JPH0617675A - 船外機用エンジンのスロットル検出装置 - Google Patents

船外機用エンジンのスロットル検出装置

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JPH0617675A
JPH0617675A JP7751093A JP7751093A JPH0617675A JP H0617675 A JPH0617675 A JP H0617675A JP 7751093 A JP7751093 A JP 7751093A JP 7751093 A JP7751093 A JP 7751093A JP H0617675 A JPH0617675 A JP H0617675A
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engine
ignition timing
ignition
throttle
cylinder
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Tadashi Tobinaga
紀 飛永
Shigeo Okumura
滋雄 奥村
Kenichi Handa
健一 半田
Shinya Atsumi
信也 渥美
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 船外機用エンジンのスロットル検出装置にお
いて、エンジン振動による検出機能の劣化を防止し、検
出性能を容易に安定確保すること 【構成】 検出軸71に固定した接点72の抵抗盤73
に対する接触位置によりスロットル開度を検出するスロ
ットル検出装置において、検出軸71の軸方向を、エン
ジン11に生ずる振動の主方向に略直交配置してなるも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船外機用エンジンのス
ロットル検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船外機用エンジンにおいては、そ
の運転制御を行なうために、各気筒への吸入空気量を検
出しようとするとき、スロットル検出装置を用いること
により、吸気経路に設けたスロットル弁の開度を検出す
ることとしている。
【0003】このとき、スロットル検出装置は、ポテン
ショメーター方式等にて構成され、スロットル弁を備え
るスロットル軸に検出軸を直結もしくはリンク等を介し
て間接的に連結し、検出軸に固定した接点の検出盤(抵
抗盤等)に対する接触位置により、スロットル開度を検
出するものとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、スロットル検
出装置は、検出軸に固定した接点を検出盤に対して接触
させ、その接触位置によってスロットル開度を検出する
ものであるから、耐振性が弱い。
【0005】然しながら、従来技術では、スロットル検
出装置をエンジン回りの任意の位置に配置しているもの
であるため、エンジン振動が検出軸に伝わり、検出軸に
固定してある接点と検出盤との接触状態が劣化する等、
検出性能の安定確保に困難がある。
【0006】本発明は、船外機用エンジンのスロットル
検出装置において、エンジン振動による検出機能の劣化
を防止し、検出性能を容易に安定確保することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、船外機用エン
ジンのスロットル軸に検出軸を連結し、検出軸に固定し
た接点の検出盤に対する接触位置により、スロットル開
度を検出する船外機用エンジンのスロットル検出装置に
おいて、上記検出軸の軸方向を、エンジンに生ずる振動
の主方向に略直交配置してなるようにしたものである。
【0008】
【作用】本発明者は、スロットル検出装置の耐振性につ
いての方向性を調査した。その結果、接点が固定されて
いる検出軸の軸方向が、最も耐振性の弱い方向であるこ
とを見出した。
【0009】そして、本発明にあっては、その耐振性が
特に弱い、検出軸の軸方向をエンジンに生ずる振動の主
方向に略直交配置するものとした。従って、検出軸の軸
方向に大きな振動が作用することを可及的に回避し、検
出軸に固定してある接点と検出盤との接触状態の劣化を
防止する等、検出性能を容易に安定確保できるものとな
る。
【0010】
【実施例】図1は本発明を適用した60度等間隔点火の船
外機用V型6気筒2サイクルエンジンの一例を一部破断
して示す平面図、図2は同エンジンの正面図、図3は同
エンジンの点火制御系統図である。
【0011】エンジン11は90度バンクのV型6気筒エ
ンジンとされ、第1気筒11Aと第2気筒11B、第3
気筒11Cと第4気筒11D、第5気筒11Eと第6気
筒11FがそれぞれV型を形成している。エンジン11
のクランク軸12は縦置き配置され、クランク軸12に
は連接棒13を介して、横置き配置の各気筒内に収容さ
れるピストン14が連結されている。エンジン11の後
部には、各気筒に燃焼室15を画成するシリンダヘッド
16が固定されている。エンジン11の前部には、各気
筒に対応する吸気路17に備えられているリード弁18
を介して、各気筒のクランク室19に混合気を供給する
気化器20、吸気箱21が接続されている。尚、22
(22A〜22F)は点火栓を示し、23はスロットル
