JP2555542B2 - 浮上式搬送装置 - Google Patents

浮上式搬送装置

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JP2555542B2
JP2555542B2 JP6009185A JP918594A JP2555542B2 JP 2555542 B2 JP2555542 B2 JP 2555542B2 JP 6009185 A JP6009185 A JP 6009185A JP 918594 A JP918594 A JP 918594A JP 2555542 B2 JP2555542 B2 JP 2555542B2
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明平 森下
照男 小豆澤
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小物類を搬送するのに
好適な浮上式搬送装置に係り、特に搬送路における分岐
部分の省スペース化および分岐部分での走行の安定化を
図れるようにした浮上式搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーション、ファ
クトリオートメーションの一環として、建屋内の複数の
地点間において、伝票,書類,現金,試料等を搬送装置
を用いて移動させることが行われている。
【0003】このような用途の搬送装置は、オフィスの
環境を損うものであってはならず、粉塵の発生等がな
く、低騒音であることが要求される。このため、この種
の搬送装置は、ガイドレールに対して搬送車を非接触に
支持し得るように構成されている。
【0004】搬送車を非接触で支持するには、空気力や
磁気力を利用するのが一般的であるが、中でも搬送車を
磁気的吸引力を用いて支持する方式は、ガイドレールに
対する追従性や、騒音低減効果に優れており、最も有望
な支持方式とされている。
【0005】ところで、通常のオフィス環境においては
多数の障害物が存在するため、搬送路の構成が複雑にな
る場合が多い。また、搬送路上の複数の搬送車の行先も
様々で、それぞれの搬送車が搬送路上でなるべく互いに
干渉しないように搬送路を形成し、また各搬送車の走行
を制御しなければならない。これらの点を考慮すると、
搬送路に分岐部分を多数設けて本線上の複数の搬送車を
それぞれの搬送先を経由する支線に別けてやることが望
ましい。
【0006】しかし、この場合、通常行なわれているよ
うに搬送車を走行状態のまま分岐させようとすると、分
岐部分に曲線区間を設けたり、軌道の一部を分岐方向に
機械的に移動させなければならず、分岐部分が大形化
し、搬送路の省スペース化が著しく損われてしまう。ま
た、狭いオフィス環境にあっては、このような分岐部分
を多数設けることができないので、結局、搬送路上で複
数の搬送車が互いに干渉する確率が高くなり、この干渉
を防ぐように各搬送車の走行を制御するため、各々の搬
送車を目的地点まで移動させるのに時間がかかるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の浮
上式搬送装置にあっては、搬送路を分岐させようとして
も、分岐部分が大型化するために、省スペース化が図れ
ず、これが原因して分岐数が抑制されるという問題があ
った。
【0008】そこで本発明は、分岐部分の省スペース化
を図れ、必要な数の分岐部分を設けることを可能化で
き、しかも分岐部分において搬送車を安定に走行させる
ことのできる浮上式搬送装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、強磁性体で形成されたガイドレールと、
このガイドレールの下面に沿って走行自在に配置された
搬送車と、この搬送車に搭載されて前記ガイドレールの
下面と空隙を介して対向する電磁石を備え、上記ガイド
レールに対して上記搬送車を磁気力浮上させる一または
複数の磁気支持ユニットと、前記電磁石の励磁電流を制
御して前記磁気支持ユニットで発生した磁束が通る磁気
回路を安定化させる制御手段と、前記搬送車に対して非
接触に駆動力を与える駆動手段とを備えた浮上式搬送装
置において、前記ガイドレールが、本線と、この本線か
らほぼ直角に分岐する支線と、前記本線の側面部で前記
