JPH06184985A - 一時的な湿潤紙力を有する紙または板紙の製造方法 - Google Patents

一時的な湿潤紙力を有する紙または板紙の製造方法

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JPH06184985A
JPH06184985A JP33298692A JP33298692A JPH06184985A JP H06184985 A JPH06184985 A JP H06184985A JP 33298692 A JP33298692 A JP 33298692A JP 33298692 A JP33298692 A JP 33298692A JP H06184985 A JPH06184985 A JP H06184985A
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water
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Shigeto Makino
重人 牧野
Norio Kondo
則男 近藤
Akira Tanikawa
顕 谷河
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の樹脂を用いて一時的な湿潤紙力を有す
る紙を製造する。 【構成】 グリオキザールなどの2価アルデヒドで変性
された(メタ)アクリルアミドを、他の共重合可能な不
飽和モノマーと共重合させることによって得られる熱硬
化性水溶性樹脂を用い、例えばパルプスラリーにこの樹
脂を添加して、紙を製造する。 【効果】 水と接触した直後は高い湿潤紙力を示すが、
その後速やかに湿潤紙力の低下する紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙または板紙(以下、
特に区別する必要がないかぎり、両者を含めて単に紙と
いう)の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオル
ペーパーなどのような、一時的には水分と接触したとき
の強度(以下、湿潤紙力という)を必要とするが、その
湿潤紙力が長時間にわたって保持されることが望ましく
ない紙、すなわち、水分と接触した直後は湿潤紙力を本
質的に維持しつつ、その後速やかに湿潤紙力が低下する
紙を製造する方法に関するものである。
【0002】ここでいう「湿潤紙力が長時間にわたって
保持されることが望ましくない紙」とは、使用形態によ
って成紙がそのまま排水管などに投入されうる、つまり
紙中の繊維が水分により解繊されないと不都合を生じる
紙を意味する。
【0003】
【従来の技術】紙の湿潤強度を向上させるために、ポリ
アミドエポキシ樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、尿素
−ホルマリン樹脂などを使用することは、従来から一般
的に行われており、これらの樹脂で処理した紙には、パ
ルプ繊維と樹脂の結合、あるいは樹脂同志の結合によ
り、強固なネットワークが作られる。このため、これら
の樹脂で処理した紙は、水に長時間浸漬した場合でも湿
潤紙力がほとんど低下しないことから、使用形態によっ
てそのまま排水管などに投入されるような用途には適し
ていない。
【0004】そこで、例えば特公昭 44-26670 号公報、
特公昭 54-44762 号公報および特開昭 57-149595号公報
には、一時的な湿潤紙力を付与する紙力剤として、イオ
ン性を有するポリアミド共重合体と2価アルデヒドとの
反応により得られる熱硬化性樹脂が有用である旨記載さ
れている。しかるに、こうした方法で熱硬化性樹脂を調
製した場合、イオン性を有するポリアミド共重合体と2
価アルデヒドとの反応時に、2価アルデヒドがそのポリ
アミド共重合体に付加するだけでなく、ポリアミド共重
合体同志を架橋させるため、得られる熱硬化性樹脂が高
分子量化することになる。そのため、この方法により調
製した熱硬化性樹脂で処理した紙は、水分と接触したと
きの強度に比べ、長時間水に浸漬した場合の強度の低下
度合が不十分であった。さらには、ポリアミド共重合体
に対する2価アルデヒドの反応率が十分とはいえないた
め、未反応の2価アルデヒドが残存し、経済性などの面
でも問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから本
発明者らは、水分と接触した直後の強度を本質的に維持
しつつ、その後速やかに湿潤強度が低下する紙、すなわ
