JPH06175087A - 眼鏡レンズの加工検査方法および検査装置 - Google Patents

眼鏡レンズの加工検査方法および検査装置

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JPH06175087A
JPH06175087A JP33158992A JP33158992A JPH06175087A JP H06175087 A JPH06175087 A JP H06175087A JP 33158992 A JP33158992 A JP 33158992A JP 33158992 A JP33158992 A JP 33158992A JP H06175087 A JPH06175087 A JP H06175087A
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frame
spectacle lens
spectacle
bevel
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真市 小山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工済レンズを加工センタから眼鏡店舗へ送
る際に、加工済レンズが眼鏡フレーム枠に正確に嵌合す
ることを確認できるようにした眼鏡レンズの加工検査方
法および検査装置を提供することを目的とする。 【構成】 フレーム形状測定器101の測定値に基づき
メインフレーム201で眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周
長を予め求めておき、一方、ヤゲン頂点の形状測定器2
51で加工済眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿った周長を測
定する。そして、端末コンピュータ250が、測定され
た周長を予め求められた周長と比較し、比較の結果に基
づき、加工済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠に正確に嵌合す
るか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡レンズ枠に嵌合さ
せるべくヤゲン加工された加工済眼鏡レンズが眼鏡レン
ズ枠に正確に嵌合するか否かを検査するための眼鏡レン
ズの加工検査方法およびこの検査方法で使用される眼鏡
レンズの加工検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼鏡店舗等において、レンズが眼
鏡フレーム枠に枠入れされた眼鏡を眼鏡注文者に提供す
るまでの作業は、まず、眼鏡店舗が、眼鏡注文者の処方
および使用する眼鏡フレームの形状やサイズに基づき、
レンズを決定し、そのレンズをレンズ製造業者に注文す
る。そして、眼鏡店舗は、レンズ製造業者から届いたレ
ンズを種々の加工機器を操作して、処方とレンズ情報と
眼鏡フレーム情報とに基づき縁摺り加工およびヤゲン加
工を行い、その加工されたレンズを眼鏡フレーム枠に枠
入れしている。なお、ここでは、レンズを眼鏡フレーム
枠形状に合わせて研削加工することを「縁摺り加工」と
呼び、また、縁摺り加工されたレンズにヤゲンを設ける
加工を「ヤゲン加工」と呼ぶ。
【0003】ところで、眼鏡店舗で行われる縁摺り加工
およびヤゲン加工を、集約化して加工センタで行うよう
にし、しかも、眼鏡店舗と加工センタとを公衆通信回線
で接続するようにした眼鏡レンズ加工システムが、例え
ば特開平4−13539号公報に開示されている。これ
によれば、フレーム形状測定器を各眼鏡店舗に設置して
眼鏡フレーム形状データを作成し、そのデータを公衆通
信回線により加工センタに転送する。加工センタでは、
予め指定されたレンズに対し、眼鏡フレーム形状データ
に従い縁摺り加工およびヤゲン加工を行うようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このシステム
では、加工センタ側の手元に眼鏡フレームが存在しない
ため、縁摺り加工およびヤゲン加工が行なわれた後の加
工済レンズが、果して眼鏡フレームに正確に嵌合するか
どうかを、加工センタ側では確認ができなかった。その
ため、加工済レンズが加工センタから眼鏡店舗へ送ら
れ、眼鏡フレームに枠入れされた結果、加工済レンズが
大き過ぎて眼鏡フレーム枠に入らなかったり、逆に、加
工済レンズと眼鏡フレーム枠との間に隙間が生じるとい
う可能性があった。
【0005】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、加工済レンズを加工センタから眼鏡店舗へ送
る際に、加工済レンズが眼鏡フレーム枠に正確に嵌合す
ることを確認できるようにした眼鏡レンズの加工検査方
法および検査装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周長を予め
求め、加工済眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿った周長を測
定し、測定された周長を予め求められた周長と比較し、
比較の結果に基づき、加工済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠
に正確に嵌合するか否かを判定することを特徴とする眼
鏡レンズの加工検査方法が、提供される。
【0007】また、加工済眼鏡レンズをほぼ水平にして
中央を上下から保持するレンズ保持手段と、測定子を加
工済眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿って移動させる測定子
移動手段と、測定子または測定子を保持する部材の、基
準点からの回転角度を測定するための回転角度測定手段
と、回転角度測定手段と同期して、測定子または測定子