支線が分岐している側面部とは反対側に位置する側面部
に上記支線の延びる方向とは反対方向に延出形成された
張出し部とを含んでいることを特徴としている。
【0010】
【作用】搬送車を本線から支線へと進行させる場合、搬
送車が分岐部分に差し掛かると、駆動装置により搬送車
に非接触に制動力が与えられる。搬送車が静止した後、
搬送車を駆動装置によって支線方向に押出すと、搬送車
は、車体の向きはそのままの状態で、今までの進行方向
に対しほぼ90°をなす方向へ支線に沿って走行する。
つまり、搬送車は支線に沿って横向きに移動することに
なる。したがって、搬送車を最少限の動作で90°方向
変換させることができ、結局、分岐部分に多くのスペー
スを必要としない。
【0011】また、搬送車を支線へと進行させることな
く、そのまま本線に沿って進行させる場合、搬送車が分
岐部分に差し掛かると、この分岐部分を構成している強
磁性材製のガイドレールが搬送車の進路に対して磁気的
に非対称関係に存在しているため、磁気抵抗の違いから
搬送車が一時的に支線側に引っ張られる力を受け、これ
が原因してしばらくの間、搬送車が進路と直交する方向
に振動しながら進行しようとする。しかし、本発明装置
では、本線の側面部で支線が分岐している側面部とは反
対側に位置する側面部に支線の延びる方向とは反対方向
に延出する張出し部を設けているので、上述した磁気抵
抗の違いを緩和させることができ、上述した振動の発生
を抑制することができる。したがって、分岐部分の存在
によって起こる搬送車の不安定走行を防止できる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1には本発明の一実施例に係る浮上式搬送装置に
おけるガイドレール、ここには本線から支線が分岐する
分岐部Aが示されており、図2には分岐部Aに搬送車が
差し掛かっている状態が示されている。
【0013】この装置は、オフィス空間等に障害物を避
けるように敷設された強磁性体のガイドレール1の下側
に、上記ガイドレール1に沿って走行自在に搬送車2を
配し、この搬送車2のガイドレール1に対する磁気的吸
引力で搬送車2をガイドレール1に対して非接触状態で
支持し、さらにガイドレール1に沿って所定の間隔で設
けられた図示しない移動力付与手段(駆動手段)によっ
て搬送車2を非接触駆動するように構成されている。ま
た、この装置には、後述するガイドレール1の分岐部A
において搬送車2を分岐制御するための図示しない搬送
車走行制御装置が設けられている。
【0014】搬送車2は、図2に示すように、ガイドレ
ール1の下面に対向するように配置された基台11と、
この基台11の上面四隅位置にそれぞれ配置された4つ
の磁気支持ユニット12a,12b,12c,12d
と、基台11の下面に支持された搬送車本体13と、基
台11の上面中央部に配置された二次導体14とで構成
されている。
【0015】4つの磁気支持ユニット12a〜12d
は、図3にも示すように、基台11の上面に図示しない
ボルトおよび台座21を用いて取付けられている。これ
ら磁気支持ユニット12a〜12dは、上端部がガイド
レール1の下面と対向するように図2中矢印で示す搬送
車2の本線進行方向と直交する線上に配置された2つの
電磁石22,23と、これら電磁石22,23の各下部
側面間を磁気的に連結する永久磁石24とで構成されて
おり、全体としてU字状に形成されている。
【0016】各電磁石22,23は、強磁性体で形成さ
れた継鉄25と、この継鉄25に巻装されたコイル26
とで構成されている。各コイル26は、電磁石22,2
3によって形成される磁束が互いに加算されるような向
きで直列に接続されている。なお、これら磁気支持ユニ
ット12a〜12dには、電磁石22,23の上端面と
ガイドレール1の下面との間の空隙長を検出する光学ギ
ャップセンサ27が取付けられている。
【0017】一方、搬送車本体13には、4つの光学ギ
ャップセンサ27の出力に基づいて対応する各磁気支持
ユニット12a〜12dの励磁電流をそれぞれ制御する
ための図示しない浮上安定化制御装置や、定電圧発生装
置、電力供給源である小容量電源等が搭載されている。
【0018】二次導体14は、前述した移動力付与手段
となる図示しないリニア誘導電動機の可動体と、分岐部
Aに設けられた後述するところの駆動要素である3つの