弁を示している。
【0012】上記エンジン11は、図3に示すバッテリ
24に接続されている電源スイッチ25を閉成する状態
下で、始動スイッチ26を閉成し、始動リレー27を閉
成することにより、始動モータ28が駆動可能とされて
いる。
【0013】また、エンジン11は、その点火時期を電
子制御可能とすべく、マイクロコンピュータからなる制
御器29を備えている。即ち、制御器29は、後に詳述
するように点火時期設定器30(CPU)、点火信号発
生器31を有し、パルサコイル32、クランク角度信号
(タイミング信号)発生器33、スロットル検出器3
4、温度検出器35、オーバーヒート検出器36、ノッ
ク検出器37の各出力信号に基づいて、エンジン11の
各運転状態に最適な点火時期を設定し、CDIユニット
38を介して、各気筒の点火栓22A〜22Fにおける
点火状態を制御可能としている。尚、図3において、3
9は制御器29の各回路を駆動可能とする電気回路であ
り、30Aは点火時期設定器30に対するサンプリング
周期発生回路である。
【0014】ところで、上記制御器29は、図4に示す
ように、電子部品の多数の構成素子40を、基板41上
に配置する状態でケース42内に収容するとともに、ケ
ース42内に充填される樹脂が形成する樹脂充填部43
によって被包する状態でケース42内に保持している。
更に、上記制御器29は、その基板41を含む面を、図
1にX−X線で示すようなエンジン11に生ずる振動の
大なる方向、即ち主方向に略直交配置している。即ち、
エンジン11のV字を形成する両気筒群の中央部44に
は取付ベース45が固定され、取付ベース45にはゴム
ダンパ46を介して箱形の取付ブラケット47が取付ね
じ48によって固定され、取付ブラケット47には制御
器29がその基板41をエンジン11の中心軸に直交配
置する状態で取付ねじ49によって固定されている。
【0015】ここで、エンジン11におけるクランク軸
12の上端部には、図5に示すように、マグネトを形成
するロータ50のボス部51が、半月キー52及びナッ
ト53によって固定されている。ロータ50の内面には
永久磁石54が固定されている。55は発電用コイルで
あり、永久磁石54の内面に対応するように環状に複数
個配設されている。これらの発電用コイル55はエンジ
ン11に設けられた複数の脚部56に固定されている。
【0016】57は永久磁石であり、そのN極とS極を
ロータ50のボス部51における直径方向の2位置に 1
80度間隔をなして位置するように固定されている。ま
た、32(32A、32B、32C)は 3個のパルサコ
イルであり、エンジン11に支持されている支持台58
に一体化されている環状の保持具59の内面に 120度間
隔で固定されている。即ち、パルサコイル32は、クラ
ンク軸12が60度回転する毎に、そのいずれかのパルサ
コイル32A、32B、32Cが永久磁石57のN極又
はS極と1回対向し、図6に示すように、パルサコイル
32Aには第1気筒11A及び第4気筒11Dに対する
パルスP1 、P4 が誘起され、パルサコイル32Bには
第2気筒11B及び第5気筒11Eに対するパルスP
2 、P5 が誘起され、パルサコイル32Cには第3気筒
11C及び第6気筒11Fに対するパルスP3 、P6
誘起される。尚、上記各パルスP1 〜P6 の発生時点
は、図7に示すように、クランク角度位置が各気筒の上
死点(TDC)に対し始動用点火時期(θ0 )、例えば
上死点前(BTDC)θ0 度だけ進角側に位置する時点
に固定化されている。
【0017】また、ロータ50の外周部にはエンジンの
始動時に始動モータ28の回転力を受けるリングギヤ6
0が固定され、リングギヤ60の外周部には、エンジン
11に固定配置される前記クランク角度信号発生器33
が対向配置されている。このクランク角度信号発生器3
3には、クランク軸12の回転とともに、リングギヤ6
0の各噛合歯に対向するパルスが誘起される。
【0018】前記パルサコイル32の各出力パルスP1
〜P6 は、図3に示すように制御器29の波形整形回路
61を経てエンコーダ62によって符号化され、相互に
識別可能な状態で順次点火時期設定器30を介してプリ
セットカウンタ63に伝達される。また、前記クランク
角度信号発生器33の出力パルスは、図3に示すように
制御器29の倍周期回路64において図7にPC で示す
細分化されたパルスとなってプリセットカウンタ63に
伝達される。
【0019】上記パルサコイル32、クランク角度信号
発生器33及びプリセットカウンタ63は、本発明にお
けるクランク角度検出器を構成する。即ち、パルサコイ
ル32は、クランク軸12の1回転において、それぞれ
クランク軸12の定角度位置に対応する気筒数分のパル
ス、即ち、クランク軸12の基準角度信号を発生する。
従って、パルサコイル32はクランク軸12の基準角度
信号発生器として機能し、パルサコイル32のパルス発
生時点後におけるクランク角度信号発生器33の発生パ
ルス数をプリセットカウンタ63によって計数すること
により、クランク軸12の角度位置を検出可能としてい
る。尚、図7に示すように、クランク軸12の角度位置
を検出するに当たり、N気筒(例えば第2気筒11B)
のクランク角度位置、例えばそのTDCに対する進角度
θに関する基準角度信号として、N−1気筒(例えば第
