JPH06179360A - ブレーキブースタ装置 - Google Patents

ブレーキブースタ装置

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JPH06179360A
JPH06179360A JP4333224A JP33322492A JPH06179360A JP H06179360 A JPH06179360 A JP H06179360A JP 4333224 A JP4333224 A JP 4333224A JP 33322492 A JP33322492 A JP 33322492A JP H06179360 A JPH06179360 A JP H06179360A
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JP
Japan
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negative pressure
pressure
brake
pressure chamber
atmosphere
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JP4333224A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hiromoto
建一 広本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関で生じる吸気負圧と大気圧
との差圧を駆動源としてブレーキ操作力を増大させるブ
レーキブースタ装置に関し、変圧室と大気との導通を制
御する制御弁を複数化して信頼性の向上を図ることを目
的とする。 【構成】 内燃機関の吸気負圧が導入される負圧室31
aと、吸気負圧及び大気が適宜導入される変圧室31b
と、負圧室31aと変圧室31bの差圧を油圧に変換す
るマスタシリンダ31cとで制御用ブレーキブースタ3
1を構成し、マスタシリンダ31cで発生する油圧を各
車輪のブレーキ機構6〜9にブレーキ油圧として供給す
る。変圧室31bに供給される負圧の制御は負圧導入弁
EACV3により行う。そして、変圧室31bに導入さ
れる大気の制御は、2つの大気導入弁EACV1,2に
より並列して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブレーキブースタ装置に
係り、特に内燃機関で生じる吸気負圧と大気圧との差圧
を駆動源としてブレーキ操作力を増大させるブレーキブ
ースタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載される内燃機関で
発生する吸気負圧を駆動源としてブレーキ操作力を増大
させるブレーキブースタ装置が知られている(特開昭6
1−175130号公報)。
【0003】上記公報記載の装置によれば、各車輪毎に
設けられたブレーキ機構を駆動する油圧は、内燃機関の
吸気負圧を駆動力とするマスタシリンダにより増圧また
は減圧される。
【0004】すなわち、このマスタシリンダのプッシュ
ロッドは、第1の制御弁を介して内燃機関の吸気負圧の
供給を受け得ると共に第2の制御弁を介して大気の供給
を受け得る変圧室と、常に内燃機関の吸気負圧が供給さ
れる負圧室とを分離するピストンに連結されている。
【0005】従って、第1,第2の制御弁を適当に制御
して、例えば負圧室、変圧室共に負圧とすると、ピスト
ンには何らの力も作用しないためブレーキ機構は作動せ
ず、また、負圧室を負圧に保持したまま変圧室を大気圧
とすると、ピストンすなわちプッシュロッドにはその差
圧に応じた推力が作用し、プッシュロッドの推力に応じ
た油圧で各車輪のブレーキ機構が作動することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置においては、変圧室に大気を導入する制御弁が1つし
か設けられていない。従って、この唯一の制御弁が故障
した場合、それ以後変圧室内に大気を導入することがで
きなくなる。このため、以後マスタシリンダのプッシュ
ロッドに負圧室の内圧と変圧室の内圧との差圧に応じた
推力が加わることはない。
【0007】従って、上記従来の装置においては、変圧
室と大気との導通を制御する制御弁が故障した場合、も
はやブレーキ操作力を増大させることができなくなり、
ブレーキブースタとしての機能が維持できなくなるとい
う問題を有していた。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、変圧室と大気との導通を制御する制御弁を複数化
