JPH06184929A - 高耐久性撥水撥油加工品の通気性減少方法 - Google Patents

高耐久性撥水撥油加工品の通気性減少方法

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JPH06184929A
JPH06184929A JP17776892A JP17776892A JPH06184929A JP H06184929 A JPH06184929 A JP H06184929A JP 17776892 A JP17776892 A JP 17776892A JP 17776892 A JP17776892 A JP 17776892A JP H06184929 A JPH06184929 A JP H06184929A
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Kazuhiko Ichimura
一彦 市村
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Nisshinbo Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルロ−ス繊維含有製品に対し、著しい發水
發油効果の耐久性、即ち繰り返しの洗濯に対する抵抗性
を付与したものの、通気性減少方法を提供する。 【構成】 パ−フルオロアルキル基含有發水發油剤を有
効成分1.0%以上と脂肪酸変性アミノトリアジン化合
物を有効成分0.5%以上の割合で付与し、アミノプラ
スト樹脂とその触媒の存在、または不存在の下に熱処理
したセルロ−ス繊維含有製品を液体アンモニアで処理す
ることにより著しい通気性減少を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース繊維含有製品
に対し、著しい撥水撥油効果の耐久性、即ち繰り返しの
洗濯に対する抵抗性を付与したものの、通気性減少方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、マングルーパッド法でパーフ
ルオロアルキル基含有撥水撥油剤を付与した繊維製品の
通気性減少方法として、トリクロロエチレン、トルエ
ン、1・1・1−トリクロロエタンなどの表面張力が3
0dyne/cm以下の有機溶剤を基布に浸透させてセルロー
スの膨潤をはかる方法、或いは予め高密度織物を設計す
る方法、又はカレンダーの処理技術により物理的に織物
の目を潰す方法等が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機溶
剤を用いる方法は、パーフルオロアルキル基含有加工剤
を高濃度で使用する高耐久性撥水撥油加工の場合、基布
への浸透斑が生じ易く、濃色になる程、色の濃淡が目立
つ傾向が大であり、高密度織物を用いる方法は風合を粗
硬とする欠点がある。又、カレンダーは有効な手段では
あるが基布に光沢が付与され、風合いが粗硬となるた
め、用途によって制約されるなどの問題がある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者はこれらの欠点
を排除し、セルロース繊維含有製品の高耐久性撥水撥油
効果を維持しながら通気性のみを減少させる方法を見出
すべく鋭意研究を重ねた結果、撥水撥油加工後に、液体
アンモニアで処理したときにのみ、撥水撥油効果やその
他の性能を低下させる事なく、著しい通気性減少効果が
得られる事を見出し、本発明を完成したものである。即
ち、本発明の構成はパーフルオロアルキル基含有撥水撥
油剤を有効成分1.0%以上と脂肪酸変性アミノトリア
ジン化合物を有効成分0.5%以上の割合で付与し、ア
ミノプラスト樹脂とその触媒の存在、又は、不存在の下
に熱処理したセルロース繊維含有製品を、液体アンモニ
アで処理することを特徴とするものである。
【0005】次に本発明について詳細に説明する。本発
明に使用できるパーフルオロアルキル基含有撥水撥油剤
としては、(1)炭素数3〜21、好ましくは6〜18
を有するパーフルオロアルキル基を含有する、ビニルモ
ノマーの単独ポリマー、又は他のビニルモノマーとのコ
ポリマー、(2)炭素数3〜21のパーフルオロアルキ
ルを有する一価、又は多価アルコールと一価又は、多価
カルボン酸のエステル、あるいは炭素数3〜21のパー
フルオロアルキル基を有する一価、又は多価カルボン酸
と一価又は多価アルコールのエステル、(3)炭素数3
〜21のパーフルオロアルキル基を有する一価、又は多
