JPH06183587A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無駄な電力を消費すること無く、駆動力伝達
手段の耐久性を高めることができ、小型で安価な給紙装
置を提供する。 【構成】 搬送モーターＭが正転すると、その駆動軸に
嵌合した一方向クラッチの連結により、タイミングプー
リー６が駆動される一方、駆動軸に嵌合した一方向クラ
ッチ７１は空転する。タイミングプーリー６の回転によ
り、それに架け渡されたタイミングベルト５が周回し、
搬送ローラー４の回転軸に取り付けられたタイミングプ
ーリーを介して搬送ローラー４および給紙ローラー２を
回転させる。搬送モーターＭが正転すると、その駆動軸
に嵌合した一方向クラッチ７１が連結する一方、タイミ
ングプーリー６と駆動軸との間の一方向クラッチが空転
して、タイミングベルト５１が周回し、搬送ローラー４
１および給紙ローラー２１を回転させる一方、タイミン
グベルト５は停止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は複数の用紙収納部に収納
された用紙をそれぞれ１枚ずつ分離して下流に搬送する
複数の用紙分離給送手段から給送された用紙をさらに下
流に搬送する用紙搬送手段を備えた給紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機やプリンターの給紙装置としては
種々の給紙方式が知られている。その中で、給紙動作の
安定性が良く、多種類の用紙を受け入れることができ、
廉価な分離給紙方式であるＦＲＲ（Feed and Revers Ro
ller）給紙方式が近年多用されるようになった。このＦ
ＲＲ給紙方式は給紙トレイ上に積載された多数枚の転写
紙に接する繰り出しローラーが、それに接触する最上紙
を繰り出し、給紙ローラーが繰り出された転写紙を下流
に搬送すると共に、この給紙ローラーと、それに圧接す
る逆転ローラーによって重送された転写紙を分離し、逆
転ローラーによって最上紙に連れて繰り出された転写紙
を給紙トレイ側に押し戻すように構成されている。かか
る重送紙分離機能を創出するために逆転ローラーと、そ
の回転軸との間にトルクリミッターが設けられていて、
給紙ローラーから転写紙を介して逆転ローラーに加えら
れる正回転方向の摩擦力が逆転ローラーに加えられる逆
転駆動力より大きくなった時、トルクリミッターが空転
して転写紙を下流に搬送するようになっている。通常
は、転写紙が１枚搬送された時はトルクリミッターが空
転し、２枚以上搬送された時はトルクリミッターが結合
して逆転ローラーが逆転するように臨界負荷値が設定さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、一
般の複写機では手差し給紙トレイや複数段の内部大量紙
給紙トレイを備えていることが多く、複写動作時、選択
された給紙トレイばかりでなく、全ての給紙トレイの給
紙ローラーや逆転ローラーが付勢されるようになってい
る。このため、給紙モーターには余分な回転負荷が掛
り、無駄な電力を消費すると共に、給紙部の各ローラー
や搬送路途上の各ローラー、あるいは駆動ベルトの損傷
および劣化が激しく、複写機の維持費を高価にし、製品
寿命を低下させていた。また、給紙トレイ毎の搬送力伝
達部にそれぞれクラッチを設け、使用しない給紙トレイ
からの給紙を当該搬送力伝達部のクラッチを遮断するこ
とにより、給紙部の駆動効率を向上させる方式も知られ
ているが、精度の低いクラッチを用いたのでは装置の信
頼性が低く、動作が不安定になり易い。そこで、装置の
信頼性を高めるために精度の高いクラッチを用いると、
装置の価格が上昇してしまう。本発明は従来技術におけ
るかかる課題を解決しようとするものであり、無駄な電
力を消費すること無く、駆動力伝達手段の耐久性を高め
ることができ、小型で安価な給紙装置を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、正および逆方向に駆動可能であり、用紙分
離給送手段および用紙搬送手段を駆動する駆動手段と、
駆動手段の正方向の駆動時、複数の用紙収納部に収納さ
れた用紙をそれぞれ１枚ずつ分離して下流に搬送する複
数の用紙分離給送手段の中の一方の群に選択的に駆動力
を伝達し、駆動手段の逆方向の駆動時、複数の用紙分離
給送手段の中の他方の群に選択的に駆動力を伝達する駆
動力分配手段を備え、駆動手段からの駆動力を用紙分離
給送手段に、また、用紙分離給送手段から給送された用
紙をさらに下流に搬送する用紙搬送手段にそれぞれ伝達
する駆動力伝達手段を有したものである。

