JPH06184137A - 4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸n−メチル−n−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの可溶性塩 - Google Patents

4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸n−メチル−n−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの可溶性塩

Info

Publication number
JPH06184137A
JPH06184137A JP5030021A JP3002193A JPH06184137A JP H06184137 A JPH06184137 A JP H06184137A JP 5030021 A JP5030021 A JP 5030021A JP 3002193 A JP3002193 A JP 3002193A JP H06184137 A JPH06184137 A JP H06184137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
salt
acid
formula
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5030021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3258744B2 (ja
Inventor
Klaus-Dieter Dr Kampe
クラウス−デイーター・カムペ
Ernold Granzer
エアノルト・グランツアー
Michael Leineweber
ミヒアエル・ライネヴエーバー
Manfred Huettinger
マンフレート・ヒユテインガー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoechst AG filed Critical Hoechst AG
Publication of JPH06184137A publication Critical patent/JPH06184137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3258744B2 publication Critical patent/JP3258744B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D233/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings
    • C07D233/04Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member
    • C07D233/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D233/30Oxygen or sulfur atoms
    • C07D233/32One oxygen atom
    • C07D233/38One oxygen atom with acyl radicals or hetero atoms directly attached to ring nitrogen atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水に可溶の、または容易に可溶の4−アミノ
−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−
1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル−N
−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの塩およ
びその製造法並びに式IV 【化1】 で示される中間体化合物およびこれらの塩に関する。 【効果】 本化合物は肝性LDL受容体の刺激により有
利に影響を受ける脂質代謝疾患の治療のために好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は水に可溶の、または容易に可溶の
4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−
2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸N−
メチル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミ
ドの塩に関する。本発明は特に、上記のピリミジン誘導
体のモノ塩酸塩に関する。
【0002】肥満症および脂質代謝疾患の治療のための
4−アミノ−2−ウレイドピリミジン−5−カルボン酸
N−フェニルアミドの使用はすでに開示されている〔ヨ
ーロッパ特許B−0 012 361(米国特許第4 2
85 946号)参照〕。さらに、血栓症の予防および
治療のための、その構造に関して特異的なこれらの化合
物の群、すなわち相当するN−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)アミドの使用が開示されている〔ヨーロッ
パ特許B−0 206 297(米国特許第4 705 7
92号)参照〕。
【0003】これらの化合物が製剤として用いられる場
合、水および生理学的に許容しうる溶媒または溶媒混合
物例えばこのような溶媒と水との混合物中におけるこれ
らのわずかな溶解性は幾分不利な効果を有する。この欠
点は特に、EP−B−0 012 361に記載の脂質代
謝において非常に有利な効果を有する好ましい化合物お
よび高い抗血栓活性を有する化合物(EP−B−0 2
06 297参照)に関して観察される。
【0004】今般、驚くべきことに、中程度の強酸およ
び強酸を用いて生成した所定の塩の形態である式I
【化6】 の4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン
−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸N
−メチル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)ア
ミドが水に可溶または容易に可溶であることが見い出さ
れた。したがって、本発明は水に可溶の、または容易に
可溶の式Iの化合物の生理学的に許容しうる塩に関す
る。
【0005】水に容易に可溶の塩とは「Deutsches Arzn
eibuch」、第9版、第19頁(1986年)に記載の定
義によれば、化合物Iの関連した塩が1重量部あたり、
1〜10重量部(=容量部)の水に溶解するものと理解
される。可溶の塩とは上記のDAB定義によれば、化合
物Iの関連した塩が1重量部(part by mass)あたり、
10〜30重量部の水に溶解するものと理解される。
【0006】特に断りがなければ、以下の記載におい
て、「容易に可溶の塩」なる用語はまた、この定義によ
る「可溶の塩」を包含する。
【0007】同じ構造を有するが、アミド窒素原子上に
メチル基を持たない化合物の塩および遊離塩基は共にほ
んのわずかしか水に可溶でないため、上記の化合物Iの
塩のこの非常に有利な特性、すなわち水に対する良好な
溶解度は非常に驚くべきことである。したがって、例え
ばわずか0.93×10-3モル/リットルの4−アミノ
−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−
1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル−
(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド塩酸塩溶液
を23℃の水中で調製することができ、このことは1重
量部のこの化合物が2,500重量部の水に溶解するこ
とを意味する。遊離塩基の形態の化合物Iは遊離塩基の
形態の4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリ
ジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン
酸N−メチル−(3−トリフルオロメチルフェニル)ア
ミドと同様に水にはほんのわずかしか可溶でない。
【0008】遊離化合物およびその塩の、水に対するこ
れらの特性およびヨーロッパ特許0012 361に記
載の化合物について一般的に見い出される低い溶解度の
ため、N−メチル化合物Iの塩が水に可溶または容易に
可溶であることは全く予想することができなかった。
【0009】化合物Iの特定の構造的特徴、すなわちア
ミド窒素原子上の水素原子のメチル基による置換は水素
よりも親油性である基の導入からなるため、化合物Iの
塩の水に対する溶解度の著しい向上もまた驚くべきこと
である。このメチルによる水素の交換は構造中の潜在的
な水素結合が消失することを意味する。したがって、化
合物Iの構造は極性が小さくなる。これが引き続いてそ
の塩の水に対する溶解度の向上をもたらすことは決して
ない。(構造単位HN−COを有する)第2アミド基が
水素結合を生成する強い傾向を示し、原則としてこれは
極性の物質をもたらし、その結果、より親水性になりが
ちであることは知られている。第2アミド基を有する類
似の化合物と比較して化合物Iの場合、驚くべきことに
逆の効果が生じ、この場合、著しい親水性を有する物質
が第3アミド基を含有する化合物Iとの塩形成により生
成する。
【0010】化合物Iの塩の水に対する良好な溶解度は
製剤として用いた場合、化合物Iについて幾分有意な利
点を有する。水に容易に可溶の化合物Iの塩はこの特性
のため、治療対象の個人の体のこの活性物質の吸収にお
いて有益な効果を有する。したがって、関連の体におけ
る活性物質の生物学的利用可能性についてもまた有益な
効果がある。
【0011】水に対する良好な溶解度はまたこの活性物
質の製剤について特定の利点を有する。容易に水に溶解
しうる塩を形成する活性物質は薬学的に処理し、そして
わずかに水溶性の、または実質的に水に不溶の化合物よ
りも簡単かつ確実に加工することができることが知られ
ている。総合的に考慮して、化合物Iの製剤化および医
薬物質としての使用に関する多くの問題が平易化され
る。その上、水溶性の医薬物質例えば水に容易に可溶な
化合物Iの塩は例えば投与量に関して、より容易にかつ
安全に使用される。
【0012】比較のために、次の表1にアミドの窒素原
子上がメチル化されていない類似化合物の塩の水に対す
る溶解度を記載する。表1から明らかなように、異なる
置換パターンを有する表記載のN−ジメチル化合物の塩
(番号1〜11)はわずかに水に可溶な化合物6を除い
てすべて、わずかまたはほんのわずかしか水に可溶でな
い。
【0013】対比して、表2に水に可溶のまたは容易に
可溶の本発明の化合物Iの塩の溶解度を示す。
【0014】式Iの化合物の好ましい塩は塩酸塩、臭化
水素酸塩、硝酸塩、水素(R,R)−酒石酸塩およびp
−トルエンスルホン酸塩、特に塩酸塩である。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】本発明はさらに、式IV
