JPH0618505B2 - 醗酵型クリ−ムの製造法 - Google Patents

醗酵型クリ−ムの製造法

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JPH0618505B2
JPH0618505B2 JP61165617A JP16561786A JPH0618505B2 JP H0618505 B2 JPH0618505 B2 JP H0618505B2 JP 61165617 A JP61165617 A JP 61165617A JP 16561786 A JP16561786 A JP 16561786A JP H0618505 B2 JPH0618505 B2 JP H0618505B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低脂肪の範囲においても、固さと、良好な組織
を有する固形状の醗酵型クリームの製造法に関し、例え
ば製菓用素材,料理用素材等に利用することができる。
[技術の背景及び従来技術の説明] 従来、醗酵クリームは、クリームを殺菌し、次に冷却
し、乳酸菌スターターを添加し、一定時間醗酵後、冷却
して製造される。クリームは酸性の環境では、凝集を起
しペースト状を形成する。しかしながらクリームは酸性
域では不安定となり、組織からの離水や、荒れ、等の好
ましくない現象が発生する。これらを解決するために種
々の工夫がなされている。例えば、醗酵前にクリームを
均質化することにより安定化させたり、クリームへの乳
固形分の添加、蛋白質の添加、加工澱粉等の各種の安定
剤の添加が行なわれている。
一方、従来のクリームを醗酵させる複雑な製造法を簡易
化し、殺菌型の物や大量の製造法の開発、醗酵後の小分
け充填等を可能にするために、クリームに醗酵乳等を添
加して、醗酵法により製造された醗酵クリームと同様の
組織をもった醗酵型クリームを開発する試みがなされて
いるが、ゲル化剤等を用いた従来の方法では、良好な組
織を有した固いクリームは開発されていない。
本発明等は、従来品における上記のような問題点を解決
すべく、多くの研究を重ねたが、この研究において、水
中油型乳化物のクリームに醗酵乳を添加するに際して、
水中油型乳化物の調製における乳化安定剤の組合せ、油
脂粒の粒径および原料油脂の固体脂比率を調整すると、
低油脂含有乳化物であっても、固さと良好な組織を有す
る醗酵型クリームが得られることを見出し、この知見に
基づいて本発明に到達した。
〔発明の目的及び発明の要約〕
本発明の目的は15〜38.5%(重量)の油脂を含有し、醗
酵クリームの特性を有し、低脂肪含量で固くて良好な組
織を有する醗酵型クリームの製造法を提供することにあ
る。
本発明は、10℃における固体脂比率が40%(重量)以下
の油脂に、唯一の乳化剤として油相の0.4〜5%(重
量)のレシチンを加え溶融して油相成分を調製するこ
と、水に水相の7〜12%(重量)の蛋白質を溶解し、水
相成分を調製すること、最終製品の70〜45%(重量)の
前記水相成分に、最終製品の30〜55%(重量)の前記油
相成分を混合し、得られた混合物を予備乳化し、次いで
高圧均質機を用いて400〜900kg/cm2の高圧におい
て均質乳化し、乳化物中の油脂粒の平均粒径を1μ以下
に調整して乳化物を調製すること、及び得られた醗酵乳
を添加し、攪拌して均一に混合することを特徴とする醗
酵型クリームの製造法である。
本発明の醗酵型クリームの製造において、最終製品中の
乳化物と醗酵乳の割合を30〜70%(重量)とし、それに
よって見掛け硬度及びなめらかで均一な組織を有し、離
水のない良好な製品を得ることができ、最終製品中の油
脂の割合を15〜38.5%(重量)とし、それによって見掛
け硬度及び保水性を有するなめらかな良好な組織の製品
を得ることができ、また水相成分の蛋白質として、レン
ネットカゼイン、酸カゼイン、これらのカゼインのアル
カリ塩、脱脂脱塩粉乳、脱脂脱塩濃縮乳およびこれらの
混合物からなる群より選択されたものを使用することが
でき、さらに、醗酵乳とて、全乳、脱脂乳、チーズホエ
ー、バターミルク、還元脂脂乳、還元チーズホエー、還
元バターミルクおよびこれらの混合物からなる群より選
択されたものを使用することができる。
〔発明の具体的な説明〕
本明細書における油脂粒の平均粒径は、遠心式粒度分布
測定装置〔堀場製作所製(CAPA−500型)〕を使用し、
遠心速度3000rpm及び粒子間隔が0.5から8μの範囲の累
積粒度分布が50%に達したときの粒径である。
