JPH0789418A - 車両の制動装置 - Google Patents

車両の制動装置

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JPH0789418A
JPH0789418A JP5238475A JP23847593A JPH0789418A JP H0789418 A JPH0789418 A JP H0789418A JP 5238475 A JP5238475 A JP 5238475A JP 23847593 A JP23847593 A JP 23847593A JP H0789418 A JPH0789418 A JP H0789418A
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JP
Japan
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vehicle
brake
pressure
driver
braking
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JP5238475A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hiromoto
建一 広本
Tsukasa Abe
司 安部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は前方物体と自車両との車間距離を監
視し、運転者の操作に基づくブレーキ圧が過少の場合に
は、追突防止のためブレーキ圧を昇圧補正する車両の制
動装置に関し、簡単な処理内容で実現することを目的と
する。 【構成】 運転者がブレーキを要求したら、前方車両と
の距離DSTの変化量に基づいて前方車両に対する相対
速度DDSTを求める(ステップ602,606)。運
転者の要求値f(レバー)を目標ブレーキ圧TBPLと
して記憶した後(ステップ608)、DDSTが判定値
KDDSTを越えているかを見る(ステップ610)。
DDST>KDDSTの場合は、前方車両に急接近して
いると判断して補正係数KDD(>1.0)を乗算してT
BPLを昇圧補正する(ステップ612)。以後TBP
Lに応じた制動力を発生させる(ステップ614〜64
2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の制動装置に係り、
特に前方物体と自車両との車間距離を検出して、前方物
体との追突を防止すべくブレーキ圧を補正することによ
り適正な制動力を確保する車両の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、前方物体と自車両との車間距
離を検出し、その検出結果に基づいて運転者のブレーキ
操作に基づくブレーキ圧を補正して各車輪のブレーキ機
構に供給することにより前方物体との衝突を防止する制
動装置が知られている(特開昭60−38238号公
報)。
【0003】この装置は、前方車両等車両前方に存在す
る物体と自車両との車間距離、及び前方車両に対する相
対速度を検出するレーダ装置を備えており、運転者によ
ってブレーキ操作がなされた際に以下の如き処理を行う
ことで前方車両との衝突を回避して車両の安全性を高め
るものである。
【0004】すなわち、上記公報記載の装置は、ブレー
キ操作がなされると先ず車速や相対速度に基づいて安全
距離を演算する。次に、現在の車間距離、相対速度に基
づいて、その安全距離を実現するために車両に発生させ
るべき目標減速度を求める。これと共に、運転者のブレ
ーキ操作に起因して発生したブレーキ圧がブレーキ機構
に供給されることで現に車両に発生している実減速度を
求める。
【0005】そして、このように目標減速度と実減速度
とを求めたら、それらの比較を行い、実減速度が目標減
速度に達していない場合には、実減速度を目標減速度に
近づけるべくブレーキ圧を昇圧補正して各ブレーキ機構
に供給するものである。
【0006】かかる構成によれば、安全距離が確保され
ていない状況下でブレーキ操作がなされると、運転者に
よって十分に大きなブレーキ圧が指示された場合はその
ブレーキ圧が、また運転者によって十分なブレーキ圧が
指示されない場合にはそのブレーキ圧が適切な水準に昇
圧補正されて各ブレーキ機構に供給されることになる。
【0007】また、運転者によるブレーキ操作時に安全
距離が確保できていれば、むやみにブレーキ圧が補正さ
れることもなく、運転者のフィーリングを不当に害する
ことなく常時前方車両との衝突を回避し得る適切な減速
度で車両が制動されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、ブレーキ圧の補正を行うに際して、安全距離を演
算し、これに基づいて目標減速度を演算し、一方で現に
車両に生じている減速度を実減速度として演算する処理
を必須としており、ブレーキ圧の補正を実現するための
処理内容が複雑である。
【0009】このため、装置を実現する観点からは構成
が複雑であるためコスト面で不利であるという問題を有
し、実用的観点からは演算処理に比較的長期を要するこ
とから応答性の確保面で不利であるという問題を有して
いた。
【0010】更に、上記従来の装置はブレーキ操作時に
安全距離が確保されている場合にはブレーキ圧の補正を
行わないこととして運転フィーリングの向上を図ってい
るが、例えば身体障害者等を運転者として想定する場合
には、可能な限り運転者の操作負担を軽減することを優
先すべきであり、そのような場合には車間距離の長短に
関わらず適切なブレーキ圧補正を実行し得る機能が要求
