JPH0618021U - 空気清浄器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エアボックスの口径を拡大せしめることなく既存のエア
ボックス形状のままで集塵フィルタへのエアーを通気量
を増大せしめることができ、しかも集塵フィルタの集塵
能力を減退せしめることのない集塵作用を得るために、
集塵フィルタとカウルトップとの間で形成される通気路
の上流側路幅を大きくまたその下流側路幅を小さくする
構造の集塵フィルタを具備せしめてなる空気清浄器を提
供することにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特に自動車室内のフロント部に設備して使用される車両用空気清浄 器であって特にそのフィルタ構造に特長を有する空気清浄器に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のカウルトップに外気取入口を設け、この外気取入口より吸気される外 気を、インストルメント内部に設備したフィルタユニットを経て清浄化したエア ーを、車室内に放出する構造の従来の自動車用空気清浄器として、図１に示す如 き構造のものがある。以下、この従来の自動車用空気清浄器の概略構造について 説明する。

【０００３】 １は、カウルトップ２の裏側に設けられているエアボックスであり、前記カウ ルトップ２には、エアボックス１内に外気を取入れるための外気取入口３が設け られている。またエアボックス１には、インテークケース４に通じるダクト５が 設けられており、このダクト５の開口部に集塵フィルタ６が着脱可能に被着され ている。またこの集塵フィルタ６の下側に位置されるインテークケース４内には ブロアファン７が内装されている。

【０００４】 そこでかかる構造の空気清浄器おいて、ブロアファン７を駆動すると、外気取 入口３から吸い込まれた外気は、集塵フィルタ６を通過して、清浄化され、この 清浄化エアーが車室内に送り込まれるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、かかる構造の自動車用空気清浄器に組込まれている集塵フィルタ６ の構造は、図２に示すように、深さが一定幅ａである囲い枠８の内側に、一定高 さの蛇腹形状（プリーツ形状）に形成された濾紙９が敷設されているものであり 、またその集塵フィルタ６の上面とカウルトップ２の内面との間に通風路１０を 設けて、その通気路１０を経たエアーを集塵フィルタ６の上面より吸引して集塵 するものである。

【０００６】 従って上記集塵フィルタ６を通過するエアー量は、上記通気路１０の路幅ｂに 左右されるものであって、路幅ｂが狭まければ通路抵抗が大となって充分な清浄 化エアーが得られ難くなる。そこで単位時間あたりの清浄化エアー量を増大させ ようとするならば上記通気路１０の路幅ｂを拡張することが考えられるが、この 場合はエアボックス１の口径（高さ）が大型化されてしまうという問題点が生じ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案はかかる従来の問題点に着目してなされたもので、エアボックスの口径 を拡大せしめることなく既存のエアボックス形状のままで集塵フィルタへのエア ーを通気量を増大せしめることができ、しかも集塵フィルタの集塵能力を減退せ しめることのない集塵作用を得るために、集塵フィルタとカウルトップとの間で 形成される通気路の上流側路幅を大きくまたその下流側路幅を小さくする構造の 集塵フィルタを具備せしめてなる空気清浄器を提供することにある。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案を図３乃至図６に示す実施例に基いて詳細に説明するが、本実施 例は集塵フィルタの構造が従来と比して異り、その他の構造は従来例で説明した 構造と変りないので、その同一部分は、従来例で使用した符号を付して、その同 一構造部分の説明は省略する。

【０００９】 実施例Ｉ 図３及び図４において、１１は本実施例構造の集塵フィルタであって、この集 塵フィルタ１１は、上面が傾斜する一対の両側壁１２−１，１２−２とその両側 側壁の前端相互間に位置される横細幅の前壁１２−３と、両側壁の後端相互間に 位置される横広幅の後壁１２−４とからなるフィルタ枠１２を構成し、このフィ ルタ枠１２内に、前壁１２−３から後壁１２−４に向って蛇腹形状となし、さら にそのひだ１４高さは、両側壁１２−１，１２−２の傾斜面と一致するように、 前壁より後壁に向って次第に高くなるように形成される濾紙１３を、フィルタ枠 １２内面と気密に取付けられているものである。

【００１０】 このように構成されている集塵フィルタ１１を、図３に示すようにエアボック ス１に設けられている通気路１０に、その集塵フィルタ１１の前壁１２−３が風 上となるように、また後壁１２−４が風下となるように配置することにより、そ の集塵フィルタ１１上面とカウルトップ２との間で形成される通気路１０の風上 側路幅が大幅に開口されるために、その通気路１０における通風抵抗（通風損失 ）が小さくなり、集塵風量が増大する。また集塵フィルタ１１の上面を傾斜面と したことにより集塵フィルタ１１の集塵面積が増大し、これにより集塵効率が向 上し、さらにはフィルタの集塵寿命が大幅に延長される。

【００１１】 実施例ＩＩ 図５及び図６において、本実施例の集塵フィルタ１１は、前記実施例と同一形 状のフィルタ枠１２内に、通気路１０の風上より風下に向って平行するひだ１４ を設けた濾紙１３を取付けたものである。

【００１２】 従ってこの実施例によれば、前記実施例同様に、通気路１０の風上側が開口さ れるために通気抵抗が小さくなり、これにより集塵効率及びフィルタ集塵寿命が 向上されることに加え、蛇腹状濾紙１３のひだ１４が、風の流れ方向と平行方向 に設けられていることから、通気路１０を通過する空気の流通が円滑であって通 気損失が小さく、集塵風量が増大される。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案は、カウルトップ２の内面と平行する高さｂの通気路１０ を有し、その通気路１０内に、該通気路１０と平行する吸気面が形成されている 集塵フィルタを配置してなる空気清浄器において、上記通気路１０の風上より風 下に向って、通気路高さｂが漸次狭ばめられる傾斜面である吸気面に形成した集 塵フィルタ１１を内装した空気清浄器であるから、これによれば、その集塵フィ ルタ１１上面とカウルトプ２との間で形成される通気路１０の風上側路幅が大幅 に開口されるために、その通気路１０における通風抗抗（通風損失）が小さくな り、集塵風量が増大する。また集塵フィルタ１１の上面を傾斜面としたことによ り集塵フィルタ１１の吸気面積が増大し、これにより集塵効率が向上しさらには フィルタの集塵寿命が大幅に延長されるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の空気清浄器の構造説明図。

【図２】従来例の集塵フィルタのみの斜視図。

【図３】本考案実施例の空気清浄器の構造説明図。

【図４】上記実施例の集塵フィルタのみの斜視図。

【図５】本考案の他の実施例の空気清浄器の構造説明
図。

【図６】上記他の実施例の集塵フィルタのみの斜視図。

【符号の説明】

１１…集塵フィルタ １２…フィルタ枠 １３…濾紙 １４…ひだ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カウルトップ（２）の内面と平行する高
   さ（ｂ）の通気路（１０）を有し、その通気路（１０）
   内に、該通気路（１０）と平行する吸気面が形成されて
   いる集塵フィルタを配置してなる空気清浄器において、
   上記通気路（１０）の風上より風下に向って、通気路高
   さ（ｂ）が漸次狭ばめられる傾斜面である吸気面に形成
   した集塵フィルタ（１１）を内装したことを特徴とする
   空気清浄器。