JP4112669B2 - 起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物(以下、「乳化剤組成物」ともいう)に関し、詳しくは、ホイップする前のホイップクリームミックス(以下、単に「ミックス」ともいう)の安定性に優れ、かつ外観の良好なホイップドクリーム、アイスクリーム等の起泡性水中油型乳化物の製造に用いられる乳化剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
起泡性水中油型乳化物は、保存中あるいは流通の段階でミックスの分離やボテが発生しないように安定性を有していなくてはならない。また、起泡させたときにおいては、適度に解乳化、すなわち乳化が壊れなければならない。このような相反する2つの機能が要求される起泡性水中油型乳化物には、さらに、起泡させた状態において、表面のキメが細かく、離水・離油のない食感と優れた外観性が要望されている。
【0003】
このミックスの安定性と適度な解乳化という相反する要求を満たすため、乳化剤は非常に重要な役目を果たす。
【0004】
従来、起泡性水中油型乳化物を調製するとき、高HLB値と低HLB値の乳化剤を組み合わせたり、あるいはα結晶性の乳化剤を使用するなどの方法が提案された。この中にはコハク酸モノグリセリドやクエン酸モノグリセリドなどの有機酸モノグリセリドを利用した方法もある。例えば、
▲1▼特開昭62−95133号公報や特開平2−308766号公報に示されているような、コハク酸モノグリセリドとレシチンとの混合物を用いる方法、
▲2▼特開平8−170号公報に示されているような、コハク酸モノグリセリドと乳タンパクの複合体を使用する方法などである。
【0005】
しかしながら、▲1▼コハク酸モノグリセリドとレシチンを組み合わせると、ミックスの優れた安定性が得られ、起泡時の保型性も良好であるが、表面が荒れ、色調がやや黄色味がかったものとなってしまった。なお、上記した特開平2−308766号には、コハク酸モノグリセリド、レシチン、及び高HLB値ショ糖脂肪酸エステルを組み合わせる旨の開示があるが、この組み合わせを以てしても十分満足いく性能を得ることはできなかった。
【0006】
また、▲2▼コハク酸モノグリセリドと乳タンパクを組み合わせても、同様の欠点があった。
【0007】
なお、特公平2−12542号公報には、コハク酸モノグリセリドと中〜低HLB値のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせるとコーヒーホワイトナー用の乳化剤組成物が得られる技術が開示されている。しかしながら、この技術は油脂含有率が20重量%以下のコーヒーホワイトナーの製造に関するものであり、本発明と対象が異なる。すなわち、コーヒーホワイトナーはコーヒーに加えたときに離油が生じないように非常に安定な乳化物を調製する必要があり、適度な乳化破壊が必要な起泡性水中油型乳化物と技術が異なる。実際、当該特公平2−12542号の技術で調製したコーヒーホワイトナーをホイップさせても安定な起泡は生じない。
【0008】
このように、従来の技術ではミックスが安定で、かつ起泡させたときの保型性や外観性が良好な起泡性水中油型乳化物を得るのは困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
起泡性水中油型乳化物に要求される種々の条件を満足させる乳化剤の検討を鋭意行ったところ、下記乳化剤組成物が良好なる性能を発揮することを見出した。すなわち、本発明の起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物は、
(A)HLB値が2以下で飽和の脂肪酸残基を有するショ糖脂肪酸エステル10〜90重量%、及び
(B)飽和の脂肪酸残基を有するコハク酸モノグリセリドおよび/またはクエン酸モノグリセリド90〜10重量%
とよりなる。
【0010】
【発明の実施の態様】
(A)成分
本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルはショ糖と脂肪酸がエステル結合した構造を有する。その脂肪酸残基は炭素数が12〜22の飽和のものが挙げられ、その中でも特に、性能、風味の面からステアリン酸またはパルミチン酸が好ましい。脂肪酸残基が不飽和のものであれば、性能が低位で、かつ風味が悪くなるという問題が生じ好ましくない。
【0011】
また、用いるショ糖脂肪酸エステルのHLB値は2以下である。HLB値が2を超えるとホイップしたときの保型性が悪くなるため好ましくない。
【0012】
(B)成分