1気筒11A)に対応するパルサコイル32Aの発生パ
ルス数P1 を用いて、そのP1 発生時点後におけるクラ
ンク角度信号発生器33のパルス発生数ΣPC を計数す
るものとすれば、当該基準角度信号としてN気筒に対応
するパルサコイル32Bの発生パルスを用いる場合に 3
60度−θ分のパルス数を計数する必要があるのに比し
て、6気筒であれば60度−θ分のΣPC を計数すれば足
り、該N気筒に対応するパルサコイル32Bのパルス発
生時点より以前の角度θをより小なるパルス数の計数で
高精度に割出し可能となる。
【0020】また、パルサコイル32は、エンジン速度
検出器としても機能とする。即ち、パルサコイル32は
クランク軸12の1回転毎に気筒数分のパルスを発生す
るものであるから、点火時期設定器30において単位時
間内におけるパルサコイル32の発生パルス数を計数す
ることにより、クランク軸12の回転角度即ちエンジン
速度を検出することが可能となる。
【0021】また、前記スロットル検出器34は、図8
及び図9に示すように、その基部65及びキャップ部6
6からなるハウジング67を取付ねじ68によって取付
ブラケット69に固定し、取付ブラケット69を取付ね
じ70によって気化器20の本体に固定している。ま
た、スロットル検出器34の検出軸71には接点72が
固定され、検出軸71とともに回動する接点72の抵抗
盤73に対する摺接位置により、即ちポテンショメータ
ー方式によって、気化器20のスロットル開度、即ち各
気筒への吸入空気量を検出可能としている。尚、このス
ロットル検出器34において、検出軸71は気化器20
のスロットル軸23Aに直結せしめられている。即ち、
スロットル検出器34にあっては、そのハウジング67
と検出軸71がともに気化器20に接続されることとな
り、エンジン11にどのような振動が生ずる場合にも、
上記ハウジング67と検出軸71の各振動モードが同一
となる。即ち、ハウジング67と検出軸71の振動に基
づく相対的な動きの発生が防止され、振動による検出器
34の作動不良の発生を防止することが可能となる。ま
た、このエンジン11の振動の主方向は、前述のように
図1にX−X線で示すエンジン中心軸方向に設定されて
いる。そこで、このスロットル検出器34においては、
その耐振性が特に弱い、検出軸71の軸方向、即ち接点
72の抵抗盤73に対する当接方向がエンジン11に生
ずる振動の主方向に略直交配置することとなっており、
検出器34を振動から合理的に保護することも可能とな
っている。
【0022】また、前記温度検出器35は、例えばサー
ミスタからなり、第3気筒11Cと第5気筒11Eの間
のシリンダヘッド16に取付けられ、冷却水温の検出を
介して、エンジン11の温度を検出可能としている。
尚、スロットル検出器34と温度検出器35の検出結果
はバッファ74を介して交互にA/D変換器75に伝達
され、A/D変換器75においてデジタル化された状態
で点火時期設定器30に伝達されている。
【0023】また、前記オーバーヒート検出器36は、
例えば、バイメタル接点式の感温スイッチからなり、第
1気筒11Aと第2気筒11Bの各シリンダヘッド16
に取付けられ、シリンダヘッド16内の冷却水温を検出
し、例えばt1 ℃以上の検出結果を点火時期設定器30
に伝達することを可能としている。
【0024】また、前記ノック検出器37は、例えば圧
電素子式、磁歪式等の振動検出型からなり、第4気筒1
1Dと第6気筒11Fの間のシリンダヘッド16に取付
けられている。ノック検出器37は、エンジン11に発
生するあるレベル以上の振動を検出し、有害なノッキン
グ、過早着火等の異常燃焼(ノック)発生を検出し、そ
の検出結果を点火時期設定器30に伝達可能としてい
る。
【0025】以下、前記制御器29の具体的点火制御手
順について説明する。まず、制御器29の通常運転時の
制御について説明する。制御器29の点火時期設定器3
0には、エンジン速度と、吸入空気量としてのスロット
ル開度の各組合わせに対する最適点火時期が、マップ
(又は関数式)の形式で予め定められている。(尚、本
出願人は、上記点火時期設定器30に定められるマップ
の一例を、特願昭57-146268 号に添付した明細書及び図
面において既に明らかにしている。)従って、エンジン
11の通常運転時に、点火時期設定器30は、前述のよ
うにパルサコイル32の出力パルスを計数することによ
って得られたエンジン速度、スロットル検出器34によ
って検出されたスロットル開度、即ち吸入空気量、及び
上記マップに基づいて、その時点における運転状態に対
応する最適点火時期を設定する。このようにして、点火
時期設定器30は、各気筒の上記最適点火時期を点火信
号発生器31のプリセットカウンタ63に伝達する。
【0026】他方、上記プリセットカウンタ63は、前
述のように、本発明におけるクランク角度検出器の一部
でもあり、基準角度信号発生器としてのパルサコイル3
2のパルス発生時点後におけるクランク角度信号発生器
33の発生パルス数を計数し、クランク軸12の角度位
置を検出している。
【0027】そこで、本発明における点火信号発生器3
1の一部としてのプリセットカウンタ63は、上記のよ
うにして計数したクランク角度が、点火時期設定器30
から伝達された最適点火時期に位置する時点で、選択回
路76に点火信号を伝達する。尚、選択回路76には、