される。
【0011】また、上記従来の装置の如く運転者によっ
てブレーキ操作がなされた時を基準として目標減速度を
設定し、実減速度をその目標減速度に適合させるべく処
理を行う場合は、演算した安全距離が確保されるまでの
間は継続的に目標減速度付近の減速度で制動処理が実行
されることとなり、必ずしも運転者の運転フィーリング
に適合した制動処理が実現されているとは限らないとい
う問題をも有していた。
【0012】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、前方物体と自車両との車間距離より相対速度を
求め、前方物体に対して正の相対速度が検出された場
合、すなわち自車が前方物体に接近していることが検出
された場合には、運転者のブレーキ操作に基づくブレー
キ圧を相対速度に応じて昇圧補正することとして上記の
課題を解決した車両の制動装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車両の制動装置の原理構成図を示す。すなわち上
記の目的は、図1に示すように前方物体との距離を検出
する車間距離検出手段1を備え、ブレーキ操作手段2を
介して運転者が車両のブレーキ機構3〜6を操作する際
に、運転者の操作に基づくブレーキ圧を前記車間距離検
出手段1の検出結果に基づいて補正して前記ブレーキ機
構3〜6に供給する車両の制動装置であって、前記車間
距離検出手段1の検出結果に基づいて前方車両に対する
相対速度を演算する相対速度検出手段7と、運転者によ
るブレーキ操作時において、前記相対速度検出手段7に
より接近方向の相対速度が検出されている場合には、相
対速度に応じて運転者の操作に基づくブレーキ圧を補正
する制動力制御手段8とを備える車両の制動装置により
達成される。
【0014】
【作用】本発明に係る車両の制動装置において、前記車
間距離検出手段1は、車両前方物体と自車両との距離を
検出し、前記相対速度検出手段7は、前方物体に対する
車両の相対速度を検出する。
【0015】この場合において、前記相対速度検出手段
7が検出する相対速度が負となるのは、車両が前方物体
から離間している場合である。従って、かかる状況下で
は車両が前方物体と衝突する可能性が皆無であり、運転
者の要求を越えた制動力を発揮する必要性はない。
【0016】一方、前記相対速度検出手段7が正の相対
速度を検出するのは、車両が前方物体に接近している場
合であり、この場合は制動力が過少であると車両が前方
物体に衝突する可能性がある。従って、かかる状況下で
は、前記ブレーキ機構3〜6に適切なブレーキ圧を供給
する必要がある。
【0017】これに対して前記制動力制御手段8は、ブ
レーキ操作手段2を介して運転者によってブレーキ操作
がなされると、前記相対速度検出手段7の検出結果が正
であるか否かのみを判断の基準として、正の相対速度が
検出された場合には運転者の操作に基づくブレーキ圧を
適当に昇圧補正して前記ブレーキ機構3〜6に供給す
る。
【0018】この場合、前記制動力制御手段8は、相対
速度の符号を判定して必要な場合に現相対速度に応じた
補正をブレーキ圧に施せば足り、処理が簡単であること
からその構成も簡易となる。
【0019】また、前方物体との相対速度のみを基準と
していることから、衝突の危険性の有無に関わらず急接
近時には常に大きな制動力が確保され、常に安全側に余
裕度を持った制動処理が実現されることから、安全に走
行することに対する運転者の操作負担が軽減されること
になる。
【0020】更に、前記相対速度検出手段7の検出する
相対速度が小さくなると、それにつれてブレーキ圧の昇
圧補正幅が小さくなることから、前方物体との衝突の可
能正の少ない領域では運転者の操作を適切に反映した制
動力が得られることになる。
【0021】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である車両の制動
装置を備える自動車用運転装置の全体構成図を示す。本
実施例の自動車用運転装置は、健常者のみでなく身体障
害者をも運転者の対象としたものであり、制動力及び駆
動力を僅かな力で制御可能とすべく制動力、駆動力を電
子制御する機構を備えると共に、健常者用として通常の
ブレーキ操作、スロットル操作によって制動力及び駆動
力を制御する機構を兼備している。
【0022】図2中、電子制御装置(制御ECU)10
は、マイクロコンピュータを主体として前記した相対速
度検出手段7及び制動力制御手段8を実現する本実施例
装置の要部である。この制御ECU10には、身体障害
者モード・健常者モード切り換え用のモード切替スイッ
チ11が接続されており、本実施例の制動装置はこのモ
ード切替スイッチ11により身体障害者モードが選択さ
れている場合に特徴的動作を示すものである。
【0023】また、制御ECU10には、車速センサ1
2、及び機関回転数センサ13が接続されており、それ
ぞれ車速に応じた周期で発生するパルス信号、及び内燃
機関の回転数に応じた周期で発生するパルス信号の供給
を受けている。
【0024】セットスイッチ14、操作レバー15は、
前記したブレーキ操作手段2を実現する部材である。こ
こで、操作レバー15は車両の加減速指示に用いられ、
運転者の操作により所定の加減速指示量信号を制御EC
U10に供給するためのレバーであり、セットスイッチ
14は操作レバー15によって指示されている加減速状
態を維持するためのスイッチである。
【0025】つまり、操作レバー15が減速領域にある
場合にセットスイット14がオンとされれば、以後操作
レバーが減速領域からニュートラル領域に操作されるま
で(ニュートラルで解除)その際の制動力が維持され、