本発明の醗酵型クリームは以下に述べる方法によってつ
くられる。
油脂に、油相の0.4〜5%(重量)のレシチンを加え、
得られた混合物を攪拌しながら加温して溶解し、70〜80
℃の温度に保持して、乳化物の30〜55%(重量)の油相
成分を調製する。
これとは別に水に水相の7〜12%(重量)の蛋白質を加
え、得られた混合物を攪拌しながら加温して溶解し、70
〜80℃の温度に保持して、乳化物の70〜40%(重量)の
水相成分を調製する。
水相成分の調製において、蛋白質を溶解する時に、少量
のリン酸塩を加える事ができる。このリン酸塩は、食品
の加工に使用されるものであれば、いかなるものであっ
ても、これを使用することができる。
この水相成分に、上記の油相成分を混合し、得られた混
合物を常法(たとえば、スーパーミキサーによる激しい
攪拌)によって、予備乳化し、必要に応じて殺菌した
後、予備乳化液を70〜80℃の温度に保持し、高圧均質機
を使用して、高圧(たとえば、400〜900kg/cm2)におい
て均質乳化して、油脂粒の平均粒径を1μ以下に調製
し、得られた水中油型乳化物を10℃に急冷して乳化物を
得る。
得られた乳化物に醗酵乳を添加し、攪拌して均一に混合
し、冷温に保持して醗酵型クリームを得る。最終製品中
の乳化物の量は30%(重量)以上、望ましくは30〜70%
(重量)で、醗酵乳が70〜30%(重量)である。
油相成分の調製において使用する油脂は、10℃における
固体脂比率が40%(重量)以下であれば、いかなるもの
であっても、これを使用することができる。たとえば、
通常の食用動植物油脂、それらの混合油脂などである。
油脂の固体脂比率は、核磁気共鳴スペクトル分析法〔ビ
ー・エル・マジスン・アンド・アール・シー・ヒル:ジ
ャーナル・オブ・ジ・アメリカン・オイル・ケミスツ・
ソサイエテイ(B.L.Madison&R.C.Hill:Journal of the
American Oil Chemist's Society)第55巻 第3号 第
328頁(1978年)〕によって測定される。
油相成分の調製において使用するレチンは、市販のいか
なるものであっても、これを使用することができる。
水相成分の調製において使用する蛋白質は、レンネット
・カゼインまたは酸カゼイン等のカゼイン,カゼイン・
ナトリウム等のカゼイン・アルカリ塩,脱塩脱脂乳,脱
塩脱脂粉乳,バターミルク,バターミルク濃縮物,粉末
バターミルク,これらの酵素分解物,またはこれらの混
合物を使用することができる。
乳化物に混合する醗酵乳は、全乳,脱脂乳,チーズホエ
ー,バターミルク,還元全脂乳,還元脱脂乳,還元チー
ズホエー,還元バターミルク及びこれらの混合物からな
る群より選択された原料を乳酸醗酵させたものを使用す
ることができる。又、これらの醗酵乳とともに、呈味成
分,糖類,魚貝類,肉類,野菜類等を添加することもで
きる。
前記のようにして調製された本発明の醗酵型クリームは
適当な固さを有し、組織もなめらかで、良好な保水性を
有している。
以下において、試験例を示して本発明をさらに詳細に説
明する。
[試験例1] 乳化物の油脂含量と醗酵型クリームの特性の関係を試験
した。
(1)試料の調製 10℃における固体脂比率が24%(10℃における核磁気共
鳴スペクトル法で測定した数値)の市販の乳脂肪を使用
し、乳化物の油脂含量を25〜60%(重量)としたこと以
外は実施例1と同様の方法により醗酵型クリームを調製
し、これを試料とした。又、比較試料として、市販の45
%生クリーム,47%生クリームを用いた。尚これらのク
リームは実施例1と同様に醗酵乳を添加混合した。
(2)試験方法 乳化物の脂肪球の粒度分布の測定 試料を蒸留水により、500〜2000倍に希釈し、遠心式自
動粒度分布分析機(堀場製作所製)を使用して、脂肪球
の粒度分布を測定した。
醗酵型クリームの見かけ硬度の測定 乳化物に醗酵乳を添加し、均一に混合した試料を冷温で
24時間保存後、スプーンですくった状態から判定した。
判定基準は下記のとおり実施した。
良好:固く、保型性があり、又固形状を保ち、流動性の
ないもの。
不良:組織軟く、保型性が無く、流動状であるもの。
醗酵型クリームの内部組織の測定 試料をスプーンですくい、その内部を観察することによ
り判定した。
判定基準は下記のとおり実施した。
良好:なめらかで、均一な細かい組織をしているもの。
不良:組織が荒いもの、バサバサしているもの、ドロド
ロしているもの。
醗酵型クリームの保水性の測定 試料の外観より判定した。
判定基準は下記のとおり実施した。
良好:組織から水分の分離が検出されないもの。
