JPH0617983Y2 - 連窓の開閉駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、障子がその竪框を鉛直姿勢に保持したままで
揺動することにより開閉される窓を複数個水平方向に並
べて設けた連窓の開閉駆動装置であつて、全窓を同時に
開閉することができるようにした連窓の開閉駆動装置に
関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 水平方向に並べて設けた複数の窓枠に、夫々、障子をそ
の竪框が鉛直方向に保持された姿勢で揺動し得るように
装着してなる連窓を開閉駆動する装置の１つとして、従
来、各障子をガスステイ等で開窓方向に付勢するととも
に、１本のワイヤを、並列した複数の窓に順次に、か
つ、各窓毎に窓枠と障子との間に張り渡すことによつて
配索し、ワイヤの繰出しにより全窓を同時に開放すると
ともに、ワイヤの巻取りにより全窓を同時に閉塞するよ
うにしたものがあるが、このような装置は、現場におけ
るワイヤの配索作業に手間が掛かるという欠点があつ
た。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するための手段として、水
平方向に並べて設けた複数の窓枠に、夫々、障子を、リ
ンクを介して、かつ、そのリンクの水平面内での揺動に
ともなつて竪框が鉛直方向に保持された姿勢で揺動し得
るように装着し、駆動ギヤの回転により長さ方向に移動
するギヤードケーブルを複数の窓枠の水平枠に順次に沿
わせて配索し、そのギヤードケーブルに、リンクを、そ
のギヤードケーブルの移動にともなつて全てのリンクが
一体的に揺動するように連結した構成とした。

なお、リンクとギヤードケーブルとの連結手段として
は、リンクを、ギヤードケーブルに噛み合わせた従動ギ
ヤに連結することにより、その従動ギヤの回転にともな
つて揺動させるようにする方法や、リンクを、ギヤード
ケーブルに嵌着した可動子に連結することにより、その
可動子のギヤードケーブルと一体的な移動にともなつて
揺動させるようにする方法がある。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、駆動ギヤの回転によりギヤー
ドケーブルを一方向に移動させると、全リンクが一体的
に揺動して各障子が互いに同じ姿勢で揺動することによ
り、各窓が同時に開放または閉塞されるのであつて、現
場における組付けは、ギヤードケーブルにリンクを連結
するだけでよいから、ワイヤを窓枠と障子との間に張り
渡して配索するようにした従来装置に比べて作業を簡単
に行うことができる効果がある。

実施例 以下、本考案の第１実施例を第１図乃至第３図に基づい
て説明する。

本実施例の連窓は、障子２の竪框３を蝶番４により窓枠
５の竪枠６に連結し、障子２を屋外側へ揺動させること
により開窓されるようになつている複数のドア式窓１を
水平方向に並列して設けることによつて構成されてい
る。

この連窓には、複数本の細鋼線を撚り合わせた芯線９の
外周に金属単線１０を一定のピツチで螺旋巻きしてなる
ギヤードケーブル８ａが、案内管１１ａ内に緊密に、か
つ、摺動自由に挿通された状態で、各ドア式窓１の下枠
１２に順次に沿うように水平に配索されているととも
に、その一端部分が、連窓の最端に位置する竪枠６ａの
中空内に上向きに配索されており、また、このギヤード
ケーブル８ａと同一構造になる他のギヤードケーブル８
ｂが、同じく案内管１１ｂ内に挿通された状態で、各ド
ア式窓１の上枠１３に順次に沿うように水平に配索され
ているとともに、一端部分が前記最端の竪枠６ａの中空
内に下向きに、かつ、上記ギヤードケーブル８ａと平行
に配索されている。竪枠６ａの中空内においては、両案
内管１１ａ、１１ｂが貫通して固着された支持体１５
に、駆動ギヤ１６が、その外周の噛合歯１６ａを両ギヤ
ードケーブル８ａ、８ｂの金属単線１０、１０に係合さ
せた状態で駆動軸１８により回転可能に支持されて、駆
動軸１８が支持体１５に固定した電動モータ２０に図示
しないウオームとウオームホイールとの噛み合いを介し
て連結されており、電動モータ２０の駆動によつて駆動
ギヤ１６を回転させると、両ギヤードケーブル８ａ、８
ｂが、竪枠６ａ内においては互いに逆方向に上下動する
ように、かつ、互いに同じ速さで移動するようになつて
いるとともに、電動モータ２０の駆動を停止すると、ウ
オームとウオームホイールとの噛み合いによつて駆動ギ
ヤ１６が回転不能にロツクされるようになつている。

各ドア式窓１の下枠１２には、夫々、ギヤケース２１が
ギヤードケーブル８ａを貫通させた状態で固定されてい
て、ギヤケース２１内においては、従動ギヤ２２がその
外周の噛合歯２２ａをギヤードケーブル８ａの金属単線
１０に噛み合わせた状態で従動軸２４により回転可能に
支持されているとともに、この従動ギヤ２２に一体的に
回転し得るように固着された小径歯車２５が、ギヤケー
ス２１に鉛直方向の支持軸２６によつて回転自由に支持
された大径歯車２７に噛み合わされており、また、支持
軸２６には、リンク３０ａが、その基端部を嵌合するこ
とによつて大径歯車２７と一体的に水平面内で回動し得
るように、かつ、全てのリンク３０ａが互いに平行を保
つように固着され、これらのリンク３０ａは、夫々、そ
の先端部に軸支した滑動子３１を障子２の下框３３に沿
つて固定した摺動案内３４に嵌装することによつて、障
子２に連結されている。

