JPH0618333U - 仕分けコンベヤの切換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンベヤ上の物品の搬送路切換動作を、簡単
な構造により、短時間で且つ確実に行うことのできる仕
分コンベヤの切換装置を提供する。 【構成】 コンベヤを構成するスラット２の張出部材１
１をガイド部材９と２次導体１０で構成し、張出部材１
１をコンベヤ下面に敷設したガイドレール１２に案内さ
せる。ガイドレール１２の主レール１３と分岐レール１
４の枝分かれ部分にリニアモータ１５を配設し、リニア
モータ１５に給電して、リニアモータ１５上で分岐レー
ル１４方向の推力Ｚを発生することにより、張出部材１
１の２次導体１０を分岐レール１４側に押し遣り、分岐
レール１４へと導いて、コンベヤ上の物品を分岐搬送路
方向へ送り、仕分けを行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は仕分装置に関し、特に、外形や大きさの異なる物品を搬送するときに 好適なスラットコンベヤを用いて仕分けする場合の仕分けコンベヤの切換装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来周知の仕分装置としてホイール浮き出し式、押し出し式、傾倒式及び斜行 ベルト、或はスラットコンベヤ上の移動シュー等の種々の仕分装置が知られてい る。これらの仕分装置のうちスラットコンベヤは、外形や大きさの異なる物品を 搬送するときに好適であり、この場合の仕分け装置としてスラットの長手方向（ コンベヤ移動方向に対して横方向）へ該スラット上にて移動する移動シューを用 いた仕分装置がある。

【０００３】 この仕分装置は、例えば特公昭６０−１０９７１号、米国特許4,738,347 号等 に開示されている。これらの公報に開示された装置の基本構造は、各スラットが その長手方向にスライド自在な移動シューを備えている。そして、この移動シュ ーは図５に示すように、スラット下方に延びた張出部材１１( 単に下方に延びた ピン部材或はローラを備えた部材) が、スラット下側に敷設されたガイドレール １２の主レール１３或は分枝レール１４に案内される構成であり、張出部材１１ がコンベヤ幅方向に傾斜して延びる分枝レール１４により案内されてスラット長 手方向に移動する構成である。すなわち、所定の仕分け位置に配置された切換装 置の切換部材である切換レバー１７が適宜信号により支点１８を回転中心にして 時計回り（矢印Ｃ方向）に動作し、所望の方向（矢印Ｃ方向）に移動している張 出部材１１を分枝レール１４側に引き込むように案内し、このときその仕分け位 置に到達していた搬送物を移動シューによってコンベヤ横方向（分枝レールに沿 った方向）に移動させて仕分けをする。

【０００４】 また、同様に、移動シューを備えた仕分装置における搬送方向の切り換え機構 として、磁気吸引力を利用したものがある。例えば、特公昭５２−１２９８２号 公報に開示された切り換え機構は、図６に示されるように、摺動部材１９に永久 磁石２０を取り付け、磁気ガイド２１に沿って配設された電磁石２２を導通する ことにより、磁性体を取り付けた摺動部材１９を前記磁気ガイド２１に引き寄せ 、分岐方向の搬送路を形成して、物品Ｘを分岐搬送路Ｄ，Ｅ及びＦに仕分けする ものである。