することにより、信頼性の向上と確実なフェールセーフ
の確保を可能とするブレーキブースタ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、負圧供給
源から供給される負圧を蓄え得ると共に大気を導入する
ことにより内圧を所定の負圧に設定し得る変圧室と、前
記負圧供給源から供給される負圧を蓄え得る負圧室とを
備え、前記変圧室の内圧と前記負圧室の内圧との差圧に
応じた推力をブレーキ機構の油圧を制御するマスタシリ
ンダに与えることにより、運転者によるブレーキ操作力
を増大させるブレーキブースタ装置において、前記変圧
室への大気の導入を制御する複数の大気導入弁と、該複
数の大気導入弁を均等に制御して前記変圧室の内圧を調
整する内圧制御手段とを有するブレーキブースタ装置に
より達成される。
【0010】
【作用】本発明に係るブレーキブースタ装置において、
前記複数の大気導入弁が全て正常に機能している場合、
前記変圧室は前記複数の大気導入弁から均等に大気の供
給を受ける。また、前記複数の大気導入弁のうち一部が
故障した場合、前記変圧室は、前記大気導入弁のうち正
常に機能している大気導入弁から大気の供給を受ける。
【0011】従って、前記複数の大気導入弁が全て同時
に故障しない限り前記変圧室に大気を導入することが可
能であり、故障時において何らの切り換え操作も要せず
にブレーキブースタ機能を維持することが可能となる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明に係るブレーキブースタ装置
の一実施例を組み込んだブレーキシステムの構成図を示
す。尚、このシステムは本発明に係るブレーキブースタ
装置を身体障害者用として備えると共に、一般的に用い
られるブレーキシステムを健常者用として兼備してい
る。
【0013】図1中、符号1は前記した内圧制御手段を
包含する電子制御装置(制御ECU)を示す。制御EC
U1には、身体障害者モード・健常者モード切り換え用
のモード切り換えスイッチ2が接続され、このモード切
り換えスイッチ2の出力信号により本実施例のブレーキ
ブースタ装置を作動させるか否かが決定される。
【0014】符号3及び4は、それぞれ車速に応じたパ
ルス信号を出力する車速センサ、及び内燃機関の回転数
に応じたパルス信号を出力するE/G回転数センサを示
す。また、符号5は身体障害者モードにおける操作レバ
ーを示す。この操作レバー5は車両の加減速指示に用い
られ、運転者の操作により所定の加減速指示量信号を制
御ECU1に供給する。
【0015】図1においてFL,FR及びRL,RRは
それぞれ車両の左右前輪,左右後輪を示す。これらの各
車輪はそれぞれ独立に、油圧により作動して各車輪を制
動するブレーキ機構6〜9を備えている。尚、このブレ
ーキ機構6〜9は、供給される油圧が高圧になった場合
にだけ制動力を発揮するように設定されている。
【0016】また、左右前輪FL,FRには、ブレーキ
機構6〜9に実際に供給されている実ブレーキ圧を検出
する油圧センサ10,11が配設されている。そして、
これらの油圧センサ10,11は、検出した油圧に対応
した信号を制御ECU1に供給している。
【0017】ところで、本実施例においては内燃機関に
供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブ13
の開度調整をも電子制御で行っている。符号20は本実
施例に使用する電子制御スロットルを示す。電子制御ス
ロットル20は、直流モータ(DC−MOTOR)21
を駆動源として備え、操作レバー5から供給される加減
速指示量に応じて制御ECU1から出力されるスロット
ル開度信号に基づいて、スロットルバルブ13の開度調
整を行う。
【0018】つまり、スロットルバルブ13はアクセル
ペダル12の他にワイヤ14によっても駆動される。そ
してワイヤ14の端部は、直流モータ21の回転を伝達
する電磁クラッチ22と連動して回動する軸23に連結
されている。
【0019】従って、電磁クラッチ22が直流モータ2
1とつながっている場合、直流モータ21が回動すれば
それにつれてワイヤ14がスロットルバルブ13を開閉
させ、スロットルバルブ13の開度が変動することにな
る。尚、電磁クラッチ22は制御ECU1から供給され
る制御信号に従って動作し、直流モータ21とスロット
ルバルブ13とを切り離し、又は連結する。つまり、電
磁クラッチ22が切れた状態では、もはや直流モータ2
1の回転に従ってスロットルバルブ13が開くことはな
い。
【0020】また、電子制御スロットル20には、図1
に示すように電磁クラッチ22の回転角に基づいてスロ
ットルバルブ13の実際の開度を検出する開度センサ2
