JPH06179790A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH06179790A
JPH06179790A JP4332037A JP33203792A JPH06179790A JP H06179790 A JPH06179790 A JP H06179790A JP 4332037 A JP4332037 A JP 4332037A JP 33203792 A JP33203792 A JP 33203792A JP H06179790 A JPH06179790 A JP H06179790A
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fluorine
vinyl
curing
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Nobuyoshi Shirai
伸佳 白井
Shin Yoshizawa
伸 芳澤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボン酸塩、燐酸塩、スルフォン酸塩およ
び/または第四級アンモニウム塩などの塩構造を形成し
ている基を分子の末端および/または側鎖に有し、か
つ、硬化反応性部位をもし、さらには、必要に応じて、
分子の末端および/または側鎖にポリオキシアルキレン
鎖含有基をも有する含フッ素ビニル共重合体と、この硬
化反応性部位と反応し得る硬化剤と、有機溶剤とからな
る、樹脂組成物。 【効果】 耐汚染性ならびに耐候性などに優れた硬化物
が得られ、特に塗料などとして極めて実用性の高いもの
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる樹脂
組成物に関する。さらに詳細には、本発明は特定の含フ
ッ素ビニル共重合体(A)と、特定の硬化剤(B)と、
有機溶剤(C)とを、必須の成分として含んでなる、極
めて帯電性が低く、しかも、表面の水接触角が非常に小
さく、そのために、長期に亘る屋外での使用にあって
も、極めて汚染されにくい樹脂組成物に関する。
【0002】すなわち、本発明は、分子の末端および/
または側鎖に塩構造を形成している基を有し、かつ、硬
化反応性部位をも併せ有する、さらに必要に応じて、ポ
リオキシアルキレンなる構造単位をも有するという特定
の含フッ素ビニル共重合体(A)をベース樹脂成分とす
る、塗料、フィルム、接着剤またはシーリング剤などと
して有用な樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】これまでにも、含フッ素ビニル共重合体
をベース樹脂成分とする組成物は、よく知られている
し、しかも、かかる組成物は、常温で容易に硬化ないし
は乾燥して、耐候性に優れる硬化物を与えることもま
た、よく知られており、塗料用途を中心に、実用に供さ
れている。
【0004】しかしながら、このようにして得られる乾
燥塗膜は、どうしても、帯電性が高いものであるため、
とくに、屋外で使用されるときには、空気中のばい煙や
砂塵などの、いわゆる汚染物質が被塗物の表面に付着し
易く、その結果、被塗物が著しく汚染され、ひいては、
美観の低下を招来するという重大なる問題点を有してい
る。
【0005】ところで、含フッ素ビニル共重合体をベー
ス樹脂成分とする組成物に限らず、一般的に、樹脂組成
物自体の、あるいは樹脂組成物から得られる塗膜または
フィルムなどの帯電性を下げる方法として、これまでに
も、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、グリセリン
脂肪酸エステル類、第四級アンモニウム塩類またはアル
キルフォスフェート類などの各種の化合物を、単に添加
混合せしめるという手段が講じられて来てはいるが、効
果の持続性が充分ではなく、加えて、樹脂組成物自体の
機械的物性の低下などの、いわゆる悪影響もあって、有
効なる決め手が無いというのが実状である。
【0006】また、上記した屋外曝露による塗膜の汚染
性は、帯電性と密接なる関係を有すると同時に、塗膜の
水接触角とも、換言すれば、水に対する濡れ易さとも密
接なる関係を有するものであり、水接触角の小さい塗膜
ほど、汚染しにくいことが、本発明者らによって、実験
的に確認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、帯電性が極めて小さく、しかも、
表面の水接触角が非常に小さく、したがって、屋外で長
期に亘って使用した場合においても、極めて汚染されに
くいという、実用性の高い樹脂組成物を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、分子の末
端および/または側鎖に塩構造を形成している基(塩構
造形成基)を有し、併せて、硬化反応性部位をも有し、
さらに必要に応じて、ポリオキシアルキレン鎖なる構造
単位をも有する、含フッ素ビニル共重合体という特定の
ベース樹脂成分と、この硬化反応性部位と反応し得る硬
化剤と、有機溶剤とから成る樹脂組成物によって解決さ
れる。
【0009】〔構成〕すなわち、本発明は、基本的に
は、分子の末端および/または側鎖に塩構造を形成して
いる基を有し、かつ、硬化反応性部位をも併せ有する含
フッ素ビニル共重合体(A)と、上記硬化反応性部位と
反応し得る硬化剤(B)と、有機溶剤(C)とを、必須
の成分として含有することからなる、極めて帯電性が低
く、しかも、表面の水接触角も非常に小さく、そのため
に、長期に亘る屋外での使用に際しても、極めて汚染さ
れにくいという、実用性の高い樹脂組成物を提供しよう
とするものである。
【0010】具体的には、上記した含フッ素ビニル共重
合体(A)が、特定のフルオロオレフィン構造単位を有
するものであるような、あるいは特定のポリオキシアル
キレン鎖含有基(同鎖構造単位)を、分子の末端および
/または側鎖に有するものであるような、種々の樹脂組
成物を提供しようとするものであり、
【0011】併せて、上記した分子の末端および/また
は側鎖に塩構造を形成している基(塩構造形成基)が、
カルボン酸塩、燐酸塩、スルフォン酸塩および/または
第四級アンモニウム塩であるような、あるいは、それぞ
れ、後述する如き特定の一価の有機基であるような、種
々の樹脂組成物を提供しようとするものであり、さらに
