JPH06183863A - 耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 - Google Patents

耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法

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JPH06183863A
JPH06183863A JP2409077A JP40907790A JPH06183863A JP H06183863 A JPH06183863 A JP H06183863A JP 2409077 A JP2409077 A JP 2409077A JP 40907790 A JP40907790 A JP 40907790A JP H06183863 A JPH06183863 A JP H06183863A
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JP
Japan
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composite material
carbon fiber
prepreg
oxidation
hfo
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JP2409077A
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Kazuhiro Hasegawa
和 広 長谷川
Susumu Nakai
井 進 中
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Kawasaki Steel Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 航空、宇宙産業分野あるいは原子炉用部材等
の高温雰囲気において、繰返し使用に耐える耐酸化性炭
素繊維強化炭素複合材料の製造方法を提供する。 【構成】 Si,Zr,HfO2 から選択される少なく
とも1種の微粒子を含有する炭素繊維プリプレグ、また
は、該プリプレグおよび炭素繊維プリプレグを積層、成
型、炭素化し、その後1800℃以上の温度で再熱処理
することにより炭素繊維強化炭素複合材料の表層及び内
部をSi,Hf,Zrから選択される少なくとも1種の
炭化物に転化させ、しかる後、化学気相蒸着法により該
転化層上部にSiC,HfC,ZrCから選択される少
なくとも1種を被覆する。化学気相蒸着法によって得ら
れる炭化物の膜厚が30〜300μmの範囲であるのが
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空、宇宙産業分野あ
るいは、原子炉用部材等の高温雰囲気において、繰り返
し使用に耐える耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は、電気、熱の良導体であると
同時に、耐熱性、耐食性、潤滑性など数多くのユニーク
な物理的、化学的性質を有しており、人造黒鉛電極、冶
金炭素黒鉛電極製品、放電加工用電極、電機用ブラシ、
機械用炭素製品など広範囲の分野に用いられている。
【0003】炭素繊維強化炭素複合材料(以下、C/C
複合材料という)は、そのなかでも特に比強度が大き
く、軽量性および炭素材料の持つ優れた特性も兼ね備え
ているため、従来の材料では適用できない部位、例えば
ロケットのノーズコーンやノズルなどへの適用が可能に
なる。しかしながら、C/C複合材料それ自体は500
℃程度から酸化を受け、それ自身の持つ優れた物理的、
化学的性質が低下するため、種々の耐酸化処理が検討さ
れ、実際に適用されている。
【0004】その中で、化学気相蒸着法(以下、CVD
法という)によるセラミックス被覆は最も一般的に行わ
れている方法の一つであり、炭化物、窒化物、酸化物、
ほう化物等種々の被覆を行うことができる。
【0005】しかしながら、この方法では、基体となる
炭素材料の温度を1000℃もしくはそれ以上にまで加
熱しなければならない場合が多く、基体の冷却時に表面
のセラミックス皮膜が割れたり、剥離する場合が多かっ
た。この対策としては、基体の熱膨張率を析出させるセ
ラミックスと同程度に制御する方法があるが、C/C複
合材料を基体として用いた場合、その熱膨張率は炭素繊
維自体の熱膨張率に拘束されて自由に調節することがで
きず、またその熱膨張率に合致した耐酸化性を有するセ