4が組み込まれている。そして、この開度センサ24は
検出したスロットルバルブ13の実開度データを制御E
CU1に送信している。
【0021】図1において、符号30は本実施例の要部
である電子制御ブレーキシステムを示す。この電子制御
ブレーキシステム30は、上記したように身体障害者用
車両に搭載することを前提としている。ここで、身体障
害者用の車両設計にあたっては良好な操作性の確保が重
要な課題の一つである。中でも車両にブレーキをかける
際の操作性は、安全性確保の観点から最重要項目であ
る。
【0022】そこで、本実施例においては僅かな操作力
で確実な制動力を確保するため、各車輪に配設されたブ
レーキ機構6〜9に供給される実ブレーキ圧を電気的に
制御し得る電子制御ブレーキシステム30を採用してい
る。図1中、符号31は電子制御ブレーキシステム30
の要部であるブレーキブースタ(制御用B/B)を示
し、同図に示すように負圧室31a,変圧室31b,マ
スタシリンダ31cで構成される。
【0023】負圧室31aはチェック弁32を介して図
示されない内燃機関の吸気管内スロットルバルブ下流に
連通し、内燃機関の運転中は常に吸気負圧(E/Gバキ
ューム)の供給を受ける。尚、チェック弁32は、負圧
室31a側から内燃機関側への流れだけを許容する一方
向弁である。このため、内燃機関が停止して吸気負圧が
消滅しても、負圧室31a内はそのまま負圧に保持され
る。
【0024】一方、変圧室31bは2つの大気導入弁E
ACV1,2及びエアフィルタ33,34を介して大気
と通じていると共に、負圧供給弁EACV3及びチェッ
ク弁32を介して内燃機関の吸気管に連通している。従
って、変圧室31b内の圧力は、大気導入弁EACV
1,2を閉じて負圧導入弁EACV3を開とすれば負圧
室31aの内圧と等圧になり、またEACV1,2を開
けてEACV3を閉とすれば大気圧となる。
【0025】マスタシリンダ31cは、負圧室31aと
変圧室31bとに差圧が生じた場合に、その差圧に応じ
た油圧を各ブレーキ機構6〜9に供給するシリンダであ
る。つまり、マスタシリンダ31c内には負圧室31a
と変圧室31bとを分離するピストンが配設されてお
り、変圧室31b内に大気が導入された場合そのピスト
ンには変圧室31bから負圧室31aへ向かう推力が生
ずる。
【0026】そして、その推力がピストンに連結されて
いるプッシュロッドを介して油圧に変換されて、各ブレ
ーキ機構6〜9に昇圧されたブレーキ圧として供給され
る。一方、変圧室31b内が負圧に保持されている場
合、マスタシリンダ31c内のピストンには何らの力も
作用しない。このため各ブレーキ機構6〜9にはそれら
を駆動する程度に高圧のブレーキ圧は供給されず、各車
輪に制動力が働くことはない。
【0027】ところで、本実施例においては、負圧室3
1aと変圧室31bとは負圧制御弁(VSV)35を介
して連通している。従って、例えば健常者モードが選択
された場合は、VSV35を開弁することにより負圧室
31aの内圧と変圧室31bの内圧とを常に等圧に保持
すれば、制御用B/B31によるブレーキ圧ブースト機
能が作動することがなく、仮に操作レバー5を誤操作し
たとしてもそれによってブレーキブースト機能が作動す
ることはない。
【0028】符号15は、健常者用モードに対応して設
けられたブレーキペダルを示す。このブレーキペダル1
5の踏力はブレーキペダル15用のマスタシリンダ16
で油圧に変換され、電子制御ブレーキシステム30のハ
イセレクト装置36に供給される。ここで、ハイセレク
ト装置36は、2つのマスタシリンダ16及び31cか
ら供給される油圧のうち高い方を各ブレーキ機構6〜9
に伝達する装置である。
【0029】尚、本実施例のブレーキシステムには公知
のアンチロックブレーキシステム(ABS)が組み込ま
れており、ハイセレクト装置36から伝播される油圧
は、ABS機構17を介して各ブレーキ機構6〜9に供
給される。
【0030】また、制御ECU1には、ブレーキ機構6
〜9が作動して車両が制動されているときに点灯するス
トップランプ(STOPランプ)18、及び選択された
モードが身体障害者モードであるか健常者モードである
かを表示するモード表示ランプ19が接続され、制御E
CU1の運転状態等が運転者等に判別できる構成とされ
ている。
【0031】図2は、本実施例のシステムが身体障害者
モードである場合に、操作レバー5の操作感覚と一致し
た制動力を各ブレーキ機構6〜9に発揮させるために制
御ECU1が実行するルーチン処理の一例のフローチャ
ートを示す。以下、図2を参照して本実施例の動作につ
いて説明する。
【0032】ところで、本実施例の電子制御ブレーキシ