【０００５】 更に、移動シューを備えたものではないが、例えば特開昭５０−１５０１１２ 号公報や特開平１−１９０２０１号公報に開示されるような、浮上式搬送装置所 謂リニアモータを利用した搬送装置の搬送路切り換え機構もある。図３及び図４ に示されるように、何れも、強磁性体から形成されるガイドレール２３と２次導 体２４を備えるキャリア２５との間で磁気回路を形成して、キャリア２５をガイ ドレール２３に沿って移動させるものである。ガイドレール２３は、本線方向（ 直線方向）と分岐方向のレールで構成され、その分岐部分に、特開昭５０−１５ ０１１２号公報では、可動ビーム２６を配置し、仕分け命令により、可動ビーム ２６をガイドレール２３に沿うように左右に回動させて、所望の搬送路の切り換 えを行っている（図３参照）。一方、特開平１−１９０２０１号公報では、分岐 部分に固定子２７を配設して、固定子２７を付勢して矢印Ｇ及びＨ方向に移動磁 界を発生させ進行方向を決定している（図４参照）。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように従来の切り換えレバーによる切り換え機構では、張出部材１１の 径（ｄ）が大きくなるのに伴って切換レバー１７の長さが大きくなったり、或は 主レール１３と分枝レール１４の開き角度θが大きくなるのにしたがって、切換 レバー１７の開き角度αも角度θとほぼ一致させる必要があるために該角度αも 大きくなる。これは、切換レバー１７の長さが大きくなるのにしたがって該切換 レバーの回転モーメントが大きくなり、この切換レバー１７を動作させるために 必要な駆動力も大きくする必要がある。又、切換レバー１７の開き角度αを大き くしたりすることは、該切換レバー１７の回転移動量が大きくなり、所定の動作 を完了するまでに時間がかかる。

【０００７】 そこで、コンベヤ搬送速度を速くしようとした場合、切換レバー１７の駆動系 、例えば電磁弁やエアシリンダ等の駆動速度を速くするなどの解決方法も考えら れるが、この場合は、駆動系の性能アップに伴って装置が大型化したり、コスト アップになるだけでなく、例えば切換レバー１７は長さを長くすればするほど回 転速度の高まりに伴ってその先端部の移動速度も速くなり、レバー回転停止時の 衝撃等が増大し、該切換レバーのみならずその周辺部材の機械的強度の増強が必 要になる等の問題があった。

【０００８】 従って、切換レバー１７の動作を速くしようとした場合に、開き角度αを小さ くして所定動作完了までの時間を速くしたのでは、前述のように張出部材１１の 径が大きい場合や分枝レール１４の角度θが大きい場合に対応できない。 また、前記特公昭５２−１２９８２号公報に記載されるような磁気吸引力によ り搬送路を切り換える機構では、搬送路を構成する多数の摺動部材１９の一つ一 つに永久磁石２０を取り付けなければならずコストが高くなる。

【０００９】 更に、分岐方向の搬送経路は、摺動部材１９を磁気作用により磁気ガイド２１ に吸引あるいは反発させることにより形成されるため、分岐方向の搬送経路の形 成中は、磁化手段である電磁石２２を導通し続ける必要がある。従って、高速搬 送のために摺動部材１９を高速で移動させたり、摺動部材１９上の物品Ｘの重量 が重い場合には、搬送路を切り換えるための磁化手段である電磁石もそれに対応 するために、磁力の強化、高性能化が必要であり、結果として、電磁石の大型化 や磁気特性の高い高価な磁石を使用しなければならず、コスト高となる。

【００１０】 浮上式搬送装置の切り換え機構に関しては、特開昭５０−１５０１１２号公報 による可動ビームによる方法では、前記特公昭６０−１０９７１号公報及び米国 特許4,738,347 号公報による切換レバーと同様な問題、即ち、切り換え速度の問 題や周辺部材を含めた機械的強度等の問題が生じる。また、特開平１−１９０２ ０１号公報による切り換え機構では、分岐部分も強磁性体ガイドレール２３で形 成され、それに沿ってキャリア２５が移動する構造であるため、搬送路を高速で 切り換えようとすると、特に、搬送物の重量が重い場合には、キャリア２５の慣 性モーメントが、ガイドレール２３とキャリア２５の２次導体２４との間に形成 される磁気回路の磁力より大きくなりキャリア２５の脱輪を招きやすい。従って 、キャリア２５の脱輪を防止するためには搬送速度を低速とするか、磁気回路を 強力にする必要がある。また、分岐方向のガイドレール２３の本線方向のガイド レールとの分岐角度が大きくなるに従って脱輪しやすくなるため、分岐ガイドレ ールを或る程度大きな曲率で形成する必要がある。結果として分岐部分の距離が 長くなり、仕分け時間が長くなって作業効率が低下する。