を保持する部材の、基準点からの水平方向変位を測定す
るための水平方向変位測定手段と、回転角度測定手段と
同期して、測定子または測定子を保持する部材の、基準
点からの上下方向変位を測定するための上下方向変位測
定手段と、回転角度測定手段、水平方向変位測定手段、
および上下方向変位測定手段の各測定値を基に、加工済
眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿った周長を算出する周長算
出手段と、周長算出手段が算出した周長を、予め分かっ
ている眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周長と比較する比較
手段とを有することを特徴とする眼鏡レンズの加工検査
装置が、提供される。
【0008】
【作用】通常、眼鏡レンズ枠は変形可能であり、したが
って、眼鏡レンズに設けられたヤゲンの形状に応じて眼
鏡レンズ枠形状は変形させられてしまうが、眼鏡レンズ
枠の枠溝に沿った周長は、眼鏡レンズ枠が変形しても変
化しない。本発明はこの点に着目して、予め求めた眼鏡
レンズ枠の枠溝に沿った周長と、加工済眼鏡レンズのヤ
ゲン頂点に沿った周長の測定値とを比較し、例えば、そ
れらの差が所定範囲内にあれば、加工済眼鏡レンズが眼
鏡レンズ枠に正確に嵌合すると判定するようにする。こ
れにより、加工センタ側に眼鏡フレームがなくとも、加
工済眼鏡レンズを加工センタから眼鏡店舗へ送る際に、
加工済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠に正確に嵌合すること
を確認できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の眼鏡レンズの加工検査方法が実
施される眼鏡レンズの供給システムの全体構成図であ
る。発注側である眼鏡店100とレンズ加工側であるレ
ンズメーカの工場200とは公衆通信回線300で接続
されている。図では眼鏡店を1つしか示さないが、実際
には複数の眼鏡店が工場200に接続される。
【0010】眼鏡店100には、オンライン用の端末コ
ンピュータ101およびフレーム形状測定器102が設
置される。端末コンピュータ101はキーボード入力装
置やCRT画面表示装置を備えるとともに、公衆通信回
線300に接続されている。端末コンピュータ101へ
は、フレーム形状測定器102から眼鏡フレーム実測値
が入力されて演算処理が行われるとともに、キーボード
入力装置から眼鏡レンズ情報、処方値等が入力される。
そして、端末コンピュータ101の出力データは、公衆
通信回線300を介して工場200のメインフレーム2
01にオンラインで転送される。
【0011】メインフレーム201は眼鏡レンズ加工設
計プログラム、ヤゲン加工設計プログラム等を備え、入
力されたデータに基づき、ヤゲン形状を含めたレンズ形
状を演算し、その演算結果を、公衆通信回線300を介
して端末コンピュータ101に戻して画面表示装置に表
示させるとともに、その演算結果を工場200の各端末
コンピュータ210,220,230,240,250
にLAN202を介して送るようにする。
【0012】端末コンピュータ210には、荒擦り機
(カーブジェネレータ)211と砂掛け研磨機212と
が接続され、端末コンピュータ210は、メインフレー
ム201から送られた演算結果に従い、荒擦り機211
と砂掛け研磨機212とを制御して、予め前面が加工さ
れたレンズの裏面(後面)の曲面仕上げを行う。
【0013】端末コンピュータ220には、レンズメー
タ221と肉厚計222とが接続され、端末コンピュー
タ220は、レンズメータ221と肉厚計222とで得
られた測定値と、メインフレーム201から送られた演
算結果とを比較して、レンズ裏面(後面)の曲面仕上げ
が完了したレンズの受入れ検査を行うとともに、合格レ
ンズには光学中心を示すマーク(3点マーク)を施す。
【0014】端末コンピュータ230には、マーカ23
1と画像処理機232とが接続され、端末コンピュータ
230は、メインフレーム201から送られた演算結果
に従い、レンズの縁摺りおよびヤゲン加工をする際にレ
ンズをブロック(保持)すべきブロッキング位置を決定
し、また、ブロッキング位置マークを施すことに使用さ
れる。このブロッキング位置マークに従い、ブロック用
の治工具がレンズに固定される。
【0015】端末コンピュータ240には、NC制御の
レンズ研削装置241とチャックインタロック242と
が接続され、端末コンピュータ240は、メインフレー
ム201から送られた演算結果に従い、レンズの縁摺り
加工およびヤゲン加工を行う。
【0016】端末コンピュータ250には、ヤゲン頂点
の形状測定器251が接続され、端末コンピュータ25
0は、この形状測定器251が測定し、算出したヤゲン
加工済のレンズの周長および形状を、メインフレーム2
01から送られた演算結果と比較して加工の合否判定を
行う。ヤゲン頂点の形状測定器251の詳しい構成に関
しては、図5〜12を参照して後述する。
【0017】以上のような構成のシステムにおいて眼鏡
レンズが供給されるまでの処理の流れを、以下、図2〜
図4を参照して説明する。なお、この処理の流れには、
「問い合わせ」と「注文」との2種類があり、「問い合
わせ」は、ヤゲン加工を含めたレンズ加工の完了時のレ
ンズ予想形状を報知するように、眼鏡店100が工場2
00に求めることであり、また、「注文」は、縁摺り加
工前のレンズまたはヤゲン加工済のレンズを送るよう
に、眼鏡店100が工場200に求めることである。
【0018】図2は、眼鏡店100での最初の入力処理
の流れを示すフローチャートである。図中、Sに続く数
字はステップ番号を表す。 〔S1〕眼鏡店100の端末コンピュータ101のレン
ズ注文問い合わせ処理プログラムが起動され、オーダエ
ントリ画面が画面表示装置に表示される。眼鏡店100