ラミックス材料もないため、CVD法によりC/C複合
材料上に直接析出させたセラミックス皮膜は、図1に示
すように割れ、剥離を生じ、耐酸化皮膜として利用でき
なかった。
【0006】特開昭61-26563号公報には、有機けい素高
分子化合物を溶融状態で、C/C複合材料に強制含浸し
た後、不活性雰囲気下1200〜2000℃の温度で焼
成して含浸物を炭化けい素に転化する方法が開示されて
いる。しかしながらこの方法では、C/C複合材料の密
度が高い場合には溶融状態の有機けい素高分子化合物を
均一に含浸することができず、アンカー効果による高い
密着性を有する皮膜が得られない。このような皮膜で
は、繰り返し高温で使用する場合には容易に剥離が起こ
り、耐酸化保護皮膜として適さない。
【0007】また、特開昭62-153164 号公報には、C/
C複合材料表面に熱硬化性樹脂と有機りん化合物を付与
した後、該混合物を硬化及び炭化処理するという方法が
開示されている。しかし、同公報の実施例に示されるよ
うに、上記処理を施したC/C複合材料でも、1000
℃以下の温度で10wt%程度の重量減少があるため、
耐熱最高温度として約1600℃を要求されるスペース
プレーンの外装材として不十分である。
【0008】さらに、特開昭61-27248号公報では、C/
C複合材料に拡散法による炭化けい素被覆を行い、その
外表面にCVD法により窒化けい素皮膜を形成する方法
が開示されている。この方法によれば、ある程度有効な
耐酸化皮膜の形成が可能となるが、窒化けい素を用いて
いるため、使用可能温度が約1500℃と低く、しかも
高温での強度低下が大きいため、熱負荷の大きな部位へ
の適用は困難である。
【0009】一般炭素材料へ炭化けい素被覆を施した例
としては、特開昭60-155586 号公報があげられる。この
方法は、炭素基体を炭化けい素粉末中に埋没させ、ハロ
ゲンを含むガスの気流中で熱処理し、炭素基体の表面に
炭化けい素皮膜を形成させるものである。この方法の原
理は、ハロゲンを含むガスが、炭化けい素の分解と分解
によって生じたSiガスが、炭素基体と反応してその表
面を炭化けい素に転化する反応を促進していると考えら
れる。この方法によれば、高密度な特殊炭素材料に関し
ては有効な耐酸化皮膜を形成することも可能であるが、
反対にそれほど高密度化できないC/C複合材料の場
合、得られた炭化けい素皮膜には多数の貫通孔が生じる
ため、効果的な耐酸化皮膜とはなりえない。
【0010】さらに、最近のC/C複合材料では、高強
度化を促進させるために、ピッチ含浸法やCVD法によ
る高密度化処理が行われる場合が多い。この場合、マト
リックス炭素の黒鉛化度は通常の樹脂含浸法に比べて高
くなる。さらに、C/C複合材料の最終処理温度も20
00℃を超えるため、応力黒鉛化が一層進行する。この
場合、前述の特開昭61-27248号公報のように、拡散法に
よりSiとC/C複合材料を反応させようとしても、そ
の反応は殆ど進行しない。
【0011】
【発明が解決しようとする問題点】C/C複合材料の耐
酸化被覆方法には前述のように種々のものがあるが、そ
れらには下記のような問題点がある。したがって、本発
明の目的は前述した種々の問題点を解消し、耐酸化性に
優れた炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法を提供しよ
うとするにある。
【0012】(1)CVD法によってC/C複合材料上
に析出させた耐酸化皮膜には、必ず熱膨張率差による割
れ、剥離が生じるため、そのままでは実用に適さない。 (2)耐酸化皮膜成分を含む液体を含浸させる場合に
は、用いるC/C複合材料の密度が高いと中心まで含浸
が行えず、それ故アンカー効果による耐酸化皮膜の密着
性が失われるため、剥離の生じる原因となる。しかも、
一見密着性のよさそうな皮膜であっても、C/C複合材
料との熱膨張率差が大きすぎるために、一回以上の熱サ
イクル負荷によりすぐに割れ、剥離が生じる。 (3)特開昭61-27274号公報に開示されている複層被覆
方法によれば、前述の二つの方法に比べてはるかに安定
な耐酸化皮膜を得ることができるが、皮膜の高温強度が
劣るため、熱負荷の大きな部位への適用は困難である。
さらに、黒鉛化度の高いマトリックスを用いたC/C複
合材料にこの方法を適用する場合、Siとの反応が殆ど
進行せず、効果的な熱応力緩和層が得られない。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、Si,Zr,HfO2 から選択さ
れる少なくとも1種の微粒子を含有する炭素繊維プリプ
レグ、または、該プリプレグおよび炭素繊維プリプレグ