リニア誘導電動機の可動体とを兼ねるものであり、装置
の稼動時においては、これらリニア誘導電動機の固定子
と僅かのギャップを介して対向する高さに配置されてい
る。
【0019】一方、ガイドレール1は、断面が逆U字状
に形成されて搬送車2の移動空間を保護する軌道枠31
の上部壁下面に設置されている。このガイドレール1は
オフィス空間を一巡するように平行に敷設された2本の
本線32a,32bと、分岐部Aにおいてこれら本線3
2a,32bから略直角に分岐するように平行に敷設さ
れた2本の支線33a,33bと、これら本線32a,
32bと支線33a,33bとを結合する井形形状の結
合板34とを所定の方法で結合して構成されている。
【0020】本線32a,32bは、本線進行方向に向
かって左右の磁気支持ユニット12b(12d),12
a(12c)が丁度下側に位置し得る間隔で、かつ磁気
支持ユニット12a〜12dと同一幅に形成されてい
る。また、支線33a,33bは、本線進行方向に向か
って前後の磁気支持ユニット12a(12b),12c
(12d)が丁度下側に位置し得る間隔で、かつ磁気支
持ユニット12a〜12dの厚みと同一の幅に形成され
ている。そして、これら本線32a,32bおよび支線
33a,33bは、オフィスへの据付け作業を容易化す
るために分割構造となっている。
【0021】結合板34は、強磁性材で形成されたもの
で、図4にも示すように、本線32a,32bと同一幅
で同一間隔の本線結合部35a,35bと、支線33
a,33bと同一幅で同一間隔の支線結合部36a,3
6bとを略直角に繋いだ形状となっている。
【0022】本線結合部35a,35bに対して支線結
合部36a,36bの繋がる部分Bには所定の肉付け部
37が設けられている。また、結合板34の側面部で支
線延在方向とは反対側に位置している側面部には、外方
に向けて所定長さ張り出した張出し部38が一体に形成
されている。
【0023】この張出し部38は、磁気支持ユニット1
2a〜12dが部分Bに差し掛かったときに、磁気支持
ユニット12a〜12bが磁気抵抗の低い支線側に引張
られて搬送車2が振動するのを防止するため、支線延在
側とは反対側の磁気抵抗を減少させることを目的とした
ものである。
【0024】分岐部Aにおいて、軌道枠31の上部壁に
は、図1に示すように、結合板34の中央孔39よりも
若干大きめの角形孔41が穿設されている。この角形孔
41を上面から閉塞する支持板42の下面には、結合板
34の中心孔39に臨むように3つのリニア誘導電動機
の固定子43a,43b,43cが固定されている。
【0025】これら固定子43a〜43cは、搬送車2
に装着された二次導体14とともに前述した分岐部Aに
おける駆動要素を構成するものである。これら3つの固
定子43a〜43cのうち、本線進行方向両端に配置さ
れた2つの固定子43a,43cは、搬送車2の二次導
体14に対し支線方向の駆動力を与えるものである。ま
た、同中央の固定子43bは上記二次導体14に対して
本線方向の駆動力を与えるものである。
【0026】一方、結合板34の中央孔39の本線進行
方向に向かって左側前後と同右側中央部には、図4に示
すように、光センサ44a,44b,44cがそれぞれ
配置されている。これら光センサ44a〜44cは搬送
車2の二次導体14を検出する反射式の光センサであ
る。これら3つの光センサ44a〜44cで分岐部Aに
対する搬送車2の位置を検出し、これに基づき前述した
搬送車走行制御装置において3つの固定子43a〜43
cが制御される。図5に分岐部Aにおける制御を実現す
る構成例を示す。
【0027】すなわち、各光センサ44a〜44cから
の検出信号は、マイクロコンピュータ51に入力され
る。一方、3相交流電源52には、スライダック53を
介して3つの固定子43a〜43cおよびサイリスタス
イッチ54a〜54cの直列回路が並列に接続されてい
る。マイクロコンピュータ51は、3つの光センサ44
a〜44cの現在の検出状況と内部メモリに記憶された
過去の検出情報とに基づいてサイリスタスイッチ54a
〜54cを選択的にスイッチングして固定子43a〜4
3cに選択的に電源電圧を供給する。なお、このときに
固定子43a〜43cの移動磁界進行方向も同時に制御
される。
【0028】次に、上記のように構成された浮上式搬送