不良:水分の分離が観察されるもの。
(3)試験結果 この試験の結果は第1表に示すとおりであった。
油脂含量が30%(重量)未満の乳化物からなる試料は、
組織が軟弱で流動性があり、良好な組織ではなかった。
乳化物の油脂含量が55%(重量)を越える乳化物からな
る試料は、乳化物が不安定であり、良好な組織の醗酵型
クリームが得られなかった。一方、油脂含量が30〜55%
(重量)の乳化物を用いた試料は、乳化物の安定性も良
好で、醗酵型クリームの見かけ硬度もあり、なめらか
で、保水性のある良好な組織を有していた。
醗酵乳を添加した市販のクリームは、見かけ硬度も軟弱
で、安定性が悪く、組織も荒れた状態で離水の多い不良
な組織であった。
[試験例2] 乳化物と醗酵乳の混合比と醗酵型クリームの特性の関係
を試験した。
(1)試料の調製 乳化物と醗酵乳の混合比を乳化物20〜80%(重量)に対
して醗酵乳を80〜20%(重量)にしたこと及び乳化物の
脂肪含量を30%及び55%(重量)にしたこと、又蛋白質
の量を水相に対して9%(重量)としたこと以外は実施
例1と同様にして醗酵型クリームを調製し、これを試料
とした。
(2)試験方法 脂肪球の粒度分布、醗酵型クリームの特性の測定は試験
例1と同一の方法で行なった。
(3)試験結果 結果は表2に示すとおりであった。
油脂含量が30%(重量)の乳化物からなる試料では、最
終製品中の醗酵乳の割合が30%(重量)未満の試料は組
織が軟弱で流動性があり、良好な組織ではなった。又、
醗酵乳の割合が50%(重量)を越える試料は、組織が軟
弱で荒く、良好な組織ではなかった。
油脂含量が55%(重量)の乳化物からなる試料では、最
終製品中の醗酵乳の割合が30%(重量)未満の試料は、
組織が軟かく、流動性があった。又、醗酵乳の割合が70
%を越える試料は、組織が軟弱で、なめらかさがなく、
良好な組織ではなかった。
最終製品中の油脂含量の最低値は、乳化物の油脂含量が
30%(重量)で、醗酵乳の割合が50%(重量)の時に良
好な組織の醗酵型クリームが得られた。又、最終製品中
の油脂含量の最高値は乳化物の油脂含量が55%(重量)
で、醗酵乳の割合が30%(重量)の時に最良な組織の醗
酵型クリームが得られる。
最終製品中の醗酵乳の割合が30〜70%(重量)の試料
は、見かけ硬度があり、内部組織がなめらかな均一の状
態で、離水のない良好な組織を有していた。
[試験例3] 乳化物のレシチン含量と醗酵型クリームの特性の関係を
試験した。
(1)試料の調製 レシチン含量を油相に対して、0.2〜5.4%(重量)とし
たこと、及び蛋白質の量を水相に対して9%(重量)に
したこと及び乳化物の脂肪含量を50%(重量)にしたこ
と以外は実施例1と同様にして、醗酵型クリームを調製
し、これを試料とした。
(2)試験方法 脂肪球の粒度分布、醗酵型クリームの特性の測定は試験
例1と同一の方法で行なった。
(3)試験結果 結果は表3に示すとおりであった。
油相に対するレシチンの割合が0.2%(重量)の試料
は、見かけ硬度が軟弱で流動性があり、組織も荒れてい
た。又、油相に対するレシチンの割合が5.4%(重量)
の試料は、同様に見かけ硬度が軟弱で、流動性があり、
良好な組織ではなかった。
油相に対するレシチンの割合が0.4〜5%(重量)の試
料は、見かけ硬度が良好であり、内部組織もなめらか
で、保水性のある良好な製品が得られた。
油脂の種類、試料の油脂含量及び蛋白質含量を変更し
て、同様の試験を行なったが、いずれの場合も同様な結
果が得られた。
[試験例4] 乳化物の蛋白質含量と醗酵型クリームの特性の関係を試
験した。
(1)試料の調製 水相に対する蛋白質含量を6〜13%(重量)に変化させ
たこと及びレシチンを油相に対して3%(重量)加え、
さらに乳化物の脂肪含量を50%(重量)にしたこと以外
は、実施例1と同一の方法で醗酵型クリームを調製し、
これを試料とした。蛋白質は、カゼイン・ナトリウム
(ニュージーランド産)を使用した。
(2)試験方法 脂肪球の粒度分布、醗酵型クリームの特性の測定は、試
験例1と同一の方法で行なった。
(3)試験結果 結果は表4に示すとおりであった。
水相における蛋白質含量が6%(重量)の試料は、脂肪
球の平均粒径が1μを超えている。見かけ硬度が不良で
あり、内部組織も保水性も不良である。また水相におけ
る蛋白質含量が13%(重量)の試料は、いずれも所望の
特性を示さなかった。
水相における蛋白質含量が7〜12%(重量)の試料は、
見かけ硬度が良好で、固形状を保ち、なめらかな組織を
しており、保水性も良好であり、醗酵型クリームとして
