JPH06177525A - 電子部品の接合方法 - Google Patents

電子部品の接合方法

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JPH06177525A
JPH06177525A JP32298092A JP32298092A JPH06177525A JP H06177525 A JPH06177525 A JP H06177525A JP 32298092 A JP32298092 A JP 32298092A JP 32298092 A JP32298092 A JP 32298092A JP H06177525 A JPH06177525 A JP H06177525A
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solder
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metal
external electrode
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博之 内山
Koichi Kumagai
浩一 熊谷
Koichi Tsurumi
浩一 鶴見
Haruto Nagata
治人 永田
Akio Furusawa
彰男 古澤
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  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品本体に端面状に構成されている外部電極
を有する表面実装型チップ状の電子部品と、プリント回
路基板の金属電極とを、金属を主成分とする接合材料を
用いて接合する方法において、電子部品の外部電極外層
の材質の液相線温度が接合材料の液相線温度よりも低い
ことを特徴とする電子部品の接合方法をとることによ
り、ツームストーンの発生を抑止することを目的とす
る。 【構成】 電子部品の外部電極は内層3,中間層4,外
層5からなり、外部電極外層の金属材料は接合材料より
も液相線温度の低い金属で構成されている。従って、接
合時に接合材料が融解するより先に外層の金属が融解す
ることにより液−液界面が形成され界面張力が減少し、
ツームストーン発生モーメントが小さくなるのでツーム
ストーンが抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント回路基板上に搭
載される電子部品の実装方法に関するものであり、特に
チップ型積層セラミックコンデンサのはんだ接合に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品とプリント回路基板との
接合技術は従来のリード付き電子部品の挿入および浸漬
はんだ付け技術からチップ型電子部品のプリント回路基
板上への装着とはんだペーストによりリフローはんだ付
け技術へと進歩し、プリント回路基板への電子部品の高
密度実装化へのはずみが一段と加速されている。また、
製品の軽薄短小化に対して重要な要素技術としてはんだ
付け技術だけでなくチップ型部品の技術改良も相次いで
行われている。中でもチップ型積層サラミックコンデン
サに関しては特性,寸法,品質等の改良技術に一段と注
目が集まっている。
【0003】まず、図2を参照しながら従来のチップ型
積層セラミックコンデンサの構造について説明する。
【0004】従来のチップ型積層セラミックコンデンサ
は、誘電体としてセラミック誘電体2を使用し、このセ
ラミック誘電体2に内部電極1として例えばPd等のペ
ーストを印刷し、多層に積層した構造からなる。積層す
る枚数や寸法は所定の電気容量や特性に応じて決定す
る。
【0005】外部電極は内層3,中間層4,外層5の3
層構造となっており、内層3には一般的にAg−Pd合
金が用いられ、中間層4にはNiが用いられる。さらに
外層5にはSnもしくは90wt%Sn−10wt%P
bのはんだがめっきされ、外部電極が構成される。
【0006】次に、チップ型積層セラミックコンデンサ
の製造方法を図3を参照しながら説明する。まず、セラ
ミックペーストとして、例えばBaTiO3を主成分と