装置の動作について説明する。装置を起動させると、制
御装置は永久磁石24が発生する磁束と同じ向きまたは
逆向きの磁束を電磁石22,23に発生させるととも
に、磁気支持ユニット12a〜12dとガイドレール1
との間に所定の空隙長を維持させるべく励磁コイル26
に流す電流を制御する。これによって、図3に示すよう
に、永久磁石24〜継鉄25〜空隙P〜ガイドレール1
〜空隙P〜継鉄25〜永久磁石24の経路からなる磁気
回路が形成される。ギャップ長は、搬送車2など被支持
体の重量と、永久磁石24の起磁力による磁気支持ユニ
ット12a〜12d〜ガイドレール1間の磁気的吸引力
とが丁度釣合うような長さに設定される。制御装置は、
このギャップ長を維持すべく電磁石22,23の励磁電
流制御を行う。これによって、いわゆるゼロパワー制御
がなされることになる。
【0029】今、搬送車2が移動力付与手段である図示
しないリニア誘導電動機の固定子の真下にあるとして、
この固定子を付勢すると、二次導体14が固定子から電
磁力を受ける。この結果、搬送車2は磁気力で浮上した
ままの状態でガイドレール1の本線32a,32bに沿
って走行を始める。搬送車2が空気抵抗等の影響で完全
静止するまでの間に再び固定子が配置されていれば、搬
送車2は再度付勢されて本線32a,32bに沿った走
行を持続する。
【0030】今、分岐部Aにおいて搬送車2を本線32
a,32bから支線33a,33bへ進行させるための
指令が搬送車走行制御装置に与えられているものとす
る。搬送車2が分岐部Aに差し掛かると、まず図6に示
すように光センサ44cが二次導体14を検出する。マ
イクロコンピュータ51は、固定子43bのみを図中矢
印の方向に付勢して搬送車2を本線進行方向に駆動す
る。搬送車2が図7に示す位置まで移動すると、光セン
サ44a〜44cの全てが二次導体14を検出するの
で、マイクロコンピュータ51は、固定子43bの付勢
を停止し、固定子43a,43cを支線に向けて付勢す
る。この結果、搬送車2の速度が余り高くないときに
は、搬送車2は、磁気抵抗の最も少ない結合板34の部
分Bに磁気支持ユニット12a〜12dが差掛かった時
に停止する。しかし、搬送車2の速度が高い場合には、
図8に示すように搬送車2が分岐部Aを通り過ぎてしま
う。この時、光センサ44cが二次導体14を検出しな
くなるので、マイクロコンピュータ51は、固定子43
bを付勢して搬送車2に本線進行方向とは逆向きの駆動
力を与える。これによって搬送車2が分岐部Aに戻った
とき、光センサ44a〜44cの全てが二次導体14を
検出するので、マイクロコンピュータ51は固定子43
a,43cを付勢する。この結果、搬送車2は、図9に
示すように横向きのまま支線33a,33bに沿って移
動する。そして、全ての光センサ44a〜44cが二次
導体14を検出しなくなった時点で固定子44a,44
cの励磁が停止される。なお、分岐部Aに搬送車2が図
中右側から、もしくは同下側から進入した場合でも、同
様の励磁制御によって目的とする経路に搬送車2を進行
させることができる。
【0031】上記の説明は、分岐部Aにおいて搬送車2
の進行方向を90゜変換させた場合であるが、分岐部A
に停止させることなく、搬送車2を本線32a,32b
に沿わせてそのまま走行させることもある。この場合に
は、分岐部Aの存在に左右されることなく、搬送車2を
安定に通過させることができる。
【0032】この理由を図10(a) を用いて説明する。
図10(a) では、本線32aと、磁気支持ユニット12
bと、結合板34の本線結合部35aおよび支線結合部
36aとを用いて搬送車、つまり磁気支持ユニット12
bが分岐部Aに侵入する様子を示している。
【0033】磁気支持ユニット12bは、時間の経過に
したがって、図中X1 位置、X2 位置、X3 位置へと移
動する。磁気支持ユニット12bがX1 位置にあると
き、この磁気支持ユニット12bの進行方向と直交する
方向の中心線と、本線32aの進行方向と直交する方向
の中心線とはほぼ一致している状態にあり、このため磁
気支持ユニット12bの各継鉄25の上端面と本線32
aとの間の磁気抵抗はほぼバランスしている。したがっ
て、磁気支持ユニット12bに進行方向と直交する方向
の力はほとんど作用しない。
【0034】磁気支持ユニット12bがX2 位置に到来
すると、この位置では進行方向両側に支線結合部36a
