JP2991868B2 - 眼鏡枠形状測定補正方法 - Google Patents

眼鏡枠形状測定補正方法

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JP2991868B2
JP2991868B2 JP4209854A JP20985492A JP2991868B2 JP 2991868 B2 JP2991868 B2 JP 2991868B2 JP 4209854 A JP4209854 A JP 4209854A JP 20985492 A JP20985492 A JP 20985492A JP 2991868 B2 JP2991868 B2 JP 2991868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡レンズを眼鏡枠の
形状に合わせて研削または切削して枠入れする際に使用
され、前もって眼鏡枠の形状を測定する眼鏡枠形状測定
装置における眼鏡枠形状測定補正方法に関し、特に眼鏡
枠の内周溝に接触しながら内周溝に沿って移動する接触
子の移動軌跡から内周溝の形状を算出する眼鏡枠形状測
定装置において、接触子が内周溝の底から僅か浮き上が
って接触しない場合の眼鏡枠形状測定補正方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】眼鏡レンズの発注側から送られた眼鏡レ
ンズや眼鏡フレームに関する情報に基づき、眼鏡レンズ
の加工側が、ヤゲン形状を含めた所望のレンズ形状を演
算し、その結果に基づき、ヤゲン加工を含めたレンズ加
工が可能であるか否かの可否情報を、さらにはヤゲン加
工形状を含めた眼鏡レンズの仕上がり予想形状を、発注
側に返信し、発注側は、送信された可否情報または仕上
がり予想形状を画面表示し、ヤゲン加工を含めたレンズ
加工が可能であるか否かを確認し、あるいは仕上がり予
想形状を確認し、この確認に基づき、最適なヤゲンが設
けられた眼鏡レンズを決定して発注するようにした眼鏡
レンズの供給システムが、本願出願人により提案されて
いる(特願平4−165912号)。
【0003】このシステムの実現には、眼鏡フレームの
形状が正確に捉えられていることが前提となる。なかで
も、眼鏡フレームの形状についての測定値が3次元的に
正確に計算処理がされている必要がある。
【0004】ところで、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡枠
の内周溝に接触しながら内周溝に沿って移動し、回転対
称な形状を有する接触子の移動軌跡から内周溝の形状を
得るようにしていた。すなわち、接触子の中心の移動軌
跡データをXY平面に投影したときにできる曲線を、そ
の曲線の各点で法線方向へ接触子の半径分だけ補正して
眼鏡枠の内周溝の底の形状を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、接触子の回転
対称軸が眼鏡枠形状測定装置のZ軸方向(後述の図5に
おける測定子の上下方向)に常に平行であるのに対し、
眼鏡枠の内周溝の形状はX,Y軸方向に変化するだけで
なく、Z軸方向にも変化するため、V字形の内周溝に対
する接触子の接触状態が捩じれることがあり、接触子の
先端部が内周溝の底から浮き上がり、両者が接触しない
ことがあった。したがって、こうした場合に上記従来の
補正方法では、この浮き上がった分だけ、眼鏡枠の内周
溝の底の形状を、誤って小さめに算出してしまうという
問題があった。この問題は、接触子の先端部の角度が大
きいときにも生じる。
【0006】さらに、眼鏡枠形状測定装置で眼鏡枠形状
を測定するときは、眼鏡の正面方向が眼鏡枠形状測定装
置のZ軸方向に一致していることを前提とするにも拘ら
ず、正確に一致させるには調整に非常に手間がかかり、
眼鏡枠形状測定装置への眼鏡の実際の装着では、眼鏡の
正面方向と眼鏡枠形状測定装置のZ軸方向との間には誤
差があることが多い。そのため、眼鏡枠形状測定装置に
同一の眼鏡を装着しても、眼鏡の正面方向と眼鏡枠形状
測定装置のZ軸方向との間には、その装着毎に異なった
誤差が生じ易く、したがって、接触子の先端部の上記浮
き上がり状態が、その装着毎に異なることとなる。これ
により、同一の眼鏡にも拘らず、求められた眼鏡枠の内
周溝の底の形状が、眼鏡枠形状測定装置に眼鏡を装着す
る都度、異なるという問題点があった。特に、眼鏡枠の
内周溝の底の形状から得られる内周溝に沿った周長に大
きい影響があった。
【0007】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、眼鏡枠形状のZ軸方向への変化や接触子の先
端部の角度および眼鏡枠形状測定装置に対する眼鏡の装
着状態に拘らず、正確な眼鏡枠の内周溝の底の形状を算
出することができる眼鏡枠形状測定補正方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、眼鏡枠の内周溝に接触しながら内周溝に
沿って移動し、回転対称な形状を有する接触子の移動軌
跡から内周溝の形状を算出する眼鏡枠形状測定装置の眼
鏡枠形状測定補正方法において、接触子の3次元の移動
軌跡データに基づき、接触子の先端部の包絡線軌跡を求
め、内周溝および接触子の各形状データと、接触子の3
次元の移動軌跡データとから、内周溝の底と接触子の先
端部との距離を算出し、算出された距離に基づき、前記
求めた包絡線軌跡を補正して、内周溝の底の形状を算出
することを特徴とする眼鏡枠形状測定補正方法が、提供
される。
【0009】
【作用】まず、接触子の移動によって得られた3次元の
移動軌跡データに基づき、接触子の先端部の包絡線軌跡
を求める。この包絡線軌跡は、接触子の先端部が内周溝
の底から浮き上がっているところでは、実際の内周溝の
底の形状よりも内側になっている。一方、内周溝および
接触子の各形状データと、接触子の3次元の移動軌跡デ
ータとから、内周溝の底と接触子の先端部との距離を、
包絡線軌跡の各点毎に算出する。
【0010】そして、この算出された距離に基づき、前
記求めた包絡線軌跡を補正して、実際の正確な内周溝の
底の形状を算出する。これにより、眼鏡枠形状のZ軸方
向への変化や接触子の先端部の角度および眼鏡枠形状測
定装置に対する眼鏡の装着状態に拘らず、正確な眼鏡枠
の内周溝の底の形状を算出することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2は、本発明の眼鏡枠形状測定補正方法が実
施される眼鏡レンズの供給システムの全体構成図であ
る。発注側である眼鏡店100とレンズ加工側であるレ
ンズメーカの工場200とは公衆通信回線300で接続
されている。図では眼鏡店を1つしか示さないが、実際
には複数の眼鏡店が工場200に接続される。
【0012】眼鏡店100には、オンライン用の端末コ
ンピュータ101およびフレーム形状測定器102が設
置される。端末コンピュータ101はキーボード入力装
置やCRT画面表示装置を備えるとともに、公衆通信回
線300に接続されている。端末コンピュータ101へ
は、フレーム形状測定器102から眼鏡フレーム実測値
が入力され、端末コンピュータ101で計算処理が行わ
れるとともに、キーボード入力装置から眼鏡レンズ情
報、処方値等が入力される。そして端末コンピュータ1
01の出力データは、公衆通信回線300を介して工場
200のメインフレーム201にオンラインで転送され
る。なお、端末コンピュータ101とメインフレーム2