【０００５】

【作用】駆動力分配手段は駆動手段の正方向の駆動時、
複数の用紙分離給送手段の中の一方の群に選択的に駆動
力を伝達し、駆動手段の逆方向の駆動時、複数の用紙分
離給送手段の中の他方の群に選択的に駆動力を伝達する
ことにより、一方の群と他方の群の用紙分離給送手段は
選択的に駆動される。用紙搬送手段は駆動力伝達手段に
より駆動手段から駆動力を伝達され、用紙分離給送手段
から給送された用紙をさらに下流に搬送する。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図４は本発明の第１の実施例に係る複写機
の全体構成を示す構成図である。この複写機はコンタク
トガラス１４上に載置された原稿の表面を走査して、そ
の反射光を鏡体群１５およびレンズ系１６を経て感光体
ドラム１７上に導き、そこに形成された潜像を現像して
給紙部から供給された転写紙上に転写させる周知の静電
写真プロセスを実行する。画像が転写された転写紙は定
着装置１８によってトナーが固化され、切替え爪１９を
経て機外の排紙トレイ２６上に排出される。両面複写モ
ードが選択された時は、画像が転写された転写紙は切替
え爪１９の切り替えによって両面トレイ１２０上に排紙
される。両面トレイ１２０上に所定部数の転写紙が堆積
すると、反転された転写紙が再給紙される。給紙部は機
外から操作者によって転写紙束が供給される手差し給紙
トレイ１０と、機内にあって、大量の転写紙を収納可能
な大量紙給紙トレイ１０１の２つのトレイを備えてい
る。複写機の原稿読取部４０および作像部５０の構成の
詳細および動作は従来例と変わらないので、その説明を
省略し、給紙部の構成および動作について以下に説明す
る。図１は給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模
式図、図２は給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図で
ある。図２に示すように、正逆転可能な搬送モーターＭ
は複写機の内装フレーム５５に固定されていて、その駆
動軸にはそれぞれ一方向クラッチ７，７１を介してタイ
ミングプーリー６，６１が取り付けられている。タイミ
ングプーリー６にはタイミングベルト５が、手差し給紙
トレイ１０の搬送ローラー４の回転軸に固定されたタイ
ミングプーリー８との間に架け渡されている。タイミン
グプーリー８に一体的に形成されたギヤには給紙ローラ
ー２に駆動力を伝達する中継ギヤが歯合している。一
方、タイミングプーリー６１に架けられたタイミングベ
ルト５１は大量紙給紙トレイ１０１の搬送ローラー４１
の回転軸に固定されたタイミングプーリー８１との間に
架け渡されていて、搬送ローラー４１に駆動力を伝達
し、さらに、タイミングプーリー８１に一体的に形成さ
れたギヤが給紙ローラー２に駆動力を伝達する中継ギヤ
に歯合している。給紙ローラー２，２１の回転軸に伝達
された駆動力は他の中継ギヤを介してそれぞれ繰り出し
ローラー１，１１に伝達されると共に、図示しない駆動
力伝達機構およびトルクリミッター３０等を介してそれ
ぞれ逆転ローラー３，３１にも伝達される。なお、図１
に示すように、タイミングベルト５，５１は転写紙の搬
送路途上の搬送ローラー９，９１の回転軸に固定された
タイミングプーリーにも架け渡されていて、搬送ローラ
ー９，９１への回転駆動力を伝達している。

【０００７】図３は一方向クラッチ７のクラッチ機構を
示す構成図である。図３に示すように、このクラッチ機
構はローラークラッチ機構で構成されていて、矢印で示
すように、回転軸が時計回り方向に回転する時、クラッ
チが連結して、タイミングプーリー６が連れ回り、回転
軸が反時計回り方向に回転する時、クラッチが空転する
ようになっている。図１において、搬送モーターＭの駆
動軸が時計回り方向に回転する時、一方向クラッチ７が
連結する一方、一方向クラッチ７１は空転するので、搬
送モーターＭの駆動力は手差し給紙部および転写紙の搬
送路途上の搬送ローラー９にのみ伝達され、大量紙給紙
部には伝達されない。搬送モーターＭが反時計回り方向
に回転する時は一方向クラッチ７，７１の動作は上述の
動作と逆の動作となる。このように、本実施例において
は、給紙部の選択給紙が切り替えられると、駆動力の伝
達は一方向クラッチ７，７１を介して切り替えられるの
で、搬送モーターＭに無駄な負荷が掛かるのを防止でき
る。また、手差し給紙部および大量紙給紙部の対応する
各ローラーの回転方向は互いに逆向きなので、一方向ク
ラッチ７，７１を経て伝達された駆動力はそのままタイ
ミングベルト５，５１を介して搬送ローラー４，４１の
回転軸に伝達することができるが、手差し給紙部および
大量紙給紙部の対応する各ローラーの回転方向が同じ向
きに設定されている時は、一方の駆動力伝達過程にギヤ
等の回転方向反転手段を挿入すれば良い。

