JP3660891B2 - 抗菌性茶染め繊維製品の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自然感ある独特の色調を有すると共に、多種の色調を得ることが可能で、さらには染着性が良好で、染色堅牢度も高く、また抗菌性を有する茶染め繊維製品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
茶は昔から薬草としても用いられてきたが、一方日本の食文化の中に深く関わって茶文化を形成してきた。近年は日本の社会生活の多様化と共に若者達の茶離れがはじまり、嗜好は烏龍茶(青茶)や紅茶等の発酵茶の需要が大幅に増えたとは言うものの、なお日本の食文化の根幹は日本茶にあると言ってよい。近年、茶の成分や薬効の研究が盛んに行われ、化学的な面からも茶に対する関心が高まっており、一部では抗酸化茶なども生産され、老化予防効果もあるとされている。
【0003】
自然志向が高まってきた今日においては、草木染めが再評価されつつある。草木染めに可能な植物としては極めて多数のものがあげられているが、そのうちの一つに茶染めがある。特に静岡県は日本一の茶の生産地であり、常時野山の茶畑が目に入ることから、その緑色は染色にとって魅力のある色と言える。
【0004】
草木染めのうち茶の抽出物で染色した茶染めに関する文献として、特開昭58−115178号公報には、茶の煮出し液を2〜3日置いた後、上澄み液をとり、その液を生地上に引いた後、媒染剤をその上に引くことにより茶染めする方法が示されている。
【0005】
また特開平3−19985号公報には、碁石茶を水に浸して得た抽出液を被染色生地に刷毛で塗り、乾燥後酢酸水溶液に浸漬し、100℃以内の温度を維持して約30分間放置し、乾燥後金属塩の水溶液に浸漬し50〜60℃の温度を維持して約30分放置し、水洗後乾燥室にて100℃以内の温度で約25分間蒸し上げる碁石茶による染色方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
茶葉は、茶自身が有する酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)によって発酵(酸化)され、摘花直後から速やかに発酵が起こり、内部変化を起こして茶色に変色してしまう。そのため、茶の染色は従来から非常に困難とされ、ほとんど茶色系統の染色、すなわち茶タンニン(カテキン)の酸化された色が茶染めとされていた。
【0007】
特開昭58−115178号公報の茶染め方法は、茶の抽出液を生地上に引いた後、媒染剤をその上に引く方法であるが、染色後の褪色を抑制する点ではある程度の効果があるものの、本質的には従来の茶染めと変らないという限界がある。
【0008】
特開平3−19985号公報の碁石茶による染色方法は、碁石茶の抽出液を被染色生地に塗り、ついで酢酸水溶液で処理し、乾燥後金属塩の水溶液に浸漬するものであるが、上に述べた特開昭58−115178号公報の茶染め方法と大差のない方法を採用しており、やはり本質的には従来の茶染めと変らないという限界がある。
【0009】
なお、特開平1−124691号公報には、食品中の色素とタンニン類とを用いて繊維を染色する染色方法が示されているが、食品の例は、紅心大根、赤色大根、葡萄、紅紫蘇、赤キャベツ、カボチャ、ほうれんそう、オレンジ果肉、蔓ムラサキの種、キィウイフルーツ果肉などの有色の野菜類や果物類であり、茶の抽出物とタンニン酸とを併用することについては記載がない上、抗菌性染色繊維を得ることについても記載がない。
【0010】
本発明は、このような背景下において、自然感ある独特の色調を有すると共に、多種の色調を得ることが可能で、さらには染着性が良好で、染色堅牢度も高く、また抗菌性を有する茶染め繊維製品を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の抗菌性茶染め繊維製品の第1の製造法は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の抗菌性茶染め繊維製品の第2の製造法は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで媒染剤を含む媒染液と接触させてタンニン酸の固着と媒染とを行ってから、媒染後の繊維製品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の抗菌性茶染め繊維製品の第3の製造法は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触させて、タンニン酸の固着・媒染反応および染色反応を同時に行うことを特徴とするものである。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明における繊維製品としては、原繊維、糸、パイル、綿状物、織布、編布、不織布、植毛布などがあげられる。そのほか、紙製品、木製品なども本発明に言う繊維製品に含まれる。
【0016】
これらの繊維製品の材質は、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、あるいはそれらの天然繊維と化学繊維との混紡品、交織品、交編品など任意である。
【0017】