【化7】 の化合物またはこの化合物の塩もしくは塩混合物を0°
〜240℃の温度において、溶媒を加えてまたは加えな
いで環化して式Iの化合物または式Iの化合物の塩もし
くは塩混合物を得、場合によっては得られた式Iの化合
物を水に可溶の、または容易に可溶の塩に変換するか、
あるいは場合によっては得られた塩または塩混合物を水
に可溶の、または容易に可溶の塩に変換することからな
る、式Iの4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダ
ゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カル
ボン酸N−メチル−N−(3−トリフルオロメチルフェ
ニル)アミドおよび容易に水に可溶なその塩の新規な製
造法に関する。
【0018】式IVのグアニジン誘導体は新規な化合物で
ある。したがって、本発明はまた可能な立体異性体、す
なわちE−およびZ−型の両方の形態の式IVの化合物並
びにその酸付加塩に関する。
【0019】本発明はさらに式II
【化8】 の化合物またはこの化合物の塩を式III
【0020】
【化9】 (式中、R6はC1〜C4−アルキルである)の化合物と
有機溶媒または希釈剤の存在下で反応させて式IVの化合
物またはこの化合物の塩を生成し、そして場合によって
は得られた式IVの化合物を塩に変換するか、あるいは場
合によっては得られた塩を式IVの化合物に変換すること
からなる、式IVの化合物またはその塩の製造法に関す
る。
【0021】通常、化合物IVは立体異性体(E−および
Z−型)の混合物として得られる。しかしながら、純粋
な立体異性体(E−またはZ−型)としても生成するこ
とができる。化合物IVおよびその塩は化合物Iおよび水
に可溶のまたは容易に可溶のその塩の製造のための出発
物質として使用される。一酸性塩基として、化合物IVは
酸付加塩を形成する。原則的に、すべてのプロトン酸が
これらの形成に好適であり、強酸〜中程度の強酸が有利
に塩形成に使用される。例としては、塩酸、臭化水素
酸、沃化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、(C
1〜C4)−アルカンホスホン酸、スルホン酸例えばメタ
ン−、ベンゼン−、トルエン−もしくはトリフルオロ−
メタンスルホン酸、スルファミン酸、モノメチルスルフ
ェート、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ
酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、グリコー
ル酸、ピルビン酸、安息香酸、フェニル基が置換された
安息香酸例えばトルイル酸、p−ニトロ安息香酸もしく
はサリチル酸、フランカルボン酸および/またはマンデ
リン酸が挙げられる。
【0022】化合物IVの製造のために必要な出発物質と
して化合物IIは知られている。式IIIの化合物は公知の
3−メチルアミノベンゾトルフルオライドから出発し
て、このエノールエーテル型について知られている方法
により製造することができる〔Angew. Chemie Suppl. 1
213(1982年)〕。
【0023】化合物IIが塩の形態で使用される場合、式
IIIの化合物との反応において有利に等モル量の塩基性
化合物が追加的に使用される。
【0024】化合物IIの塩は無機酸または有機酸を用い
て得られる酸付加塩を意味する。化合物IIの好ましい塩
は臭化水素酸塩、塩酸塩または硫酸塩である。本発明の
方法には臭化水素酸塩および/または塩酸塩が特に好適
である。
【0025】式IIのアミジノイミダゾリジノンと式III
の化合物との反応は幅広く種々の条件下で行うことがで
きる。このことは反応温度および場合によっては使用さ
れる溶媒または希釈剤の両方に当てはまる。したがっ
て、本発明においては、化合物IIと化合物IIIとの反応
は−100℃〜200℃の温度で溶媒または希釈剤を加
えてまたは加えないで行うことができる。この反応は便
宜上、溶媒または希釈剤の存在下、−30℃〜100℃
好ましくは10℃〜35℃で行われる。
【0026】使用することのできる溶媒または希釈剤は
原則的として、化合物IIおよびIIIに(実質上)不活性
であるすべての溶媒例えば水である。溶媒または希釈剤
として有利に使用されるのはC1〜C5−アルコール、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、低級脂肪族エーテル例
えばジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルおよ
びジイソプロピルエーテル;アセトニトリル、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド;グリコールおよびジグリコールの低級ジ−およびモ
ノ−エーテル例えば1,2−ジメトキシエタン、メチル
グリコール、エチルグリコール、ジグリコールジメチル
およびモノメチルエーテル;酢酸エチル、酢酸メチル、
トルエン、ピリジン、アセトン、クロロホルムおよび/
またはジクロロメタンである。好ましい溶媒および希釈
剤はC2〜C4−アルコール、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルt−ブチル
エーテルおよび/またはアセトニトリルである。さら
に、上記溶媒の混合物および上記溶媒と他の溶媒との混
合物を使用することも可能である。
【0027】化合物IIと化合物IIIとの本発明の反応に
おいては、使用するこれらの化合物の(化学量論的な)
量比を広範囲で変化させることができる。化合物IIおよ
びIIIは当量または非当量で反応させることができる。
後者は2つの化合物のうちの一方を化学量論的に過剰に
使用することができることを意味する。化合物IIは好ま
しくは塩基として化合物IIIと等量で、または化合物III
が化学量論的に過剰に存在するような比で反応させる。
化合物IIを酸付加塩として使用する場合、化合物IIIと
比較して化学量論的に過剰に使用することができる。
【0028】必要な反応時間は反応が行われる温度に依
存する。これらは広範囲で変化させることができる。原
則として、温度が10℃〜60℃の場合、反応時間は
0.3〜10時間であり、そして知られているように反
応時間は温度に反比例する。
【0029】本発明の反応においては、化合物IIを塩の
形態で使用する場合、塩基性化合物が便宜上等モル量で
加えられ、または塩基性化合物IIが化合物IIIの添加前
に塩基性化合物を用いてその塩から部分的にまたは完全
に遊離される。この目的のために使用される塩基性化合
物は好ましくは、式IIIの化合物の添加前に使用するア
ミジノイミダゾリジノンIIの塩に作用せしめる。したが
って、本発明の反応はこの態様において「ワン−ポット
(one-pot)反応」として行うことができる。使用する
ことのできる塩基性添加剤は塩基性の無機および/また
は有機化合物である。例としては、低級アルコールのア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラート;アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または水素
化物;純粋な有機塩基としての第3アミン例えば低級ト
リアルキルアミンおよび/またはN,N−ジメチルアニ
リン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)および類似
の環状(三置換)アミジン、水酸化テトラアルキルアン
モニウム、2−または4−ジアルキルアミノピリンジン
および/またはジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン
(Dabco)が挙げられる。
【0030】(C1〜C3)−アルカノールのアルカリ金
属アルコラート、水素化ナトリウム、DBUおよびDB
Uに類似のアミジンまたは水酸化テトラメチルアンモニ
ウムが塩基性添加剤として好ましく使用され、そしてナ
トリウムまたはカリウムメチラートおよび/またはエチ
ラートが特に好適である。
【0031】したがって、本発明の方法の有利な態様は
10℃〜35℃の温度で溶解した形態の式IIの化合物を
式III(式中、R6は上記の意味を有し、好ましくはメチ
ルまたはエチルである)の化合物と反応させることから
なる。0.3〜4時間の反応時間の後、生成した通常は
わずかに可溶の結晶として分離する式IVの化合物を濾過
により単離し、10℃〜35℃の温度において便宜上真
空下で乾燥した。
【0032】化合物IIと化合物IIIとの反応により化合
物IVを結晶性固体として高収率かつ高純度で単離するこ
とができるということは、前記で引用したヨーロッパ特
許に開示されていることを考慮すれば驚くべきことであ
った。
【0033】ヨーロッパ特許0 012 361に記載の
化合物の製造において、化合物IVのタイプの化合物は記
述されていなかった。化合物IVの安定性は特に驚くべき
ことであり、それにより本発明の方法のための出発物質
として必要なこの化合物を良好な収率で好都合に単離す
ることができる。
【0034】式IVの化合物の単離はこの化合物が一般に
特に本発明の方法に適した有機溶媒にはわずかしか溶解
しないため、容易に可能である。
【0035】本発明の目的のために式Iの最終生成物ま
たはこの化合物Iの容易に可溶な塩を得るべく化合物IV
を反応させるため、化合物IVまたはその塩を純粋な形態
で必ずしも単離する必要はない。これに反して、環化は
ワン−ポット反応として反応条件を変更して行うことが
できる。
【0036】塩基としての化合物IVの環化は溶媒または
希釈剤を加えて、または加えないで行うことができる。
溶媒または希釈剤の存在下での環化は0℃〜130℃、
好ましくは40℃〜95℃の温度で行われる。溶媒また
は希釈剤を加えないでの環化は60℃〜240℃、好ま
しくは160℃〜200℃の温度で行われる。
【0037】化合物IVを塩基として環化して化合物Iを
生成する場合、その1態様は便宜上乾燥された式IVの化
合物を160℃〜200℃の温度で3〜27分間、好ま
しくは10〜20分間加熱し、次いで直ちに室温まで冷
却することからなる。化合物IVから熱環化により生成し
た化合物Iを単離する。これは通常、痕跡量で生成した
2種の副生成物、3−メチルアミノベンゾトリフルオラ
イド(反応スキームIの式V)および式VIの化合物(ス
キームI参照)の除去を伴う。化合物Iから、化合物VI
はその希アルカリ水溶液における溶解性のため容易に除
去することができ、また式Vの化合物はその高い揮発性
のため蒸留により殆ど除去することができる。化合物I
からの化合物Vの完全な除去は結晶化により、そして/
または結晶性化合物Iを化合物Iがわずかに溶解し、か
つ化合物Vが容易に溶解する溶媒で洗浄することにより
容易に可能である。
【0038】好ましくは、酸付加塩の形態の化合物IVの
環化は0℃〜150℃好ましくは45℃〜95℃の温度
で溶媒または希釈剤を用いて行われる。しかしながら、
化合物IVの塩のこの環化はまた、60℃〜240℃好ま
しくは160℃〜200℃の温度で溶媒または希釈剤を
加えないで行うことができる。
【0039】溶媒を加えた、または加えないでの化合物
IVのこのタイプの環化には、化合物IVとは別に製造され
た所定の酸付加塩および化合物IVと1種以上の酸とから