【０００８】図５は本発明の第２の実施例に係る給紙部
を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図、図６は給紙
部の駆動力伝達系の縦方向の断面図、図７は複写機の全
体構成を示す構成図である。本実施例は複写機本体の上
部に自動原稿給送装置６０と２段の大量紙給紙トレイ、
即ち、第１および第２大量紙給紙トレイ１０２，１０３
を備えている外は第１の実施例と変わりがない。第１お
よび第２大量紙給紙トレイ１０２，１０３は給紙部に感
光体ドラム１７に到る搬送路を共用する。また、両面コ
ピーモードが選択された場合には、２つの大量紙給紙ト
レイ１０２，１０３が同時に付勢される。本実施例にお
いても第１の実施例と同様に、搬送モーターＭの駆動軸
には連結回転方向の異なる２つの一方向クラッチ７２，
７３を介して駆動ギヤ６２、タイミングプーリー６３が
同軸上に取り付けられている。そして、搬送モーターＭ
の正逆転に応じて一方向クラッチ７２，７３が連結、ま
たは空転し、駆動ギヤ６２、またはタイミングプーリー
６３が選択的に付勢される。駆動ギヤ６２に伝達された
駆動力は駆動ギヤ６２に歯合し、駆動プーリー８２と一
体的に設けられたギヤを介してタイミングベルト５２に
伝達される。第１給紙部側が選択されて、タイミングベ
ルト５２が駆動されると、それが架け渡されている中継
プーリー８３，８４にも駆動力が伝達される。中継プー
リー８３と一体的に設けられたギヤは給紙ローラー２２
の回転軸２０に取り付けられたギヤおよび搬送ローラー
４２の回転軸に一方向クラッチ７４を介して取り付けら
れたギヤと歯合していて、それぞれに駆動力が伝達され
る。タイミングベルト５２が駆動され、図５で中継プー
リー８３が時計回り方向に回転する時、一方向クラッチ
７４が連結して駆動力が搬送ローラー４２に伝達され
る。一方、第２給紙部側が選択されて、タイミングプー
リー６３が付勢され、タイミングベルト５３が駆動され
ると、それが架け渡されている中継プーリー８５，８６
にも駆動力が伝達される。中継プーリー８６と一体的に
設けられたギヤは搬送ローラー４２の回転軸に一方向ク
ラッチ７５を介して取り付けられたギヤと歯合してい
て、中継プーリー８６が時計回り方向に回転する時、一
方向クラッチ７５が連結して搬送ローラー４２に駆動力
を伝達し、搬送ローラー４２を図５で反時計回り方向に
回転させるが、この時、一方向クラッチ７４は空転する
ので、中継プーリー８３側には駆動力は伝達されない。
同様に、第１給紙部側が選択されて、中継プーリー８３
が時計回り方向に回転する時、一方向クラッチ７５が空
転して、中継プーリー８６側に駆動力を伝達しない。第
２給紙部の中継プーリー８５，８６および搬送ローラー
４３、一方向クラッチ７６，７７の機構および動作は第
１給紙部の対応する各伝達要素のものと同様なので、そ
の説明は省略する。このように、本実施例においては、
給紙部の選択給紙が切り替えられても転写紙の搬送路途
上の搬送ローラー４２，４３は何れも停止すること無く
駆動され続ける。これによって、両面コピーモードが選
択され、両面トレイ１２０から搬送された転写紙を円滑
に作像部５０に搬送できるようになっている。