良好な製品が得られた。
油脂の種類及び試料の油脂含量等を変更して同様の試験
を行なったが、いずれの場合も同様な結果が得られた。
[試験例5] 乳化物の油脂の固体脂比率と醗酵型クリームの特性の関
係を試験した。
(1)試料の調製 0%及び52.5%の固体脂比率(10℃における核磁気共鳴
スペクトル法で測定した数値)の市販のナタネ油及びヤ
シ油を混合して、固体脂比率が0〜52.5%の油脂を調製
した。これらの油脂を使用したこと又、蛋白質含量を水
相に対して8%(重量)にしたこと以外は実施例1と同
一の方法により醗酵型クリームを調製し、これを試料と
した。
(2)試験方法 脂肪球の粒度分布、醗酵型クリームの特性の測定は、試
験例1と同一の方法で行なった。
(3)試験結果 結果は第5表に示す通りであった。
油脂の固体脂比率が52.5%の試料は見かけ硬度が不良で
ある。又、組織も荒れており、保水性も不良であった。
油脂の固体脂比率が40%以下の試料は見かけ硬度が良好
である。又、内部組織もなめらかで良好であり、保水性
も良好な製品が得られた。
尚、油脂の種類及び試料の油脂含量を変更して同様の試
験を行なったが、いずれの場合も同様な結果が得られ
た。
[試験例6] 乳化物の脂肪球の平均粒径と醗酵型クリームの特性の関
係を試験した。
(1)試料の調製 均質圧を200〜900kg/cm2に変更して、乳化物の脂肪球の
平均粒径を0.79〜1.35μに調製したこと、乳化物の脂肪
含量を45%(重量)としたこと、更に蛋白質の量を水相
に対して10%(重量)の割合で添加したこと以外は実施
例1と同一の方法により醗酵型クリームを調製し、これ
を試料とした。
(2)試験方法 脂肪球の粒度分布、醗酵型クリームの特性の測定は試験
例1と同一の方法で行なった。
(3)試験結果 結果は第6表に示す通りであった。
脂肪球の平均粒径が1μを越える試料は、見かけ硬度が
不良であり、内部組織も荒れ、保水性も不良であった。
これに対して脂肪球の平均粒径が1μ以下の試料は、見
かけ硬度が良好で固形状を形成し、内部組織及び保水性
の良好な製品が得られた。
尚、油脂の種類、試料の油脂含量及び乳化剤の割合を変
更して、同様の試験を行なったが、いずれも同様な結果
が得られた。
以下において、本発明の実施の一例を示すが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 乳化物における油脂含量が55%(重量)であり、乳化物
50部(重量)に対して醗酵乳が50部(重量)である醗酵
型クリームを製造した。
バター・オイル[ニュージーランド産、10℃における固
体脂比率24%、脂肪率100%]26.95kgにレシチン[味の
素(株)社製]0.55kg[油相に対して約2%(重量)に
相当する]を加え、80℃に加温し攪拌溶融し、乳化物の
油相成分を調製し、これをその温度に保持した。
これとは別に水19.90kgにカゼイン・ナトリウム(ニュ
ージーランド産)2.46kg[水相に対して約11%(重量)
に相当する]、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.14kg[水
相に対して約0.6%(重量)]を加え、80℃に加温して
攪拌溶解し、その温度に保持して乳化物の水相成分を調
製した。水相成分に前記乳化物の油相成分を加え、混合
物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社製)によっ
て、80℃において10分間攪拌して予備乳化し、次に85℃
において15分間加熱殺菌し、得られた混合物を高圧型均
質機(三丸機械工業社製)により80℃の温度及び600kg/
cm2の圧力において均質化し、その直後に10℃に急冷
し、乳化物47kgを得た。
脱脂乳48.5kgを85℃に加温し、15分間殺菌し、30℃に冷
却した。乳酸菌スターター[菌種:ラクトバチルス・ブ
ルガリクス]を1.5kg添加し、均一に混合し、30℃で18
時間醗酵後、冷温に保持して醗酵乳48kgを得た。
この乳化物45kgに醗酵乳45kgを加え、攪拌して均一に混
合し、冷温に保持して、醗酵型クリーム約90kgを得た。
この醗酵型クリームの特性を試験例1と同様にして試験
した。その結果、見かけ硬度が良好で、固形状で保型性
があり、内部組織は、なめらかで保水性のある良好な製
品であった。
実施例2 乳化物における油脂含量が50%(重量)であり、乳化物
50部(重量)に対して、醗酵乳が50部(重量)である醗
酵型クリームを製造した。
市販の無塩バター[脂肪率:80%(重量)]31kgを80℃