は、上記した硬化剤(C)が、それぞれ、ポリイソシア
ネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物また
はアミノプラストであるような、種々の樹脂組成物を提
供しようとするものである。
【0012】以下、本発明を詳しく説明する。上記した
硬化反応性部位とは、硬化剤成分との反応に与る反応性
極性基(官能基)または自己硬化性の官能基を指称する
ものである。それらのうち、前者の硬化剤反応性官能基
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート
基、アミノ基、酸アミド基または不飽和二重結合などで
あるし、後者の自己硬化性の官能基として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、加水分解性シリル
基、N−メチロールアクリルアミド基もしくはアルキル
エーテル化N−メチロールアクリルアミド基または不飽
和二重結合などである。
【0013】当該硬化性部位に対して組み合わせて用い
られる、前記硬化剤(C)として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、当該硬化反応性部位が水酸
基、カルボキシル基、アミノ基または酸アミド基などの
ように、いわゆる活性水素原子を有する基の場合には、
イソシアネート系硬化剤、アミノプラスト系硬化剤、ポ
リエポキシ化合物あるいは酸無水物などであり、また、
当該硬化反応性部位がエポキシ基などの場合には、ポリ
アミン類や多塩基酸類などであるし、さらには、イソシ
アネート基の場合には、グリコール類などのような各種
のポリヒドロキシ化合物などである。
【0014】さらに、当該硬化反応性部位が加水分解性
シリル基のような、いわゆる自己硬化性の官能基(自己
反応性基)の場合には、硬化促進剤として、この加水分
解性シリル基の加水分解用ないしは縮合用触媒である、
たとえば、硫酸、塩酸もしくは燐酸の如き、各種の酸性
化合物や、モノメチルアミンもしくはトリエチルアミン
の如き、各種のアミン化合物や、ジ−n−ブチル錫ジラ
ウレート、ジ−n−ブチル錫ジアセテートもしくはジ−
n−ブチル錫ジオクテートの如き、各種の有機錫化合物
などを使用することが出来る。
【0015】さらにまた、前記した塩構造を有する基
(塩構造形成基)として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、カルボン酸基、燐酸基、スルフォン酸
基および/または第四級アンモニウム塩などであるが、
就中、後掲するような(2)式で示される一価の有機基
である。
【0016】前記した含フッ素ビニル共重合体(A)、
つまり、塩構造形成基を有し、併せて、硬化反応性部位
をも有し、さらに必要に応じて、ポリオキシアルキレン
鎖なる構造単位をも有する含フッ素ビニル共重合体を調
製するには、勿論、公知慣用の方法が適用できるが、就
中、塩構造形成基含有単量体類と、硬化反応性部位含有
単量体類と、含フッ素単量体類とを、さらに必要に応じ
て、ポリオキシアルキレン鎖構造単位含有単量体類を
も、および必要に応じて、さらに、その他のビニル単量
体類をも用いて、これらの各単量体類を、有機溶剤中
で、ラジカル共重合せしめるという方法が、最も簡便で
あるので、推奨される。
【0017】その際に用いられる、まず、塩構造形成基
含有単量体類として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、カ
ルボキシエチルビニルエーテルの如き、各種の不飽和カ
ルボン酸類の金属塩;ビニルフォスフィン酸、アッシド
フォスフォキシエチル(メタ)アクリレートの如き、各
種の不飽和燐酸系単量体の金属塩ないしはアンモニウム
塩;
【0018】p−スチレンスルフォン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルフォン酸の如き、各種
のスルフォン酸基含有ビニル系単量体の金属塩ないしは
アンモニウム塩;ポリオキシアルキレン−モノ−スルフ
ォン酸−モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキ
レン−モノ−スルフォン酸アルケニル(アルキル)フェ
ノールの如き、各種のポリオキシアルキレン鎖含有スル
フォン酸基含有ビニル系単量体の金属塩ないしはアンモ
ニウム塩;
【0019】あるいはビニルピリジン、N,N−ジメチ
ルアミノスチレン、N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート、N−(N’,N’−ジアルキル
アミノアルキル)アクリルアミド、N−(N’,N’−
ジアルキルアミノアルキル)メタククリルアミドの如
き、各種の含窒素ビニル系単量体を、塩化ベンジル、臭
化メチルまたは硫酸ジブチルのような、公知慣用の種々
の四級化剤類で以て四級化せしめて得られる種々の単量
体などである。
【0020】就中、本発明の効果を最も高度に発現せし
めるものとして、次の一般式
【化4】 〔ただし、式中のR1 、R2 、R3 およびR4 は、それ
ぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子も
しくはハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基もしくはアラルキル基または−SO3M 含有
基(ただし、Mは、金属イオンまたはアンモニウム塩よ
りなる群から選ばれる一つの原子イオンないしは原子団
を表わすものとする。)を表わすものとし、しかも、R
1 、R2 、R3 またはR4 のうちの少なくとも一つは、
−SO3M であるものとし、また、R5 、R6 、R7
8 、R9 およびR10は、それぞれ、同一であっても異
なっていてもよい、水素原子または炭素数が1〜20な
るアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは
アラルキル基を表わすものとし、さらに、mはゼロまた
は1なる整数であるものとし、nは1以上の自然数であ
るものとする。〕で示される一価の有機基の塩構造形成
基を主要部に有する単量体類が挙げられる。
【0021】ここにおいて、上掲の一般式(2)で示さ
れる塩構造形成基を主要部に有する単量体類としては、