【０００９】次に、複写機の下部に設けられた第１およ
び第２給紙部と、上部に設けられた作像部の間に両面ト
レイが配置された本発明の第３の実施例を説明する。図
８は本発明の第３の実施例に係る給紙部を正面から見た
時の駆動力伝達系の模式図、図９は給紙部の駆動力伝達
系の縦方向の断面図である。搬送モーターＭの駆動軸に
は連結回転方向の異なる２つの一方向クラッチを介して
駆動ギヤ６４，６５が同軸上に取り付けられている。駆
動ギヤ６４に伝達された駆動力は中継ギヤ８７を含む中
継ギヤ群を介して給紙ローラー２２の回転軸２０に取り
付けられたギヤおよび搬送ローラー４２の回転軸に一方
向クラッチを介して取り付けられたギヤと歯合してい
る。駆動ギヤ６５に伝達された駆動力は中継プーリー８
９と一体的に設けられたギヤを介してタイミングベルト
５４に伝達される。タイミングベルト５４は、それが架
け渡されている中継プーリー８８を介して、それと一体
的に設けられたギヤと歯合する、給紙ローラー２３の回
転軸および搬送ローラー４４の回転軸にそれぞれ取り付
けられたギヤに駆動力を伝達する。かかる駆動力伝達機
構によって、本実施例においては、搬送ローラー４２は
第１および第２給紙部の何れが選択されても駆動される
のに対して、搬送ローラー４４は第２給紙部が選択され
た時のみ駆動されるので、搬送ローラー４４の無意味な
空転を防止できる。次に、第３の実施例の駆動力伝達機
構をより簡素化した本発明の第３の実施例の変形例を説
明する。図１０は本発明の第３の実施例の変形例に係る
給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図、図１
１は給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図である。本
変形例では第３の実施例の駆動ギヤ６５と中継プーリー
８９が一体となって、駆動ギヤ部６５’に置き替わって
いる。搬送モーターＭの駆動軸に一方向クラッチを介し
て取り付けられた駆動ギヤ６４は直接、中継ギヤ８７と
歯合し、駆動ギヤ部６５’のギヤは搬送ローラー４２の
回転軸に一方向クラッチを介して取り付けられたギヤと
歯合している。さらに、タイミングベルト５４は駆動ギ
ヤ部６５’のプーリーに架け渡されている。このよう
に、本変形例では駆動力伝達機構に使用されるギヤ点数
を削減できる。図１２は本発明の第３の実施例の他の変
形例に係る給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模
式図、図１３は給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図
である。本変形例では中継ギヤ８７を省いて、駆動ギヤ
６４と給紙ローラー２２の回転軸２０に取り付けられた
ギヤを歯合させている。また、駆動ギヤ６４は一方向ク
ラッチを介して、搬送ローラー４２の回転軸に一方向ク
ラッチを介して取り付けられたギヤと直接、歯合してい
る。本変形例においても駆動力伝達機構に使用されるギ
ヤ点数を削減できる。本実施例およびその変形例では、
各々の給紙部の駆動負荷は上に位置する第１給紙部の方
が、上部に位置する転写紙の搬送路途上の搬送ローラー
を駆動する必要がない分だけ第２給紙部より軽くなる。
上述のように、給紙部の駆動力伝達機構は複写機の内装
フレーム５５の片側に取り付けられるので、各回転要素
の回転軸は撓み応力を受け易い。そこで、回転要素の回
転軸に両方の給紙部に係る回転要素が配される場合に
は、撓み応力を軽減するために、駆動負荷が軽い第１給
紙部の回転要素を回転軸の先端側に配することが望まし
い。