プリセットカウンタ63からの点火信号と同時に、点火
時期設定器30から直接的に気筒識別信号が伝達され、
プリセットカウンタ63から伝達された点火信号がいず
れの気筒に対する信号であるかを識別可能としている。
このようにして選択回路76に伝達された点火信号は、
波形整形回路77を経て、CDIユニット38の各気筒
に対応するCDI点火装置に伝達される。CDIユニッ
ト38は、の上記各CDI点火装置は、前記マグネトの
発電用コイル55で発生した電圧を点火用コンデンサに
充電を開始した後、上記点火信号発生器31において発
生した点火信号電流によりSCRのゲートを導通させる
と同時に、点火用コンデンサに蓄えていた電荷を急激に
点火コイルの1次側に印加することによって、点火コイ
ルの2次側に高電圧を発生し、各気筒の点火栓22A〜
22Fに放電を発生可能としている。即ち、上記制御器
29による進角制御によれば、点火時期設定器30に予
めマップの形式で定められている点火時期の選定によ
り、エンジンの通常運転状態で異常燃焼を生ずることの
ない最適点火時期に点火可能となる。
【0028】次に、制御器29による始動制御について
説明する。この始動制御は、制御器29に書込まれてい
る図10に示す始動プログラムによって実行される。即
ち、制御器29は、電源スイッチ25が閉成され(ステ
ップ(1) )、始動スイッチ26が閉成されると(ステッ
プ(2) )、始動スイッチ26の閉成状態が持続している
かを判断する(ステップ(3) )。ステップ(3) の判断結
果がYESの場合は、切換回路78によって選択回路7
6の作動を停止し、バッファ79を作動させ、波形成形
回路61の出力、即ち前述のように始動用点火時期(θ
0 )、例えばBTDCθ0 度に固定されている出力信号
を波形成形回路77に伝達し、波形成形回路77を介し
てCDIユニット38を上記BTDCθ0 度で点火制御
し(ステップ(4) )、再びステップ(3) に戻る。ステッ
プ(3) の判断結果がNOの場合は、切換回路78によっ
てバッファ79の作動を停止し、選択回路76を作動さ
せ、点火時期設定器30が後述するように温度検出器3
5の検出結果に基づいて定める点火時期を最適点火時期
として、CDIユニット38を点火制御する(ステップ
(6) )。
【0029】従って、上記制御器29による始動制御に
よれば、エンジン11の始動時に始動用の最適時期に点
火し、自動的に始動の容易かつ確実化を図り、安定した
始動性を確保することが可能となる。
【0030】次に、制御器29による暖機制御について
説明する。この暖機制御は、上記始動制御によるエンジ
ン11の始動後に、制御器29に書込まれている図11
に示す暖機プログラムによって実行される。ここで、点
火時期設定器30は、横軸にエンジン温度t、縦軸に進
角度θをとった図12に示すような暖機用点火時期を予
め設定しており、エンジン温度が例えばt2 ℃以下であ
る始動後の暖機時には最適点火時期を例えばBTDCθ
1 度とし、エンジン温度が例えばt2 ℃を越えt3 ℃未
満である始動後の暖機時には最適点火時期を例えばBT
DCθ2 度に設定している。
【0031】即ち、制御器29は、温度検出器35の検
出結果を前述のように点火時期設定器30に入力し(ス
テップ(6) )、その検出結果がt2 ℃以下であるかを判
断する(ステップ(7) )。ステップ(7) の判断結果がY
ESの場合には、その運転状態下における前記マップに
基づく進角度がBTDCθ1 度以上であるかを判断する
(ステップ(8) )。ステップ(8) の判断結果がNOの場
合には、点火時期設定器30は、BTDCθ1 度を最適
点火時期として設定し、点火信号発生器31を介してC
DIユニット38を点火制御し(ステップ(9) )、再び
ステップ(6) に戻る。ステップ(8) の判断結果がYES
の場合には、点火時期設定器30は、マップに基づく進
角度を最適点火時期として優先設定し、点火信号発生器
31を介してCDIユニット38を点火制御する(ステ
ップ(10))。ステップ(7) の判断結果がNOの場合に
は、温度検出器35の検出結果がt2 ℃を越えt3 ℃未
満であるかを判断する(ステップ(11)) 。ステップ(11)
の判断結果がYESの場合には、その運転状態下におけ
る前記マップに基づく進角度がBTDCθ2 度以上であ
るかを判断する(ステップ(12) )。ステップ(12)の判
断結果がNOの場合には、点火時期設定器30は、BT
DCθ2 度を最適点火時期として設定し、点火信号発生
器31を介してCDIユニット38を点火制御し(ステ
ップ(13))、再びステップ(6) に戻る。ステップ(12)の
判断結果がYESの場合には、点火時期設定器30は、
マップに基づく進角度を最適点火時期として優先設定
し、点火信号発生器31を介してCDIユニット38を
点火制御する(ステップ(14))。ステップ(11)の判断結
果がNOの場合には、点火時期設定器30は、マップに
基づく進角度を最適点火時期として設定し、点火信号発
生器31を介してCDIユニット38を点火制御する
(ステップ(15))。制御器29は、ステップ(14)、(15)
による点火制御の後、再びステップ(6) に戻って、以上
と同様の制御プログラムを繰り返し実行する。
【0032】尚、上記暖機制御のステップ(8) 、(12)に
おいて暖機特性に基づく進角度よりマップに基づく進角
