JPH0827121A - 新規なウラシル誘導体及びそれを有効成分とするアレルギ−疾患治療薬 - Google Patents

新規なウラシル誘導体及びそれを有効成分とするアレルギ−疾患治療薬

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JPH0827121A
JPH0827121A JP6187934A JP18793494A JPH0827121A JP H0827121 A JPH0827121 A JP H0827121A JP 6187934 A JP6187934 A JP 6187934A JP 18793494 A JP18793494 A JP 18793494A JP H0827121 A JPH0827121 A JP H0827121A
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Japan
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uracil
allergic
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Application number
JP6187934A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Isobe
義明 磯部
Toshimasa Katagiri
利真 片桐
Junko Umezawa
順子 梅沢
Yuzo Goto
祐三 後藤
Hideharu Sato
英晴 佐藤
Ikuhiro Obara
郁博 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1); 【化1】 (式中、Ar1は、置換または未置換のフェニル基を表
わし、R1は、低級アルキル基又はベンジル基を表わ
し、R2は、低級アルキル基を表わす)で表わされるウ
ラシル誘導体及びその薬理上許容される塩、並びに該化
合物を有効成分とするアレルギ−疾患治療薬。 【効果】 本発明のウラシル誘導体は、I型及びIV型
のアレルギ−のそれぞれを抑制する生理活性を有し、特
に、IV型アレルギ−の寄与が大きいI型のアレルギ−
又はI型とIV型の混合型アレルギ−に対して、有用な
アレルギ−疾患の治療薬となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なウラシル誘導体
及びこのウラシル誘導体を有効成分とするアレルギ−疾
患治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギ−にはタイプIからIVまで4
つの型がある。いわゆるアレルギ−疾患はI型とIV型
の関与が大きいのだが、市場にある薬物はいずれもI型
アレルギ−の治療薬であり、IV型に対しては、ほとん
ど効果かない(日薬理誌,89,55‐62,1987
を参照)。IV型アレルギ−は細胞免疫であり、液性
免疫のI型アレルギ−とは作用機構が全く異なる(蛋白
質・核酸・酵素、36,839‐847,1991 を
参照)。なお、アレルギ−は、上記の免疫反応に起因
し、患部に炎症反応が引き起こされる疾患である。これ
らの炎症疾患においては、アラキドン酸の5−リポキシ
ゲナ−ゼによる代謝産物のロイトコリエン類や活性酸素
種など、種々の因子が、深く関与していることが知られ
てきた。
【0003】アレルギ−の中で、例えばアトピ−性皮膚
炎の治療には、抗ヒスタミン剤を始めとするI型アレル
ギ−薬或はステロイドが用いられている。現状では、I
型アレルギ−薬が単剤で著効を示す症例は少ないが、一
方、ステロイドは、I型並びにIV型両方に対して有効
であるため、臨床で著効を示す。そのため、大多数の患
者でばI型アレルギ−薬とステロィドとの併用に頼らざ
るをえないというのが現状である。I型アレルギ−薬の
効果が不十分である理由として、IV型アレルギ−の関
与が考えられる。すなわち、真性I型アレルギ−患者は
成人では3割、子どもでは7割であり、残りの患者はI
V型あるいはI型とIV型との混合型であるので、I型
アレルギ−薬の単剤では十分な効果が臨床で現れない。
また、慢性気管支炎、喘息などの気道性疾患において
も、気道炎症時にIV型アレルギ−の寄与が取り上げら
れている。すなわち、気道の炎症部位への細胞障害性T
細胞や好中球の浸潤がIV型アレルギ−によると解釈さ
れる。
【0004】上記する理由から、I型とIV型との混合
型、或はIV型アレルギ−の寄与が大きなアレルギ−疾
患には、I型並びにIV型両方に対して有効であるステ
ロイドが併用投与されるが、周知のごとくステロイドは
副腎退縮、骨粗しょう症など多様な副作用を持っている
ため、長期或は連続的な投与に適していない。従って、
I型とIV型の両方に有効な非ステロィド性の化合物
は、広範なアレルギ−疾患に対する優れた治療薬となり
うる可能性があり、その開発が望まれている。
【0005】なお、I型とIV型の両方に有効な非ステ
ロイド性の化合物として、既に、幾例かは提案されてお
り、例えば、特開平5−194424号公報に開示する
新規なピリミジン誘導体、即ち、3位及び1位の窒素原
子に種々の炭化水素基の置換するピリミジン環原子団
と、3位及び5位に低級アルキル基を置換する4位にヒ
ドロキシル基を有するフェニル基とから構成される化合
物、或は、特開平5−194424号公報に開示する新