ステム30は、上記したように制御用ブレーキブースタ
31の負圧室31aの内圧と変圧室31bの内圧との差
圧を利用して、ブレーキ機構6〜9に供給される油圧を
昇圧している。従って、負圧室31aと変圧室31bと
の差圧が大きいほど、ブレーキ機構6〜9に供給される
実ブレーキ圧は大きくなる。
【0033】一方、変圧室31bと大気及び吸気管との
導通を制御するEACV1〜3は、制御ECU1から供
給される流量指示信号に従って、導通部の開口面積を変
化させる制御弁である。このため、導通面積が同一でも
変圧室31bに蓄えられている負圧、すなわち吸気負圧
が大きい場合と小さい場合とでは、大気導入弁EACV
1,2を開弁した際に導入される空気量に差異が生ず
る。同様に、変圧室31b内に大気が導入されている状
態で負圧供給弁EACV3を開弁する場合は、吸気負圧
の大小により変圧室31bから吸気管へ流出する空気量
に差異が生ずることになる。
【0034】つまり、運転者による操作レバー5の操作
感覚と、各ブレーキ機構6〜9が発揮する制動力、すな
わちマスタシリンダ31cから供給される実ブレーキ圧
とを一致させるためには、EACV1〜3を開弁した際
に変圧室31bに導入する空気量、または変圧室31b
から流出する空気量を内燃機関の吸気負圧の大小にかか
わらずに制御できる構成とする必要がある。
【0035】そこで、本実施例においては、内燃機関の
吸気管内に発生している吸気負圧を検出し、検出した吸
気負圧の大きさに基づいてEACV1〜3の開弁時にお
ける開口面積を補正することとしている。
【0036】このため、図2に示すように、モード切り
換えスイッチ2が身体障害者モードであることが確認さ
れて本ルーチンが起動すると、先ず、ステップ101に
おいて回転数センサ4の出力信号から機関回転数NEを
検出する。次にステップ102へ進みスロットル開度セ
ンサ24の出力信号に基づいて実際のスロットル開度T
HRを検出する。
【0037】ここで、吸気負圧 E/GBは、機関回転数N
Eが大きい程大きく、またスロットル開度THRが小さ
い程大きく、NEとTHRの関数として求めることがで
きる。そこで、本実施例においては図3に示すようなマ
ップを予め制御ECU1に格納しておき、検出したN
E,THRに基づいてそのマップを参照して内燃機関の
吸気管に発生している吸気負圧 E/GBを求めている。
(ステップ103)。
【0038】ところで、車両にブレーキをかける場合、
車両速度が低速であるほどブレーキが効くことによるシ
ョックが大きく感じられる。また、一般に低速走行中に
おいては、強い制動力が要求されることよりも制動力の
微妙な調整が要求される場合が多い。従って、本実施例
のシステムにおいて運転者の操作感覚と車両の制動感覚
とを対応させるためには、車速に応じた補正も行う必要
がある。
【0039】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ103において内燃機関の吸気負圧 E/GBを推定した
ら、ステップ104へ進み車速センサ3の出力信号に基
づいて車速VW を算出している。
【0040】このようにして吸気負圧 E/GB及び車速V
W を推定したら、次にその E/GB及び車速VW に基づい
て、変圧室31bに所定の空気量を導入するための補正
ゲインGB 及びGVWを求める。
【0041】つまり、大気導入弁EACV1,2を開弁
して変圧室31bに大気を導入する場合に変圧室31b
内に導入される空気の量は、EACV1,2導通時にお
ける開口面積と、EACV1,2開弁前における変圧室
31b内の圧力、すなわち内燃機関の吸気負圧 E/GBと
の関数であり、EACV1,2の開口面積が大きい程、
また吸気負圧 E/GBが大きい程多量の空気が導入される
ことになる。
【0042】従って、吸気負圧 E/GBの大小にかかわら
ず変圧室31b内に所定量の空気を導入するためには、
吸気負圧 E/GBが大きいほどEACV1,2の開口面積
を小さく補正する必要がある。そこで、本実施例におい
ては、図4に示すマップを予め制御ECU1に格納して
おき、上記ステップ103で推定した吸気負圧 E/GBで
参照することにより補正ゲインGB を算出している(ス
テップ105)。
【0043】また、車速VW と制動力との関係について
は、上記したように車速VW が遅い程制御用B/Bのブ
ースト能力を低く抑える必要がある。つまり高速走行時
には変圧室31bに多量の空気を導入し、低速走行時に
は変圧室31bに導入する空気を少量とする必要が生じ
る。そこで、本実施例においては、例えば図5に示すよ
うな車速VW と補正ゲインGVWとの関係を予め設定して
おき、これを車速VWで参照することにより補正ゲイン