を積層、成型、炭素化し、その後1800℃以上の温度
で再熱処理することにより炭素繊維強化炭素複合材料の
表層及び内部をSi,Zr,Hfから選択される少なく
とも1種の炭化物に転化させ、しかる後、化学気相蒸着
法により該転化層上部にSiC,ZrC,HfCから選
択される少なくとも1種を被覆することを特徴とする耐
酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法が提供され
る。
【0014】Si,Zr,HfO2 のプリプレグへの含
有量が5〜15wt%であることが好ましい。また、S
i,Zr,HfO2 の粒径が10μm以下であることが
好ましい。さらに、Si,Zr,HfO2 から選択され
る微粒子を含有する炭素繊維プリプレグを積層、成型す
るにあたり、該微粒子を含有するプリプレグは積層、成
型後の基材において表裏とも300μm以内になる枚数
であることが好ましい。
【0015】化学気相蒸着法によって得られる炭化物の
皮膜の膜厚が30〜300μmの範囲であることが好ま
しい。
【0016】本発明における炭素繊維プリフォームは、
一次元配向材プリフォーム、平織、朱子織、綾織りなど
の二次元織布積層プリフォーム、三次元配向材プリフォ
ーム、フェルト、トウ等を用いることが可能であるが、
成型の自由度から特に二次元織布積層プリフォームが好
ましい。
【0017】本発明において使用可能な樹脂は、熱可塑
性樹脂としてピッチ、熱硬化型樹脂としてフェノール樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂等が代表的なものとして
あげられるが、そのうち取り扱いの容易さ、残炭率の高
さ、プリプレグ中へのSi,Zr,HfO2 の微粒子の
含有のさせ易さ等から、フェノール樹脂が好ましい。ま
た、該樹脂の含有量は、プリプレグの状態において25
〜50wt%の範囲であることが好ましい。25wt%
より少ない場合、得られるC/C複合材料の層間接着力
が弱く、低強度なものしか得られず、本発明の適用分野
に合致したものとはならない。一方、該樹脂含有量が5
0wt%を超えた場合、焼成時の熱分解ガス発生が多く
なりまた樹脂の収縮による層間割れを引き起こす。さら
に、相対的に炭素繊維の含有量が低下するため、高強度
C/C複合材料が得られなくなる。
【0018】上記の材料を用いることによりプリプレグ
を作製することができるが、このプリプレグ中にSi,
Zr,HfO2 から選択される微粒子を含有させること
が、本発明の特徴とするところである。Si,Zr,H
fO2 は、炭素と反応して炭化物を形成するが、それら
は各種炭化物のなかで高温耐熱性に優れているため、本
発明の目的とする用途に適した材料を得ることができ
る。さらに、プリプレグ中に反応性物質を含有している
ために、外部からSi,Zr,HfO2 の原料を加えて
反応させる場合に比べて、反応量や反応性の制御が行い
易いことが特徴である。また、C/C複合材料の内部か
らも反応させることが可能なため、外表面から反応性物
質の蒸気が拡散して内部で反応させることよりはるかに
容易に反応転化層を形成することができる。この方法に
よれば、反応層つまり熱応力緩和層の厚さ制御が容易に
可能になるばかりでなく、過剰反応を防止することがで
きる。
【0019】前記プリプレグに含有されるSi,Zr,
HfO2 は取り扱い及び含有の容易さから、粉末状であ
ることが望ましく、さらにその粒子径は10μm 以下で
あることが好ましい。粒子径が10μm を超えると、プ
リプレグへの含有が困難になるばかりでなく、C/C化
した場合の緻密性が損なわれ、高強度なものが得られな
い。さらに、1000℃焼成後のC/C複合材料の層間
強度も低下する傾向を示すため、好ましくない。また、
前記Si,Zr,HfO2 微粒子のプリプレグへの含有
量は、5〜15wt%の範囲であることが好ましい。含
有量が5wt%より少ない場合、C/C複合材料表層部
のSiまたはZrまたはHfの炭化物への転化が十分に
進まず、従って耐酸化皮膜、特にCVD皮膜の剥離を抑
えるいわゆる熱応力緩和層が十分に形成されないため好
ましくない。逆に、前記Si,Zr,HfO2 微粒子の
プリプレグへの含有量が15wt%を超えた場合、炭素
繊維クロスの大部分、すなわちマトリックスと炭素繊維
がほぼ炭化物に転化されてしまい、強度的に優れた材料
を得ることが困難になる。
【0020】炭素繊維プリプレグへのSi,Zr,Hf
2 微粒子の含浸方法としては、例えば前記微粒子と樹
脂をアセトン、メタノール、トルエン等の低沸点有機溶
媒やその混合溶媒に分散せしめ、炭素繊維プリフォーム