なる混合物を使用することができる。最小量の酸等価物
例えば10-4以下の等価物から2までのまたはそれ以上
の酸等価物のすべての組成をこのような混合物のために
使用することができ、0.8〜1.6の酸等価物が好まし
く使用される。極端な場合、化合物IVの環化は同時に溶
媒または希釈剤として作用する酸中で行うことができ
る。この態様はギ酸、酢酸および/またはプロピオン酸
が酸として、および希釈剤として使用される場合に好ま
しい。したがって、化合物Iを生成するべく、化合物IV
の酸付加塩の環化のために所定の、別に製造された塩を
必ずしも使用する必要はない。
【0040】溶媒または希釈剤の存在下で1種以上の酸
を加えての化合物IVの環化は本発明の方法の非常に好適
な態様である。
【0041】化合物IVの塩の環化または1種以上の酸を
加えての化合物IVの環化の有利な態様は、化合物IVを溶
媒または希釈剤の存在下、0.2〜2.5またはそれ以
上、好ましくは1〜1.5の酸等価物を加えて25℃〜
120℃、好ましくは45℃〜95℃の温度で加熱する
ことからなる。この場合の反応時間は温度に依存し、
0.5〜9時間である。引き続き、生成した化合物Iの
適当な塩がわずかしか溶解しない好適な溶媒を加えてそ
の塩を結晶として沈殿させることができる。生成した化
合物Iを副生成物から容易かつ効率的に分離することは
このようにして可能になる(反応スキームI参照)。
【0042】原則として、すべてのプロトン酸を上記の
化合物IVの環化のために使用することができる。例とし
ては、塩酸、臭化水素酸、沸化水素酸、沃化水素酸、硫
酸、リン酸、ポリリン酸、硝酸、過塩素酸、(C1
4)−アルカンホスホン酸、スルホン酸例えばメタン
−、ベンゼン−、トルエン−またはトリフルオロメタン
スルホン酸、スルファミン酸、硫酸モノメチル、酢酸、
シアノ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ
酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、グリコー
ル酸、ピルビン酸、安息香酸またはフェニル基が置換さ
れた安息香酸例えばトルイル酸、p−ニトロ安息香酸ま
たはサリチル酸、フランカルボン酸および/またはマン
デリン酸が挙げられる。
【0043】酢酸、シュウ酸、酒石酸、ギ酸、クエン
酸、リンゴ酸、フマル酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸および/またはプロピオン酸が好ましく使用される。
【0044】酢酸、シュウ酸、酒石酸、ギ酸および/ま
たはクエン酸が特に好適である。
【0045】塩または塩混合物の形態の化合物IVの環化
のために適した溶媒または希釈剤は原則として、化合物
IVに対して不活性なすべての有機溶媒および/または水
である。好ましくは、C1〜C4−アルコール、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドおよび
/または−アセトアミド、低級グリコールジ−およびモ
ノエーテル例えば1,2−ジメトキシエタン、メチル−
および/またはエチルグリコール、および/または酢酸
メチル、酢酸エチル、アセトン、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、ギ酸および/または酢酸が使用される。
【0046】本発明の方法の好ましい態様は化合物IVを
氷酢酸および/またはギ酸の存在下、1種以上の中程度
の強酸〜強酸を加えて、または加えないで25℃〜12
0℃、好ましくは45℃〜95℃の温度で0.3〜5時
間加熱することからなる。この場合、氷酢酸および/ま
たはギ酸は同時に溶媒として作用し、化合物IVと比較し
て化学量論的に過剰に使用される。場合によっては使用
される中程度の強酸〜強酸の例としては、シュウ酸、シ
トラコン酸、酒石酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、シ
アノ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸および/またはト
リクロロ酢酸および/またはポリリン酸が挙げられる。
【0047】必要ならば、化合物Iはこのような塩形成
について一般に知られている方法で単離した塩から遊離
され、そして場合によっては適当な酸を加えることによ
り水に可溶の、または容易に可溶の(異なる)塩に変換
される。
【0048】化合物Iからの塩形成に関連して触れた
「酸等価物」は一酸性塩基としての化合物Iと関連して
いる。化合物Iの製造のための本発明の方法は次のスキ
ームにより説明される。
【0049】
【化10】
【0050】化合物IVの環化において副生成物として生
成した3−メチルアミノベンゾトリフルオライドVは単
離し、化合物IIIを製造するための工程に戻すことがで
きる。
【0051】式Iの化合物および水に容易に可溶のこの
化合物の塩は有用な薬理学的特性を有し、そのため製剤
として用いることができる。これらは例えば脂質低下特
性を示す。
【0052】驚くべきことに、式Iの化合物および水に
容易に可溶のこの化合物の塩はLDL受容体レベルを高
めることが見い出された。したがって、化合物Iおよび
水に容易に可溶のその塩は肝性LDL受容体の刺激によ
り有利に影響を受けることのできる脂質代謝疾患の治療
のために好適である。したがって、本発明はまた脂質代
謝疾患の治療のための化合物Iおよび水に容易に可溶な
その塩の使用に関する。
【0053】その効果は肝臓におけるLDL受容体(ア
ポB/E受容体)の急速な直接的刺激に基づいている。
天然コレステロール異化作用経路の刺激により、化合物
Iおよび水に容易に可溶なその塩はアテローム性LDL
およびVLDLを減少する。対比して、HMG−CoA
レダクターゼ阻害剤またはイオン交換樹脂は細胞内コレ
ステロールレベルの減少または胆汁酸の生合成、肝細胞
におけるLDL受容体の発現に必要なコレステロールの
増加のため間接的に刺激する。したがって、肝臓以外の
器官におけるHMG−CoAレダクターゼの徹底的な阻
害に基づく、スタチン(Statin)で観察されるもののよ
うな副作用(例えばユビキノン生成への影響)は予想さ
れえない。また、今日までこのタイプの副作用は観察さ
れていない。必要な1日の投与量が15〜30gと多量
であることによって生じる、イオン交換樹脂で観察され
るような問題の危険性はない。
【0054】アテローム発生において特に危険なのは特
定のコレステロール輸送リポタンパク質フラクション例
えば小粒子LDLフラクションである。殆どのLDL
(75%)の異化作用は肝臓のLDL受容体により行わ
れる。次に、コレステロールが肝細胞で部分的に代謝さ
れて胆汁酸となり、胆汁の形態で排出されるが、コレス
テロールの一部はまた直接、胆汁に排出される。LDL
受容体はヒトにおける脂質低下活性を有する抗アテロー
ム性動脈硬化剤のための攻撃の理想的な点であること
が、すでに原理的に認識されており、またすでに間接的
効果を有する物質(例えばスタチン)により治療的に証
明されている。
【0055】化合物Iおよび水に容易に可溶のその塩は
LDL受容体レベルを増加する。このようにして細胞表
面上に増加したLDL受容体レベルにより生じた肝細胞
におけるLDL(IDL、キロミクロンレムナント)吸
収の増加は次いでLDLコレステロールの肝性分解の増
加をもたらす。HDLレベルは影響を受けない。
【0056】したがって、式Iの化合物および水に容易
に可溶のその塩は抗アテローム性動脈硬化活性の理想原
理の一例である。次の所見は見い出された作用機構を説
明するものであり、これにより上記の化合物は減少した
LDL受容体活性に基づく高脂血症の治療に特に好適で
あることが明らかにされる; 1.ヒトの肝細胞腫の細胞系HepG2およびラットの
肝臓におけるLDL受容体mRNAレベルは化合物Iの
塩酸塩の投与後、数時間内で2〜2.5倍に増加する
(図1)。全血清およびリポタンパク質欠乏(LDL欠
乏)血清中の細胞系のインキュベーションの結果からわ
かるように、LDL受容体mRNA刺激はコレステロー
ルの「供給レベル」に依存しない(図2)。これらの観
察は次の試験を行うことにより行った:
【0057】mRNAはChomczynski, P. およびSacch
i, N. のAnal. Biochem., 162, 156(1987年)に記載の
方法により製造した。(例えば肝臓のような)器官の場
合、急速冷凍された組織を予めドライアイス上の乳鉢中
で均一化し、そしてmRNAを標準法〔Sambrook, J.,
Fritsch, E.F. およびManiatis, T., のMolecular Clon
ing, 第2版(1989年)を参照。この方法のコレクショ
ンにはここで用いられる分子生物学のすべての他の関連
した標準法の記載もまた含まれる。〕によりオリゴdT
を用いてさらに濃縮した。このようにして得られた溶解
mRNAの5〜20μmを標準法により変性し、1%水
性アガロースゲル上で分画した。mRNAを毛管でハイ
ボンドN膜(Hybond N membrane;Amersham社製)に吸
い取らせることにより移した。特異的ハイブリッド形成
プローブとして部分的LDL受容体cDNAクローン
を、そして内部標準としてβ−アクチン遺伝子を含有す
るプラスミドを使用した。Amersham社製のランダムプラ
イマーキットを用いて両方のプラスミドを5×109cpm
/μgの比活性に標識した。プレハイブリッド形成、ハ
イブリッド形成およびフィルターの洗浄は標準法により
行った。引き続いて、フィルターをCronex4フィルム
(Dupont社製)上、増感紙の存在下、−70℃で一晩ま
たは14日間まで露光し、そしてハイブリッド形成シグ
ナルを商業的に入手しうるレーザーデンシトメーターを
用いてフィルムの黒化部分の濃度により定量した。次
に、その商をLDL受容体バンドおよび内部標準として
のアクチンバンドの濃度から測定して収率の変動を補正
した。
【0058】図1は投与後の時間の関数として、ラット
の肝臓におけるLDL受容体mRNA発現のインビボで
の刺激を示す。30mg/kgの化合物Iの塩酸塩を経口的
に単独投与した後、所定の時間に肝臓組織を採取し、液
体窒素中で急速冷凍した。次に、mRNAを前記のよう
にして製造し、そしてノザン法を用いて相対的LDL受
容体mRNAレベルを測定した。LDL受容体mRNA
レベルは6時間後に約2.5倍に増加した。
【0059】図2は全血清およびリポタンパク質欠乏血
清中のHepG2細胞におけるLDL受容体mRNA発
現の刺激を示す。HepG2細胞は予め、10%ウシ胎
児血清を含み、化合物Iの塩酸塩(10-6M)を加えた
および加えていないMEM標準培地で16時間インキュ
ベートした。脱脂培地による従来の刺激にも関わらず、
LDL受容体mRNAはさらに全血清中の刺激で観察さ
れるものと同じ要因により上記の化合物によって過剰に
誘発される。この場合、リポタンパク質欠乏血清(LP
DS)は標準法〔Goldstein, J.L., Basu, S.K. および
Brown, M.S.のMethods Enzymol., 98,241(1983年)〕
を用いて超遠心分離により製造した。血清中のmRNA
は上記の方法と同様にして製造した。
【0060】2.mRNA合成の増加はまたHepG2
細胞における機能性LDL受容体レベルの対応する増加
をもたらす。125Iで標識された相同LDLの吸収は2.