のオペレータは、オーダエントリ画面を見ながら、キー
ボード入力装置により、注文あるいは問い合わせの対象
となるレンズの種類の指定を行う。
【0019】すなわち、レンズの種類指定、注文あるい
は問い合わせをするレンズが、ヤゲン加工済のレンズで
あるか、または縁摺り加工とヤゲン加工とが施されない
レンズであるかについての指定、レンズの厚さを必要最
小値になるように指定する加工指定、マイナスレンズの
コバを目立たなくする面取りをし、その部分の研磨仕上
げをする加工指定等を行う。
【0020】〔S2〕レンズのカラーの指定を行う。 〔S3〕レンズの処方値、レンズの加工指定値、眼鏡フ
レームの情報、レイアウト情報、ヤゲンモード、ヤゲン
位置およびヤゲン形状を入力する。レイアウト情報は、
レンズ上の瞳孔位置であるアイポイント位置を指定する
ものである。
【0021】レンズの加工指定値として、レンズ厚さ、
コバ厚さ、プリズム、偏心、外径、およびレンズ表カー
ブ(ベースカーブ)の各指定値を入力する。ヤゲンモー
ドは、レンズコバのどこにヤゲンを立てるかによって、
「1:1」、「1:2」、「凸ならい」、「フレームな
らい」、および「オートヤゲン」のモードがあり、それ
らの中から選択して入力する。ここでは例えば「凸なら
い」とは、レンズ前面に沿ってヤゲンを立てるモードで
ある。
【0022】ヤゲン位置の入力は、ヤゲンモードが「凸
ならい」、「フレームならい」、および「オートヤゲ
ン」のときに限り有効であり、ヤゲン表面側底の位置を
レンズ前面からどれだけ後面方向に位置させるかを指定
するものである。
【0023】〔S4〕ここで対象となる眼鏡フレームに
対し、図1のフレーム形状測定器102による眼鏡枠形
状の測定が既に完了しているか否かを判別する。完了し
ていればステップS7へ進み、完了していなければステ
ップS5へ進む。
【0024】〔S5〕まず、眼鏡店100の端末コンピ
ュータ101において、レンズ注文問い合わせ処理プロ
グラムからフレーム形状測定プログラムへ処理が渡され
る。そして、これから形状測定される眼鏡フレームに付
された測定番号を入力する。また、フレームの材質(メ
タル、プラスティック等)を指定し、さらに、フレーム
曲げの可不可の指定を行う。
【0025】〔S6〕測定すべき眼鏡フレームをフレー
ム形状測定器102に固定して測定を開始する。フレー
ム形状測定器102は、眼鏡フレームの左右枠のヤゲン
溝に測定子を接触させ、その測定子を所定点を中心に回
転させてヤゲン溝の形状の円筒座標値を3次元的に検出
し、データを端末コンピュータ101に送る。端末コン
ピュータ101では、場合によっては、それらのデータ
のスムージングを行い、そしてトーリック面の中心座
標、ベース半径、クロス半径、トーリック面の回転対称
軸方向単位ベクトル、またはフレームカーブ(フレーム
枠が球面上にあると見做せるときのその球面の曲率)、
ヤゲン溝の周長、フレームPD(瞳孔間距離)、フレー
ム鼻幅、フレーム枠左右および上下の最大幅であるAサ
イズおよびBサイズ、有効径(最大動径の2倍の値)、
左右フレーム枠のなす角度である傾斜角を算出する。そ
して、これらの算出したデータを画面表示装置に表示す
る。なお、データに大きな乱れがあったり、左右フレー
ム枠の形状に大きな差があったりした場合には、その旨
のエラーメッセージを画面表示装置に表示する。
【0026】眼鏡店100では、画面表示装置に、デー
タに大きな乱れがある旨のエラーメッセージが表示され
た場合には、フレーム溝に固着物がないか、フレーム枠
の継ぎ目がずれたまま、あるいは隙間が空いたまま測定
がされていないか等を点検して再び測定を行う。また、
左右フレーム枠の形状に大きな差がある旨のエラーメッ
セージが画面表示装置に表示された場合には、その差が
許されるものならば、このままでよい旨の確認の入力を
行い、一方、その差が許されないものならば、眼鏡枠形
状を手で修正してから再度測定してもよいし、左右の形
状を平均化したものを演算で求めて、これを眼鏡枠形状
値とするマージング指定の入力をしてもよい。
【0027】〔S7〕既に眼鏡枠形状の測定が行われ、
その結果が記憶されている場合には、その記憶された測
定値を読み出すために、眼鏡フレームに付けた測定番号
を入力する。
【0028】〔S8〕測定番号に従い、該当する眼鏡フ
レームについての記憶された眼鏡枠形状情報を内部記憶
媒体から読み出す。 〔S9〕「問い合わせ」か、「注文」かの指定をする。
【0029】以上のステップの実行によって得られたレ
ンズ情報、処方値、フレーム情報等のデータが、公衆通
信回線を介して工場200のメインフレーム201に送
られる。送信が行われている間、眼鏡店100の端末コ
ンピュータ101には送信中である旨の表示がされる。
【0030】図3は、工場200での処理の流れ、なら
びに工場200からの転送により眼鏡店100で行われ
る確認およびエラー表示のステップを示すフローチャー
トである。図中、Sに続く数字はステップ番号を表す。
【0031】〔S11〕工場200のメインフレーム2
01には眼鏡レンズ受注システムプログラム、眼鏡レン
ズ加工設計プログラム、およびヤゲン加工設計プログラ
ムが備えられている。レンズ情報、処方値、フレーム情
報等のデータが、公衆通信回線を介して送られると、眼
鏡レンズ受注システムプログラムを経て眼鏡レンズ加工
設計プログラムが起動し、レンズ加工設計演算が行われ
る。
【0032】まず、フレームの形状情報、処方値、およ
びレイアウト情報に基づき、指定レンズの外径が不足し
ていないかを確認する。レンズの外径が不足している場
合には、ボクシングシステムでの不足方向、不足量を算
出し、眼鏡店100の端末コンピュータ101に表示す
るために、眼鏡レンズ受注システムプログラムに処理を
戻す。
【0033】レンズの外径に不足が出なければ、レンズ
の表カーブの決定を行う。この決定は、レンズの左右の
処方値により、まず、左右別々に表カーブを決めて、つ