規なウラシル誘導体、即ち、3位及び1位の窒素原子に
種々の炭化水素基の置換するウラシル環原子団と、3位
及び5位に低級アルキル基を置換する4位にヒドロキシ
ル基を有するフェニル基とから構成される化合物など
を、本願出願人は既に提案している。
【0006】しかしながら、I型とIV型との混合型、
或はIV型アレルギ−の寄与が大きなアレルギ−疾患の
治療薬として、より優れた効果を有する新規な非ステロ
イド性化合物の開発は、なお強く要望されている。特に
は、アトピ−性皮膚炎や喘息などの慢性的アレルギ−疾
患において、経口投与に適し、且つ長期或は連続的な投
与により適する非ステロイド性化合物の開発に対する要
望は大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するものである。即ち、本発明の目的は、このよ
うなI型アレルギ−及びIV型アレルギ−の双方に対し
て治療効果のある新規なアレルギ−治療薬を提供するこ
とにあり、特には、経口投与に適し、且つ長期或は連続
的な投与により適する新規な非ステロイド性の低分子量
化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記の一般式
(1)に示されるウラシル誘導体及びその塩を得、この
化合物がI型アレルギ−及びIV型アレルギ−の双方に
対して優れた効果を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明の新規な化合物は、一般
式(1)
【化3】 (式中、Ar1は、置換又は未置換のフェニル基を表わ
し、R1は、低級アルキル基又はベンジル基を表わし、
2は、低級アルキル基を表わす)で示されるウラシル
誘導体及びその薬理上許容される塩にである。更には、
本発明の治療薬は、該化合物を有効成分として含有して
なるアレルギ−疾患治療薬である。
【0010】上記の一般式(1)で表わされるウラシル
誘導体を、更に詳細に説明する。該ウラシル誘導体は、
3位及び1位の窒素原子に置換を有するウラシル環原子
団と、3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ−フェニル
基との二つの環基により特徴付けられる。即ち、後述す
る製造工程により、前記の二つの環基をそれぞれ含む中
間原料化合物を、アミド結合を形成して連結してなる化
合物である。
【0011】当該ウラシル環の3位の窒素原子に置換す
る該基R1において、低級アルキル基とは、炭素数1〜
4個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であり、具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチ
ル基、及びtert−ブチル基が挙げられ、メチル基が
より好ましい。ベンジル基も、前記の低級アルキル基と
同じく好ましい。
【0012】該ウラシル環の1位の窒素原子に置換する
該基Ar1において、置換フェニル基とは、ベンゼン環
に低級アルキル基、低級アルコキシ基、或はハロゲン原
子が1個置換したフェニル基を意味する。また、その置
換する位置は、該置換フェニル基のo−位、m−位、及
びp−位の何れかを任意に選ぶことができる。p−位に
選ぶ時、下記する当該ウラシル誘導体の製造する工程に
おいて立体障害とならず、容易に製造がなされ好まし
い。なお、低級アルキル基は、炭素数1〜4個の直鎖状
または分枝鎖状のアルキル基が好ましく、低級アルコキ
シ基も、炭素数1〜4個の直鎖状または分枝鎖状のアル
コキシ基が好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子、臭素
原子、及びフッ素原子から選択することができる。より
具体的には、p−位に、メチル基、メトキシ基、或はフ
ッ素原子などが置換したフェニル基がより好ましい。
【0013】一方、該3,5−ジアルキル−4−ヒドロ
キシ−フェニル基を構成する該アルキル基 R2 におい
ても、低級アルキル基とは、炭素数1〜4個の直鎖状ま
たは分枝鎖状のアルキル基であり、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、iso−プロピ
ル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、及びte
rt−ブチル基が挙げられ、分枝鎖状のアルキル基がよ
り好ましく、tert−ブチル基が更に好ましい。
【0014】本発明のウラシル誘導体において、該ウラ
シル誘導体を特徴付ける、3位及び1位の窒素原子に置
換を有するウラシル環原子団と、3,5−ジアルキル−
4−ヒドロキシ−フェニル基との二つの環基を、それぞ
れ上記する好適な範囲より選択すると、より好ましい化
合物となる。本発明において、より好適な化合物の一例
として、該3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ−フェ
ニル基を構成する該アルキル基 R2 にtert−ブチ
ル基を選択し、ウラシル環の1位の窒素原子に置換する
該基Ar1にフェニル基又はp−位にメチル基、メトキ
シ基、或はフッ素原子などが置換したフェニル基を選択
する化合物の群に大別される、6−アミノ−5−(3,
5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルボキシア
ミド−3−メチル−1−フェニルウラシル、6−アミノ
−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)
カルボキシアミド−1−(4−フルオロフェニル)−3
−メチルウラシル、6−アミノ−5−(3,5−ジブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)カルボキシアミド−3−
メチル−1−(4−メチルフェニル)ウラシル、6−ア
ミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)カルボキシアミド−1−(4−メトキシフェニル)
−3−メチルウラシル、6−アミノ−5−(3,5−ジ
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルボキシアミド−
1−フェニル−3−プロピルウラシル、6−アミノ−3
−ベンジル−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−1−フェニルウラシルな
どを具体的に挙げることができる。更には、ウラシル環
の1位の窒素原子に置換する該基Ar1にフェニル基を
選択するとさらに好ましく、また、該ウラシル環の3位
の窒素原子に置換する該基R1にメチル基を選択すると
さらに好ましい。
【0015】本発明の上記する一般式(1)で表わす該
ウラシル誘導体又はその薬理上許容される塩は、以下の
方法により、予めウラシル環の1位の窒素原子に置換す
る該アリ−ル基 Ar1 から構成される下記する一般式
(2)で表わすイソシアネ−トを出発原料とし、3位及
び1位の窒素原子に置換を有するウラシル環を合成し、
3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ−安息香酸とアミ
ド結合を形成することで製造できる。
【0016】第1工程 [ウレア誘導体の調製] 一般式(2)で表わすイソシアネ−トと、下記する一般
式(3)で表わす該基R1 から構成される第一級アミン
とを反応させ、下記する一般式(4)で表わすウレア誘
導体に導くことができる。反応温度は、室温から80℃
程度の範囲に選ぶことが望ましく、無溶媒或は TH
F、1,4-ジオキサン、トルエンなどの非プロトン性溶媒
中で反応させるのが適している。
【0017】
【化4】 Ar1−N=C=O 式(2) (式中、Ar1は、上記の一般式(1)と同じ基を表わ
す)
【化5】 R1-NH2 式(3) (式中、R1は、上記の一般式(1)と同じ基を表わ
す)
【化6】 (式中、Ar1、R1は、上記の一般式(1)と同じ基を
表わす)
【0018】第2工程 [ウラシル環の形成] 前記の一般式(4)で表わすウレア誘導体にシアノ酢酸
を反応させることにより、下記する一般式(5)で表わ
す6−アミノウラシル誘導体へ導くことができる。反応
は、酸無水物である無水酢酸などの脱水溶媒を溶媒とし
て行うことが適しており、反応温度は、室温から該溶媒
が還流する温度の範囲に選ぶことが望ましい。
【化7】 (式中、Ar1、R1は、上記の一般式(1)と同じ基を
表わす)
【0019】第3工程 [ウラシル環の5位へのアミノ
基導入] 一般式(5)で表わす6−アミノウラシル誘導体に亜硝
酸ナトリウムを反応させ、ウラシル環の5位にニトロソ
基を導入する。更に、該ニトロソ基を水素で還元して、
一般式(6)で表わす5,6−ジアミノウラシル誘導体
に導くことができる。
【化8】 (式中、Ar1、R1は、上記の一般式(1)と同じ基を
表わす)
【0020】ニトロソ化反応は、水などの溶媒を用い、
反応温度を室温から該溶媒が還流する温度の範囲に選択
して行なうのが望ましい。また、水素による還元反応
は、メタノ−ルなどのアルコ−ル系溶媒を用いて、Pd
/Cの存在下で水素ガスを吹き込み行なうことができ
る。反応温度を室温から該溶媒が還流する温度の範囲に
選択して行なうことができるが、好ましくは、70℃程
度に加熱して行なう。
【0021】第4工程 [ウラシル環の5位に置換する
アミノ基のアシル化] 3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ−フェニル基 A
2 からなる Ar2−COOH で表わすカルボン酸と
塩化チオニルなどを反応させ、対応する Ar2−COC
l で表わす酸クロリドを調製する。一般式(6)で表
わす5,6−ジアミノウラシル誘導体と該酸クロリドと
を反応させ、ウラシル環の5位のアミノ基のみがアシル
化してなる、一般式(1)で表わす本発明のウラシル誘
導体へ導くことができる。
【0022】前記するアシル化の反応は、該酸クロリド
と反応し難い溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタ
ンなどの塩素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素溶
媒、或はN,N−ジメチルホルムアミドなどを用いて行
うのが好ましく、反応温度は、室温から該溶媒が還流す
る温度の範囲に選ぶのが望ましい。
【0023】なお、上記する第1工程〜第4工程に述べ
る一連の工程に従い調製される一般式(1)で表わす本
発明のウラシル誘導体においては、該基 Ar1、R1
及びR2は、それぞれ原料化合物に由来するので、所定
の基を導入することができる。また、公知汎用の手段に