この一般式中の−(CH2n−なる部分が、それぞれ、
ビニル基または炭素数が3〜18なるアルケニル基で置
換された構造を有する形の単量体が、特に望ましいもの
である。
【0022】それらのうちでも、当該単量体類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、モノ−メ
チルスルフォこはく酸ナトリウム−モノ−ビニルエステ
ル、モノ−エチルスルフォこはく酸アンモニウム−モノ
−ビニルエステル、モノ−プロピルスルフォこはく酸カ
リウム−モノ−プロペニルビニルエステル、モノ−オク
チルスルフォこはく酸アンモニウム−モノ−ブテニルエ
ステルまたはモノ−オクチルスルフォこはく酸ナトリウ
ム−モノ−プロペニルエステル、
【0023】あるいはモノ−2−エチルヘキシルスルフ
ォこはく酸ナトリウム−モノ−プロペニルエステル、モ
ノ−ステアリルスルフォこはく酸ナトリウム−モノ−プ
ロペニルエステル、ジ−n−ブチルスルフォこはく酸ナ
トリウム−モノ−ビニルエステル、1−クロロ−2−プ
ロピルスルフォこはく酸カルシウム−モノ−プロペニル
ビニルエステル、1,1−ジブロモスルフォこはく酸ナ
トリウム−ジ−ビニルエステルまたは(3−メトキシ−
2−ヒドロキシ−プロピル)スルフォこはく酸ナトリウ
ム−モノ−ビニルエステルの如き、各種のスルフォこは
く酸系不飽和化合物などである。
【0024】当該塩構造形成基含有単量体の使用量とし
ては、全単量体類中、1〜50重量%なる範囲内が適切
である。1重量%未満の場合には、どうしても、本発明
の効果が充分に発現され得なくなるし、一方、50重量
%を超える場合には、とくに、硬化物の耐候性が著しく
低下するようになるので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0025】次いで、硬化反応性部位含有単量体類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、該硬
化反応性部位が水酸基の場合には、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエー
テルの如き、各種の水酸基含有ビニルエーテル類;これ
ら上掲の如き各種のビニルエーテル類と、 −カプロラ
クトンとの付加反応生成物;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アリルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)
アリルエーテルの如き、各種の水酸基含有アリルエーテ
ル類;2−ヒドロキシこれら上掲の如き各種のアリルエ
ーテル類と、−カプロラクトンとの付加反応生成物;
【0026】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸
基含有(メタ)アクリレート類;これら上掲の各種の水
酸基含有(メタ)アクリレート類と、 −カプロラクト
ンとの付加反応生成物などであるし、
【0027】該硬化反応性部位がカルボキシル基の場合
には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸の如き、各種のカルボキシル基含有単量体類;
そのうちのイタコン酸、マレイン酸、フマル酸の如き、
各種の多価カルボキシル基含有単量体類と、炭素数が1
〜18なるモノアルキルアルコール類とのモノエステル
類(ハーフエステル類)などが特に代表的なものであ
り、
【0028】該硬化反応性部位がエポキシ基の場合に
は、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリ
シジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジ
ルエーテルなどが特に代表的なものであるし、また、該
硬化反応性部位がイソシアネート基の場合には、イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネート
エチルビニルエーテルなどが特に代表的なものであり、
【0029】該硬化反応性部位が酸アミド基ないしはア
ミノ基の場合には、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミドまたはN,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミドなどの如き、各種のアミノ基
含有アミド系ビニル系単量体類;あるいはN,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミドまたはN,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの如
き、各種のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレートなどが特に代表的なものである。
【0030】また、硬化反応性部位が加水分解性シリル
基の場合には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリ
ルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチルビニ
ルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシ
シランまたは(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチ
ルジメトキシシランの如き、各種の加水分解性シリル基
含有単量体類;あるいはN−メチロールアクリルアミド
またはそのアルキルエーテル化物のような種々の自己硬
化性官能基含有単量体類などが特に代表的なものであ
る。
【0031】さらに、かかる硬化反応性部位の一つとし
て、不飽和二重結合を導入せしめる方法としては、たと
えば、水酸基含有の当該含フッ素ビニル共重合体の水酸
基に対して、無水マレイン酸の如き、各種の不飽和酸無
水物類を開環付加反応せしめるという方法や、イソシア
ネートエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のイソ
シアネート基含有ビニル系単量体類を、同水酸基に対し
て付加反応せしめるという方法などがある。
