JP3294822B2 - 眼鏡レンズの供給システム - Google Patents

眼鏡レンズの供給システム

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JP3294822B2
JP3294822B2 JP21253099A JP21253099A JP3294822B2 JP 3294822 B2 JP3294822 B2 JP 3294822B2 JP 21253099 A JP21253099 A JP 21253099A JP 21253099 A JP21253099 A JP 21253099A JP 3294822 B2 JP3294822 B2 JP 3294822B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼鏡レンズの供給シ
ステムに関し、特に眼鏡レンズの発注側に設置された端
末装置と、眼鏡レンズの加工側(製造側)に設置され、
この端末装置に通信回線で接続された少なくとも演算装
置とからなる眼鏡レンズの供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼鏡店舗等において、レンズがフ
レームに枠入れされた眼鏡を眼鏡注文者に提供するまで
の作業は、まず、眼鏡店舗が、眼鏡注文者の処方および
使用する眼鏡フレームの形状やサイズに基づき、眼鏡レ
ンズを決定し、そのレンズをレンズ製造者に注文する。
そして、眼鏡店舗は、製造者から届いたレンズを種々の
加工機器を操作して、処方とレンズ情報と眼鏡フレーム
情報とに基づき縁摺り加工およびヤゲン加工を行い、そ
の加工されたレンズを眼鏡フレームに枠入れしている。
なお、以下、レンズを眼鏡フレーム枠形状に合わせて研
削加工することを「縁摺り加工」と定義し、また、縁摺
り加工されたレンズにヤゲンを設ける加工を「ヤゲン加
工」と定義する。
【0003】この一連の作業には、眼鏡レンズの光学的
知識と、眼生理学的知識と、それらに基づく眼鏡を調整
するための枠入れおよびフィッティングに関する総合的
な加工技術とが要求される。
【0004】上記眼鏡レンズの決定に関しては、例え
ば、特開平2−24621号公報が公知である。これに
よれば、眼鏡フレーム形状データと眼鏡注文者の処方値
とから眼鏡レンズ径を選択する装置が開示されている。
また、特開昭59−93420号公報には、処方と、レ
ンズ情報と、眼鏡フレーム情報と、さらにレンズ設計情
報とから最適レンズ厚を決定する手段が開示されてい
る。
【0005】また、上記縁摺り加工およびヤゲン加工に
関しては、眼鏡店舗で行われる縁摺り加工およびヤゲン
加工を集約化して、加工センタで行うようにし、しかも
眼鏡店舗と加工センタとを公衆通信回線で接続した眼鏡
レンズ加工システムが、例えば特開平4−13539号
公報に開示されている。これによれば、フレーム形状測
定機を各眼鏡店舗に設置して眼鏡フレーム形状データを
作成し、そのデータを公衆通信回線により加工センタに
転送する。加工センタでは、予め指定されたレンズに対
(3)特開平6−34923し、眼鏡フレーム形状データ
に従い縁摺り加工およびヤゲン加工を行うようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の眼鏡レ
ンズの決定では、熟練者によるものはあったとしても装
置によって、ヤゲン加工を考慮した上で眼鏡レンズを決
定することはなされていなかった。すなわち、従来、ヤ
ゲン加工の完了時におけるレンズ形状までの予測計算は
なされておらず、したがって、ヤゲン加工をした結果、
レンズ形状(レンズ外形、レンズ表面およびレンズ裏面
の形状、レンズ厚さ等)が不適当なためにヤゲンを最適
な位置に設けることができないという問題点があった。
【0007】例えば、ヤゲン位置の選択によっては、眼
鏡フレーム枠のカーブに比べ、眼鏡レンズのヤゲンカー
ブが浅くなる場合があるが、この場合には眼鏡フレーム
をヤゲンカーブに合わせるため変形させることになる
が、この変形により、ヤゲン位置選択時の計算より眼鏡
フレームのサイズが大きくなり、レンズ外径が不足した
り、コバ厚が不足する事態が発生する。
【0008】また、眼鏡フレームが変形できないもので
は、眼鏡レンズのヤゲンは、眼鏡フレームの3次元形状
に合わせねばならないが、眼鏡レンズの厚みや眼鏡フレ
ームの形状によっては、ヤゲンカーブが眼鏡レンズの縁
からはみ出てしまい、ヤゲンが立たないという事態も生
じる。
【0009】さらに、眼鏡レンズを眼鏡フレームに枠入
れすることはできるものの、ヤゲン位置あるいはレンズ
形状が適当でないため、枠入れ完了後の眼鏡の見栄えが
悪く、眼鏡注文者に不満が残るということがある。すな
わち、例えば、仕上がりの眼鏡レンズのコバ厚が厚過ぎ
たり、また、眼鏡フレームからのレンズの表面の出っ張
りが目立ち過ぎるという不満が生じる。
【0010】こうした不満に対処するために、事前に仕
上がり予想形状を確認でき、かつ、その確認の結果、例
えば屈折率の高い材質のレンズに変更したり、また、表
面カーブの浅いレンズに変更したりというレンズの変更
ができるシステムが求められる。このようなシステムを
実現するためには、左右フレーム枠のなす角度である傾
斜角の情報を含む3次元的枠形状情報を正確に把握する
必要がある。
【0011】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、左右フレーム枠のなす角度である傾斜角の情
報を含む3次元的枠形状情報を正確に把握できるように
し、眼鏡レンズの発注及び受注処理を極めて効率的に行
うことを可能にした眼鏡レンズの供給システムを提供す
ることを目的とする。
【0012】上記課題を解決するための第1の手段は、
眼鏡レンズの発注側に設置されたコンピュータと、この
発注側コンピュータに情報交換可能に接続された製造側
コンピュータとを備え、前記発注側コンピュータが前記
眼鏡レンズの発注に必要な処理を行う機能を有し、前記
