JPH0617374B2 - 水性樹脂分散液の製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散液の製造方法

Info

Publication number
JPH0617374B2
JPH0617374B2 JP59211262A JP21126284A JPH0617374B2 JP H0617374 B2 JPH0617374 B2 JP H0617374B2 JP 59211262 A JP59211262 A JP 59211262A JP 21126284 A JP21126284 A JP 21126284A JP H0617374 B2 JPH0617374 B2 JP H0617374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin dispersion
aqueous resin
polyamine
glycidyl ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59211262A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6190731A (ja
Inventor
義広 有田
昌則 相良
益次 泉林
量一 鴛海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP59211262A priority Critical patent/JPH0617374B2/ja
Publication of JPS6190731A publication Critical patent/JPS6190731A/ja
Publication of JPH0617374B2 publication Critical patent/JPH0617374B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な乳化重合用乳化剤を用いて行う水性樹
脂分散液の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、優れた乳化力を有し、且つ、架橋反応性を有する陽
イオン性乳化剤を利用して得られる耐水性をはじめ諸物
性に優れた皮膜を形成し得る水性樹脂分散液の製造方法
に関するものである。
本発明の製造方法で得られる水性樹脂分散液は、陽イオ
ン性または両イオン性の粒子荷電を有するため様々な物
質への吸着性、接着性に優れ、当業界において汎用され
ている公知の乳化剤を用いたものにくらべて発泡が少な
く、さらにまた自己架橋性であるために耐水性の良好な
強度の高い皮膜を形成し得るので、繊維加工、ガラス繊
維加工、皮革加工及びガラス、金属、セメント、プラス
チックなどのような種々の無機及び有機材料へのコーテ
ィング、接着などの広汎なる分野において有用なもので
ある。
(従来の技術) 従来からドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロリドなどのような
陽イオン性乳化剤及びそれらの存在下にビニル化合物を
乳化重合して得られる陽イオン性エマルシヨンは公知で
あり、陽イオン性であることを生かして各種の用途に用
いられているが、皮膜の耐水性や強度が劣るという欠点
があった。これらの欠点を改良しようとしたものに、例
えば第2級アミノ基を含有するポリアミド樹脂をエピハ
ロヒドリンと反応させて得られる水溶性陽イオン性熱硬
化性樹脂を乳化剤としてビニル化合物を乳化重合させて
得られる陽イオン性ビニル重合体エマルシヨンが提案さ
れている(特公昭46-22922号公報)。しかし、上記水溶
性陽イオン性熱硬化性樹脂は分子鎖中に親水性基と疎水
性基とが散在しているために、ビニル化合物の重合中の
安定性及びエマルシヨンの保存中の安定性が悪いという
欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、従来の陽イオン性エマルシヨンが有していた
前記問題点を解消するものであり、従って、その目的
は、皮膜の耐水性や強度に優れかつ乳化重合中の安定性
や保存中の安定性に優れた水性樹脂分散液の製造方法を
提供することにある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者らは、親水性であるポリアミン及び/又はその
誘導体に、疎水性基もしくは疎水性基と親水性基とをエ
ポキシ基やイソシアネート基等の反応性基を介して導入
し、かつ四級化反応によってより親水化すると共に反応
性基を導入するためのエピハロヒドリンを反応させてな
る陽イオン性の変性ポリアミンが優れた乳化力を示し、
更に該変性ポリアミンが自己架橋性及び特定の官能基を
有する化合物との間での架橋性を有することを見出し
た。また、前記変性ポリアミンを乳化剤として重合性単
量体の乳化重合に使用すると、重合中の安定性良く水性
樹脂分散液が製造でき、得られた水性樹脂分散液は、保