01との間に、中継局を設けるようにしてもよい。ま
た、端末コンピュータ101の設置場所については眼鏡
店100に限定されるものではない。
【0013】メインフレーム201は眼鏡レンズ加工設
計プログラム、ヤゲン加工設計プログラム等を備え、入
力されたデータに基づき、ヤゲン形状を含めたレンズ形
状を演算し、その演算結果を、公衆通信回線300を介
して端末コンピュータ101に戻して画面表示装置に表
示させるとともに、その演算結果を工場200の各端末
コンピュータ210,220,230,240,250
にLAN202を介して送るようにする。
【0014】端末コンピュータ210には、荒擦り機
(カーブジェネレータ)211と砂掛け研磨機212と
が接続され、端末コンピュータ210は、メインフレー
ム201から送られた演算結果に従い、荒擦り機211
と砂掛け研磨機212とを制御して、予め表面が加工さ
れたレンズの裏面の曲面仕上げを行う。
【0015】端末コンピュータ220には、レンズメー
タ221と肉厚計222とが接続され、端末コンピュー
タ220は、レンズメータ221と肉厚計222とで得
られた測定値と、メインフレーム201から送られた演
算結果とを比較して、レンズ裏面の曲面仕上げが完了し
たレンズの受入れ検査を行うとともに、合格レンズには
光学中心を示すマーク(3点マーク)を施す。
【0016】端末コンピュータ230には、マーカ23
1と画像処理機232とが接続され、端末コンピュータ
230は、メインフレーム201から送られた演算結果
に従い、レンズの縁摺りおよびヤゲン加工をする際にレ
ンズをブロック(保持)すべきブロッキング位置を決定
し、またブロッキング位置マークを施すことに使用され
る。このブロッキング位置マークに従い、ブロック用の
治工具がレンズに固定される。
【0017】端末コンピュータ240には、マシニング
センタからなるNC制御のレンズ研削装置241とチャ
ックインタロック242とが接続され、端末コンピュー
タ240は、メインフレーム201から送られた演算結
果に従い、レンズの縁摺り加工およびヤゲン加工を行
う。
【0018】端末コンピュータ250には、ヤゲン頂点
の形状測定器251が接続され、端末コンピュータ25
0は、この形状測定器251が測定したヤゲン加工済の
レンズの周長および形状を、メインフレーム201から
送られた演算結果と比較して加工の合否判定を行う。
【0019】以上のような構成のシステムにおいて眼鏡
レンズが供給されるまでの処理の流れを、以下、図3お
よび図4を参照して説明する。なお、この処理の流れに
は、「問い合わせ」と「注文」との2種類があり、「問
い合わせ」は、ヤゲン加工を含めたレンズ加工の完了時
のレンズ予想形状を報知するように、眼鏡店100が工
場200に求めることであり、また、「注文」は、縁摺
り加工前のレンズまたはヤゲン加工済のレンズを送るよ
うに、眼鏡店100が工場200に求めることである。
【0020】図3は、眼鏡店100での最初の入力処理
の流れを示すフローチャートである。図中、Sに続く数
字はステップ番号を表す。 〔S1〕眼鏡店100の端末コンピュータ101のレン
ズ注文問い合わせ処理プログラムが起動され、オーダエ
ントリ画面が画面表示装置に表示される。眼鏡店100
のオペレータは、オーダエントリ画面を見ながら、キー
ボード入力装置により、注文あるいは問い合わせの対象
となるレンズの種類の指定を行う。
【0021】すなわち、レンズの種類指定、注文あるい
は問い合わせをするレンズが、ヤゲン加工済のレンズな
のか、または縁摺り加工とヤゲン加工とが施されないレ
ンズなのかの指定、レンズの厚さを必要最小値になるよ
うに指定する加工指定、マイナスレンズのコバを目立た
なくする面取りをし、その部分の研磨仕上げをする加工
指定等を行う。
【0022】〔S2〕レンズのカラーの指定を行う。 〔S3〕レンズの処方値、レンズの加工指定値、眼鏡フ
レームの情報、アイポイント位置を指定するレイアウト
情報、ヤゲンモード、ヤゲン位置およびヤゲン形状を入
力する。
【0023】ヤゲンモードは、レンズコバのどこにヤゲ
ンを立てるかによって、「1:1」、「1:2」、「凸
ならい」、「フレームならい」、および「オートヤゲ
ン」のモードがあり、それらの中から選択して入力す
る。ここで例えば「凸ならい」とは、レンズ表面(前
面)に沿ってヤゲンを立てるモードである。
【0024】ヤゲン位置の入力は、ヤゲンモードが「凸
ならい」、「フレームならい」、および「オートヤゲ
ン」のときに限り有効であり、ヤゲン表面側底の位置を
レンズ表面からどれだけ裏面方向に位置させるかを指定
するもので、0.5mm単位で指定する。
【0025】〔S4〕ここで対象となる眼鏡フレームに
対し、図2のフレーム形状測定機102によるフレーム
形状の測定が既に完了しているか否かを判別する。完了
していればステップS7へ進み、完了していなければス
テップS5へ進む。
【0026】〔S5〕まず、眼鏡店100の端末コンピ
ュータ101において、レンズ注文問い合わせ処理プロ
グラムからフレーム形状測定プログラムへ処理が渡され
る。そして、これから形状測定される眼鏡フレームに付
された測定番号を入力する。また、フレームの材質(メ
タル、プラスティック等)を指定し、さらに、フレーム
曲げの可不可の指定を行う。
【0027】〔S6〕測定すべき眼鏡フレームをフレー
ム形状測定器102に固定して測定を開始する。フレー
ム形状測定器102の構造の概略を、図5を参照して後
述するとともに、このステップS6の詳細内容を、図1
を参照して後述する。
【0028】フレーム形状測定器102で測定された測
定値に対して端末コンピュータ101において計算処理
が施され、その結果が端末コンピュータ101の画面表
示装置に表示される。なお、測定値に大きな乱れがあっ
たり、左右フレーム枠の形状に大きな差があったりした
場合には、その旨のエラーメッセージが画面表示装置に
表示される。
【0029】眼鏡店100では、エラーメッセージが画
面表示装置に表示されたときには、そのエラーメッセー
ジの内容に応じて点検をし、再び測定を行う。 〔S7〕既にフレーム形状の測定が行われ、その結果が
記憶されている場合には、その記憶された測定値を読み
出すために、眼鏡フレームに付けた測定番号を入力す
る。
【0030】〔S8〕測定番号に従い、該当する眼鏡フ
レームについての記憶されたフレーム形状情報を内部記
憶媒体から読み出す。以上のステップS1〜S8によ
り、眼鏡レンズ情報、眼鏡枠情報、処方値、レイアウト
情報、加工指示情報の内の少なくとも1つである加工条
件データが送信される。 〔S9〕「問い合わせ」か、「注文」かの指定をする。
【0031】以上のステップの実行によって得られたレ
ンズ情報、処方値、フレーム情報等のデータが、公衆通
信回線を介して工場200のメインフレーム201に送
られる。
【0032】図4は、工場200での処理の流れ、なら
びに工場200からの転送により眼鏡店100で行われ
る確認およびエラー表示のステップを示すフローチャー
トである。図中、Sに続く数字はステップ番号を表す。
【0033】〔S11〕工場200のメインフレーム2
01には眼鏡レンズ受注システムプログラム、眼鏡レン
ズ加工設計プログラム、およびヤゲン加工設計プログラ
ムが備えられている。レンズ情報、処方値、フレーム情
、レイアウト情報、ヤゲン情報等のデータが、公衆通
信回線を介して送られると、眼鏡レンズ受注システムプ
ログラムを経て眼鏡レンズ加工設計プログラムが起動