本発明においては、必要に応じ糊抜き、精練、漂白などを行ってから、まず繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触反応させてタンニン酸処理する。以下、タンニン酸処理する場合について先に説明する。
【0018】
タンニン酸としては、精製されたものを用いることもできるが、五倍子、没食子などタンニン酸を多量に含む高タンニン酸含有天然植物の抽出物またはその半精製物をそのまま用いることも好ましい。五倍子は60〜75%程度、没食子は55〜65%程度のタンニン酸を含んでいる。なお精製タンニン酸も、五倍子や没食子を粉砕してエーテルとエタノールとの混合液で抽出し、浸出液に水を加えてタンニン酸を水に移し、さらに必要に応じて精製処理を行うことにより取得されるので、天然物であるということができる。
【0019】
タンニン酸処理時の浴比は繊維製品の重量に対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処理時間は10分〜2時間程度(殊に20分〜1.5 時間程度)、タンニン酸濃度は繊維製品の重量に対し5〜20重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されない。
【0020】
タンニン酸処理後は、タンニン酸を固着させるために吐酒石(酒石酸アンチモンカリ)の 0.2〜10重量%程度(繊維製品の重量に対し)の溶液と接触させることが好ましいが、タンニン酸の固着は次の工程として媒染工程を設けるときにはその媒染工程によっても達成できるので、吐酒石によるタンニン酸の固着工程は省略することもできる。
【0021】
タンニン酸処理後は、媒染剤を含む媒染液と接触反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行う。この工程は任意工程であるが、次工程である染色工程における染着性および染色堅牢度の点で設ける方が好ましい。
【0022】
ここで媒染剤としては、ツバキ灰、サワフタギ灰、ヒサカキ灰、クヌギ灰、アカザ灰、早稲藁灰などの草木灰(木灰や藁灰)を用いることが好ましい。これらの草木灰は、アルミニウムイオンのほか、染色に有用な他の金属イオンやアルカリ物質を含んでいる。
【0023】
また、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバン、焼ミョウバン、カリミョウバンなどのアルミニウム塩や、市販のアルミ液などのアルミナ媒染剤を用いることもできる。さらには上記の草木灰、アルミニウム塩、アルミ液と共に、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリを併用することもできる。
【0024】
上記の媒染剤のほか、鉄媒染剤(木酢酸鉄、硫酸第一鉄、硝酸鉄、酢酸第一鉄等の鉄塩)、銅媒染剤(銅塩)、スズ媒染剤(スズ塩)、クロム媒染剤(クロム塩)、コバルト媒染剤(コバルト塩)なども用いることができる。
【0025】
媒染時の浴比は繊維製品の重量に対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は常温ないし沸騰温度、処理時間は10分〜1時間程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
【0026】
タンニン酸処理後は(さらに媒染を行うときはその媒染後は)、繊維製品を茶の抽出物を含む染液と接触させることにより染色する。これにより種々の色調の染色がなされる。
【0027】
茶は、一番茶、二番茶、三番茶というように分れるが、このうち一番茶は摘むまで約半年間はじっくりと栄養を与えるため、最も有用成分が多く、緑色も良く、おいしいとされている。二番茶、三番茶ともなると、その成分や味が一番茶に比しては悪くなる。
【0028】
そこで、何10種類の茶の中から緑色が良く出ると思われる茶の選定を行い、主として、(a) 一番茶の粉茶(一番茶の中では最も安価である)、(b) 深むし、(c) かぶせ、の3種につき検討を行った。
【0029】
この場合、茶の製造工程途中の半製品、すなわち、摘茶直後に蒸気で蒸すことにより発酵を一時停止させ、茶タンニン(カテキン)を安定させたものが本発明の目的に最適である。この半製品は、いわゆる不発酵茶である。
【0030】
茶からの抽出操作にあたっては、茶の酸化を防ぐことが重要であり、熱を加えると簡単に酸化(発酵)が起きるので、茶の抽出は常温程度の低温下で行うことが望ましい。茶の抽出操作に際しては、先に述べたカテキンなどの特定成分の濃度を高めるようにすることもできる。
【0031】
染色反応処理時の浴比は繊維製品の重量に対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処理時間は20分〜3時間程度(殊に30分〜2時間程度)とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されない。染料濃度は目的に応じ広い範囲から選択しうる。
【0032】
染色工程終了後は、適宜ソーピング、水洗などの後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥する。
【0033】