度が大なる場合に、マップに基づく進角度を優先してい
る理由は以下の 2点による。即ち、第1は、暖機制御の
目的からして、より大なる進角度が妥当であることであ
る。また、第2は、制御器29による制御手順が、始動
制御の後に、マップによる通常制御を経て暖機制御に至
っており、始動制御後のマップによる既設定進角度が暖
機制御に基づく進角度に比して過大となっている場合が
あることから、上記過大な既設定進角度を急減させるこ
とによるエンジン回転速度の急激な低下、それに伴う衝
撃の発生を回避することである。
【0033】従って、上記制御器29による暖機制御に
よれば、始動後の暖機時に、不適切な暖機運転時間、燃
費の悪化を伴うことのない暖機用の最適時期に自動的に
点火制御可能となり、暖機運転の容易かつ確実化を図
り、暖機時におけるエンジンの回転の安定化を図ること
が可能となる。
【0034】次に、制御器29によるアイドリング時、
トローリング時の低速回転制御について説明する。この
低速回転制御は、制御器29に書込まれている図13に
示す低速回転プログラムによって実行される。ここで、
点火時期設定器30は、エンジン回転速度が所定速度、
例えばN1 rpm 以下である低速回転時に、最適点火時期
例えばBTDCθ3 度に設定し、そのBTDCθ3 度の
設定状態をクランク軸12が例えばn回転する間保持す
るようになっている。即ち、制御器29は、パルサコイ
ル32の出力パルス周波数をF/V変換器80によって
処理し、エンジン回転速度に相当する出力電圧を出力し
(ステップ(16))、低速比較回路81において上記F/
V変換器80の出力電圧が設定器82に設定されている
1 rpmに相当する基準電圧V01以下であるかを判断す
る(ステップ(17))。ステップ(17)の判断結果がYES
である場合には、点火時期設定器30は、クランク軸1
2がn回転する間、BTDCθ3 度を最適点火時期とし
て設定し、点火信号発生器31を介してCDIユニット
38を点火制御し(ステップ(18))、再びステップ(16)
に戻る。ステップ(17)の判断結果がNOである場合に
は、点火時期設定器30は、マップに基づく進角度を最
適点火時期として設定し、点火信号発生器31を介して
CDIユニット38を点火制御する(ステップ(19))。
制御器29は、ステップ(19)による点火制御の後、再び
ステップ(16)に戻って、以上と同様の制御プログラムを
繰り返し実行する。
【0035】尚、上記低速回転制御において、BTDC
θ3 度をn回転保持したのは、回転速度を必要以上に上
昇させることなく、かつ滑らかな回転制御を行なうため
である。
【0036】従って、上記制御器29による低速回転制
御によれば、エンジン11が設定低回転速度に至った場
合に、自動的に点火時期を進角させてエンジン回転速度
を上昇させ、エンジン停止を防止する動作を何度も繰り
返すことにより、安定した低速回転状態を得ることが可
能となる。即ち、船外機用のエンジン11が異なる大き
さの船体に取付けられてアイドリングないしはトローリ
ング運転され、もしくは前後進切換操作される場合等に
も、エンジン11への供給燃料を多めにすることなく、
低燃費、低騒音で所望の低速回転を安定して得ることが
でき、また船体を潮流作用下で定位置に停留可能とな
る。
【0037】次に、制御器29によるオーバーヒート抑
制制御について説明する。このオーバーヒート抑制制御
は、制御器29に書込まれている図14に示すオーバー
ヒート抑制プログラムによって実行される。ここで、点
火時期設定器30は、エンジン温度が所定温度、例えば
4 ℃以上、スロットル開度が所定開度、例えばα1
以上、及びエンジン回転速度が所定速度、例えばN2 rp
m 以上である場合に、全気筒のうちの一部気筒を除く他
の複数気筒を所定の時間間隔で順次失火させるべく、失
火させた気筒に対する点火時期設定信号を点火信号発生
器31に伝達することのないようになっている。図15
は、横軸に時間Hを、縦軸にエンジン回転速度Nをと
り、オーバーヒート抑制制御による制御状態を示す線図
であり、6気筒11A〜11Fからなるエンジン11に
おいて、第6気筒11F、第5気筒11E、第3気筒1
1C、第2気筒11Bを順次例えばh1 〜h2 秒の時間
1をおいて失火させ、最終的に第1気筒11A及び第
4気筒11Dの2気筒のみによってエンジン11の運転
を継続する状態を示している。
【0038】即ち、このオーバーヒート抑制制御におい
て、制御器29は、オーバーヒート検出器36、即ち感
温スイッチによって検出したエンジン温度を点火時期設
定器30に入力し(ステップ(20))、その検出結果がt
4 ℃以上であるかを判断する(ステップ(21))。ステッ
プ(21)の判断結果がNOであれば、ステップ(20)に戻
り、その判断結果がYESであれば、スロットル検出器
34が検出したスロットル開度がα1 度以上であるかを
判断する(ステップ(22))。ステップ(22)の判断結果が
NOであればステップ(20)に戻り、その判断結果がYE
Sであれば、パルサコイル32の出力パルスの計数によ
って検出されているエンジン回転速度がN2 rpm 以上で
あるかを判断する(ステップ(23))。ステップ(23)の判
断結果がNOであれば、ステップ(20)に戻り、その判断
結果がYESであれば、点火時期設定器30は図15に