と張出し部38とが存在しているので、磁気支持ユニッ
ト12bの各継鉄25の上端面から強磁性材を見通せ
る、いわゆる立体角が急激に大きくなる。この場合、支
線結合部36aと張出し部38とは、磁気支持ユニット
12bを境にして両側に存在しているので、両立体角の
増加分は同程度となる。したがって、各継鉄25の上端
面と本線側との間の磁気抵抗はほぼバランスしている。
このため、磁気支持ユニット12bに進行方向と直交す
る方向の力はほとんど作用しない。
【0035】磁気支持ユニット12bがX3 位置に到来
すると、X1 位置にあるときと同じ状態が形成されるの
で、磁気支持ユニット12bの各継鉄25の上端面と本
線側との間の磁気抵抗はほぼバランスしている。したが
って、磁気支持ユニット12bに進行方向と直交する方
向の力はほとんど作用しない。
【0036】結局、張出し部38は、支線結合部36a
の存在によって磁気抵抗がアンバランスになるのを抑制
している。この結果、図10(a) 中、破線矢印で示すよ
うに、磁気支持ユニット12bに進行方向と直交する方
向の力がほとんど作用しない状態、つまり横揺れを起こ
さない状態で分岐部Aを安定に通過させることができ
る。
【0037】なお、張出し部38が存在しない場合に
は、図10(b) に示すように、磁気支持ユニット12b
に進行方向と直交する方向の力が作用し、この結果、搬
送車2は、激しい横揺れを伴いながら分岐部Aを通過す
ることになる。
【0038】すなわち、磁気支持ユニット12bがX2
位置に到来すると、この位置では進行方向の片側のみに
支線結合部36aが存在しているので、磁気支持ユニッ
ト12bの各継鉄25の上端面から強磁性材を見通せ
る、いわゆる立体角は、進行方向右側に位置する継鉄の
方だけが急激に大きくなる。つまり、進行方向右側に位
置する継鉄と本線側との間の磁気抵抗が進行方向左側に
位置する継鉄と本線側との間の磁気抵抗に比べて小さく
なる。このため、磁気支持ユニット12bに支線結合部
36a側に向かう引張り力が作用し、磁気支持ユニット
12bは、図10(b) に示すように、支線結合部36a
側に移動する。
【0039】そして、磁気支持ユニット12bがX2
置を通過すると、再び磁気抵抗のアンバランス生じるの
で、こんどは磁気支持ユニット12bを元の位置に戻そ
うとする力が作用する。この力によって磁気支持ユニッ
ト12bが元の位置に戻ろうとするが、通常は元の位置
を通過してしまう行き過ぎ現象が生じ、磁気支持ユニッ
ト12bが再び逆方向に移動し、結局、磁気支持ユニッ
ト12bは図中破線矢印で示すようなジグザグな経路、
つまり横揺れしながら進行する。したがって、張出し部
38のない場合には、安定な走行は期待できない。
【0040】上記のように、本実施例によれば、搬送車
2を分岐させる際に要するスペースを非常に少なくで
き、これに附随して搬送路に多数の分岐を比較的密に設
けることもできるので、多数の搬送車2の搬送先への搬
送経路が互いに干渉する確率を減少させることができ
る。また、搬送車を浮上状態のまま分岐させることがで
きるうえ、軌道を動かしたりすることがないので、分岐
の際に騒音や粉塵の発生を防止できるという浮上式搬装
送装置の本来の目的をも何等損わない。
【0041】さらに、本線32a,32bの側面部で支
線33a,33bが分岐している側面部とは反対側に位
置する側面部に支線33a,33bの延びる方向とは反
対方向に延出する張出し部38を設けているので、前述
した磁気抵抗の違いを緩和させることができ、分岐部分
Aの存在によって起こる搬送車2の不安定走行を防止で
きる。
【0042】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。駆動要素としてのリニア誘導電動機
は、図11に示すように本線方向駆動用の固定子61
a,61cを本線方向の両端に配し、支線方向駆動用の
固定子61bを真中に配するようにしてもよい。この場
合の方が前述の場合よりも、搬送車2が分岐部Aを通り
過ぎた場合の引戻せる範囲を拡大できる。また、駆動装
置は、図12に示すように、エアーノズル62を三方に
複数配置して、エアーの吹き付けによる駆動を得るもの
でもよい。この場合、固定子を配置するスペースが必要
なくなるので、結合板34の中心孔39に補強部材63