本発明に使用するコハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリドは炭素数が12〜22の飽和の脂肪酸残基を有するモノグリセリドにコハク酸、または、クエン酸がエステル結合した構造を有する。飽和の脂肪酸残基はステアリン酸、またはパルミチン酸が、性能が高位で、かつ風味が良好という点で好ましい。脂肪酸残基が不飽和のものであれば、性能が低位で、かつ風味が悪くなるという問題が生じ好ましくない。
【0013】
その他(配合割合など)
本発明の乳化剤組成物は、ショ糖脂肪酸エステルの割合が10〜90重量%、コハク酸モノグリセリドおよび/またはクエン酸モノグリセリドの割合が90〜10重量%である。ショ糖脂肪酸エステルの配合割合が10%未満の場合、ホイップしたときの保型性が悪く、また90%を超えるとミックスの安定性が悪くなる。なお、ショ糖脂肪酸エステルの好ましい範囲は、20〜80重量%である(コハク酸モノグリセリド及び/又はクエン酸モノグリセリドの好ましい範囲は、80〜20重量%である)。コハク酸モノグリセリドとクエン酸モノグリセリドとを混合して用いる場合、その混合割合は任意に決めて良い。
【0014】
本発明の乳化剤組成物は水中油型乳化物に対して0.05〜5.0重量%使用する。添加量が少なすぎると乳化が不安定になり、また多すぎるとコストの面と乳化剤の風味が強くなるため好ましくない。なお、好ましい範囲は0.1〜2.0重量%である。
【0015】
本発明の乳化剤組成物は前述の割合で粉体混合、あるいは溶融混合させて調製することができる。また性能を損なわないかぎり、乳化剤以外に炭酸塩やリン酸塩などの塩類、食用油脂、糖類、またソルビタン脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどを混合してもかまわない。
【0016】
本発明が対象とする起泡性水中油型乳化物とは油脂を35〜50重量%、無脂乳固形分を5〜8重量%含有する。原料の油脂は大豆油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、パーム油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物油脂や、乳脂、牛脂、ラード、魚油などの動物性油脂が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。あるいはそれらの油脂を硬化、分別、エステル交換などの処理を施して得られたものも使用できる。また、油脂、乳固形分以外に、タンパク質、糖類、塩類など通常乳製品に使用される原料を配合することもでき、風味を向上させるため、クエン酸や乳酸などの有機酸や果汁、果実などを混合してもかまわない。
【0017】
また、本発明が対象とする起泡性水中油型乳化物は、イミテーションクリーム以外、生クリームを配合したコンパウンドクリームも含まれる。
【0018】
起泡性水中油型乳化物は原料を混合した水相と油相を混合して予備乳化させ、次いで、均質化、殺菌、冷却、エージングなど通常の操作で製造する。
【0019】
[作用]
本発明による乳化剤組成物は、(A)成分であるショ糖脂肪酸エステルと(B)成分であるコハク酸モノグリセリド及び/又はクエン酸モノグリセリドとが、適切な割合で以て配合されているため、乳化力、解乳化力のバランスに優れている。また、過度の解乳化が起こらないので起泡させたときの表面の荒れがない。
【0020】
【実施例】
本発明の一実施例を挙げるが、本発明はこれによって限定されない。
【0021】
<乳化剤組成物の調製>
下記[表1]に示す(A)成分および(B)成分を、同表に記載した割合で以て混合し、当該混合物を80℃に加熱して溶融させた。その後、冷却して固化させ、さらに粉砕して乳化剤組成物を調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
<ホイップクリームミックスの調製>
大豆硬化油30部、無塩バター20部及び実施例/比較例の乳化剤組成物1部を70℃に加温、混合して油相を調製した。
【0024】
一方、水37.8部に脱脂粉乳5部、砂糖5部、カゼインナトリウム1部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.1部、キサンタンガム0.1部を加え60℃まで加温して攪拌し、水相を調製した。
【0025】
油相と水相を80℃まで加温したのち水相を攪拌しつつ油相を滴下、ホモミキサーで予備乳化した。そして、予備乳化ののち、ホモジナイザーで均質化した。予備乳化の条件と均質化の条件を[表2]に示す。
【0026】
【表2】
均質化ののち、5℃まで冷却、24時間エージングしてホイップクリームミックスを調製した。
【0027】
(ミックスの評価)