5倍まで増加した(図3)。
【0061】この試験において、標準法により精製した
相同LDLを一塩化ヨウ素法により 125Iで標識した。
この場合、文献に開示され、そしてMcFarlaineによって
最初に開発されたヨウ素化技術の変形法であるBilheime
rの方法〔Bilheimer, D.W.,Eisenberg, S., およびLev
y, R.L. のBiochim. Biophys. Acta, 260,212(1972
年)を参照〕を用いた。
【0062】125I−LDLの取り込みを測定するため
に、HepG2細胞を化合物Iの塩酸塩を用いて、およ
び用いないで36時間プレインキュベートし、次いでヨ
ウ素で標識されたLDLを用いてインキュベーター中、
37℃で3時間インキュベートした。引き続き、細胞を
2%のウシ血清アルブミンの存在下で洗浄し、細胞を1
mlの0.1N NaOHで溶解し、そして取り込まれた放
射能を測定した。次に、タンパク質1mgあたりの比放射
能吸収量(全放射能吸収量から非比放射能吸収量を引い
たもの)を慣用的なLowry法によるタンパク質測定を介
して計算し、そしてコントロールの血清による放射能吸
収量を100%に設定した。
【0063】3.ラットの肝臓を用いた部分的に精製し
たHMG−CoAレダクターゼにおけるインビトロでの
HMG−CoAレダクターゼ測定〔Avigan J., Bathen
a, S.J., およびSchreiner, M.E.のJ. Lipid Res, 16
151(1975年)、並びにPhilippi, B.W. およびShapiro,
D.J. のJ. Lipid Res. 20,588(1979年)を参照〕に
おいて、化合物Iの塩酸塩はコントロールのインキュベ
ーションと比較して10 -5Mを加えた時、酵素活性に影
響を与えない(変動10%)。一方、この試験におい
て、ロバスタチンNa(lovastatin;開環したラクトン
環を有する)はIC 50値が3×10-9Mである。
【0064】4.インビボで実験動物におけるLDL受
容体活性の増加はLDL受容体(アポB/E受容体)に
よって代謝されうるリポタンパク質フラクションの減少
によりもたらされ、すなわちLDLおよびVLDLレベ
ルの減少が観察される。次の試験を行った: 4.1 亜慢性試験における正常脂肪血症(nor-molipemi
c)の雄のラットの血清リポタンパク質への作用 それぞれ10匹の雄のラットからなる群(HOE):最
初の体重が180g以上であるWISKf(SPF7
1)系統に1日1回(朝に)、1%Tylose(登録商標
名)MH300水溶液中における供試生成物または比較
用生成物(0.5ml/100g体重)を胃管により与
え;それぞれの場合のコントロール群にビヒクルだけを
与えた。最後(7回目)の投与を行ってから24時間
後、血液を採取し、致死させた。試験の間、食料および
水は自由に摂取させた。血液採取の24時間前に食料を
引っ込めた。血清リポタンパク質の分析のために、1群
中のすべての10匹のラットからの血清をプールした。
血清リポタンパク質を分離用超遠心機(KONTRON TGA 6
5, Rotor BECKMAN 50.4 Ti)を用いて分離した。
【0065】Koga, S., Horwitz, D.L.およびScanu, A.
M.のJournal of Lipid Research 10,577(1969年)並
びにHavel, R.J., Eder, H.A.およびBragdon, H.H.のJ.
Clin. Invest. 34,1345(1955年)に記載の次の条件
を用いてVLDL、LDLおよびHDLを分離した: 1.VLDL:密度<1.006、40,000rpm、1
6時間 2.LDL:密度 1.006〜1.04、40,000rp
m、16時間 3.HDL:密度 1.04〜1.21、40,000rp
m、18時間
【0066】分離したリポタンパク質フラクション中の
コレステロールおよびトリグリセリドの酵素的測定のた
めに、BOEH−RINGER/Mannheim社製のテスト
キットを用いた〔Siedel, J., Schlumberger, H., Klos
e, S., Ziegenhorn, J.およびWahlefeld, A.W.のJ. Cli
n. Chem. Clin. Biochem. 19,838(1981年)並びにWah
lefeld, A.W.のH.O. Bergmeier;Methoden der enzymat
ischen Analyse, 第2版、第II巻、Verlag Chemie 197
4,1878頁を参照〕。タンパク質はLowryの方法により測
定した〔Lowry, O.H., Roseborough, N.J., Farr, A.L.
およびR.J. RandellのJ. Biol. Chem. 193,265(1951
年)〕。結果を表3に示す。クロフィブレートを比較用
生成物として用いた。
【0067】
【表3】
【0068】4.2 雄のラットの高コレステロール血症
における効果 それぞれ10匹の雄のラットからなる群(HOE) 体重が約200gであるWISKf(SPF71)系統
に毎朝、混合栄養性/ホルモン性高コレステロール血症
を生じるのに必要な物質およびそれぞれ高コレステロー
ル血症を阻害するための供試生成物を含んだカクテルを
適当な投与量で与えた。カクテルは1リットルの落花生
油中における100gのコレステロール、30gのプロ
ピルチオウラシルおよび100gのコール酸の混合物で
構成した。体重100gあたり1mlのカクテルを強制摂
取させることにより投与した。供試生成物は上記量の投
与において表4に記載の1日の投与量を含むような濃度
でこのカクテル中に懸濁した。処置の他の操作および個
々のパラメーターの分析は4.1に記載のようにして行
った。
【0069】クロフィブレートを比較用生成物として用
いた。結果を表4に示す。表中、a)は絶対値、そして
b)は%変化を示す。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】4.3 炭水化物により誘発された高トリグ
リセリド血症における効果 それぞれ10匹の雄のSprague-Dawleyラット(ブリーダ
ーのMollegard社から入手したもので250〜280g
の体重を有する)からなる群に4日間連続して、PEG
400中に溶解した化合物を1日1回強制摂取させるこ
とにより投与した。さらに、3回目の投与後8時間およ
び24時間後に2.5gのフルクトース/kgを強制摂取
させることにより与えた。また、生成物の3回目の投与
後、50%フルクトース溶液を飲料水として容易に与
え、食料を引っ込めた。生成物/フルクトースの最後の
投与から3時間後、血液の眼窩後(retroorbital)採取
を行ない、それからトリグリセリド測定および超遠心機
(d=1.006での浮遊)でのVLDL製造のための
血清を得た。1回目の投与の1週間前から3回目の投与
まで動物に与えた食料は供給飼料に40%のカゼインを
含んだ食餌である。
【0073】この処置の結果として、動物は大体ヒトの
Fredrickson表現型IVに相当する高トリグリセリド血症
を発病する。通常の動物の血清トリグリセリドは0.5
4から1.1ミリモル/リットルに、そしてVLDLト
リグリセリドは0.67から1.81に増加した。表5を
見てわかるように、化合物Iの塩酸塩はわずか1mg/kg
/日で殆ど半分までVLDLトリグリセリドの増加を阻
害することができる。クロフィブレートはそれよりも1
00倍高い投与量でもわずかの阻害効果しか示さない。
結果を表5に示す。
【0074】
【表6】
【0075】式Iの化合物および容易に水に可溶のその
塩は下記の試験およびその結果からわかるように、細胞
増殖に対する阻害作用が低減されるため、化合物IのN
H類似体である4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイ
ミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリジン−5−カ
ルボン酸N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミ
ド(HOE 402、イマニキシル)およびこの化合物
の塩酸塩よりも極めて優れている:細胞増殖に対する低
減した阻害作用は指数的に生育している動物の腫瘍細胞
(マウス白血病細胞、L1210)およびヒトの腫瘍細
胞(気管支癌細胞、A549;結腸癌細胞、HT29)
を用いて試験した。腫瘍細胞を種々の濃度の供試物質を
含有するRPMI標準培地で72時間インキュベートし
た。新しい培地だけでの細胞のインキュベーションをコ
ントロールとして行なった。インキュベーションは4回
行なった。65時間後、無償の細胞により赤色の不溶性
ホルマザン色素に還元されるMTT(3−(4,5−ジ
メチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H
−テトラゾリウムブロミド)を加えた。さらに7〜24
時間インキュベートした後、細胞の上澄み液を注意深く
採取し、細胞中のホルマザン色素をDMSOを加えるこ
とにより溶解し、そして492nmにおいて測光法により
定量した。供試物質インキュベーションとコントロール
インキュベーションとの吸光比を定量した。各インキュ
ベーションにおける変動係数は15%未満であった。次
の表6にこれらの試験で得られたIC50値(IC50〔μ
g/ml〕は50%阻止するために必要な1mlあたりの供
試物質の濃度である)を示す。イマニキシル(imanixi
l)塩酸塩と同じ増殖阻害作用(IC50)を有するため
には塩酸塩としての化合物Iを相当高い投与量で与える
必要があるということは表から明らかである。
【0076】
【表7】
【0077】化合物Iおよび水に容易に可溶のその塩は
HOE402およびHOE402塩酸塩と比較して極め
て減少された増殖阻害作用を有し、それにより可逆的な
白血球減少の可能性のある大量の医原性過剰投与に関し
ての安全性の限界が改善される。
【0078】式Iの化合物はその薬学的に許容しうる酸
付加塩の形態(この使用形態が好ましい)で、または遊
離塩基として、これらの薬学的特性により製剤として使
用することができる。これは単独で、または適当な賦形
剤および/または相溶性希釈剤、場合によってはさらに
他の添加剤と混合して投与される。
【0079】本発明はまた本発明の活性物質および非毒
性で不溶性な薬学的に好適な賦形剤を含有するか、また
は本発明の活性物質からなる薬学的組成物、並びにこれ
らの組成物の製造法に関する。
【0080】非毒性で不溶性な薬学的に好適な賦形剤と
は、薬学的に許容しうる固体状、半固体状または液状の
希釈剤、充填剤および活性物質と混合した後それを投与
に適した形態に変換するすべてのタイプの製剤化助剤を
意味する。
【0081】化合物Iおよび水に容易に可溶のこの化合
物の塩の好適な投与形態の例は錠剤、コーチング錠、粉
剤、カプセル剤、丸剤、水性の液剤、懸濁剤および乳
剤、場合によっては滅菌注射用液剤、非水性の乳剤、懸
濁剤および液剤、スプレー剤、並びに活性物質徐放製剤
である。
【0082】治療的に有効な化合物は便宜上完全混合物
の重量に基づいて約0.1〜99.0重量%、好ましくは
0.5〜70.0重量%の濃度の上記の薬学的組成物で存
在する必要がある。スプレー剤の形態の液剤およびエア
ゾル剤の投与濃度は一般に0.1〜20、好ましくは0.