従い、質量分析スペクトル及び該基 Ar1、R1、及び
2に特徴的な1H-NMRスペクトルを測定することに
より、容易且つ明確に同定することができる。
【0024】なお、上記する第2工程〜第3工程に述べ
る一連の工程に従い調製される、一般式(6)で表わす
5,6−ジアミノウラシル誘導体の具体的な調製例を、
以下に参考例としてに示す。
【0025】(参考例5,6−ジアミノ−1−フェニル−3−メチルウラシル
の調製例 第1工程に従い予めイソシアン酸フェニルとメチルアミ
ンより調製されるN−メチル,N’−フェニル尿素を原
料とし、第2工程に従いウラシル環を形成した。N−メ
チル,N’−フェニル尿素 30g (0.2 M) とシアノ酢酸
18.8g (0.22 M)を 400 ml の溶媒無水酢酸中に溶解し、
80 ℃で2時間加熱する。溶媒無水酢酸を減圧留去した
後、水 200 ml を加えて、氷冷する。次に、2N Na
OH水溶液 220 ml を加え、2時間攪拌を続けた。析出
する固体状の生成物を濾別する。この固体状の生成物
を、水洗、メタノ−ル洗浄後、乾燥して6−アミノ−3
−メチル−1−フェニルウラシル 33g を得た。N−メ
チル,N’−フェニル尿素に対する収率は 76 % であ
った。
【0026】得られた6−アミノ−3−メチル−1−フ
ェニルウラシル 24 g (0.11 M)とNaOH 2.8 g (70 m
M) を 110 ml の水に溶かした液に、亜硝酸ナトリウム
水溶液 (9.5 g / 80 ml)を滴下した。更に、0℃で酢
酸 13 ml を滴下し加えて、室温に戻した後、2時間攪
拌を続けた。析出する固体状の生成物を濾別し、水洗、
エタノ−ル洗浄し、乾燥すると6−アミノ−3−メチル
−5−ニトロソ−1−フェニルウラシル 27g が得られ
た。6−アミノ−3−メチル−1−フェニルウラシルに
対する収率は 99 % であった。
【0027】この6−アミノ−3−メチル−5−ニトロ
ソ−1−フェニルウラシル 0.25 gと5% Pd/C 20 mg
をメタノ−ル 50 ml に加え、水素ガス置換し2.5時
間 70℃で攪拌した。熱時濾過した濾液より、溶媒メタ
ノ−ルを留去すると5,6−ジアミノ−3−メチル−1
−フェニル−ウラシル 0.2g が得られた。6−アミノ−
3−メチル−5−ニトロソ−1−フェニルウラシルに対
する収率は 86 % であった。
【0028】なお、上記する参考例の操作に準じて、調
製される一般式(7)で表わす5,6−ジアミノウラシ
ル誘導体は、必要に応じて更に精製を加えた後、上記す
る第4工程に供するのが望ましい。
【0029】なお、本発明において、該ウラシル誘導体
化合物の薬理的に許容される塩の好適な例として、薬理
的に許容される酸との塩などを例示できる。薬理的に許
容される酸として、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、臭化水素
塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩などを例示できる。また、該
ウラシル誘導体化合物に、フェノ−ル性のヒドロキシル
基が存在するので、そのナトリウム塩或はカリウム塩な
ども薬理的に許容される塩の好適な例となる。
【0030】下記すIV型アレルギ−、及びI型アレル
ギ−それぞれを抑制する効果を検証する試験例の結果に
示される如く、本発明のウラシル誘導体は、経口投与に
おいて、I型及びIV型のアレルギ−の双方に良好な薬
効を有する。故に、IV型アレルギ−の寄与が大きいI
型のアレルギ−又はI型とIV型の混合型アレルギ−に
対して、有用なアレルギ−疾患の治療薬に用いることが
できる。具体的には、喘息や皮膚炎、鼻炎など炎症の症
状を示すアレルギ−疾患、例えば、アトピ−性皮膚炎、
喘息を伴う気管支収縮など症状、更には、臓器移植時に
起きる移植片対宿主病(GVHD)などのアレルギ−性
疾患をも抑制、軽減することに用いる治療剤、特には、
経口投与治療剤に有望である。加えて、分子量の小さ
な、非ステロイド化合物であるので、ステロイドに特有
の、感染症、骨粗しょう症など多岐にわたる重篤な副作
用がなく、長期の連用にも好ましい治療薬になる。
【0031】上記する一般式(1)で表わされる本発明
の新規なウラシル誘導体又はその薬理学的に許容される
塩を有効成分とする医薬は、特には、喘息を伴う気管支
収縮の治療剤、アトピ−性皮膚炎の治療剤、アレルギ−
疾患の治療剤、或は移植片対宿主病の治療剤として用い
る際には、通常カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤などの経口投与製剤として投与するのが
最も合目的的である。なお、注射剤として、静注、動
注、又は筋注により投与することもできる。これらの製
剤は薬理学的、製剤学的に許容される添加物を加えて、
常法により製造することができる。経口剤では、賦形剤
(D-マンニト−ル、乳糖、デンプルなど)、崩壊剤(カ
ルボキシメチルセルロ−ス等)、結合剤(ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシプロピルセルロ−スなど)、滑沢
剤(ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)などの製
剤用成分が使用され、所望する剤形とされる。また、注
射剤では、溶解補助剤(注射用蒸留水、生理食塩な