し、レンズ加工設計演算が行われる。すなわち、ヤゲン
形状を含めた所望のレンズ形状が演算される。
【0034】すなわち、指定レンズの外径が不足してい
ないかを確認し、レンズの外径が不足している場合に
は、ボクシングシステムでの不足方向、不足量を算出
し、眼鏡店100の端末コンピュータ101に表示する
ために、眼鏡レンズ受注システムプログラムに処理を戻
す。
【0035】レンズの外径に不足が出なければ、レンズ
の表カーブの決定を行う。つぎにレンズの厚さの決定を
行い、レンズの厚さが決まったら、レンズの裏カーブ、
プリズム、プリズムベース方向を算出し、これにより、
縁摺り加工前のレンズの全体形状が決定する。
【0036】ここで、フレーム各方向の動径毎に全周の
コバの厚さを調べて、必要なコバ厚さを下回る箇所がな
いかを確認する。もし、下回る箇所があれば、ボクシン
グシステムでの不足方向、不足量を算出し、眼鏡店10
0の端末コンピュータ101に表示するために、眼鏡レ
ンズ受注システムプログラムに処理を戻す。
【0037】全周のコバの厚さに不足がなければ、レン
ズ重量、最大および最小のコバ厚さとそれらの方向等を
算出する。そして、レンズの裏面加工のために必要とな
る、工場200の端末コンピュータ210に対する指示
値を算出する。
【0038】以上の演算は、端末コンピュータ210、
荒擦り機211、および砂掛け研磨機212によって、
縁摺り加工前のレンズ研磨加工が行われる場合に必要な
ものであり、算出された種々の値が次のステップに渡さ
れる。
【0039】また、在庫レンズが指定され、縁摺り加工
前のレンズ研磨加工が行われない場合には、レンズの種
類と処方値とでレンズ外径、レンズ厚さ、表カーブ、裏
カーブが予め決まっており、かつ、それらのデータが記
憶されているから、それらの値を読み出して上記裏面加
工品と同様に、レンズの外径、コバ厚さが不足しないか
を確認し、次のステップに渡す。
【0040】〔S12〕つぎに、メインフレーム201
では、眼鏡レンズ受注システムプログラムを経てヤゲン
加工設計プログラムが起動し、ヤゲン加工設計演算が行
なわれる。
【0041】まず、眼鏡フレームの材質に応じて眼鏡枠
形状の3次元データの補正を行い、眼鏡フレームの材質
に起因する眼鏡枠形状データの誤差を補正する。つぎ
に、眼鏡枠形状と眼鏡レンズとの位置関係をアイポイン
ト位置を基に3次元的に決める。
【0042】ヤゲン加工を行うためにレンズを保持する
際に基準となる加工原点および回転軸である加工軸を決
め、この加工座標に今までのデータを座標変換する。そ
して、3次元のヤゲン先端形状(ヤゲン軌跡も含む)
を、指定されたヤゲンモードに応じて決定する。その
際、3次元ヤゲン先端形状をヤゲン周長を変えることな
く変形させることを前提とし、その予想される変形量を
算出する。ヤゲンモードがフレームならいのときや、フ
レーム曲げが不可のときには変形できないから、変形し
ないとヤゲンが立たない場合には、その旨のエラーコー
ドを出力する。
【0043】その算出された変形量を、眼鏡フレームの
材質毎に設けられた変形の限界量と比較し、限界量を越
えていれば、その旨のエラーコードを出力する。なお、
3次元のヤゲン先端形状を変形させることにより、アイ
ポイント位置がずれるので、その誤差を補正するように
する。また、復元の誤差の補正も行う。これらの処理は
選択的に行うことができる。
【0044】以上のように、3次元のヤゲン加工の設計
演算を行う。 〔S13〕図3のステップS9での指定が「注文」なら
ばステップS15へ進み、一方、「問い合わせ」なら
ば、問い合わせの結果を公衆通信回線を介して眼鏡店1
00の端末コンピュータ101へ送り、ステップS14
へ進む。
【0045】〔S14〕工場200のメインフレーム2
01から送られてきた、問い合わせに対する結果に基づ
き、端末コンピュータ101がヤゲン加工完了時のレン
ズの予想形状あるいはエラー状況を画面表示装置に表示
する。眼鏡店100のオペレータは、表示された内容に
よって、指定入力情報の変更や確認を行う。
【0046】すなわち、図4のステップS11およびス
テップS12での加工設計演算においてエラーが発生し
ていないならば、図2の端末コンピュータ101の画像
表示装置の画面に順次、レンズ厚さおよびレンズ重量を
表示するオーダエントリ着信画面、眼鏡フレームに指定
されたレイアウト情報に従ってレンズがどのように配置
されるかを視覚的に表示するレイアウト確認図、フレー
ムに枠入れされて空間的に配置された左右のレンズを任
意の方向からみた立体図、レンズの形状や、コバとヤゲ
ンとの位置関係を詳しく表示したヤゲン確認図、左右両
方のレンズのコバ厚さとヤゲン位置とをヤゲンに沿って
展開した左右ヤゲンバランス図を表示する。
【0047】また、図4のステップS11およびステッ
プS12での加工設計演算において、エラーが発生して
いるならば、図2の端末コンピュータ101の画面表示
装置に、エラーの内容に応じたメッセージが表示され
る。
【0048】〔S15〕図3のステップS9での指定が
「注文」ならば、このステップを実行し、図4のステッ
プS11およびステップS12での加工設計演算におい
てエラーが発生したか否かを判別する。エラーが発生し
ていれば、その結果を公衆通信回線を介して眼鏡店10
0の端末コンピュータ101へ送り、ステップS17へ
進む。一方、エラーが発生していなければ、その結果を
公衆通信回線を介して眼鏡店100の端末コンピュータ
101へ送り、ステップS16へ進むとともに、ステッ
プS18に進む。
【0049】〔S16〕眼鏡店100の端末コンピュー
タ101の画面表示装置に「注文を受け付けた」旨の表
示を行う。これにより、フレームに確実に枠入れ可能な
縁摺り加工前またはヤゲン加工後のレンズを発注できた
ことが確認できる。
【0050】〔S17〕注文のレンズは、レンズ加工設
計演算またはヤゲン加工設計演算においてエラーが発生
していて加工のできないレンズであるから、「注文を受
け付けられない」旨の表示を行う。
【0051】〔S18〕ステップS9で「注文」が指定
されていて、しかもレンズの加工設計演算またはヤゲン
の加工設計演算においてエラーが発生していなかった場
合には、工場200で、レンズ裏面の研磨加工、レンズ
の縁摺り加工、およびヤゲン加工等の実際の加工を行
う。
【0052】すなわち、予め、ステップS11でのレン
ズ加工設計演算結果が図2の端末コンピュータ210に
送られており、荒擦り機211と砂掛け研磨機212と
により、送られた演算結果に従い、レンズ裏面の曲面仕
上げを行う。さらに、図示がない装置により、染色や表
面処理が行われ、縁摺り加工前までの加工が行われる。
なお、こうした加工が完了している在庫レンズの使用が
指定されたときは、これらの加工工程はスキップされ
る。そして、縁摺り加工前まで加工された眼鏡レンズの
光学性能、外観性能の品質検査を行う。この検査には、
図2の端末コンピュータ220、レンズメータ221、
肉厚計222が利用され、光学中心を示す3点マークが
施される。なお、縁摺り加工前までのレンズを眼鏡店1
00から注文された場合には、上記品質検査を行った
後、そのレンズを眼鏡店100へ出荷する。
【0053】つぎに、ステップS12で演算された結果
に基づき、図2の端末コンピュータ230、マーカ23
1、画像処理機232等により、レンズ保持用のブロッ
ク治工具をレンズの所定の位置に固定する。このブロッ
ク治工具に固定されたレンズを、図2のレンズ研削装置
241に装着する。
【0054】図2のメインフレーム201がステップS
12のヤゲン加工設計演算と同様の演算を行い、3次元
ヤゲン先端形状を算出する。ただし、実際の加工では、
計算上で把握したレンズの位置と実際のレンズの位置と
に誤差が生じる場合があるので、加工座標への座標変換
が終了した時点で、この誤差の補正を行う。
【0055】そして、この算出された3次元ヤゲン先端
形状を基に、所定の半径の砥石で研削加工する際の加工
座標上の3次元加工軌跡データを算出する。この算出さ
れた加工軌跡データが端末コンピュータ240を介して
NC制御のレンズ研削装置241に送られる。レンズ研
削装置241は、送られたデータに従い、レンズの縁摺
りおよびヤゲン加工を行う。
【0056】最後に、端末コンピュータ250およびヤ
ゲン頂点の形状測定器251により、ヤゲン加工完了レ
ンズのヤゲン頂点の周長および形状を測定する。端末コ
ンピュータ250は、ステップS12の演算で求められ
た設計ヤゲン頂点周長と、形状測定器251により測定
された測定値とを比較し、それらの差が、例えば0.1
mm以内ならば合格品と判断する。また、ステップS1
2の演算により作成されたフレームの設計Aサイズ、設
計Bサイズと、形状測定器251により測定されたAサ
イズ、Bサイズとを比較し、それらの差が、例えば、
0.1mm以内ならば合格品と判断する。
【0057】以上のようにして出来上がったヤゲン加工
上がりレンズを眼鏡店100へ出荷する。図5は、図3
のステップS6で行われる眼鏡フレームの形状測定に使
用されるフレーム形状測定器102の構造の概略を示す
斜視図である。なお、フレーム形状測定器については、
本出願人の出願になる特開平1−305308号公報に
詳細な開示があり、本実施例ではそのフレーム形状測定
器を用いる。
【0058】フレーム形状測定器は、図示しない眼鏡フ
レーム保持手段によって所定位置に動かないように保持
された眼鏡フレームFの眼鏡枠Frの形状を測定する測
定部1を備えている。この測定部1はU字状の回転台2
を備え、この回転台2はその下端面に取り付けられたタ
イミングプーリ(図示せず)、タイミングベルト4およ
びタイミングプーリ5を介してモータ6によってΘ方向
に回転駆動される。この回転の角度は、回転台2に取り
付けられた上記図示のないタイミングプーリに、タイミ
ングベルト7とタイミングプーリ8とを介して接続され
たロータリエンコーダ9によって検出される。モータ6
とロータリエンコーダ9とは、本フレーム形状測定器の
基板10(図5では、測定器の他の部品を見易くするた
め、一部しか示していないが、実際には回転台2の下に
一面に存在する)に固定され、そして上記図示のないタ
イミングプーリおよび回転台2は図示していない軸受に
よって基板10に対して回転可能に軸承されている。
【0059】測定部1の回転台2は2枚の側板11,1
2と、これら両側板を連結する長方形の中央板13とか
らなっている。側板11と側板12との間には、2本の
スライドガイドシャフト14,15が平行に固定されて
いる。これらスライドガイドシャフト14,15に沿っ
て水平なスライド板16がE方向に滑動可能に案内され
ている。この案内のために、スライド板16はその下面
に、回転自在な3個のスライドガイドローラ17,1
8,19を備えている。この場合、一方のスライドガイ
ドシャフト14に2個のスライドガイドローラ17,1
8が接触し、他方のスライドガイドシャフト15に1個
のスライドガイドローラ19が接触し、これらのスライ
ドガイドローラ17,18,19はスライドガイドシャ
フト14,15を両側から挟むようにしてそれぞれスラ
イドガイドシャフト14,15に沿って転動する。
【0060】スライド板16には、そのスライド方向E
に定荷重ばね20が作用し、スライド板16は一方の側
板12の方へ引っ張られている。この定荷重ばね20は
ブッシング21に巻き取られ、軸22とブラケット23
とを介して側板12に固定されている。定荷重ばね20
の他端はスライド板16に取り付けられている。定荷重
ばね20は、後述のスタイラス30を眼鏡枠Frの内周
溝に押しつける作用がある。
【0061】スライド板16のE方向の移動量Rは、変
位計測スケールとしての反射型のリニアエンコーダ24
で測定される。このリニアエンコーダ24は、回転台2
の側板11と側板12との間に延設されたスケール25
と、スライド板16に固定され、かつスケール25に沿
って移動する検出器26と、アンプ27と、このアンプ
27と検出器26とを接続するフレキシブルケーブル2
8とからなっている。アンプ27は側板12に固定され
たブラケット29に取り付けられている。
【0062】スライド板16の移動によって、検出器2
6はスケール25の面と一定の距離を保ちながら移動す
る。この移動に対応して、検出器26はパルス信号をフ
レキシブルケーブル28で接続されたアンプ27へ出力
する。アンプ27ではこの信号を増幅して、カウンタ
(図示せず)を経て移動量Rとして出力する。
【0063】スライド板16には、測定子としてのスタ
イラス30が保持されている。このスタイラス30はス
ライド板16に固定されたスリーブ31の中ですべり軸
受によって上下方向(Z軸方向)に移動自在に、かつ回
転自在に軸承されている。スタイラス30は算盤玉状の
頭部32を持ち、この頭部32が定荷重ばね20の作用
により眼鏡枠Frの内周溝に接触し、回転台2の回転に
より眼鏡枠Frの内周溝に沿って転動する。
【0064】その際、スタイラス30は眼鏡枠Frの形
状に対応して半径方向に移動する。この半径方向の移動
量Rは前述のようにスリーブ31とスライド板16とを
介してリニアエンコーダ24で測定される。
【0065】また、スタイラス30は眼鏡枠Frのカー
ブに対応してZ軸方向に移動する。このZ軸方向の移動
量を検出するのが変位計測スケールとして形成されたZ
軸測定器33である。このZ軸測定器33は、スライド
板16に固定され、スタイラス30のZ軸方向への動き
を、スタイラス30の両側に配置された内蔵の電荷結合
素子(CCD)ラインイメージセンサと、光源である発
光ダイオード(LED)とにより、変位量Zとして検出
する。
【0066】つぎに、以上のように構成されるフレーム
形状測定器の作動を説明する。眼鏡フレームFを、図示
しない眼鏡フレーム保持手段に固定保持し、スタイラス
30の頭部32を眼鏡枠FrのV字形の内周溝に接触さ
せ、図示していない制御装置によりモータ6を回転させ
る。それにより、タイミングベルト4で連結された回転
台2が回転し、スタイラス30が眼鏡枠Frの内周溝に
接触しながら転動する。測定部1の回転は、タイミング
ベルト7で連結されたロータリエンコーダ9を回転し、
回転角(θ)として検出される。スタイラス30の半径
方向の移動量は、リニアエンコーダ24によってスライ
ド板16のE方向の移動量Rとして検出され、上下方向
の移動量はZ軸測定器33によってスタイラス30のZ
軸方向の移動量Zとして検出される。なお、これらの円
筒座標をなす値θ,R,Zは、連続して測定されるもの
でなく、回転角(θ)の所定増加量毎に間欠的に測定さ
れて、図2の端末コンピュータ101に入力されるもの
である。したがって、この入力座標値を以下、3次元測
定形状データ(Rn,θn,Zn)(n=1,2,3,
・・・,N)と表すことにする。Nが1回転での測定回
数を表す。
【0067】以下、本実施例において、添字nを用いて
(n=1,2,3,・・・,N)等で表された点列およ
びベクトル等は、この添字nの数値の順に空間的に並ん
でおり、かつ、この添字nに対して周期がNである周期
的なデータを意味する。
【0068】回転台2が1回転すると、眼鏡フレーム保
持手段が、眼鏡フレームFを保持したまま所定量スライ
ド移動し、これによりスタイラス30が他方の眼鏡枠に
設定され、他方の眼鏡枠の形状測定が行われる。眼鏡フ
レーム保持手段の所定のスライド量は予め一定値に設定
されているので、この設定値と左右の眼鏡枠Frの測定
データとから両眼鏡枠の相対的な位置関係を知ることが
できる。この設定値を3次元的に表現して、以下、相対
的位置データ(δX,δY,δZ)とする。これらのデ
ータも図2の端末コンピュータ101に入力される。な
お、端末コンピュータ101には、各種定数、例えばス
タイラス30の半径SR、内周溝角度BA、内周溝幅B
W等が予め入力されている。
【0069】図1は、これらのデータが送られた端末コ
ンピュータ101における計算処理の手順を示すフロー
チャートであり、図3のステップS6内での処理内容に
相当する。図中、Sに続く数字はステップ番号を表す。
【0070】〔S601〕3次元測定形状データ(R
n,θn,Zn)は、厳密にはスタイラス30の頭部3
2の中心軸の軌跡を表すデータであり、眼鏡枠の内周溝
形状を示していないので、正確な眼鏡枠形状(内周溝の
形状)を得るためには、スタイラス30の先端部(内周
溝の底に接触する部分)が描く包絡線を求めねばならな
い(本実施例では、この包絡線を求める計算をオフセッ
ト計算と呼ぶ)。これを図6および図7を参照して説明
する。
【0071】図6は、片側の眼鏡枠の内周溝形状に沿っ
たスタイラス頭部の中心軸の軌跡41を3次元座標で表
したものであり、図7は、XY平面上に射影したスタイ
ラス頭部32の中心軸の軌跡41および片側の眼鏡枠の
内周溝形状43を示す図である。
【0072】まず、図6に示すように、円筒座標値であ
る測定形状データ(Rn,θn,Zn)(n=1,2,
3,・・・,N)を、原点42を共有する直交座標値
(Xsn,Ysn,Zn)(n=1,2,3,・・・,
N)に変換する。
【0073】つぎに、図7に示すように、内周溝形状4
3は、スタイラス頭部32の中心軸の軌跡41を法線方
向にスタイラス30の半径SRだけ変形した形状である
点に着目し、内周溝形状43を算出する。すなわち、ス
タイラス頭部32の中心軸の軌跡41のj番面の点(X
sj,Ysj)における法線ベクトルを(SVxj,S
Vyj)とすれば、対応する内周溝形状43の直交座標
値(Xj,Yj)は、(Xsj,Ysj)に法線ベクト
ル(SVxj,SVyj)を加えることで得られる。こ
れをj=1からj=Nまで計算することで、内周溝形状
座標値(Xn,Yn)(n=1,2,3,・・・,N)
を算出する。なお、この内周溝形状のZ軸座標値Zn
は、直交座標値(Xsn,Ysn,Zn)のZnと等し
い。
【0074】〔S602〕ところで、同一の眼鏡枠を測
定したとしても、スタイラスの形状が異なれば、スタイ
ラス頭部32の先端部の位置が変化して内周溝から離れ
てしまうことがあり得、その結果、ステップS601で
求めた内周溝形状が変化してしまう。また、スタイラス
頭部32の径方向は、機構上常に、フレーム形状測定器
102のZ軸方向に垂直な平面上にあるのに対して、眼
鏡枠はZ軸方向にも変化する形状を有しているため、内
周溝が、フレーム形状測定器102のZ軸方向に垂直な
平面に対して傾きを持つことがある。この場合にも、傾
きに応じてスタイラス頭部32の先端部の位置が変化す
る。本ステップは、以上のようなスタイラスの位置の変
化を考慮して、内周溝の底の周形状を求めるものであ
る。以下、図8〜図12を参照して説明する。
【0075】図8および図9は内周溝44とスタイラス
頭部32とを示す斜視図であり、図8は眼鏡枠形状がZ
軸方向に変化しないが、スタイラス先端が内周溝の底に
接触できない場合を示し、一方、図9は眼鏡枠形状がZ
軸方向に変化しているために、スタイラス先端が内周溝
の底に接触できない場合を示す。図10は図8に示され
る内周溝44およびスタイラス頭部32のZX平面図で
る。図11は図9に示される内周溝44およびスタイ
ラス頭部32のXY平面図であり、図13は図9に示さ
れる円32dを通る平面図である。図12は眼鏡枠とレ
ンズヤゲンとのZX平面図である。
【0076】図8に示すような、眼鏡枠の形状がZ軸方
向に変化していない場合、スタイラス頭部32と内周溝
44との接触状態は、図10(A)〜(C)に示すよう
に、同一の内周溝形状であっても、スタイラス頭部32
の形状によって変化する。したがって、スタイラス頭部
32の先端部32aと内周溝44の底44aとの距離H
nを、内周溝角度BA、溝幅BW、スタイラス頭部32
の先端部の角度SA、スタイラス頭部32の幅SWから
求める。すなわち、図10(A)に示すような、SA≦
BAの場合、常にスタイラス頭部32の先端部32aが
内周溝44の底44aに接触しているので、Hn=0と
なる。また、図10(B)に示すような、SA>BA、
かつBW≧SWの場合、スタイラス頭部32の上端32
bおよび下端32cが内周溝44の壁面に接触するの
で、SWおよびSAから高さVbを求め、また、SWお
よびBAから高さTbを求め、下記式に基づき距離Hn
を求める。 Hn=Tb−Vb さらに、図10(C)に示すような、SA>BA、かつ
BW<SWの場合、スタイラス頭部32の側面が内周溝
44の上縁44b,44cに接するので、BWおよびS
Aから高さVcを求め、また、BWおよびBAから高さ
Tcを求め、下記式に基づき距離Hnを求める。 Hn=Tc−Vc
【0077】図9に示すように、眼鏡枠の形状がZ軸方
向に変化している場合、スタイラス頭部32と内周溝4
4の接触状態は、内周溝44がZ軸方向に垂直な平面と
なす角度TAの変化によって変わる。この変化によりス
テップS601で算出された内周溝形状座標値(Xn,
Yn)に誤差が生じてしまうため、この誤差の補正を行
う必要がある。
【0078】すなわち、スタイラス頭部32の先端部
2aの角度SAが内周溝角度BA以下であるときは、内
周溝44がZ軸方向に垂直な平面となす角TAの大きさ
に拘らず、スタイラス頭部32の先端部は必ず内周溝4
4の壁面に接触する。よって、スタイラス頭部32の先
端部と内周溝44の壁面との接触状態における誤差補正
のみを考えればよい。まず、内周溝角度BAと、角度
Aとから、スタイラス頭部32の先端部32aを含む
(図9においてX軸およびY軸を含む平面)が内周溝
44に交差してできる2つの線分La,Lbがなす角度
βを求める。そして、スタイラス頭部32の先端部32
aと内周溝44の底44aとの距離Hnを、角度βとス
タイラス頭部32の先端部32aの半径SRとから求め
る。すなわち、まず図11(A),(B)に示すよう
に、スタイラス頭部32の先端部32aの半径SRの円
が、角度βで交差する2つの線分La,Lbに同時に接
するときの接点44dと接点44eとの間の距離SDW
を求める。また、内周溝44の上縁44b,44c間の
距離BDWを求める。なお、2つの線分La,Lbがス
タイラス頭部32の先端部32aの円に接しないときに
は、この円に接するようにこれらの線分を平行移動して
から距離SDWを求める。そして、図11(A)に示す
ようなBDW≧SDWの場合、スタイラス頭部32の先
端部32aが、接点44dと接点44eとにおいて内周
溝44の壁面に接しているので、SDWおよびSRから
高さVSaを求め、また、SDWおよびβから高さTS
aを求め、下記式に基づき距離Hnを求める。Hn=T
Sa−VSa
【0079】また、図11(B)に示すようなBDW<
SDWの場合、スタイラス頭部32の先端部32aが、
内周溝44の上縁44b,44cに接するので、BDW
およびSRから高さVSbを求め、また、BDWおよび
βから高さTSbを求め、下記式に基づき距離Hnを求
める。 Hn=TSb−VSb こうして求められた距離Hnを、眼鏡枠1周に亘って算
出し、それを補正量Hn(n=1,2,3,・・・,
N)とする。
【0080】つぎに、スタイラス頭部32の先端部32
の角度SAが内周溝角度BAより大きいときには、内
周溝44がZ軸方向に垂直な平面となす角TAの大きさ
によっては、スタイラス頭部32の上端32bおよび下
端32cが内周溝44の壁面に接触してしまい、スタイ
ラス頭部32の先端部32aが必ずしも内周溝44の壁
面に接触しない。よって、スタイラス頭部32の上端3
2bおよび下端32cが内周溝44の壁面に接触する状
態も考慮して補正量Hn(n=1,2,3,・・・,
N)を求める。すなわち、まず、スタイラス頭部32の
先端部32aから上端32bおよび下端32cに至る間
のどの位置で内周溝44の壁面に接するのかを考える。
ここで、スタイラス頭部32の形状は上端方向と下端方
向とが対称であるので、以下ではスタイラス頭部32の
先端部32aから上端32bに至る間のみを考える。図
9に示すように、スタイラス頭部32の先端部32aの
円の中心をO1とし、この中心O1からZ軸方向へ距離
dだけ離れた点O2を中心とするスタイラス頭部32の
側面上の円32dが、内周溝44の壁面に接していると
する。この円32dを通る平面(図9でXY平面に平行
な面)を図13(A)に示す。図13(B)は図13
(A)の一部拡大図である。図13において、まず、内
周溝44の底44aから円32dの中心O2までの水平
方向距離dsを求める。ここでは、内周溝44の壁面線
44a−44b,44a−44cがなす角β * の2等分
線の方向を垂直方向とし、この2等分線に直角な方向を
水平方向とする。dsは角度TAと距離dとから下記式
に基づき与えられる。 ds=d/tan TA つぎに、内周溝44の壁面線44a−44bと円32d
の中心O2を通る垂直線との交点を44a * とすると
き、内周溝44の底44aから点44a * までの垂直方
向距離ts(d)は、距離dsと角β * とから求まり、
この距離ts(d)はdをパラメータとする関数となっ
ている。ところで、点44a * を、図10,11におけ
る内周溝44の底44aと仮定すれば、図10,11を
参照して説明した距離Hnの算出と同様な方法により、
円32dの下端と点44a* との距離hn(d)を算出
することができる。ここで算出される距離hn(d)は
dをパラメータとする関数となっている。なお、図13
に記号(* )を添えて示される部分は、こうした仮定に
おける図10,11の対応部分を示している。さらにこ
こで、円32dの中心O2から内周溝44の底44aま
での垂直方向の距離TO(d)を下記式に基づき算出す
る。 TO(d)=sr(d)+hn(d)+ts(d) sr(d)は、dをパラメータとして表した円32dの
半径である。TO(d)はdをパラメータとする関数と
なっている。そして、円32dが、スタイラス頭部32
の先端部32a(d=0)からスタイラス頭部32の上
端32b(d=SW/2)まで変化するとしたときに、
距離TO(d)が最大となる距離dの値d0を求める。
この値d0の距離にある位置を中心とするスタイラス頭
部32の側面の円が、内周溝44の壁面に実際に接する
円である。このときの距離Hnは、下記式に基づき算出
される。 Hn=TO(d0)−SR なお、以上の図13を参照して説明したケースは、発生
が稀なケースであるので、計算処理速度を高めるために
省略するようにしてもよい。
【0081】ところで、ヤゲン加工の際に必要な形状
は、測定した眼鏡枠にヤゲン加工後のレンズが嵌合した
と仮定した状態におけるヤゲンの先端軌跡の形状であ
る。ここでは、これをヤゲン先端軌跡形状と呼ぶことに
する。ヤゲン先端軌跡形状の位置55は、図12に示す
ように、内周溝角度BA、内周溝幅BW、およびヤゲン
頂角YAが決まれば、内周溝の底から一定の距離の位置
にある。この距離をヤゲン溝間距離BYと呼ぶことにす
る。ヤゲン先端軌跡形状を最終的な眼鏡枠形状として求
めるために、求めた補正量Hn(n=1,2,3,・・
・,N)からヤゲン溝間距離BYを引いたものを、新た
な補正Hn(n=1,2,3,・・・,N)とする。
【0082】補正量Hnの補正方向は、図11(C)に
示すように、内周溝形状座標値(Xn,Yn,Zn)を
XY平面に射影した形状の法線方向と等しいから、この
法線方向へ補正量Hnだけ変形した補正形状45を改め
て眼鏡枠形状座標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,
2,3,・・・,N)とおく。
【0083】なお、この実施例では、スタイラス頭部3
2は算盤玉状をなしているが、スタイラス頭部の形状が
Z軸方向に対して回転対称であり、回転対称軸を含む断
面形状が予め分かっていれば、スタイラス頭部と傾いた
内周溝44との接触状態を計算によって把握することが
でき、したがって、上記と同様に補正を行うことが可能
である。
【0084】〔S603〕ステップS602で補正され
た眼鏡枠形状座標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,
2,3,・・・,N)から眼鏡枠形状(内周溝の底の周
形状)の周長FLNを算出する。眼鏡枠形状の周長FL
Nは、眼鏡枠形状の各点間の距離の総和として次式
(1)により算出される。
【0085】 FLN=Σ〔((Xi −Xi+1)2 +(Yi −Yi+1)2 +(Zi −Zi+1)2 1/2 〕(i=1〜N) ・・・(1) ただし、上記式(1)において、i=Nのときはi+1
を1とする。
【0086】〔S604〕一般に、眼鏡フレームがフレ
ーム形状測定器102に保持されて眼鏡枠の形状が測定
される際には、左右の眼鏡枠の正面方向はフレーム形状
測定器102のZ軸方向に対してそれぞれ傾いている。
この各傾きを把握するために、左右の眼鏡枠の正面方向
のベクトルを決定する。すなわち、例えば、各眼鏡枠に
おいて、X軸座標値が最大と最小とになる2点を結ぶベ
クトルを求め、同様に、Y軸座標値が最大と最小とにな
る2点を結ぶベクトルを求め、両ベクトルに垂直となる
ベクトルを算出して、これの単位ベクトルを眼鏡枠の正
面方向の単位ベクトルFVとする。
【0087】〔S605〕ステップS601〜S604
の処理が、左右の眼鏡枠形状測定データに対して施され
たか否かを判別し、この答えが肯定(YES)ならばス
テップS606へ進み、否定(NO)ならばステップS
601へ戻る。
【0088】〔S606〕これまでに得られた左右の眼
鏡枠形状座標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,
3,・・・,N)はそれぞれ座標原点が異なるので、前
述の相対的位置データ(δX,δY,δZ)を用いて同
一の点を原点とする同一の座標の座標値にそれぞれ変換
する。すなわち、まず、右の眼鏡枠形状座標値(Xn,
Yn,Zn)(n=1,2,3,・・・,N)をX軸、
Y軸、Z軸方向にそれぞれ、−δX/2,−δY/2,
−δZ/2だけ平行移動した座標値を算出して改めて右
眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zrn)(n=
1,2,3,・・・,N)とするとともに、このときの
正面方向単位ベクトルを改めてFVrとする。
【0089】つぎに、左の眼鏡枠形状座標値(Xn,Y
n,Zn)(n=1,2,3,・・・,N)をX軸、Y
軸、Z軸方向にそれぞれ、δX/2,δY/2,δZ/
2だけ平行移動した座標値を算出して改めて左眼鏡枠形
状座標値(Xln,Yln,Zln)(n=1,2,
3,・・・,N)とするとともに、このときの正面方向
単位ベクトルを改めてFVlとする。
【0090】〔S607〕ステップS606で求めた左
右の眼鏡枠の正面方向単位ベクトルFVr,FVlから
眼鏡の正面方向を算出し、その正面方向がZ軸方向に一
致するように左右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yr
n,Zrn),(Xln,Yln,Zln)および左右
の眼鏡枠の正面方向単位ベクトルFVr,FVlを回転
移動する。すなわち、眼鏡の正面方向を、左右の眼鏡枠
の正面方向単位ベクトルFVr,FVlの和のベクトル
の方向に定義する。そして、この和のベクトルの単位ベ
クトルを、眼鏡の正面方向単位ベクトルFVMとする。
【0091】つぎに、眼鏡の正面方向がZ軸方向に一致
するように、右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,
Zrn)(n=1,2,3,・・・,N)および左の眼
鏡枠形状座標値(Xln,Yln,Zln)(n=1,
2,3,・・・,N)ならびに左右の眼鏡枠の正面方向
単位ベクトルFVr,FVlを、原点を中心に回転移動
した新たな変換値を算出する。
【0092】〔S608〕ステップS607で変換され
た左右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zr
n),(Xln,Yln,Zln)から、XY平面内に
おける眼鏡のデータムラインとX軸方向とのなす角θd
を求め、データムラインがX軸方向に一致するように、
左右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zrn),
(Xln,Yln,Zln)および左右の眼鏡枠の正面
方向単位ベクトルFVr,FVlを変換する。すなわ
ち、まず、眼鏡の上方で左右の眼鏡枠形状に同時に接す
る眼鏡上方接線がX軸方向となす角θaと、眼鏡の下方
で左右の眼鏡枠形状に同時に接する眼鏡下方接線がX軸
方向となす角θbとの中間の角度を求め、これを、眼鏡
のデータムラインがX軸方向となす角θdとする。
【0093】つぎに、眼鏡のデータムラインがX軸方向
に一致するように、ステップS607で変換された右の
眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zrn)(n=
1,2,3,・・・,N)および左の眼鏡枠形状座標値
(Xln,Yln,Zln)(n=1,2,3,・・
・,N)ならびに左右の眼鏡枠の正面方向単位ベクトル
FVr,FVlを、Z軸を回転軸として角θdだけ回転
移動した新たな変換値を再度算出する。
【0094】〔S609〕ステップS608で再度変換
された左右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zr
n),(Xln,Yln,Zln)を基に、眼鏡枠間距
離を算出する。すなわち、右の眼鏡枠形状座標値(Xr
n,Yrn,Zrn)の中で、Xrnが最大値となる点
Sと、左の眼鏡枠形状座標値(Xln,Yln,Zl
n)の中で、Xlnが最小値となる点Tとを求め、点S
から点Tに至るベクトルをZX平面に射影したベクトル
の長さDBLを求める。この長さDBLは鼻幅であり、
この実施例では、眼鏡枠間距離を鼻幅DBLを用いて表
す。
【0095】〔S610〕ステップS608で再度変換
された左右の眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zr
n),(Xln,Yln,Zln)および左右の眼鏡枠
の正面方向単位ベクトルFVr,FVlを基に、左右の
眼鏡枠形状のAサイズ、Bサイズおよび幾何学中心(フ
レームセンタ)座標を算出するとともに、これら左右の
眼鏡枠形状座標値(Xrn,Yrn,Zrn),(Xl
n,Yln,Zln)を、算出された各幾何学中心を原
点とし、左右の眼鏡枠の正面方向単位ベクトルFVr,
FVlをZ軸方向に一致させた座標値にそれぞれ変換す
る。なお、以降のステップS610〜S612では、特
に左右を区別する必要がないので、眼鏡枠形状座標値を
(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,3,・・・,N)
と、また眼鏡枠の正面方向単位ベクトルをFVと表記し
て説明するが、これらは左右のいずれをも表しているも
のである。
【0096】すなわち、まず、眼鏡枠の正面方向単位ベ
クトルFVがZ軸方向に一致するように、眼鏡枠形状座
標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,3,・・・,
N)を、原点を中心に回転移動する。この移動による変
換後の座標値(Xn,Yn,Zn)において、Xnの最
大値および最小値をXmax,Xminとし、Ynの最
大値および最小値をYmax,Yminとすれば、眼鏡
枠形状のAサイズは、XmaxとXminとの差の絶対
値として求められ、Bサイズは、YmaxとYminと
の差の絶対値として求められる。
【0097】また、幾何学中心(フレームセンタ)座標
(FCx,FCy)は下記式(2),(3)により求め
られる。 FCx=(Xmax+Xmin)/2 ・・・(2) FCy=(Ymax+Ymin)/2 ・・・(3) つぎに、眼鏡枠の正面方向単位ベクトルFVがZ軸方向
に一致するように、先に変換された眼鏡枠形状座標値
(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,3,・・・,N)
を、幾何学中心(FCx,FCy)を原点とする座標値
に変換する。
【0098】また、この眼鏡枠形状座標値(Xn,Y
n,Zn)(n=1,2,3,・・・,N)の2次元デ
ータ(Xn,Yn)(n=1,2,3,・・・,N)
を、幾何学中心(FCx,FCy)を原点とする極座標
値(Rn,θn)(n=1,2,3,・・・,N)に変
換する。
【0099】さらに、極座標値(Rn,θn)の中で、
Rnの最大値を求め、それを2倍して有効径EDを算出
する。 〔S611〕ステップS610で求められた幾何学中心
を原点とする眼鏡枠形状座標値(Xn,Yn,Zn)
(n=1,2,3,・・・,N)は、近似的にトーリッ
ク面上の閉曲線にのっていると見做し、そのトーリック
面の方程式を求める。すなわち、トーリック面を3次元
座標上に定義するためには、中心座標(a,b,c)、
ベース半径RB、クロス半径RC、回転対称軸方向単位
ベクトル(p,q,r)を変数とするトーリック面の方
程式を、眼鏡枠形状座標値(Xn,Yn,Zn)(n=
1,2,3,・・・,N)のデータを用いて最小2乗近
似法によって解き、これによって、中心座標(a,b,
c)、ベース半径RB、クロス半径RC、回転対称軸方
向単位ベクトル(p,q,r)を得るようにする。
【0100】〔S612〕まず、ステップS608で再