製造側コンピュータが前記眼鏡レンズの受注に必要な処
理を行う機能を有する眼鏡レンズの供給システムにおい
て、前記発注側コンピュータにおいて、眼鏡レンズ情
報、3次元的枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレ
ーム枠情報、処方値及びレイアウト情報を含めた枠入れ
加工をする上で必要となる情報を入力する一方、前記製
造側コンピュータにおいて、前記入力された枠入れ加工
をする上で必要となる情報に基づいてヤゲン形状を含め
た所望のレンズ形状を演算し、この演算処理結果に基づ
き、レンズ加工が可能か否かの可否判断処理を含む処理
結果を前記発注側コンピュータに出力することにより、
前記発注側コンピュータにおいて、少なくともレンズ加
工の可否を発注前に確認でき、かつ当該処理結果に基づ
いて前記各情報の当初の入力内容を変更できるようにし
た眼鏡レンズの供給システムであって、前記3次元的枠
形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレーム枠情報に
は、左右フレーム枠のなす角度である傾斜角の情報が含
まれていることを特徴とする眼鏡レンズの供給システム
である。
【0013】第2の手段は、前記発注側コンピュータに
は、表示装置が接続され、該表示装置は、前記3次元的
枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレーム枠情報に
基づく左右フレーム枠の正面輪郭形状及び前記左右フレ
ーム枠のなす角度である傾斜角の状態を図形表示する画
面を有することを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズ
の供給システムである。
【0014】第3の手段は、前記表示装置の画面は、前
記傾斜角の状態を図形表示するとと同時に、傾斜角の数
値を併記して表示できるようになっていることを特徴と
する請求項2記載の眼鏡レンズ供給システムである。
【0015】上述の第1の手段によれば、 前記3次元
的枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレーム枠情報
に、左右フレーム枠のなす角度である傾斜角の情報が含
まれていることから、3次元的枠形状情報を正確に把握
でき、眼鏡レンズの発注及び受注処理を極めて効率的に
行うことが可能となる。
【0016】第2の手段によれば、左右フレーム枠のな
す角度である傾斜角の状態を図形表示されるので、3次
元的枠形状を図形的に確認でき、眼鏡レンズの発注及び
受注処理をより効率的に行うことが可能となる。
【0017】第3の手段によれば、傾斜角の状態を図形
表示するとと同時に、傾斜角の数値を併記して表示でき
るようになっていることから、さらに発注及び受注処理
をより効率的に行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1は眼鏡レンズの供給システムの
全体構成図である。発注側である眼鏡店100とレンズ
加工側であるレンズメーカの工場200とは公衆通信回
線300で接続されている。図では眼鏡店を1つしか示
さないが、実際には複数の眼鏡店が工場200に接続さ
れる。
【0019】眼鏡店100には、オンライン用の端末コ
ンピュータ101およびフレーム形状測定器102が設
置される。端末コンピュータ101はキーボード入力装
置やCRT画面表示装置を備えるとともに、公衆通信回
線300に接続されている。端末コンピュータ101へ
は、内蔵のキーボード入力装置から眼鏡レンズ情報、処
方値等が入力されるとともに、フレーム形状測定器10
2から、実測され、演算された眼鏡フレーム枠情報が入
力され、それらデータが公衆通信回線300を介して工
場200のメインフレーム201にオンラインで転送さ
れる。
【0020】メインフレーム201は眼鏡レンズ加工設
計プログラム、ヤゲン加工設計プログラム等を備え、入
力されたデータに基づき、ヤゲン形状を含めたレンズ形
状を演算し、その演算結果を、公衆通信回線300を介
して端末コンピュータ101に戻して内蔵の画面表示装
置に表示させるとともに、その演算結果を工場200の
各端末コンピュータ210,220,230,240,
250にLAN202を介して送るようにする。
【0021】端末コンピュータ210には、荒擦り機
(カーブジェネレータ)211と砂掛け研磨機212と
が接続され、端末コンピュータ210は、メインフレー
ム201から送られた演算結果に従い、荒擦り機211
と砂掛け研磨機212とを制御して、予め表面が加工さ
れたレンズの裏面の曲面仕上げを行う。
【0022】端末コンピュータ220には、レンズメー
タ221と肉厚計222とが接続され、端末コンピュー
タ220は、レンズメータ221と肉厚計222とで得
られた測定値と、メインフレーム201から送られた演
算結果とを比較して、レンズ裏面の曲面仕上げがされた
レンズの受入れ検査を行うとともに、合格レンズには光
学中心を示すマーク(3点マーク)を施す。
【0023】端末コンピュータ230には、マーカ23
1と画像処理機232とが接続され、端末コンピュータ
230は、メインフレーム201から送られた演算結果
に従い、レンズの縁摺りおよびヤゲン加工をする際にレ
ンズをブロック(保持)すべきブロッキング位置を決定
し、ブロッキング位置マークを施すことに使用される。
このブロッキング位置マークに従い、ブロック用の治工
具がレンズに固定される。
【0024】端末コンピュータ240には、マシニング
センタからなるNC制御のレンズ研削装置241とチャ
ックインタロック242とが接続され、端末コンピュー
タ240は、メインフレーム201から送られた演算結
果に従い、レンズの縁摺り加工およびヤゲン加工を行
う。
【0025】端末コンピュータ250には、ヤゲン頂点
の形状測定器251が接続され、端末コンピュータ25
0は、この形状測定器251が測定したヤゲン加工済の