する各種の金属酸化物の誘電体セラミック材料と、ポリ
ビニルブチラール等の樹脂バインダと、1,1,1−ト
リクロロエタン等の溶剤と、ジブチルフタレート等の添
加剤を加えて混合する(ステップ101)。このように
して混合したセラミックシートをフィルム上に塗布,乾
燥し、シート状に加工する(ステップ102)。このよ
うに加工されたシートをグリーンシートと呼ぶ。
【0007】次いで、このグリーンシートの上に内部電
極を印刷する(ステップ103)。この内部電極には、
例えばPdが使用され、グリーンシート上にシルクスク
リーン法等の厚膜形成技術を用いて短冊状に印刷され
る。
【0008】内部電極を印刷したグリーンシートは、そ
の内部電極印刷位置が長辺方向にずれるようにして数枚
〜数十枚交互に積層した後、圧着する(ステップ10
4)。
【0009】次に、このように積層圧着したものをチッ
プ状に加工するために、所定の寸法に切断する(ステッ
プ105)。このようにして切断されたチップ状のもの
を焼成炉にいれて焼結させる。この焼成はまず250〜
500℃の温度で20〜50時間行い、バインダを除去
する。次に1100〜1400℃で焼成する(ステップ
106)。このようにして焼成された焼結体は内部電極
がセラミック装置に覆われているので内部電極を露出さ
せるために研磨を行う(ステップ107)。次いで、外
部電極内層としてAg−Pd合金のペーストを内部電極
の両端の露出部に塗布し、乾燥後焼き付けを行う(ステ
ップ108)。次に、外部電極中間層としてNiをめっ
きする(ステップ109)。最後に、外部電極の外層と
してSnもしくは90wt%Sn−10wt%Pbのは
んだをめっきする(ステップ110)。ここでSnの融
点は約232℃、90wt%Sn−10wt%Pbのは
んだの液相線温度は約216℃である。ただし、90w
t%Sn−10wt%Pbのはんだの外部電極外層への
めっきに関しては、現在の量産技術からPbの含有量は
5wt%〜30wt%の間でばらついている。この場
合、70wt%Sn−30wt%Pbの液相線温度は約
191℃、95wt%Sn−5wt%Pbの液相線温度
は約225℃である。
【0010】次にプリント回路基板上にチップ型積層セ
ラミックコンデンサをはんだ付けする一般的な方法につ
いて説明する。
【0011】まず最初に、はんだ粉末と、ロジンと溶剤
を主成分とするフラックスとを混合して印刷用のペース
ト状にし、このはんだペーストをシルクスクリーン印刷
によりプリント回路基板上の所定の位置に塗布する。は
んだペースト中のはんだ粉末の組成としては一般的に約
183℃の融点を有する63wt%Sn−37wt%P
bの合金が使用される。
【0012】次に塗布されたはんだペースト上にチップ
型積層セラミックコンデンサを位置決めの後配置する。
これには通常、電子部品実装機が使用される。
【0013】次いで、プリント回路基板は酸化雰囲気
(通常空気)中ないしは不活性ガス(通常窒素)中ない
しは還元性ガス(通常水素と窒素の混合雰囲気)中にて
2段階に加熱される。まず、第1段階では約150℃程
度まで昇温され、はんだペースト中に含まれるフラック
ス成分の活性化および溶剤の蒸発が行われる。この段階
はフラックス成分の活性化を主たる目的としているた
め、はんだが融解することは通常ないといえる。一般に
この段階はプリヒートと呼ばれる。
【0014】次に第2段階としてプリント回路基板は2
20℃〜230℃程度まで昇温される。この段階は実際
にはんだ付けを行なうことが目的であり、使用されるは
んだの液相線温度より約20〜60℃ほど高い温度まで
加熱される。ここではんだは融解し、プリント回路基板
上に搭載された電子部品の電極とプリント回路基板上の
金属電極とがはんだで接合される。次いで、プリント回
路基板は室温まで冷却され、はんだが固化しはんだ付け
が完了する。
【0015】このように従来のチップ型積層セラミック
コンデンサは外部電極外層にSnもしくは90wt%S
n−10wt%Pbを有し、接合材料であるはんだペー
ストには63wt%Sn−37wt%Pbのはんだ合金
を金属成分とし、外部電極外層の材質は、常に接合に使
用するはんだペースト中の金属成分の液相線温度より高
い構成となっており、はんだ付け時の融解順序ははんだ