5〜5重量%である。上記の薬学的組成物は活性物質の
他に、さらに他の薬学的に活性な物質を含有してもよ
い。
【0083】上記の薬学的組成物は公知の方法により、
例えば活性物質を賦形剤と混合することにより慣用的に
製造される。好適な錠剤組成物は実施例27および28
に記載した。
【0084】本発明はまた上記した疾患を予防、改善お
よび/または治療するためのヒトの医薬における本発明
の活性物質およびこれを含有する薬学的組成物の使用に
関する。活性物質または薬学的組成物は経口的に、非経
口的に、腹腔内的におよび/または経腸的に投与するこ
とができる。
【0085】例えば脂質低下剤として使用することので
きる本発明の化合物、好ましくはその塩は有効量の活性
物質を賦形剤とともに含有し、経腸的および非経腸的投
与に適した薬学的組成物を製造するために用いることが
できる。好ましくは活性物質を希釈剤または賦形剤例え
ばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニト
ール、ソルビトール、セルロース、各種の澱粉および/
またはグリシン、および潤滑剤例えばケイ藻土、タル
ク、ステアリン酸またはそれらの塩例えばステアリン酸
マグネシウムまたはカルシウム、および/またはポリエ
チレングリコールとともに含有する錠剤またはカプセル
剤(ゼラチンカプセル剤)が使用される。便宜上、錠剤
はまた結合剤例えば炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニ
ウムマグネシウム、澱粉、ゼラチン、トラガカントまた
はメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロースおよび/またはポリビニルピロリドン、そして必
要に応じて着色剤、芳香剤および甘味剤を含有する。注
射用液剤は好ましくは滅菌することのできる等張水溶液
または懸濁液であり、補助物質例えば保存剤、安定剤、
湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調整
するための塩および/または緩衝物質を含有することが
できる。
【0086】本発明の薬学的組成物は場合によってはさ
らに薬理学的に活性な物質を含有することができ、例え
ば慣用的な混合、顆粒化およびコーチング方法により製
造され、そして0.1%〜約80%、好ましくは約0.5
%〜約65%の活性物質を含有する。
【0087】経口投与は薬学的に慣用の組成物、例えば
1日の投与量あたり5〜1000mg、好ましくは20〜
200mgの活性物質を慣用の賦形剤および/または成分
と混合して含有する錠剤、コーチング錠またはカプセル
剤の形態で行なわれ、そして5〜200mgの単独投与量
を好ましくは1日に1〜3回与えることができる。
【0088】しかしながら、特に治療対象の患者の特徴
および体重、疾患の性質および程度、組成物および製剤
投与の性質、並びに投与を行なう期間または間隔に応じ
て上記の投与量を適宜加減する必要がある。したがっ
て、ある場合には上記の量よりも少ない量の活性物質で
十分間に合うが、他方上記の量を超えて活性物質を使用
しなければならない場合もある。それぞれの場合におけ
る最適投与量および活性物質の投与態様は当業者が専門
的な知識に基づいて容易に決定することができる。
【0089】次の実施例は本発明をさらに詳細に説明す
るためのものであって、本発明を限定するものではな
い。次の実施例に記載の融点および分解点は未補正のも
のである。
【0090】薄層クロマトグラフィーはプレコーティン
グしたシリカゲル60、Riedel-deHaen AG社製F−25
4 TLCプレートを用いて行なった。移動相はそれぞ
れ各実施例で記載した。 〔実施例1〕11.39g(40ミリモル)の2−シア
ノ−3−エトキシアクリル酸N−メチル−N−(3−ト
リフルオロメチルフェニル)アミド(化合物III)を2
0℃で120mlの無水1,2−ジメトキシエタン中にお
ける6.25g(40ミリモル)の1−アミジノ−4,4
−ジメチル−2−オキソイミダゾリジンの撹拌懸濁液に
加えた。約5分間撹拌した後生成した溶液から結晶性物
質を分離し、約12分後に開始した。混合物を20〜2
4℃でさらに2時間撹拌し、次いで固体を吸引濾去し、
エーテルで洗浄した。濾液を26℃以下で真空蒸発させ
た。結晶性残留物(8.1g)を25mlのエーテル中に
懸濁させ、そして20分後固体を吸引濾過した。両方の
得られた結晶部分を一緒に約200mlの水に懸濁させ、
室温で40分間撹拌し、吸引濾過し、少量の水で洗浄
し、そして20〜25℃で48時間P25で真空乾燥し
た。このようにして14.02g(収率85.8%)の1
−シアノ−1−〔N−メチル−N−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)カルバモイル〕−2−〔イミノ(4,
4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)メ
チルアミノ〕エテン(化合物IV)を得た〔融点186〜
189℃(分解)〕。この化合物はIRスペクトルにお
いて2212cm-1に特性CNバンドを示す。得られた生
成物はTLC(CH2Cl2/C25OH=10:1)
(RF=0.44±0.01)によればほとんど純粋であ
る。1H−NMRスペクトルによれば、純粋な立体異性
体(EまたはZ)が存在する。 C1819362(408.40) C% H% F% N% 計算値: 52.94 4.69 13.96 20.58 実測値: 52.78 4.65 13.20 20.30
【0091】〔実施例2〕4.69g(30ミリモル)
の1−アミノ−4,4−ジメチル−2−オキソイミダゾ
リジンを70℃で38mlの1,2−ジメトキシエタンお
よび45mlのイソプロパノールの混合物に溶解した。こ
の溶液を20℃に冷却し、20℃で9.0g(30.2ミ
リモル)の2−シアノ−3−エトキシアクリル酸N−メ
チル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド
を加えた。混合物を20〜24℃で1時間撹拌し、そし
て分離した結晶性沈殿物を吸引濾過し、エーテルで洗浄
した。濾液を実施例1に記載のようにして処理した。そ
の結果、さらに0.74gの結晶性生成物が得られた。
これと前もって直接単離した主要部分を合一し、実施例
1に記載のように水で撹拌し、再び吸引濾過し、そして
乾燥した。TLCによればほとんど純粋な化合物IVであ
る10.76g(収率87.8%)の生成物が得られた。
【0092】〔実施例3〕5.97g(20ミリモル)
の2−シアノ−3−エトキシアクリル酸N−メチル−N
−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドを18〜
20℃で20mlのテトラヒドロフランおよび10mlのメ
タノールの混合物中における3.12g(20ミリモ
ル)の1−アミジノ−4,4−ジメチル−2−オキソイ
ミダゾリジンの溶液に加え、そして混合物を20℃で
1.5時間撹拌した。次いで分離した固体を吸引濾過し
た。これと得られた濾液をさらに実施例1を同様にして
後処理した。TLCによれば実質的に純粋な化合物IVで
ある6.67g(収率81.7%)の生成物が得られた。
【0093】〔実施例4〕7.12g(30ミリモル)
の1−アミジノ−4,4−ジメチル−2−オキソイミダ
ゾリジン臭化水素酸塩を室温で70mlの1−プロパノー
ルおよびメタノール中における5.5mlのナトリウムメ
チレートの30%強度溶液(30ミリモル)の混合物に
加え、そして混合物を室温で20分間撹拌した。次い
で、20℃で8.95g(30ミリモル)の2−シアノ
−3−エトキシアクリル酸N−メチル−N−(3−トリ
フルオロメチルフェニル)アミドを加え、そして混合物
を20℃で30分間、20〜25℃で1.5時間撹拌し
た。次いで分離した固体を吸引濾過し、1−プロパノー
ルおよび水で洗浄し、そして実施例1に記載のように乾
燥した。原濾液を実施例1のように処理した。6.82
g(収率55.7%)の、TLCによれば、実質的に純
粋な化合物IVが得られた。
【0094】〔実施例5〕4.74g(20ミリモル)
の1−アミジノ−4,4−ジメチル−2−オキソイミダ
ゾリジン臭化水素酸塩を47mlの沸騰している1−プロ
パノールに溶解し、そして88〜90℃で3.60g
(3.67ml、20ミリモル)のメタノール中における
ナトリウムメチレートの30%強度溶液を加えた。得ら
れた懸濁液を45℃に冷却し、45℃で30分間撹拌
し、次いで20℃に冷却し、そして5.97g(20ミ
リモル)の2−シアノ−3−エトキシアクリル酸N−メ
チル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド
を20℃で加え、そして混合物を室温で1.8時間撹拌
した。50mlのエーテルで糊状の塊を希釈した後、分離
した固体を吸引濾過し、そしてエーテルで洗浄した。こ
の生成物(最初の結晶)および原ろ液(母液)からの残
留物を実施例1に記載のようにしてさらに処理し、そし
て乾燥した。6.23g(収率76.3%)のTLCによ
れば、実質的に純粋な化合物IVが得られた。
【0095】〔実施例6〕3.60g(3.67ml、20
ミリモル)の30%強度NaOCH3/CH3OH溶液を
室温で47mlのメタノール中における4.74g(20
ミリモル)の1−アミジノ−4,4−ジメチル−2−オ
キソイミダゾリジン臭化水素酸塩の溶液に加え、そして
混合物を45℃で30分間撹拌した。次いで溶液を20
℃に冷却し、20℃で5.97g(20ミリモル)の2
−シアノ−3−エトキシアクリル酸N−メチル−N−
(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドを加え、そ
して混合物を20℃で20分間、室温で1.5時間およ
び氷浴中で冷却しながら30分間撹拌した。分離した固
体を吸引濾過し、エーテルで洗浄し、そして実施例1に
記載のようにしてさらに処理した。同様に濾過(母液)
からの残留物を実施例1に記載のようにしてさらに処理
し、乾燥した。6.35g(収率77.7%)の、TLC
(CH2Cl2/C25OH=10:1)によれば、実質
的に純粋な化合物IVが得られた。
【0096】同様の方法においてここで用いた臭化水素
酸塩の代りに1−アミジノ−4,4−ジメチル−2−オ
キソイミダゾリジンの塩酸塩(20ミリモル、3.85
g)を用いることが可能である。
【0097】〔実施例7〕3.1mlのエーテル中におけ
るHClの6.6モル/溶液を室温で48mlのエタノー
ル中における8.17g(20ミリモル)の1−シアノ
−1−〔N−メチル−N−(3−トリフルオロメチルフ
ェニル)カルバモイル〕−2−〔イミノ(4,4−ジメ
チル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)メチルアミ
ノ〕−エテン(化合物IV)の懸濁液に滴加し、そして混
合物を1〜3℃で1時間撹拌した。次いで固体を吸引濾
過し、エーテルで洗浄し、そして室温で20時間真空
(4〜6ミリバール)下乾燥した。8.34g(収率9
0.7%)の純粋な1−シアノ−1−〔N−メチル−N
−(3−トリフルオロメチルフェニル)カルバモイル〕
−2−〔イミノ−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1
−イミダゾリジニル)メチルアミノ〕−エテン塩酸塩が
得られた〔融点180〜181℃(転移点、物質は再固
形化する)〕; C1820ClF362(444.86) C% H% Cl% F% N% 計算値: 48.60 4.53 7.97 12.81 18.89 実測値: 48.20 4.35 8.0 12.75 18.60
【0098】〔実施例8〕5mlの酢酸エチル中における
HNO3の0.5モル/リットル溶液を室温で6mlの酢酸
エチル中における1.00g(2.45ミリモル)の化合
物IVの懸濁液に加え、そして氷浴中において3時間冷却
しながら撹拌した。次いで固体を吸引濾過し、酢酸エチ
ルおよびエーテルで洗浄し、そして室温で24時間真空
(4〜7ミリバール)下乾燥した。1.11g(収率9
4%)の純粋な化合物IVの硝酸塩が得られた〔融点14
2〜143℃〕。 C1820375(471.41) C% H% F% N% 計算値: 45.86 4.28 12.09 20.80 実測値: 46.3 4.6 12.0 21.1
【0099】〔実施例9〕3mlのギ酸(98〜100%
強度)中における1.634g(4ミリモル)の1−シ
アノ−1−〔N−メチル−N−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)カルバモイル〕−2−〔イミノ(4,4−
ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)メチル
アミノ〕エテン(化合物IV)の溶液を50℃で2時間加
熱した。次いでギ酸を真空下で除去し、残留物をジクロ
ロメタンに取り、20mlの水を加え、そしてpHを希水酸
化ナトリウム溶液で9〜10の間に調整した。有機相を
分離した。水相をさらに2回ジクロロメタンで抽出し
た。合一したジクロロメタン抽出物を2mlの0.5N N
aOHついで水で2回連続して洗浄し、MgSO4で乾
燥し、そして真空蒸発させた。固形状の残留物をエーテ
ル/ヘプタン(1:1)と混合し、そして吸引濾過し
た。乾燥後(実施例13を参照)、0.93g(収率5
6.9%)の純粋な4−アミノ−2−(4,4−ジメチル
−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)ピリミジン−5
−カルボン酸N−メチル−N−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)アミドが得られた〔融点210〜211
℃〕;TLC〔CH2Cl2/C25OH=10:1〕 C1819362(408.40)(化合物I) C% H% F% N% 計算値: 52.94 4.69 13.96 20.58 実測値: 52.8 5.0 13.4 20.4
【0100】〔実施例10〕6mlのギ酸中における3.