ぎに、左右の表カーブを揃える手順を踏む。なお、非球
面単焦点レンズのうち、左右の表カーブを揃えることが
禁じられているものの場合には、この工程をスキップす
る。ここでいう表カーブは必要に応じて、非球面単焦点
レンズでは2次、4次の非球面で近似表現され、累進多
焦点レンズでは各方向毎に2次、4次の非球面で近似表
現されている。
【0034】つぎにレンズの厚さの決定を行う。通常、
レンズの外径は処方値により決まっているため、その外
径と標準のコバの厚さと処方値とによってレンズの厚さ
は決定される。また、レンズの厚さを必要最小限の値に
する加工指定が設定されている場合には、眼鏡枠形状情
報とレイアウト情報と処方値とにより、フレーム各方向
の動径毎に全周のコバの厚さを調べて、指定に沿ったレ
ンズの厚さを決定する。
【0035】レンズの厚さが決まったら、レンズの裏カ
ーブ、プリズム、プリズムベース方向を算出し、これに
より、縁摺り加工前のレンズの全体形状が決定する。こ
こで、フレーム各方向の動径毎に全周のコバの厚さを調
べて、必要なコバ厚さを下回る箇所がないかを確認す
る。もし、下回る箇所があれば、ボクシングシステムで
の不足方向、不足量を算出し、眼鏡店100の端末コン
ピュータ101に表示するために、眼鏡レンズ受注シス
テムプログラムに処理を戻す。
【0036】全周のコバの厚さに不足がなければ、レン
ズ重量、最大および最小のコバ厚さとそれらの方向等を
算出する。そして、レンズの裏面(後面)加工のために
必要となる、工場200の端末コンピュータ210に対
する指示値を算出する。
【0037】以上の演算は、端末コンピュータ210、
荒擦り機211、および砂掛け研磨機212によって、
縁摺り加工前のレンズ研磨加工が行われる場合に必要な
ものであり、算出された種々の値が次のステップに渡さ
れる。
【0038】また、既に加工済の在庫レンズが指定さ
れ、縁摺り加工前のレンズ研磨加工は行われない場合に
は、レンズの種類と処方値とでレンズ外径、レンズ厚
さ、表カーブ、裏カーブが予め決まっており、かつ、そ
れらのデータが記憶されているから、それらの値を読み
出して上記裏面加工品と同様に、レンズの外径、コバ厚
さが不足しないかを確認し、次のステップに渡す。在庫
レンズの場合も、非球面単焦点レンズや累進多焦点レン
ズの表カーブは必要に応じて、研磨加工レンズの場合と
同様に、非球面に近似表現されている。
【0039】〔S12〕つぎに、メインフレーム201
では、眼鏡レンズ受注システムプログラムを経てヤゲン
加工設計プログラムが起動し、ヤゲン加工設計演算が行
なわれる。
【0040】まず、眼鏡フレームの材質に応じて眼鏡枠
形状の3次元データの補正を行い、眼鏡フレームの材質
に起因する眼鏡枠形状データの誤差を補正する。つぎ
に、眼鏡フレーム枠形状と眼鏡レンズとの位置関係をア
イポイント位置を基に3次元的に決める。
【0041】ヤゲン加工を行うためにレンズを保持する
際に基準となる加工原点および回転軸である加工軸を決
め、この加工座標に今までのデータを座標変換する。そ
して、3次元のヤゲン先端形状を、指定されたヤゲンモ
ードに応じて決定する。その際、3次元ヤゲン先端形状
をヤゲン周長を変えることなく変形させることを前提と
し、その予想される変形量を算出する。ヤゲンモードが
フレームならいのときやフレーム曲げが不可のときには
変形できないから、変形しないとヤゲンが立たない場合
には、その旨のエラーコードを出力する。
【0042】その算出された変形量を、眼鏡フレームの
材質毎に設けられた変形の限界量と比較し、限界量を越
えていれば、その旨のエラーコードを出力する。なお、
3次元のヤゲン先端形状を変形させることにより、アイ
ポイント位置がずれるので、その誤差を補正するように
する。
【0043】以上のように、3次元のヤゲン加工の設計
演算を行う。 〔S13〕図2のステップS9での指定が「注文」なら
ばステップS15へ進み、一方、「問い合わせ」なら
ば、問い合わせの結果を公衆通信回線を介して眼鏡店1
00の端末コンピュータ101へ送り、ステップS14
へ進む。
【0044】〔S14〕工場200のメインフレーム2
01から送られてきた、問い合わせに対する結果に基づ
き、端末コンピュータ101がヤゲン加工完了時のレン
ズの予想形状あるいはエラー状況を画面表示装置に表示
する。眼鏡店100のオペレータは、表示された内容に
よって、指定入力情報の変更や確認を行う。
【0045】すなわち、図3のステップS11およびス
テップS12での加工設計演算においてエラーが発生し
ていないならば、図1の端末コンピュータ101の画像
表示装置の画面に順次、レンズ厚さおよびレンズ重量を
表示するオーダエントリ着信画面、眼鏡フレームに指定
されたレイアウト情報に従ってレンズがどのように配置
されるかを視覚的に表示するレイアウト確認図、フレー
ムに枠入れされて空間的に配置された左右のレンズを任
意の方向からみた立体図、レンズの形状や、コバとヤゲ
ンとの位置関係を詳しく表示したヤゲン確認図、左右両
方のレンズのコバ厚さとヤゲン位置とをヤゲンに沿って
展開した左右ヤゲンバランス図を表示する。
【0046】また、図3のステップS11およびステッ
プS12での加工設計演算において、エラーが発生して
いるならば、図1の端末コンピュータ101の画面表示
装置に、エラーの内容に応じたメッセージが表示され
る。
【0047】〔S15〕図2のステップS9での指定が
「注文」ならば、このステップを実行し、ステップS1
1およびステップS12での加工設計演算においてエラ
ーが発生したか否かを判別する。エラーが発生していれ
ば、その結果を公衆通信回線を介して眼鏡店100の端
末コンピュータ101へ送り、ステップS17へ進む。
一方、エラーが発生していなければ、その結果を公衆通
信回線を介して眼鏡店100の端末コンピュータ101
へ送り、ステップS16へ進むとともに、ステップS1
8以降(図4)に進み、実際の加工を実行する。