を一体形成することもできる。また、駆動要素として結
合板34の中心孔39に臨むように二方向搬送用リニア
誘導電動機の固定子を配置してもよい。この場合には固
定子を配置するスペースを大幅に減少できる。
【0043】さらには、本発明は、ガイドレールが2本
の場合に適用を限定されるものではなく、ガイドレール
が1本の場合、さらには3本以上の場合にも適用可能で
あることはいうまでもない。また、本発明は、磁気支持
ユニットとして電磁石のみを用いた浮上式搬送装置にも
適用可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分岐部分の省スペース化を図れ、必要な数の分岐部分を
設けることを可能化できるとともに、分岐部分において
搬送車を安定に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る浮上式搬送装置におけ
る本線から支線が分岐している部分だけを取出して示す
斜視図
【図2】同分岐部分に搬送車が差し掛かっている状態を
示す図
【図3】同装置における磁気支持ユニットの縦断面図
【図4】同装置における分岐部の一部省略した平面図
【図5】同装置における分岐制御を実現する回路のブロ
ック図
【図6】同装置の分岐の際の動作を時系列的に説明する
ための部分的な平面図
【図7】同装置の分岐の際の動作を時系列的に説明する
ための部分的な平面図
【図8】同装置の分岐の際の動作を時系列的に説明する
ための部分的な平面図
【図9】同装置の分岐の際の動作を時系列的に説明する
ための部分的な平面図
【図10】同装置の分岐部に設けられた張出し部の作用
を説明するための図
【図11】本発明の他の実施例の要部を示す部分的な平
面図
【図12】本発明のさらに他の実施例の要部を示す部分
的な平面図
【符号の説明】
1…ガイドレール 2…搬送車 11…基台 12a〜12d
…磁気支持ユニット1 3…搬送車本体 14…二次導体 31…軌道枠 32a,32b
…本線 33a,33b…支線 34…結合板 35a,35b…本線結合部 36a,36b
…支線結合部 38…張出し部 43a〜43c,61
a〜61c…固定子 44a〜44c…光センサ 62…エアーノ
ズル A…分岐部 B…交差部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体で形成されたガイドレールと、こ
    のガイドレールの下面に沿って走行自在に配置された搬
    送車と、この搬送車に搭載されて前記ガイドレールの下
    面と空隙を介して対向する電磁石を備え、上記ガイドレ
    ールに対して上記搬送車を磁気力浮上させる一または複
    数の磁気支持ユニットと、前記電磁石の励磁電流を制御
    して前記磁気支持ユニットで発生した磁束が通る磁気回
    路を安定化させる制御手段と、前記搬送車に対して非接
    触に駆動力を与える駆動手段とを備えた浮上式搬送装置
    において、 前記ガイドレールは、本線と、この本線からほぼ直角に
    分岐する支線と、前記本線の側面部で前記支線が分岐し
    ている側面部とは反対側に位置する側面部に上記支線の
    延びる方向とは反対方向に延出形成された張出し部とを
    含んでいることを特徴とする浮上式搬送装置。
  2. 【請求項2】前記駆動手段は、前記本線から前記支線が
    分岐する部分に、前記本線を走行中の前記搬送車に制動
    力または推進力を加える第1の要素と、前記本線に前記
    搬送車が停止状態にあるときに上記搬送車に支線方向に
    向かう推進力を与える第2の要素とを備えていることを
    特徴とする請求項1に記載の浮上式搬送装置。
  3. 【請求項3】前記第1の要素および前記第2の要素は、
    それぞれリニア誘導電動機の固定子で構成されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の浮上式搬送装置。
  4. 【請求項4】前記第1の要素および前記第2の要素は、
    前記本線および支線と前記搬送車との間の位置関係を検
    出する検出器の出力に基づいて制御を受けることを特徴
    とする請求項2に記載の浮上式搬送装置。
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