JPH06173176A - 茶染め繊維製品の製造法 - Google Patents

茶染め繊維製品の製造法

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JPH06173176A
JPH06173176A JP4349760A JP34976092A JPH06173176A JP H06173176 A JPH06173176 A JP H06173176A JP 4349760 A JP4349760 A JP 4349760A JP 34976092 A JP34976092 A JP 34976092A JP H06173176 A JPH06173176 A JP H06173176A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然感ある独特の色調を有すると共に、多種
の色調を得ることが可能で、さらには染着性が良好で、
染色堅牢度も高く、また抗菌性を有する茶染め繊維製品
を製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 綿、麻、絹などでできた繊維製品をタンニン
酸またはカチン化剤を含む前処理液と接触させて前処理
し(カチオン化処理後、さらにタンニン酸処理すること
もできる)、ついで茶の抽出物を含む染液と接触させて
染色反応させる。染色反応の前に、媒染剤を含む媒染液
と接触させて媒染処理することもできる。また媒染反応
および染色反応を同時に行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然感ある独特の色調
を有すると共に、多種の色調を得ることが可能で、さら
には染着性が良好で、染色堅牢度も高く、また抗菌性を
有する茶染め繊維製品を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】茶は昔から薬草としても用いられてきた
が、一方日本の食文化の中に深く関わって茶文化を形成
してきた。近年は日本の社会生活の多様化と共に若者達
の茶離れがはじまり、嗜好は烏龍茶(青茶)や紅茶等の
発酵茶の需要が大幅に増えたとは言うものの、なお日本
の食文化の根幹は日本茶にあると言ってよい。近年、茶
の成分や薬効の研究が盛んに行われ、化学的な面からも
茶に対する関心が高まっており、一部では抗酸化茶など
も生産され、老化予防効果もあるとされている。
【0003】自然志向が高まってきた今日においては、
草木染めが再評価されつつある。草木染めに可能な植物
としては極めて多数のものがあげられているが、そのう
ちの一つに茶染めがある。特に静岡県は日本一の茶の生
産地であり、常時野山の茶畑が目に入ることから、その
緑色は染色にとって魅力のある色と言える。
【0004】草木染めのうち茶の抽出物で染色した茶染
めに関する文献として、特開昭58−115178号公
報には、茶の煮出し液を2〜3日置いた後、上澄み液を
とり、その液を生地上に引いた後、媒染剤をその上に引
くことにより茶染めする方法が示されている。
【0005】また特開平3−19985号公報には、碁
石茶を水に浸して得た抽出液を被染色生地に刷毛で塗
り、乾燥後酢酸水溶液に浸漬し、100℃以内の温度を
維持して約30分間放置し、乾燥後金属塩の水溶液に浸
漬し50〜60℃の温度を維持して約30分放置し、水
洗後乾燥室にて100℃以内の温度で約25分間蒸し上
げる碁石茶による染色方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】茶葉は、茶自身が有す
る酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)によって発
酵(酸化)され、摘花直後から速やかに発酵が起こり、
内部変化を起こして茶色に変色してしまう。そのため、
茶の染色は従来から非常に困難とされ、ほとんど茶色系
統の染色、すなわち茶タンニン(カテキン)の酸化され
た色が茶染めとされいた。
【0007】特開昭58−115178号公報の茶染め
方法は、茶の抽出液を生地上に引いた後、媒染剤をその
上に引く方法であるが、染色後の褪色を抑制する点では
ある程度の効果があるものの、本質的には従来の茶染め
と変らないという限界がある。
【0008】特開平3−19985号公報の碁石茶によ
る染色方法は、碁石茶の抽出液を被染色生地に塗り、つ
いで酢酸水溶液で処理し、乾燥後金属塩の水溶液に浸漬
するものであるが、上に述べた特開昭58−11517
8号公報の茶染め方法と大差のない方法を採用してお
り、やはり本質的には従来の茶染めと変らないという限
界がある。
【0009】本発明は、このような背景下において、自
然感ある独特の色調を有すると共に、多種の色調を得る
ことが可能で、さらには染着性が良好で、染色堅牢度も
高く、また抗菌性を有する茶染め繊維製品を製造する方
法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の茶染め繊維製品
の第1の製造法は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理
液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐
酒石による固着処理を行い、ついで茶の抽出物を含む染
液と接触させて染色反応させることを特徴とするもので
ある。
【0011】本発明の茶染め繊維製品の第2の製造法
は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させて
タンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着
処理を行い、ついで媒染剤を含む媒染液と接触させてタ
ンニン酸の固着と媒染とを行ってから、媒染後の繊維製