価アルコールと一価又は、多価イソシアネートからのポ
リウレタン、(4)炭素数3〜21のパーフルオロアル
キル基を有するエポキシ化合物のポリマー、又は他のエ
ポキシモノマーを含むポリマー、等を水中分散体とした
もので、市販の各種の弗素樹脂系加工剤が使用できる。
【0006】次に、本発明に使用される脂肪酸変性アミ
ノトリアジン化合物とは次の一般式示される6置換トリ
アミノトリアジンである。
【化1】 但しAは−N(CH2 O)2 R′又はR″を表し、
R′,R″はアルキル基、又はアシル基を示す。アルキ
ル基、又はアシル基の炭素数としては12〜17程度が
適当であり、これに相当するものがホボテックスFTC
(チバガイギー社)の名称で市販されている。又、本発
明に併用しても良いアミノプラスト樹脂としてはジメチ
ロール尿素、モノメチロール尿素、トリメチロールメラ
ミン、メチル化トリメチロールメラミン、ジメチロール
ジヒドロキシエチレン尿素、ジメチロールエチレン尿
素、ジメチロールウロン等が挙げられ、触媒としては塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、第一燐酸アンモニ
ウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カル
シウム、硫酸アルミニウム、1−アミノ−2−メチルプ
ロパノ−ル塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0007】本発明の対象とするセルロース繊維含有製
品とは綿、麻、レーヨン、ポリノジック等セルロース繊
維を含み、更に他の合成繊維、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリル、ポリウレタン等を混紡、交織等の形
で含むことができる。製品の形態としては織物、編物等
何れであっても差し支えない。但し、何れにおいても十
分な精練と必要に応じて漂白、マーセル化、染色を行っ
た後、高度の耐久性を持つ撥水撥油効果を付与し、本発
明を実施するが、撥水撥油加工に際しては油分、界面活
性剤、酸、アルカリ、塩類等の不純物が織物中に残留す
ると撥水撥油効果が低下するので、なるべく残留せぬよ
う留意しなければならない。
【0008】本発明の加工方法としては、パーフルオロ
アルキル基含有加工剤の有効成分1.0%以上と脂肪酸
変性アミノトリアジン化合物の有効成分0.5%以上が
水性分散液の状態で付着するように、処理液濃度とパデ
ィング時の絞り率(液付着パーセント)を調節し、この
中にアミノプラスト樹脂とその触媒を必要に応じて添加
した処理液に被加工製品を浸漬した後、マングル等で絞
る。続いて、熱風等を用いて乾燥した後、150〜18
0℃で2〜5分程度の熱処理を施したセルロース繊維含
有高耐久性撥水撥油加工品を、液体アンモニアで処理す
ることにより、本発明の通気性減少効果が得られる。
尚、繊維に液体アンモニアを含浸させる方法としては、
繊維を液体アンモニア浴中に浸漬する方法、繊維に液体
アンモニアを噴霧又は、シャワー状に降らせる方法等が
あるが、これらに限定されるものではない。
【0009】繊維に含浸させる液体アンモニアの温度
は、通常ほぼ1気圧下では、−33.4℃以下,−7
7.8℃以上であるが、1気圧以下、1気圧以上の場合
は、その気圧下で液体アンモニアの沸点以下融点以上で
あれば良い。又、繊維に含浸させる液体アンモニアの処
理時間は4〜30秒、好ましくは5〜15秒であり、繊
維に含浸させる液体アンモニアの量は、繊維の絶乾重量
に対して50重量%以上である。繊維に液体アンモニア
を含浸させた後は、本発明の効果を妨げない方法で繊維
を加熱し、繊維中のアンモニアを除去すれば良い。
【0010】セルロース含有高耐久性撥水撥油加工品に
対し、上述のような方法で液体アンモニア処理を施すこ
とにより、本発明の通気性減少効果が得られる訳である
が、光沢の付与、風合の粗硬化など用途的に制約されな
い場合は、液体アンモニア処理後に高圧カレンダーで処
理すれば、更に通気性減少効果が顕著である。尚、セル
ロース含有高耐久性撥水撥油加工品に対し、マングル−
パッド法で有機溶剤を用いる方法や、高濃度のアルカリ
を繊維に付与するマーセル化処理などは、処理液が殆ど
基布に浸透しないか、又は浸透が不十分で浸透斑とな
り、本発明の効果を十分発揮できない。
【0011】
【作用】本発明方法によって、セルロース含有高耐久性
撥水撥油加工繊維製品に優れた通気性減少効果が得られ
る理由は、次の様に推察される。即ち、通気性減少効果