に加温し、レシチン[味の素(株)社製]0.5kg[油脂
に対して約2%(重量)に相当する]を加え、攪拌溶融
し、乳化物の油相成分(1部水相を含む)を調製し、こ
れをその温度に保持した。
これとは別に水16.1kgにカゼイン・ナトリウム(ニュー
ジーランド産)2.25kg[水相に対して約9%(重量)に
相当する]、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.15kg[水相
に対して約0.6%(重量)]を加え、80℃に加温して、
攪拌溶解し、その温度に保持して乳化物の水相成分を調
製した。水相成分に前記乳化物の油相成分(1部水相を
含む)を加え、混合物をT.K.ホモミキサー(特殊機
化工業社製)によって、80℃において10分間攪拌して予
備乳化し、次に85℃において、15分間加熱殺菌し、得ら
れた混合物を高圧型均質機(三丸機械工業社製)によ
り、80℃の温度及び700kg/cm2の圧力において均質化
し、乳化物47kgを得た。脱脂乳48.5kgを85℃に加温し、
15分間殺菌し、30℃に冷却した。乳酸菌スターター[菌
種:ラクトバチルス・ブルガリクス]を1.5kg添加し、
均一に混合し、30℃で18時間醗酵後、冷温に保持して醗
酵乳48kgを得た。
この乳化物45kgに醗酵乳45kgを加え、攪拌して均一に混
合し、冷温に保持して、醗酵型クリーム約90kgを得た。
この醗酵型クリームの特性を試験例1と同様にして試験
した。その結果、見かけ硬度が良好で、固形状で、保型
性があり、内部組織はなめらかで、保水性のある良好な
製品であった。
[発明の効果] 本発明の醗酵型クリームは、低脂肪含有においても、硬
度のある組織を有している。
本発明の醗酵型クリームは、殺菌型とすることが可能で
ある。
本発明の醗酵型クリームは、小分けして充填することが
可能である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−145959(JP,A) 特開 昭54−27292(JP,A) 特公 昭42−27292(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)10℃における固体脂比率が40%
    (重量)以下の油脂に、唯一の乳化剤として油相の0.
    4〜0.5%(重量)のレシチンを加え、溶融して油相
    成分を調製すること、 b)水に水相の7〜12%(重量)の蛋白質を溶解し、
    水相成分を調製すること、 c)最終製品の70〜45%(重量)の前記水相成分
    に、最終製品の30〜55%(重量)の前記油相成分を
    混合し、得られた混合物を予備乳化し、次いで高圧均質
    機を用いて400〜900kg/cm2の高圧において均質乳
    化し、乳化物中の油脂粒の平均粒径を1μ以下に調製し
    て乳化物を調製すること、及び d)得られた乳化物に醗酵乳を添加し、攪拌して均一に
    混合すること、 を特徴とする醗酵型クリームの製造法。
  2. 【請求項2】最終製品中の乳化剤と醗酵乳の割合がされ
    ぞれ30〜70%(重量)及び70〜30%(重量)で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の醗
    酵型クリームの製造法。
  3. 【請求項3】最終製品中の油脂の割合が15〜38.5
    %(重量)であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項又は第2項に記載の醗酵型クリームの製造法。
  4. 【請求項4】水相成分の蛋白質が、レンネットカゼイ
    ン,酸カゼイン,これらのカゼインのアルカリ塩,脱塩
    脱脂粉乳,脱塩脱脂濃縮乳及びこれらの混合物からなる
    群より選択されるものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の醗酵型クリ
    ームの製造法。
  5. 【請求項5】醗酵乳が全乳、脱脂乳、チーズホエー、バ
    ターミルク、還元全脂乳、還元チーズホエー、還元バタ
    ーミルク、及びこれらの混合物からなる群より選択され
    た原料を乳酸醗酵させたものであることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の醗酵
    型クリームの製造法。
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