ペースト,外部電極外層の順である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来技術では、チップ部品が立つツームストーンと
いう不良が発生するという問題点を有していた。特に不
活性ガスもしくは還元性ガス中でリフローした場合、大
気中でリフローした場合よりもツームストーン発生率が
大きくなるという問題点を有していた。
【0017】さらに、加熱むらやプリント回路基板,電
子部品の熱容量による温度上昇むら,塗布されたはんだ
ペースト量の差等によりプリント回路基板上で電子部品
の金属電極間に物理的な力の不均衡が生じることがあ
り、ツームストーン発生の原因になる。
【0018】以下に図4を参照しながら、ツームストー
ンについて説明する。プリント回路基板6上に塗布され
たはんだペースト8ははんだ付け時に融解して溶融はん
だ9となり、電子部品10の外部電極外層表面11を濡
れ上がっていくが、このとき溶融はんだ9と外部電極外
層表面11の固液界面で界面張力14より、ツームスト
ーン発生モーメント12を生じる。一方電子部品10の
プリント回路基板側では溶融はんだ9と外部電極外層表
面11との界面張力15とはんだペースト中のフラック
スの固形分による粘着力16および電子部品の重量によ
る重力17により下向きの力が発生し、ツームストーン
抑止モーメント13を生じる。ツームストーン発生モー
メント12がツームストーン抑止モーメント13より大
きくなると片側の外部電極を下にして電子部品が立ち上
がる現象が起こる。これをツームストーンと呼ぶ。
【0019】近年、電子部品は微小化しており、特に部
品の実装をより高密度化するため、1005チップ部品
と呼ばれる長さ1.0mm,幅0.5mm,厚さ0.5mmの
寸法の微小チップ部品の使用が増大している。従って、
電子部品自体の重量も小さくなっているため粘着力1
6,重力17は小さくなりツームストーンがさらに発生
しやすくなっている。そのため、ツームストーンの発生
が多くなるという問題点を有している。
【0020】さらに、近年フロンによる環境破壊問題が
叫ばれ、プリント回路基板のフロン洗浄を廃止するため
に無洗浄化対策が行われており、低残渣はんだペースト
が使用されている。残渣とははんだ付け後にプリント回
路基板上に残留するはんだペースト中の固形フラックス
成分であり、低残渣はんだペーストではフラックス中の
固形分を減らすことにより残渣を少なくしたものであ
る。これに、はんだ付け自体も窒素雰囲気中で行なう窒
素リフローを使用することにより無洗浄化を実現してい
る。はんだペースト中のフラックスの役割はプリント回
路基板が加熱されることによりプリント回路基板上の金
属電極および、はんだペースト中のはんだ粉末が酸化し
てはんだの濡れ性が悪化することを防ぐことにある。そ
こで、金属電極および、はんだ粉末酸化の原因となる酸
素をはんだ付け時に減らすのが窒素リフローである。こ
の窒素リフローでは酸化が抑制されるため、はんだの濡
れ性が向上し、プリント回路基板の実装品質も向上す
る。
【0021】しかしながら、低残渣はんだペーストを使
用した場合、フラックス中の固形分が少ないために粘着
力16が小さくなりツームストーン抑止モーメント13
が小さくなるのでツームストーンが発生しやすいという
問題もある。
【0022】さらに、窒素リフローにより、はんだ付け
を行った場合、プリント回路基板の金属電極および、は
んだペースト中のはんだ粉末の酸化が抑制されるため、
はんだ濡れ性が向上し、外部電極外層表面11を溶融は
んだ9が濡れ上がりやすく、ツームストーン発生モーメ
ント12が大きくなる。従って、窒素リフローによるは
んだ付けではツームストーン発生が増大するという問題
もある。
【0023】通常、残渣となるフラックス固形分を60
wt%含むはんだペーストを使用し、空気中でリフロー
によりはんだ付けを行った場合、1005チップ部品で
ツームストーン発生率は実装部品点数あたり0.1〜
0.9%であり、低残渣はんだペーストを使用し、窒素
リフローによりはんだ付けを行った場合、1005チッ
プ部品でツームストーン発生率は実装部品点数あたり
0.1〜2.0%になる。通常プリント回路基板1枚中
の1005チップ部品の実装点数を100点と仮定する
と、ほとんどすべてのプリント回路基板にツームストー