【0048】〔S16〕眼鏡店100の端末コンピュー
タ101の画面表示装置に「注文を受け付けた」旨の表
示を行う。これにより、フレームに確実に枠入れ可能な
縁摺り加工前またはヤゲン加工後のレンズを発注できた
ことが確認できる。
【0049】〔S17〕注文のレンズは、レンズ加工設
計演算またはヤゲン加工設計演算においてエラーが発生
していて加工のできないレンズであるから、「注文を受
け付けられない」旨の表示を行う。
【0050】図4は、工場200で行われるレンズ裏面
の研磨加工、レンズの縁摺り加工、ヤゲン加工、仕上が
りレンズの検査等の実際の工程を示すフローチャートで
ある。Sに続く数字はステップ番号を表す。以下、図1
を参照しながら説明する。
【0051】〔S18〕ステップS9で「注文」が指定
されていて、しかもレンズまたはヤゲンの加工設計演算
においてエラーが発生していなかった場合は、このステ
ップが実行される。すなわち、予め、ステップS11で
のレンズ加工設計演算結果が図1の端末コンピュータ2
10に送られており、荒擦り機211と砂掛け研磨機2
12とにより、送られた演算結果に従い、レンズ裏面の
曲面仕上げを行う。さらに、図示がない装置により、染
色や表面処理が行われ、縁摺り加工前までの加工が行わ
れる。なお、在庫レンズが指定されたときは、このステ
ップはスキップされる。
【0052】〔S19〕ステップS18の実行で縁摺り
加工前まで加工された眼鏡レンズに対して光学性能、外
観性能の品質検査を行う。この検査には、図1の端末コ
ンピュータ220、レンズメータ221、肉厚計222
が利用され、光学中心を示す3点マークが施される。な
お、縁摺り加工前までのレンズを眼鏡店100から注文
された場合には、上記品質検査を行った後、そのレンズ
を眼鏡店100へ出荷する。
【0053】〔S20〕ステップS12で演算された結
果に基づき、図1の端末コンピュータ230、マーカ2
31、画像処理機232等により、レンズ保持用のブロ
ック治工具をレンズの所定の位置に固定する。すなわ
ち、画像処理機232により、眼鏡レンズ前面をTVカ
メラで撮影し、それをCRT画面に映し、さらに、その
画像に、縁摺り加工前のレンズのレイアウトマーク画像
を重ねて映し出す。ここで、CRT画面に映し出された
レイアウトマーク画像に、レンズに施された3点マーク
が一致するようにレンズの位置を決めてブロック治工具
の固定すべき位置を決める。そして、マーカ231によ
り、ブロック治工具の固定すべき位置を示すブロッキン
グ位置マークをレンズ上にペイントする。このブロッキ
ング位置マークに合わせて、ブロック治工具をレンズに
固定する。
【0054】〔S21〕ブロック治工具に固定されたレ
ンズを、図1のレンズ研削装置241に装着する。そし
て、レンズ研削装置241に装着された状態でのレンズ
の位置(傾斜)を把握するために、予め指定された、レ
ンズ前面または後面の少なくとも3点の位置を測定す
る。ここで得られた測定値は、ステップS22で演算デ
ータとして使用されるために記憶される。
【0055】〔S22〕図1のメインフレーム201が
ステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算を行
う。ただし、実際の加工では、計算上で把握したレンズ
の位置と実際のレンズの位置とに誤差が生じる場合があ
るので、加工座標への座標変換が終了した時点で、この
誤差の補正を行う。すなわち、ステップS21で測定さ
れた3点の位置測定値に基づき、計算上で把握されたレ
ンズの位置と実際のレンズの位置との誤差を補正する。
他はステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算
を行い、最終的な3次元ヤゲン先端形状を算出する。
【0056】そして、この算出された3次元ヤゲン先端
形状を基に、所定の半径の砥石で研削加工する際の加工
座標上の3次元加工軌跡データを算出する。 〔S23〕ステップS22で算出された加工軌跡データ
が端末コンピュータ240を介してNC制御のレンズ研
削装置241に送られる。レンズ研削装置241は、Y
軸方向(スピンドル軸方向に垂直方向)に移動制御され
てレンズの縁摺りやヤゲン加工を行う研削用の回転砥石
を有し、また、レンズを固定するブロック治工具の回転
角制御(スピンドル軸回転方向)と、Z軸方向(スピン
ドル軸方向)に砥石またはレンズを移動制御してヤゲン
加工を行うZ軸制御との、少なくとも3軸制御が可能な
NC制御の研削装置であり、送られたデータに従い、レ
ンズの縁摺りおよびヤゲン加工を行う。なお、レンズ研
削装置241は、砥石で研削加工を行うが、この代わり
に、カッタを備え、切削加工を行う切削装置を用いるこ
とも可能である。
【0057】〔S24〕ヤゲン頂点の形状測定器251
により、ヤゲン加工完了レンズのヤゲン頂点の周長およ
び形状を測定する。すなわち、形状測定器251に、ス
テップS23での加工が完了したレンズを、ブロック治
工具を付けたまま取り出して装着し、ヤゲン頂点測定用
測定子をレンズのヤゲン頂点に当接させ、測定を開始さ
せる。こうして測定されたヤゲン頂点の3次元の円筒座
標値から、ヤゲン加工完了レンズのヤゲン頂点の周長お
よび形状を算出し、端末コンピュータ250に送る。
【0058】そして、端末コンピュータ250は、ステ
ップS12の演算で求められた設計ヤゲン頂点周長と、
形状測定器251により測定された測定値とを比較し、
それらの差が、例えば0.1mm以内ならば合格品と判
断する。
【0059】また、ステップS12の演算により作成さ
れたフレームの設計Aサイズ、設計Bサイズと、形状測
定器251により測定されたAサイズ、Bサイズとを比
較し、それらの差が、例えば、0.1mm以内ならば合
格品と判断する。
【0060】〔S25〕ヤゲン加工完了のレンズのヤゲ
ン位置や形状を、ステップS12で演算された結果に基
づいて作成された加工指示書に打ち出されているヤゲン