ホイップクリームミックスを栓付きのサンプルビンに取り、試験管浸とう機で浸とうして60分後の安定性(ボテの有無で評価)を観察した(ボテ;均一で流動性のある状態から部分的に塊が生じ、流動性が悪くなる状態をいう)。結果を[表4]に示す。
【0028】
<ホイップドクリームの調製>
調製したホイップクリームミックス300gをミキサーで攪拌してホイップドクリームを調製した。撹拌条件を[表3]に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
(ホイップドクリームの評価)
ホイップドクリームのオーバーランを測定しつつ最高オーバーランに達したときのクリームの造花性、表面の状態、離水・離油の有無を目視により観察した。結果を[表5]に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる乳化剤組成物を用いて調製したホイップクリームはミックスが安定なだけでなく、ホイップしたときの造花性が良く、また離水・離油もない。また、表面がなめらかであるため外観性に優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明は起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物(以下、「乳化剤組成物」ともいう)に関し、詳しくは、ホイップする前のホイップクリームミックス(以下、単に「ミックス」ともいう)の安定性に優れ、かつ外観の良好なホイップドクリーム、アイスクリーム等の起泡性水中油型乳化物の製造に用いられる乳化剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
起泡性水中油型乳化物は、保存中あるいは流通の段階でミックスの分離やボテが発生しないように安定性を有していなくてはならない。また、起泡させたときにおいては、適度に解乳化、すなわち乳化が壊れなければならない。このような相反する2つの機能が要求される起泡性水中油型乳化物には、さらに、起泡させた状態において、表面のキメが細かく、離水・離油のない食感と優れた外観性が要望されている。
【0003】
このミックスの安定性と適度な解乳化という相反する要求を満たすため、乳化剤は非常に重要な役目を果たす。
【0004】
従来、起泡性水中油型乳化物を調製するとき、高HLB値と低HLB値の乳化剤を組み合わせたり、あるいはα結晶性の乳化剤を使用するなどの方法が提案された。この中にはコハク酸モノグリセリドやクエン酸モノグリセリドなどの有機酸モノグリセリドを利用した方法もある。例えば、
▲1▼特開昭62−95133号公報や特開平2−308766号公報に示されているような、コハク酸モノグリセリドとレシチンとの混合物を用いる方法、
▲2▼特開平8−170号公報に示されているような、コハク酸モノグリセリドと乳タンパクの複合体を使用する方法などである。
【0005】
しかしながら、▲1▼コハク酸モノグリセリドとレシチンを組み合わせると、ミックスの優れた安定性が得られ、起泡時の保型性も良好であるが、表面が荒れ、色調がやや黄色味がかったものとなってしまった。なお、上記した特開平2−308766号には、コハク酸モノグリセリド、レシチン、及び高HLB値ショ糖脂肪酸エステルを組み合わせる旨の開示があるが、この組み合わせを以てしても十分満足いく性能を得ることはできなかった。
【0006】
また、▲2▼コハク酸モノグリセリドと乳タンパクを組み合わせても、同様の欠点があった。
【0007】
なお、特公平2−12542号公報には、コハク酸モノグリセリドと中〜低HLB値のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせるとコーヒーホワイトナー用の乳化剤組成物が得られる技術が開示されている。しかしながら、この技術は油脂含有率が20重量%以下のコーヒーホワイトナーの製造に関するものであり、本発明と対象が異なる。すなわち、コーヒーホワイトナーはコーヒーに加えたときに離油が生じないように非常に安定な乳化物を調製する必要があり、適度な乳化破壊が必要な起泡性水中油型乳化物と技術が異なる。実際、当該特公平2−12542号の技術で調製したコーヒーホワイトナーをホイップさせても安定な起泡は生じない。
【0008】
このように、従来の技術ではミックスが安定で、かつ起泡させたときの保型性や外観性が良好な起泡性水中油型乳化物を得るのは困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
起泡性水中油型乳化物に要求される種々の条件を満足させる乳化剤の検討を鋭意行ったところ、下記乳化剤組成物が良好なる性能を発揮することを見出した。すなわち、本発明の起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物は、