【００１０】図１４は本発明の第４の実施例に係る給紙
部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図、図１５は
給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図である。本実施
例においては、第２の実施例と同様に、複写機の下部に
設けられた第１および第２給紙部のさらに下部に両面ト
レイが設けられ、何れの給紙部が選択されても双方の給
紙部の搬送ローラーが駆動される。搬送モーターＭの駆
動力は駆動軸に一方向クラッチ７２を介して取り付けら
れた駆動ギヤ６２に伝達されると、それに歯合する駆動
プーリー８２のギヤを介してタイミングベルト５２に伝
達される。タイミングベルト５２に伝達された駆動力
は、それが架け渡されている従動プーリー９２，９５に
伝達され、搬送ローラー４２，４３の回転軸との間に介
在する一方向クラッチの連結によって、搬送ローラー４
２，４３の回転軸に伝達され、搬送ローラー４２，４３
を同方向に回転させる。従動プーリー９２に伝達された
駆動力は、さらに、従動プーリー９２と一体的に設けら
れたギヤを介して中継ギヤ９４に伝達され、それに歯合
する給紙ローラー２２の回転軸２０に取り付けられたギ
ヤにも伝達される。一方、駆動力が駆動プーリー６３に
伝達されると、それに架け渡されているタイミングベル
ト５３を介して従動プーリー９３，９６に伝達され、そ
れぞれ搬送ローラー４２，４３の回転軸との間に介在す
る一方向クラッチの連結によって、搬送ローラー４２，
４３を同方向に回転させる。従動プーリー９６に伝達さ
れた駆動力は、さらに、従動プーリー９６と一体的に設
けられたギヤを介して中継ギヤ９７に伝達され、それに
歯合する給紙ローラー２３の回転軸に取り付けられたギ
ヤにも伝達される。タイミングベルト５２を介して搬送
ローラー４３に伝達された駆動力、およびタイミングベ
ルト５３を介して搬送ローラー４２に伝達された駆動力
はそれぞれ従動プーリー９６と搬送ローラー４３の回転
軸との間に介在する一方向クラッチの空転、および従動
プーリー９２と搬送ローラー４２の回転軸との間に介在
する一方向クラッチの空転によって、それぞれ中継ギヤ
９７側および中継ギヤ９４側に伝達されないから、搬送
モーターＭの駆動力が駆動ギヤ６２に伝達された時は第
１給紙部のみが、駆動プーリー６３に伝達された時は第
２給紙部のみが付勢される。

【００１１】図１６は本発明の第４の実施例の変形例に
係る給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図、
図１７は給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図であ
る。本変形例においては、駆動ギヤ６２から給紙ローラ
ー２３および搬送ローラー４２への駆動力の伝達は中継
ギヤ９８，９９、従動ギヤ９２’を介して伝達され、搬
送ローラー４３の回転軸への駆動力の伝達はその間に一
方向クラッチが介在しない従動プーリー９６’を介して
伝達される。図１８は本発明の第４の実施例の他の変形
例に係る給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式
図、図１９は給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面図で
ある。本変形例においては、給紙ローラー２３および搬
送ローラー４２への駆動力の伝達は駆動ギヤ６２から直
接、従動ギヤ９２’を介して伝達され、駆動プーリー６
３’から搬送ローラー４２への駆動力の伝達は中継ギヤ
１００、従動ギヤ９２’を介して伝達される。これらの
変形例では駆動力伝達機構の構成要素を削減できる。