に含浸させた後、オーブンや真空乾燥器等を用いて有機
溶媒を除く方法、あるいは炭素繊維プリフォームを挟ん
で少なくとも一方に前記微粒子と樹脂との混合物を塗布
した離型紙を重ね合わせ、加熱ロールで加熱加圧処理し
て該混合物を炭素繊維プリフォームに転移含浸させる方
法等があるが、炭素繊維プリフォームに該混合物を均一
に含浸できる方法であればいかなる方法によってもよ
く、前記例に限定されるものではない。
【0021】Si,Zr,HfO2 から選択される微粒
子を含有する炭素繊維プリプレグを積層成型するにあた
り、該微粒子を含有するプリプレグは積層、成型後の基
材において表裏とも300μm以内になる枚数にするこ
とが好ましい。すなわち、それ以上該微粒子を含有した
プリプレグを積層、成型した場合、高温転化反応処理時
にC/C複合材料の中心部まで反応が進行して層間剥離
が起こりやすくなるためである。特に、本発明において
用いられる微粒子では、炭化物形成時に炭素の体積の約
2倍にまで膨張するため、層間剥離が生じ易くなる。仮
に層間剥離が生じない場合でも、体積膨張に伴う欠陥導
入がなされるため、高強度C/C複合材料を得ることは
難しい。ここで二次元炭素繊維クロスの場合、1K8HS で
は2枚積層、1K平織りでは3枚積層、3K8HS では1枚
積層で約300μmになる。
【0022】以上のようにして得られた、Si,Zr,
HfO2 から選択される微粒子を含有する炭素繊維プリ
プレグの積層、成型は、通常の加熱プレスやオートクレ
ーブによって行うことができる。炭素化(非酸化雰囲気
下における焼成)も、通常の電気炉で行うことができ
る。ここで、焼成時にとくに脱ガスが極度におこる25
0℃〜600℃までは昇温速度をできるかぎり遅くする
ことが好ましい。
【0023】以上のようにして得られたC/C複合材料
は、さらに1800℃以上の温度で処理し、C/C複合
材料の表層及び内部をSi,Zr,Hfから選択される
少なくとも1種の炭化物に転化する必要がある。処理温
度が1800℃より低い場合、前記微粒子と炭素との反
応が十分に進行しないかまたは全く起こらず、有効な皮
膜が得られない。さらに好ましい処理温度は2500℃
以下である。この温度以上では、前記微粒子と炭素との
反応は起こるものの、C/C複合材料の強度低下が大き
くなるため好ましくない。この高温処理工程において得
られる前記微粒子の炭化物はほぼ化学量論的な炭化物
(Si,Zr,Hf各々がCと当量で反応したものが得
られ、化学的に安定したものである。
【0024】以上に述べた方法で、C/C複合材層部に
熱応力緩和層となりうるSi,Zr,Hfから選択され
る少なくとも1種の炭化物を形成できる。この転化層だ
けでも1300℃程度の中温度域や高温域でも短時間で
あれば空気酸化に耐えうる皮膜であるが、高温で繰り返
し使用に耐えるものではない。そのために、化学気相蒸
着法(CVD法)により前記炭化物層上部に緻密なSi
CまたはZrCまたはHfCを被覆する必要がある。C
VD法による炭化物の被覆は最も一般的に行われてお
り、しかも緻密な皮膜が得られることが特徴である。そ
の具体的な方法として、例えばSiCの被覆を例にとる
と、四塩化けい素、メタン、水素、アルゴンの混合気体
(体積比1:1:5:1)を、50〜400mmHg、
900〜1600℃の温度で60〜900分程度反応さ
せることにより緻密なSiC皮膜を得ることができる。
但し、CVD法における反応条件は析出させる炭化物の
結晶構造、用いる原料ガスの種類、成膜できる時間等に
よって非常に異なるため、必ずしも前述の条件に限定さ
れるものではない。
【0025】CVD法によって被覆される炭化物皮膜の
膜厚は30〜300μmの範囲にあることが好ましい。
すなわち、膜厚が30μmより薄い場合、C/C複合材
料への酸素の拡散バリヤーとして十分な機能を果たさ
ず、逆に300μmを超える皮膜ではそれ自身の持つ熱
歪みのために剥離が起こりやすいこと及び被覆に長時間
かかるため好ましくないからである。
【0026】以上の方法によれば、耐酸化姓に優れたC
/C複合材料を製造することができる。このC/C複合
材料は、ロケットのノズル等極めて熱負荷の大きくかか
る部位への適用が可能になる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1〜3)熱硬化性を示すフェノールホルムアル
デヒド樹脂(鐘紡(株)製、商品名ベルパール)が25
wt%になるようにメタノールで溶解希釈した後、3個
の含浸容器に入れた。さらに、Si,Zr,HfO2
粉末をフェノール樹脂固形分に対して30wt%になる
ようにそれぞれの容器に入れ、スターラーで1時間撹拌