示した失火制御を実行し(ステップ(24a) )、エンジン
回転速度をN2 rpm に保持し(ステップ(24b) )、その
後、スロットル検出器34が検出したスロットル開度が
α1 度以下であるかを判断する(ステップ(24c) )。ス
テップ(24c) の判断結果がNOであれば、ステップ(24
b) に戻り、その判断結果がYESであれば、失火を解
除し(ステップ(24d) )、ステップ(20)に戻る。また、
制御器29は、ステップ(21)の判断結果がYESである
場合に、運転者に警告を与えるべくブザーを鳴動し(ス
テップ(25))、更に温度検出器35が検出したエンジン
温度がt5 ℃以下であるかを判断する(ステップ(2
6))。ステップ(26)の判断結果がNOであれば、ステッ
プ(25)に戻ってブザーの鳴動を続け、その判断結果がY
ESであれば、ブザーの鳴動を停止し(ステップ(2
7))、ステップ(20)に戻る。
【0039】尚、上記オーバーヒート制御プログラムの
ステップ(24c) において、スロットル開度がα1 度以上
であるかを判断する理由は、ステップ(24a) 、(24b) に
よる失火制御の作動後にエンジン温度が低下した場合
に、運転者に予告なく、エンジンの点火状態が正常運転
状態に復帰して安全性を欠くことを防止するため、上記
エンジン温度の低下によっても失火制御状態を自動解除
させず、運転者の意志によるスロットル開度操作を伴う
失火制御状態のマニュアル解除を確保することにある。
また、上記オーバーヒート抑制プログラムのステップ(2
3)において、エンジン回転速度がN2 rpm 以上であるか
を判断する理由は、エンジン11がN2 rpm 以下である
状態下では、エンジン11の運転を一部の気筒11A、
11Dのみによっては継続困難であることに基づく。
【0040】従って、上記制御器29によるオーバーヒ
ート抑制制御によれば、エンジン温度の異常上昇時に、
ブザーを鳴動して運転者に警告を与えるとともに、エン
ジン回転速度を段階的に従ってショックなく減速させ、
オーバーヒートの発生が確実に抑制可能となる。即ち、
3以上の複数気筒のうちの一部気筒を除く他の複数気筒
を所定の時間間隔で順次失火させ、最終的に一部気筒に
よる運転を継続することから、エンジンの減速によるシ
ョック及びエンジンの完全停止によるエンジンの水冷も
しくは空冷の停止を回避する状態下で、エンジンを減速
することによってオーバーヒートの発生を確実に抑制す
ることが可能となる。
【0041】次に、制御器29によるノック抑制制御に
ついて説明する。このノック抑制制御は、制御器29に
書込まれている図16に示すノック抑制プログラムによ
って実行される。ここで、点火時期設定器30は、ノッ
ク検出器37による異常燃焼(ノック)の検出により、
点火時期を段階的に遅角設定するとともに、各段の遅角
設定状態をそれぞれ保持するようになっている。図17
は、横軸に時間H、縦軸に進角度θをとり、点火時期設
定器30による上記点火時期設定状態を示す線図であ
り、例えばA点でノックを検出すると、例えばa度遅角
してB点の点火時期を設定し、その遅角設定状態を所定
時間H2 、例えばh3 分間保持し、B点〜C点の上記保
持時間経過後、再度ノックを検出する場合には、更に、
例えばb度遅角してD点の点火時期を設定し、その新た
な遅角設定状態を所定時間H2 保持する。このD点の点
火時期はA点の初期状態に比して合計a+b遅角される
ことになる。D点〜E点の上記保持時間経過後には、上
記と逆のステップで順次当初の点火時期に復帰する。こ
の際、F点〜G点の間に再びノックを検出すれば、この
時点で再度b度だけ遅角設定する。尚、図17における
a+b度の遅角幅は、ノックを十分に抑制可能とする値
に設定されている。
【0042】即ち、ノック抑制制御において、制御器2
9は、ノック検出器37の検出結果を点火時期設定器3
0に入力し(ステップ(28))、ノック有かを判断する
(ステップ(29))。ステップ(29)の判断結果がNOであ
ればステップ(28)に戻り、その判断結果がYESであれ
ば、パルサコイル32の出力パルスの計数によって検出
されているエンジン回転速度がN3 rpm 以上であるかを
判断する(ステップ(30))。ステップ(30)の判断結果が
NOであれば、点火時期設定器30はマップに基づく進
角度を最適点火時期として設定し、点火信号発生器31
を介してCDIユニット38を点火制御する(ステップ
(31))。ステップ(30)の判断結果がYESであれば、ス
ロットル検出器34によって検出されたスロットル開度
がα2 度以上であるかを判断する(ステップ(32))。ス
テップ(32)の判断結果がNOであれば、点火時期設定器
30はマップに基づく進角度を最適点火時期として設定
し、点火信号発生器31を介してCDIユニット38を
点火制御する(ステップ(33))。ステップ(32)の判断結
果がYESであれば、点火時期設定器30はその時点で
既に設定されている点火時期をa度遅角設定し、その遅
角設定状態をh3 分間保持する(ステップ(34))。ステ
ップ(34)による遅角保持の経過後、点火時期設定器30
は再びノック有かを判断する(ステップ(35))。ステッ
プ(35)の判断結果がNOであれば、点火時期設定器30
は上記ステップ(34)によるa度遅角設定前の点火時期状
態を復帰設定し(ステップ(36))、ステップ(28)に戻