【００１１】 本考案の課題は、上記問題点、特にリニアモータを利用した搬送路切り換え機 構における上記問題点を解消することにあり、低コストで、簡単な構造によりコ ンべヤの高速搬送に適応可能な高速かつ確実に仕分けを行うことのできる仕分け コンベヤの切換装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる上記課題は、スラットを連結して成る搬送コンベヤ上の物品を 仕分け位置にてスラット長手方向へ移動させる移動手段を具備し、前記移動手段 に突設された張出部材が、コンベヤ搬送面下方に、本線方向並びに分岐方向に沿 って敷設されたガイドレールにより案内されて前記移動を行う仕分けコンベヤの 切換装置において、前記張出部材は２次導体を備え、前記ガイドレールを主レー ルと分岐レールで構成するとともに、該主レールと該分岐レールの枝分かれ部に リニアモータを配設して、物品を分岐方向に搬送する際に、リニアモータを駆動 して、該リニアモータの推力を分岐レール方向に発生させることにより、張出部 材の２次導体を分岐レール側に導くことを特徴とする仕分けコンベヤの切換装置 によって解決される。

【００１３】

【実施例】

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。 図７は本考案によるスラットコンベヤの一実施例の斜視図である。 図７に示すスラットコンベヤ１は、物品Ｘを載置するための複数のスラット２ を近接して連続的に並列に配設することにより構成され、物品Ｘは、スラット両 端に固着した駆動チェーン４を物品搬送方向に駆動することにより所定の方向（ 矢印Ｂ方向）に搬送される。仕分けは、スラット２上の移動シュー３を後述する 機構により矢印Ｂ方向に対して直角方向（矢印Ａ方向）に移動させることにより 分岐搬送路５に向かう経路を形成して、物品Ｘを該分岐搬送路５に送ることによ り行われる。スラットコンベヤ１の全体は図示しないが、複数のスラット２及び 駆動チェーン４により閉ループに構成されていることは勿論である。

【００１４】 各スラット２は、その長手方向両端のエンドブロック７がコンベヤ両側の駆動 チェーン４の延長ピンに適宜連結されており、エンドブロック7 に二本のスラッ ト棒６が架け渡されて、このスラット棒６がスラットコンベヤ１の荷搬送面を構 成し且つスラット棒６に貫通された該棒に沿って荷搬送方向（矢印Ｂ方向）に直 交して移動可能な移動シュー３が設けられている。

【００１５】 移動シュー３は、図２に示すように、スラット２の下方に延びた軸８にローラ あるいはベアリングからなるガイド部材９、並びに軸端部に強磁性体からなる２ 次導体１０を取りつけた張出部材１１を備えている。張出部材１１は、後述する 切り換え機構により、スラット下側に敷設されたガイドレール１２の主レール１ ３あるいは分岐レール１４に案内される。

【００１６】 更に、ガイドレール１２の主レール１３と分岐レール１４の枝分かれ部分には 、リニアモータ１５が配設されている。リニアモータ１５は、どのような形式で も構わず、電流供給により、ガイドレール１２を横切って分岐レール１４方向に 向かう推力Ｚを発生させるものであればよい。 センサ１６は、ガイドレール１２の主レール１３と分岐レール１４の枝分かれ 部上流に位置し、ガイドレール１２に沿って移動する張出部材１１の通過を検出 する。センサ１６からの検出信号は、仕分け情報との適当な演算（図示せず）に より、リニアモータ１５の駆動を制御する。

【００１７】 次に、図１に基づき、本考案による搬送路の切り換え機構の一実施例について 説明する。図１において、移動シュー３の張出部材１１は、搬送時、ガイドレー ル１２に沿って、同図上方から下方に向かって移動する。 仕分けを行わない場合即ち、コンベヤ上の物品を直進させる場合には、張出部 材１１の２次導体１０ａは、同図上方から下方に向かって直進して、主レール１ ３に沿って進む（同図、２次導体１０ｃの状態）。この時、リニアモータ１５は オフの状態で、リニアモータ１５による同図右方向（分岐レール１４方向）への 推力Ｚは発生しないために、張出部材１１は、そのまま直進して主レール１３へ と進む。