また操作レバー15が加速領域にある場合にセットスイ
ッチ14がオンとされれば、以後操作レバー15が加速
領域からニュートラル領域に操作されるまで(ニュート
ラルで解除)その際の車速が維持されることになる。
【0026】更に、坂道等の発進のため操作レバー15
が減速領域に位置しているときにセットスイッチ14が
オンとされ、その後セットスイット14を押しながら操
作レバー15を減速領域から加速領域へ操作し、所定の
加速領域においてセットスイッチ14をオフとすると、
これにより制動力が解除されると同時に駆動力が発生
し、車両が発進することができる。
【0027】図2中FL,FR及びRL,RRはそれぞ
れ車両の左右前輪,左右後輪を示す。これらの各車輪は
それぞれ独立に、油圧により作動して各車輪を制動する
ブレーキ機構16〜19を備えている。尚、これらのブ
レーキ機構16〜19は、供給される油圧に応じた制動
力発揮するように構成されている。
【0028】また、左右前輪FL,FRには、ブレーキ
機構16〜19に実際に供給されている実ブレーキ圧を
検出する油圧センサ20,21が配設されている。そし
て、これらの油圧センサ20,21は、検出した油圧に
対応した信号を制御ECU10に供給している。
【0029】ところで、本実施例においては内燃機関に
供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブ22
の開度調整を電子制御で行っている。符号40はかかる
機構を実現すべく設けられた電子制御スロットルを示
す。電子制御スロットル40は、直流モータ(DC−M
OTOR)41を駆動源として備え、操作レバー15か
ら供給される加減速指示量に応じて制御ECU10から
出力されるスロットル開度信号に基づいて、スロットル
バルブ22の開度調整を行う。
【0030】つまり、スロットルバルブ22はアクセル
ペダル23の他にワイヤ24によっても駆動されるもの
である。ここでワイヤ24の端部は、直流モータ41の
回転が伝達される電磁クラッチ42と連動して回動する
軸43に連結されている。従って、電磁クラッチ42が
直流モータ41とつながっている場合、直流モータ41
が回動すればそれにつれてワイヤ24がスロットルバル
ブ22を開閉させ、スロットルバルブ22の開度が変動
することになる。
【0031】尚、電磁クラッチ42は制御ECU10か
ら供給される制御信号に従って動作し、直流モータ41
とスロットルバルブ22とを切り離し、又は連結する。
つまり、電磁クラッチ42が切れた状態では、もはや直
流モータ41の回転に従ってスロットルバルブ22が開
くことはない。
【0032】また、電子制御スロットル40には、図2
に示すように電磁クラッチ42の回転角に基づいてスロ
ットルバルブ22の実際の開度を検出する開度センサ4
4が組み込まれている。そして、この開度センサ44は
検出したスロットルバルブ22の実開度データを制御E
CU10に送信している。
【0033】図2において、符号50は、制御ECU1
0と共に前記した制動力制御手段8を実現する電子制御
ブレーキシステムを示す。この電子制御ブレーキシステ
ム50は、上記したように身体障害者用車両に搭載する
ことを前提として構成したものである。
【0034】ところで、身体障害者用の車両設計にあた
っては良好な操作性の確保が重要な課題の一つである。
中でも車両にブレーキをかける際の操作性は、安全性確
保の観点から最重要項目である。
【0035】そこで、本実施例においては僅かな操作力
で確実な制動力を確保するため、各車輪に配設されたブ
レーキ機構16〜19に供給される実ブレーキ圧を電気
的に制御し得る電子制御ブレーキシステム50を採用し
たものである。
【0036】図2において符号51は、電子制御ブレー
キシステム50の要部であるブレーキブースタ(制御用
B/B)を示す。この制御用B/B51は、同図に示す
ように負圧室51a,変圧室51b,マスタシリンダ5
1cで構成される。
【0037】負圧室51aはチェック弁52を介して図
示されない内燃機関の吸気管内スロットルバルブ下流に
連通し、内燃機関の運転中は常に吸気負圧(E/Gバキ
ューム)の供給を受ける。尚、チェック弁52は、負圧
室51a側から内燃機関側への流れだけを許容する一方
向弁である。このため、内燃機関の吸気負圧が大気圧付
近にまで昇圧した場合においても、負圧室51a内には
適当な負圧を保持しておくことが可能である。
【0038】一方、変圧室51bは2つの大気導入弁E
ACV1,2及びエアフィルタ53,54を介して大気
と通じていると共に、負圧導入弁EACV3及びチェッ
ク弁52を介して内燃機関の吸気管に連通している。従
って、変圧室51b内の圧力は、大気導入弁EACV
1,2を閉じて負圧導入弁EACV3を開とすれば負圧
室51aの内圧と等圧になり、またEACV1,2を開
けてEACV3を閉とすれば大気圧となる。
【0039】マスタシリンダ51cは、負圧室51aと
変圧室51bとに差圧が生じた場合に、その差圧に応じ
た油圧を各ブレーキ機構16〜19に供給するシリンダ
である。つまり、マスタシリンダ51c内には負圧室5
1aと変圧室51bとを分離するピストンが配設されて
おり、変圧室51b内に大気が導入された場合そのピス
トンには変圧室51bから負圧室51aへ向かう推力が
生ずる。
【0040】そして、その推力がピストンに連結されて
いるプッシュロッドを介して油圧に変換されて、各ブレ
ーキ機構16〜19に昇圧されたブレーキ圧として供給
される。一方、変圧室51b内が負圧に保持されている
場合、マスタシリンダ51c内のピストンには何らの力
も作用しない。このため各ブレーキ機構16〜19には