ち一時的な湿潤紙力を有する紙の製造を目的として、鋭
意研究を行った結果、特定の方法によって得られた特定
の樹脂を使用することにより、この目的が達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、式
(I)
【0007】OCH−(CH2)n−CHO (I)
【0008】(式中、nは0〜4の整数を表す)
【0009】で示される2価アルデヒドと、式(II)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Rは水素またはメチルを表す)
【0012】で示されるアクリルアミド系モノマーと
を、モル比0.1〜1/1の割合で反応させ、次いでこれ
と共重合可能な他の不飽和モノマーを共重合させること
によって得られ、式(III) 、式(IV)および式(V)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、Rおよびnは前記の意味を有す
る)
【0015】
【化7】
【0016】(式中、Rは前記の意味を有する)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、Xは前記共重合可能な他の不飽和
モノマーの不飽和結合が開かれた構造を表す)
【0019】で示される各構造単位のモル比(III)/
(IV)/(V)が7〜99/0〜90/1〜30である
熱硬化性水溶性樹脂を用いて、紙またはその原料に適用
することにより、一時的な湿潤紙力を有する紙を製造す
る方法を提供するものである。
【0020】式(I)で示される2価アルデヒドの具体
例としては、グリオキザール、マロンアルデヒド、スク
シンアルデヒド、グルタルアルデヒドなどが挙げられる
が、工業的にはグリオキザールが最も好ましく用いられ
る。また式(II)で示されるアクリルアミド系モノマー
の具体例は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドで
ある。
【0021】本発明で用いる熱硬化性水溶性樹脂を製造
するにあたってはまず、式(I)で示される2価アルデ
ヒドと式(II)で示されるアクリルアミド系モノマーと
を、2価アルデヒド/アクリルアミド系モノマーのモル
比0.1〜1/1の割合で反応させる。これにより、アク
リルアミド系モノマーの窒素原子に2価アルデヒドが付
加した化合物が得られ、モル比によってはこれとアクリ
ルアミド系モノマーとの混合物となる。アクリルアミド
系モノマーに対する2価アルデヒドのモル比が0.1を下
回ると十分な性能が得られにくくなり、また1を越える
モル比で2価アルデヒドを使用しても性能の向上はみら
れないため、経済的に不利となる。好ましくは、式(I
I)のアクリルアミド系モノマーに対し0.3〜0.8モル
比、さらに好ましくは0.4〜0.8モル比の範囲で、式
(I)の2価アルデヒドを用いる。
【0022】式(I)の2価アルデヒドと式(II)のア
クリルアミド系モノマーを反応させるにあたっては、水
溶液中、通常pH5〜8で反応が行われる。反応温度は
特に限定されないが、通常は20〜60℃程度であり、
好ましくは35〜45℃程度である。
【0023】こうして得られる反応物に共重合させる他
の不飽和モノマーは、カチオン性不飽和モノマー、アニ
オン性不飽和モノマーおよびノニオン性不飽和モノマー
のいずれであってもよい。
【0024】カチオン性不飽和モノマーの具体例として
は、2−メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、2−アクリロイロキシエチルトリメチル
アンモニウムメトサルフェート、2−メタクリロイロキ
シエチルトリエチルアンモニウムクロリド、3−メタク
リロイロキシプロピルトリメチルアンモニウムメトサル
フェート、2−ビニルピリジン、2−ビニル−N−メチ
ルピリジニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロリド、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン、
(p−ビニルフェニル)トリメチルアンモニウムクロリ
ド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロリドなどが挙げられる。
【0025】アニオン性不飽和モノマーの具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のような不