【００１８】 これに対し、仕分けを行う場合には、リニアモータ１５に給電して、同図右方 向（分岐レール１４方向）に向かう推力Ｚを発生させることにより、リニアモー タ１５上に到達した張出部材１１の２次導体１０ａを分岐レール１４側に移動さ せ（同図、２次導体１０ｂの状態）、分岐レール１４へと導く（同図、２次導体 １０ｄの状態）。

【００１９】 このような張出部材１１の移動に伴い、移動シュー３が次々にスラット長手方 向に移動するので、コンベヤ上にある物品Ｘは、図７に示す如く矢印Ａ方向に押 されて、コンベヤ横方向の分岐搬送路５に向かって行き、所望の仕分けをするこ とができる。 本考案における切り換え機構は、上記実施例に限るものではなく、種々の変更 を加えることができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案による仕分コンベヤの切り換え機構は、ガイドレー ルの主レールと分岐レールとの枝分かれ部分にリニアモータを配設して、リニア モータを駆動して分岐レール方向の推力を発生することにより、張出部材の２次 導体を分岐レール側に導くという極めて簡単な構成及び方法により、コンベヤ上 の物品の搬送経路を直進または分岐方向に切り換えることができる。

【００２１】 また、一旦搬送路を切り換えた後は、張出部材が分岐レールに沿って移動する ため、コンベヤ上の物品が重い場合でも分岐方向の搬送路が崩れることがない。 従って、物品の仕分けは、単にリニアモータの駆動だけで制御できるため、搬 送路の切り換えを確実に、且つ切り換え時間を大幅に短縮することができる。 また、ガイドレールも強磁性体で構成する必要がなく、コストも低減できる。

【００２２】 更に、張出部材は、ローラまたはベアリングを備えているため、ガイドレール に沿って移動する際、その移動を円滑に行うことができ、搬送路切り換え時にお いても、低騒音化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による仕分コンベヤの切換装置の切り
換え機構の一実施例を説明するための要部上面図であ
る。

【図２】 図１の主レールと分岐レールの枝分かれ部分
を、Ｙ方向から見た断面図である。

【図３】 従来の切り換えレバー式仕分装置の、レバー
切り換え機構を説明するための図である。

【図４】 従来の磁気作用を利用した仕分装置の一例を
示す図である。

【図５】 従来の浮上式搬送装置の切り換え機構の一例
を示す図である。

【図６】 従来の浮上式搬送装置の切り換え機構の他の
例を示す図である。

【図７】 本考案による仕分コンベヤの切換装置の仕分
け部周辺の概略斜視図である。

【符号の説明】

１ スラットコンベヤ ２ スラット ３ 移動シュー ４ 駆動チェーン ５ 分岐搬送路 ６ スラット棒 ７ エンドブロック ８ 軸 ９ ガイド部材 １０、１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ ２次導体 １１ 張出部材 １２ ガイドレール １３ 主レール １４ 分岐レール １５ リニアモータ １６ センサ １７ 切換レバー １８ 支点 １９ 移動部材 ２０ 永久磁石 ２１ 磁気ガイド ２２ 電磁石 ２３ ガイドレール ２４ ２次導体 ２５ キャリア ２６ 可動ビーム ２７ 固定子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スラットを連結して成る搬送コンベヤ上
   の物品を仕分け位置にてスラット長手方向へ移動させる
   移動手段を具備し、前記移動手段に突設された張出部材
   が、コンベヤ搬送面下方に、本線方向並びに分岐方向に
   沿って敷設されたガイドレールにより案内されて前記移
   動を行う仕分けコンベヤの切換装置において、前記張出
   部材は２次導体を備え、前記ガイドレールを主レールと
   分岐レールで構成するとともに、該主レールと該分岐レ
   ールの枝分かれ部にリニアモータを配設して、物品を分
   岐方向に搬送する際に、リニアモータを駆動して、該リ
   ニアモータの推力を分岐レール方向に発生させることに
   より、張出部材の２次導体を分岐レール側に導くことを
   特徴とする仕分けコンベヤの切換装置。