品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させる
ことを特徴とするものである。
【0012】本発明の茶染め繊維製品の第3の製造法
は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させて
タンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着
処理を行い、ついで媒染剤および茶の抽出物を含む媒染
−染色液と接触させて、タンニン酸の固着・媒染反応お
よび染色反応を同時に行うことを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明の茶染め繊維製品の第4の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、必要に応じてタンニン酸を含
む処理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで茶の抽
出物を含む染液と接触させて染色反応させることを特徴
とするものである。
【0014】本発明の茶染め繊維製品の第5の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、必要に応じてタンニン酸を含
む処理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで媒染剤
を含む媒染液と接触させてから、媒染後の繊維製品を茶
の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させることを
特徴とするものである。
【0015】本発明の茶染め繊維製品の第6の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、必要に応じてタンニン酸を含
む処理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで媒染剤
および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触させて、媒
染反応および染色反応を同時に行うことを特徴とするも
のである。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明における繊維製品としては、原繊
維、糸、パイル、綿状物、織布、編布、不織布、植毛布
などがあげられる。そのほか、紙製品、木製品なども本
発明に言う繊維製品に含まれる。
【0018】これらの繊維製品の材質は、木綿、麻、
絹、羊毛などの天然繊維、あるいはそれらの天然繊維と
化学繊維との混紡品、交織品、交編品など任意である。
【0019】本発明においては、必要に応じ糊抜き、精
練、漂白などを行ってから、まず繊維製品をタンニン酸
を含む前処理液と接触反応させてタンニン酸処理する
か、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理する。以下、タンニン酸処理する場合
について先に説明する。
【0020】タンニン酸としては、精製されたものを用
いることもできるが、五倍子、没食子などタンニン酸を
多量に含む高タンニン酸含有天然植物の抽出物またはそ
の半精製物をそのまま用いることも好ましい。五倍子は
60〜75%程度、没食子は55〜65%程度のタンニ
ン酸を含んでいる。なお精製タンニン酸も、五倍子や没
食子を粉砕してエーテルとエタノールとの混合液で抽出
し、浸出液に水を加えてタンニン酸を水に移し、さらに
必要に応じて精製処理を行うことにより取得されるの
で、天然物であるということができる。
【0021】タンニン酸処理時の浴比は繊維製品の重量
に対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、
浴温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処
理時間は10分〜2時間程度(殊に20分〜1.5 時間程
度)、タンニン酸濃度は繊維製品の重量に対し5〜20
重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限
定されない。
【0022】タンニン酸処理後は、タンニン酸を固着さ
せるために吐酒石(酒石酸アンチモンカリ)の 0.2〜1
0重量%程度(繊維製品の重量に対し)の溶液と接触さ
せることが好ましいが、タンニン酸の固着は次の工程と
して媒染工程を設けるときにはその媒染工程によっても
達成できるので、吐酒石によるタンニン酸の固着工程は
省略することもできる。
【0023】タンニン酸処理後は、媒染剤を含む媒染液
と接触反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行う。こ
の工程は任意工程であるが、次工程である染色工程にお
ける染着性および染色堅牢度の点で設ける方が好まし
い。
【0024】ここで媒染剤としては、ツバキ灰、サワフ
タギ灰、ヒサカキ灰、クヌギ灰、アカザ灰、早稲藁灰な
どの草木灰(木灰や藁灰)を用いることが好ましい。こ
れらの草木灰は、アルミニウムイオンのほか、染色に有
用な他の金属イオンやアルカリ物質を含んでいる。
【0025】また、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、ミョウバン、焼ミョウバン、カ
リミョウバンなどのアルミニウム塩や、市販のアルミ液
などのアルミナ媒染剤を用いることもできる。さらには
上記の草木灰、アルミニウム塩、アルミ液と共に、炭酸
カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリを併用することもできる。
【0026】上記の媒染剤のほか、鉄媒染剤(木酢酸