一方、上枠１３においても、上記と同様の構造になる機
構により、ギヤードケーブル８ｂに各ドア式窓１毎に連
結されたリンク３０ｂが、夫々、対応する下枠１２側の
リンク３０ａと平行をなして障子２の上框３５に連結さ
れている。

本第１実施例は上記構成になり、開窓する際には、駆動
モータ２０を駆動して駆動ギヤ１６を一方向に回転させ
ることにより両ギヤードケーブル８ａ、８ｂを同速で移
動させると、各従動ギヤ２２が回転駆動されて、その回
転力が、小径歯車２５と大径歯車２７との噛み合いによ
り減速されて伝達されることにより、全リンク３０ａ、
３０ｂが互いに平行を保ちつつ屋外側に回動して全障子
２が屋外側に揺動し、各ドア式窓１が同時に開放される
のであり、また、電動モータ２０の停止によつて駆動ギ
ヤ１６を回転不能にロツクすると、ギヤードケーブル８
ａ、８ｂの移動及び従動ギヤ２２の回転が阻止されるこ
とによつてリンク３０ａ、３０ｂの回動及び障子２の揺
動がロツクされ、全ドア式窓１が互いに同じ開度の開窓
状態に保持される。

閉窓する際には、駆動ギヤ１６を上記と逆方向に回転駆
動して両ギヤードケーブル８ａ、８ｂを、夫々、上記と
逆方向に移動させると、リンク３０ａ、３０ｂが屋内側
に回動することにより障子２が一斉に屋内側に揺動し
て、全各ドア式窓１が同時に閉塞される。

本実施例においては、駆動ギヤ１６を回転駆動するのに
電動モータ２０を用いたが、これに替えて、駆動軸１８
にハンドルを装着し、これを手動で操作することによつ
て駆動ギヤ１６を回転させるようにしてもよい。

同じく、本実施例においては、上枠１３と下枠１２とに
ギヤードケーブル８ｂ、８ａを配索して、障子２の上框
３５と下框３３の両方にリンク３０ｂ、３０ａを連結す
るようにしたが、これに替えて、１本のギヤードケーブ
ル８を上枠１３と下枠１２のいずれか一方に配索するこ
とにより、リンク３０を障子２の上框３５と下框３３の
いずれか一方のみに連結するようにしてもよい。

次に、本考案の第２実施例を第４図に基づいて説明す
る。

本第２実施例の窓は、窓枠４０に長さの異なる２本のリ
ンク４１、４２を介して障子４３を支持したものであつ
て、両リンク４１、４２の回動にともなつて障子４３が
弧を描くように窓枠４０から離間しつつ屋外側に揺動す
ることにより開放されるようになつており、各下枠４５
には、夫々、案内管４６内に挿通されたギヤードケーブ
ル４８が配索されているとともに、室内管４６の溝４９
から嵌入することによつてギヤードケーブル４８の金属
単線５０に係合された可動子５１が、摺動案内５２によ
りギヤードケーブル４８と一体的に移動し得るように支
持されていて、この可動子５１に一端を連結した駆動リ
ンク５５の他端が、上記２本のリンク４１、４２のうち
の短い方のリンク４１に連結されている。

そして、開窓する際には、ギヤードケーブル４８ととも
に可動子５１を第４図の左側に移動させると、駆動リン
ク５５が短いリンク４１を左方に引張することにより同
図の反時計方向に回動させ、これにともなつて長いリン
ク４２が同方向に回動することにより、第４図に実線で
示すように、障子４３が屋外側に揺動して窓が開放さ
れ、また、閉窓する際には、ギヤードケーブル４８及び
可動子５１をを上記と逆方向に移動させると、各リンク
４１、４２、５５が上記と逆方向に回動することによ
り、障子４３が屋内側に揺動して、同図に鎖線で示すよ
うに、窓が閉塞される。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は第１実施例
の一部切欠斜視図、第２図はその障子の開閉機構をあら
わす一部切欠拡大平面図、第３図はギヤードケーブルを
駆動する機構の一部切欠正面図であり、第４図は第２実
施例の一部切欠平面図である。 ２、４３：障子、３：竪框、５、４０：窓枠、８ａ、８
ｂ、４８：ギヤードケーブル、１２、４５：下枠、１
３：上枠、１６：駆動ギヤ、２２：従動ギヤ、３０ａ、
３０ｂ、４１、４２、５５：リンク、５１：可動子

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平方向に並べて設けた複数の窓枠に、夫
   々、障子を、リンクを介して、かつ、該リンクの水平面
   内での揺動にともなつて竪框が鉛直方向に保持された姿
   勢で揺動し得るように装着し、駆動ギヤの回転により長
   さ方向に移動するギヤードケーブルを前記複数の窓枠の
   水平枠に順次に沿わせて配索し、該ギヤードケーブル
   に、前記リンクを、該ギヤードケーブルの移動にともな
   つて全ての前記リンクが一体的に揺動するように連結し
   たことを特徴とする連窓の開閉駆動装置
2. 【請求項２】前記リンクを、前記ギヤードケーブルに噛
   み合わせた従動ギヤに連結することにより、該従動ギヤ
   の回転にともなつて揺動させるようにしたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の連窓の開閉駆
   動装置
3. 【請求項３】前記リンクを、前記ギヤードケーブルに嵌
   着した可動子に連結することにより、該可動子の前記ギ
   ヤードケーブルと一体的な移動にともなつて揺動させる
   ようにしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の連窓の開閉駆動装置