レンズの周長および形状を、メインフレーム201から
送られた演算結果と比較して加工の合否判定を行う。
【0026】以上のような構成のシステムにおいて眼鏡
レンズが供給されるまでの処理の流れを、以下、図2〜
図6を参照して説明する。なお、この処理の流れには、
「問い合わせ」と「注文」との2種類があり、「問い合
わせ」は、ヤゲン加工を含めたレンズ加工の完了時のレ
ンズ予想形状を報知するように、眼鏡店100が工場2
00に求めることであり、また、「注文」は、縁摺り加
工前のレンズまたはヤゲン加工済のレンズを送るよう
に、眼鏡店100が工場200に求めることである。
【0027】図2は、眼鏡店100での最初の入力処理
の流れを示すフローチャートである。図中、Sに続く数
字はステップ番号を表す。〔S1〕眼鏡店100の端末
コンピュータ101のレンズ注文問い合わせ処理プログ
ラムが起動され、オーダエントリ画面が画面表示装置に
表示される。眼鏡店100のオペレータは、オーダエン
トリ画面を見ながら、キーボード入力装置により、注文
あるいは問い合わせの対象となるレンズの種類の指定を
行う。
【0028】図6は、このレンズの種類の指定に使用さ
れるオーダエントリ画面の一例を示す図である。すなわ
ち、欄61でレンズの種類を指定する。つまり、メーカ
側の商品区分記号が入力され、これによりレンズ材質、
屈折率、コーティング、レンズカラー、レンズ表面の光
学設計、外径等が指定できるようになっている。問い合
わせの場合には2種類のレンズを指定できる。欄65の
「形態」で、注文あるいは問い合わせをするレンズが、
ヤゲン加工済のレンズ(HELP)なのか、または縁摺
り加工とヤゲン加工とが施されないレンズなのかを指定
する。また、欄65の「METS加工」で、レンズの厚
さを必要最小値になるように指定する加工指定や、マイ
ナスレンズのコバを目立たなくする面取りおよびその部
分の研磨仕上げを指定する加工指定を行う。
【0029】〔S2〕図6の欄61で、レンズのカラー
(17)特開平6−34923の指定を行う。〔S3〕図6
の欄62の左欄で左右眼の球面屈折力、円柱屈折力、乱
視軸、加入度等のレンズの処方値を入力し、同様に、欄
62の右欄でレンズの加工指定値を、欄63で眼鏡枠
(フレーム)の情報を、欄64でレイアウト情報、例え
ばPD、NPD(近用PD)、SEG(SEGMENT
小玉位置)、ET(最小コバ厚値)、EP(アイポイン
ト)等、ヤゲンモード、ヤゲン位置を含めたヤゲン形状
を入力する。レイアウト情報は、眼鏡枠上の瞳孔位置で
あるアイポイント位置を指定するものである。眼鏡枠の
情報は、メーカの商品区分記号、フレームサイズ、フレ
ーム素材、色、形状、玉型種類等のフレーム情報の一切
が入力されるようになっており、「問い合わせ」の場合
には、ステップS1でのレンズの種類の指定が1種類で
あれば、眼鏡枠を2種類まで指定することができる。
【0030】オーダエントリ画面で「加工1」〜「加工
4」とあるのは、一般的な加工指定を入力する部分であ
り、レンズの加工指定値として、レンズ厚さ、コバ厚
さ、プリズム、偏心、外径、およびレンズ表カーブ(ベ
ースカーブ)等の各指定値が入力できる。ヤゲンモード
は、レンズコバのどこにヤゲンを立てるかによって、
「1:1」、「1:2」、「凸ならい」、「フレームな
らい」、および「オートヤゲン」のモードがあり、それ
らの中から選択して入力する。「凸ならい」とは、レン
ズ表面(前面)に沿ってヤゲンを立てるモードである。
【0031】ヤゲン位置の入力は、ヤゲンモードが「凸
ならい」、「フレームならい」、および「オートヤゲ
ン」のときに限り有効であり、ヤゲン表側底の位置をレ
ンズ表面からどれだけ裏面方向に位置させるかを指定す
るもので、0.5mm単位で指定する。
【0032】ヤゲン形状は、「標準ヤゲン」「コンビ用
ヤゲン(コンビネーションフレーム用ヤゲン)」、「溝
摺り」、「平摺り」から選択して入力する。「コンビ用
ヤゲン」はフレーム枠に装飾部材が設けられ、レンズが
装飾部材に当たるような場合に指定する。「溝摺り」、
「平摺り」もここで指定する。
【0033】〔S4〕欄63に指定したフレームに対
し、図1のフレーム形状測定機102によるフレーム形
状の測定が既に完了しているか否かを判別する。完了し
ていればステップS7へ進み、完了していなければステ
ップS5へ進む。
【0034】〔S5〕まず、眼鏡店100の端末コンピ
ュータ101において、レンズ注文問い合わせ処理プロ
グラムからフレーム形状測定プログラムへ処理が渡され
る。そして、これから形状測定される眼鏡フレームに付
された測定番号を入力する。また、フレームの材質(メ
タル、プラスティック等)を指定し、さらに、フレーム
曲げの可不可の指定を行う。フレームの材質は、レンズ
をフレームに枠入れする際に、フレームにレンズがぴっ
たり嵌合するように材質に応じてヤゲン頂点の周長を補
正するためのパラメータとしてステップS12の演算に
使用される。フレーム曲げが不可の指定がある場合、フ
レームを曲げずにレンズを枠入れすることができないと
きには、注文を受けないようにするため、眼鏡店100
の画面表示装置にエラー表示を出すようにする。
【0035】〔S6〕測定すべき眼鏡フレームをフレー
ム形状測定器102に固定して測定を開始する。フレー
ム形状測定器102は、眼鏡フレームの左右枠のヤゲン
溝に測定子を接触させ、その測定子を所定点を中心に回
転させてヤゲン溝の形状の極座標値を3次元的に測定
し、データを得る。つぎに、それらのデータのスムージ
ングを行い、フレームカーブCV、ヤゲン溝の周長L、
フレームPD(瞳孔間距離)FPD、フレーム鼻幅DB
L、フレーム枠左右および上下の最大幅であるAサイズ
およびBサイズ、有効径ED、左右フレーム枠のなす角
度である傾斜角TILTを算出する。そして、フレーム
形状測定器102は、これらの算出されたデータを端末
コンピュタ101に送り、画面表示装置に表示させる。
なお、データに大きな乱れがあったり、左右フレーム枠