268g(8ミリモル)の化合物IVの溶液を40℃で3
時間加熱し、次いで実施例9に記載のようにして処理し
た。このようにして2.03g(収率62.1%)の化合物
Iが得られた〔融点210〜211℃〕。
【0101】〔実施例11〕3mlの氷酢酸中における
1.634g(4ミリモル)化合物IVの懸濁液を50℃
で撹拌した。1.5時間後生成した溶液を50℃で1時
間さらに撹拌し、次いで室温で25mlの水で希釈し、そ
して5.5mlの32%強度水酸化ナトリウム溶液でpH9
に調整した。得られた混合物を数回酢酸エチルで抽出し
た。合一した酢酸エチル抽出物を少量の水で2回洗浄
し、Na2SO4で撹拌し、濾過し、そして真空蒸発させ
た。残留物を100mlのCH2Cl2に溶解した。溶液を
毎回10mlの0.5N NaOHで4回そして毎回4mlの
水で2回連続して抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過
し、そして真空蒸発した。残留物を2〜5℃で約10ml
のエーテルと混合しし、そして吸引濾過した。(実施例
13に記載のようにして)乾燥し、1.26g(収率7
7.1%)の純粋な化合物Iを得た〔融点210.5〜2
11.5℃〕。
【0102】〔実施例12〕2.45g(6ミリモル)
の化合物IV、24mlのテトラヒドロフラン(THF)お
よび2.70g(45ミリモル)の氷酢酸の混合物を還
流下沸騰しながら撹拌し、約10分後得られた溶液を還
流下3.8時間沸騰し、次いで真空蒸発させた。残留物
を8mlの水と混合し、2N塩酸でpH1に調整した。次い
で分離した固形物を吸引濾過し、エーテルで洗浄し、そ
して乾燥した。この固形物(0.68g)は副生成物と
して生成した化合物VIである。酸性の水性濾液を希水酸
化ナトリウム溶液でpH9〜10に調整し、その後油状生
成物を分離し、そして数mlのエーテルを加えて結晶化し
た。2〜4℃で1時間冷却後、結晶を吸引濾過し、少量
のエーテルで洗浄し、そして実施例13に記載のように
して乾燥した。1.19g(収率48.6%)の純粋な化
合物Iが得られた〔融点210〜211℃〕。
【0103】〔実施例13〕36mlの無水THF中にお
ける2.45g(6ミリモル)の化合物IVおよび0.66
g(7.33ミリモル)の無水シュウ酸の溶液を還流下
8時間沸騰させ、次いで約30℃で34.5mlのCH2
2を加え、そして混合物を室温で17時間放置した。
分離した結晶性物質を吸引濾過し、少量のCH2Cl2
洗浄し、100℃で真空(3〜7ミリバール)下乾燥し
た。この結果、シュウ酸を含んだ化合物Iの水素シュウ
酸塩である1.36gの生成物を得た。この生成物を5m
lの水に溶解し、2.3mlの2N NaOHを加え、そし
て氷で1時間冷却しながら撹拌した。この間に分離した
結晶性沈殿物を吸引濾過し、水およびエーテルで洗浄
し、そして100℃で真空(180ミリバール)下17
時間乾燥した。0.98g(収率40%)の化合物Iが
得られた〔融点209〜210℃〕。
【0104】〔実施例14〕1.634g(4ミリモ
ル)の化合物IVを室温で20mlのメタノールおよび0.
392g(〜4ミリモル)の濃硫酸の混合物に加え、そ
して得られた溶液を還流下9.5時間沸騰させた。次い
でそれを真空蒸発させた。残留物を約10mlの水と混合
し、そして希水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。
混合物をエーテルで数回抽出した。集めたエーテル抽出
物を少量の水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、
そして真空蒸発させた。残留物をヘプタン/エーテル
(1:1)で摩砕した。得られた結晶物を吸引濾過し、
そして実施例13に記載のようにして乾燥した。0.2
2g(収率13.5%)の純粋な化合物Iが得られた
〔融点210〜211℃〕。
【0105】〔実施例15〕2.45g(6ミリモル)
の化合物IV、180ml(2ミリモル)のシュウ酸および
5mlの氷酢酸の混合物を撹拌しながら50℃に加熱し、
30分後溶液を得た。50℃で2.5時間撹拌を続け、
次いで氷酢酸を真空下除去した。残留物を30mlのCH
2Cl2および20mlの水と混合し、水相を希NaOHで
pH9〜10に調整し、相を分離し、そして水相をCH2
Cl2でさらに3回抽出した。合一したCH2Cl2抽出
物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして
真空蒸発させた。残留物をエーテル/ヘプタン(1:
1)と混合した。結晶を吸引濾過し、エーテル/ヘプタ
ン(3:1)で洗浄し、そして真空(4〜6ミリバー
ル)下乾燥した。1.83g(収率74.7%)の実質的
に純粋な化合物Iが得られた〔融点209〜210
℃〕。
【0106】〔実施例16〕4.60mlの氷酢酸および
0.40mlの水の混合物中における2.45g(6ミリモ
ル)の化合物IVの懸濁液を50℃で撹拌した。30分後
に得られた溶液をさらに50℃で2.5時間撹拌し続け
て真空蒸発させた。約10mlの水を残留物に加え、pHを
希NaOHで9〜10に調整し、そして混合物をCH2
Cl2で数回抽出した。CH2Cl2抽出物を少量の水で
2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして真空
蒸発させた。結晶性残留物を約10mlのエーテルと一緒
に撹拌した。氷浴中1時間冷却後、固形物を吸引濾過
し、エーテルで洗浄し、そして実施例13に記載のよう
にして乾燥した。1.74g(収率71%)の純粋な化
合物Iが得られた〔融点210〜211℃〕。
【0107】〔実施例17〕2.45g(6ミリモル)
の化合物IV、820ml(5ミリモル)のトリクロロ酢酸
および4.25mlの氷酢酸の混合物を70℃で2時間撹
拌し、続けて真空蒸発させた。残留物を100mlの酢酸
エチルに取り、毎回20mlの2N NaOHおよび10m
lの水でそれぞれ2回連続して抽出した。溶液をMgS
4で乾燥し、次いで濾過し、そして真空蒸発させた。
残留物を25mlのエーテルに溶解し、その後結晶を分離
した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで真空蒸発
させた。結晶性残留物をジイソプロピルエーテルに懸濁
させ、吸引濾過し、そして100℃で15時間真空下乾
燥した。1.36g(収率55.5%)の純粋な4−アミ
ノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダ
ゾリジニル)−ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル
−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドが得
られた〔融点209〜210℃〕。
【0108】〔実施例18〕20mlの水中における1.