ど)、等張化剤、pH調節剤などの製剤用成分が使用さ
れる。
【0032】本発明のウラシル誘導体化合物の患者への
投与量は、性別、年令、個々の患者の症状により、適宜
選定されるものであるが、通常成人の場合、1日量とし
て1〜100 mg/kg 程度に選ぶとよい。
【0033】以下、実施例により本発明のウラシル誘導
体化合物及びその製造方法を具体的に説明する。
【0034】
【実施例1】6−アミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−3−メチル−1−フェニ
ルウラシル 4−ヒドロキシ−3,5−ジブチル安息香酸 12.5g (50
mM) をクロロホルム 80ml に溶解させる。この溶液に、
クロル化剤 SOCl2 10 ml をクロロホルム20 ml に
溶解させた液を滴下し、3時間還流加熱する。その後、
反応溶液より溶媒クロロホルムを減圧留去すると、4−
ヒドロキシ−3,5−ジブチルベンゾイルクロリドが得
られる。
【0035】上記する参考例に従い調製される5,6−
ジアミノ−3−メチル−1−フェニル−ウラシル 0.24g
(1 mM) を 15 ml のクロロホルムに溶解し、ピリジン
1 mlを加える。この液に、0℃冷却下、4−ヒドロキシ
−3,5−ジブチルベンゾイルクロリド 0.4g (1.5 mM)
を溶かしたクロロホルム溶液を滴下する。次いで、徐々
に室温に戻し、2時間還流加熱する。その後、反応溶液
より溶媒クロロホルムを減圧留去し、残渣をヘキサンで
洗浄する。ショ−トカラムを通し、エ−テル洗浄後乾燥
すると、白色結晶の生成物を回収した。この生成物は、
下記する1H-NMRスペクトル及び質量分析スペクトルを与
え、目的化合物の6−アミノ−5−(3,5−ジブチル
−4−ヒドロキシフェニル)カルボキシアミド−3−メ
チル−1−フェニルウラシルであることが確認され、収
量は 0.3g で、5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フ
ェニル−ウラシルに対する収率は、79%であった。
【0036】1H-NMR(DMSO-d6) δ ppm ; 1.42(18H,s ;
2 × t-Bu ), 3.15(3H,s ; N-CH3 ),5.90(2H,brs ; -NH
2 ), 7.33-7.75(8H,m ; -C6H2 - + N-C6H5 ), 8.79(1H,
brs; -NH-CO- ) Mass (m/z) : 464(M+)
【0037】
【実施例2】6−アミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−1−(4−フルオロフェ
ニル)−3−メチルウラシル 上記する参考例に準じて、予め4−フルオロフェニルイ
ソシアン酸とメチルアミンより調製されるN−メチル,
N’−(4−フルオロフェニル)尿素を原料とし、シア
ノ酢酸と反応させウラシル環を形成した。得られる6−
アミノ−3−メチル−1−(4−フルオロフェニル)−
ウラシルを亜硝酸ナトリウムを用いて、ウラシル環の5
位にニトロソ基を導入し、更にニトロソ基を水素ガスで
還元して、5,6−ジアミノ−1−(4−フルオロフェ
ニル)−3−メチルウラシルを調製した。
【0038】5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フェ
ニルウラシルに換えて5,6−ジアミノ−1−(4−フ
ルオロフェニル)−3−メチルウラシルを用い、実施例
1の操作に準じて4−ヒドロキシ−3,5−ジブチルベ
ンゾイルクロリドと反応させ、淡黄色結晶の生成物を回
収した。この生成物は、下記する1H-NMRスペクトル及び
質量分析スペクトルを与え、目的化合物の6−アミノ−
5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カ
ルボキシアミド−1−(4−フルオロフェニル)−3−
メチルウラシルであることが確認された。(収率71
%)
【0039】1H-NMR(CDCl3) δ ppm ; 1.41(18H,s ; 2
× t-Bu ), 3.15(3H,s ; N-CH3 ), 6.03(2H,brs ; -NH2
), 7.37-7.41(4H,m ; N-C6H4 ), 7.73(2H,s ; -C6H2 -
), 8.75(1H,brs ; -NH-CO- ) Mass (m/z) :482 (M+)
【0040】
【実施例3】6−アミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−3−メチル−1−(4−
メチルフェニル)ウラシル 上記する参考例に準じて、予め4−メチルフェニルイソ
シアン酸とメチルアミンより調製されるN−メチル,
N’−(4−メチルフェニル)尿素を原料とし、シアノ
酢酸と反応させウラシル環を形成した。得られる6−ア
ミノ−1−(4−メチルフェニル)−3−メチルウラシ
ルを亜硝酸ナトリウムを用いて、ウラシル環の5位にニ
トロソ基を導入し、更にニトロソ基を水素ガスで還元し
て、5,6−ジアミノ−1−(4−メチルフェニル)−
3−メチルウラシルを調製した。
【0041】5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フェ
ニルウラシルに換えて5,6−ジアミノ−1−(4−メ
チルフェニル)−3−メチルウラシルを用い、実施例1
の操作に準じて4−ヒドロキシ−3,5−ジブチルベン