それらを駆動する程度に高圧のブレーキ圧は供給され
ず、各車輪に制動力が働くことはない。
【0041】ところで、本実施例においては、負圧室5
1aと変圧室51bとは負圧制御弁(VSV)55を介
して連通している。従って、例えば健常者モードが選択
された場合は、VSV55を開弁することにより負圧室
51aの内圧と変圧室51bの内圧とを常に等圧に保持
すれば、制御用B/B51によるブレーキ圧ブースト機
能が作動することがなく、仮に操作レバー15を誤操作
したとしてもそれによってブレーキブースト機能が作動
することはない。
【0042】符号25は、健常者用モードに対応して設
けられたブレーキペダルを示す。このブレーキペダル2
5の踏力はブレーキペダル25用のマスタシリンダ26
で油圧に変換され、電子制御ブレーキシステム50のハ
イセレクト装置56に供給される。ここで、ハイセレク
ト装置56は、2つのマスタシリンダ26及び51cか
ら供給される油圧のうち高い方を各ブレーキ機構16〜
19に伝達する装置である。
【0043】尚、本実施例のブレーキシステムには公知
のアンチロックブレーキシステム(ABS)が組み込ま
れており、ハイセレクト装置56から供給される油圧
は、ABS機構27を介して各ブレーキ機構16〜19
に供給される。
【0044】また、制御ECU10には、ブレーキ機構
16〜19が作動して車両が制動されているときに点灯
するストップランプ(STOPランプ)28、選択され
たモードが身体障害者モード(以下、フレンドマチック
(FM)モードと称す)であるか健常者モードであるか
を表示するモード表示ランプ29、及びセットスイッチ
14のオン・オフ状態を表示するセットランプ30が接
続され、制御ECU10の運転状態等が運転者等に判別
できる構成とされている。
【0045】更に、本実施例の制御ECU10には、前
記した車間距離検出手段1に相当する車間距離センサ6
0が接続されている。車間距離センサ60は、例えば波
動を発してから反射波を受信するまでの時間を計測して
車間距離を演算する公知のレーダ装置で構成することが
でき、制御ECU10に向けて前方物体と自車両との車
間距離データを供給するものである。
【0046】本実施例の自動車用運転装置は、FMモー
ドが選択されている場合において、運転者の操作負担を
軽減すべく、ブレーキ操作が行われた際にブレーキ機構
16〜19に供給されるブレーキ圧を適当に補正する点
に特徴を有している。以下、制御ECU10がかかる機
能を発揮すべく車間距離センサ60の検出結果に基づい
て実行する処理の内容について詳細に説明する。
【0047】図3は、制御ECU10が実行するメイン
ルーチンのフローチャートを示す。同図に示すように制
御ECU10は、そのメインルーチンが起動されると先
ずステップ100でモード切替スイッチ11がFMモー
ドにセットされているか否かを見る。健常者モードが選
択されている場合は、操作負担の軽減より運転フィーリ
ングを優先して、ブレーキペダル25,アクセルペダル
22の踏力に従って制動力,駆動力を発揮すべく制御E
CU10による補正を実行しないこととしたものであ
る。
【0048】このため、上記ステップ100でFMモー
ドではないと判別された場合は、ステップ200へ進ん
で制御用B/B51の減圧制御を行うべくEACV3,
VSV55を開弁し、続くステップ300で電磁クラッ
チ42の接続を断つ処理を行って今回のルーチンを終了
する。
【0049】この場合、制御ECU10の動作状態に関
わらず変圧室51bの内圧は常に負圧室51aの内圧と
等圧になり、以後制御用B/B51から高圧のブレーキ
圧が供給されることはなく、各ブレーキ機構16〜19
には常にブレーキペダル25の踏力に応じたブレーキ圧
が供給されることになる。また、スロットルバルブ22
についても制御ECU10の動作状態の影響を受けなく
なり、その開度は常にアクセルペダル23の踏み込み量
によって制御され、内燃機関からは常に運転者の操作状
況を反映した駆動力が出力されることになる。
【0050】一方、上記ステップ100においてFMモ
ードが選択されていると判別された場合は、ステップ4
00へ進んでモード表示ランプを点灯させると共に、電
磁クラッチ42を接続して電子制御スロットル40をス
タンバイ状態としてステップ500へ進む。
【0051】ステップ500は、車間距離センサ60の
検出結果に基づいて前方物体と自車両との車間距離を演
算するステップである。前記した車間距離検出手段1
は、制御ECU10が車間距離センサ60の検出結果に
基づいて本ステップを実行することによって実現される
ものである。
【0052】このようにして車間距離を演算したら、本
ルーチンの要部であるステップ600へ進む。ここで、
ステップ600は本実施例において前記した相対速度検
出手段7及び制動力制御手段8を実現すべく制御ECU
10が実行するステップである。
【0053】図4は、ステップ600の具体的内容を示
すブレーキ制御サブルーチンのフローチャートを示す。
同図に示すルーチンにおいては、先ずステップ602で
ブレーキ圧に対して運転者から指示が出されているか、
すなわち操作レバー15からブレーキ圧に関する指令が
発せられているかを判別する。操作レバー15がニュー
トラル領域、または加速領域に位置している場合は制動
力を発揮すべきではなく、本ルーチンにおいて何らの処
理も行う必要がないからである。
【0054】従って、上記ステップ602において操作
レバー15からブレーキ圧に関する指令が発せられてい
ないと判別した場合は、後述の処理を実行した際にブレ
ーキ圧が発生しないように、ステップ604へ進んで目
標ブレーキ圧を表す変数TBPLに“0”を設定する。