(A)HLB値が2以下で飽和の脂肪酸残基を有するショ糖脂肪酸エステル10〜90重量%、及び
(B)飽和の脂肪酸残基を有するコハク酸モノグリセリドおよび/またはクエン酸モノグリセリド90〜10重量%
とよりなる。
【0010】
【発明の実施の態様】
(A)成分
本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルはショ糖と脂肪酸がエステル結合した構造を有する。その脂肪酸残基は炭素数が12〜22の飽和のものが挙げられ、その中でも特に、性能、風味の面からステアリン酸またはパルミチン酸が好ましい。脂肪酸残基が不飽和のものであれば、性能が低位で、かつ風味が悪くなるという問題が生じ好ましくない。
【0011】
また、用いるショ糖脂肪酸エステルのHLB値は2以下である。HLB値が2を超えるとホイップしたときの保型性が悪くなるため好ましくない。
【0012】
(B)成分
本発明に使用するコハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリドは炭素数が12〜22の飽和の脂肪酸残基を有するモノグリセリドにコハク酸、または、クエン酸がエステル結合した構造を有する。飽和の脂肪酸残基はステアリン酸、またはパルミチン酸が、性能が高位で、かつ風味が良好という点で好ましい。脂肪酸残基が不飽和のものであれば、性能が低位で、かつ風味が悪くなるという問題が生じ好ましくない。
【0013】
その他(配合割合など)
本発明の乳化剤組成物は、ショ糖脂肪酸エステルの割合が10〜90重量%、コハク酸モノグリセリドおよび/またはクエン酸モノグリセリドの割合が90〜10重量%である。ショ糖脂肪酸エステルの配合割合が10%未満の場合、ホイップしたときの保型性が悪く、また90%を超えるとミックスの安定性が悪くなる。なお、ショ糖脂肪酸エステルの好ましい範囲は、20〜80重量%である(コハク酸モノグリセリド及び/又はクエン酸モノグリセリドの好ましい範囲は、80〜20重量%である)。コハク酸モノグリセリドとクエン酸モノグリセリドとを混合して用いる場合、その混合割合は任意に決めて良い。
【0014】
本発明の乳化剤組成物は水中油型乳化物に対して0.05〜5.0重量%使用する。添加量が少なすぎると乳化が不安定になり、また多すぎるとコストの面と乳化剤の風味が強くなるため好ましくない。なお、好ましい範囲は0.1〜2.0重量%である。
【0015】
本発明の乳化剤組成物は前述の割合で粉体混合、あるいは溶融混合させて調製することができる。また性能を損なわないかぎり、乳化剤以外に炭酸塩やリン酸塩などの塩類、食用油脂、糖類、またソルビタン脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどを混合してもかまわない。
【0016】
本発明が対象とする起泡性水中油型乳化物とは油脂を35〜50重量%、無脂乳固形分を5〜8重量%含有する。原料の油脂は大豆油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、パーム油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物油脂や、乳脂、牛脂、ラード、魚油などの動物性油脂が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。あるいはそれらの油脂を硬化、分別、エステル交換などの処理を施して得られたものも使用できる。また、油脂、乳固形分以外に、タンパク質、糖類、塩類など通常乳製品に使用される原料を配合することもでき、風味を向上させるため、クエン酸や乳酸などの有機酸や果汁、果実などを混合してもかまわない。
【0017】
また、本発明が対象とする起泡性水中油型乳化物は、イミテーションクリーム以外、生クリームを配合したコンパウンドクリームも含まれる。
【0018】
起泡性水中油型乳化物は原料を混合した水相と油相を混合して予備乳化させ、次いで、均質化、殺菌、冷却、エージングなど通常の操作で製造する。
【0019】
[作用]
本発明による乳化剤組成物は、(A)成分であるショ糖脂肪酸エステルと(B)成分であるコハク酸モノグリセリド及び/又はクエン酸モノグリセリドとが、適切な割合で以て配合されているため、乳化力、解乳化力のバランスに優れている。また、過度の解乳化が起こらないので起泡させたときの表面の荒れがない。
【0020】
【実施例】
本発明の一実施例を挙げるが、本発明はこれによって限定されない。
【0021】
<乳化剤組成物の調製>
