JPH05148773A - 染色繊維製品の製造法 - Google Patents

染色繊維製品の製造法

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JPH05148773A
JPH05148773A JP3336103A JP33610391A JPH05148773A JP H05148773 A JPH05148773 A JP H05148773A JP 3336103 A JP3336103 A JP 3336103A JP 33610391 A JP33610391 A JP 33610391A JP H05148773 A JPH05148773 A JP H05148773A
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JP
Japan
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dyeing
tannic acid
dyed
mordant
extract
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JP3336103A
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Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Okihiro Kawai
沖▲ひろ▼ 川合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シコン抽出物を染料として用いているにもか
かわらず、染着性が良好で、染色堅牢度が高く、しかも
シコン抽出物の有する薬効が最大限に発揮され、さらに
はすぐれた抗菌性や紫外線カット作用を有する染色繊維
製品を製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 綿、麻、絹などできた繊維製品をタンニン酸
を含む前処理液と接触させてタンニン酸処理する。次
に、銅媒染剤を含む媒染液と接触させてタンニン酸の固
着と媒染とを行う。ついで、媒染後の繊維製品をシコン
の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シコン抽出物を染料と
して用いた染色繊維製品を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】天然染料が合成染料により駆逐されて久
しいが、草木染めは、合成染料では出せない独特の渋
さ、落ちつき、光沢、風合を有するため、自然志向が高
まってきた今日においては再評価されつつある。
【0003】草木染めは本来植物染料による染色法を指
すが、天然染料の大部分は植物染料であるため、コチニ
ール、貝紫等の動物性染料、ベレンス青等の鉱物性染料
を含め、天然染料と言う意味で草木染めと称することが
ある。
【0004】草木染めに適用できる天然染料としては、
極めて多種の植物から得られる染料が知られており、シ
コン(紫根)からの抽出物についても古くから知られて
いる。シコン抽出物の主成分はシコニンまたはシコニン
誘導体である。
【0005】「月刊染色α、1986年、No.63、
6月号」の22〜27頁には、「天然染料による染色の
基礎化学」と題する論文が掲載されており、その25頁
には、シコニンはそのままでの染着性は良くないが、シ
コニンの化学構造は金属イオンと配位しやすい構造とな
っているので、先媒染することによりうまく染めること
ができること、椿灰汁で先媒染することが知られている
こと、椿灰汁にはアルミニウムイオンがかなり含まれて
いるからその吸着によって媒染されるのであろうと考え
られること、椿灰汁には鉄イオンも少し含まれているの
で鉄媒染も混在していると推定されることなどが記載さ
れている。
【0006】「月刊染色α、1986年、No.63、
6月号」の52〜58頁には、「天然染料と合成染料の
特性」と題する論文が掲載されており、その56頁の第
3表には、シコニンを用いて直接染法により紫色系の染
色ができること、薬用効果として火傷に有効であること
が記載されている。
【0007】特開昭53−69226号公報には、乾燥
した固形植物染料を所要粉度に粉砕加工して染色効果の
向上および被染物対象の拡大を達成してなる植物染料、
および、その染料で、染着および発色機能を有する媒染
剤を用いて被染物を染上げる煮染法が示されている。煮
染法の実施に際しては後媒染処理が有効であるとしてい
るが、先媒染処理も除外はしていない。植物染料として
殺菌性のあるものを採用すれば、白アリ撃退や虫除けの
効果を持たせることができるとの記載もある。例示のあ
る植物染料は、アカネ、ムラサキ、ウコン、アイ、スオ
ウ、フシノキ、ベニバナ、シコン、エンジュ、カリヤ
ス、キハダ、クチナシ、シブキ、クルミ、タンガラ、チ
ョウジ、ツルバミ、ビロウジ、ミロバラン、ヤシャであ
るが、実施例には「うこん」の例しかあげられていな
い。
【0008】特開昭60−126388号公報には、有
機溶媒により紫根等の天然染料から色素を抽出して染色
原液を製造する工程、被染色物をアルミン酸およびケイ
酸塩を含む媒染液に浸漬した後固く絞り、これを数回連
続して行い被染色物を精練する工程、精練された被染色
物を上記染色原液に浸漬させた後、この被染色物を没食
子酸水溶液に浸漬し、その後必要に応じて被染色物を上
記染色原液と媒染液とに交互に浸漬を繰り返して被染色
物を染色する工程からなる染色法が示されている。
【0009】特開平1−124691号公報の従来法の
説明の個所には、下着類の染色においては、合成染料に
比してより安全な天然染料が使用され、たとえば、紅花
や紫根などの天然染料を使用するいわゆる草木染めなど
が行われている旨の記載がある。
【0010】特開昭60−149512号公報には、水
溶性アルミニウム塩を媒染剤として、再生フィブロリン
の微粉末を紫根色素等の天然色素で媒染染色して得られ
た着色顔料によって着色されているメイクアップ化粧料
が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の草木染めは、染