【0055】一方、ブレーキ圧に関する要求がなされて
いる場合は、ステップ606へ進んで前方物体との相対
速度DDSTを求める。ここで、相対速度DDSTは、
メインルーチン中のステップ500において演算した車
間距離DSTに基づいて演算する。
【0056】すなわち、上記ステップ500は、所定時
間毎に実行されるステップであり、前回の車間距離デー
タDST(t-1) の計測時から最新の車間距離データDS
(t ) の計測時までの時間は常に一定となる。従って、
その間に生じた車間距離の変位量DST(t-1) −DST
(t) は、前方物体に対する相対速度を代用表示すること
になる。
【0057】そこで、本ルーチンにおいては、ステップ
606においてDST(t-1) −DST(t) なる演算を施
し、その結果を最新の相対速度データDDST(t) とし
て記憶することとしている。尚、ステップ606では、
かかる演算を終えたら、次回の処理のためDST(t-1)
をDST(t) に更新する処理を行う。
【0058】このようにして相対距離DDST(t) を求
めたら、ステップ608へ進んで目標ブレーキ圧を表す
変数TBPLに操作レバー15の指示値f(レバー)を
代入し、次いでステップ610でDDST(t) と所定の
判定値KDDSTとの比較を行う。
【0059】ここでKDDSTは、DDST(t) >KD
DSTが成立する場合は車両が前方車両に急接近してい
るとして判断すべき値に設定している。従って、運転者
のブレーキ操作時にDDST(t) >KDDSTが成立す
る場合は、比較的大きな制動力で車両を制動すべきであ
り、一方、この条件が成立しない場合は、さほど大きな
制動力は必要でないと判断することができる。
【0060】そこで、本ルーチンにおいては、上記ステ
ップ610において条件成立と判別された場合は、ステ
ップ612へ進んで操作レバー15の指示値TBPLに
補正係数KDD(>1.0)を乗算して最終的な目標ブレ
ーキ圧TBPLとし、またステップ610の条件が成立
しない場合は、操作レバー15の指示値をそのまま最終
的な目標ブレーキ圧TBPLとして設定することとし
た。
【0061】このため、以後かかるTBPLに基づいて
設定したブレーキ圧をブレーキ機構16〜19に供給す
ることとすれば、車両が前方物体に急接近している場合
には大きな制動力が、また前方物体との関係が何ら問題
とならない緩接近時等は運転者の維持を適切に反映した
制動力が発揮されることなり、運転者にとっての操作負
担を軽減しつつ高い安全性と良好な運転フィーリングと
が両立されることになる。
【0062】また、上記したように本ルーチンにおいて
は、前方物体に対する相対速度が所定値を越えているか
否かのみを基準としてブレーキ圧を昇圧補正すべきか否
かを判断すると共に、補正処理としては補正係数KDD
乗算するだけであり、その処理内容が簡単である。
【0063】このため従来の装置の如く、先ず相対速度
を基に安全距離を求め、この安全距離に基づいて達成す
べき目標減速度を求め、更にこの目標減速度を達成すべ
くブレーキ圧を補正するものに比べて、簡易な構成で実
現することができコスト面で有利であると共に、演算処
理が短時間で実行できるため応答性の面でも優れた特性
を確保し得るという効果を有している。
【0064】尚、本ルーチンにおいては、上述の如く相
対速度DDSTが所定の判定値KDDSTを越えている
場合に、定数KDDを乗算してブレーキ圧を補正する構成
を採用しているが、車両と前方物体とが接近する方向に
相対速度DDSTが検出された場合においてその相対速
度に応じた昇圧補正を施す構成であればよい。
【0065】つまり、本ルーチンが採用した構成の他、
例えば図5に示すように補正係数K DDを予め相対速度D
DSTの関数として設定しておき、接近方向の相対速度
が検出されている場合には、相対速度が大きいほど補正
係数KDDを大きく設定し、より大きなブレーキ圧を確保
する構成としてもよい。この場合、衝突の可能性が大き
いほど大きな制動力が発揮されることとなり、本ルーチ
ンに示す処理を実行する場合に比べて更に実情に適合し
た処理を実現することが可能となる。
【0066】図4中ステップ614以降の処理は、上述
の如く設定した目標ブレーキ圧TBPLに基づいて電子
制御ブレーキシステム50を制御して、ブレーキ機構1
6〜19に適切なブレーキ圧を供給すべく制御ECUが
実行する公知の処理である。以下、その具体的内容につ
いて説明する。
【0067】ところで、本実施例の自動車用運転装置
は、上記したように制御用ブレーキブースタ51の負圧
室51aの内圧と変圧室51bの内圧との差圧を利用し
て、ブレーキ機構16〜19に供給される油圧を昇圧し
ている。従って、負圧室51aと変圧室51bとの差圧
が大きいほど、ブレーキ機構16〜19に供給される実
ブレーキ圧は大きくなる。
【0068】一方、変圧室51bと大気及び吸気管との
導通を制御するEACV1〜3は、制御ECU10から
供給される流量指示信号に従って、導通部の開口面積を
変化させる制御弁である。このため、導通面積が同一で
も変圧室51bに蓄えられている負圧、すなわち吸気負
圧が大きい場合と小さい場合とでは、大気導入弁EAC
V1,2を開弁した際に導入される空気量に差異が生ず
る。
【0069】同様に、変圧室51b内に大気が導入され
ている状態で負圧供給弁EACV3を開弁する場合は、
吸気負圧の大小により変圧室51bから吸気管へ流出す
る空気量に差異が生ずることになる。
【0070】つまり、運転者による操作レバー15の操
作感覚と、各ブレーキ機構16〜19が発揮する制動
力、すなわちマスタシリンダ51cから供給される実ブ
レーキ圧とを一致させるためには、EACV1〜3を開