の形状に大きな差があったりした場合には、その旨のエ
ラーメッセージを画面表示装置に表示する。
【0036】図7はその画面表示装置に表示されたフレ
ーム形状測定結果の画面の一例を示す。すなわち、メタ
ル材質(表示71)のフレームのヤゲン溝形状を上面と
正面とからみた図(表示72、表示73)を示すととも
に、左(L)および右(R)の上記算出値(表示74)
を表示している。
【0037】眼鏡店100では、画面表示装置に、デー
タに大きな乱れがある旨のエラーメッセージが表示され
場合には、フレーム溝に固着物がないか、フレーム枠の
継ぎ目がずれたまま、あるいは隙間が空いたまま測定が
されていないか等を点検して再び測定を行う。また、左
右フレーム枠の形状に大きな差がある旨のエラーメッセ
ージが画面表示装置に表示された場合には、その差が許
されるものならば、このままでよい旨の確認の入力を行
い、その差が許されないものならば、フレーム形状を手
で修正してから再度測定してもよいし、左右の形状を平
均化したものを演算で求めて、これをフレーム形状値と
するマージング指定の入力をしてもよい。
【0038】〔S7〕既にフレーム形状の測定が行われ
ている場合には、予め記憶された測定値を読み出すため
に、眼鏡フレームに付けた測定番号を入力する。〔S
8〕測定番号に従い、該当する眼鏡フレームについての
記憶されたフレーム形状情報を内部記憶媒体から読み出
す。
【0039】〔S9〕図6のオーダエントリ画面の欄6
0に、「問い合わせ」か、「注文」かの指定をする。以
上のステップの実行によって得られたレンズ情報、処方
値、フレーム情報等のデータが、公衆通信回線を介して
工場200のメインフレーム201に送られる。送信が
行われている間、眼鏡店100の端末コンピュータ10
1には送信中である旨の表示がされる。なお、レンズを
注文する場合には、まとめて最大、例えば15件まで一
遍に送信して通信時間の短縮ができるグループ送信を利
用することができる。グループ送信では、1件1件の注
文内容を確認の上、一時的に記憶させておき、後にまと
めて送信する手順をとる。
【0040】図3は、工場200での処理の流れ、なら
びに工場200からの転送により眼鏡店100で行われ
る確認およびエラー表示のステップを示すフローチャー
トである。図中、Sに続く数字はステップ番号を表す。
【0041】〔S11〕工場200のメインフレーム2
01には眼鏡レンズ受注システムプログラム、眼鏡レン
ズ加工設計プログラム、およびヤゲン加工設計プログラ
ムが備えられている。レンズ情報、処方値、フレーム情
報、レイアウト情報、ヤゲン情報等のデータが、公衆通
信回線を介して送られると、眼鏡レンズ受注システムプ
ログラムを経て眼鏡レンズ加工設計プログラムが起動
し、レンズ加工設計演算が行われる。すなわち、ヤゲン
形状を含めた所望のレンズ形状が演算される。
【0042】まず、フレームの形状情報、処方値、およ
びレイアウト情報に基づき、指定レンズの外径が不足し
ていないかを確認する。レンズの外径が不足している場
合には、ボクシングシステムでの不足方向、不足量を算
出し、眼鏡店100の端末コンピュータ101に表示す
るために、眼鏡レンズ受注システムプログラムに処理を
戻す(後述のステップS146参照)。
【0043】レンズの外径に不足が出なければ、レンズ
の表カーブの決定を行う。この決定は、レンズの左右の
処方値により、まず、左右別々に表カーブを決めて、つ
ぎに、左右の表カーブを揃える手順を踏む。なお、非球
面単焦点レンズのうち、左右の表カーブを揃えることが
禁じられているものの場合には、この工程をスキップす
る。ここでいう表カーブは必要に応じて、非球面単焦点
レンズでは2次、4次の非球面で近似表現され、累進多
焦点レンズでは各方向毎に2次、4次の非球面で近似表
現されている。
【0044】つぎにレンズの厚さの決定を行う。通常、
レンズの外径は処方値により決まっているため、その外
径と標準のコバの厚さと処方値とによってレンズの厚さ
は決定される。また、レンズの厚さを必要最小限の値に
する加工指定が設定されている場合には、フレーム形状
情報とレイアウト情報と処方値とにより、フレーム各方
向の動径毎に全周のコバの厚さを調べて指定に沿ったレ
ンズの厚さを決定する。
【0045】レンズの厚さが決まったら、レンズの裏カ
ーブ、プリズム、プリズムベース方向を算出し、これに
より、縁摺り加工前のレンズの全体形状が決定する。こ
こで、フレーム各方向の動径毎に全周のコバの厚さを調
べて、必要なコバ厚さを下回る箇所がないかを確認す
る。もし、下回る箇所があれば、ボクシングシステムで
の不足方向、不足量を算出し、眼鏡店100の端末コン
ピュータ101に表示するために、眼鏡レンズ受注シス
テムプログラムに処理を戻す(ステップS146参
照)。
【0046】全周のコバの厚さに不足がなければ、レン
ズ重量、最大および最小のコバ厚さとそれらの方向等を
算出する。そして、レンズの裏面加工のために必要とな
る、工場200の端末コンピュータ210に対する指示
値を算出する。
【0047】以上の演算は、端末コンピュータ210、
荒擦り機211、および砂掛け研磨機212によって、
縁摺り加工前のレンズ研磨加工が行われる場合に必要な
ものであり、算出された種々の値が次のステップに渡さ
れる。
【0048】また、在庫レンズが指定され、縁摺り加工
前のレンズ研磨加工は行われない場合には、レンズの種
類と処方値とでレンズ外径、レンズ厚さ、表カーブ、裏
カーブが予め決まっており、かつ、それらのデータが記
憶されているから、それらの値を読み出して次のステッ
プに渡す。在庫レンズの場合も、非球面単焦点レンズや
累進多焦点レンズの表カーブは必要に応じて、研磨加工
レンズの場合と同様に、非球面に近似表現されている。
【0049】〔S12〕つぎに、メインフレーム201
では、眼鏡レンズ受注システムプログラムを経てヤゲン
加工設計プログラムが起動し、ヤゲン加工設計演算が行
なわれる。