上記においては媒染剤を含む媒染液と接触反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行ってから、茶の抽出物を含む染液と接触させることにより染色反応させているが、媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触させて、タンニン酸の固着・媒染反応および染色反応を同時に行うようにしてもよい。
【0034】
以上の工程を実施することにより、タンニン酸処理されかつ茶の抽出物で染色された抗菌性茶染め繊維製品が得られる。
【0035】
【作用】
茶の抽出物との染色反応に先立ちタンニン酸処理反応(さらには媒染)を行うと、茶抽出物による染色反応が円滑になされると共に、茶葉中の有効成分と繊維製品との間の結合が確実に行われ、独特の色調が得られると共に、濃い染色も可能となり、かつ染色堅牢度も極めて高くなる。
【0036】
また茶の抽出物による染色により、すぐれた紫外線カット作用が得られ。紫外線カット率は、染色前の生地を基準として90%以上というように高いものである。
【0037】
加えて、この茶染め繊維製品はすぐれた抗菌性を有することが判明した。これは、繊維製品に固着している茶抽出物(またはこれとタンニン酸)の抗菌作用によるものである。この抗菌作用は人体の生態系を冒さない静菌作用であるため、皮膚病やかゆみを有する人体に対し薬用的に使用することも可能である。
【0038】
従って本発明の方法により得られる抗菌性染色繊維製品は、肌と接触する用途、たとえば、下着類、パンティーストッキング、ブラジャー、シャツ類、夜着、シーツ、手袋、帽子、スポーツ用サポータ、水着、包帯、病人用衣類、マスク、履物の内装材または表面材、時計バンド、靴下などに特に有用である。またファッション性を有することから、肌に直接接触しない用途であっても何ら差し支えない。
【0039】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「%」とあるのは重量%である。
【0040】
〈茶染め綿生地の製造〉
実施例1
〈綿生地の予備処理〉
綿生地100gを水3000ml(浴比1:30、酢酸 0.3mlを含む)中に投入し、撹拌しながら80℃まで加温し、この温度で約30分加熱した後、水洗、脱水を行った。
【0041】
〈タンニン酸−吐酒石処理〉
タンニン酸18g(18%owf)を水4000ml(浴比1:40)に溶解して処理液を調製し、この処理液中に上記で酢酸処理した綿生地を投入し、約85℃まで加温してから約1時間撹拌処理し、ついで自然冷却して一夜放置した。放置後の溶液に吐酒石8gを加え、温度85℃にて約1時間撹拌処理した後、水洗、脱水を行った。
【0042】
〈茶抽出液の調製〉
純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深むし)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜25℃にて5〜15分撹拌し、ついでろ過し、茶葉抽出液800〜850ml (pH 6.3〜6.7)を得た。
【0043】
〈染色反応〉
(媒染なしの場合)
上記のタンニン酸−吐酒石処理後の綿生地10gを上記の茶葉抽出液800〜850ml中に投入し、約10分間なじませてから45℃まで昇温し、この温度にて約45分間加熱処理して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0044】
(木灰およびアルミ液による媒染を経る場合)
市販のアルミ液を水に稀釈した8%水溶液にさらに木灰を12%宛添加した。このようにして得られた懸濁液に上記のタンニン酸−吐酒石処理後の綿生地10gを投入し、25分間なじませてから約80℃まで加温し、この温度で約20分撹拌処理した後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0045】
ついでこの処理布を上記の茶葉抽出液800〜850ml中に投入して約10分間なじませてから40〜45℃まで昇温し、この温度で約45分間加熱処理して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0046】
〈酢酸銅による媒染を経る場合〉
酢酸銅を水に添加して10%水溶液とした後、この酢酸銅水溶液に上記のタンニン酸・吐酒石処理後の綿生地10gを投入し、約10分間なじませてから約70℃まで昇温し、この温度で約20分撹拌処理した後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0047】
ついでこの処理布を上記の茶葉抽出液800〜850ml中に投入して10分間なじませてから約45℃まで昇温し、この温度で約45分間加熱処理して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0048】
(各種金属触媒による媒染と染色を同時に行う場合)
上記の茶葉抽出液800〜850ml中に、下記の触媒を下記表1の濃度となるように添加すると共に、上記のタンニン酸・吐酒石処理後の綿生地10gを投入した。これを45℃まで昇温し、この温度で約45分間加熱処理して染色反応させた。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。
【0049】
【表1】
Figure 0003660891