弁した際に変圧室51bに導入する空気量、または変圧
室51bから流出する空気量を内燃機関の吸気負圧の大
小にかかわらずに制御できる構成とする必要がある。
【0071】そこで、本実施例においては、内燃機関の
吸気管内に発生している吸気負圧を検出し、検出した吸
気負圧の大きさに基づいてEACV1〜3の開弁時にお
ける開口面積を補正することとしている。
【0072】ステップ614において回転数センサ4の
出力信号から機関回転数NEを検出し、またステップ6
16でスロットル開度センサ24の出力信号に基づいて
実際のスロットル開度THRを検出しているのは、かか
る処理を実現するためである。
【0073】すなわち、内燃機関の吸気負圧 E/GBは機
関回転数NE及びスロットル開度THRの関数として把
握することができ、NEが大きい程、またTHRが小さ
いほど低圧となることが知られている。このため、本実
施例においては図6に示すようなマップを予め制御EC
U10に格納しておき、上述の如くNE及びTHRを検
出したら、その後ステップ618へ進みNE及びTHR
でマップを検索して内燃機関の吸気負圧 E/GBを求めて
いる。
【0074】ところで、車両にブレーキをかける場合、
車両速度が低速であるほどブレーキが効くことによるシ
ョックが大きく感じられる。また、一般に低速走行中に
おいては、強い制動力が要求されることよりも制動力の
微妙な調整が要求される場合が多い。従って、本実施例
のシステムにおいて運転者の操作感覚と車両の制動感覚
とを対応させるためには、車速に応じた補正も行う必要
がある。
【0075】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ618において内燃機関の吸気負圧 E/GBを推定した
ら、車速に対する補正を行うべくステップ620へ進
み、車速センサ12の出力信号に基づいて車速VW の算
出を行う。そして、このようにして吸気負圧 E/GB及び
車速VW の推定を終えたら、次にその E/GB及びVW
基づいて、変圧室51bに所定の空気量を導入するため
の補正ゲインGB 及びG VWを求める。
【0076】つまり、大気導入弁EACV1,2を開弁
して変圧室51bに大気を導入する場合に変圧室51b
内に導入される空気の量は、EACV1,2の開口面積
と、EACV1,2開弁前における変圧室51b内の圧
力、すなわち内燃機関の吸気負圧 E/GBとの関数であ
り、EACV1,2の開口面積が大きい程、また吸気負
圧 E/GBが低圧である程多量の空気が導入されることに
なる。
【0077】従って、吸気負圧 E/GBの大小にかかわら
ず変圧室51b内に所定量の空気を導入するためには、
吸気負圧 E/GBが大きいほどEACV1,2の開口面積
を小さく補正する必要がある。そこで、本実施例におい
ては、図7に示す如きマップを設定して予め制御ECU
10に格納し、ステップ622においてこのマップを上
記ステップ618で推定した吸気負圧 E/GBで検索する
ことにより補正ゲインGB を算出している。
【0078】また、車速VW と制動力との関係について
は、上記したように車速VW が遅い程制御用B/Bのブ
ースト力を低く抑える必要がある。つまり高速走行時に
は変圧室51bに多量の空気を導入し、低速走行時には
変圧室51bに導入する空気を少量とする必要が生じ
る。そこで、本実施例においては図8に示すような車速
W と補正ゲインGVWとの関係を予め設定しておき、ス
テップ624においてこのマップを車速VW で検索する
ことにより補正ゲインGVWを求めている。
【0079】ステップ626では、上記ステップ602
〜612の処理を実行することで設定した目標ブレーキ
圧TBPLと、油圧センサ20,21で検出された実ブ
レーキ圧との差ΔBPを検出している。ここで、ΔBP
の符号が正となるのは、目標ブレーキ圧TBPLに対し
て現実のブレーキ圧BPRが低圧の場合、即ちより強い
制動力が要求されている場合である。またΔBPの符号
が正とならないのは、目標ブレーキ圧TBPLが現実の
ブレーキ圧BPRより低圧または等圧の場合、即ち制動
力の低下が要求されている場合である。
【0080】ところで、ブレーキ機構16〜19に供給
されている実ブレーキ圧BPRは上記したように負圧室
51aと減圧室51bとの間に発生している差圧に応じ
た圧力を示す。従って、実ブレーキ圧BPRが大きいほ
ど負圧室51aと変圧室51bとの差圧が大きく、すな
わち変圧室51b内の圧力が大気圧に近くなっているは
ずである。
【0081】一方、大気導入弁EACV1,2を開弁し
た際に変圧室51b内に導入される単位時間当たりの空
気量は、変圧室51b内の圧力が大気圧に近いほど少量
となる。他方、負圧導入弁EACV3を開弁して変圧室
51b内に吸気負圧を供給した場合に変圧室51bから
流出する空気量は、変圧室51b内の圧力が大気圧に近
いほど、すなわち実ブレーキ圧BPRが大きいほど多量
となる。
【0082】従って、運転者の操作感覚に実際の制動力
の変化を対応させるためには、各瞬間における実ブレー
キ圧BPRに対しても補正を行う必要がある。つまり、
運転者が制動力を強めようとしている場合には、その時
点における実ブレーキ圧BPRが大きいほど開弁時にお
けるEACV1,2の開口面積を大きく補正し、また運
転者が制動力を弱めようとしている場合には、実ブレー
キ圧BPRが大きいほど開弁時におけるEACV3の開
口面積を小さく補正する必要が生じる。
【0083】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ626においてΔBPを検出したら、ステップ628