存中の安定性に優れ、かつ耐水性に優れ強度の大きい皮
膜を形成し、更には陽イオン性又は両イオン性であるた
めに各種の材質に対する密着性が良好な皮膜を形成する
ことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、重合性単量体の1種または2種以上を
水性媒体中で乳化重合させて水性樹脂分散液を得るに際
し、乳化重合用乳化剤として下記の変性ポリアミンを用
いることを特徴とする水性樹脂分散液の製造方法を提供
する。
変性ポリアミン:分子中に少なくとも2個の第1級及び
/又は第2級アミノ基を有する、ポリアミン及び/又は
その誘導体に対し、 一般式 (式中、Rは炭素数4〜28の炭化水素基を示し、Aは
炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Xはエポキシ基も
しくはイソシアネート基を有する原子団、又はハロゲン
原子を示し、nは0又は1から30の整数を示す。) で表わされる化合物とエピハロヒドリンとを反応させて
得られる変性ポリアミン。
本発明に用いられるポリアミン及び/又はその誘導体と
は、分子中に少なくとも2個の窒素原子を有し、しかも
第1級及び/又は第2級アミノ基を少なくとも2個有す
るものである。ポリアミンとしては例えば、エチレンイ
ミンの重合によって得られるポリエチレンイミンなどの
ようなアルキレンイミン類の重合又は共重合によって得
られるポリアルキレンイミン;エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのよ
うな(ポリ)アルキレンポリアミン;ポリアルキレンイ
ミン及び/又は(ポリ)アルキレンポリアミンとアジピ
ン酸などの多塩基酸との縮合によって得られるポリアミ
ドポリアミン;ポリアルキレンイミン及び/又は(ポ
リ)アルキレンポリアミン及び/又はアルキレンイミン
と尿素との反応によって得られるポリウレアポリアミ
ン;アルキレンイミンとフタル酸などの酸無水物との共
重合によって得られるポリアミドポリエステルポリアミ
ンなどを挙げることができる。またポリアミン誘導体と
しては、前記ポリアミンにエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシドなどのアルキレンオキシドやアクリルアミド
などのα,β−不飽和酸アミド化合物を付加反応させた
物などを挙げることができる。
本発明に用いられる一般式 (式中、R,A,X及びnは前記と同様である。)で表わさ
れる化合物(以下、化合物(I)という。)において、式
中のRに相当する炭素数4〜28の炭化水素基として
は、炭素数4〜28の直鎖状もしくは分枝状のアルキル
基、(アルキル)アリール基、(アルキル)水添アリール基、(アル
キル)アラルキル基などを挙げることができる。該化合
物(I)としては、例えばエチレンオキシド、プロピレン
オキシド、イソブチレンオキシドなどのようなアルキレ
ンオキシドの付加モル数が1から30のn−オクチルポ
リオキシアルキレングリシジルエーテル、n−ノニルポ
リオキシアルキレングリシジルエーテル、ラウリルポリ
オキシアルキレングリシジルエーテル、ステアリルポリ
オキシアルキレングリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルポリオキシアルキレングリシジルエーテルなどのよ
うな第1級アルキルポリオキシアルキレングリシジルエ
ーテル類;炭素数12ないし14の第2級アルコールの
混合物にアルキレンオキシドを1から30モル付加し、
さらにグリシジルエーテル化したもの、炭素数10ない
し12の第2級アルコールの混合物にアルキレンオキシ
ドを1から30モル付加し、さらにグリシジルエーテル
化したものなどのような第2級アルキルポリオキシアル
キレングリシジルエーテル類;アルキレンオキシドの付
加モル数が1から30のオクチルフエニルポリオキシア
ルキレングリシジルエーテル、ノニルフエニルポリオキ
シアルキレングリシジルエーエル、ラウリルフエニルポ
リオキシアルキレングリシジルエーテル、ステアリルフ
エニルポリオキシアルキレングリシジルエーテルなどの
ようなアルキルフエニルポリオキシアルキレングリシジ
ルエーテル類;アルキレンオキシドの付加モル数が1か
ら30のオクチルシクロペンチルポリオキシアルキレン
グリシジルエーテル、オクチルシクロヘキシルポリオキ
シアルキレングリシジルエーテル、ノニルシクロペンチ
ルポリオキシアルキレングリシジルエーテル、ノニルシ
クロヘキシルポリオキシアルキレングリシジルエーテ
ル、ラウリルシクロペンチルポリオキシアルキレングリ
シジルエーテル、ラウリルシクロヘキシルポリオキシア
ルキレングリシジルエーテル、ステアリルシクロペンチ
ルポリオキシアルキレングリシジルエーテル、ステアリ
ルシクロヘキシルポリオキシアルキレングリシジルエー
テルなどのようなアルキルシクロアルキルポリオキシア
ルキレングリシジルエーテル類;アルキレンオキシドの
付加モル数が1から30のオクチルベンジルポリオキシ
アルキレングリシジルエーテル、ノニルベンジルポリオ
キシシアルキレングリシジルエーテル、ラウリルベンジ
ルポリオキシアルキレングリシジルエーテル、ステアリ
ルベンジルポリオキシアルキレングリシジルエーテルな
どのようなアルキルベンジルポリオキシエチレングリシ
ジルエーテル類;オクチルグリシジルエーテル、ラウリ
ルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのよう
な高級アルコールのグリシジルエーテル類;オクチルフ
エニルグリシジルエーテル、ノニルフエニルグリシジル
エーテル、ラウリルフエニルグリシジルエーテル、ステ
アリルフエニルグリシジルエーテルなどのようなアルキ
ルフエノールのグリシジルエーテル類;オクチルシクロ
ペンチルグリシジルエーテル、オクチルシクロヘキシル
グリシジルエーテル、ノニルシクロペンチルグリシジル
エーテル、ラウリルシクロペンチルグリシジルエーテ
ル、ノニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、ラウリ
ルシクロヘキシルグリシジルエーテル、ステアリルシク
ロペンチルグリシジルエーテル、ステアリルシクロヘキ
シルグリシジルエーテルなどのようなアルキルシクロア
ルカノールのグリシジルエーテル類;オクチルベンジル
グリシジルエーテル、ノニルベンジルグリシジルエーテ
ル、ラウリルベンジルグリシジルエーテル、ステアリル
ベンジルグリシジルエーテルなどのようなアルキルベン
ジルアルコールのグリシジルエーテル類;炭素数12又
は14のα−オレフインエポキシド、炭素数16又は1
8のα−オレフインエポキシドなどのような1,2−エポ
キシアルカン類;オクチルイソシアネート、デシルイソ
シアネート、オクタデシルイソシアネートなどのような
アルキルイソシアネート類;オクタノール、ラウリルア
ルコール、ステアリルアルコールなどのようなアルコー
ル類又はそれらアルコール類のアルキレンオキシド付加
物とトリレンジイソシアネートなどのようなジイソシア
ネート類との反応により得られるモノイソシアネート化
合物類;オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリ
ルアルコールなどのようなアルコール類又はそれらアル
コール類のアルキレンオキシド付加物の末端水酸基を塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子で置換したハロゲ
ン化物類などを挙げることができ、これらの群から選ば
れる1種又は2種以上を使用することができる。
本発明で乳化重合用乳化剤として用いる変性ポリアミン
を得るための上記化合物(I)の使用量は特に限定されな
いが、充分な界面活性を発現させるためには、ポリアミ
ン及び/又はその誘導体中のアミン水素1個あたり0.01
から1分子の化合物(I)を使用するのが好ましい。
エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピ
ブロムヒドリン、エピヨードヒドリンなどが使用できる
が、好ましくはエピクロルヒドリンである。
本発明で乳化重合用乳化剤として用いる変性ポリアミン
を得るための上記エピハロヒドリンの使用量は特に限定
されないが、充分な硬化性を発現させるためには、ポリ
アミン及び/又はその誘導体中のアミン水素1個あたり
0.1から2分子のエピハロヒドリンを使用するのが好ま
しい。
本発明で乳化重合用乳化剤として用いる変性ポリアミン
を得るための反応条件は特に制限されないが、ポリアミ
ン及び/又はその誘導体と化合物(I)との反応は溶剤存
在下では反応速度が遅く、又ポリアミン及び/又はその
誘導体とエピハロヒドリンとの反応は発熱量が大きいた
めに希釈しない条件下では温度制御が困難である。した
がって、ポリアミン及び/又はその誘導体と化合物(I)
とを混合して無溶剤で20〜150℃の温度で反応さ
せ、得られた反応物を、該反応物を溶解する不活性な溶
剤、好ましくは水及び/又は水と混合し得る溶剤で希釈
し、次いでエピハロヒドリンを20〜100℃の温度で
反応させるのが好ましい。
また、変性ポリアミンを調製する際の反応生成物や得ら
れた変性ポリアミンに酸を添加して、pH調整をすること
もできる。上記酸としては、塩酸、硫酸、リン酸などの
ような無機酸やギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸
などのような有機酸を使用できる。
このようにして得られる変性ポリアミンは、乳化力が優
れ、広範な種類の重合性単量体の乳化重合を安定に行う
ことができるため、これを用いて本発明の製造方法を実
施例すると、優れた性能を有する水性樹脂分散液を得る
ことができる。
本発明に用いられる重合性単量体とは、重合性不飽和基
を含有するものであれば特に限定されないが、例示すれ
ば、アクリル酸もしくはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オ
クチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、
あるいはシクロヘキシルエステルなどのような炭素数1
から18個の直鎖状もしくは分枝状脂肪族アルキルアル
コール又は脂環式アルキルアルコールとアクリル酸もし
くはメタクリル酸とのエステル化合物である(メタ)ア
クリル酸エステル酸;(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸も
しくはマレイン酸もしくはフマル酸のモノエステル化物
などのような重合性不飽和カルボン酸類およびその塩
類;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)
アクリル酸スルホエチルなどのような重合性不飽和スル
ホン酸類およびその塩類;(メタ)アクリル酸アミノエ
チル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドンなどのよ
うな塩基性不飽和単量体類;(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
アクリル酸もしくはメタクリル酸とポリプロピレングリ
コールもしくはポリエチレングリコールとのモノエステ
ルなどのようなヒドロキシル基含有不飽和単量体類;
(メタ)アクリル酸グリシジルなどのようなエポキシ基
含有不飽和単量体類;アクリル酸もしくはメタクリル酸
とエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
2価アルコールとのジエステル、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸とトリメチロールプロパンなどの3価アルコ
ールとのトリエステルなどのような分子内に重合性不飽
和基を2個以上含有する多官能性(メタ)アクリル酸エ
ステル類;(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メ
タ)アクリルアミド、炭素数1から4個のアルコキシメ
チロール化(メタ)アクリルアミドなどのような(メ
タ)アクリルアミド類;ビニルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピ
ルアリルアミンなどのような有機珪素単量体類;及びス
チレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、弗化ビニル、弗化ビニリデン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、
ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフ
タレートなどを挙げることができ、これらの群から選ば
れる1種又は2種以上の混合物を使用することができ
る。
本発明では、前記変性ポリアミンからなる乳化重合用乳
化剤を用い、該乳化剤の存在下で重合性単量体の1種又
は2種以上を水性媒体中で乳化重合させることにより水
性樹脂分散液を得るようにする。この乳化重合は、、公
知の重合開始剤と、必要に応じ各種の添加剤を使用し
て、公知の方法に従い行うことができる。乳化重合に際
しては、本発明の特長を損なわない程度であれば、従来
公知の乳化剤を前記変性ポリアミンと併用することがで
きる。
このようにして得られた本発明の水性樹脂分散液は、耐
水性の良好な強度の高い皮膜を形成し得る自己架橋性で
かつ保存中の安定性にも優れたものであるが、水性樹脂
分散液を調整するのに使用する重合性単量体の少なくと
も1種が本発明の乳化剤としての変性ポリアミンと反応
し得る官能基を有する化合物であれば、得られる水性樹
脂分散液の性能をさらに向上できるので好ましい。
変性ポリアミンと反応し得る官能基としては例えばカル
ボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、ヒドロキシル
基、エポシキ基、アルコキシシリル基などを挙げること
ができ、これらの官能基を有する化合物としては、前記
重合性単量体のうち重合性不飽和カルボン酸類、塩基性
不飽和単量体類、ヒドロキシル基含有不飽和単量体類、
エポキシ基含有不飽和単量体類及び有機珪素単量体類を
挙げることができる。
さらに、本発明の製造方法によって水性樹脂分散液を得
るに際し、重合性単量体としてカルボキシル基やスルホ
ン酸基などの陰イオン性基を有する単量体を用いること
によって両イオン性の水性樹脂分散液とすることがで
き、種々の材料への吸着性、接着性を高めることができ
る。
(発明の効果) 本発明で用いる重合用乳化剤は、親水性であるポリアミ
ン及び/又はその誘導体に、疎水性基もしくは疎水性基
と親水性基とをエポキシ基やイソシアネート基等の反応
性基を介して導入し、かつ四級化反応によってより親水
化すると共に反応性基を導入するためのエピハロヒドリ
ンを反応させてなる変性ポリアミンよりなるものである
ため、親水性と疎水性のバランスがとれ、かつ陽イオン
性で架橋性を有している。
したがって、上記変性ポリアミンを使用して乳化重合を
行うと、重合中の凝集物の発生が少なく、安定に水性樹
脂分散液が得られる。そのため、本発明の製造方法で得
られる水性樹脂分散液は保存中の安定性に優れる。か
つ、この水性樹脂分散液は、架橋性の乳化剤を使用して
得られるため、耐水性に優れ強度の大きい皮膜を形成
し、更に陽イオン性又は両イオン性であるため、金属、
ガラス、セメント、プラスチック及び各種繊維製品など
のような種々の無機及び有機材料への密着性に優れた皮
膜を形成するものである。このような特長を有している
ため、本発明の製造方法によって得られた水性樹脂分散
液は、紙加工、繊維、ガラス繊維、皮革、土木建築、接
着、塗料などのような広汎なる分野において有用であ
る。
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明
の範囲がこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお例中特にことわりのない限り%は重量%を、部は重
量部をそれぞれ示すものとする。
実施例1 滴下ロート、撹拌機、不活性ガス導入管、温度計及び環
流冷却器を備えたフラスコにポリエチレンイミン(エポ
キシSP-006、日本触媒化学工業(株)製、平均分子量約
600)45部、炭素数12及び14のα−オレフイン
エポキシドの混合物(AOE-X24、ダイセル化学(株)
製)14.7部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹込みなが
ら80℃に加熱し、2時間反応させた。冷却後水238.8
部を加え、撹拌して均一な20%水溶液とし、ついでそ
こへ滴下ロートよりエピクロルヒドリン97.2部を滴下し
た。その後、温度を80℃に保持し3時間反応させて不
揮発分38.5%、pH4.8の乳化剤水溶液(1a)を得た。又、
乳化剤水溶液(1a)100部に濃塩酸2.0mlを加えてpHを
3.0としたものを乳化剤水溶液(1b)とする。
実施例2〜7 ポリアミン、化合物(I)及びエピクロルヒドリンを第1
表に示した通りとする他は、実施例1と同様の操作をく
り返して乳化剤水溶液(2)〜(7)を得た。
実施例8 実施例1で使用したのと同じフラスコに、アジピン酸14
6.1部、ジエチレントリアミン112.5部及び水50部を仕
込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら200℃に
加熱し4時間かけて脱水縮合を行った。冷却後滴下ロー
トよりα−オレフインエポキシド(AOE-X24)39.2部を滴
下し、120℃で3時間反応させた。次にこの反応物を
50.5部とり、水704.7部を加え、撹拌して均一な水溶液
とした後、エピクロルヒドリン27.8部滴下し80℃で5
時間反応させて不揮発分8.7%、pH6.3の乳化剤水溶液
(8)を得た。
実施例9 実施例1で使用したのと同じフラスコに、ポリエチレン
イミン(エポミンSP-006)60部、α−オレフインエポ
キシド(AOE-X24)19.6部を仕込み、実施例1と同様に反
応させた。冷却後水179.2部を加え、撹拌して均一な水
溶液とし、ついでそこへ滴下ロートより予め調製してお
いたアクリルアミド49.8部及び水112.1部から成るアク
リルアミド水溶液を滴下し、50℃で4時間反応させた。
冷却後、エピクロルヒドリン64.6部を実施例1と同様に
反応させて不揮発分37.6%、pH6.4の乳化剤水溶液(9)を
得た。
実施例10 滴下ロート、撹拌機、不活性ガス導入管、温度計及び還
流冷却管を備えたフラスコに水175.7部と重合触媒とし
て2,2′−アゾビス(2−メチルプロパンジアミン)二
塩酸塩の10%水溶液4.8部を仕込み、ゆるやかに窒素
ガスを吹き込みながら55℃に加熱し、撹拌して均一な
水溶液とし、ついでそこへ滴下ロートより予め調製して
おいたメタクリル酸8部、メタクリル酸メチル4部及び
アクリル酸エチル148部から成る単量体混合物を乳化剤
水溶液(1a)31.9部及び水58.8部を用いてプレエマルシヨ
ン化したものを55〜60℃で2時間かけて滴下した。その
後、温度を55〜60℃に保持し、さらに1時間撹拌して乳
化重合させて不揮発分39.7%、pH3.6の水性樹脂分散液
〔1a〕を得た。
実施例11〜21 単量体混合物組成、乳化剤水溶液及び水を第2表に示し
た通りとする他は、実施例10と同様の操作をくり返し
て水性樹脂分散液〔1b〕及び〔2〕〜〔11〕を得た。
比較例1 実施例10における本発明の乳化剤水溶液(1a)の替わり
に、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド12.3部を
水19.6部に溶解して得た乳化剤水溶液を用いる他は、実
施例10と同様の操作をくり返して、不揮発分39.9%、
pH5.2の比較用の水性樹脂分散液〔12〕を得た。