VWを求めている(ステップ106)。
【0044】次に、ステップ107では、運転者が要求
している制動力に対応した要求ブレーキ圧TBPLと、
油圧センサ10,11で検出された実ブレーキ圧との差
ΔBPを検出している。ここで、ΔBPが正の値であれ
ば運転者はより強い制動力を要求していることになり、
またΔBPが正の値でなければ制動力を弱める意思を持
っていることになる。
【0045】ところで、ブレーキ機構6〜9に供給され
ている実ブレーキ圧BPRは上記したように負圧室31
aと減圧室31bとの間に発生している差圧に応じた圧
力を示す。従って、実ブレーキ圧BPRが大きいほど負
圧室31aと変圧室31bとの差圧が大きく、すなわち
変圧室31b内の圧力が大気圧に近くなっているはずで
ある。
【0046】一方、大気導入弁EACV1,2を開弁し
た際に変圧室31b内に導入される単位時間当たりの空
気量は、変圧室31b内の圧力が大気圧に近いほど少量
となる。他方、負圧導入弁EACV3を開弁して変圧室
31b内に吸気負圧を供給した場合に変圧室31bから
流出する空気量は、変圧室31b内の圧力が大気圧に近
いほど、すなわち実ブレーキ圧BPRが大きいほど多量
となる。
【0047】従って、運転者の操作感覚に実際の制動力
の変化を対応させるためには、各瞬間における実ブレー
キ圧BPRに対しても補正を行う必要がある。つまり、
運転者が制動力を強めようとしている場合には、その時
点における実ブレーキ圧BPRが大きいほど開弁時にお
けるEACV1,2の開口面積を大きく補正し、また運
転者が制動力を弱めようとしている場合には、実ブレー
キ圧BPRが大きいほど開弁時におけるEACV3の開
口面積を小さく補正する必要が生じる。
【0048】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ107においてΔBPを検出したら、続いてその値が
正の値であるか否かを判別する(ステップ108)。そ
して、ΔBP>0であれば実ブレーキ圧BPRを増圧す
るための補正ゲインGBPU を算出し(ステップ10
9)、ΔBP≦0であれば、運転者は制動力を弱める意
思を持っていると判断して実ブレーキ圧BPRを減圧す
るための補正ゲインGBPDを算出することとしている
(ステップ110)。
【0049】尚、本実施例においては、それぞれの補正
ゲインGBPU ,GBPD が上記したように実ブレーキ圧B
PRの関数として定まる値であることに着目して、予め
制御ECU1に図6(A),(B)に示すGBPU 又はG
BPD とBPRとの関係を表すマップを格納しておき、こ
れを実ブレーキ圧BPRで参照してGBPU 及びGBPD
求めることとしている。
【0050】このようにして内燃機関の吸気負圧に対す
る補正ゲインGB ,車速に対する補正ゲインGVW,実ブ
レーキ圧BPRに対する補正ゲインGBPU 又はGBPD
算出したら、これらの補正ゲインを積算して総合補正ゲ
インGBRK を求める(ステップ111)。尚、この場合
において上記ステップ108でΔBP>0であると判別
されていれば、総合補正ゲインGBRK =GB *GVW*G
BPU となり、またΔBP≦0であると判別されていれ
ば、総合補正ゲインGBRK =GB *GVW*GBPDとな
る。
【0051】次のステップ112及び113では総合補
正ゲインGBRK を用いてEACV1〜3に所望の空気量
を流通させるために確保すべきEACV1〜3の開口面
積TAF1〜3を算出する。ここで、TAF1=TAF
2=TAF/2であるのに対してTAF3=TAFであ
るのは、変圧室31bへの大気の導入は大気導入弁EA
CV1,2から同時に行われるのに対して、吸気負圧は
負圧導入弁EACV3からのみ行われるからである。
【0052】尚、運転者の操作感覚と一致した制動力を
実現するため、EACV1〜3の開口面積TAF1〜3
の基礎とされるTAFについては、運転者による要求ブ
レーキ圧TBPRと実ブレーキ圧BPRとの差、すなわ
ち上記ステップ107で算出したΔBPと、総合補正ゲ
インGBRK とを積算することで求めている(ステップ1
12)。
【0053】また、大気導入弁EACV1,2及び負圧
導入弁3は、図7の特性図に示すように、供給された流
量制御信号の電流Iに応じた開口面積TAFで開弁する
特性を有している。従って、上記ステップ113におい
て、各導入弁EACV1〜3それぞれの開口面積が算出
されたら、ステップ114へ進みその開口面積TAF1
〜3を実現するために供給すべき電流値I1 〜I3 を算
出する。
【0054】そして、運転者による操作レバー5の操作
に基づいて、例えば制動力を強めたい場合は大気導入弁
