JPH0617964Y2 - 回転窓の軸受装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、垂直支軸の周りで水平方向に回転する水平回
転窓や、水平支軸の周りで垂直方向に回転する垂直回転
窓の軸受装置に関するものである。

（従来の技術） この種回転窓は、建物躯体に固定された固定窓枠と、該
固定窓枠内に回転自在に嵌装され、その内部にガラス等
が嵌め込まれた可動窓枠とからなり、該可動窓枠の開動
角度を規制するため、従来では、固定窓枠に開度規制ス
トッパーがビス等で止着されていた。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の回転窓では、可動窓枠の回転方向が予め定め
られており、その可動窓枠の回転方向を室内外の状況や
建付けに応じて変更するためには、前記開度規制ストッ
パーを取換えなくてはならず、その取換えに手間と時間
とがかかるという欠点があり、また上記ストッパーが固
定窓枠に突起状に取付けられているため、外観上の体裁
が悪いという難点があった。

本考案は上記従来の問題点に鑑み、可動窓枠の回転方向
を容易に変更することができると共に、外観上の体裁の
良い回転窓の軸受装置を提供することを目的としてい
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案は、建物躯体に固定さ
れた固定窓枠１内に軸受装置３を介して可動窓枠４を回
転自在に嵌装してなる回転窓において、上記軸受装置３
は、固定窓枠１に固定される固定軸受ブロック６と、可
動窓枠４に固定される可動軸受ブロック８と、両ブロッ
ク６，８間に配設された可動窓枠回転用支軸１１とを有
し、上記両ブロック６，８の対向面の一方に上記支軸１
１と同心状に角軸状係止部１５を一体形成すると共に、
該角軸状係止部１５に、外周面に回転規制用凹部１６を
形成した回転規制リング１７を回転不能且つ着脱自在に
嵌合させ、さらに上記対向面の他方に上記凹部１６内に
嵌入するストッパピン１９を突設し、前記回転規制リン
グ１７は、前記角軸状係止部１５に対して周方向に嵌合
位置を変更することにより、その外周部に形成した回転
規制用凹部１６が所望の方角に変更可能に構成されてい
る。

（作用） 本考案によれば、固定窓枠１に固定軸受ブロック６を固
定し、可動窓枠４に可動軸受ブロック８を固定し、該両
ブロック６，８間に支軸１１を配設するだけで、上記可
動窓枠４を固定窓枠１内に回転自在に嵌装することがで
きる。

また上記両ブロック６，８の対向面の一方に前記支軸１
１と同心状に角軸状係止部１５を一体形成すると共に、
該角軸状係止部１５に回転規制リング１７を回転不能且
つ着脱自在に嵌合させ、さらに上記対向面の他方に、上
記リング１７の外周部に形成された回転規制用凹部１６
内に嵌入するストッパピン１９を突設することによっ
て、前記可動窓枠４の開動角度を一定範囲内に確実に規
制することができる。

さらに前記回転規制リング１７は、前記角軸状係止部１
５に対して周方向に嵌合位置を変更することにより、そ
の外周部に成形した回転規制用凹部１６が所望の方角に
変更可能に構成されているから、上記リング１７の嵌合
位置を周方向に変更するだけで、前記可動窓枠４の回転
方向を室内外の状況や建付けに応じて迅速容易に変更す
ることができる。

（実施例） 第６図及び第７図は丸窓型の回転窓を示すものであっ
て、建物躯体に固定されたアルミ押出型材からなる固定
窓枠１内に上下一対の軸受装置２，３を介して同じくア
ルミ押出型材からなる可動窓枠４を垂直軸心Ｏの周りに
回転自在に嵌装している。

第６図のＡに示す下側の軸受装置３は、第１図及び第２
図に示すように、固定窓枠１内にねじ締結具５により止
着された固定軸受ブロック６と、可動窓枠４内にねじ締
結具７により止着された可動軸受ブロック８と、固定軸
受ブロック６の中央部に貫通固着され、且つ上部が可動
軸受ブロック８の中央部の軸孔１０に回転自在に挿入さ
れた可動窓枠回転用支軸１１とを有し、該支軸１１を支
点として可動窓枠４を水平回転させることができるよう
になっている。また上記可動軸受ブロック８の上面にス
テンレス鋼板等からなる軸受板１２を固定し、前記支軸
１１の漏斗状上面に、前記軸受板１２の下面に当接する
鋼等からなる球体１３を配設し、該球体１３により可動
窓枠４の重量を軸受板１２を介して受支して、その可動
窓枠４が円滑に回転できるようにしている。