ゾイルクロリドと反応させ、淡黄色結晶の生成物を回収
した。この生成物は、下記する1H-NMRスペクトル及び質
量分析スペクトルを与え、目的化合物の6−アミノ−5
−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カル
ボキシアミド−3−メチル−1−(4−メチルフェニ
ル)ウラシルであることが確認された。(収率71%)
【0042】1H-NMR(CDCl3) δ ppm ; 1.46(18H,s ; 2
× t-Bu ), 2.39(3H,s ; N-C6H4-CH3 ), 3.15(3H,s ;
N-CH3 ), 5.87(2H,brs ; -NH2 ), 7.29(4H,dd ; N-C6H4
), 7.73(2H,s ; -C6H2 - ), 8.75(1H,brs ; -NH-CO- ) Mass (m/z) :478 (M+)
【0043】
【実施例4】6−アミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−1−(4−メトキシフェ
ニル)−3−メチルウラシル 上記する参考例に準じて、予め4−メトキシフェニルイ
ソシアン酸とメチルアミンより調製されるN−メチル,
N’−(4−メトキシフェニル)尿素を原料とし、シア
ノ酢酸と反応させウラシル環を形成した。得られる6−
アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチルウ
ラシルを亜硝酸ナトリウムを用いて、ウラシル環の5位
にニトロソ基を導入し、更にニトロソ基を水素ガスで還
元して、5,6−ジアミノ−1−(4−メトキシフェニ
ル)−3−メチルウラシルを調製した。
【0044】5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フェ
ニルウラシルに換えて5,6−ジアミノ−1−(4−メ
トキシフェニル)−3−メチルウラシルを用い、実施例
1の操作に準じて4−ヒドロキシ−3,5−ジブチルベ
ンゾイルクロリドと反応させ、淡黄色結晶の生成物を回
収した。この生成物は、下記する1H-NMRスペクトル及び
質量分析スペクトルを与え、目的化合物の6−アミノ−
5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カ
ルボキシアミド−1−(4−メトキシフェニル)−3−
メチルウラシルであることが確認された。(収率40
%)
【0045】1H-NMR(CDCl3) δ ppm ; 1.47(18H,s ; 2
× t-Bu ), 3.39(3H,s ; N-CH3 ), 3.87(3H,s ; O-CH
3 ), 5.33(2H,brs ; -NH2 ), 5.63(1H,s ; -OH ), 7.16
(4H,dd; N-C6H4 ), 7.72(2H,s ; -C6H2 - ), 7.92(1H,br
s ; -NH-CO- ) Mass (m/z) : 494(M+)
【0046】
【実施例5】6−アミノ−5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)カルボキシアミド−1−フェニル−3−プロ
ピルウラシル 上記する参考例に準じて、予めイソシアン酸フェニルと
プロピルアミンより調製されるN−プロピル,N’−フ
ェニル尿素を原料とし、シアノ酢酸と反応させウラシル
環を形成した。得られる6−アミノ−1−フェニル−3
−プロピルウラシルを亜硝酸ナトリウムを用いて、ウラ
シル環の5位にニトロソ基を導入し、更にニトロソ基を
水素ガスで還元して、5,6−ジアミノ−1−フェニル
−3−プロピルウラシルを調製した。
【0047】5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フェ
ニルウラシルに換えて5,6−ジアミノ−1−フェニル
−3−プロピルウラシルを用い、実施例1の操作に準じ
て4−ヒドロキシ−3,5−ジブチルベンゾイルクロリ
ドと反応させ、淡黄色結晶の生成物を回収した。この生
成物は、下記する1H-NMRスペクトル及び質量分析スペク
トルを与え、目的化合物の6−アミノ−5−(3,5−
ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルボキシアミド
−1−フェニル−3−プロピルウラシルであることが確
認された。(収率86%)
【0048】1H-NMR(DMSO-d6) δ ppm ; 0.85(3H,t ; -
CH2-CH2-CH3 ), 1.42(18H,s ; 2 ×t-Bu ), 1.55(2H,m
; -CH2-CH2 -CH3 ), 3.73(2H,m ; -CH2 -CH2-CH3 ), 5.8
8(2H,s ; -NH2 ), 7.33-7.74(7H,m ; N-C6H5 + -C6H2 -
), 8.79(1H,brs ; -NH-CO- ) Mass (m/z) : 492(M+)
【0049】
【実施例6】6−アミノ−3−ベンジル−5−(3,5−ジブチル−
4−ヒドロキシフェニル)カルボキシアミド−1−フェ
ニルウラシル 上記する参考例に準じて、予めイソシアン酸フェニルと
ベンジルアミンより調製されるN−ベンジル,N’−フ
ェニル尿素を原料とし、シアノ酢酸と反応させウラシル
環を形成した。得られる6−アミノ−3−ベンジル−1
−フェニルウラシルを亜硝酸ナトリウムを用いて、ウラ