78g(4ミリモル)の1−シアノ−1−〔N−メチル
−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)カルバモイ
ル〕−2−〔イミノ(4,4−ジメチル−2−オキソ−1
−イミダゾリジニル)メチルアミノ〕エテン塩酸塩の懸
濁液を80℃で撹拌した。1.5時間後透明な水相が得
られ、それから粘性物質の塊が分離された。80℃でさ
らに5.9時間撹拌し、次いで希塩酸でpH1に調整し、
濾過した。濾液をNaOHでpH9〜10に調整し、その
後結晶性沈殿物を分離した。氷で1時間冷却しながら撹
拌した後、固形物を吸引濾過し、水およびエーテルで洗
浄し、そして実施例13に記載のようにして乾燥した。
0.47g(収率28.8%)の化合物Iが得られた〔融点
209〜210℃〕。
【0109】〔実施例19〕10.74g(26.3ミリ
モル)の1−シアノ−1−〔N−メチル−N−(3−ト
リフルオロメチルフェニル)カルバモイル〕−2−〔イ
ミノ(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリ
ジニル)メチルアミノ〕エテン(化合物IV)を190℃
に予め加熱されたフラスコに入れて、蒸留ヘッドで閉じ
た。物質を磁気撹拌しながら190℃で5分間、そして
190〜192℃で6分間放置した。次いで装置を減圧
して排気し、そして副生成物として生成した3−メチル
アミノベンゾトリフルオライドを実質的に10分間にわ
たって189〜175℃の浴温で真空蒸発することによ
り除去した。得られた褐色の溶融物質を100mlのCH
2Cl2に取り、この溶液を毎回35mlの0.5N NaO
Hで3回、毎回20mlの水で2回および毎回25mlの1
N塩酸で4回連続して抽出した。集めた水性塩酸抽出物
を活性炭で透明にし、濾過し、そして水酸化ナトリウム
溶液でpH9に調整した。分離した沈殿物をCH2Cl2
取り、そして水相をCH2Cl2で1回抽出した。合一し
たCH2Cl2抽出物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥
し、濾過し、そして真空蒸発させた。非結晶性残留物を
エーテルに溶解し、その後結晶性物質を数分後分離し
た。数時間後これを吸引濾過し、そして真空(180ミ
リバール)下100℃で15時間乾燥した。このように
して3.83g(収率35.7%)のTLCより純粋な4
−アミノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−
イミダゾリジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メ
チル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド
(化合物I)を得た〔融点209〜210℃〕。 C1819262(408.40) C% H% F% N% 計算値: 52.94 4.69 13.96 20.58 実測値: 52.8 5.0 13.35 20.4 TLC〔CH2Cl2/C25OH=10:1〕
【0110】処理して得られた水性アルカリ抽出物は副
生成物として生成した化合物VIを含有する。化合物Iの
塩酸塩の水に対する高い溶解度は化合物Iの単離におい
て好都合で効果的な副生成物の除去からなる後処理の上
記態様を可能にする。
【0111】〔実施例20〕2.67g(6ミリモル)
の1−シアノ−1−〔N−メチル−N−(3−トリフル
オロメチルフェニル)カルバモイル〕−2−〔イミノ
(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリジニ
ル)メチルアミノ〕エテン塩酸塩を190℃に予め加熱
された浴中で10分間真空(4〜6ミリバール)下18
7〜189℃で加熱した。冷却後、固形化した溶融物を
5mlの2N水酸化ナトリウム溶液と混合した。12mlの
ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテル(5:1)
を加えた。撹拌により最初に2つの透明な相が生成し、
それから結晶を分離した。混合物を氷で冷却しながら1
時間撹拌し、結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、そして5
0mlのCH2Cl2に取った。生成した溶液を毎回5mlの
0.5N NaOHで3回、毎回5mlの水で2回連続して
抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして蒸発させ
た。残留物をジイソプロピルエーテルで摩砕し、吸引濾
過して実施例13に記載のようにして乾燥した。0.8
2g(収率32.6%)の化合物Iが得られた〔融点2
09〜210℃〕。
【0112】〔実施例21〕4N塩酸を810mlの1,
2−ジメトキシエタン中における45.5g(111.4
ミリモル)の4−アミノ−2−(4,4−ジメチル−2
−オキソ−1−イミダゾリジニル)ピリミジン−5−カ
ルボン酸N−メチル−N−(3−トリフルオロメチルフ
ェニル)アミド(化合物I)の撹拌懸濁液に室温でpHが
3.0で一定になるまで滴加した。28.4mlの4N塩酸
がこのために必要であった。得られた溶液を30分間
(室温で)撹拌し、次いで真空蒸発させた。粘性の油状
物を150mlの沸騰アセトンに溶解し、その直後結晶性
沈殿物が生成し始めた。氷浴中で30分間冷却後、結晶
を吸引濾過し、アセトンおよびエーテルで洗浄し、そし
て真空(180ミリバール)下100℃で17時間乾燥
した。46.7g(収率94.2%)の純粋な4−アミノ
−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾ
リジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル−N
−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド塩酸塩が
得られた〔融点210〜211℃〕。 C1820ClF362(444.86) C% H% Cl% F% N% 計算値: 48.60 4.53 7.97 12.81 18.89 実測値: 48.4 4.4 7.8 12.0 18.8 この化合物Iの塩酸塩の水に対する溶解度を表2(N
o.1)に示す。
【0113】〔実施例22〕1.5mlのエーテル中にお
ける6.6モル/リットル HCl溶液を室温で20mlの
アセトン中における3.68g(9ミリモル)の2−ア
ミノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミ
ダゾリジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル
−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの溶
液に滴加し、得られた懸濁液を氷浴中で30分間冷却し
ながら撹拌し、そして結晶性固形物を吸引濾過した。後
者を実施例13に記載のようにして乾燥した。3.75
g(収率93.7%)の純粋な4−アミノ−2−(4,4
−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)ピリ
ミジン−5−カルボン酸N−メチル−N−(3−トリフ
ルオロメチルフェニル)アミド塩酸塩が得られた〔融点
210〜211℃〕。
【0114】〔実施例23〕実施例22の記載と同様に
方法で1.35mlのエーテル中における6.6モル/リッ
トルHCl溶液を25mlの酢酸エチルおよび5mlのメタ
ノール中における8ミリモルの化合物Iの溶液に加え、
次いで混合物を真空蒸発した。粘性の油状残留物を20
mlの沸騰アセトンに溶解し、数分後結晶性沈殿物を分離
した。氷浴中30分間冷却しながら撹拌した後、固形物
を吸引濾過し、アセトンおよびエーテルで洗浄し、実施
例13に記載のようにして乾燥した。3.28g(収率
92.3%)の純粋な4−アミノ−2−(4,4−ジメチ
ル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)ピリミジン−
5−カルボン酸N−メチル−N−(3−トリフルオロメ
チルフェニル)アミド塩酸塩が得られた〔融点210〜
211℃〕。
【0115】〔実施例24〕9.3mlの酢酸エチル中に
おける0.5モル/リットル HNO3溶液を室温で30m
lの酢酸エチル中における1.84g(4.5ミリモル)
の化合物Iの撹拌懸濁液に加えた。このようにして簡単
に溶液を得、それから直ちに結晶性沈殿物を分離し、室
温で2時間撹拌した後、吸引濾過し、そして酢酸エチル
で洗浄した。結晶を真空(5ミリバール)下80℃で1
7時間乾燥して、2.02g(収率95.2%)の純粋な
4−アミノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1
−イミダゾリジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N−
メチル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミ
ド硝酸塩を得た〔融点220〜221℃〕 C1820375(471.41) C% H% F% N% 計算値: 45.86 4.28 12.09 20.80 実測値: 45.85 4.25 12.45 20.90 この化合物Iの硝酸塩の水に対する溶解度を表2(N
o.2)に示す。
【0116】〔実施例25〕10mlのアセトニトリル中
における285.5mg(1.5ミリモル)のp−トルエン
スルホン酸水和物の溶液を室温で4mlのアセトニトリル
中における613mg(1.5ミリモル)の化合物Iの懸
濁液に加えた。得られた溶液(pH3〜4)を室温で20
分間撹拌し、そして真空蒸発させた。エーテルを残留物
に加えた。このようにして物質を結晶化して得て、室温
で20分間撹拌した後、吸引濾過し、そしてエーテルで
洗浄した。乾燥(5〜6ミリバール、80℃、8時間)
して820mg(収率94.1%)の純粋な4−アミノ−
2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリ
ジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N−メチル−N−
(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドp−トルエ
ンスルホン酸塩を得た〔融点168〜170℃〕。 C2527365S(580.61) C% H% F% N% S% 計算値: 51.72 4.68 9.82 14.48 5.52 実測値: 51.3 4.7 10.0 14.25 5.7 この化合物Iのp−トルエンスルホン酸塩の水に対する
溶解度を表2(No.3)に示す。
【0117】〔実施例26〕3mlのメタノール中におけ
る150.5mg(1ミリモル)の(R,R)−(+)−酒
石酸の溶液を室温で5mlのアセトニトリル中における4
08.5mg(1ミリモル)の4−アミノ−2−(4,4−
ジメチル−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)ピリミ
ジン−5−カルボン酸N−メチル−N−(3−トリフル
オロメチルフェニル)アミドに加え、その後溶液を生成
した。これを40の浴温で真空蒸発させた。非結晶性残
留物をエーテル/アセトニトリル(10:1)に溶解し
た。結晶を数分後分離した。混合物を室温で2時間およ
び氷浴中1時間冷却しながら撹拌し、結晶を吸引濾過
し、エーテルで洗浄し、そして真空(4〜5ミリバー
ル)下85℃で乾燥した。510mg(収率91.3%)
の4−アミノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−
1−イミダゾリジニル)ピリミジン−5−カルボン酸N
−メチル−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)ア
ミド水素(R,R)−酒石酸塩が得られた〔融点152
〜153℃〕。 C2225368(558.49) C% H% F% N% 計算値: 47.31 4.51 10.21 15.05 実測値: 46.70 4.40 9.65 14.1 この化合物Iの水素酒石酸塩の水に対する溶解度を表2
(No.4)に示す。
【0118】〔実施例27〕以下に記載する組成を有す
るフィルムコーチング錠の製造:
【表8】
【0119】a) 物質1.〜4.を混合し、圧縮しそし
てフレウィットふるい(メッシュ幅1.0mm)を通過さ
せた。 b) a)で得られた顆粒物に物質5.〜7.を振りか
け、圧縮した。 c) b)で得られた錠剤に水性フィルムコーチングを
施した。
【0120】〔実施例28〕以下に記載する組成を有す
るフィルムコーチング錠の製造:
【表9】
【0121】a) 物質1.〜4.を混合し、圧縮しそし
てフレウィットふるい(メッシュ幅1.0mm)を通過さ
せた。 b) a)で得られた顆粒物を物質5.を振りかけ、圧
縮した。 c) b)で得られた錠剤に水性フィルムコーチングを
施した。 このタイプの錠剤は活性物質が徐々に放出される組成物
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】投与後の時間の関数として、ラットの肝臓にお
けるLDL受容体mRNA発現レベルを示す。
【図2】全血清およびリポタンパク質欠乏血清中のHe
p G2細胞におけるLDL受容体mRNA発現レベル
を示す。
【図3】125Iで標識された相同LDLの吸収によるL
DLR活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミヒアエル・ライネヴエーバー ドイツ連邦共和国デー−6230フランクフル ト・アム・マイン.ハイムヒエンヴエーク 74 (72)発明者 マンフレート・ヒユテインガー オーストリア国アー−1232ヴイーン.ア ム・バウムガルトナーシユトラーセ44−1 −83