位置の図面と比較してヤゲンの品質を検査する。また、
縁摺り加工によってレンズに傷、バリ、欠け等が発生し
ていないかの外観検査を行う。
【0061】〔S26〕以上のようにして出来上がった
ヤゲン加工上がりレンズを眼鏡店100へ出荷する。つ
ぎに、ステップS24で用いられたヤゲン頂点の形状測
定器251について説明する。
【0062】図5は、形状測定器251を示す斜視図、
図6は図5の矢印B方向から見た形状測定器251の立
面図である。図中、ヤゲン加工が完了した加工完了レン
ズ1は、ほぼ水平状態で凸面を上側にしてその中央を上
側と下側とから保持される。上側は既に取り付けられて
いるブロック治工具2によって保持されている。ブロッ
ク治工具2は、その下端にゴム等からなる吸盤4を備
え、加工完了レンズ1を吸着保持できるようになってい
る。
【0063】ブロック治工具2は90度に曲がったアー
ム5の下端に取り付けられる。アーム5は、90度に曲
がったスタンド6内に挿入され、ネジ7によって固定さ
れているので、矢印A方向に着脱することができる。ス
タンド6はその下端が、形状測定器251の動かない部
分である基板8に固定されている。
【0064】加工完了レンズ1を下側から保持する下側
ホルダ3は、支持棒10に回転自在に支持され、この支
持棒10はキャップ12内のバネ(図示せず)によって
上方へ付勢されている。これにより、加工完了レンズ1
は下側ホルダ3により下側から押しつけられている。キ
ャップ12は、取付板14に固定され、支持棒10の上
下移動のガイドとして働く。取付板14は後述の測定部
の被覆板15に固定されている。
【0065】つぎに、図6および図7を参照して形状測
定器251の測定部16について説明する。図7は、図
5における加工完了レンズ1の保持部分が取り除かれた
形状測定器251を示す斜視図である。測定部16は、
ブロック治工具2および下側ホルダ3により保持された
加工完了レンズ1のヤゲン頂点に沿って、測定子として
のスタイラス17を転動させながら移動させ、そのとき
の各ヤゲン頂点の3次元の円筒座標値を測定する。すな
わち、基準点からのスタイラス17の半径方向の移動距
離、回転角度、および上下移動距離を測定する。
【0066】測定部16は、U字状の回転台18を備
え、この回転台18はその下端面に取り付けられたタイ
ミングプーリ19、タイミングベルト20およびタイミ
ングプーリ21を介してモータ22によってΘ方向に回
転駆動される。この回転の角度は、回転台18に取り付
けられたタイミングプーリ19に、タイミングベルト2
3とタイミングプーリ24を介して接続されたロータリ
エンコーダ25によって検出される。モータ22とロー
タリエンコーダ25とは、形状測定器251の基板8
(図7では、形状測定器251の他の部品を見易くする
ため一部だけ図示)に固定され、そして、タイミングプ
ーリ19および回転台18は軸受26によって基板8に
回転可能に軸承されている。この軸受26の中心線の延
長上に、下側ホルダ3が配置されている。
【0067】測定部16の回転台18は2枚の側板2
7,28と、この両側板を連結する長方形の中央板29
とから成っている。側板27,28の上面には、スタイ
ラス17の移動用の細長い穴15a(図5参照))を備
えた被覆板15が固定されている。側板27と側板28
との間には、2本のスライドガイドシャフト30,31
が平行に固定されている。このスライドガイドシャフト
30,31に沿って水平に設置されたスライド板32が
R方向に滑動可能に案内されている。この案内のため
に、スライド板32はその下面に、回転自在な3個のス
ライドガイドローラ33,34を備えている。この場
合、一方のスライドガイドシャフト30に1個のスライ
ドガイドローラ(図示せず)が接触し、他方のスライド
ガイドシャフト31に2個のスライドガイドローラ3
3,34が接触し、これらのスライドガイドローラはス
ライドガイドシャフト30,31を両側から挟むように
してスライドガイドシャフト30,31に沿ってそれぞ
れ転動する。
【0068】スライド板32には、そのスライド方向R
に定荷重ばね35が作用し、スライド板32は一方の側
板27の方へ引っ張られている。この定荷重ばね35は
ブッシング36に巻き取られ、軸37とブラケット38
とを介して側板27に固定されている。定荷重ばね35
の他端はスライド板32に取り付けられている。定荷重
ばね35は、スタイラス17を加工完了レンズ1のヤゲ
ン頂点に常時押しつける作用がある。
【0069】スライド板32のR方向の移動量rは、変
位計測スケールとしての反射型リニアエンコーダ39で
測定される。このリニアエンコーダ39は、回転台18
の側板27と側板28との間に延設されたスケール40
と、スライド板32に固定され、かつスケール40に沿
って移動する検出器41と、プリアンプ42と、このプ
リアンプ42と検出器41とを接続するフレキシブルケ
ーブル43とからなっている。プリアンプ42は側板2
7に固定されたブラケット44に取り付けられている。
【0070】スライド板32のR方向の移動によって、
検出器41はスケール40の面と一定の距離を保ちなが
ら移動する。この移動に対応して、検出器41はパルス
信号をフレキシブルケーブル43で接続されたプリアン
プ42へ出力する。プリアンプ42ではこの信号を増幅
して後述のカウンタへ送る。
【0071】スライド板32には、測定子としてのスタ
イラス17が保持されている。このスタイラス17はス
ライド板32に固定されたスリーブ45の中ですべり軸
受によって上下方向(Z方向)に移動自在に、かつ回転
自在に軸承されている。スタイラス17は、定荷重ばね
35の作用により、加工完了レンズ1のヤゲン頂点に接
触し、回転台18の回転により加工完了レンズ1のヤゲ
ン頂点に沿って転動する。スタイラス17の構造につい
ては図9を参照して後述する。
【0072】その際、スタイラス17は加工完了レンズ