上記固定軸受ブロック６の上面に、第３図から明らかな
ように、支軸１１と同心状に角軸状係止部１５を一体形
成すると共に、該角軸状係止部１５に、外周面に回転規
制用凹部１６を形成した回転規制リング１７の角孔１８
を回転不能且つ着脱自在に嵌合させ、可動軸受ブロック
８の下面に突設したストッパピン１９を上記凹部１６内
に嵌入させており、窓閉鎖状態では、第４図実線に示す
ように、上記ストッパピン１９が凹部１６の一方の内側
面１６ａに当接して、可動窓枠４が反時計方向へ回転す
るのが阻止され、この状態から可動窓枠４を時計方向へ
回転させて窓を開放していくと、可動窓枠４の開動角度
が90゜に達したときに、同図仮想線に示すように、前記
ストッパピン１９が凹部１６の他方の内側面１６ｂに当
接して、可動窓枠４のそれ以上の開動が阻止される。従
って可動窓枠４の開動角度αを一定範囲内に確実に規制
することができる。

上記構成では、可動窓枠４を窓閉鎖状態から時計方向へ
回転させるようにしたが、第５図に示すように、回転規
制リング１７の角軸状係止部１５に対する嵌合位置を反
時計方向へ90゜変更するだけで、可動窓枠４を窓閉鎖状
態から反時計方向へ回転させることができるものであっ
て、室内外の状況や建付けに応じて可動窓枠４の回転方
向を迅速容易に変更することができる。

なお第１図の２１はストッパピン１９が固定軸受ブロッ
ク６に接触しないように、該固定軸受ブロック６の上面
に形成された切欠き段部、第２図の２２は可動窓枠４内
に嵌め込まれたガラス板である。また第６図に示す上側
の軸受装置２は下側の軸受装置３とほぼ同一構造である
が、回転規制リング１７、ストッパピン１９、軸受板１
２及び球体１３は特に必要がないので省略することがで
きる。

上記実施例では、可動窓枠４を垂直軸心Ｏの周りで水平
方向に回転させる水平回転窓を例にあげて説明したが、
その可動窓枠４を水平軸心の周りで垂直方向に回転させ
る垂直回転窓にも適用することができる。また丸窓を例
にあげて説明したが、これ以外にアーチ状窓や角窓など
にも適用することができることは勿論である。

（考案の効果） 本考案によれば、固定窓枠に固定される固定軸受ブロッ
クと、可動窓枠に固定される可動軸受ブロックと、両ブ
ロック間に配設された可動窓枠回転用支軸とからなる軸
受装置に、回転規制リングとストッパピンとを取付けた
だけのきわめて簡単な構成であり、安価に製作すること
ができる。

また前記回転規制リングは、前記両ブロックの対向面の
一方に前記支軸と同心状に一体形成された角軸状係止部
に回転不能且つ着脱自在に嵌合させられ、前記ストッパ
ピンは、上記対向面の他方に突設され、且つ上記リング
の外周部に形成された回転規制用凹部内に嵌入させられ
ているから、その回転規制リングとストッパピンとによ
って前記可動窓枠の開動角度を一定範囲内に確実に規制
することができる。

さらに前記回転規制リングは、前記角軸状係止部に対し
て周方向に嵌合位置を変更することにより、その外周部
に形成した回転規制用凹部が所望の方角に変更可能に構
成されているから、上記リングの嵌合位置を周方向に変
更するだけで、前記可動窓枠の回転方向を室内外に状況
や建付けに応じて迅速容易に変更することができる。

さらにまた前記回転規制リングとストッパピンとは前記
両ブロックにより隠蔽されているから、外観上の体裁も
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例たる軸受装置を回転窓に取付
けた状態の縦断面図、第２図は同横断面図、第３図は同
分解斜視図、第４図は同水平断面図、第５図は上記軸受
装置に用いられる回転規制リングの嵌合位置を周方向に
変更した状態の水平断面図、第６図は上記軸受装置を用
いた回転窓の正面図、第７図は同水平断面図である。 １…固定窓枠、３…軸受装置、４…可動窓枠、６…固定
軸受ブロック、８…可動軸受ブロック、１１…可動窓枠
回転用支軸、１５…角軸状係止部、１６…回転規制用凹
部、１７…回転規制リング、１９…ストッパピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物躯体に固定された固定窓枠内に軸受装
   置を介して可動窓枠を回転自在に嵌装してなる回転窓に
   おいて、上記軸受装置は、固定窓枠に固定される固定軸
   受ブロックと、可動窓枠に固定される可動軸受ブロック
   と、両ブロック間に配設された可動窓枠回転用支軸とを
   有し、上記両ブロックの対向面の一方に上記支軸と同心
   状に角軸状係止部を一体形成すると共に、該角軸状係止
   部に、外周面に回転規制用凹部を形成した回転規制リン
   グを回転不能且つ着脱自在に嵌合させ、さらに上記対向
   面の他方に上記凹部内に嵌入するストッパピンを突設
   し、前記回転規制リングは、前記角軸状係止部に対して
   周方向に嵌合位置を変更することにより、その外周部に
   形成した回転規制用凹部が所望の方角に変更可能に構成
   されてなる回転窓の軸受装置。