飽和酸、およびこれらの塩類などが挙げられる。
【0026】ノニオン性不飽和モノマーの具体例として
は、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルのような
(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレ
ン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0027】これら共重合可能な他の不飽和モノマー
は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。なお、得られる熱硬化性水溶性樹脂のパルプへの
定着機構を考慮すると、共重合させる他の不飽和モノマ
ーとして、少なくとも1種のカチオン性モノマーを含ん
でいるのが好ましい。
【0028】これらの不飽和モノマーは、式(I)の2
価アルデヒドと式(II)のアクリルアミド系モノマーを
反応させる際に用いたアクリルアミド系モノマーに対し
て、1〜30/99〜70のモル比で用いられる。これ
により、前記式(III) で示される構造単位、式(IV)で
示される構造単位および式(V)で示される構造単位の
モル比 (III)/(IV)/(V)が、7〜99/0〜90
/1〜30である熱硬化性水溶性樹脂が得られる。好ま
しくは、他の不飽和モノマーとアクリルアミド系モノマ
ーとのモル比が1〜20/99〜80の範囲となるよう
にする。
【0029】式(I)の2価アルデヒドと式(II)のア
クリルアミド系モノマーとの反応物に、他の不飽和モノ
マーを共重合させるにあたっては、通常ラジカル重合が
行われる。重合にあたっては通常、重合開始剤が用いら
れる。重合開始剤は、水溶性ラジカル重合開始剤であれ
ば特に制限はなく、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなどが用いられる。また、このような重合開始
剤を還元剤と併用するレドックス系で重合を行ってもよ
い。さらには、通常の連鎖移動剤を用いることもでき
る。使用しうる連鎖移動剤としては、メルカプタン、ア
ルコール、アミンのような有機化合物、チオ硫酸ナトリ
ウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムのよ
うな無機化合物など、一般に用いられているものが挙げ
られる。
【0030】重合温度は、開始剤の量によっても変化し
うるが、通常は40〜100℃程度が好ましい。40℃
以下では十分な反応率を得るのが難しく、また40℃以
下で十分な反応率を得るために反応時間を長くすると着
色が大きくなるので、好ましくない。通常は、生成物の
樹脂濃度を10重量%としたときの25℃における粘度
が6〜100cps 、好ましくは6〜20cps になるまで
重合を続けたあと、系のpHを3.0〜5.0に調整するこ
とにより、本発明で用いる熱硬化性水溶性樹脂の水溶液
が得られる。
【0031】こうして得られる熱硬化性水溶性樹脂は、
紙を製造する任意の段階で、その紙に、またはその紙の
原料に適用される。適用する方法に特別な制限はなく、
例えば、この熱硬化性水溶性樹脂を含む水溶液に紙を浸
漬して紙に樹脂を含浸する方法、この熱硬化性水溶性樹
脂を含む水溶液を紙にスプレーまたは塗布する方法など
を採用することもできるが、特に、パルプスラリーにこ
の樹脂を添加して抄紙する、いわゆる内添法が好まし
い。
【0032】熱硬化性水溶性樹脂の使用量は、特に限定
されるものでないが、パルプの乾燥重量あるいは乾燥紙
の重量を基準として、0.01〜3重量%程度の範囲から
選ぶのが適当である。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。例中にある%は、特にことわらな
いかぎり重量基準である。
【0034】合成例1
【0035】温度計、還流冷却器、攪拌器および滴下ロ
ートを備えた2リットル四つ口フラスコに、イオン交換
水193.82gおよび40%グリオキザール水溶液14
8.0gを加え、10%炭酸ナトリウム水溶液7.6gでp
Hを7.0に調整したあと40℃まで昇温し、50%アク
リルアミド水溶液241.7gを約2時間で滴下した。そ
の後40℃でさらに約3時間反応させてから冷却し、1
0%硫酸4.7gでpHを4.0に調整し、さらに2−メタ
クリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
の75%水溶液83.09gを加えた。これにより、グリ