度変換された眼鏡枠の正面方向単位ベクトルFVを用い
て、眼鏡枠の傾きTILTを算出する。すなわち、眼鏡
枠の傾きTILTは、眼鏡枠の正面方向単位ベクトルF
VとYZ平面とのなす角として算出する。
【0101】つぎに、この傾きTILTと、ステップS
609で求めた鼻幅DBLと、ステップS610で求め
たAサイズとを基に、幾何学中心間の距離であるフレー
ムPDを算出する。すなわち、Aサイズは左右の眼鏡枠
で異なるので、右の眼鏡枠のAサイズをAr、左の眼鏡
枠のAサイズをAlとすると、フレームPD(FPD)
は次式(4)で算出される。
【0102】 FPD=(Ar+Al)/2・cos(TILT)+DBL ・・・(4) 〔S613〕左右の眼鏡枠形状は同一であることが望ま
しいが、一般に若干の差異がある。そこで、左右の眼鏡
枠のバランスをとるために、左右の眼鏡枠形状を合わせ
るためのマージ処理を行う。
【0103】まず、ステップS610で求めた各幾何学
中心を原点とする左右の眼鏡枠形状の直交座標値(X
n,Yn,Zn)に基づき、加重平均値を算出し、左右
それぞれの眼鏡枠形状の重心位置を算出する。そして、
左の眼鏡枠形状のX座標値の符号を反転させた上で、左
右の眼鏡枠形状の各重心位置が同一の点Gに位置するよ
うにして、左の眼鏡枠形状を右の眼鏡枠形状に重ね合わ
せる。ここで、各方向における左右の眼鏡枠間の距離の
総和を算出し、これを左右の眼鏡枠形状の差異量DEと
する。
【0104】つぎに、右の眼鏡枠形状を固定し、左の眼
鏡枠形状を点Gを中心に回転させて、差異量DEが最小
となる左の眼鏡枠形状を求め、そのときの左の眼鏡枠形
状の回転角θsおよび回転軸ベクトルAVを求める。
【0105】つぎに、この左の眼鏡枠形状と右の眼鏡枠
形状との中間となる眼鏡枠形状を算出する。そして、こ
の眼鏡枠形状を新たな右の眼鏡枠形状とし、かつ、これ
を点Gを通る回転軸ベクトルAVを中心に回転角θsだ
け、先程とは逆方向へ回転させたものを、新たな左の眼
鏡枠形状座標値とする。
【0106】なお、以上のマージ処理により、左右の眼
鏡枠形状が変化してしまっているので、ステップS61
0〜S612を再度実行する。なお、ここで求めた差異
量DEおよび回転角θsは、左右の眼鏡枠形状のバラン
スの悪さを表す値であるから、これらの値が所定の限界
値を越えているときには、マージ処理を行わず、左右の
眼鏡枠形状のバランスが異常であることを示すエラーコ
ードを出力するようにする。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、内周溝
および接触子の各形状データと、接触子の3次元の移動
軌跡データとから、内周溝の底と接触子の先端部との距
離を算出し、この算出された距離に基づき、接触子先端
部の包絡線軌跡を補正して、内周溝の底の形状を算出す
る。したがって、接触子の先端部が内周溝の底から浮き
上がり、両者が接触しない場合でも、この浮き上がった
分だけ補正が行われ、正確な眼鏡枠の内周溝の底の形状
が算出されることになる。さらに、眼鏡の正面方向が眼
鏡枠形状測定装置のZ軸方向と正確に一致していなくと
も、正確な眼鏡枠の内周溝の底の形状が算出され得、従
来のように、眼鏡枠形状測定装置に眼鏡を装着する毎
に、同一の眼鏡にも拘らず、求められた眼鏡枠の内周溝
の底の形状が異なって算出されるということが回避され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼鏡店の端末コンピュータにおける計算処理の
手順を示すフローチャートであり、図3のステップS6
内での処理内容に相当する。
【図2】本発明の眼鏡枠形状測定補正方法が実施される
眼鏡レンズの供給システムの全体構成図である。
【図3】眼鏡店での最初の入力処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】工場での処理の流れ、ならびに工場からの転送
により眼鏡店で行われる確認およびエラー表示のステッ
プを示すフローチャートである。
【図5】フレーム形状測定器の構造の概略を示す斜視図
である。
【図6】片側の眼鏡枠の内周溝形状に沿ったスタイラス
頭部の中心軸の軌跡の斜視図である。
【図7】XY平面上に射影したスタイラス頭部の中心軸
の軌跡および片側の眼鏡枠の内周溝形状を示す平面図で
ある。
【図8】内周溝とスタイラス頭部とを示す斜視図であ
る。
【図9】内周溝とスタイラス頭部とを示す斜視図であ
る。
【図10】図8に示される内周溝およびスタイラス頭部
のZX平面図である。
【図11】図9に示される内周溝およびスタイラス頭部
のXY平面図である。
【図12】眼鏡枠とレンズヤゲンとのZX平面図であ
る。
【図13】図9に示す円32dを通る平面を示す図であ
る。
【符号の説明】
100 眼鏡店 101 端末コンピュータ 102 フレーム形状測定器 200 工場 201 メインフレーム 202 LAN 210 端末コンピュータ 211 荒擦り機(カーブジェネレータ) 212 砂掛け研磨機 220 端末コンピュータ 221 レンズメータ 222 肉厚計 230 端末コンピュータ 231 マーカ 232 画像処理機 240 端末コンピュータ 241 レンズ研削装置 242 チャックインタロック 250 端末コンピュータ 251 形状測定器 300 公衆通信回線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡枠の内周溝に接触しながら前記内周
    溝に沿って移動し、回転対称な形状を有する接触子の移
    動軌跡から前記内周溝の形状を算出する眼鏡枠形状測定
    装置の眼鏡枠形状測定補正方法において、 前記接触子の3次元の移動軌跡データに基づき、前記接
    触子の先端部の包絡線軌跡を求め、 前記内周溝および前記接触子の各形状データと、前記接
    触子の3次元の移動軌跡データとから、前記内周溝の底
    と前記接触子の先端部との距離を算出し、 前記算出された距離に基づき、前記求めた包絡線軌跡を
    補正して、前記内周溝の底の形状を算出することを特徴
    とする眼鏡枠形状測定補正方法。
  2. 【請求項2】 前記内周溝の底と前記接触子の先端部と
    の距離の算出に供される前記内周溝の形状データは、前
    記内周溝の溝幅と溝角度とであることを特徴とする請求
    項1記載の眼鏡枠形状測定補正方法。
  3. 【請求項3】 前記内周溝の底と前記接触子の先端部と
    の距離の算出に供される前記接触子の形状データは、前
    記接触子の半径と、前記接触子の回転対称軸を含む断面
    形状データとであることを特徴とする請求項1記載の眼
    鏡枠形状測定補正方法。
  4. 【請求項4】 眼鏡枠の内周溝に接触しながら前記内周
    溝に沿って移動する接触子の移動軌跡から前記内周溝の
    形状を算出する眼鏡枠形状測定装置の眼鏡枠形状測定補
    正方法において、 前記接触子の移動によって得られる前記内周溝の形状デ
    ータと、当該眼鏡枠にヤゲン加工後のレンズが嵌合され
    たと仮定した場合におけるヤゲンの先端軌跡の形状デー
    タとから、前記内周溝の底からヤゲン先端までの距離を
    算出し、 前記算出された距離に基づき、前記内周溝の形状データ
    を補正することを特徴とする眼鏡枠形状測定補正方法。
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