1のヤゲン頂点の形状に対応して半径方向に移動する。
基準点からのこの半径方向の移動量、すなわちR方向の
移動量rは、前述のようにスリーブ45とスライド板3
2とを介してリニアエンコーダ39で測定される。
【0073】また、スタイラス17は加工完了レンズ1
のヤゲン頂点の形状に対応してZ方向に移動する。この
Z方向の移動量を検出するのが、スライド板32に固定
されたZ軸測定器46である。図8は、Z軸測定器46
の構成を示し、(A)はその斜視図、(B)は断面図で
ある。
【0074】このZ軸測定器46は、電荷結合素子(C
CD)ラインイメージセンサ46aと、光源である発光
ダイオード(LED)46bで構成され、スライド板3
2に取り付けられている。
【0075】CCDラインイメージセンサ46aとLE
D46bとは向かい合って配置されている。スタイラス
17が両者の間を加工完了レンズ1のヤゲン頂点の形状
に応じて上下するので、スタイラス17によって遮られ
てCCDラインイメージセンサ46a上にできるスタイ
ラス17の影と明るい部分との境も上下に移動する。よ
って、CCDラインイメージセンサ46aの測定面の端
からこの境までの距離を検出することで、スタイラス1
7のZ方向の変位zを測定することができる。CCDラ
インイメージセンサ46aは測定面上の各点の明るさを
電圧に変換し、外部から与えられるスタートパルスによ
りCCDラインイメージセンサ46aの測定面の端から
順に、外部からのクロックに同期して、この明るさに対
応した電圧を出力するので、この電圧を任意のレベルで
コンパレータで二値化して、スタートパルスから二値化
信号が0から1に変化する点、つまり影の境の点までの
クロック数をカウントすることでスタイラスの上下移動
量を測定する。
【0076】図9は、スタイラス17の、加工完了レン
ズ1のヤゲン頂点への接触部分を示す立面図である。す
なわち、スタイラス17は、予め決められたヤゲンの形
状に合致するV字状溝を円周に沿って設けた接触部17
aを有しており、この接触部17aが加工完了レンズ1
のヤゲン頂点1aに当接される。
【0077】また、形状測定器251は、図10に示す
ように、形状測定後、モータ22を停止させるためのモ
ータ回転リミット機構47を備えている。図10は、形
状測定器251のモータ回転リミット機構47を示す部
分斜視図である。
【0078】この機構は、タイミングプーリ19の側面
に固定された回転リミット用L金具48と、このL金具
48によって操作される垂直方向に延びた遮蔽ロッド4
9と、この遮蔽ロッド49と一体形成され、水平方向に
延びた遮蔽板50と、この遮蔽板50と遮蔽ロッド49
とを水平な両側から引っ張って可動に支持している2つ
のバネ51a,51bと、遮蔽板50と協働するフォト
インタラプタ52a,52bとからなっている。バネ5
1a,51bの各他端は基板8に取り付けられている。
フォトインタラプタ52a,52bも同様に基板8に取
り付けられ、回転台18の正転、逆転に対応して2個設
けられている。回転リミットL金具48が遮蔽ロッド4
9を押し、遮蔽板50がフォトインタラプタ52a,5
2b内を通過して光を遮ることによって得られる信号
が、後述の制御回路に入力され、モータ22が停止す
る。
【0079】図11は、このように構成される形状測定
器251の作動を制御する制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。すなわち、マイクロコンピュータから成る
制御回路53には、CCDラインイメージセンサ46a
からカウンタ55を介して、スタイラス17の上下方向
の移動量が移動量zとして入力し、また、リニアエンコ
ーダ39からカウンタ56を介して、スタイラス17の
半径方向の移動量が移動量rとして入力する。さらに、
ロータリエンコーダ25から、測定部16の回転量が回
転角θとして入力する。その際、制御回路53は、ロー
タリエンコーダ25の原点信号を入力すると、ロータリ
エンコーダ25の角度信号に対応して、r軸データであ
るリニアエンコーダ39のカウンタ値と、z軸データで
あるCCDラインイメージセンサ46aのカウント値を
順番にメモリに記憶する。
【0080】また、制御回路53には、フォトインタラ
プタ52aおよびフォトインタラプタ52bから信号が
入力する。一方、制御回路53は、Θ方向の駆動モータ
22に駆動信号を送るとともに、加工完了レンズ1のヤ
ゲン頂点の周長および形状を算出して、インタフェイス
54を介して端末コンピュータ250へ送るようにす
る。
【0081】つぎに、このように構成される形状測定器
251の作動について説明する。まず、加工完了レンズ
1が取り付けられたままのブロック治工具2を形状測定
器251に固定し、加工完了レンズ1の下側から、ばね
で付勢された下側ホルダ3を押しつけて、加工完了レン
ズ1を保持する。つぎに、スタイラス17の接触部17
aを加工完了レンズ1のヤゲン頂点1aに接触させる。
そして、図示していない測定開始スイッチをオンする
と、制御回路53の指示によりモータ22が回転し、タ
イミングベルト20で連結された回転台18がΘ方向に
回転し、スタイラス17の接触部17aは加工完了レン
ズ1のヤゲン頂点1aに接触しながら転動する(図12
参照)。これにより、前述のように、基準点からのスタ
イラス17の回転角度θは、ロータリエンコーダ25に
よって回転台18の回転角度をして検出される。スタイ
ラス17の半径方向の変位rは、リニアエンコーダ39
によってスライド板32のR方向の移動量として検出さ
れる。スタイラス17の上下方向の移動量はCCDライ
ンイメージセンサ46aによってスタイラス17のZ方
向の移動量zとして検出される。
【0082】そして、回転台18が一回転し、再びロー
タリエンコーダ25から原点信号を受け取ると、制御回
路53は、データの記憶を中止し、また、回転リミット
用L金具48が遮蔽ロッド49を押し、遮蔽板50がフ