オキザール変性されたアクリルアミド系モノマーを含む
水溶液678.9gを得た。
【0036】別のフラスコにイオン交換水838.9gを
加え、80℃に昇温したあと、過硫酸カリウム10.0g
を仕込み、次いで、先に得られたアクリルアミド系モノ
マーを含む水溶液339.5gに次亜リン酸ナトリウム
1.0gを加えたものを、約1時間で滴下した。滴下終了
後、80℃でさらに1時間反応させてから冷却し、10
%炭酸ナトリウム水溶液18.5gでpHを3.5に調整し
て、樹脂濃度10%の熱硬化性樹脂水溶液を得た。
【0037】合成例2
【0038】合成例1と同様の装置にイオン交換水9
8.93gおよび40%グリオキザール水溶液98.67g
を加え、10%炭酸ナトリウム水溶液4.4gでpHを
7.0に調整したあと40℃まで昇温し、50%アクリル
アミド水溶液120.84gを約2時間で滴下した。その
後40℃でさらに約11時間反応させてから冷却し、1
0%硫酸2.5gでpHを4.0に調整し、さらに2−メタ
クリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
の75%水溶液41.55gを加えた。これにより、グリ
オキザール変性されたアクリルアミド系モノマーを含む
水溶液367.09gを得た。
【0039】別のフラスコにイオン交換水176.48g
を加え、80℃に昇温したあと過硫酸カリウム2.0gを
仕込み、次いで、先に得られたアクリルアミド系モノマ
ーを含む水溶液73.42gを約1時間で滴下した。滴下
終了後、80℃でさらに1時間反応させてから冷却し、
10%炭酸ナトリウム水溶液4.6gでpHを3.5に調整
して、樹脂濃度10%の熱硬化性樹脂水溶液を得た。
【0040】合成例3
【0041】合成例1と同様の装置にイオン交換水27
8.39gおよび40%グリオキザール水溶液111.00
gを加え、 10%炭酸ナトリウム水溶液9.74gでp
Hを7.0に調整したあと40℃まで昇温し、50%アク
リルアミド水溶液362.51gを約2時間で滴下した。
その後40℃でさらに約4時間反応させてから冷却
し、10%硫酸7.64gでpHを4.0に調整し、さらに
2−メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロリドの75%水溶液124.64gを加えた。これに
より、グリオキザール変性されたアクリルアミド系モノ
マーを含む水溶液893.92gを得た。
【0042】別のフラスコにイオン交換水367.74g
を加え、80℃に昇温したあと、過硫酸カリウム5.0g
を仕込み、次いで、先に得られたアクリルアミド系モノ
マーを含む水溶液148.99gを約1時間で滴下した。
滴下終了後、80℃でさらに1時間反応させてから冷却
し、 10%炭酸ナトリウム水溶液9.16gでpHを
3.5に調整して、樹脂濃度10%の熱硬化性樹脂水溶液
を得た。
【0043】以上の合成例1〜3における主なパラメー
ターを表1に示す。表中、AMはアクリルアミド系モノ
マーを、UMはアクリルアミド系モノマー以外の不飽和
モノマーを、そしてALは2価アルデヒドをそれぞれ表
す。
【0044】
【表1】
【0045】比較合成例1
【0046】温度計、還流冷却器および攪拌棒を備えた
500ミリリットル四つ口フラスコに、ジエチレントリ
アミン103g(1.0モル)、水10g、アジピン酸1
46g(1.0モル)および98%硫酸2g(0.02モ
ル)を仕込み、水を抜きながら昇温し、155〜160
℃にて12時間反応させた。その後、水210gを徐々
に加えて、ポリアミドポリアミンの水溶液を得た。この
ポリアミドポリアミン水溶液は、固形分50.3%、25
℃における粘度690cps であった。
【0047】別のフラスコに、このポリアミドポリアミ
ン水溶液129g(0.3モル)および水260gを仕込
み、25℃にてエピクロロヒドリン44.4g(0.48モ
ル)を20分間で滴下した。次いで60℃まで昇温し、
同温度で保温を続け、反応液の25℃における粘度が2
45cps に達したところで水225gを加え、さらに塩
酸でpHを4.2に調整した。得られた水溶液は、固形分
15.3%、25℃における粘度91cps であった。
【0048】比較合成例2
【0049】合成例1と同様の装置にイオン交換水13
82gを仕込み、内温を80℃に上げた。そこへ過硫酸
カリウム6gを仕込んだあと、2−メタクリロイロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロリドの75%水溶液