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に可溶のまたは容易に可溶の式I 【化1】 の化合物の塩。
  2. 【請求項2】 水に可溶の、または容易に可溶の式Iの
    化合物の塩を含有する製剤。
  3. 【請求項3】 肝性LDL受容体の刺激により有利に影
    響を受ける脂質代謝疾患の治療のための製剤の製造にお
    ける、請求項1記載の塩または式Iの化合物の使用。
  4. 【請求項4】 肝性LDL受容体を刺激するための請求
    項1記載の塩または式Iの化合物の使用。
  5. 【請求項5】 式IV 【化2】 の化合物またはこの化合物の塩もしくは塩混合物を0°
    〜240℃の温度において、溶媒を加えてまたは加えな
    いで環化して式Iの化合物または式Iの化合物の塩もし
    くは塩混合物を得、場合によっては得られた式Iの化合
    物を水に可溶の、または容易に可溶の塩に変換するか、
    あるいは場合によっては得られた塩または塩混合物を水
    に可溶の、または容易に可溶の塩に変換することからな
    る、水に可溶の、または容易に可溶の式Iの化合物また
    はその塩の製造法。
  6. 【請求項6】 式IV 【化3】 の化合物。
  7. 【請求項7】 式II 【化4】 の化合物またはこの化合物の塩を式III 【化5】 (式中、R6はC1〜C4−アルキルである)の化合物と
    有機溶媒または希釈剤の存在下で反応させて式IVの化合
    物またはこの化合物の塩を生成し、そして場合によって
    は得られた式IVの化合物を塩に変換するか、あるいは、
    場合によっては得られた塩を式IVの化合物に変換するこ
    とからなる、式IVの化合物またはその塩の製造法。
JP03002193A 1992-02-22 1993-02-19 4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸n−メチル−n−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの可溶性塩 Expired - Fee Related JP3258744B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4205483:4 1992-02-22
DE4205483 1992-02-22

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06184137A true JPH06184137A (ja) 1994-07-05
JP3258744B2 JP3258744B2 (ja) 2002-02-18

Family

ID=6452363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03002193A Expired - Fee Related JP3258744B2 (ja) 1992-02-22 1993-02-19 4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸n−メチル−n−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの可溶性塩

Country Status (16)

Country Link
US (1) US5795899A (ja)
EP (1) EP0557877B1 (ja)
JP (1) JP3258744B2 (ja)
AT (1) ATE158581T1 (ja)
AU (2) AU658265B2 (ja)
CA (1) CA2089956A1 (ja)
DE (1) DE59307402D1 (ja)
DK (1) DK0557877T3 (ja)
ES (1) ES2109382T3 (ja)
FI (1) FI105097B (ja)
GR (1) GR3025235T3 (ja)
HU (1) HU210621B (ja)
IL (1) IL104792A (ja)
NO (1) NO300892B1 (ja)
NZ (2) NZ245937A (ja)
ZA (1) ZA931183B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE147384T1 (de) * 1992-02-22 1997-01-15 Hoechst Ag 4-amino-2-ureido-pyrimidin-5-carbonsäureamide, verfahren zu deren herstellung, diese verbindungen enthaltende arzneimittel und deren verwendung
DE19625088A1 (de) * 1996-06-24 1998-01-02 Hoechst Ag 4-Amino-2-ureido-pyrimidin-5-carbonsäureamide, Verfahren zu deren Herstellung, diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel und deren Verwendung
DE19625089A1 (de) * 1996-06-24 1998-01-02 Hoechst Ag 4-Amino-2-ureido-pyrimidin-5-carbonsäureamide, Verfahren zu deren Herstellung, diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel und deren Verwendung
AU7683500A (en) 1999-10-12 2001-04-23 Takeda Chemical Industries Ltd. Pyrimidine-5-carboxamide compounds, process for producing the same and use thereof

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2853220A1 (de) * 1978-12-09 1980-07-03 Hoechst Ag Neue amino-pyrimidin-carbanilide, verfahren zu ihrer herstellung, diese verbindungen enthaltende arzneimittel und ihre verwendung
DE3522940A1 (de) * 1985-06-27 1987-01-08 Hoechst Ag 4-amino-2-(imidazolidin-2-on-1-yl)-pyrimidin-5-carbonsaeure-(n-(3-trifluormethyl-phenyl)-amide) zur antithrombotischen prophylaxe und behandlung sowie ihre verwendung zur herstellung von antithrombotisch wirksamen arzneimitteln
ATE147384T1 (de) * 1992-02-22 1997-01-15 Hoechst Ag 4-amino-2-ureido-pyrimidin-5-carbonsäureamide, verfahren zu deren herstellung, diese verbindungen enthaltende arzneimittel und deren verwendung

Also Published As

Publication number Publication date
FI930718A0 (fi) 1993-02-18
HU210621B (en) 1995-06-28
NZ264767A (en) 1995-10-26
FI105097B (fi) 2000-06-15
NZ245937A (en) 1994-12-22
IL104792A0 (en) 1993-06-10
FI930718A (fi) 1993-08-23
AU669463B2 (en) 1996-06-06
AU658265B2 (en) 1995-04-06
NO300892B1 (no) 1997-08-11
EP0557877A1 (de) 1993-09-01
AU1136595A (en) 1995-04-13
CA2089956A1 (en) 1993-08-23
ATE158581T1 (de) 1997-10-15
EP0557877B1 (de) 1997-09-24
ES2109382T3 (es) 1998-01-16
GR3025235T3 (en) 1998-02-27
ZA931183B (en) 1993-09-16
NO930595L (no) 1993-08-23
NO930595D0 (no) 1993-02-19
DE59307402D1 (de) 1997-10-30
JP3258744B2 (ja) 2002-02-18
DK0557877T3 (da) 1998-04-27
HU9300459D0 (en) 1993-05-28
HUT63410A (en) 1993-08-30
US5795899A (en) 1998-08-18
AU3376093A (en) 1993-08-26
IL104792A (en) 1997-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3765439B1 (en) Novel calcium salt polymorphs as anti-inflammatory, immunomodulatory and anti-proliferatory agents
US4381398A (en) Amino-alcohol derivatives
JP2726790B2 (ja) 4−アミノ−2−ウレイドピリミジン−5−カルボキサミド、その製造法およびこれらの化合物を含有する薬剤
JP3094384B2 (ja) 臨床医学で使用されるヒスタミン受容体h3の新規な拮抗作用化合物と、その受容体の拮抗物質として作用する医薬組成物と、その製造方法
JP3258744B2 (ja) 4−アミノ−2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸n−メチル−n−(3−トリフルオロメチルフェニル)アミドの可溶性塩
EP1257552B1 (fr) Derives de xanthine, intermediaires et application au traitement de l'osteoporose
CA2433190C (en) Amlodipine hemimaleate
EP0686631B1 (en) Pyrimidine derivatives and pharmaceutical compositions
JP4101906B2 (ja) 4−アミノ−2−ウレイドピリミジン−5−カルボキサミド、それらの製法、これらの化合物を含有する医薬およびそれらの使用
JPS6399057A (ja) グリシン誘導体
CA1132983A (fr) Procedes de preparation de nouvelles piperazines monosubstituees
JPH0451554B2 (ja)
EP0153746B1 (en) 3-amino-2-hydroxypropyl derivatives of pyrimidin-4-one
US7718696B2 (en) Methods of treating diabetes using carnitine conjugates as dual prodrugs
JP3562770B2 (ja) ベンズアゼピン−2−オン誘導体
JPH07101941A (ja) 2−[2−(置換アミノ)ベンジルチオ]−5,6, 7,8−テトラヒドロ−4(3h)−キナゾリノン誘 導体
IE67059B1 (en) A process for the preparation of a 1,4-dihydropyridine derivative namely (-)-2-{[2-(aminoethoxy)ethoxy]methyl}-4-(2,3-dichlorophenyl)-3-ethoxy-carbonyl-5-methoxycarbonyl-6-methyl-1,4-dihydropyridine and its salts
JPH0662584B2 (ja) 新規ヒダントイン誘導体及び該化合物を含有する脂質低下剤
JPH0827121A (ja) 新規なウラシル誘導体及びそれを有効成分とするアレルギ−疾患治療薬
JPH07330769A (ja) 2−[2−(置換アミノ)ベンジルチオ]−5,6, 7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジ ン−4(3H)−オン誘導体
JPH07330768A (ja) 2−[2−(置換アミノ)ベンジルチオ]−5,6, 7,8−テトラヒドロピリド[3,4−d]ピリミジ ン−4(3H)−オン誘導体
JPH037290A (ja) チエノピリジン系メバロノラクトン類
JPH0613518B2 (ja) 新規ピリミドピリミジン誘導体、その製法並びに該化合物を含有する医薬組成物
JPH0772168B2 (ja) グアニジノ安息香酸エステル誘導体
JPS63159359A (ja) 安息香酸誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees