JPH0617377B2 - 硬化性組成物の硬化方法 - Google Patents

硬化性組成物の硬化方法

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JPH0617377B2
JPH0617377B2 JP58115669A JP11566983A JPH0617377B2 JP H0617377 B2 JPH0617377 B2 JP H0617377B2 JP 58115669 A JP58115669 A JP 58115669A JP 11566983 A JP11566983 A JP 11566983A JP H0617377 B2 JPH0617377 B2 JP H0617377B2
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宣男 中林
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、硬化性組成物の硬化方法に関する。更に詳し
くは、硬化性組成物の予備成形物を硬化させることから
なる硬化性組成物の硬化方法に関する。
嫌気性硬化触媒を用い、熱硬化性樹脂を加熱硬化させる
場合、まず予備成形物を作り、次にこれを加熱硬化させ
る方法が一般的であるが、この方法によって得られる硬
化物は、その表面の硬化が不十分であり、そのため表面
の硬度不足、外観不足などの欠点がみられる。特に、
(メタ)アクリル酸エステル樹脂を用いる歯科材料分野
では、成形硬化物に対して厳しい硬度、耐摩耗性、寸法
精度などが要求されるので、これらの欠点の解消が切望
されている。また、常温硬化性樹脂や光硬化性樹脂の場
合にも、同様の事情がみられる。
このような欠点を改善するために、速硬化性の樹脂なら
びに樹脂組成物、速硬化性触媒、硬化促進剤などが各種
提案されているが、未だ十分な成果が得られず、ときに
は成形硬化物表面層の硬化不十分な部分を擦って削り取
るような表面処理を欠かせない場合もあった。また、予
備成形物の一部または全部を既製のフィルムで覆い、外
気との接触を遮断した後加熱硬化させる方法も一般に知
られているが、この方法は、小さなもの、大きなもの、
複雑な形状を有するもの、曲面を有するものなどへの適
用が難しく、特に歯科材料分野への適用は不可能であっ
た。
また、歯科材料として用いる場合には、硬化性樹脂の組
成物は、歯科医または技工士が手で充填剤と重合性ビニ
ル単量体とを混練し、成形するための必要性から、一般
に柔かいペースト状であり、一応成形されたものも、成
形後に放置することによりあるいは加熱硬化時の熱によ
り、変形する欠点がみられる。ペーストの粘度を上げれ
ば、それの変形の程度は減少するが、今度は前歯の切端
などの場合に求められる厳しい寸法精度を満足させるこ
とができなくなる。
本発明者らは、成形時の形状保持性の問題を含め、従来
の各種硬化方法によってもたらされる前述の諸欠点を解
消させ得る方法について種々検討の結果、重合性ビニル
単量体、嫌気性有機過酸化物硬化触媒および充填剤を含
有する組成物の予備成形物に、該重合性ビニル単量体に
実質的に不溶でかつ硬化反応温度で固体である化合物の
メタノール溶液をマスキング剤として塗布した後、該予
備成形物を硬化させるときわめて効果的であることを見
出した。従って、本発明は、このようにして行われる硬
化性組成物の硬化方法に係る。
かかる本発明の硬化方法によれば、マスキング剤が形成
する表面被膜によって、硬化時の予備成形物は外気との
接触が遮断され、そのため嫌気性硬化触媒などによる硬
化性組成物の硬化が成形硬化物の表面層迄十分に進行
し、未硬化部分乃至半硬化部分を残存させない。また、
マスキング剤が予備成形品表面に形成する結晶被膜は、
予備成形物の周囲を殻状に包み、硬化時に鋳型のような
役目を果すので、形状保持性の点でもすぐれている。
硬化性組成物の予備成形物とは、常法により製造される
未硬化乃至半硬化の成形物を意味する。そして、この場
合の成形物とは、例えば金属に硬化性樹脂の溶液を塗布
したもの、金属に硬化性組成物のパテ状物乃至餅状物を
築盛したもの、型枠に硬化性組成物のパテ状物乃至餅状
物などを充填したものなどを包含する広義の成形物を意
味する。なお、この予備成形の際、無論加熱しても差支
えない。
予備成形される硬化性組成物としては、加熱硬化または
常温硬化するものが用いられる。
加熱または常温で硬化する樹脂としては、嫌気性硬化触
媒の存在下で重合するビニル単量体を含む樹脂、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、2,3−ジブ
ロムプロピルアクリレート、テトラエチレングリコール
ジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレートなどのアクリレ
ート系重合性ビニル単量体を含むアクリル酸エステル系
樹脂、またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4
−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなど
のメタクリレート系重合性ビニル単量体を含むメタクリ
ル酸エステル系樹脂、更には不飽和ポリエステル樹脂な
どが挙げられる。
歯科材料に限ってそれらを例示すれば、イソシットC&
B(白水貿易販売品)、サーモレジン(而至歯科工業販
売品)、ビタK&B(ビタ販売品)などの商品名のメタ
クリル酸エステル系歯冠用硬質レジン、アダプチック
(三金工業販売品)、スーパーラックス(松風陶歯販売
品)などの商品名のメタクリル酸エステル系コンポジッ
トレジンなどが挙げられる。
これらの硬化性樹脂は、それぞれ一般に粉剤またはペー
ストなどの形をとるキャタリストとベース(例えばメタ
クリル酸エステルなどの重合性ビニル単量体)の2分割
成分を混合したものを主として意味しており、キャタリ
スト成分としての嫌気性触媒には、有機過酸化物を主成
分とするものが用いられる。
有機過酸化物としては、例えば過酸化ベンゾイル、第3
ブチルパーベンゾエート、第3ブチルハイドロパーオキ
サイド、過酸化ジ第3ブチル、クメンハイドロパーオキ
サイド、ジブチルパーオキシジカーボネート、第3ブチ
ルパーピパレート、第3ブチルパーアセテートなどが挙
げられ、またアゾ化合物としては、例えばアゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビスシクロヘキサン−1
−カーボニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)などが挙げられる。
常温硬化させる場合には、これら有機過酸化物に更にア
ミンやスルフィン酸などを加えたものが、触媒として使
用される。アミンとしては、例えばp−トリルジエタノ
ールアミン、N,N′−ジヒドロキシエチル−3,5−キシリ
ジン、N−ヒドロキシエチルアニリン、N−メチルアニ
リン、N,N′−ジメチルアニリン、エタノールアミンな
どが用いられ、またスルフィン酸としては、たとえばp
−トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸または
それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが用
いられる。
これらの硬化触媒は、硬化性組成物に対し一般に約0.1
〜3重量%の割合で用いられ、予備成形前の硬化性樹脂
に混合される。
更に、前記硬化性樹脂をパテ状物乃至餅状物にするため
には、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ガラス粉な
どの充填剤を使用することができ、また着色のためには
顔料、染料などを使用することができる。
予備成形物に塗布されるマスキング剤としては、予備成
形物中に含有される重合性ビニル単量体に実質的に不溶
でかつ硬化反応温度で固体である化合物がメタノール溶
液として用いられる。
かかる化合物としては、有機カルボン酸の金属塩、例え
ば酢酸、プロピオン酸、酪酸、しゅう酸、マレイン酸、
こはく酸などのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、銅塩などの金属塩またはアンモニウ
ム塩、あるいは無機金属塩、例えば塩化カルシウム、塩
化ニッケル、臭化バリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
バリウム、硝酸マンガンまたはこれらに対応するアンモ
ニウム塩、例えばヨウ化アンモニウムなどが挙げられ、
好ましくは酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが用いら
れる。
これらの化合物は、必要に応じて酸化チタン、べんがら
などの顔料や染料などを配合し、一般には約5%以上の
飽和溶解度迄の濃度のメタノール溶液として、予備成形
物上へ塗布される。マスキング剤の塗布は、スプレー、
刷毛などを用いる方法あるいは浸漬法などによって一般
に行われる。
マスキング剤が塗布された予備成形物は、常法により加
熱硬化または常温硬化などにより硬化せしめる。このと
き、マスキング剤成分であるメタノールは蒸発し、そこ
に厚さが約10〜200μ程度の結晶被膜を形成させる。従
って、マスキング剤に用いられる化合物は、予備成形物
中に含有される重合性ビニル単量体に実質的に不溶でか
つ硬化反応温度で固体でなければならない。
硬化の際、場合によっては、予備成形物の硬化前に、マ
スキング剤を空気の吹き付けなどによって予め被膜化さ
せ、その後予備成形物の硬化を行なってもよい。ある程
度の硬化進行後、マスキング剤の被膜を、水洗除去また
は歯科用ドリルによって表面一層を研磨して除去する
と、表面層迄十分硬化した成形物がより短縮された硬化
時間で得られる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例 2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン10g、軽質微粉末シリカ(日本アエロジル
製品アエロジルR972)8gおよび過酸化ベンゾイル0.1
gを、ガラス板上でスパチュラで練和してペーストとし
た。
また、長さ13mm、幅6mm、厚さ1mmのアルミニウム板
の一端に、同じ幅で5mmの長さ部分はアルミニウム板上
にのせた状態で、またそれに続く4mmの部分はアルミニ
ウム板からははずれた状態で高さ2.5mm(アルミニウム
板重合部分の厚さは1.5mm)にペーストを盛り上げ、そ
の表面に2回酢酸ナトリウムの飽和メタノール溶液を筆
で塗布し、乾燥する操作をくり返し、そこに酢酸ナトリ
ウム被膜を形成させた。
これを、アルミニウム板の方を下にして垂直に立て、歯
科用加圧重合釜中で120℃、15分間の硬化を行なった。
重合釜から硬化物を取り出し、流水で表面を洗浄した
後、表面をスパチュラで削っても未重合層は認められな
かった。また、ペースト硬化物(アルミニウム板非重合
部の長さおよび厚さ)の寸法は、未硬化物の寸法と±0.
05mmの誤差範囲内で一致した。
マスキング剤として、酢酸ナトリウムの飽和メタノール
溶液の代りに、それの15%メタノール溶液あるいは酢酸
カリウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウムまたはヨ
ウ化ナトリウムのそれぞれの飽和メタノール溶液を用い
た場合にも、表面未重合層は存在せず、また寸法変化も
誤差の範囲内であった。
比較例 実施例において、マスキング剤の塗布を行わなかった。
硬化物の寸法を測定すると、アルミニウム板非重合部の
長さ4mmが0.3mm減じ、一方非重合部先端部から1mmの
ところの厚さ2.5mmが0.5mm増加しており、ペーストが変
形しながら硬化したことが判った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性ビニル単量体、嫌気性有機過酸化物
    硬化触媒および充填剤を含有する組成物の予備成形物
    に、該重合性ビニル単量体に実質的に不溶でかつ硬化反
    応温度で固体である有機カルボン酸の金属塩またはアン
    モニウム塩あるいは無機金属塩またはアンモニウム塩の
    メタノール溶液をマスキング剤として塗布した後、該予
    備成形物を硬化させることを特徴とする硬化性組成物の
    硬化方法。
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