【0050】まず、眼鏡フレームの材質に応じてフレー
ム形状の3次元データの補正を行い、眼鏡フレームの材
質に起因するフレーム形状データの誤差を補正する。つ
ぎに、眼鏡フレーム枠形状と眼鏡レンズとの位置関係を
アイポイント位置を基に3次元的に決める。
【0051】ヤゲン加工を行うためにレンズを保持する
際に基準となる加工原点および回転軸である加工軸を決
め、この加工座標に今までのデータを座標変換する。そ
して、3次元のヤゲン先端形状を(ヤゲン軌跡も含
む)、指定されたヤゲンモードに応じて決定する。その
際、3次元ヤゲン先端形状をヤゲン周長を変えることな
く変形させることを前提とし、その予想される変形量を
算出する。ヤゲンモードがフレームならいのときには変
形できないから、変形しないとヤゲンが立たない場合に
は、その旨のエラーコードを出力する(後述のステップ
S145参照)。
【0052】その算出された変形量を、眼鏡フレームの
材質毎に設けられた変形の限界量と比較し、限界量を越
えていれば、その旨のエラーコードを出力する(後述の
ステップS145参照)。
【0053】なお、3次元のヤゲン先端形状を変形させ
ることにより、アイポイント位置がずれるので、その誤
差を補正するようにする。以上のように、3次元のヤゲ
ン加工の設計演算を行う。
【0054】〔S13〕図2のステップS9での指定が
「注文」ならばステップS15へ進み、一方、「問い合
わせ」ならば、問い合わせの結果を公衆通信回線を介し
て眼鏡店100の端末コンピュータ101へ送り、ステ
ップS14へ進む。
【0055】〔S14〕このステップは、工場200の
メインフレーム201から送られてきた問い合わせの結
果に基づき、端末コンピュータ101がヤゲン加工完了
時のレンズの予想形状を画面表示装置に表示し、変更や
確認に供するためにある。このステップ内容を図5を参
照して以下に詳述する。
【0056】図5は、ステップS14の詳細内容を示す
図である。Sに続く数字はステップ番号を表す。〔S1
41〕図3のステップS11およびステップS12での
加工設計演算においてエラーが発生したか否かを判別す
る。発生していないならば、図1の端末コンピュータ1
01の画像表示装置の画面に図8で示すオーダエントリ
の着信画面を表示する。そして、さらにソフトキー操作
により図9で示すレイアウト確認図を表示する。その
後、表示したい内容をソフトキー操作により選択し(7)
特開平6−34923てステップS142〜S144の
いずれかに進む。また、エラーが発生しているならば、
エラー内容に応じてステップS145またはステップS
146へ進む。
【0057】図8は、画像表示画面に表示されるオーダ
エントリの着信画面の一部の一例を示す。すなわち、オ
ーダエントリの着信画面は、図6に示すオーダエントリ
画面に、図8のレンズ厚さおよびレンズ重量の棒グラフ
が加わった画面である。図8のレンズ厚さおよびレンズ
重量の棒グラフによって、2種類のレンズの加工設計結
果を比較して確認することができる。
【0058】図9は、画像表示画面に表示されるレイア
ウト確認図の一例を示す図である。この画面では、眼鏡
フレームに指定されたレイアウト情報に従ってレンズが
どのように配置されるかが、2種類のレンズに関して表
示され、それらを視覚的に確認することができる。さら
に、最大、最小のコバ厚とそれぞれの方向(図中、三角
マーク)およびレンズ重量を確認することができる。こ
れによりレイアウト情報の入力に誤りが無かったかを容
易に確認することができる。
【0059】〔S142〕ソフトキー操作で立体図表示
を選択すると、このステップが実行され、立体図が表示
される。図10は、画面表示装置に表示される立体図画
面の一例を示す。この画面では、左右のレンズを、フレ
ームに枠入れされたときの位置に空間的に配置し、これ
を任意の方向からみた立体図として表示することがで
き、図では、例えば、第1の組み合わせが示され、眼鏡
装用者の右側横方向に30°、下側に30°の方向から
レンズを見た画像が表示されている。この画面ではレン
ズ表面、裏面のカーブ(表示11,12)、レンズ表
面、裏面のカーブに沿った各基準線(表示13,14)
等が表示され、これにより実際のレンズを見るような視
覚的な確認をすることができる。眼鏡店100では、こ
の画面でのレンズの表面、裏面のカーブの様子から、レ
ンズの表面の出っ張りが気になるような場合には、眼鏡
レンズの表カーブを浅いものに指定変更したり、また
は、眼鏡レンズの種類をレンズの表カーブが浅いカーブ
の設計になっているものに変更したりする。
【0060】〔S143〕ソフトキー操作でレンズ断
面、側面表示を選択すると、このステップが実行され、
ヤゲン確認図が表示される。図11は、画面表示装置に
表示されるヤゲン確認図の画面の一例を示す。この画面
では、第1組み合わせの右のレンズの側面図(表示11
1)と断面図(表示112)とを表示し、これにより、
レンズの形状や、コバとヤゲンとの位置関係を詳しく見
ることができる。表示113はフレーム枠の形状を正面
から見た図であり、表示111で示される側面図の見る
方向(表示113a)と、表示112で示される断面図
の切断位置(表示113b)とを表示している。
【0061】眼鏡店100では、この表示画面により、
レンズ表面の出っ張り具合やコバ厚さを確認して必要に
応じて指定変更する。〔S144〕ソフトキー操作でヤ
ゲンバランス表示を選択すると、このステップが実行さ
れ、左右ヤゲンバランス図が表示される。
【0062】図12は、画面表示装置に表示される左右
ヤゲンバランス図の画面の一例を示す。この画面では、
第1組み合わせが表示され、左右両方のレンズのコバ厚
さとヤゲン位置とが0°から360°まで表示される。
さらに、この画面では、10°刻みで希望する方向のコ
バ厚さと、レンズ表面からヤゲン表側底位置までの距離
(前出し量)とが表示される。この画面は、左右のレン
ズのコバとヤゲンとの位置関係を一遍に見ることができ
るため、レンズ加工の専門的知識がある者には有効な表