鉄、硫酸第一鉄、硝酸鉄、酢酸第一鉄、木酢酸鉄等の鉄
塩)、銅媒染剤(銅塩)、スズ媒染剤(スズ塩)、クロ
ム媒染剤(クロム塩)、コバルト媒染剤(コバルト塩)
なども用いることができる。
【0027】媒染時の浴比は繊維製品の重量に対し10
〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は常温
ないし沸騰温度、処理時間は10分〜1時間程度とする
ことが多いが、必ずしもこの範囲に限定されるものでは
ない。
【0028】タンニン酸処理後は(さらに媒染を行うと
きはその媒染後は)、繊維製品を茶の抽出物を含む染液
と接触させることにより染色する。これにより種々の色
調の染色がなされる。
【0029】茶は、一番茶、二番茶、三番茶というよう
に分れるが、このうち一番茶は摘むまで約半年間はじっ
くりと栄養を与えるため、最も有用成分が多く、緑色も
良く、おいしいとされている。二番茶、三番茶ともなる
と、その成分や味が一番茶に比しては悪くなる。
【0030】そこで、何10種類の茶の中から緑色が良
く出ると思われる茶の選定を行い、主として、(a) 一番
茶の粉茶(一番茶の中では最も安価である)、(b) 深む
し、(c) かぶせ、の3種につき検討を行った。
【0031】この場合、茶の製造工程途中の半製品、す
なわち、摘茶直後に蒸気で蒸すことにより発酵を一時停
止させ、茶タンニン(カテキン)を安定させたものが本
発明の目的に最適である。この半製品は、いわゆる不発
酵茶である。
【0032】茶からの抽出操作にあたっては、茶の酸化
を防ぐことが重要であり、熱を加えると簡単に酸化(発
酵)が起きるので、茶の抽出は常温程度の低温下で行う
ことが望ましい。
【0033】染色反応処理時の浴比は繊維製品の重量に
対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴
温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処理
時間は20分〜3時間程度(殊に30分〜2時間程度)
とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されな
い。染料濃度は目的に応じ広い範囲から選択しうる。
【0034】染色工程終了後は、適宜ソーピング、水洗
などの後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥す
る。
【0035】上記においては媒染剤を含む媒染液と接触
反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行ってから、茶
の抽出物を含む染液と接触させることにより染色反応さ
せているが、媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色
液と接触させて、タンニン酸の固着・媒染反応および染
色反応を同時に行うようにしてもよい。
【0036】以上の工程を実施することにより、タンニ
ン酸処理されかつ茶の抽出物で染色された茶染め繊維製
品が得られる。
【0037】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
接触させてカチオン化処理する場合には、カチオン化剤
として市販の種々のカチオン化剤を用いることができ
る。カチオン化処理は、アルカリの存在下で行う。
【0038】カチオン化処理時の浴比は繊維製品の重量
に対し10〜100倍程度、浴温は50〜95℃程度
(殊に60〜90℃程度)、処理時間は10分〜2時間
程度(殊に20分〜1.5 時間程度)とすることが多い。
カチオン化剤濃度は適宜に設定される。
【0039】カチオン化処理後は、必要に応じてタンニ
ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理すること
もできる。タンニン酸処理を付加する方法は、洗濯堅牢
度の向上、抗菌性の向上の点で有利である。なおカチオ
ン化処理後タンニン酸処理する方法は、先に述べたタン
ニン酸単独の前処理法に比しタンニン酸の量を減ずるこ
とができる。
【0040】続いて、次の3つの方法のうちのいずれに
より染色反応(または媒染反応と染色反応)が実施され
るが、これについては上に述べた方法と同様の方法が採
用されるので、説明を省略する。 (1) 茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させ
る。 (2) 媒染剤を含む媒染液と接触させてから、媒染後の繊
維製品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応さ
せる。 (3) 媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触
させて、媒染反応および染色反応を同時に行う。
【0041】
【作用】茶の抽出物との染色反応に先立ちタンニン酸処
理反応またはカチオン化処理反応(さらには媒染)を行
うと、茶抽出物による染色反応が円滑になされると共
に、茶葉中の有効成分と繊維製品との間の結合が確実に
行われ、独特の色調が得られると共に、濃い染色も可能
となり、かつ染色堅牢度も極めて高くなる。
【0042】また茶の抽出物による染色により、すぐれ
た紫外線カット作用が得られ。紫外線カット率は、染色
前の生地を基準として90%以上というように高いもの
である。
【0043】加えて、この茶染め繊維製品はすぐれた抗
菌性を有することが判明した。これは、繊維製品に固着
している茶抽出物(またはこれとタンニン酸)の抗菌作
用によるものである。この抗菌作用は人体の生態系を冒
さない静菌作用であるため、皮膚病やかゆみを有する人
体に対し薬用的に使用することも可能である。
【0044】従って本発明の染色繊維製品は、肌と接触
する用途、たとえば、下着類、パンティーストッキン
グ、ブラジャー、シャツ類、夜着、シーツ、手袋、帽
子、スポーツ用サポータ、水着、包帯、病人用衣類、マ
スク、履物の内装材または表面材、時計バンド、靴下な
どに特に有用である。またファッション性を有すること
から、肌に直接接触しない用途であっても何ら差し支え
ない。
【0045】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量%である。
【0046】〈茶染め綿生地の製造〉 実施例1綿生地の予備処理 綿生地100gを水3000ml(浴比1:30、酢酸
0.3mlを含む)中に投入し、撹拌しながら80℃まで加
温し、この温度で約30分加熱した後、水洗、脱水を行
った。
【0047】タンニン酸−吐酒石処理 タンニン酸18g(18%owf)を水4000ml(浴比
1:40)に溶解して処理液を調製し、この処理液中に
上記で酢酸処理した綿生地を投入し、約85℃まで加温
してから約1時間撹拌処理し、ついで自然冷却して一夜
放置した。放置後の溶液に吐酒石8gを加え、温度85
℃にて約1時間撹拌処理した後、水洗、脱水を行った。
【0048】茶抽出液の調製 純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深む
し)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜2
5℃にて5〜15分撹拌し、ついでろ過し、茶葉抽出液
800〜850ml (pH 6.3〜6.7)を得た。
【0049】染色反応 〈媒染なしの場合〉上記のタンニン酸−吐酒石処理後の
綿生地10gを上記の茶葉抽出液800〜850ml中に
投入し、約10分間なじませてから45℃まで昇温し、
この温度にて約45分間加熱処理して染色反応させた。
染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0050】〈木灰およびアルミ液による媒染を経る場
合〉市販のアルミ液を水に稀釈した8%水溶液にさらに
木灰を12%宛添加した。このようにして得られた懸濁
液に上記のタンニン酸−吐酒石処理後の綿生地10gを
投入し、25分間なじませてから約80℃まで加温し、
この温度で約20分撹拌処理した後、水洗、脱水、乾燥
を行った。
【0051】ついでこの処理布を上記の茶葉抽出液80
0〜850ml中に投入して約10分間なじませてから4
0〜45℃まで昇温し、この温度で約45分間加熱処理
して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を
行った。
【0052】〈酢酸銅による媒染を経る場合〉酢酸銅を
水に添加して10%水溶液とした後、この酢酸銅水溶液
に上記のタンニン酸・吐酒石処理後の綿生地10gを投
入し、約10分間なじませてから約70℃まで昇温し、
この温度で約20分撹拌処理した後、水洗、脱水、乾燥
を行った。
【0053】ついでこの処理布を上記の茶葉抽出液80
0〜850ml中に投入して10分間なじませてから約4
5℃まで昇温し、この温度で約45分間加熱処理して染
色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行っ
た。
【0054】〈各種金属触媒による媒染と染色を同時に
行う場合〉上記の茶葉抽出液800〜850ml中に、下
記の触媒を下記の濃度となるように添加すると共に、上
記のタンニン酸・吐酒石処理後の綿生地10gを投入し
た。これを45℃まで昇温し、この温度で約45分間加
熱処理して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、
乾燥を行った。 触 媒 濃 度 木酢酸鉄 3% スズ酸ナトリウム 5%または10% 酢酸クロム 5%または10% 塩化コバルト 5%または10% 消石灰 5%または10% カリミョウバン 5%または10%
【0055】実施例2茶抽出液の調製 純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深む
し)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜2
5℃にて5〜15分撹拌し、ついで炭酸ソーダを加えて
pH 8.4〜8.6 に調節した。これをろ過し、アルカリ性
の茶葉抽出液800〜850mlを得た。このアルカリ性
の茶抽出液を用いて実施例1と同様の操作を行った。
【0056】実施例3茶抽出液の調製 純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深む
し)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜2
5℃にて5〜15分撹拌し、ついで炭酸ソーダを加えて
pH 8.3〜8.5 に調節した。これをろ過し、ろ液に酢酸
をpH 6.0になるまで滴下し、ついでろ過して酸性の茶
葉抽出液800〜850mlを得た。この酸性の茶抽出液
を用いて実施例1と同様の操作を行った。
【0057】〈条件および結果〉以上の条件をまとめる
と次のようになる。 A 被染物: タンニン酸・吐酒石処理後の綿生地 B 茶の種類: 一番茶の粉茶(一番粉茶)、かぶせ、
深むしの3種 C 茶抽出液のpH:6.3〜6.7 、 8.4〜8.6 、 6.0 D 媒染剤: なし、木灰+アルミ液(木灰+AL)、
木酢酸鉄、スズ酸ナトリウム(スズ酸Na)、酢酸クロ
ム、塩化コバルト(塩化Co)、消石灰、カリミョウバン
(カリミョウ) E 媒染剤濃度:0%、 8+12%、3%、5%、10% F 媒染と染色の順序:染色反応のみ(染色のみ)、媒
染反応後に染色反応(媒染後に染色)、同時に媒染反応
と染色反応(媒染染色同時)
【0058】条件の一覧を次の表1〜表4に示す。
【0059】