【0032】こうした方法により不飽和二重結合の導入
された、当該含フッ素ビニル共重合体(A)は、紫外線
や光などの、いわゆる活性エネルギー線や、ラジカル発
生剤類や熱などを利用しての、それ自体の自己硬化反応
が可能となるし、あるいは、その際に、エチレングリコ
ール−ジアクリレート、トリメチロールプロパン−トリ
アクリレートの如き、各種の多官能性不飽和化合物を、
反応性希釈剤成分ないしは硬化剤成分として使用するこ
とが出来る。
【0033】当該硬化反応性部位含有単量体類の使用量
としては、全単量体類中、1〜40重量%なる範囲内が
適切である。1重量%未満の場合には、硬化物の機械的
強度が劣るようになるし、一方、40重量%を超える場
合には、硬化物の耐候性が劣るようになるので、いずれ
の場合も好ましくない。
【0034】さらに、当該含フッ素ビニル共重合体
(A)の必要欠くべからざる成分である、前記含フッ素
単量体類とは、分子中にフッ素原子を含有し、かつ、重
合性不飽和二重結合をも併せ有する化合物を指称するも
のであって、好ましくは、重合した場合に、次の一般式
【化5】 〔ただし、式中のW、X、YおよびZは、それぞれ、同
一であっても異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表わす
ものとし、しかも、W、X、YまたはZのうちの少なく
とも一つは、フッ素原子であるものとする。〕で示され
るフルオロオレフィン構造単位を主鎖中に導入し得る化
合物を指称するものである。
【0035】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチ
レン、ペンタフルオロプロピレンまたはヘキサフルオロ
プロピレンの如き、各種のフッ素含有−α−オレフィン
類;
【0036】あるいはトリフルオロメチルトリフルオロ
ビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビ
ニルエーテルまたはヘプタフルオロプロピルトリフルオ
ロビニルエーテルの如き、各種のパーフルオロアルキル
−パーフルオロビニルエーテル類;さらには、各種の
(パー)フルオロアルキルビニルエーテル類(ただし、
このアルキル基の炭素数としては、1〜18なる範囲内
である。)などであるが、
【0037】就中、耐候性の観点からは、上掲の一般式
(I)で示されるフルオロオレフィン構造単位が、当該
含フッ素ビニル共重合体(A)の分子中に、共重合によ
り導入されるという処から、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ンおよびクロロトリフルオロエチレンよりなる群から選
ばれる、少なくとも1種の含フッ素ビニル単量体類の使
用が望ましい。
【0038】当該含フッ素ビニル単量体類の使用量とし
ては、全単量体中、20〜70重量%なる範囲内が適切
である。20重量%未満の場合には、どうしても、得ら
れる塗膜の耐候性が劣るようになるし、一方、70重量
%を超える場合には、どうしても、含フッ素ビニル共重
合体の、溶剤類に対する溶解性が低下するようになるの
で、いずれの場合も好ましくない。これら上掲の含フッ
素ビニル単量体類は、単独使用でも2種以上の併用でも
よいことは、勿論である。
【0039】次いで、前記ポリオキシアルキレン鎖構造
単位含有ビニル系単量体類とは、次のような一般式
【化6】 〔ただし、式中のR12およびR13は、それぞれ、同一で
あっても異なっていてもよい、水素原子または炭素数が
1〜4なるアルコキシ基を、また、R14は水酸基または
炭素数が1〜4なるアルコキシ基を表わすものとし、さ
らに、pは2〜4なる整数であるものとし、qは1〜2
00なる整数であるものとする。〕で示される一価の有
機基を有する化合物が特に代表的なものであるが、それ
らのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、ポリエチレングリコール−モノ−(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコール−モノ−(メタ)ア
クリレート、ポリテトラエチレングリコール−モノ−
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェ
ノール−モノ−(メタ)アクリレートまたはポリオキシ
エチレンノニルアリルフェノールなどである。
【0040】さらにまた、以上に掲げられたような、種
々の単量体類のほかに、必要に応じて用いられる他の共
重合性ビニル単量体類としては、勿論、以上に掲げられ
た、それぞれ、塩構造形成基含有単量体類と、硬化反応
性部位含有単量体類と、含フッ素単量体類と、さらに必
要に応じて、ポリオキシアルキレン鎖構造単位含有単量
体類と共重合性を有するものであれば、何らの支障もな
く、使用できるが、それらのうちでも特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレートの如き、各種のアクリル酸エステル類;
【0041】メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレートの如き、各種のメタク
リル酸エステル類;エチレン、プロピレン、ブテン−1
の如き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデンの如き、フルオロオレフィン類を除く、各種の
ハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエンの
如き、各種の芳香族ビニル化合物;
【0042】ビニル−2,2−ジメチルプロパノエー
ト、ビニル−2,2−ジメチルブタノエート、ビニル−
2,2−ジメチルペンタノエート、ビニル−2,2−ジ
メチルヘキサノエート、ビニル−2−エチル−2−メチ
ルブタノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルペン
タノエートもしくはビニル−3−クロロ−2,2−ジメ
チルプロパノエート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、
カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ルもしくはステアリン酸ビニル、炭素数が10なる分岐