【００１２】次に、大量紙給紙トレイを４段備えた本発
明の第５の実施例を説明する。図２０は本発明の第５の
実施例に係る給紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の
模式図、図２１は複写機の全体構成を示す構成図であ
る。本実施例の構成は給紙部を除いて、排紙トレイとし
て大量排紙トレイ２７および自動製本機７０を備えてい
る外は第２の実施例と変わりがない。本実施例において
は、４段積装された給紙部の中、第１および第２給紙部
と、第３および第４給紙部がそれぞれ同時に付勢され
る。搬送モーターＭの駆動力は駆動軸に一方向クラッチ
を介して取り付けられた駆動ギヤ６２に伝達されると、
それに歯合する駆動プーリー８２のギヤを介してタイミ
ングベルト５２に伝達される。タイミングベルト５２に
伝達された駆動力は、それが架け渡されている中継プー
リー８３１，８３２に伝達される。中継プーリー８３
１，８３２に伝達された駆動力はそれぞれ給紙ローラー
２２を介して第１給紙部と搬送ローラー４２、および給
紙ローラー２３を介して第２給紙部と搬送ローラー４３
に伝達され、第１および第２給紙部が付勢される。一
方、駆動プーリー６３が付勢され、タイミングベルト５
３が駆動されると、それが架け渡されている中継プーリ
ー８４，８６，８８１，８８２に駆動力が伝達される。
中継プーリー８４，８６に伝達された駆動力はそれぞれ
搬送ローラー４２，４３に伝達され、搬送ローラー４
２，４３が回転する。中継プーリー８８１，８８２にに
伝達された駆動力はそれぞれ給紙ローラー２４を介して
第３給紙部と搬送ローラー４４、および給紙ローラー２
５を介して第４給紙部と搬送ローラー４５に伝達され、
第３および第４給紙部が付勢される。図２２は本発明の
第５の実施例の変形例に係る給紙部を正面から見た時の
駆動力伝達系の模式図である。本変形例においては、駆
動ギヤ６２を介して駆動プーリー８２およびタイミング
ベルト５２に伝達された駆動力は、それが架け渡されて
いる従動プーリー９２，９５に伝達される。従動プーリ
ー９２，９５に伝達された駆動力はそれぞれ中継ギヤ９
４，９７を介して第１給紙部の給紙ローラー２２、およ
び第２給紙部の給紙ローラー２３に伝達され、第１およ
び第２給紙部が付勢される。一方、駆動プーリー６３を
介してタイミングベルト５３に伝達された駆動力は、そ
れが架け渡されている搬送ローラー４２，４３の回転軸
に一方向クラッチを介して取り付けられた従動プーリー
に伝達され、搬送ローラー４２，４３を回転させると共
に、搬送ローラー４４，４５の回転軸に取り付けられた
従動プーリーに伝達され、搬送ローラー４４，４５を回
転させる。搬送ローラー４４，４５に伝達された駆動力
はそれぞれ中継ギヤを介して第３給紙部の給紙ローラー
２４、および第４給紙部の給紙ローラー２４に伝達さ
れ、第３および第４給紙部が付勢される。なお、分割し
て付勢される給紙部の数が異なる場合には、数が多い給
紙部の組を上部に配置すれば、回転要素の回転軸に作用
する撓み応力を軽減することができる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
によれば、正および逆方向に駆動可能な駆動手段の正方
向の駆動時、複数の用紙分離給送手段の中の一方の群に
選択的に駆動力を伝達し、駆動手段の逆方向の駆動時、
複数の用紙分離給送手段の中の他方の群に選択的に駆動
力を伝達するようにしたので、選択されない分離給送手
段を駆動するための無駄な負荷が軽減されるから、エネ
ルギー消費を抑制できると共に、駆動力伝達手段の耐久
性を高めることができる。請求項２記載の発明によれ
ば、複数の用紙分離給送手段毎に給送された用紙をそれ
ぞれ、さらに下流に搬送する個別用紙搬送手段を有し、
個別用紙搬送手段の中の幾つかは他の個別用紙搬送手段
から搬送された用紙をさらに下流に搬送する搬送手段と
して機能するようにしたので、個別用紙搬送手段の下流
の搬送手段を簡素化して、装置を小型化し、安価なもの
とすることができる。請求項３記載の発明によれば、他
の個別用紙搬送手段から搬送された用紙をさらに下流に
搬送する幾つかの個別用紙搬送手段は駆動手段の正およ
び逆方向の駆動に関わり無く駆動され、他の個別用紙搬
送手段は当該用紙分離給送手段の駆動時のみ駆動される
ようにしたので、用紙搬送に寄与しない個別用紙搬送手
段の駆動のための無駄な負荷を軽減することができる。
請求項４記載の発明によれば、正逆転可能なモーターか
らの駆動力を伝達する駆動軸に嵌合された２つの一方向
クラッチで、複数の用紙分離給送手段の中の一方および
他方の群に選択的に駆動力を分配するようにしたので、
駆動力分配手段の構成を簡単で、安価なものとすること
ができる。請求項５記載の発明によれば、個別用紙搬送
手段は２つのローラー間に用紙を挟持して回転搬送する
搬送ローラーで構成され、他の個別用紙搬送手段から搬
送された用紙をさらに下流に搬送する幾つかの個別用紙
搬送手段はその回転軸に２つの一方向クラッチが嵌合さ
れ、一方の一方向クラッチには当該用紙分離給送手段の
駆動時の駆動力が伝達され、他方の一方向クラッチには
当該用紙分離給送手段の非駆動時、駆動される用紙分離
給送手段の駆動力が伝達されるようにしたので、個別用
紙搬送手段への無駄な負荷を軽減した駆動力伝達手段の
構成を簡単で、安価なものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る給紙部を正面から
見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図２】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面
図である。

【図３】同じく、一方向クラッチのクラッチ機構を示す
構成図である。

【図４】同じく、複写機の全体構成を示す構成図であ
る。

【図５】本発明の第２の実施例に係る給紙部を正面から
見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図６】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面
図である。

【図７】同じく、複写機の全体構成を示す構成図であ
る。

【図８】本発明の第３の実施例に係る給紙部を正面から
見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図９】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断面
図である。