【0050】
実施例2
〈茶抽出液の調製〉
純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深むし)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜25℃にて5〜15分撹拌し、ついで炭酸ソーダを加えてpH 8.4〜8.6 に調節した。これをろ過し、アルカリ性の茶葉抽出液800〜850mlを得た。このアルカリ性の茶抽出液を用いて実施例1と同様の操作を行った。
【0051】
実施例3
〈茶抽出液の調製〉
純水1000ml中に茶(一番茶の粉茶、かぶせ、深むし)50gを入れ、約5分浸透させた後、温度20〜25℃にて5〜15分撹拌し、ついで炭酸ソーダを加えてpH 8.3〜8.5 に調節した。これをろ過し、ろ液に酢酸をpH 6.0になるまで滴下し、ついでろ過して酸性の茶葉抽出液800〜850mlを得た。この酸性の茶抽出液を用いて実施例1と同様の操作を行った。
【0052】
〈条件および結果〉
以上の条件をまとめると次のようになる。
A.被染物:
タンニン酸・吐酒石処理後の綿生地
B.茶の種類:
一番茶の粉茶(一番粉茶)、かぶせ、深むしの3種
C.茶抽出液のpH:
6.3〜6.7 、 8.4〜8.6 、 6.0
D.媒染剤:
なし、木灰+アルミ液(木灰+AL)、木酢酸鉄、スズ酸ナトリウム(スズ酸 Na)、酢酸クロム、塩化コバルト(塩化Co)、消石灰、カリミョウバン(カリミョウ)
E.媒染剤濃度:
0%、 8+12%、3%、5%、10%
F.媒染と染色の順序:
・染色反応のみ(染色のみ)、
・媒染反応後に染色反応(媒染後に染色)、
・同時に媒染反応と染色反応(媒染染色同時)
【0053】
条件の一覧を次の表2〜表5に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0003660891
【0055】
【表3】
Figure 0003660891
【0056】
【表4】
Figure 0003660891
【0057】
【表5】
Figure 0003660891
【0058】
上記の方法を実施することにより、それぞれ微妙に異なる独特の色に染着された茶染め綿布が得られた。この染色綿布は、風合、感触が好ましい上、次の染色堅牢度試験に合格するものであった。
【0059】
〈染色堅牢度〉
▲1▼耐光性試験(太陽光線、蛍光灯などの紫外線、赤外線などの光による影響検査)
・耐光(JISL-04842 3/4級) 4級
▲2▼洗濯試験(通常の選択により色落ちがどの程度か、また白生地と一緒に洗濯したとき色が移行するかどうかの試験、草木染めは弱アルカリ性洗剤により変色する場合が多いので特に注意が必要である。)
・洗濯(JISL-0844A-2号)
変退色 4級
汚染 5級
▲3▼汗試験(人間の汗(酸性、アルカリ性)により変色するかどうかの試験)
・汗(JISL-0848A法)

変退色 4級
汚染 4−5級
アルカリ
変退色 4級
汚染 4−5級
【0060】
〈抗菌性試験〉
上記の染色綿布の切片(2cm×2cm)を用いて抗菌力新評価法(防菌防黴、16,2,49−57(1988))に準じて抗菌力試験を行ったところ(培地:ニュートリエントブロス、ニュートリエント寒天培地、試験菌:Escherichia coli ATCC 25922、Staphylococcus aureus ATCC 25923)、これらの試験株に対して下記のように明らかな抗菌性が認められた。結果を表6に示す。
【0061】
【表6】
Figure 0003660891
【0062】
なおデータの記載は省略するが、綿生地に代えて麻生地、絹生地を用いたときも、上記と同様の好ましい結果が得られる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、自然感ある独特の色調を有すると共に、多種の色調を得ることが可能で、さらには染着性が良好で、染色堅牢度も高く、また抗菌性を有する茶染め繊維製品を得ることができる。
【0064】
従って本発明の方法により得られる抗菌性染色繊維製品は、消費者のナチュラル志向および健康志向に完全に応えることができる。

Claims (3)

  1. 繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させることを特徴とする抗菌性茶染め繊維製品の製造法。
  2. 繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで媒染剤を含む媒染液と接触させてタンニン酸の固着と媒染とを行ってから、媒染後の繊維製品を茶の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させることを特徴とする抗菌性茶染め繊維製品の製造法。
  3. 繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理した後、必要に応じて吐酒石による固着処理を行い、ついで媒染剤および茶の抽出物を含む媒染−染色液と接触させて、タンニン酸の固着・媒染反応および染色反応を同時に行うことを特徴とする抗菌性茶染め繊維製品の製造法。
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