比較例2 実施例10における本発明の乳化剤水溶液(1a)の替わり
に、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル(ノニ
ポール200、三洋化成(株)製)12.3部を水19.6部に
溶解して得た乳化剤水溶液を用いる他は、実施例10と
同様の操作をくり返して、不揮発分39.7%pH6.0の比較
用の水性樹脂分散液〔13〕を得た。
比較例3 実施例8においてα−オレフインエポキシドを反応させ
ない以外は、実施例8と同様の操作をくり返して、不揮
発分8.6%、pH6.4の比較用の乳化剤水溶液(10)を得た。
実施例18において乳化剤水溶液(8)の替わりに、得ら
れた乳化剤水溶液(10)を用いる他は実施例18と同様の
操作をくり返したが、重合途中で凝集が起こり、安定な
エマルジヨンは得られなかった。
実施例22 実施例10〜21及び比較例1〜2で得られた各水性樹
脂分散液を、テフロン板上で乾燥時の膜厚が0.2〜0.3mm
になるようにキャステイングし、80℃で15分間加熱
乾燥して成膜させ、次いで120℃で10分間加熱して
試験フィルムを作成した。
得られたフィルムについて下記の性能試験を行い、各水
性樹脂分散液の性能を評価した。評価結果を第3表に示
す。
1.耐水性:試験フィルムを約2cm角に切り取り秤量した
(W0)。
フィルムを3日間脱イオン水に浸漬し、引上げてフィル
ム表面の水分を軽くふき取った後秤量した(W1)。
さらにそのフィルムを100℃で1時間乾燥し、放冷後
秤量した(W2)。
下記計算式により吸水率及び溶出率を求め試験フィルム
の耐水性を評価した。
2.フィルム強度;JIS K-6732記載の試験方法に基づき
フィルムの伸び率と引張強度を測定した。
実施例23 実施例10〜21及び比較例1〜2で得られた各水性樹
脂分散液を、ガラス板、アルミニウム板及びポリカーボ
ネート板にNo.16バーコーターにより塗布し、次いで80
℃で10分間加熱乾燥して、コーテイングの施された試験
板を作成した。得られた試験板について下記の性能試験
を行い、各水性樹脂分散液の性能を評価した。評価結果
を第4表に示す。
1.常態密着性:塗膜上にカッターナイフを用いて1mm間
隔で10mm×10mmのゴバン目を切り、セロハンテープ
を圧着したのち勢いよく剥離してゴバン目の剥離状態を
◎、○、△及び×で採点した。
◎は剥離しなかった部分の割合が 90〜100% ○は 〃 70〜90% △は 〃 40〜70% ×は 〃 0〜40% 2.耐水密着性:試験板を脱イオン水に1日間浸漬し、引
上げて1分以内に塗膜表面の水分を拭きとった後、上記
常態密着性と同様にして密着性試験を行った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体の1種または2種以上を水性
    媒体中で乳化重合させて水性樹脂分散液を得るに際し、
    乳化重合用乳化剤として下記の変性ポリアミンを用いる
    ことを特徴とする水性樹脂分散液の製造方法。 変性ポリアミン:分子中に少なくとも2個の第1級及び
    /又は第2級アミノ基を有する、ポリアミン及び/又は
    その誘導体に対し、 一般式 (式中、Rは炭素数4〜28の炭化水素基を示しAは炭
    素数2〜4のアルキレン基を示し、Xはエポキシ基もし
    くはイソシアネート基を有する原子団、又はハロゲン原
    子を示し、nは0又は1から30の整数を示す。) で表わされる化合物とエピハロヒドリンとを反応させて
    得られる変性ポリアミン。
  2. 【請求項2】重合性単量体の少なくとも1種が、変性ポ
    リアミンと反応し得る官能基を有する化合物である特許
    請求の範囲第1項記載の水性樹脂分散液の製造方法。
JP59211262A 1984-10-11 1984-10-11 水性樹脂分散液の製造方法 Expired - Lifetime JPH0617374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59211262A JPH0617374B2 (ja) 1984-10-11 1984-10-11 水性樹脂分散液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59211262A JPH0617374B2 (ja) 1984-10-11 1984-10-11 水性樹脂分散液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6190731A JPS6190731A (ja) 1986-05-08
JPH0617374B2 true JPH0617374B2 (ja) 1994-03-09

Family