示である。
【0063】眼鏡店100では、以上の図11および図
12に示す画面を見て、コバとヤゲンとの位置関係のバ
ランスが悪い場合には、図2のステップS3で指定した
ヤゲンモードを変更したり、眼鏡レンズの種類を変更し
たり、また、レンズの表カーブを指定したりすることが
できる。
【0064】〔S145〕図3のステップS12でのヤ
ゲン加工設計演算において、エラーが発生しているなら
ば、このステップが実行される。すなわち、図1の端末
コンピュータ101の画面表示装置に「エラーが起こり
ました」というメッセージが表示される。ここで、ソフ
トキー操作で「エラー表示」を選択すると、ヤゲン加工
上のエラーの内容が表示される。
【0065】ヤゲン加工上のエラーの内容には、次のよ
うなものがある。第1は、加工干渉の発生であり、蟹目
型フレームのように小さいフレームの場合にレンズを固
定する治工具が、ヤゲン加工の際に加工装置に当たって
しまうエラーである。このエラーの場合には、大きなフ
レームに変更しなければ注文を受け付けられない。
【0066】第2は、ステップS3で「フレーム曲げ不
可」を指定したにも拘らず、フレームを曲げなければヤ
ゲンが全周に立てられないというエラーである。このエ
ラーに対しては、フレームの形状に近い表カーブを有す
るレンズに変更する必要がある。
【0067】第3は、レンズにヤゲン加工は可能である
が、フレームを大きく曲げねばならないエラーである。
このエラーの場合には、指定したヤゲンモードに誤りが
あったり、あるいは無理があったのではないか等を確認
し、ヤゲンモードの指定を変更したり、レンズの表カー
ブを変更してフレームの形状に近づけたりする必要があ
る。
【0068】〔S146〕図3のステップS11でのレ
ンズ加工設計演算において、レンズ外径やコバ厚さが不
足するエラーが発生しているならば、このステップが実
行される。すなわち、画面表示装置に「取り切れません
でした」というメッセージが表示される。ここで、ソフ
(8)特開平6−34923トキー操作で「レイアウト表
示」を選択すると、エラー表示図が表示される。
【0069】図13は、画面表示装置に表示されるエラ
ー表示図の画面の一例を示す図である。この画面では、
第1組み合わせが示され、レンズ外径が不足した位置
(表示131,132)とその程度(表示133,13
4)とが視覚的に表示され、これによって、エラー内容
を確認することができる。このエラーの場合、レンズの
種類を外径の大きなものに変更するか、またはフレーム
を小さなものに変更する必要がある。
【0070】図3に戻って、〔S15〕図2のステップ
S9での指定が「注文」ならば、このステップを実行
し、図3のステップS11およびステップS12での加
工設計演算においてエラーが発生したか否かを判別す
る。エラーが発生していれば、その結果を公衆通信回線
を介して眼鏡店100の端末コンピュータ101へ送
り、ステップS17へ進む。一方、エラーが発生してい
なければ、その結果を公衆通信回線を介して眼鏡店10
0の端末コンピュータ101へ送り、ステップS16へ
進むとともに、ステップS18以降(図4)に進み、実
際の加工を実行する。
【0071】〔S16〕眼鏡店100の端末コンピュー
タ101の画面表示装置に「注文を受け付けた」旨の表
示を行う。これにより、フレームに確実に枠入れ可能な
縁摺り加工前またはヤゲン加工後のレンズを発注できた
ことが確認できる。
【0072】〔S17〕注文のレンズは、レンズ加工設
計演算またはヤゲン加工設計演算においてエラーが発生
していて加工のできないレンズであるから、「注文を受
付られない」旨の表示を行う。
【0073】図4は、工場200で行われるレンズ裏面
の研磨加工、レンズの縁摺り加工、およびヤゲン加工等
の実際の工程を示すフローチャートである。Sに続く数
字はステップ番号を表す。以下、図1を参照しながら説
明する。
【0074】〔S18〕ステップS9で「注文」が指定
されていて、しかもレンズまたはヤゲンの加工設計演算
においてエラーが発生していなかった場合は、このステ
ップが実行される。すなわち、予め、ステップS11で
のレンズ加工設計演算結果が図1の端末コンピュータ2
10に送られており、荒擦り機211と砂掛け研磨機2
12とにより、送られた演算結果に従い、レンズ裏面の
曲面仕上げを行う。さらに、図示がない装置により、染
色や表面処理が行われ、縁摺り加工前までの加工が行わ
れる。なお、在庫レンズが指定されたときは、このステ
ップはスキップされる。
【0075】〔S19〕ステップS18の実行で縁摺り
加工前まで加工された眼鏡レンズの光学性能、外観性能
の品質検査を行う。この検査には、図1の端末コンピュ
ータ220、レンズメータ221、肉厚計222が利用
され、光学中心を示す3点マークが施される。なお、縁
摺り加工前までのレンズを眼鏡店100から注文された
場合には、上記品質検査を行った後、そのレンズを眼鏡
店100へ出荷する。
【0076】〔S20〕ステップS12で演算された結
果に基づき、図1の端末コンピュータ230、マーカ2
31、画像処理機232等により、レンズ保持用のブロ
ック治工具をレンズの所定の位置に固定する。すなわ
ち、画像処理機232により、眼鏡レンズ表面をTVカ
メラで撮影し、それをCRT画面に映し、さらに、その
画像に、縁摺り加工前のレンズのレイアウトマーク画像
を重ねて映し出す。ここで、CRT画面に映し出された
レイアウトマーク画像に、レンズに施された3点マーク
が一致するようにレンズの位置を決めてブロック治工具
の固定すべき位置を決める。そして、マーカ231によ
り、ブロック治工具の固定すべき位置を示すブロッキン
グ位置マークをレンズ上にペイントする。このブロッキ
ング位置マークに合わせて、ブロック治工具をレンズに
固定する。
【0077】〔S21〕ブロック治工具に固定されたレ
ンズを、図1のレンズ研削装置241に装着する。そし
て、レンズ研削装置241に装着された状態でのレンズ
の位置(傾斜)を把握するために、予め指定された、レ
ンズ表面または裏面の少なくとも3点の位置を測定す
る。ここで得られた測定値は、ステップS22で演算デ
ータとして使用されるために記憶される。
【0078】〔S22〕図1のメインフレーム201が
ステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算を行
う。ただし、実際の加工では、計算上で把握したレンズ
の位置と実際のレンズの位置とに誤差が生じる場合があ
るので、加工座標への座標変換が終了した時点で、この
誤差の補正を行う。すなわち、ステップS21で測定さ
れた3点の位置測定値に基づき、計算上で把握されたレ
ンズの位置と実際のレンズの位置との誤差を補正する。
他はステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算
を行い、最終的な3次元ヤゲン先端形状を算出する。
【0079】そして、この算出された3次元ヤゲン先端
形状を基に、所定の半径の砥石で研削加工する際の加工
座標上の3次元加工軌跡データを算出する。〔S23〕
ステップS22で算出された加工軌跡データが端末コン
ピュータ240を介してNC制御のレンズ研削装置24
1に送られる。レンズ研削装置241は、Y軸方向(ス
ピンドル軸方向に垂直方向)に移動制御されてレンズの
縁摺りやヤゲン加工を行う研削用の回転砥石を有し、ま
た、レンズを固定するブロック治工具の回転角制御(ス
ピンドル軸回転方向)と、Z軸方向(スピンドル軸方
向)に砥石またはレンズを移動制御してヤゲン加工を行
うZ軸制御との、少なくとも3軸制御が可能なNC制御
の研削装置であり、送られたデータに従い、レンズの縁
摺りおよびヤゲン加工を行う。なお、レンズ研(9)特開
平6−34923削装置241は、砥石で研削加工を行
うが、この代わりに、カッタを備え、切削加工を行う切
削装置を用いることも可能である。
【0080】〔S24〕端末コンピュータ250および
ヤゲン頂点の形状測定器251により、ヤゲン加工完了
レンズのヤゲン頂点の周長および形状を測定する。すな
わち、形状測定器251に、ステップS23での加工が
完了したレンズを、ブロック治工具を付けたまま取り出
して装着し、ヤゲン頂点測定用測定子をレンズのヤゲン
頂点に当接させ、測定を開始させる。その測定値は端末
コンピュータ250に入力され、その表示装置に表示さ
れる。
【0081】そして、端末コンピュータ250は、ステ
ップS12の演算で求められた設計ヤゲン頂点周長と、
形状測定器251により測定された測定値とを比較し、
それらの差が、例えば0.1mm以内ならば合格品と判
断する。
【0082】また、ステップS12の演算により作成さ
れたフレームの設計Aサイズ、設計Bサイズと、形状測
定器251により測定されたAサイズ、Bサイズとを比
較し、それらの差が、例えば、0.1mm以内ならば合
格品と判断する。
【0083】〔S25〕ヤゲン加工完了のレンズのヤゲ
ン位置や形状を、ステップS12で演算された結果に基
づいて作成された加工指示書に打ち出されているヤゲン
位置の図面と比較してヤゲンの品質を検査する。また、
縁摺り加工によってレンズに傷、バリ、欠け等が発生し
ていないかの外観検査を行う。
【0084】〔S26〕以上のようにして出来上がった
ヤゲン加工上がりレンズを眼鏡店100へ出荷する。以
上の実施例では、ヤゲン加工完了時のレンズ予想形状を
画面表示して仕上がりを確認するようにしているが、必
ずしも、ヤゲン加工完了時のレンズ予想形状を画面表示
することが必須ではなく、ヤゲン加工を含めたレンズ加
工が可能か否かの可否情報だけを表示するだけでも確認
は可能である。すなわち、可否情報は、エラー内容まで
も表すことのできる文字情報が望ましいが、単に可か否
かの1ビット情報でも、可否情報を表示することは可能
である。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、眼鏡レン
ズ情報、3次元的枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡
フレーム枠情報、処方値及びレイアウト情報を含めた枠
入れ加工をする上で必要となる情報を入力するステップ
を含む入力操作によって、発注側コンピュータと製造側
コンピュータとは、枠入れする上で必要となる情報に基
づき設定されたヤゲンに応じて眼鏡枠を形状変形させた
場合におけるヤゲン形状を含めた所望のレンズ形状を演
算し、この演算処理結果に基づき、レンズ加工が可能か
否かの可否判断処理を含む処理結果を出力する。これに
よって、極めて効率的かつ正確に眼鏡レンズの発注及び
/又は受注処理を行うことを可能にしている。
【0086】また、処理結果の表示をする表示手段を設
けたことによって、可否情報およびヤゲン加工後のレン
ズ予想形状を表示手段で確認しながら行うことを可能に
している。
【0087】さらに、入力情報の変更手段を設けたこと
よって、表示手段で確認した結果、加工ができない等の
不都合がある場合に、入力を変更して適切な眼鏡レンズ
の発注及び受注を行うことができる。
【0088】また、製造側コンピュータに接続され、発
注側及び製造側のコンピュータによる処理の結果に基づ
いてヤゲン加工を含んだレンズ加工を行うレンズ加工手
段を設けたことによって、発注及び受注が決定した眼鏡
レンズをただちに製造して納入することを可能にしてい
る。
【0089】すなわち、本発明は、事前に、ヤゲン加工
を含めたレンズ加工が可能か否かの確認ができ、この確
認に基づき眼鏡レンズを決定したり、最適なヤゲンを設
けるようにすることができる。
【0090】さらに、事前にヤゲン加工形状を含めた眼
鏡レンズの仕上がり予想形状を確認するようにし、この
確認に基づき眼鏡レンズを決定したり、最適なヤゲンを
設けるようにすることができる。特に、眼鏡レンズのコ
バ部分だけでなく、眼鏡レンズ全体の形状を表示するこ
とにより、好みに合った眼鏡レンズの選択と適切なヤゲ