下記[表1]に示す(A)成分および(B)成分を、同表に記載した割合で以て混合し、当該混合物を80℃に加熱して溶融させた。その後、冷却して固化させ、さらに粉砕して乳化剤組成物を調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
<ホイップクリームミックスの調製>
大豆硬化油30部、無塩バター20部及び実施例/比較例の乳化剤組成物1部を70℃に加温、混合して油相を調製した。
【0024】
一方、水37.8部に脱脂粉乳5部、砂糖5部、カゼインナトリウム1部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.1部、キサンタンガム0.1部を加え60℃まで加温して攪拌し、水相を調製した。
【0025】
油相と水相を80℃まで加温したのち水相を攪拌しつつ油相を滴下、ホモミキサーで予備乳化した。そして、予備乳化ののち、ホモジナイザーで均質化した。予備乳化の条件と均質化の条件を[表2]に示す。
【0026】
【表2】
均質化ののち、5℃まで冷却、24時間エージングしてホイップクリームミックスを調製した。
【0027】
(ミックスの評価)
ホイップクリームミックスを栓付きのサンプルビンに取り、試験管浸とう機で浸とうして60分後の安定性(ボテの有無で評価)を観察した(ボテ;均一で流動性のある状態から部分的に塊が生じ、流動性が悪くなる状態をいう)。結果を[表4]に示す。
【0028】
<ホイップドクリームの調製>
調製したホイップクリームミックス300gをミキサーで攪拌してホイップドクリームを調製した。撹拌条件を[表3]に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
(ホイップドクリームの評価)
ホイップドクリームのオーバーランを測定しつつ最高オーバーランに達したときのクリームの造花性、表面の状態、離水・離油の有無を目視により観察した。結果を[表5]に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる乳化剤組成物を用いて調製したホイップクリームはミックスが安定なだけでなく、ホイップしたときの造花性が良く、また離水・離油もない。また、表面がなめらかであるため外観性に優れている。
Claims (1)
- 下記の成分(A)及び(B)よりなる起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物。
(A)HLB値が2以下で、飽和の脂肪酸残基を有するショ糖脂肪酸エステル10〜90重量%
(B)飽和の脂肪酸残基を有するコハク酸モノグリセリド及び/又はクエン酸モノグリセリド90〜10重量%。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09026498A JP4112669B2 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09026498A JP4112669B2 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11285629A JPH11285629A (ja) | 1999-10-19 |
JP4112669B2 true JP4112669B2 (ja) | 2008-07-02 |
Family
ID=13993656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09026498A Expired - Lifetime JP4112669B2 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 起泡性水中油型乳化物用乳化剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4112669B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6328837B1 (ja) * | 2017-09-21 | 2018-05-23 | アサヒグループ食品株式会社 | クリーミングパウダー |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP09026498A patent/JP4112669B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11285629A (ja) | 1999-10-19 |
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