ID=16602995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59211262A Expired - Lifetime JPH0617374B2 (ja) 1984-10-11 1984-10-11 水性樹脂分散液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0617374B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3541511A1 (de) * 1985-11-19 1987-05-21 Grace W R Ab Promoter fuer die papierleimung, verfahren zu dessen herstellung und dessen verwendung
JP2837880B2 (ja) * 1989-07-19 1998-12-16 株式会社日本触媒 長鎖アルキルグラフトポリマー水分散体の製造方法
JP4891553B2 (ja) * 2005-03-04 2012-03-07 株式会社日本触媒 末端変性ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体
TWI356425B (en) 2005-03-24 2012-01-11 Nippon Catalytic Chem Ind Coated fine particle and their manufacturing metho
JP5647934B2 (ja) * 2011-04-07 2015-01-07 三井化学株式会社 ポリアクリルアミド系吸水性ポリマー及びその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5919530A (ja) * 1982-07-26 1984-02-01 Kao Corp 微粉末の水系分散安定剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6190731A (ja) 1986-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1254321A (en) Epoxy composition containing dispersed elastomeric particles
US3385839A (en) Cation-active copolymers of hydroxyalkyl and primary amino-alkyl acrylates and methacrylates
JPH11501690A (ja) ポリマー組成物
JPH05170845A (ja) 有機ポリマー微粒子およびその製法
JPH0617374B2 (ja) 水性樹脂分散液の製造方法
EP2917252B1 (en) Nanocrystalline cellulose (ncc) as functional scaffold for amine-cured epoxy nanocomposite materials of tunable properties
JPH0214095B2 (ja)
JPH0625215B2 (ja) 変性されたアミン化合物の製造方法
JPH0699494B2 (ja) カチオン性水性樹脂分散液及びそれを用いてなるカチオン性水性樹脂組成物
JPS6223992B2 (ja)
JP3174199B2 (ja) 低粘度エポキシ樹脂組成物及びその製造方法
US4636541A (en) Water-dispersible cationic vinylized epoxy resins
JPH07145164A (ja) ジチオカーボネート誘導体及びそれを用いる架橋方法
JPH0328442B2 (ja)
JPH0229703B2 (ja)
JPH0745529B2 (ja) カチオン性水性樹脂分散液
JPS6357605A (ja) 陽イオン性水性樹脂分散液
JPH0625217B2 (ja) 変性アミン化合物の製造方法
JPH0715042B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその製造方法
JPS62170567A (ja) 無機繊維用バインダ−
JP2698536B2 (ja) 水性樹脂分散体の製造方法
KR102548691B1 (ko) 고내열 아크릴계 에멀젼형 점착제 및 이의 제조방법
ATE33246T1 (de) Quaternaere ammoniumverbindungen enthaltend oberflaechenaktive anionen, deren polymere, polymerisierbare zusammensetzungen diese enthaltend, verfahren zur herstellung von diesen monomeren und polymeren und gegenstaende diese polymere enthaltend.
JPH04370139A (ja) エポキシ樹脂組成物およびその製造方法
JPH01135875A (ja) プラスチツク用コーテイング剤