ォトインタラプタ52aまたはフォトインタラプタ52
bへの光を遮る。それによって得られる信号を制御回路
53に入力することで、モータ22の回転を停止する。
【0083】以上の回転台18の一回転により得られた
データ(θ,r,z)を基に、制御回路53は、スタイ
ラス17の接触部17aの半径分のオフセット補正をし
た後、加工完了レンズ1のヤゲン頂点の周長および形状
を算出して、インタフェイス54を介して端末コンピュ
ータ250へ送るようにする。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、予め求
めた眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周長と、加工済眼鏡レ
ンズのヤゲン頂点に沿った周長の測定値とを比較し、そ
の比較結果に基づき、加工済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠
に正確に嵌合するか否かを判定するようにする。これに
より、加工センタ側に眼鏡フレームがなくとも、加工済
眼鏡レンズを加工センタから眼鏡店舗へ送る際に、加工
済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠に正確に嵌合することを確
認できる。したがって、加工済眼鏡レンズが加工センタ
から眼鏡店舗へ送られ、眼鏡フレーム枠に枠入れされる
とき、加工済眼鏡レンズが大き過ぎて眼鏡フレーム枠に
入らなかったり、逆に、加工済眼鏡レンズと眼鏡フレー
ム枠との間に隙間が生じるというような不具合は解消さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼鏡レンズの加工検査方法が実施され
る眼鏡レンズの供給システムの全体構成図である。
【図2】眼鏡店での最初の入力処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図3】工場での処理の流れ、ならびに工場からの転送
により眼鏡店で行われる確認およびエラー表示のステッ
プを示すフローチャートである。
【図4】工場で行われるレンズ裏面の研磨加工、レンズ
の縁摺り加工、ヤゲン加工、仕上がりレンズの検査等の
実際の工程を示すフローチャートである。
【図5】形状測定器を示す斜視図である。
【図6】図5の矢印B方向から見た形状測定器の立面図
である。
【図7】加工完了レンズの保持部分を取り除いた形状測
定器を示す斜視図である。
【図8】Z軸測定器の構成を示し、(A)はその斜視
図、(B)は断面図である。
【図9】スタイラスの、加工完了レンズのヤゲン頂点へ
の接触部分を示す立面図である。
【図10】形状測定器のモータ回転リミット機構を示す
斜視図である。
【図11】形状測定器の作動を制御する制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図12】測定状態を示す、形状測定器の部分平面図で
ある。
【符号の説明】
100 眼鏡店 101 端末コンピュータ 102 フレーム形状測定器 200 工場 201 メインフレーム 202 LAN 210 端末コンピュータ 211 荒擦り機(カーブジェネレータ) 212 砂掛け研磨機 220 端末コンピュータ 221 レンズメータ 222 肉厚計 230 端末コンピュータ 231 マーカ 232 画像処理機 240 端末コンピュータ 241 レンズ研削装置 242 チャックインタロック 250 端末コンピュータ 251 ヤゲン頂点の形状測定器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡レンズ枠に嵌合させるべくヤゲン加
    工された加工済眼鏡レンズが前記眼鏡レンズ枠に正確に
    嵌合するか否かを検査するための眼鏡レンズの加工検査
    方法において、 前記眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周長を予め求め、 前記加工済眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿った周長を測定
    し、 前記測定された周長を前記予め求められた周長と比較
    し、 前記比較の結果に基づき、前記加工済眼鏡レンズが前記
    眼鏡レンズ枠に正確に嵌合するか否かを判定することを
    特徴とする眼鏡レンズの加工検査方法。
  2. 【請求項2】 眼鏡レンズ枠に嵌合させるべくヤゲン加
    工された加工済眼鏡レンズが前記眼鏡レンズ枠に正確に
    嵌合するか否かを検査するための眼鏡レンズの加工検査
    装置において、 加工済眼鏡レンズをほぼ水平にして中央を上下から保持
    するレンズ保持手段と、 測定子を、前記加工済眼鏡レンズのヤゲン頂点に沿って
    移動させる測定子移動手段と、 前記測定子または前記測定子を保持する部材の、基準点
    からの回転角度を測定するための回転角度測定手段と、 前記回転角度測定手段と同期して、前記測定子または前
    記測定子を保持する部材の、基準点からの水平方向変位
    を測定するための水平方向変位測定手段と、 前記回転角度測定手段と同期して、前記測定子または前
    記測定子を保持する部材の、基準点からの上下方向変位
    を測定するための上下方向変位測定手段と、 前記回転角度測定手段、水平方向変位測定手段、および
    上下方向変位測定手段の各測定値を基に、前記加工済眼
    鏡レンズのヤゲン頂点に沿った周長を算出する周長算出
    手段と、 前記周長算出手段が算出した周長を、予め分かっている
    眼鏡レンズ枠の枠溝に沿った周長と比較する比較手段
    と、 を有することを特徴とする眼鏡レンズの加工検査装置。
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