した。用いたSi(金属Si)は平均粒径5μm、高純
度化学(株)製である。Zr(金属Zr)は平均粒径7
μm、和光純薬(株)製である。HfO2 は平均粒径7
μm、和光純薬(株)製である。
【0028】このようにして得られたそれぞれSi,Z
r,HfO2 を含む樹脂含浸液を、東レ(株)製炭素繊
維クロス“トレカM40”(高弾性炭素繊維クロス1K
朱子織り)に含浸させた。このとき、樹脂目付量85g
/m2 になるようにした。その後オーブン中で80℃、
30分間乾燥してメタノールを揮散させ、Si,Zr,
HfO2 微粉末をそれぞれ含む樹脂含浸炭素繊維シート
(プリプレグ)を得た。Si,Zr,HfO2 微粉末の
含有量はそれぞれ、12%,11.5%,13.2%で
あった。さらに、熱硬化性を示すフェノールホルムアル
デヒド樹脂(鐘紡(株)製、商品名ベルパール)が25
wt%になるようにメタノールで溶解希釈しただけの含
浸液を、前記トレカM40(1K8枚朱子織りクロス)
に含浸した。このようにして得られたプリプレグを図2
に示すように12枚積層(微粒子含有クロスは上下2枚
づつ合計4枚、微粒子を含まないプリプレグは中央に8
枚)し、加熱プレスにより10kg/cm2の圧力下150℃
で60分間加熱加圧成型し、炭素繊維強化炭素プラスチ
ック(基材と記す)を得た。本基材において、Si,Z
r,HfO2を含有する層厚は本基材の表裏各々300
μmであった。
【0029】つぎに該炭素繊維強化炭素プラスチック
(基材)をアルゴンガス流通下5℃/Hrの昇温度速度
で1000℃まで焼成し、厚さ1.7mmのC/C複合
材料を得た。このC/C複合材料はさらにピッチ(川崎
製鉄(株)製含浸ピッチ、使用品名pK−QL)の含浸
−焼成工程を5回繰り返し、高密度化した。焼成温度は
1000℃とした。
【0030】以上の方法によりSi,Zr,HfO2
それぞれ含むC/C複合材料を得た。このC/C複合材
料は100×50mmの大きさに切断した。このC/C
複合材料を不活性ガス雰囲気下1900℃で180分間
加熱処理を行い、該微粒子を炭化物に転化させた。EP
MAラインアナリシスにより転化層の膜厚を測定したと
ころ平均300μmであった。
【0031】このようにして得られたSiC,ZrC,
HfCをそれぞれ転化層として有するC/C複合材料
に、さらに化学気相蒸着法によりそれぞれの炭化物を蒸
着した。蒸着の条件はそれぞれ以下のとおりである。S
iCの蒸着は、反応温度1100℃、圧力50tor
r、原料ガスとして四塩化けい素、メタンを用い、四塩
化けい素とメタンのモル比が1:1、水素をメタンの5
倍体積量、アルゴンをメタンと同体積量流し、約8Hr
反応させた。このときの炭化けい素の膜厚は平均86μ
mであった。ZrCの蒸着は、反応温度950℃、圧力
50torr、原料ガスとして四塩化ジルコニウムとメ
タンを用い、四塩化ジルコニウムとメタンのモル比が
1:1、水素をメタンの5倍体積量、アルゴンをメタン
と同体積量流して反応させた。このときの反応時間は約
8時間であり、得られたZrC皮膜の膜厚は平均76μ
mであった。
【0032】HfCの蒸着は、反応温度950℃、圧力
50torr、原料ガスとして四塩化ハフニウムとメタ
ンを用い、四塩化ハフニウムとメタンのモル比が1:
1、水素をメタンの5倍量、アルゴンとメタンを同体積
流し、約8時間反応させた。このとき、HfCの膜厚は
平均71μmであった。
【0033】このようにして得られたC/C複合材料に
ついて、空気雰囲気下1300℃で30分間保持し、そ
れぞれの重量減少率を測定した。酸化試験において、昇
温時及び降温時にはArを流通させて酸化を防止した。
この結果を表1に示した。
【0034】(実施例4〜6)含浸用樹脂作製におい
て、Si,Zr,HfO2 微粉末をフェノール樹脂固形
分に対してそれぞれ20wt%になるように混合したほ
かは、実施例1〜3と同様の条件でC/C複合材料を作
製した。Si,Zr,HfO2 微粉末のプリプレグへの
含有量は、それぞれ6%、5.2%、6.8%、であっ
た。さらにこのC/C複合材料を、実施例1〜3と同様
に不活性ガス雰囲気下1900℃で180分間加熱処理
を行い、該微粒子を炭化物に転化させた。EPMAライ
ンアナリシスにより転化層の膜厚を測定したところ、平
均300μmであった。このようにして得られたSi
C,ZrC,HfCをそれぞれ転化層として有するC/
C複合材料に、さらに化学気相蒸着法によりそれぞれの
炭化物を蒸着した。蒸着条件は実施例1〜3と同様であ
る。SiC,ZrC,HfCの膜厚はそれぞれ平均79
μm,82μm,78μmであった。