【表1】 No. A B C D E F 1-0 綿生地 深むし 6.6 なし 0 % 染色のみ 1-1 綿生地 深むし 6.6 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 1-2 綿生地 深むし 6.6 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 1-3 綿生地 深むし 6.6 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 1-4a 綿生地 深むし 6.6 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 1-4b 綿生地 深むし 6.6 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 1-5a 綿生地 深むし 6.6 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 1-5b 綿生地 深むし 6.6 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 1-6 綿生地 深むし 8.4 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 1-7 綿生地 深むし 8.4 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 1-8 綿生地 深むし 8.4 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 1-9a 綿生地 深むし 8.4 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 1-9b 綿生地 深むし 8.4 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 1-10a 綿生地 深むし 8.4 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 1-10b 綿生地 深むし 8.4 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 1-11 綿生地 深むし 6.0 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 1-12 綿生地 深むし 6.0 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 1-13 綿生地 深むし 6.0 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 1-14a 綿生地 深むし 6.0 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 1-14b 綿生地 深むし 6.0 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 1-15a 綿生地 深むし 6.0 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時1-15b 綿生地 深むし 6.0 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時
【0060】
【表2】 No. A B C D E F 2-0 綿生地 かぶせ 6.6 なし 0 % 染色のみ 2-1 綿生地 かぶせ 6.4 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 2-2 綿生地 かぶせ 6.4 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 2-3 綿生地 かぶせ 6.4 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 2-4a 綿生地 かぶせ 6.4 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 2-4b 綿生地 かぶせ 6.4 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 2-5a 綿生地 かぶせ 6.4 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 2-5b 綿生地 かぶせ 6.4 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 2-6 綿生地 かぶせ 8.6 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 2-7 綿生地 かぶせ 8.6 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 2-8 綿生地 かぶせ 8.6 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 2-9a 綿生地 かぶせ 8.6 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 2-9b 綿生地 かぶせ 8.6 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 2-10a 綿生地 かぶせ 8.6 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 2-10b 綿生地 かぶせ 8.6 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 2-11 綿生地 かぶせ 6.0 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 2-12 綿生地 かぶせ 6.0 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 2-13 綿生地 かぶせ 6.0 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 2-14a 綿生地 かぶせ 6.0 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 2-14b 綿生地 かぶせ 6.0 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 2-15a 綿生地 かぶせ 6.0 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時2-15b 綿生地 かぶせ 6.0 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時
【0061】
【表3】 No. A B C D E F 3-0 綿生地 一番粉茶 6.6 なし 0 % 染色のみ 3-1 綿生地 一番粉茶 6.3 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 3-2 綿生地 一番粉茶 6.3 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 3-3 綿生地 一番粉茶 6.3 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 3-4a 綿生地 一番粉茶 6.3 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 3-4b 綿生地 一番粉茶 6.3 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 3-5a 綿生地 一番粉茶 6.3 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 3-5b 綿生地 一番粉茶 6.3 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 3-6 綿生地 一番粉茶 8.4 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 3-7 綿生地 一番粉茶 8.4 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 3-8 綿生地 一番粉茶 8.4 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 3-9a 綿生地 一番粉茶 8.4 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 3-9b 綿生地 一番粉茶 8.4 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 3-10a 綿生地 一番粉茶 8.4 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時 3-10b 綿生地 一番粉茶 8.4 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時 3-11 綿生地 一番粉茶 6.0 AL+木灰 8+12 % 媒染後に染色 3-12 綿生地 一番粉茶 6.0 酢酸銅 10 % 媒染後に染色 3-13 綿生地 一番粉茶 6.0 木酢酸鉄 3 % 媒染染色同時 3-14a 綿生地 一番粉茶 6.0 スズ酸Na 5 % 媒染染色同時 3-14b 綿生地 一番粉茶 6.0 スズ酸Na 10 % 媒染染色同時 3-15a 綿生地 一番粉茶 6.0 酢酸クロム 5 % 媒染染色同時3-15b 綿生地 一番粉茶 6.0 酢酸クロム 10 % 媒染染色同時
【0062】
【表4】 No. A B C D E F 4-1a 綿生地 深むし 6.7 塩化Co 5 % 媒染染色同時 4-1b 綿生地 深むし 6.7 塩化Co 10 % 媒染染色同時 4-2a 綿生地 深むし 6.7 消石灰 5 % 媒染染色同時 4-2b 綿生地 深むし 6.7 消石灰 10 % 媒染染色同時 4-3a 綿生地 深むし 6.7 カリミョウ 5 % 媒染染色同時 4-3b 綿生地 深むし 6.7 カリミョウ 10 % 媒染染色同時 4-4a 綿生地 深むし 8.5 塩化Co 5 % 媒染染色同時 4-4b 綿生地 深むし 8.5 塩化Co 10 % 媒染染色同時 4-5a 綿生地 深むし 8.5 消石灰 5 % 媒染染色同時 4-5b 綿生地 深むし 8.5 消石灰 10 % 媒染染色同時 4-6a 綿生地 深むし 8.5 カリミョウ 5 % 媒染染色同時 4-6b 綿生地 深むし 8.5 カリミョウ 10 % 媒染染色同時 4-7a 綿生地 深むし 6.0 塩化Co 5 % 媒染染色同時 4-7b 綿生地 深むし 6.0 塩化Co 10 % 媒染染色同時 4-8a 綿生地 深むし 6.0 消石灰 5 % 媒染染色同時 4-8b 綿生地 深むし 6.0 消石灰 10 % 媒染染色同時 4-9a 綿生地 深むし 6.0 カリミョウ 5 % 媒染染色同時4-9b 綿生地 深むし 6.0 カリミョウ 10 % 媒染染色同時
【0063】上記の方法を実施することにより、それぞ
れ微妙に異なる独特の色に染着された茶染め綿布が得ら
れた。この染色綿布は、風合、感触が好ましい上、次の
染色堅牢度試験に合格するものであった。
【0064】染色堅牢度 耐光性試験(太陽光線、蛍光灯などの紫外線、赤外
線などの光による影響検査) ・耐光(JISL-04842 3/4級) 4級 洗濯試験(通常の選択により色落ちがどの程度か、
また白生地と一緒に洗濯したとき色が移行するかどうか
の試験、草木染めは弱アルカリ性洗剤により変色する場
合が多いので特に注意が必要である。) ・洗濯(JISL-0844A-2号) 変退色 4級 汚染 5級 汗試験(人間の汗(酸性、アルカリ性)により変色
するかどうかの試験) ・汗(JISL-0848A法) 酸 変退色 4級 汚染 4−5級 アルカリ 変退色 4級 汚染 4−5級
【0065】抗菌性試験 上記の染色綿布の切片(2cm×2cm)を用いて抗菌力新
評価法(防菌防黴、16,2,49−57(198
8))に準じて抗菌力試験を行ったところ(培地:ニュ
ートリエントブロス、ニュートリエント寒天培地、試験
菌:Escherichia coli ATCC 25922、Staphylococcus a
ureus ATCC 25923)、これらの試験株に対して下記のよ
うに明らかな抗菌性が認められた。結果を表5に示す。
【0066】
【表5】 S. aureus ATCC 25923 E. coli ATCC 25922 初発菌数: 2.60×105 初発菌数: 2.58×105 生菌数 活性 (%) 生菌数 活性 (%) SA CA SA CA コントロール 4.75×105 - - 5.90×106 - - No.1-6 5.00×102 99.8 4.25×106 28.0 No.1-8 0 100 1.20×106 79.7 No.1-9b 0 100 3.40×106 42.4 No.4-4b 0 100 7.50×103 97.1 No.4-6b 0 100 3.45×105 99.5 (注)初発菌数、生菌数の単位はcells/g (cloth) 。 CAは殺菌、SAは静菌。
【0067】なおデータの記載は省略するが、綿生地に
代えて麻生地、絹生地を用いたときも、上記と同様の好
ましい結果が得られる。
【0068】〈茶染め綿生地の製造〉 実施例4茶抽出液の調製 水道水2000ml中に深むし茶100g、ソーダ灰9g
を入れ、5分間懸濁させた後、温度20〜25℃にて5
分間撹拌し、ついでろ過し、茶葉抽出液1600〜17
00ml (pH 8.4〜8.6)を得た。
【0069】綿生地の予備処理 綿生地100gを水道水5000ml(浴比1:50)中
に投入し、この液にカチオン化剤(一方社油脂工業株式
会社製の「uk」500ml(uk100g/リットル)
を加え、常温にて5分間浸透させた後、約30分かけて
ゆっくりと約80℃まで加温した。ついでNaOH75
g(NaOH15f/リットル)を、はじめ3/10、
ついで7/10加えて約1時間加熱した。次に綿生地を
取り出して水洗し、この液に酢酸25ml(酢酸5ml/リ
ットル)を加えて中和し、40℃にて5分間浸透させ
た。最後に水洗、脱水して、カチオン処理布を得た。
【0070】媒染−染色反応 木綿用アルミ液5g(5%)を10倍の水に溶解し、こ
の液に上記で調製した茶葉抽出液(100g)1600
〜1700mlを加え、ついで水道水を追加して約8リッ
トルとなした。この液に上記のカチオン処理布100g
を入れてから加温し、85℃にて1時間加熱反応させた
後、水性し(中性洗剤使用)、乾燥した。得られた染色
布はからし色系の美しい色調を有していた。
【0071】抗菌性試験 上記の染色綿布の切片(2cm×2cm)を用いて抗菌力新
評価法(防菌防黴、16,2,49−57(198
8))に準じて抗菌力試験を行ったところ(培地:ニュ
ートリエントブロス、ニュートリエント寒天培地、試験
菌:Escherichia coli ATCC 25922、Staphylococcus a
ureus ATCC 25923)、これらの試験株に対して下記のよ
うに明らかな抗菌性が認められた。結果を表6に示す。
【0072】
【表6】 S. aureus ATCC 25923 E. coli ATCC 25922 初発菌数: 1.90×105 初発菌数: 2.00×105 生菌数 活性 (%) 生菌数 活性 (%) SA CA SA CA コントロール 5.93×106 - - 2.36×108 - - カチオン処理 0 100 1.20×105 40.0 (注)初発菌数、生菌数の単位はcells/g (cloth) 。CA
は殺菌、SAは静菌。
【0073】実施例5 塩化コバルト10g(10%)を10倍の水に溶解し、
この液に実施例4における茶葉抽出液(100g)16
00〜1700mlを加え、ついで水道水を追加して約8
リットルとなした。この液に実施例4におけるカチオン
処理布100gを入れてから加温し、85℃にて1時間
加熱反応させた後、水性し(中性洗剤使用)、乾燥し
た。得られた染色布はゴールド系の美しい色調を有して
いた。
【0074】実施例6 木酢酸鉄5g(5%)を10倍の水に溶解し、この液に
実施例4における茶葉抽出液(100g)1600〜1
700mlを加え、ついで水道水を追加して約8リットル
となした。この液に実施例4におけるカチオン処理布1
00gを入れてから加温し、85℃にて1時間加熱反応
させた後、水性し(中性洗剤使用)、乾燥した。得られ
た染色布は栗皮色系の美しい色調を有していた。
【0075】実施例7 カリミョウバン10g(10%)を10倍の水に溶解
し、この液に実施例4における茶葉抽出液(100g)
1600〜1700mlを加え、ついで水道水を追加して
約8リットルとなした。この液に実施例4におけるカチ
オン処理布100gを入れてから加温し、85℃にて1
時間加熱反応させた後、水性し(中性洗剤使用)、乾燥
した。得られた染色布はカーキ色系の美しい色調を有し
ていた。
【0076】実施例8 タンニン酸10gを水4000mlに溶解して処理液を調
製し、この処理液中に実施例4のカチオン化処理後の処
理布を投入し、約85℃まで加温してから約1時間撹拌
処理し、ついで自然冷却して一夜放置後、水洗、脱水を