55.3g、50%アクリルアミド水溶液256gおよび
次亜リン酸ナトリウム水和物2gの混合溶液を、80〜
83℃にて30分間で滴下した。 その後80℃で1時
間反応させて、固形分10.4%のポリアクリルアミド共
重合体水溶液1700gを得た。
【0050】別のフラスコにこの共重合体水溶液170
gを採取し、10%炭酸ナトリウム水溶液でpHを6.3
に調整し、次いで、予め10%炭酸ナトリウム水溶液で
pH6.3に調整した30%グリオキザール水溶液52.2
gを加え、さらに固形分濃度が10%となるように水で
希釈した。その後45℃まで昇温し、同温度で保温攪拌
した。保温中もpH調整を行い、反応溶液のpHを常時
6.0〜6.4に保った。反応液の25℃における粘度が1
6cps に達したところで、10%硫酸を加えてpHを
3.5に下げ、水で希釈して、固形分6.8%の熱硬化性樹
脂水溶液を得た。
【0051】実施例1〜3
【0052】カナディアン・スタンダード・フリーネス
(C.S.F.)を600mlに調整した濃度10g/Lのパルプ
(NBKP)スラリーに、合成例1〜3で得られたそれ
ぞれの樹脂水溶液を、乾燥パルプ重量基準で固形分とし
て0.5%ずつ添加し、角型抄紙機にて抄紙した。脱水
後、110℃で30秒乾燥を行って、米坪量80g/m2
の試料を得た。
【0053】比較例1〜3
【0054】上記実施例1〜3を繰り返すが、合成例1
〜3で得られた樹脂水溶液を添加する代わりに、比較合
成例1および2で得られた樹脂水溶液を添加し、また樹
脂水溶液を添加せずに、試料を作成した。
【0055】試験例
【0056】実施例1〜3および比較例1〜3で得られ
たそれぞれの試料を、温度20℃、相対湿度65%で2
4時間調湿したあと、 JIS P 8113 および JIS P 8115
に準じて、乾時裂断長および湿時裂断長の測定に供し
た。なお湿時裂断長の測定は、水浸漬時間5秒、5分、
30分および1時間の4種類について行った。測定結果
を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】上記試験例、特に表2から明らかなよう
に、本発明によって製造した紙は、水との接触直後は高
い紙力を示すが、その接触が長くなると急速に紙力が失
われていくので、使用後そのまま水に流すような分野に
特に有効であり、また損紙回収性も優れている。
【0059】
【発明の効果】本発明に従って、2価アルデヒドで変性
されたアクリルアミド系モノマーを他の不飽和モノマー
と共重合させて得られる熱硬化性水溶性樹脂を用いるこ
とにより、一時的な湿潤紙力を有し、水との接触時間が
長くなると急速に紙力が低下していく紙が製造できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) OCH−(CH2)n−CHO (I) (式中、nは0〜4の整数を表す)で示される2価アル
    デヒドと、式(II) 【化1】 (式中、Rは水素またはメチルを表す)で示されるアク
    リルアミド系モノマーとを、モル比0.1〜1/1の割合
    で反応させ、次いでこれと共重合可能な他の不飽和モノ
    マーを共重合させることによって得られ、式(III) 、式
    (IV)および式(V) 【化2】 (式中、Rおよびnは前記の意味を有する) 【化3】 (式中、Rは前記の意味を有する) 【化4】 (式中、Xは前記共重合可能な他の不飽和モノマーの不
    飽和結合が開かれた構造を表す)で示される各構造単位
    のモル比(III)/(IV)/(V)が7〜99/0〜90
    /1〜30である熱硬化性水溶性樹脂を、紙もしくは板
    紙またはその原料に適用することを特徴とする、一時的
    な湿潤紙力を有する紙または板紙の製造方法。
  2. 【請求項2】パルプスラリーに前記熱硬化性水溶性樹脂
    を添加して抄紙する請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281921A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Kohjin Co Ltd クリーンペーパー
WO2017110868A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 星光Pmc株式会社 ポリアクリルアミド系製紙用添加剤及びその製造方法、並びに紙の製造方法

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