JPH0617995Y2 - ロ−ルブラインドの昇降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は布等のスクリーンを昇降可能に吊下支持する
ロールブラインドに関するものである。

（従来の技術） 従来、窓際等に設置されるロールブラインドは窓の上枠
等に固定される枠体に巻取軸が回転可能に支持され、そ
の巻取軸から布等で形成されるスクリーンが吊下支持さ
れている。このようなロールブラインドの一種類として
一側に巻取軸を回転駆動するための操作コードが垂下さ
れるとともに、巻取軸内には捩りコイルスプリングが内
蔵され、スクリーンを引き下げるときにその捩りコイル
スプリングを蓄勢し、スクリーンを引き上げる場合には
その捩りコイルスプリングの蓄勢力を利用して操作力を
軽減するようにしたようにしたものがある。そして、ス
クリーンを最上位置まで引き上げた状態でもボトムレー
ル及びスクリーンの重量によるスクリーンの下降を防止
するために捩りコイルスプリングの蓄勢力を僅かに残す
ように設定されていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のようなスクリーン引き上げ機構ではスクリーンの
重量の変化により捩りコイルスプリングの蓄勢力を調節
する必要があるとともに、蓄勢力が強過ぎる場合にはス
クリーンの引き上げ速度が不要に速くなって動作に円滑
性を欠き、品質感を損なう原因となっていた。そこで、
ロールブラインド設置時に捩りコイルスプリングの蓄勢
力をそのスクリーンの重量に合わせて調節可能としたも
のが提案されているが、その調節のために専用の工具を
必要とするため、使用者が簡便に調節することはできな
いという問題点があった。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記問題点を解決するために、窓枠等に巻取
軸の両端をそれぞれ取付金具で回転可能に支持し、その
巻取軸からスクリーンを昇降可能に吊下支持するととも
に同巻取軸内にスクリーンを引き上げるための捩りコイ
ルスプリングを備え、その捩りコイルスプリングの蓄勢
力を調整する調整装置を備えたロールブラインドにおい
て、調整装置を巻取軸内の一端に収容して当該調整装置
を捩りコイルスプリングの端部に連結し、調整装置の外
端位置を巻取軸の一端面にほぼ一致させ、前記調整装置
の外端に前記取付金具を取付けて巻取軸の長さと一対の
取付金具の間隔とをほぼ一致させ、巻取軸の長さとスク
リーンの幅とをほぼ一致させ、前記調整装置を操作する
調節軸の基端を取付金具の側面に露出し、その基端に汎
用工具を係合する係合部を設けた構成としている。

（作用） 上記手段により、係合部にドライバ，六角レンチ等の汎
用工具を係合させて調整装置の調節軸を回転させること
により、捩りコイルスプリングの蓄勢力が調節される。

又、巻取軸の長さを取付金具間の間隔とほぼ等しくでき
るとともに、巻取軸の長さとスクリーンの幅とがほぼ一
致していることから、スクリーンの左右両端部からの光
漏れが防止される。更に、調整装置が巻取軸内に収容さ
れていることにより調節軸の突出量を極力小さくするこ
とができるので、本考案のロールブラインドを横方向に
複数個連ねた場合には、各ブラインド間の隙間を小さく
して効率良く遮光される。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に従って説
明すると、第３図に示すようにロールブラインド１は窓
等の上枠２に固定される一対の取付金具３に巻取軸４が
回転可能に支持され、その巻取軸４から布等で形成され
るスクリーン５が吊下支持されている。巻取軸４の一側
には無端状の操作コード６が垂下され、その操作コード
６の操作によりスクリーン５を昇降操作可能となってい
る。

第２図に示すように、巻取軸４内には捩りコイルスプリ
ング７が配設され、その一端は巻取軸４に固定され、他
端は後記する蓄勢力調整装置を介して取付金具３に間接
的に固定されている。そして、巻取軸４がスクリーン５
下降方向に回転されると捩りコイルスプリング７の一端
が巻取軸４と一体に回転されて蓄勢され、スクリーン上
昇方向に回転されるとその蓄勢力が消費されるようにな
っている。

巻取軸４の他側は捩りコイルスプリング７の蓄勢力を調
節するための調整装置８を介して取付金具３に支持され
ている。その詳細な構造を以下に説明すると、第１図及
び第２図に示すように取付金具３には四角孔９が形成さ
れ、その四角孔９にブラケットシャフト１０が回動不能
に嵌合され、そのブラケットシャフト１０に巻取軸４が
嵌合筒１１を介して回転可能に支持されている。ブラケ
ットシャフト１０内にはブレーキドラム１２の基端部が
嵌合固定され、そのブレーキドラム１２の先端部にはク
ラッチスプリング１３が配設されている。第４図に示す
ように、そのクラッチスプリング１３は拡開しようとす
る弾性力により常にはブレーキドラム１２内周面に圧着
し、両端が径方向内側に折曲げられて係合端１４ａ，１
４ｂが形成されている。

ブレーキドラム１２の中心部には調節軸１５が回転可能
に貫通され、その調節軸１５の先端部に前記捩りコイル
スプリング７の他端を固定したワインドプラグ１５がク
ラッチスプリング１３の内側に配設されている。そし
て、クラッチスプリング１３の係合端１４ａ，１４ｂ突
出部分では、第４図に示すように係合端１４ａ，１４ｂ
の間にワインドプラグ１６から突出する係止片１６ａが
位置し、係合端１４ａ，１４ｂの両側に調節軸１５の駆
動部１５ａが位置している。