シル環の5位にニトロソ基を導入し、更にニトロソ基を
水素ガスで還元して、3−ベンジル−5,6−ジアミノ
−1−フェニルウラシルを調製した。
【0050】5,6−ジアミノ−3−メチル−1−フェ
ニルウラシルに換えて3−ベンジル−5,6−ジアミノ
−1−フェニルウラシルを用い、実施例1の操作に準じ
て4−ヒドロキシ−3,5−ジブチルベンゾイルクロリ
ドと反応させ、淡黄色結晶の生成物を回収した。この生
成物は、下記する1H-NMRスペクトル及び質量分析スペク
トルを与え、目的化合物の6−アミノ−3−ベンジル−
5−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)カ
ルボキシアミド−1−フェニルウラシルであることが確
認された。(収率99%)
【0051】1H-NMR(DMSO-d6) δ ppm ; 1.41(18H,s ;
2 × t-Bu ), 4.97(2H,s ; -CH2 -C6H5 ), 6.01(2H,s ;
-NH2 ), 7.29-7.75(13H,m ; -CH2-C6H5 + -C6H2 - + N-C
6H5 ), 8.84(1H,brs ; -NH-CO- ) Mass (m/z) : 540(M+)次に、生物活性に関する実施例を
あげて本発明の効果を説明する。
【0052】
【実施例7】塩化ピクリル誘発IV型アレルギ−に対する抑制効果 本発明のウラシル誘導体がIV型アレルギ−に対する抑
制効果を有することを検証する目的で、IV型アレルギ
−のモデルである塩化ピクリル誘発アレルギ−反応を抑
制する効果を、下記する方法により試験した。
【0053】(試験方法)6週令雄性ICR系マウスの
腹部を剃毛し、7% 塩化ピクリルのアセトン溶液 0.1
ml を該腹部上皮に塗布して感作する。1週間後、1%
塩化ピクリルのオリ−ブ油溶液 5 μl づつを、左耳介
の両側に塗布し、アレルギ−反応を惹起する。所定の用
量の被験物質を、0.5% CMC-Na溶液に懸濁して、該
惹起直後、及び惹起後16時間経過時の通合2回、経口
投与する。惹起前及び惹起後24時間経過時に、左耳介
の厚さを測定する。
【0054】前記する惹起後24時間経過時の左耳介の
厚さと惹起前の厚さを算出し、厚さ増加量とする。参照
群として、0.5% CMC-Na溶液のみを経口投与する個
体群を用い、厚さ増加量の参照値とした。各被験物質の
各用量における抑制率は、厚さ増加量が零の時を抑制率
100%とし、厚さ増加量が前記参照値と等しい時を抑
制率0%と定義して、それぞれ算出した。本試験で得ら
れた結果の一部を表1に示す。なお、陽性対照化合物と
して、プレドニゾロンを投与した結果も併せて表1に示
す。
【0055】表1に示す結果より、本発明のウラシル誘
導体は塩化ピクリル誘発アレルギ−反応を抑制する効果
を有することが判る。また、その効果は、陽性対照化合
物のプレドニゾロンと同じ程度の用量において、比較し
得る抑制効果が見られることが判る。即ち、IV型アレ
ルギ−に対する治療薬として、プレドニゾロンと比較し
得る薬効を示すことが判る。
【0056】
【表1】 被験物質 投与量(mg/kg) 抑制率(%) 実施例1の化合物 10 54 100 1 実施例2の化合物 3 38 10 16 実施例3の化合物 10 33 100 18 実施例4の化合物 10 35 実施例5の化合物 10 19 100 8 実施例6の化合物 10 43 (陽性対照化合物) プレドニゾロン 10 77
【0057】
【実施例8】48時間PCA反応に対する抑制効果 本発明のウラシル誘導体がI型アレルギ−に対する抑制
効果を有することを検証する目的で、I型アレルギ−の
モデルであるPCA反応を抑制する効果を、下記する方
法により試験した。
【0058】(試験方法)8週令雄性Wistar系ラ
ットの背部皮下に50倍に希釈したDNP−Ascar
is抗血清(力価 64 倍) 0.1 ml づつを 2 箇所に
免疫する。免疫の48時間経過後に、DNP−Asca
ris抗原 1 mg を含む0.5% エバンスブル−溶液
1 ml を足静脈より投与し、PCA反応を惹起する。
惹起の30分後に放血致死させ、免疫箇所に呈する青円
部を切り取る。該免疫箇所より色素を酢エチで抽出し、
漏出した色素量を測定する。なお、被験物質は0.5%
CMC-Na溶液に懸濁して、所定の用量を惹起30分前に
経口投与する。
【0059】参照群として、0.5% CMC-Na溶液のみ
を経口投与する個体群を用い、漏出した色素量の参照値
とした。各被験物質の当該用量における抑制率は、漏出
した色素量が零の時を抑制率100%とし、前記参照値
と等しい時を抑制率0%と定義して、それぞれ算出し
た。本試験で得られた結果の一部を表2に示す。なお、
陽性対照化合物として、トラニラストを投与した結果も
併せて表2に示す。
【0060】表2に示す結果より、本発明のウラシル誘
導体はPCA反応を抑制する効果を有することが判る。
また、その効果は、陽性対照化合物のトラニラストより
少ない用量において、比較し得る抑制効果が見られるこ
とが判る。即ち、I型アレルギ−に対する治療薬とし
て、トラニラストと比較し得る薬効を示すことが判る。
【0061】
【表2】 被験物質 投与量(mg/kg) 抑制率(%) 実施例1の化合物 3 33 30 49 (陽性対照化合物) トラニラスト 100 66
【0062】上記するIV型アレルギ−のモデルである