ではその値が正の値であるか否かを判別する。そして、
ΔBP>0であればステップ630へ進んで実ブレーキ
圧BPRを増圧するための補正ゲインGBPU を算出し、
またΔBP≦0であれば運転者は制動力を弱める意思を
持っていると判断して、ステップ632へ進んで実ブレ
ーキ圧BPRを減圧するための補正ゲインGBPD を算出
することとしている。
【0084】尚、本実施例においては、それぞれの補正
ゲインGBPU ,GBPD が上記したように実ブレーキ圧B
PRの関数として定まる値であることに着目して、予め
制御ECU10に図9(A),(B)に示すGBPU 又は
BPD とBPRとの関係を表すマップを格納しておき、
これを実ブレーキ圧BPRで検索してGBPU 及びGBP D
を求めることとしている。
【0085】このようにして内燃機関の吸気負圧に対す
る補正ゲインGB ,車速に対する補正ゲインGVW,実ブ
レーキ圧BPRに対する補正ゲインGBPU 又はGBPD
算出したら、ステップ634へ進んでこれらの補正ゲイ
ンを積算して総合補正ゲインGBRK を求める。尚、この
場合において上記ステップ628でΔBP>0であると
判別されていれば、総合補正ゲインGBRK =GB *GVW
*GBPU となり、またΔBP≦0であると判別されてい
れば、総合補正ゲインGBRK =GB *GVW*G BPD とな
る。
【0086】次のステップ636及び638では総合補
正ゲインGBRK を用いてEACV1〜3に所望の空気量
を流通させるために確保すべきEACV1〜3の開口面
積TAF1〜3を算出する。ここで、TAF1=TAF
2=TAF/2であるのに対してTAF3=TAFであ
るのは、変圧室51bへの大気の導入は大気導入弁EA
CV1,2から同時に行われるのに対して、吸気負圧は
負圧導入弁EACV3からのみ行われるからである。
【0087】尚、運転者の操作感覚と一致した制動力を
実現するため、EACV1〜3の開口面積TAF1〜3
の基礎とされるTAFについては、運転者による要求ブ
レーキ圧TBPRと実ブレーキ圧BPRとの差、すなわ
ち上記ステップ626で算出したΔBPと、総合補正ゲ
インGBRK とを積算することで求めている(ステップ6
36)。
【0088】また、大気導入弁EACV1,2及び負圧
導入弁3は、図10の特性図に示すように、供給された
流量制御信号の電流Iに応じた開口面積TAFで開弁す
る特性を有している。従って、上記ステップ638にお
いて、各導入弁EACV1〜3それぞれの開口面積が算
出されたら、ステップ640へ進みその開口面積TAF
1〜3を実現するために供給すべき電流値I1 〜I3
算出する。
【0089】そして、ステップ642において、目標ブ
レーキ圧TBPLを基準として例えば制動力を強めたい
場合は大気導入弁EACV1,2それぞれに対して電流
1,I2 を供給し、また、制動力を弱めたい場合には
負圧導入弁EACV3に対して電流I3 を供給して今回
の処理を終了する。
【0090】このように、本実施例の制動装置を備える
車両においては、操作レバー15の指示値が相対速度D
DSTに基づいて補正されて高い安全正が担保されると
共に、設定された目標ブレーキ圧TBPLが各ブレーキ
機構16〜19で適切に実現されるべく種々の配慮がな
されており、高度な運転技術を必要とすることなく安全
かつ円滑に車両を停車状態に導くことが可能である。
【0091】尚、図2に示す自動車用運転装置は、上記
したように本発明の一実施例である制動装置に加えて電
子制御スロットル40による駆動装置をも備えるもので
ある。このため、制御ECU10はメインルーチン中ス
テップ600に示すブレーキ制御を上述の如く実行した
ら、次にステップ700に示すスロットル制御を実行し
て今回のルーチンを終了する。
【0092】図11は、制御ECU10が操作レバー1
5を介して行われる指示に従って電子制御スロットル4
0を動作させるために実行するスロットル制御ルーチン
のフローチャートを示す。以下、同図に沿って本実施例
におけるスロットル制御の処理内容について説明する。
【0093】本実施例においては、スロットルバルブ2
2の実開度を検出する開度センサ44を用いてフィード
バック系を構成し、比例積分微分制御(PID制御)に
より直流モータ41を駆動する構成を採用している。
【0094】すなわち、図11に示すスロットル制御ル
ーチンが起動すると、先ずステップ702において操作
レバー15によるスロットル開度指示量TTHLを検出
する。尚、操作レバー15が減速領域、またはニュート
ラル領域に位置している場合は、開度指示量TTHL=
“0”として扱う。
【0095】TTHLの検出を終えたら、ステップ70
4へ進んで開度センサ44が検出する実スロットル開度
THRを読み込むと共に、指示量に対するスロットル開
度の偏差を、TTH(t) =TTHL−THRなる演算式
に従って算出する。
【0096】ステップ706は、直流モータ41に供給
する開度指示信号のうち、微分制御成分の基礎値を求め
るステップであり、今回のスロットル偏差TTH(t)
前回処理時におけるスロットル偏差TTH(t-1) との差
をとることによりスロットル偏差の微分量ΔTTHを算
出する。
【0097】また、ステップ708は、直流モータ41
に供給する開度指示信号のうち積分制御成分を算出する
基礎値を求めるステップであり、前回までのスロットル
偏差の積分値に今回のスロットル偏差TTH(t) を加算
して、ΔTTHの積分量∫ΔTTHを算出する。
【0098】このように開度指示信号の微分制御成分、
及び積分制御成分を求めたら、ステップ710へ進んで
予め実験的に設定しておいた比例ゲインGP ,積分ゲイ
ンG I ,微分ゲインGD を用いて次式のように基本制御
量TTHIを算出する。
【0099】TTHI=GP ・TTH(t) +GI ・∫T
TH(t) +GD ・ΔTTH そして、基本制御量TTHIを算出し終えたら、ステッ
プ712へ進んでバッテリ電圧VB の変動に対する補正
を行う。車両に搭載されるバッテリの電圧は、車両の運
転状態等により大幅に変動する反面、スロットルバルブ
22の開度は精度良く制御する必要があるからである。
尚、本実施例装置の制御ECU10は、バッテリ電圧V
B に対する補正係数KVBを予めマップとして備えており
(図12参照)、このマップをバッテリ電圧VB で参照
するこにより要求される補正係数KVBを算出する。
【0100】そして、上記ステップ710において算出
した基本制御量TTHIと、この補正係数KVBとを乗算
することにより実制御量を算出し、その値を最終的な開
度指示量TTHIとして記憶する(ステップ714)。
【0101】以後、ステップ716においてTTHIに
相当するデューティ比を算出し、ステップ718でその
デューティ比の駆動信号を直流モータ41へ向けて出力
して今回の処理を終了する。
【0102】このように、本実施例の装置においては、
操作レバー15が加速領域に操作されている場合には、
その指示値に従ってPID制御による高精度なスロット
ル制御が実行され、運転者の操作感覚を適切に反映した
走行状態が実現されることになる。
【0103】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、相対速度
のみを基準としてブレーキ圧の昇圧補正を行うことか
ら、その処理が簡単であって簡易な構成で容易に実現す
ることができる。そして、演算処理に要する時間が短く
て足りることから、ハードウェア上、またはソフトウェ
ア上で応答性確保のための特別な配慮を必要とせず、良
好な応答性と低コストとを両立することができる。
【0104】また、所定の安全距離が確保されていない
場合に限って減速度を補正する従来の装置と異なり、車
両が前方物体に急接近する場合には常にブレーキ圧が適
切に昇圧補正されることから、運転者の操作負担が軽減
されて例えば身体障害者等が運転する場合に、特に有効
に車両の安全性を確保することができる。
【0105】一方、車両が前方物体から離間している場
合等、前方物体との衝突の可能性が少ない場合は、ブレ
ーキ圧の補正が行われず、または昇圧幅の小さい補正が
行われるに過ぎないため、運転車の運転フィーリングに
あった制動処理を実現することができるという特長をも
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の制動装置の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である車両の制動装置を備え
る自動車用運転装置の全体構成図である。
【図3】制御ECUが実行するメインルーチンの一例の
フローチャートである。
【図4】制御ECUが実行するブレーキ制御サブルーチ
ンの一例のフローチャートである。
【図5】ブレーキ圧補正係数KDDを相対速度DDSTの
関数として設定した場合のマップである。
【図6】内燃機関のスロットル開度THR及び機関回転
数NEと吸気負圧 E/GBとの関係を表す特性図である。
【図7】ブレーキ制御サブルーチン中で補正ゲインGB
を求めるためのマップである。
【図8】ブレーキ制御サブルーチン中で補正ゲインGVW
を求めるためのマップである。
【図9】ブレーキ制御サブルーチン中で増圧時補正ゲイ
ンGBPU 及び減圧時補正ゲインGBPD を求めるためのマ
ップである。
【図10】大気導入弁及び負圧導入弁の開弁時における
開口面積TAFと流量指示信号の電流Iとの関係を表す
特性図である。
【図11】制御ECUが実行するスロットル制御サブル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図12】スロットル制御サブルーチン中でバッテリ補
正係数KVBを求めるためのマップである。
【符号の説明】
1 車間距離検出手段 2 ブレーキ操作手段 3〜6 ブレーキ機構 7 相対速度検出手段 8 制動力制御手段 10 制御ECU 11 モード切替えスイッチ 14 セットスイッチ 15 操作レバー 16〜19 ブレーキ機構 20,21 油圧センサ 22 スロットルバルブ 23 アクセルペダル 25 ブレーキペダル 40 電子制御スロットル 50 電子制御ブレーキシステム 51 制御用ブレーキブースタ 51a 負圧室 51b 変圧室 51c マスタシリンダ EACV1,2 大気導入弁 EACV3 負圧導入弁 60 車間距離センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方物体と自車両との間の距離を検出す
    る車間距離検出手段を備え、ブレーキ操作手段を介して
    運転者が車両のブレーキ機構を操作する際に、運転者の
    操作に基づくブレーキ圧を前記車間距離検出手段の検出
    結果に基づいて補正して前記ブレーキ機構に供給する車
    両の制動装置であって、 前記車間距離検出手段の検出結果に基づいて前走車に対
    する相対速度を演算する相対速度検出手段と、 運転者によるブレーキ操作時において、前記相対速度検
    出手段により接近方向の相対速度が演算されている場合
    には、相対速度に応じて運転者の操作に基づくブレーキ
    圧を補正する制動力制御手段とを備えることを特徴とす
    る車両の制動装置。
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