JPH076326U - 外壁パネルの自重受け金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 建築物の外壁を乾式工法で形成する場合に、
現場で溶接作業が一切必要ない自重受け金具を提供す
る。 【構成】 自重受け金具１は建築物躯体の梁２の上フラ
ンジに螺着するための長孔が所望間隔で穿設されている
水平部と、平行に相対する一対の垂直部の対向する位置
に所望間隔で後記受け金具を挿通可能な透孔が設けられ
ている垂直部とからなる定規アングル３，６と、この定
規アングルの前記垂直部の透孔に水平に挿入してパネル
の下端部を支承する鈎型の受け金具４とを具備したもの
である。また前記定規アングルの屋内側垂直部の透孔は
平行に二段に穿設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は乾式工法で建築物の外壁を構成する縦壁パネルの下端部を支承する 自重受け金具の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＡＬＣパネル等を使用して建築物の外壁を乾式工法で形成する場合には、一般 に図５，６のように建築物躯体の梁１２の上フランジに断面がＬ字状の定規アン グル１３を位置決めして溶接し、この定規アングル１３に断面がＴ字状の受け金 具１４を溶接する。それからパネル１１の下端部をこの受け金具１４で支承する と共にイナヅマプレート１５を取着して定規アングル１３を挟持させる。一方パ ネルの上端部は受け金具１４に螺着している。しかしこの工法では建築現場で梁 １２に定規アングル１３を溶接し、更にこの定規アングル１３に受け金具１４の 水平部の全長を溶接する必要があるので、仮設足場上で熟練作業員が溶接作業し なくてはならず手数がかかる問題があるばかりでなく、溶接の際にパネル表面を 汚染する問題もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は建築物の外壁を乾式工法で形成する場合に、現場で溶接作業が一切 必要ない自重受け金具を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案の自重受け金具は建築物躯体の梁の上フランジに螺着するための長孔 が所望間隔で穿設されている水平部と、平行に相対する一対の垂直部の対向する 位置に所望間隔で後記受け金具を挿通可能な透孔が設けられている垂直部とから なる定規アングルと、この定規アングルの前記垂直部の透孔に水平に挿入してパ ネルの下端部を支承する鈎型の受け金具とを具備したものである。また前記定規 アングルの屋内側垂直部の透孔は平行に二段に穿設したものである。

【０００５】

【作用】

この金具は上記のように構成されているので、水平部を梁の上フランジに螺着 し、垂直部の透孔に受け金具を挿入すればよいので、現場で溶接する必要がない 。また受け金具の鈎状部を二段の孔に嵌合するので溶接しなくても外れることは ない。更に受け金具は定規アングルの任意の位置に配設することができる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面によって説明する。図１は本考案の自重受け金具 の斜視図であり、図２，３はこの金具を使用して構成した縦壁の縦断面図である 。この自重受け金具１は定規アングル３と受け金具４とからなり、定規アングル ３は建築物躯体の梁２の上フランジ２ａに螺着するための長孔３ｄが所望間隔で 穿設されている水平部３ａと、平行に相対する一対の垂直部３ｂ，３ｃの対向す る位置に所望間隔で後記受け金具４を挿通可能な透孔３ｃが設けられている垂直 部とからなっており、後方の垂直部３ｃには前記透孔３ｅが二段になっている。 また、受け金具４は条材の一方の端部が折り曲げられた鈎状をなし、この受け金 具４を前記定規アングル３の垂直部の透孔３ｅに水平に挿入してパネル５の下端 部を支承するようになっている。更に梁２の下フランジ２ｂに取着する逆Ｌ字状 の定規アングル６の水平部にも下フランジ２ｂに螺着するため、長手方向と直角 な方向に長孔６ａが所望間隔で穿設されている。尚前記定規アングル３の透孔３ ｅの間隔は必要に応じて適宜選定すればよいが、例えば１５５ｍｍピッチとすれ ば幅が６００ｍｍまたは３００ｍｍのパネルの端部または中央部を受け金具で支 承するのに好都合である。

【０００７】 この金具１を使用して縦壁を構成するには、図２，３のように先ず定規アング ル３，６を梁２の上下のフランジ２ａ，２ｂから外側に所定寸法突出させた状態 で、長孔３ｄ，６ａと予めフランジ２ａ，２ｂに所望間隔で穿孔されている孔に ボルト７を挿入しナット７ａで螺着する。それから受け金具４を定規アングル３ の透孔３ｅに水平に挿入してからパネル５を釣り込み、その下端部を受け金具４ に支承させる。そしてパネル５の上下端部近辺に予め取着してあるイナヅマプレ ート８とパネル５の裏面とで、定規アングル３，６の垂直部を挟持すればよい。 尚この受け金具４はパネル５の隣接部に挿入して両者を支承してもよいし、各パ ネル５の中央部に挿入して単独に支承するようにしてもよい。

【０００８】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案の金具を使用して縦壁を構成すれば、上下 の定規アングルを梁に取着する場合も、受け金具を定規アングルに取着する場合 も溶接部がないので作業が容易で安全性にも勝れ、パネルを汚染することもない し工期も短縮することができる。また受け金具の鈎状部を二段の孔に嵌合するの で溶接しなくても外れることはない。更に受け金具は定規アングルの任意の位置 に配設することができる等簡単な構造で実用上顕著な効果がえられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の金具の斜視図である。

【図２】本考案の金具を使用して構成した縦壁のパネル
隣接部の縦断面図である。

【図３】本考案の金具を使用して構成した縦壁のパネル
中央部の縦断面図である。

【図４】下向き定規アングルの斜視図である。

【図５】従来の金具の取り付け状況を説明する斜視図で
ある。

【図６】従来の金具を使用した縦壁の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 自重受け金具 ２，１２ 梁 ３，６，１３ 定規アングル ４，１４ 受け金具 ５，１１ パネル ７ ボルト ８ イナヅマプレート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物の外壁を構成する縦壁パネルの下
   端部を支承する自重受け金具であって、建築物躯体の梁
   の上フランジに螺着するための長孔が所望間隔で穿設さ
   れている水平部と、平行に相対する一対の垂直部の対向
   する位置に所望間隔で後記受け金具を挿通可能な透孔が
   設けられている垂直部とからなる定規アングルと、この
   定規アングルの前記垂直部の透孔に水平に挿入してパネ
   ルの下端部を支承する鈎型の受け金具とを具備している
   ことを特徴とするパネルの自重受け金具。
2. 【請求項２】 前記定規アングルの屋内側垂直部の透孔
   は平行に二段に穿設されていることを特徴とする請求項
   １記載のパネルの自重受け金具。