ン不良が発生することとなる。
【0024】発生したツームストーンはそのままでは製
品として使用できないので、ツームストーンが発生した
プリント回路基板は廃棄するか、ひとつずつ修正してい
かなければならない。また、ツームストーンが発生して
いるかどうかはんだ付け後のプリント回路基板を全数検
査しなければならない。このために、ツームストーンが
大量に発生すると製品ができるまでの時間とコストが増
大するという問題もある。
【0025】本発明は上記問題点に鑑み、ツームストー
ンの発生を抑止できる表面実装型チップ状の電子部品の
接合方法を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の電子部品の接合方法は、部品本体に端面状
に構成されている外部電極を有する表面実装型チップ状
の電子部品と、プリント回路基板の金属電極とを、金属
を主成分とする接合材料を用いて接合する方法におい
て、電子部品の外部電極外層の材質の液相線温度が接合
材料の液相線温度以下であることを特徴とし、さらには
接合材料の主成分である金属がSn−Pb−Ag系であ
り、Ag:0〜4wt%の合金であるとき、その接合材
料で接合される電子部品の外部電極外層の材質は、Sn
−Pb−Ag系でAg:0〜4wt%の合金、もしくは
Sn−Pb−Bi系でBi:0〜30wt%のいずれか
1種の合金で構成されており、かつ外部電極外層の材質
の液相線温度が接合材料の液相線温度以下であることを
特徴とし、さらには、接合材料の主成分である金属が、
Sn−Pb−Bi系でBi:0〜30wt%の合金であ
るとき、その接合材料で接合される電子部品の外部電極
外層の材質は、Sn−Pb−Ag系でAg:0〜4wt
%の合金、もしくは、Sn−Pb−Bi系でBi:0〜
30wt%の合金のいずれか1種の合金で構成されてお
り、かつ外部電極外層の材質の液相線温度が接合材料の
液相線温度以下であることを特徴とする。
【0027】
【作用】次に本発明の電子部品の接合方法における作用
を説明する。
【0028】以下に本発明による接合方法におけるチッ
プ型積層セラミックコンデンサの外部電極外層とはんだ
ペーストの状態について説明し、ツームストーン抑止メ
カニズムについて説明する。
【0029】まず、図5aのように、電子部品10がプ
リント回路基板6上に塗布されたはんだペースト8上に
配置される。次に加熱炉内に搬入され、プリント回路基
板6が加熱される。このとき、まず、図5bに示される
ように、外部電極外層11の金属が融解を始め、電子部
品10の外径が変化する。次に、図5cのように、はん
だペースト8が融解を始める。このとき電子部品10で
は外部電極外層11が溶融状態になっているため、溶融
したはんだが固体電極上を吸い上がるのではなく、溶融
金属中に図5c中18の方向に拡散していくことにな
る。このため固液界面ではなく液−液界面となり界面張
力は固液界面に比べて小さくなり、ツームストーン発生
モーメントが小さくなり、ツームストーンの発生が抑止
される。
【0030】本発明によるツームストーン抑止の考え方
は、はんだ付け時に接合材料が融解するよりさきに電子
部品の外部電極外層が融解し、接合時には液−液界面を
生成することでツームストーン発生モーメントを小さく
することである。従って、この状態は使用するはんだペ
ーストよりも液相線温度の低い金属を電子部品の外部電
極外層に使用することにより実現できる。
【0031】次に請求項1の作用を満足する電子部品の
外部電極外層材質とはんだペースト中の金属成分の具体
的な関係と構成を説明する。
【0032】まず第1に電子部品,プリント回路基板の
耐熱性から液相線温度の上限が限定される。一般的に使
用されるプリント回路基板の材質はガラスエポキシ樹脂
もしくはガラスポリイミド樹脂である。また、電子部品
のパッケージにはPET,PPS等の樹脂が使用されて
いる。これらの材質を考慮すると実質的な加熱限界は約
350℃であり、その場合使用される外部電極外層材質
としては加熱限界値より約30℃低い約320℃が液相
線温度の最高値である。
【0033】次に実装後のプリント回路基板およびその
基板を組み込んだ製品の使用環境から液相線温度の下限
が限定される。具体的には日常使用するものでは固相線
温度が約100℃以上であることが必要である。
【0034】さらに固相線温度の低い金属は一般的に強
度が小さいという問題があり、接合されたはんだの接合
強度が問題となる。具体的にはんだ付け強度の考え方と
しては従来技術で一般的に使用されている63wt%S
n−37wt%Pbはんだの強度約6.2kg/mm2を標
準値とし、これより約30%小さい約4.4kg/mm2
上であれば実用的使用に耐えられると考えられる。それ
以下の場合、はんだ付けの信頼性としては使用不可であ
る。また、人体に有害な成分を使用することはできな
い。
【0035】以上、Sn−Pb形合金に対して固相線を
低下させる添加物としてはBi,In,Cd,Hg等が
考えられるが、有害性の観点でCd,Hgは使用不能で
あり、価格の観点からInは不適当であり、Biが適当
である。さらに強度的観点ではBiは30wt%以上添
加すると約4.3kg/mm2以下の強度となり実用に耐え
ない。よって約4.4kg/mm2以上となるBi量として
は30wt%未満が適当である。ちなみにBiは含有量
が小さい方が強度は大きくなる。
【0036】また、Sb−PbはんだにAgを少量添加
することにより強度を大きくすることができる。62w
t%Sn−36wt%Pb−2wt%Agの合金では
6.4kg/mm2であり、63wt%Sn−37wt%P
bはんだより大きい。ただし、Agの添加量を増加させ
ると製造コストも増大するのでAgの含有量が4wt%
以下であれば実用に耐えうる。
【0037】従って、このような条件を満足するはんだ
ペーストの金属成分材質および外部電極外層材質として
はSn−Pb−Ag系,Sn−Pb−Bi系の組成をも
つ金属が適当である。
【0038】さらに、該合金系の具体的重量組成として
はSn−Pb−Ag系の合金としてはAgの含有率が0
wt%以上4wt%以下、Sn−Pb−Bi系の合金と
してはBiの含有率が0wt%以上30wt%未満であ
る合金が好ましく、本発明の作用を損なうことがなく品
質上も優れた接合が可能である。
【0039】
【実施例】本発明の電子部品の接合方法の実施例につい
て説明する。
【0040】図1に本発明による接合方法に用いられる
電子部品であるチップ型積層セラミックコンデンサの構
造を示す。内部は内部電極1とセラミック誘電体2から
なり、内部電極1が交互に積層された構造となってい
る。外部電極は内層3,中間層4,外層5の3層からな
り、外部電極外層5の電極材質はAgの含有率が0wt
%以上4wt%以下であるSn−Pb−Ag系の合金、
Biの含有率が0wt%以上30wt%未満であるSn
−Pb−Bi系の合金のいずれか1種の合金である。
【0041】本発明の実施例として使用したチップ型積
層セラミックコンデンサは以下の手順で製造した。
【0042】BaTiO3を主成分とするセラミック粉
末と、ポリビニルブチラール等の樹脂バインダと、1,
1,1−トリクロロエタン等の溶剤と、ジブチルフタレ
ート等の添加剤を加え、約50時間ボールミル混合を行
いセラミックペーストを作製した。
【0043】次に、このセラミックペーストをポリエス
テルフィルム上にドクターブレード法により厚み30μ
mの膜に塗布し、十分な乾燥の後、グリーンシートを作
製した。このグリーンシートは焼結後セラミック誘電体
2となるものである。このグリーンシートを所定の寸法
に切断し、その表面に内部電極1としてPd合金と樹脂
バインダと溶剤からなるPdペーストをシルクスクリー
ン印刷法により帯状に5μmの厚みに塗布し、十分な乾
燥の後、Pd塗布パターンが長尺方向にずれるように交
互に30枚重ね、その上下をPdペーストを塗布しない
厚み75μmのシートではさみこみ、一体で積層して厚
みを1.2mmとした。次に約100℃の温度下で200
kg/cm2の圧力下で圧着し、その後所定の寸法に切断し
た。本実施例ではセラミック焼結時の収縮も考慮し長さ
1.2mm,幅0.6mmの大きさに切断した。次に、シー
ト中に含まれる樹脂バインダの脱脂を約500℃,40
時間の条件下で行った後、約1500℃の温度にて24
時間焼結させて、焼結セラミックチップを作製した。次
に、この焼結セラミックチップを直径約1mmのアルミナ
ボールと純水の充填された容器に入れ、30rpmの回
転数で30分回転させながらセラミック端面をバレル研
磨した。容器よりセラミックチップを取り出し、150
℃の温度にて4時間乾燥させた後、外部電極内層3とし
てAg−Pdペーストを約3μmの厚みで内部電極1の
両端の露出部に塗布し、80℃の温度にて30分乾燥
し、850℃の温度にて1時間焼き付けを行った。次い
で、外部電極中間層4として約0.2μmの厚みにNi
をめっきした後、外部電極外層5を3μmめっきした。
【0044】外部電極外層5のめっきの材料として表1
に示した組成の金属を本実施例および比較としての従来
例として合わせて8種類外部電極外層5に使用した10
05チップ型積層セラミックコンデンサを作製した。な
お、表1中、元素番号の横に併記されている数値は合金
中の重量百分率である。
【0045】
【表1】
【0046】次に作製したチップ型積層セラミックコン
デンサをテスト用プリント回路基板に接合した。テスト
用のプリント回路基板はガラスエポキシ樹脂製で100
mm×100mm,厚み0.8mmの大きさで、1005チッ
プ部品を2240個実装できるものである。プリント回
路基板上の金属電極材質は銅であり、大きさは図6に示
すように直径0.5mmの円形に2つの電極が対向する方
向に切りかきを設けたものであり、2つの電極が中心間
距離0.9mmとなるように配置した。
【0047】接合は以下の手順で行った。まず、はんだ
ペースト印刷機を用い、はんだペーストを基板に印刷し
た。使用したメタルマスクはステンレス製で厚みが0.
15mmで、はんだペーストを塗布するパターンの開口部
寸法はプリント回路基板上の金属電極と同一の寸法であ
った。印刷に用いたスキージはリン青銅製であった。
【0048】使用したはんだペーストは金属成分のはん
だ粉末として表2の番号1〜7に示す組成のはんだ合金
を用い、ロジンを主成分とする固形分と、2−エチル
−,3−ヘキサンジオールを主成分とする溶剤と活性剤
からなるフラックスとはんだ粉末を混合した。
【0049】
【表2】
【0050】次に、プリント回路基板の金属電極上に塗
布されたはんだペースト上に上記チップ型積層セラミッ
クコンデンサを電子部品実装機を用いて正確に位置決め
した後配置した。本実施例では1枚の回路基板にチップ
型積層セラミックコンデンサを1120個を配置し、同
プリント回路基板を各条件につき5枚作製した。
【0051】リフローは熱風加熱炉を用いて窒素雰囲気
中で行った。リフロー条件はプリヒートで145℃,6
0秒保持、リフロートップ温度が225℃,40秒保
持、リフロー雰囲気の酸素濃度は50ppmであった。
【0052】評価ははんだ付け後にツームストーンの発
生を工具顕微鏡で確認し、発生した個数をカウントし、
発生率を求めることにより行った。発生率はツームスト
ーン発生個数÷実装部品点数×100として求めた。
【0053】本発明の第1の実施例では、上記条件に基
づき表1の番号1〜8に示す組成の合金を外部電極外層
に有するチップ型セラミックコンデンサと、表2の番号
1〜5に示す組成の合金を金属成分とするはんだペース
トとを用いて実装を行なう、ツームストーン発生率を求
めた。
【0054】
【表3】
【0055】表3中、番号1〜2は従来のチップ型積層
セラミックコンデンサとはんだペーストの組み合わせで
あり、表3中、番号3〜34は本発明によるチップ型積
層セラミックコンデンサとはんだペーストの組み合わせ
である。
【0056】本発明の第2の実施例では、上記条件に基
づき表1中、番号6〜8に示す組成の合金を外部電極外
層に有するチップ型積層セラミックコンデンサと、表2
中、番号6〜7に示す組成の合金を金属成分とするはん
だペーストとを用いて実装を行い、ツームストーン発生
率を求めた。
【0057】結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4中、番号1〜2は従来の外部電極材質
のチップ型積層セラミックコンデンサとはんだペースト
の組み合わせによるツームストーン発生率である。表4
中、番号3〜7は本発明によるチップ型積層セラミック
コンデンサとはんだペーストの組み合わせである。
【0060】
【発明の効果】以上表3および表4に示されるように本
発明は、電子部品の外部電極外層の材質の液相線温度が
接合材料の液相線温度よりも低いことを特徴とする電子
