。１は勾配を有する屋根梁で、母 屋Ｃ型鋼２が取付けられている。天井吊りボルト支持金具３は当接鋼板４と鉛直 鋼板７を接合して三角形を作り、各外面に矩形鋼板５とネジ穴を有する筒体８を 固定した構造物である。該構造物をＣ型鋼２に取付けるには、矩形鋼板５を長辺 をＣ型鋼の開口部の上下縁に平行にしてＣ型鋼２の内部に入れ、Ｃ型鋼の開口部 の上下縁６が、当接鋼板４と矩形鋼板５の間に距離片１６によって作られた隙間 に入るように、９０度回転することにより、一動作で支持金具３をＣ型鋼２に固 定することができる。尚、上記隙間はＣ型鋼の開口部の上下縁６が入り易いよう に両端は広くなっている。支持金具３を取付けた後、矩形鋼板５の下端はＣ型鋼 ２の内側底面に接触させて、支持金具３のずれ下がりを防止する。

【０００９】 支持金具３がＣ型鋼２に取付けられると、支持金具３の鉛直鋼板７に固定され た円筒または角筒８は鉛直となるので、これに下方から総ネジを切った天井吊ボ ルト９をネジ込めば天井吊ボルト９の装着は完了する。吊ボルト９の下部の天井 取付け構造は従来と同じである。

【００１０】

【考案の効果】

Ｃ型鋼を屋根母屋に使用する建築においては、天井の吊ボルトは母屋のＣ型鋼 から下げられている。従来は吊ボルト上端をＣ型鋼に溶接した後、溶接部の下端 で折り曲げて鉛直に直していたが、溶接は建築職人にとっては不得手な作業であ って火傷を負ったり目を傷めたりする危険性があり、時間が掛かって非能率であ った。又折り曲げ作業も足場の上での力仕事になるので危険性があり、曲げ角度 も不正確になりがちであった。 本考案の吊りボルト支持金具は一動作でＣ型鋼に固定することが可能であり、 吊りボルトは円筒または角筒にネジ込むだけで良く、安全で所要時間が短く作業 能率は著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＣ型鋼に固定した天井吊ボルト支持金
具の側面図

【図２】同上の支持金具の正面図

【図３】従来の天井吊ボルトの構造図

【符号の説明】

１ 屋根梁 ２ Ｃ型鋼 ３ 吊ボルト支持金具 ４ 当接鋼板 ５ 矩形鋼板 ６ 開口部縁 ７ 鉛直鋼板 ８ 円筒または角筒 ９ 天井吊ボルト １１ Ｃバー １３ Ｗバー １５ 天井板 １６ 距離片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｃ型鋼を屋根の母屋に使用する建築に
   おいて、天井吊ボルト上端をＣ型鋼にて支持するための
   支持金具として、Ｃ型鋼の開口側に当接する当接鋼板と
   鉛直鋼板とを、屋根勾配に等しい角度を挾んで接合した
   Ｃ型鋼の高さにほぼ等しくい三角形構造物を作り、Ｃ型
   鋼の開口部の巾より小さい短辺とＣ型鋼の内法高さより
   やや小さい長辺を有する矩形鋼板を、Ｃ型鋼の開口部の
   厚さの間隙を保って、長辺を三角形構造物の高さ方向に
   平行にして、Ｃ型鋼の当接面と互いの中央部を固定し、
   更に鉛直鋼板の外面には三角形構造物の高さ方向に平行
   に、天井吊ボルトに螺合するメネジ穴を有する筒体を固
   定した母屋Ｃ型鋼への天井吊ボルト取付金具