【0035】このようにして得られたC/C複合材料に
ついて、空気酸化雰囲気下1300℃で30分間保持
し、それぞれの重量減少率を測定した。酸化試験におい
て、昇温時および降温時にはArを流通させて酸化を防
止した。この結果を表1に示す。
【0036】(比較例1〜3)含浸用樹脂液の作製にお
いて、Si,Zr,HfO2 微粉末をフェノール樹脂固
形分に対してそれぞれ10wt%になるように混合した
ほかは、実施例1〜3と同条件でC/C複合材料を作製
した。Si,Zr,HfO2 微粉末のプリプレグ含有量
は、それぞれ3.7%,3.2%,4.6%であった。
さらにこのC/C複合材料を、実施例1〜3と同様に不
活性ガス雰囲気下1900℃で180分間加熱処理を行
い、該微粒子を炭化物に転化させた。さらに実施例1〜
3と同条件でCVD被覆し、その後酸化実験を行った。
その結果を表1に示した。
【0037】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来通常の拡散反応法
では転化させることが難しかった黒鉛化度の大きなピッ
チ系C/C複合材料等にも容易に熱応力緩和層が形成で
きるため、耐酸化性に優れたCVD皮膜の密着性が向上
する。航空宇宙分野において、特に熱負荷の大きな部
位、例えばロケット先端のノズルのように急熱急冷を受
ける部分への利用においても十分な耐久性を示すことが
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】C/C複合材料に直接CVD法によりセラミッ
ク被覆を施したときの概要を示す説明図である。
【図2】プリプレグを積層したときの状態を示す本発明
の説明図である。
【符号の説明】
1 C/C複合材料 2 セラミック皮膜(コーティング) 3 マクロクラック 4 剥離部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si,Zr,HfO2 から選択される少
    なくとも1種の微粒子を含有する炭素繊維プリプレグ、
    または、該プリプレグおよび炭素繊維プリプレグを積
    層、成型、炭素化し、その後1800℃以上の温度で再
    熱処理することにより炭素繊維強化炭素複合材料の表層
    及び内部をSi,Hf,Zrから選択される少なくとも
    1種の炭化物に転化させ、しかる後、化学気相蒸着法に
    より該転化層上部にSiC,HfC,ZrCから選択さ
    れる少なくとも1種を被覆することを特徴とする耐酸化
    性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 Si,Zr,HfO2 のプリプレグへの
    含有量が5〜15wt%であることを特徴とする請求項
    1に記載の耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 Si,Zr,HfO2 の粒径が10μm
    以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 Si,Zr,HfO2 から選択される微
    粒子を含有する炭素繊維プリプレグを積層、成型するに
    あたり、該微粒子を含有するプリプレグは積層、成型後
    の基材において表裏とも300μm以内になる枚数であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の耐酸化性炭素繊維
    強化炭素複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 化学気相蒸着法によって得られる炭化物
    の膜厚が30〜300μmの範囲であることを特徴とす
    る請求項1に記載の耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8058197B2 (en) * 2004-04-23 2011-11-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Carbon composite materials comprising particles of metal carbides dispersed therein and method for producing the same
CN103172398A (zh) * 2012-04-07 2013-06-26 西安航空制动科技有限公司 一种碳刹车盘用纤维的表面处理方法
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