従って、調節軸の回転にともなってその駆動部１５ａが
回転してクラッチスプリング１３の係合端１４ａ，１４
ｂに当接すると、同クラッチスプリング１３は縮径され
てブレーキドラム１２内周面に対して回動可能な状態と
なり、調節軸１５にともなって同クラッチスプリング１
３及びワインドプラグ１６が回転されるようになってい
る。また、捩りコイルスプリング７の蓄勢力による回転
トルクでワインドプラグ１６の係止片１６ａが係合端１
４ａ，１４ｂのいずれかに当接すると、クラッチスプリ
ング１３には拡径方向の力として作用し、同クラッチス
プリング１３のブレーキドラム１２内周面に対する摩擦
が増大してワインドプラグ１６の回転が阻止されるよう
になっている。

第２図に示すように、調節軸１５の基端は、取付金具３
の側面に露出され、六角孔１７が開口されるとともに、
係止溝１８が形成されている。前記六角孔１７及び係止
溝１８により係合部が構成されている。

さて、このように構成されたロールブラインドは捩りコ
イルスプリング７の一端が巻取軸４に固定され、他端は
ワインドプラグ１６に固定されて常にはクラッチスプリ
ング１３の作用により巻取軸４と一体に回転しない状態
で支持される。そして、操作コード６の操作によりスク
リーン５下降方向に巻取軸４が回転されると捩りコイル
スプリング７が徐々に蓄勢される。このとき、捩りコイ
ルスプリング７の蓄勢のための操作力は巻き戻されるス
クリーン５の重量によりある程度相殺されて軽微なもの
である。また、スクリーン５引き上げ方向に操作コード
６を操作すると、捩りコイルスプリング７の蓄勢力に助
勢されて軽微な操作力でスクリーン５が引き上げられ
る。

このようなロールブラインドにおいてスクリーン５が最
上位置まで引き上げられた状態において捩りコイルスプ
リング７の蓄勢力を残すことにより同スクリーン５の自
重降下を防止するようにその蓄勢力を最適に調整する場
合には、調節軸１５の例えば係止溝１８にドライバ等を
係合して回転させれば、クラッチスプリング１３がブレ
ーキドラム１２に対し回転可能となって調節軸１５の回
転にともなってワインドプラグ１６が回転され、調節軸
１５を回す方向によって捩りコイルスプリング７の蓄勢
力を増加あるいは減衰のいずれの方向にも調節すること
ができる。また、ドライバに換えて六角孔１７に嵌合す
る例えば六角レンチのような工具を使用することもでき
る。

従って、このロールブラインドは捩りコイルスプリング
７の蓄勢力を調節するために専用の工具を必要とするこ
となく、ドライバや六角レンチのような汎用の工具を使
用して容易に調節することができるので、組立時におい
て重量の異なるスクリーンを取着する場合にも捩りコイ
ルスプリング７の蓄勢力を容易に調節することができる
とともに、窓等に設置した後に使用者が調節することも
容易である。又、本実施例では、第２図及び第３図に示
すように、巻取軸４の長さを取付金具３間の間隔とほぼ
等しくし、かつ巻取軸４の長さとスクリーン５の幅とが
ほぼ一致するようにしているので、スクリーン５の左右
両端部からの光漏れを防止することができる。更に、調
整装置８が巻取軸４内に収容されていることにより巻取
軸４からの調節軸１５の突出量を極力小さくすることが
できるので、本実施例のロールブラインド１を横方向に
複数個連ねた場合には、各ロールブラインド１間の隙間
を小さくして効率良く遮光することができる。

考案の効果 以上詳述したように、この考案はロールブラインドのス
クリーンを引き上げるための捩りコイルスプリングの蓄
勢力を同ロールブラインドを組み立てた状態でドライバ
や六角レンチ等の汎用工具を使用して容易に調節するこ
とができる優れた効果を発揮する。

又、巻取軸の長さを一対の取付金具の間隔とほぼ等しく
できるとともに、巻取軸の長さとスクリーンの幅とがほ
ぼ一致するようにしていることから、スクリーンの左右
両端部からの光漏れが防止でき、更に、調整装置が巻取
軸内に収容されていることにより巻取軸からの調節軸の
突出量を極力小さくすることができるので、本考案のロ
ールブラインドを横方向に複数個連ねた場合には、各ブ
ラインド間の隙間を小さくして効率良く遮光することが
できる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したロールブラインドの側面
図、第２図は同じく部分縦断面図、第３図はロールブラ
インドの全体正面図、第４図は捩りコイルスプリング７
の蓄勢力調節装置を示す縦断面図である。 取付金具３、巻取軸４、スクリーン５、捩りコイルスプ
リング７、調整装置８、調節軸１５、係合部を構成する
六角孔１７及び係止溝１８。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窓枠等に巻取軸の両端をそれぞれ取付金具
   で回転可能に支持し、その巻取軸からスクリーンを昇降
   可能に吊下支持するとともに同巻取軸内にスクリーンを
   引き上げるための捩りコイルスプリングを備え、その捩
   りコイルスプリングの蓄勢力を調整する調整装置を備え
   たロールブラインドにおいて、調整装置（８）を巻取軸
   （４）内の一端に収容して当該調整装置（８）を捩りコ
   イルスプリング（７）の端部に連結し、調整装置（８）
   の外端位置を巻取軸（４）の一端面にほぼ一致させ、前
   記調整装置（８）の外端に前記取付金具（３）を取付け
   て巻取軸（４）の長さと一対の取付金具（３）の間隔と
   をほぼ一致させ、巻取軸（４）の長さとスクリーン
   （５）の幅とをほぼ一致させ、前記調整装置（８）を操
   作する調節軸（１５）の基端を取付金具（３）の側面に
   露出し、その基端に汎用工具を係合する係合部（１７，
   １８）を設けたことを特徴とするロールブラインドの昇
   降装置。