脂肪族カルボン酸ビニルもしくは炭素数が11なる分岐
脂肪族カルボン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン
酸ビニルエステル類;または安息香酸ビニルもしくはp
−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を
有する各種のカルボン酸ビニルエステル類;
【0043】メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−
ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテ
ル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシル
ビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、クロロ
エチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルもしく
はフェネチルエチルビニルエーテルの如き、各種の(置
換)アルキルないしはアラルキルビニルエーテル類;
【0044】あるいはシクロペンチルビニルエーテル、
シクロヘキシルビニルエーテルもしくはメチルヘキシル
ビニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエ
ーテル類などである。
【0045】以上に掲げられた種々の単量体類から、当
該含フッ素ビニル共重合体(A)を調製するには、公知
慣用のいずれの重合方法をも適用し得るが、溶液ラジカ
ル重合法によるのが、最も簡便である。
【0046】その際に用いられる溶剤類としては、当該
含フッ素ビニル共重合体(A)を溶解し得るようなもの
であれば、いずれも適用し得るが、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタ
ンの如き、各種の炭化水素類;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、sec−ブタノール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルの如き、各種のアルコール類;
【0047】酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチ
ル、酢酸アミルの如き、各種のエステル類;またはアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンの如き、各種のケトン類などであり、
これらは単独使用でも2種以上の併用でもよいことは、
勿論である。
【0048】かかる溶剤類と、さらに、アゾ系または過
酸化物系の如き公知慣用の各種のラジカル重合開始剤類
とを用いて、常法により、重合を行えばよく、その際
に、さらに必要に応じて、分子量調節剤類として、ラウ
リルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメ
ルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコー
ル酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸またはα−
メチルスチレン・ダイマーの如き、各種の連鎖移動剤類
をも用いることが出来る。
【0049】かくして得られる含フッ素ビニル共重合体
(A)中の硬化反応性部位と反応し得る、前記硬化剤
(B)は、該硬化反応性部位の種類に応じた硬化剤を、
選択して使用することが、充分なる効果を発現するため
にも、重要なことである。
【0050】前述したように、当該硬化剤(C)とし
て、ポリイソシアネート化合物を使用する場合には、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ジイソシア
ネート類;キシリレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートの如き、各種の環状脂肪族ジイソシアネ
ート類(脂環式ジイソシアネート類);またはトリレン
ジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類な
どの種々の有機ジイソシアネート類が挙げられ、
【0051】さらには、これら上掲の有機ジイソシアネ
ート類と、多価アルコール類、低分子量ポリエステル樹
脂類(ポリエステルポリオール類)または水などとの付
加反応生成物;あるいは上掲された種々の有機ジイソシ
アネート類同志の重合体類(イソシアヌレート型ポリイ
ソシアネート化合物をも含む。)や、イソシアネート・
ビウレット体などである。
【0052】こうしたポリイソシアネート化合物の特に
代表的なる市販品の例を挙げれば、「バーノック D−
750、D−800、DN−950、DN−970、D
N−980、DN−981もしくは15−455」[大
日本インキ化学工業(株)製品];「デスモジュール
L、N、HLもしくはLL」(ドイツ国バイエル社製
品);「タケネート D−102、D−202、D−1
10NもしくはD−123N」[武田薬品工業(株)製
品];「コロネート L、HL、EHもしくは203」
[日本ポリウレタン工業(株)製品];または「デュラ
ネート 24A−90EX」[旭化成工業(株)製品]
などである。
【0053】また、ブロックポリイソシアネート化合物
とは、上掲された種々の有機ジイソシアネート類を、公
知慣用のブロック化剤類で以てブロック化せしめて得ら
れるような化合物を指称するものであるが、それらのう
ちでも特に代表的な市販品のみを例示するにとどめれ
ば、「バーノック D−550」または「バーノックB
7−887−60もしくはB9−282」[大日本イン
キ化学工業(株)製品];「タケネート D−815−
N」[武田薬品工業(株)製品];「アディトール(A
DDITOL) VXL−80」[ヘキスト合成(株)
製品];「コロネート 2507」[日本ポリウレタン
工業(株)製品]などである。
【0054】さらに、前記したアミノプラストとして特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メラミ
ン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステ
ログアナミンまたはスピログアナミンの如き、各種のア
ミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒドまたはグリオキザールの如
き、各種のアルデヒド系化合物とを、常法により、反応
せしめて得られる縮合物、あるいはこれらの各縮合物を
モノアルコール類で以てエーテル化せしめて得られるも
のなどであるが、通常、塗料用として用いられているよ
うなものであれば、いずれも使用し得ることは、勿論で
ある。
【0055】それらのうちでも、C1〜C4なるモノアル
コール類で以て、部分的に、あるいは完全にエーテル化
せしめた形のものの使用が望ましく、当該アミノプラス
トとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、ヘキ
サブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル
混合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化
メチロールメラミン、ブチルエーテル化メチロールメラ
ミンまたはイソブチルエーテル化メチロールメラミン;
あるいはそれらの縮合物などである。
【0056】さらにまた、当該硬化剤(C)として使用
し得るものには、ポリエポキシ化合物、酸無水物、ポリ
アミン類、多塩基酸類またはポリヒドロキシ化合物など
も挙げれるが、それらのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルなどで代表される公知慣用のエポキシ樹脂
類;グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール
ポリグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンジグリシ
ジルエーテルの如き、各種のポリエポキシ化合物;無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水ピロメリット酸の如き、各種の酸無水物類;
【0057】またはヘキサメチレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、ジシアンジアミドなどの各種のポリアミン
類;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸
(ドデカンジカルボン酸)、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸の如き、各種の多塩基酸類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル(1,4−ブチレングリコール)、1,6−ヘキサン
ジオール、ソルビトールの如き、各種のポリヒドロキシ
化合物などである。
【0058】次いで、前記有機溶剤(C)について説明
をする。本発明の樹脂組成物を、塗料やフィルムなどの
ように、膜状で以て実用に供する場合には、特に成膜性
の面から、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類または
エステル類などの使用が望ましい。このような有機溶剤
類を、本発明樹脂組成物の必須成分として用いる意義
は、該樹脂組成物を、常時、均一なる状態に置いてお
き、そして、容易に実用に供し得るようにするためと、
所望の諸性能を充分に発揮せしめるためとにある。
【0059】当該有機溶剤(C)としては、勿論、重合
反応時において用いられるようなものは、いずれも使用
し得るが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、n−ヘキサン、オクタンの如き、各種の炭化水素
類;または酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル
の如き、各種のエステル類などである。
【0060】また、本発明の樹脂組成物中における含フ
ッ素ビニル共重合体(A)、硬化剤(B)および有機溶
剤(C)の配合割合は、固形分換算で含フッ素ビニル共
重合体(A)100重量部に対して硬化剤(B)が0.
001〜200重量部の範囲とされる。また、含フッ素
ビニル共重合体(A)の固形分100重量部に対して有
機溶剤(C)は10〜2000重量部の割合で配合され
る。
【0061】さらに、以上に掲げられた(A)〜(C)
の本発明の必須成分を用いて、塗料を調製するに際して
は、公知慣用の硬化促進剤類をも使用することが出来る
が、当該硬化促進剤類として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、テトライソプロピルチタネート、
テトラ−n−ブチルチタネート、オクチル酸錫、オクチ
ル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸カルシウム、
【0062】ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ジ
−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジオク
トエート(ジ−n−ブチル錫ジオクテート)、ジ−n−
ブチル錫ジラウレートもしくはジ−n−ブチル錫マレエ
ートの如き、各種の含金属化合物類;またはp−トルエ
ンスルフォン酸、トリクロル酢酸、燐酸、モノアルキル
燐酸、ジアルキル燐酸、モノアルキル亜燐酸もしくはジ
アルキル亜燐酸の如き、各種の酸性化合物などである。
この硬化促進剤類の配合量は、含フッ素ビニル共重合体
(A)100重量部に対して0.01〜10重量部とさ
れる。
【0063】本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応
じて、有機系ないしは無機系の顔料類をはじめ、流動調
整剤類、色分かれ防止剤類、紫外線吸収剤類または酸化
防止剤類などのような、公知慣用の種々の添加剤類;ニ
トロセルロース、セルロースアセテートブチレートの如
き、各種の繊維素誘導体類;あるいはケトン樹脂、石油
樹脂、アクリル共重合樹脂、オイルフリーアルキド樹
脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレンまたは塩化ゴムの如き、各種