部品接合方法を用いることにより、ツームストーン発生
モーメントが小さくなるのでツームストーンの発生を抑
止することができる。
【0061】この結果は1005サイズの微小チップ部
品の接合に大きな高を生む。さらに、ツームストーンの
検査,修正にかかるコストを大きく減少させることがで
きるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のチップ型積層セラミックコ
ンデンサの断面図
【図2】従来のチップ型積層セラミックコンデンサの一
部断面の斜視図
【図3】チップ型積層セラミックコンデンサの製造工程
【図4】ツームストーン発生時に電子部品にかかる力の
状態を説明した説明図
【図5】(a)本発明の一実施例のチップ型積層セラミ
ックコンデンサがプリント回路基板上に塗布されたはん
だペースト上に配置された時の状態を示す正面図 (b)同チップ型積層セラミックコンデンサの外部電極
外層が融解を始めた状態を示す正面図 (c)同チップ型積層セラミックコンデンサの溶融状態
にある外部電極外層と溶融はんだのはんだ付け状態を示
す正面図
【図6】本発明の一実施例で使用したテスト用のプリン
ト回路基板の金属電極寸法を説明した説明図
【符号の説明】
1 内部電極 2 セラミック誘電体 3 外部電極内層 4 外部電極中間層 5,11 外部電極外層 6 プリント回路基板 7 金属電極 8 はんだペースト 9 溶融はんだ 10 電子部品 12 ツームストーン発生モーメント 13 ツームストーン抑止モーメント 14 ツームストーン発生を促進する界面張力 15 ツームストーンを抑止する界面張力 16 はんだペースト中のフラックス固形分による粘着
力 17 電子部品にかかる重力 18 溶融はんだ拡散方向
フロントページの続き (72)発明者 永田 治人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古澤 彰男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品本体に端面状に構成されている外部
    電極を有する表面実装型チップ状の電子部品と、プリン
    ト回路基板の金属電極とを、金属を主成分とする接合材
    料を用いて接合する方法において、電子部品の外部電極
    外層の液相線温度が接合材料の液相線温度以下であるこ
    とを特徴とする電子部品の接合方法。
  2. 【請求項2】 部品本体に端面状に構成されている外部
    電極を有する表面実装型チップ状の電子部品と、プリン
    ト回路基板の金属電極とを、金属を主成分とする接合材
    料を用いて接合する方法において、接合材料の主成分で
    ある金属が、Sn−Pb−Ag系であり、Agが0〜4
    wt%の合金であるとき、その接合材料で接合される電
    子部品の外部電極外層の材質は、Sn−Pb−Ag系で
    Agが0〜4wt%の合金、もしくは、Sn−Pb−B
    i系でBiが0〜30wt%の合金のいずれか1種の合
    金で構成されており、かつ外部電極外層の材質の液相線
    温度が接合材料の液相線温度以下であることを特徴とす
    る表面実装型チップ状の電子部品の接合方法。
  3. 【請求項3】 部品本体に端面状に構成されている外部
    電極を有する表面実装型チップ状の電子部品と、プリン
    ト回路基板の金属電極とを、金属を主成分とする接合材
    料を用いて接合する方法において、接合材料の主成分で
    ある金属が、Sn−Pb−Bi系でBiが0〜30wt
    %の合金であるとき、その接合材料で接合される電子部
    品の外部電極外層の材質は、Sn−Pb−Ag系でAg
    が0〜4wt%の合金、もしくは、Sn−Pb−Bi系
    でBiが0〜30wt%の合金のいずれか1種の合金で
    構成されており、かつ外部電極外層の材質の液相線温度
    が接合材料の液相線温度以下であることを特徴とする表
    面実装型チップ状の電子部品の接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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