る。ステップ(35)の判断結果がYESであれば、点火時
期設定器30はステップ(34)によるa度遅角設定状態に
加えて、更にb度遅角設定し、その初期状態に対し幅a
+b度の遅角設定状態をh3 分間保持する(ステップ(3
7))。ステップ(37)による遅角保持の経過後、点火時期
設定器30は再びノック有かを判断する(ステップ(3
8))。ステップ(38)の判断結果がYESであれば、ステ
ップ(37)に戻り、ステップ(37)において設定された初期
状態に対して幅a+b度の遅角設定状態を再度h3 分間
保持し、ステップ(38)の判断結果がNOであれば、ステ
ップ(37)において加えたb度の遅角幅を回復させ、a度
遅角状態まで復帰設定し、そのa度遅角状態を更にh3
分間保持する(ステップ(39))。ステップ(39)による遅
角保持の経過後、点火時期設定器30は更にノック有か
を判断する(ステップ(40))。ステップ(40)の判断結果
がNOであれば、点火時期設定器30は上記ステップ(3
9)によるa度遅角設定前の点火時期状態を復帰設定し
(ステップ(36))、ステップ(28)に戻る。ステップ(40)
の判断結果がYESであれば、点火時期設定器30は、
ステップ(39)におけるa度遅角設定状態にb度の遅角幅
を加え、その遅角設定状態をh3 分間保持するステップ
(37)に戻る。制御器29は、ステップ(31)、(33)による
点火制御の後、再びステップ(28)に戻って、以上と同様
の制御プログラムを繰り返し実行する。
【0043】尚、上記ノック制御プログラムのステップ
(30)においてエンジン回転速度がN3 rpm 以上であるか
を判断している理由は、N3 rpm 以下の状態下で遅角設
定する場合には、エンジン停止に至り易く、妥当でない
ことによる。また、上記ノック抑制プログラムのステッ
プ(32)において、スロットル開度がα2 度以上であるか
を判断している理由は、α2 度以下の状態下で遅角設定
する場合には、エンジン回転速度の急激な低下によるシ
ョックが大きく、妥当でないことによる。
【0044】従って、上記制御器29によるノック抑制
制御によれば、エンジン11の定常運転中にノックが発
生する際、意図的に所定時間、点火時期を遅らせ、また
所定時間の経過後に通常の点火時期に復帰させることが
可能となる。即ち、遅角状態が一定時間保持されること
から、ノックの発生が上記一定時間の範囲内において頻
発する場合に、定常状態からの遅角、定常状態への復帰
を繰り返し設定することなく、エンジン回転速度及び船
体速度の過敏な変化を避けることが可能となる。また、
遅角状態が段階状に設定されることから、エンジン回転
速度及び船体速度の急激な低下を伴うことなく、ノック
を十分に抑制可能とする遅角幅を得ることが可能とな
り、運転者及び同乗者の身体への衝撃或いは精神的な不
安感の発生を回避して、エンジンをノックの発生から合
理的に保護可能となる。即ち、船外機等に用いられるエ
ンジンでは、その性質上、用途、使用環境に大幅な差が
あるため、燃焼室、ピストンへのカーボンの堆積或いは
点火栓のミスマッチング、低オクタン価ガソリンの使用
等によるノックの発生を考慮し、エンジン最大点火進角
域を要求進角より遅角側に設定するのが通常であり、安
全面を優先させることによってエンジン性能を100 %引
き出せない場合がある。これらに対し、上記ノック抑制
制御によれば、ノック発生時にはエンジン回転速度の急
激な低下を避けてエンジンを保護し、ノックが発生しな
い通常運転時にはエンジン性能を十分に引き出すことが
可能となる。
【0045】次に、制御器29による過回転防止制御に
ついて説明する。この過回転防止制御は、制御器29に
書込まれている図18に示す過回転防止プログラムによ
って実行される。即ち、制御器29は、第1気筒11
A、第3気筒11C及び第5気筒11Eに対するパルサ
コイル32の出力パルス周波数をF/V変換器83によ
って処理し、エンジン回転速度に相当する出力電圧を出
力し(ステップ(41))、過回転比較回路84において上
記F/V変換器83の出力電圧が設定器85に設定され
ている所定速度、例えばN4 rpm に相当する基準電圧V
02以下であるかを判断する(ステップ(42))。ステップ
(42)の判断結果がNOであればステップ(41)に戻り、ス
テップ(42)の判断結果がYESであれば、過回転比較回
路84はトランジスタ86を断続的にONさせる。ここ
で、トランジスタ86のエミッタは点火信号発生器31
の各気筒に対する点火信号をCDIユニット38に伝達
する全信号線に接続され、トランジスタ86のコレクタ
は接地されている。従って、上記のようにステップ(42)
の判断結果がYESであり、トランジスタ86が断続的
にONする場合には、点火信号発生器31の各気筒に対
する点火信号が断続的にのみCDIユニット38に伝達
され、各気筒は点火と失火を繰り返してエンジン11の
過回転を防止し(ステップ(43))、ステップ(41)に戻
る。
【0046】従って、上記制御器29による過回転防止
制御によれば、エンジン11の中立状態へのシフト時、
又は航走中における船体のジャンピング時等の無負荷時
における過回転、エンジン11を搭載している船外機の
プロペラ摩耗によるエンジン回転速度の異常上昇を防止
し、エンジンを過回転から確実に防止可能となる。