の樹脂類を添加せしめることが出来る。就中、アクリル
樹脂は、相溶性の面で適しているものである。
【0064】かくして得られる本発明の樹脂組成物は、
自動車上塗り用、自動車補修用、木工用、建設用、建築
外装用、建材用、ガラス用または各種のプラスチックス
素材ないしは製品用、あるいはアルミニウム、ステンレ
スクロムメッキなどの各種の金属素材ないしは製品用の
塗料としても、さらには、成型材料用、各種のフィルム
もしくはシート用としても、またはシーリング剤用とし
ても、あるいは接着剤用としても、広範に利用すること
が出来るものである。
【0065】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明するが、以下において、部
および%は特に断りの無い限り、すべて重量基準である
ものとする。
【0066】参考例 1[含フッ素ビニル共重合体
(A)の調製例] 内容積が5,000mlなるステンレス製のオートクレ
ーブに、1,000部のキシレンと、10部のビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル)セ
バケートと、tert−ブチルパーオキシピバレート
と、200部のシクロヘキシルビニルエーテル、100
部のエチルビニルエーテル、100部のシクロヘキサン
カルボン酸および100部の4−ヒドロキシブチルビニ
ルエーテルと、5部のビニルフォスフォン酸カリウムと
を仕込み、窒素ガスを吹き込んで、オートクレーブ内の
空気を置換した。
【0067】さらに、液化採取したヘキサフルオロプロ
ピレンの495部を仕込んで密封してから、このオート
クレーブを60℃に保温し、15時間のあいだ反応を行
って、不揮発分が50%で、かつ、数平均分子量が1
7,000なる目的共重合体の溶液を得た。以下、これ
を重合体(A−1)と略記する。
【0068】参考例 2〜6 使用すべき単量体類の種類と使用量とを、第1表に示さ
れるように変更した以外は、参考例1と同様にして、そ
れぞれ、重合体(A−2)、重合体(A−3)、重合体
(A−4)、重合体(A−5)および重合体(A’)の
5種類の含フッ素ビニル共重合体の溶液を得た。ただ
し、重合体(A’)のみは、対照用の共重合体溶液であ
る。
【0069】
【表1】
【0070】《第1表の脚注》 「HFP」……………………ヘキサフルオロプロピレン
の略記 「CTFE」…………………クロロトリフルオロエチレ
ンの略記
【0071】「VPK」……………………ビニルフォス
フォン酸カリウムの略記 「p−SSONa」…………パラスチレンスルフォン酸
ナトリウムの略記 「QASDM」………………ジメチルアミノエチルメタ
クリレートを臭化メチルで四級化せしめた形の単量体 「S−1」……………………次のような構造を有するス
ルフォこはく酸系不飽和化合物
【0072】
【化7】 「S−2」……………………次のような構造を有するス
ルフォこはく酸系不飽和化合物
【0073】
【化8】 「PE−350」……………「ブレンマー PE−35
0」[日本油脂(株)製のポリエチレングリコールモノ
メタクリレート]なるポリオキシアルキレン鎖構造単位
含有ビニル系単量体
【0074】「HBVE」…………………ヒドロキシブ
チルビニルエーテル 「AGE」……………………アリルグリシジルエーテル 「VTES」…………………ビニルトリエトキシシラン
【0075】「CHVE」…………………シクロヘキシ
ルビニルエーテル 「EVE」……………………エチルビニルエーテル 「CHCAV」………………シクロヘキサンカルボン酸
ビニル 「VV9」……………………「ベオバ 9」(オランダ
国シェル社製の炭素数が9なる分岐脂肪酸のビニルエス
テル
【0076】「TBPV」…………………tert−ブ
チルパーオキシピバレートの略記
【0077】
【表2】
【0078】《第1表の脚注》共重合体溶液についての
水酸基価を示す値であって、単位はKOHmg/gであ
る。共重合体溶液についてのエポキシ当量を示す値であ
って、単位はg/モルである。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】実施例 1〜7および比較例 各参考例で得られたそれぞれの共重合体溶液と、「タイ
ペーク CR−95」[石原産業(株)製の酸化チタン
系白色顔料]と、キシレン/酢酸−n−ブチル=50/
50(容量比)なる混合溶剤とを、第2表に示されるよ
うな割合で以て配合せしめ、バッチ式SGミルで以て、
粒度が5ミクロン(μm)以下となるまで分散せしめて
塗料化し、さらに、同表に示されるような硬化剤成分を
も配合せしめて、各種の塗料を得た。
【0082】次いで、それぞれの塗料を、トルエン/キ
シレン/「ソルベッソ 100」/酢酸−n−ブチル=
40/20/10/30(容量比)なる混合溶剤で以て
スプレー粘度に調整して、厚さが0.8mmなるアルミ
板に、膜厚が30〜40μmとなるように、スプレー塗
装せしめた。
【0083】しかるのち、それぞれの塗装板を、室温に
7日間のあいだ乾燥せしめて、各種の性能評価試験に供
した。そのうち、実施例5および6に限っては、塗装し
たのち、室温に10分間のあいだ放置して乾燥せしめ、
しかるのち、170℃で20分間、オーブン中で焼き付
けを行って、各種の性能評価試験に供した。それらの諸
塗膜性能の結果は、まとめて、第2表に示す。
【0084】
【表5】
【0085】《第2表の脚注》 「CR−95」…………………「タイペーク CR−9
5」の略記 「混合溶剤」……………………上記したキシレン/酢酸
−n−ブチル=50/50(容量比)なるものの略記
【0086】「DN−950」………………「バーノッ
ク DN−950」[大日本インキ化学工業(株)製の
イソシアネート・プレポリマー]の略記 「D−550」…………………「バーノック D−55
0」(同上社製のブロックポリイソシアネート化合物)
の略記
【0087】「N−153」…………………「ラッカマ
イド N−153−IM−65」(同上社製のポリアミ
ド樹脂)の略記 「L−117」…………………「スーパーベッカミン
L−117−60」(同上社製のブチルエーテル化メラ
ミン樹脂)の略記 「DBTDL」…………………ジブチル錫ジラウレート
の略記
【0088】「接触角」………………………それぞれの
塗膜に対する水の接触角を表わし、この値が小さいほ