塩化ピクリル誘発アレルギ−反応を抑制する効果を検証
する試験の結果、及び前記するI型アレルギ−のモデル
であるPCA反応を抑制する効果を検証する試験の結果
より、本発明のウラシル誘導体はI型及びIV型のアレ
ルギ−に大別される広範囲のアレルギ−疾患、特には、
IV型アレルギ−の寄与が大きいI型のアレルギ−又は
I型とIV型の混合型アレルギ−に対して、有用なアレ
ルギ−疾患の治療薬となり得ることが判る。具体的に
は、喘息や皮膚炎、鼻炎など炎症の症状を示すアレルギ
−疾患、例えば、アトピ−性皮膚炎、喘息を伴う気管支
収縮など症状、更には、臓器移植時に起きる移植片対宿
主病(GVHD)などのアレルギ−性疾患をも抑制、軽
減することに用いる治療剤に有望と考えらる。
【0063】
【実施例9】 毒性試験の例 本発明のウラシル誘導体の毒性を、下記する方法により
試験した。6週令雄性SDラットに対して、被験物質を
0.5% CMC-Na溶液に懸濁して、用量 1,00 mg/kg を
1日1回、2週間にわたって継続し経口投与した。投与
開始前、並びに投与中の各日、体重の測定を行った。所
定量の血液を投与期間終了の翌日採血し、血液検査を行
い、又採取した尿検査を実施した。実施例1の化合物を
投与した例では、投与期間中の死亡は見られず、又体重
推移、血液検査、尿検査において、異常は見られなかっ
た。
【0064】
【実施例10】製剤例 下記する表3の処方に従い、実施例1の化合物を有効成
分とする錠剤を製造する。
【0065】
【表3】 実施例1の化合物 100mg ステアリン酸マグネシウム 30mg ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス 2mg ポリエチレングリコ−ル6000 0.5mg 乳糖 残部 一錠当りの総重さ 200mg
【0066】
【発明の効果】本発明のウラシル誘導体は、I型及びI
V型のアレルギ−のそれぞれを抑制する生理活性を有す
るので、I型或はIV型のアレルギ−に大別される広範
囲のアレルギ−疾患の治療に用いて、有効な治療剤とな
る。また、本発明のウラシル誘導体は、非ステロイドで
あり、分子量も小さい化合物であるので、ステロイドに
見られる多岐にわたる副作用の影響が軽微で、長期間の
投与、継続的な服用において適するアレルギ−疾患の治
療剤となる利点を有する。特に、IV型アレルギ−の寄
与が大きいI型のアレルギ−又はI型とIV型の混合型
アレルギ−に対して、有用なアレルギ−疾患の治療薬と
なり、具体的には、喘息や皮膚炎、鼻炎など炎症の症状
を示すアレルギ−疾患、例えば、アトピ−性皮膚炎、喘
息を伴う気管支収縮など症状、更には、臓器移植時に起
きる移植片対宿主病(GVHD)などのアレルギ−性疾
患を抑制、軽減することに用いる経口剤として、上記す
る利点が顕著となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/505 ADA (72)発明者 後藤 祐三 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内 (72)発明者 佐藤 英晴 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内 (72)発明者 小原 郁博 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Ar1は、置換または未置換のフェニル基を表
    わし、R1は、低級アルキル基又はベンジル基を表わ
    し、R2は、低級アルキル基を表わす)で表わされるウ
    ラシル誘導体及びその薬理上許容される塩。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中、Ar1は、置換または未置換のフェニル基を表
    わし、R1は、低級アルキル基又はベンジル基を表わ
    し、R2は、低級アルキル基を表わす)で示されるウラ
    シル誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分とし
    て含有してなるアレルギ−疾患治療薬。
JP6187934A 1994-07-19 1994-07-19 新規なウラシル誘導体及びそれを有効成分とするアレルギ−疾患治療薬 Pending JPH0827121A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004026842A1 (ja) * 2002-09-20 2004-04-01 Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. 新規ウラシル誘導体及びその医薬用途
JP2006028050A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Combi Corp 皮膚アレルギー抑制組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004026842A1 (ja) * 2002-09-20 2004-04-01 Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. 新規ウラシル誘導体及びその医薬用途
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