は液体アンモニアによりセルロース繊維が膨潤し、収縮
する事により、糸密度が増えることによって得られる
が、通常のマーセル化処理や有機溶剤による方法では基
布への浸透が不十分であったり、殆ど浸透しない等で十
分な通気度減少効果が得られない。本発明の液体アンモ
ニア処理法は、セルロース含有高耐久性撥水撥油加工品
に対しても、セルロース繊維を膨潤させるだけの優れた
浸透力を持つためと考えられる。
【0012】
【実施例】以下、綿40番手と綿60番手の平織物を用
いた実施例により本発明を具体的に述べる。毛焼,糊
抜,精錬,漂白,マーセライズ及び染色を施した綿40
番手糸使い、打込み本数、経130本/2.54cm、緯
70本/2.54cmの平織物に対し、ペトロックスP3
000(パーフルオロアキル基含有撥水撥油剤)及びホ
ボテックスFTC(脂肪酸変性アミノトリアジン化合
物)が表1の記載量含まれている加工液を含浸し、マン
グルで余剰液を絞り出し、表1記載の付着量となるよう
に調節して、さらに熱風による乾燥と熱処理を行ない、
実施例1,2及び比較例1,2用の高耐久性撥水撥油加
工織物を得た。また、毛焼,糊抜,精錬,漂白,マーセ
ライズ及び染色を施した綿60番手糸使い、打込み本
数、経124本/2.54cm、緯128本/2.54cm
の平織物に対し、同様の処理により実施例3,4及び比
較例3,4用の高耐久性撥水撥油加工織物を得た。
【0013】次に、実施例1,2及び実施例3,4用の
高耐久性撥水撥油加工織物をそれぞれ液体アンモニアで
5秒間または7秒間処理し、また、比較例1,2用の高
耐久性撥水撥油加工織物をマ−セル化処理(20%苛性
ソーダ処理)、比較例3,4用の高耐久性撥水撥油加工
織物をイソプロピルアルコール処理(4%IPA処理を
マングルーバッド法で2回)した。処理前の高耐久性撥
水撥油加工織物及び処理後の高耐久性撥水撥油加工織物
のJIS,L,1096,A法(フラジ−ル形試験機使
用)による通気性測定結果は表1に示す通りであった。
この結果が示す如く、実施例の通気性減少効果は、比較
例に比べて顕著に優れていることがわかる。
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明は上述のとおりであって、パーフ
ルオロアルキル基含有撥水撥油剤を有効成分1.0%以
上と、脂肪酸変性アミノトリアジン化合物を有効成分
0.5%以上の割合で付与し、アミノプラスト樹脂とそ
の触媒の存在、又は不存在の下に熱処理したセルロース
繊維含有製品を、液体アンモニアで処理することをする
ので通気性減少効果が顕著になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/358 // D06M 101:06 D06M 13/38

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロアルキル基含有撥水撥油剤
    を有効成分1.0%以上と、脂肪酸変性アミノトリアジ
    ン化合物を有効成分0.5%以上の割合で付与し、アミ
    ノプラスト樹脂とその触媒の存在、又は不存在の下に熱
    処理したセルロース繊維含有製品を、液体アンモニアで
    処理することを特徴とするセルロース繊維含有高耐久性
    撥水撥油加工品の通気性減少方法。
JP17776892A 1992-06-12 1992-06-12 高耐久性撥水撥油加工品の通気性減少方法 Expired - Lifetime JP2534216B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005085517A1 (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Sumitomo Corporation 繊維構造物の疎水化方法
JP2014009408A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Mizuno Corp 疎水化吸湿発熱繊維及びこれを用いた繊維構造物

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WO2005085517A1 (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Sumitomo Corporation 繊維構造物の疎水化方法
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