【0047】次に、制御器29による逆転防止制御につ
いて説明する。この逆転防止制御は、制御器29に書込
まれている図19に示す逆転防止プログラムによって実
行される。即ち、点火時期設定器30は、エンジンの運
転中(ステップ(44))、パルサコイル32の各気筒に対
応する出力パルスP1 〜P6 が、正常な順序、即ちP1
→P2 →P3 →P4 →P5 →P6 となっているかを判断
する(ステップ(45))。ステップ(45)の判断結果がNO
であれば、点火時期設定器30は、全気筒に対する点火
時期設定を点火信号発生器31に伝達することなく、C
DIユニット38を失火制御する(ステップ(46))。ス
テップ(45)の判断結果がYESであれば、点火時期設定
器30はエンジン11の回転が正転方向であることを確
認し(ステップ(47))、ステップ(45)に戻って通常の点
火時期制御を継続する。
【0048】従って、上記制御器29による逆転防止制
御によれば、2サイクルエンジンに固有な逆転現象の発
生を自動的に検知し、危険な逆転の持続を防止すること
が可能となる。
【0049】また、上記エンジン11にあっては、気化
器20にスロットル検出器34を設けるに際し、その耐
振性が特に弱い、検出軸71の軸方向、即ち接点72の
抵抗盤73に対する当接方向がエンジン11に生ずる振
動の周方向に略直交配置するものとした。従って、検出
軸71の軸方向に大きな振動が作用することを可及的に
回避し、検出軸71に固定してある接点72と抵抗盤7
3との接触状態の劣化を防止する等、検出性能を容易に
安定確保できる。
【0050】尚、上記実施例は本発明をV型6気筒エン
ジンに適用する場合について説明したが、本発明は他の
形式のエンジンにも適用可能であり、また単一気筒エン
ジンにも適用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、船外機用
エンジンのスロットル検出装置において、エンジン振動
による検出機能の劣化を防止し、検出性能を容易に安定
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用した船外機用エンジンの一
実施例を一部破断して示す平面図である。
【図2】図2は同エンジンを示す平面図である。
【図3】図3は同エンジンの点火制御系統図である。
【図4】図4は同エンジンに取付けられている制御器を
一部破断して示す平面図である。
【図5】図5は同エンジンのクランク軸上部構造を示す
断面図である。
【図6】図6は同エンジンのパルサコイル配置状態を示
す説明図である。
【図7】図7は同エンジンのパルサコイル及びクランク
角度信号発生器の各出力パルスを示す波形図である。
【図8】図8は同エンジンのスロットル検出器取付状態
を示す正面図である。
【図9】図9は図8のIX-IX 線に沿う断面図である。
【図10】図10は始動プログラムを示す流れ図であ
る。
【図11】図11は暖機プログラムを示す流れ図であ
る。
【図12】図12は暖機制御状態を示す線図である。
【図13】図13は低速回転プログラムを示す流れ図で
ある。
【図14】図14はオーバーヒート抑制プログラムを示
す流れ図である。
【図15】図15はオーバーヒート抑制制御状態を示す
線図である。
【図16】図16はノック抑制プログラムを示す流れ図
である。
【図17】図17はノック抑制制御状態を示す線図であ
る。
【図18】図18は過回転防止プログラムを示す流れ図
である。
【図19】図19は逆転防止プログラムを示す流れ図で
ある。
【符号の説明】
11 エンジン 23 スロットル弁 23A スロットル軸 71 検出軸 72 接点 73 抵抗盤(検出盤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渥美 信也 静岡県浜北市小林1281番地の1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船外機用エンジンのスロットル軸に検出
    軸を連結し、検出軸に固定した接点の検出盤に対する接
    触位置により、スロットル開度を検出する船外機用エン
    ジンのスロットル検出装置において、上記検出軸の軸方
    向を、エンジンに生ずる振動の主方向に略直交配置して
    なることを特徴とする船外機用エンジンのスロットル検
    出装置。
JP7751093A 1993-03-12 1993-03-12 船外機用エンジンのスロットル検出装置 Expired - Lifetime JPH0742872B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5522361A (en) * 1995-09-07 1996-06-04 Ford Motor Company Throttle shaft seal for a throttle body

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5522361A (en) * 1995-09-07 1996-06-04 Ford Motor Company Throttle shaft seal for a throttle body

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