ン位置の指定が容易にできるようになる。また、使用す
る眼鏡フレームに対して、眼鏡レンズの種類や加工指定
値が適切かどうかを、眼鏡レンズの注文の前に確認する
ことができる。
【0091】そして、確認の後に、縁摺り加工前までの
眼鏡レンズを加工側(製造者)に注文して発注側で縁摺
り加工およびヤゲン加工を行う場合でも、発注側は、処
方および眼鏡フレームに合致する眼鏡レンズを注文する
ことができる。
【0092】また、確認の後に、ヤゲン加工済の眼鏡レ
ンズを加工側(製造者)に注文する場合では、発注側
は、眼鏡フレームを手元に置いたままでも、適正にフレ
ーム枠入れできるヤゲン加工済眼鏡レンズを注文するこ
とができ、特に、加工による煩わしさをなくすことがで
きるとともに、眼鏡に関する深い知識と加工に関する熟
練した技術がなくとも眼鏡の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼鏡レンズの供給システムの全体構成
図である。
【図2】眼鏡店での最初の入力処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図3】工場での処理の流れ、ならびに工場からの転送
により眼鏡店で行われる確認およびエラー表示のステッ
プを示すフローチャートである。
【図4】工場で行われるレンズ裏面の研磨加工、レンズ
の縁摺り加工、およびヤゲン加工等の実際の工程を示す
フローチャートである。
【図5】図3のステップS14の詳細内容を示す図であ
る。
【図6】レンズの種類を指定するときに使用されるオー
ダエントリ画面の一例を示す図である。
【図7】画面表示装置に表示されたフレーム形状測定結
果の画面の一例を示す図である。
【図8】画像表示画面に表示されるオーダエントリの着
信画面の一部の一例を示す図である。
【図9】画像表示画面に表示されるレイアウト確認図の
一例を示す図である。
【図10】画面表示装置に表示される立体図の画面の一
例を示す図である。
【図11】画面表示装置に表示されるヤゲン確認図の画
面の一例を示す図である。
【図12】画面表示装置に表示される左右ヤゲンバラン
ス図の画面の一例を示す図である。
【図13】画面表示装置に表示されるエラー表示図の画
面の一例を示す図である。
【符号の説明】
100 眼鏡店 101 端末コンピュータ 102 フレーム形状測定器 200 工場 201 メインフレーム 202 LAN 210 端末コンピュータ 211 荒擦り機(カーブジェネレータ) 212 砂掛け研磨機 220 端末コンピュータ 221 レンズメータ 222 肉厚計 230 端末コンピュータ 231 マーカ 232 画像処理機 240 端末コンピュータ 241 レンズ研削装置 242 チャックインタロック 250 端末コンピュータ 251 形状測定器 300 公衆通信回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−13539(JP,A) 特開 昭59−55411(JP,A) 特開 昭61−274859(JP,A) 特開 平2−190246(JP,A) 特開 昭59−93420(JP,A) 特開 昭60−15623(JP,A) 特開 平3−113417(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 13/00 B24B 9/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼鏡レンズの発注側に設置されたコンピュ
    ータと、この発注側コンピュータに情報交換可能に接続
    された製造側コンピュータとを備え 前記発注側コンピュータが前記眼鏡レンズの発注に必要
    な処理を行う機能を有し、前記製造側コンピュータが前
    記眼鏡レンズの受注に必要な処理を行う機能を有する
    鏡レンズの供給システムにおいて、前記発注側コンピュータにおいて、 眼鏡レンズ情報、3
    次元的枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレーム枠
    情報、処方値及びレイアウト情報を含めた枠入れ加工を
    する上で必要となる情報を入力する一方、 前記製造側コンピュータにおいて、 前記入力された枠入
    れ加工をする上で必要となる情報に基づいてヤゲン形状
    を含めた所望のレンズ形状を演算し、この演算処理結果
    に基づき、レンズ加工が可能か否かの可否判断処理を含
    む処理結果を前記発注側コンピュータに出力することに
    より、 前記発注側コンピュータにおいて、少なくともレンズ加
    工の可否を発注前に確認でき、かつ当該処理結果に基づ
    いて前記各情報の当初の入力内容を変更できるようにし
    た眼鏡レンズの供給システムであって、 前記3次元的枠形状情報及び枠材質情報を含む眼鏡フレ
    ーム枠情報には、左右フレーム枠のなす角度である傾斜
    角の情報が含まれていることを特徴とする眼鏡レンズ
    供給システム。
  2. 【請求項2】 前記発注側コンピュータには、表示装置
    が接続され、該表示装置は、前記3次元的枠形状情報及
    び枠材質情報を含む眼鏡フレーム枠情報に基づく左右フ
    レーム枠の正面輪郭形状及び前記左右フレーム枠のなす
    角度である傾斜角の状態を図形表示する画面を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズの供給システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記表示装置の画面は、前記傾斜角の状
    態を図形表示するとと同時に、傾斜角の数値を併記して
    表示できるようになっていることを特徴とする請求項2
    記載の眼鏡レンズ供給システム。
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