EACV1,2それぞれに対して電流I1 ,I2 を供給
し、また、制動力を弱めたい場合には負圧導入弁EAC
V3に対して電流I3 を供給して(ステップ115)今
回の処理を終了する。
【0055】このように、本実施例によれば、変圧室3
1bに大気を導入する導入口としてEACV1及びEA
CV2が確保されている。従って、万が一EACV1ま
たはEACV2の一方が故障した場合でも、他方の制御
弁により変圧室31b内に大気を導入することができ
る。このため、車両の走行中に全くブレーキが効かなく
なる事態が発生する心配がなく、身体障害者用車両とし
て十分な安全性を保証することができる。
【0056】さらに、本実施例においては、制御ECU
1からそれぞれの大気導入弁EACV1,2に供給され
る流量指示信号が、大気導入弁を1つしか備えていない
場合の1/2の電流で足りる。つまり本実施例装置は、
大気導入弁EACV1,2における発熱量を従来の半分
程度に低減してソレノイドの性能劣化等を抑制する効果
をも併せ持っている。従って、本実施例のブレーキブー
スタ装置によれば従来の装置に比べて画期的に高い信頼
性と異常時における確実なフェールセーフの確保が可能
となる。
【0057】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、複数の大
気導入弁のうちの1部が故障しても、他の大気導入弁に
よりブレーキのブースト機能を維持することができる。
このため、車両の走行中に全くブレーキが効かなくなる
事態が発生する心配がなく、従来のブレーキブースタ装
置に比べて画期的に高い信頼性を確保することができる
という特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキブースタ装置の一実施例
の構成を表す全体図である。
【図2】本実施例のブレーキブースタ装置で実行される
ルーチン処理の一例のフローチャートである。
【図3】本実施例装置を備える内燃機関のスロットル開
度THR及び機関回転数NEと吸気負圧 E/GBとの関係
を表す特性図である。
【図4】本実施例装置において吸気負圧 E/GBに対する
補正ゲインGB を求めるためのマップである。
【図5】本実施例装置において車速VW に対する補正ゲ
インGVWを求めるためのマップである。
【図6】本実施例装置において実ブレーキ圧BPRに対
する増圧時補正ゲインGBPU 及び減圧時補正ゲインG
BPD を求めるためのマップである。
【図7】本実施例装置の大気導入弁及び負圧導入弁の開
弁時における開口面積TAFと流量指示信号の電流Iと
の関係を表す特性図である。
【符号の説明】
1 制御ECU 2 モード切替えスイッチ 5 操作レバー 6〜9 ブレーキ機構 10,11 油圧センサ 30 電子制御ブレーキシステム 31 制御用ブレーキブースタ 31a 負圧室 31b 変圧室 31c マスタシリンダ EACV1,2 大気導入弁 EACV3 負圧導入弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧供給源から供給される負圧を蓄え得
    ると共に大気を導入することにより内圧を所定の負圧に
    設定し得る変圧室と、前記負圧供給源から供給される負
    圧を蓄えて内圧を負圧に保持し得る負圧室とを備え、前
    記変圧室の内圧と前記負圧室の内圧との差圧に応じた推
    力を、ブレーキ機構の油圧を制御するマスタシリンダに
    与えることにより、運転者によるブレーキ操作力を増大
    させるブレーキブースタ装置において、 前記変圧室への大気の導入を制御する複数の大気導入弁
    と、 該複数の大気導入弁を均等に制御して前記変圧室の内圧
    を調整する内圧制御装置とを有することを特徴とするブ
    レーキブースタ装置。
JP4333224A 1992-12-14 1992-12-14 ブレーキブースタ装置 Pending JPH06179360A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003535072A (ja) * 2000-06-02 2003-11-25 アストラゼネカ アクチボラグ シクロプロピルカルボン酸エステル及び誘導体の調製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003535072A (ja) * 2000-06-02 2003-11-25 アストラゼネカ アクチボラグ シクロプロピルカルボン酸エステル及び誘導体の調製方法

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