ど、水に濡れ易いことを意味する。
【0089】「汚染性」………………………水の1l
と、JIS Z−8901に定められた、該試験用の1
2種類の混在ダスト[財団法人 日本粉体工業技術協会
品]の5gとからなる懸濁水に、試験片を10分間、浸
漬して引き上げたのち、2分間のあいだシャワーで水洗
するという操作を、一サイクルとして、これを2サイク
ル行い、しかるのち、試験片を乾燥させて、未試験の試
験片との色差(△E)を測定し、この値を以て、データ
ーとした。この値が大きいほど、汚れの度合いが顕著で
あることを意味する。
【0090】「促進耐候性」…………………スガ試験機
(株)製のサンシャインウェザオメーターによる3,0
00時間経過後の光沢保持率(%)で以て評価した。
【0091】
【表6】
【0092】これらの結果から、本発明の樹脂組成物
は、耐汚染性ならびに耐候性などに優れた硬化物を与え
る極めて実用性の高いものであることがわかる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂組成
物にあっては、その硬化物が、極めて帯電性が小さく、
水接触角も小さいため、優れた汚染性と耐候性を有し、
特に塗料としたときに実用性の高い有用なものとなりう
る。また、接着剤、フィルム、シートシーリング剤など
としても有用な用途を有するなどの効果がある。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子の末端および/または側鎖に塩構造
    を形成している基を有し、併せて、硬化反応性部位をも
    有する含フッ素ビニル共重合体(A)と、上記硬化反応
    性部位と反応し得る硬化剤(B)と、有機溶剤(C)と
    を、必須の成分として含有することを特徴とする、樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記した含フッ素ビニル共重合体(A)
    が、次の一般式 【化1】 〔ただし、式中のW、X、YおよびZは、それぞれ、同
    一であっても異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン
    原子、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表わす
    ものとし、しかも、W、X、YまたはZのうちの少なく
    とも一つは、フッ素原子であるものとする。〕で示され
    るフルオロオレフィン構造単位を有するものである、請
    求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記した含フッ素ビニル共重合体(A)
    が、分子の末端および/または側鎖に、ポリオキシアル
    キレン鎖含有基を有するものである、請求項1に記載の
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記した塩構造を形成している基が、カ
    ルボン酸塩、燐酸塩、スルフォン酸塩および第四級アン
    モニウム塩よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の
    ものである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記した塩構造を形成している基が、次
    の一般式 【化2】 〔ただし、式中のR1 、R2 、R3 およびR4 は、それ
    ぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子も
    しくはハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、
    アリール基もしくはアラルキル基または−SO3M 含有
    基(ただし、Mは、金属イオンまたはアンモニウム塩よ
    りなる群から選ばれる一つの原子イオンないしは原子団
    を表わすものとする。)を表わすものとし、しかも、R
    1 、R2 、R3 またはR4 のうちの少なくとも一つは、
    −SO3M であるものとし、また、R5 、R6 、R7
    8 、R9 およびR10は、それぞれ、同一であっても異
    なっていてもよい、水素原子または炭素数が1〜20な
    るアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは
    アラルキル基を表わすものとし、さらに、mはゼロまた
    は1なる整数であるものとし、nは1以上の自然数であ
    るものとする。〕で示される一価の有機基である、請求
    項1に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記した塩構造を形成している基が、次
    の一般式 【化3】 〔ただし、式中のR11は、炭素数が1〜20なるアルキ
    ル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキ
    ル基を表わすものとし、また、Mは、金属イオンまたは
    アンモニウム塩よりなる群から選ばれる一つの原子イオ
    ンないしは原子団を表わすものとし、さらに、mはゼロ
    または1なる整数であるものとし、nは1以上の自然数
    であるものとする。〕で示される一価の有機基である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記した硬化反応性部位が水酸基であ
    る、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記した硬化剤(B)がポリイソシアネ
    ート化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記した硬化剤(B)がブロックポリイ
    ソシアネート化合物でる、請求項1に記載の樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 前記した硬化剤(B)がアミノプラス
    トである、請求項1に記載の樹脂組成物。
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