行った。
【0077】このカチオン化処理−タンニン酸処理布を
用い、以下実施例4と同様にして媒染−染色反応を行っ
た。得られた染色布は美しい色調を有しており、またす
ぐれた洗濯堅牢度を有していた。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、自然感ある独特の色調
を有すると共に、多種の色調を得ることが可能で、さら
には染着性が良好で、染色堅牢度も高く、また抗菌性を
有する茶染め繊維製品を得ることができる。
【0079】従って本発明の方法により得られる染色繊
維製品は、消費者のナチュラル志向および健康志向に完
全に応えることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の媒染剤のほか、鉄媒染剤(木酢酸
鉄、硫酸第一鉄、硝酸鉄、酢酸第一鉄等の鉄塩)、銅媒
染剤(銅塩)、スズ媒染剤(スズ塩)、クロム媒染剤
(クロム塩)、コバルト媒染剤(コバルト塩)なども用
いることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】綿生地の予備処理 綿生地100gを水道水5000ml(浴比1:50)
中に投入し、この液にカチオン化剤(一方社油脂工業株
式会社製の「uk」500ml(uk100g/リット
ル)を加え、常温にて5分間浸透させた後、約30分か
けてゆっくりと約80℃まで加温した。ついでNaOH
75g(NaOH15/リットル)を、はじめ3/1
0、ついで7/10加えて約1時間加熱した。次に綿生
地を取り出して水洗し、この液に酢酸25ml(酢酸5
ml/リットル)を加えて中和し、40℃にて5分間浸
透させた。最後に水洗、脱水して、カチオン処理布を得
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】媒染−染色反応 木綿用アルミ液5g(5%)を10倍の水に溶解し、こ
の液に上記で調製した茶葉抽出液(100g)1600
〜1700mlを加え、ついで水道水を追加して約8リ
ットルとなした。この液に上記のカチオン処理布100
gを入れてから加温し、85℃にて1時間加熱反応させ
た後、水し(中性洗剤使用)、乾燥した。得られた染
色布はからし色系の美しい色調を有していた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 3/14 9160−4H 3/24 9160−4H 3/60 9160−4H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接
    触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石に
    よる固着処理を行い、ついで茶の抽出物を含む染液と接
    触させて染色反応させることを特徴とする茶染め繊維製
    品の製造法。
  2. 【請求項2】繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接
    触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石に
    よる固着処理を行い、ついで媒染剤を含む媒染液と接触
    させてタンニン酸の固着と媒染とを行ってから、媒染後
    の繊維製品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反
    応させることを特徴とする茶染め繊維製品の製造法。
  3. 【請求項3】繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接
    触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石に
    よる固着処理を行い、ついで媒染剤および茶の抽出物を
    含む媒染−染色液と接触させて、タンニン酸の固着・媒
    染反応および染色反応を同時に行うことを特徴とする茶
    染め繊維製品の製造法。
  4. 【請求項4】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、必要に応じてタンニ
    ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理し、つい
    で茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させるこ
    とを特徴とする茶染め繊維製品の製造法。
  5. 【請求項5】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、必要に応じてタンニ
    ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理し、つい
    で媒染剤を含む媒染液と接触させてから、媒染後の繊維
    製品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させ
    ることを特徴とする茶染め繊維製品の製造法。
  6. 【請求項6】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、必要に応じてタンニ
    ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理し、つい
    で媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触さ
    せて、媒染反応および染色反応を同時に行うことを特徴
    とする茶染め繊維製品の製造法。
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