【図１０】本発明の第３の実施例の変形例に係る給紙部
を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図１１】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断
面図である。

【図１２】本発明の第３の実施例の他の変形例に係る給
紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図１３】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断
面図である。

【図１４】本発明の第４の実施例に係る給紙部を正面か
ら見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図１５】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断
面図である。

【図１６】本発明の第４の実施例の変形例に係る給紙部
を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図１７】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断
面図である。

【図１８】本発明の第４の実施例の他の変形例に係る給
紙部を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図１９】同じく、給紙部の駆動力伝達系の縦方向の断
面図である。

【図２０】本発明の第５の実施例に係る給紙部を正面か
ら見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【図２１】同じく、複写機の全体構成を示す構成図であ
る。

【図２２】本発明の第５の実施例の変形例に係る給紙部
を正面から見た時の駆動力伝達系の模式図である。

【符号の説明】

１，１１，１２，１３ 繰り出しローラー ２，２１，２２，２３，２４，２５ 給紙ローラー ３，３１ 逆転ローラー ４，９，４１，４２，４３，４４，４５，９１ 搬送ロ
ーラー ５，５１，５２，５３，５４ タイミングベルト ６，８，６１，６３，８１ タイミングプーリー ７，７１，７２，７３，７４，７５，７６，７７ 一方
向クラッチ １０ 手差し給紙トレイ ２０ 回転軸 ６２，６４，６５ 駆動ギヤ ６３，８２ 駆動プーリー ８３，８４，８５，８６，８８，８９，８３１，８３
２，８８１，８８２ 中継プーリー ８７，９４，９７，９８，９９，１００ 中継ギヤ ９２，９３，９５，９６ 従動プーリー １０１，１０２，１０３ 大量紙給紙トレイ １２０ 両面トレイ Ｍ 搬送モーター

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の用紙収納部と、該用紙収納部に収
   納された用紙をそれぞれ１枚ずつ分離して下流に搬送す
   る複数の用紙分離給送手段と、該用紙分離給送手段から
   給送された用紙をさらに下流に搬送する用紙搬送手段
   と、前記用紙分離給送手段および前記用紙搬送手段を駆
   動する駆動手段と、該駆動手段から前記用紙分離給送手
   段および前記用紙搬送手段に駆動力を伝達する駆動力伝
   達手段を備えた給紙装置において、前記駆動手段は正お
   よび逆方向に駆動可能であり、前記駆動力伝達手段は前
   記駆動手段の正方向の駆動時、複数の前記用紙分離給送
   手段の中の一方の群に選択的に駆動力を伝達し、前記駆
   動手段の逆方向の駆動時、複数の前記用紙分離給送手段
   の中の他方の群に選択的に駆動力を伝達する駆動力分配
   手段を有したことを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】 用紙搬送手段は複数の用紙分離給送手段
   毎に給送された用紙をそれぞれ、さらに下流に搬送する
   個別用紙搬送手段を有し、該個別用紙搬送手段の中の幾
   つかは他の前記個別用紙搬送手段から搬送された用紙を
   さらに下流に搬送する搬送手段として機能するものであ
   ることを特徴とする請求項１記載の給紙装置。
3. 【請求項３】 幾つかの個別用紙搬送手段は駆動手段の
   正および逆方向の駆動に関わり無く駆動され、他の個別
   用紙搬送手段は当該用紙分離給送手段の駆動時のみ駆動
   されるものであることを特徴とする請求項２記載の給紙
   装置。
4. 【請求項４】 駆動手段は正逆転可能なモーターであ
   り、駆動力分配手段は前記モーターからの駆動力を伝達
   する駆動軸に嵌合された２つの一方向クラッチであるこ
   とを特徴とする請求項１ないし３記載の給紙装置。
5. 【請求項５】 個別用紙搬送手段は２つのローラー間に
   用紙を挟持して回転搬送する搬送ローラーであり、幾つ
   かの個別用紙搬送手段はその回転軸に２つの一方向クラ
   ッチが嵌合され、一方の一方向クラッチには当該用紙分
   離給送手段の駆動時の駆動力が伝達され、他方の一方向
   クラッチには当該用紙分離給送手段の非駆動時、駆動さ
   れる用紙分離給送手段の駆動力が伝達されるものである
   ことを特徴とする請求項３記載の給紙装置。