色工程が煩雑であることのほか、特に木綿や麻に対して
は染着性および染色堅牢度が劣り、その物質特有の個性
の持続性に乏しいという弱点があり、この点が草木染め
の最大の問題点になっている。また一般に草木染めは、
自然志向の趨性には沿うものの、新たな機能性の発現に
は必ずしもつながらないという限界がある。
【0012】殊にシコン抽出物を染料として用いる場合
は、染着性および染色堅牢度(特に耐光性)が劣るた
め、古くから知られているにもかかわらず品質的な問題
点を抱えていた。
【0013】シコン抽出物による染着性、染色堅牢度を
上げるため、先に述べたように媒染剤を用いる方法や媒
染と染色とを繰り返す方法などが試みられているが、未
だ満足しうる段階には至っていないのが現状である。
【0014】そのため、シコン抽出物により染色した染
色製品は、染色染着性および染色堅牢度の問題点だけで
なく、シコン抽出物が本来有する薬効が充分には発現し
ないという問題点がある。
【0015】本発明は、このような背景下において、シ
コン抽出物を染料として用いているにもかかわらず、染
着性が良好で、染色堅牢度が高く、しかもシコン抽出物
の有する薬効が最大限に発揮され、さらにはすぐれた抗
菌性および紫外線カット作用を有する染色繊維製品を製
造する方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の染色繊維製品の
製造法は、繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接触
させてタンニン酸処理した後、銅媒染剤を含む媒染液と
接触させてタンニン酸の固着と媒染とを行い、ついで媒
染後の繊維製品をシコンの抽出物を含む染液と接触させ
て染色反応させることを特徴とするものである。
【0017】以下本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明における繊維製品としては、原繊
維、糸、パイル、綿状物、織布、編布、不織布、植毛布
などがあげられる。そのほか、紙製品、木製品なども本
発明に言う繊維製品に含まれる。
【0019】これらの繊維製品の材質は、木綿、麻、
絹、羊毛など、あるいはそれらと化学繊維との混紡品、
交織品、交編品など任意であるが、特に従来の草木染め
では染着性が劣り、堅牢度も低かった木綿や麻にも適用
できる点が本発明の特長の一つでもある。
【0020】本発明においては、必要に応じ糊抜き、精
練、漂白などを行ってから、まず繊維製品をタンニン酸
を含む前処理液と接触反応させてタンニン酸処理する。
このタンニン酸処理工程は欠くことのできない工程であ
る。
【0021】タンニン酸としては、精製されたものを用
いることもできるが、五倍子、没食子などタンニン酸を
多量に含む高タンニン酸含有天然植物の抽出物またはそ
の半精製物をそのまま用いることも好ましい。五倍子は
60〜75%程度、没食子は55〜65%程度のタンニ
ン酸を含んでいる。なお精製タンニン酸も、五倍子や没
食子を粉砕してエーテルとエタノールとの混合液で抽出
し、浸出液に水を加えてタンニン酸を水に移し、さらに
必要に応じて精製処理を行うことにより取得されるの
で、天然物であるということができる。
【0022】タンニン酸処理時の浴比は繊維製品の重量
に対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、
浴温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処
理時間は10分〜2時間程度(殊に20分〜1.5 時間程
度)、タンニン酸濃度は繊維製品の重量に対し5〜20
重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限
定されるものではない。
【0023】タンニン酸処理後、タンニン酸を固着させ
るために吐酒石(酒石酸アンチモンカリ)の 0.2〜3重
量%程度(繊維製品の重量に対し)の溶液と接触させる
ことが好ましいが、タンニン酸の固着は次の工程である
媒染工程によっても達成できるので、吐酒石によるタン
ニン酸の工程は省略することもできる。
【0024】タンニン酸処理後は、銅媒染剤を含む媒染
液と接触反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行う。
この工程は重要であり、この工程を経ないと次工程であ
る染色工程における染着性および染色堅牢度が不足する
ようになる。
【0025】ここで銅媒染剤としては、酢酸銅、硫酸
銅、塩化第一銅、硝酸銅などが用いられる。これらの中
では、染色の鮮やかさの点で酢酸銅が特に好ましく、硫
酸銅も良い結果を与える。この場合、銅媒染剤と共に、
ツバキ灰、サワフタギ灰、ヒサカキ灰、クヌギ灰、アカ
ザ灰、早稲藁灰、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、ミョウバン、焼ミョウバン、カ
リミョウバン、市販のアルミ液などを併用することも好
ましい。
【0026】シコンを用いた草木染めの媒染剤としては
アルミナ媒染剤(アルミニウム塩)が知られているが、
銅媒染剤を用いた場合ほどのすぐれた染着性、染色堅牢
度は得られない。
【0027】媒染時の浴比は繊維製品の重量に対し10
〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は常温
ないし沸騰温度、処理時間は10分〜1時間程度、銅媒
染剤濃度は銅イオン換算で繊維製品の重量に対し3〜1
5重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に
限定されるものではない。
【0028】タンニン酸処理および媒染後は、繊維製品
をシコンの抽出物を含む染液と接触させることにより染
色する。このようにタンニン酸処理および媒染を行って
から染色処理を行うことが重要であり、染色処理後にた
とえ銅媒染剤を用いて「後媒染」を行っても、期待する
ほどの効果は得られない。なおシコン抽出物と共に当帰
抽出物を併用することも好ましく、当帰以外の他の植物
の抽出物を併用することもできる。
【0029】シコン(紫根)はムラサキ科(Boraginacea
e)の植物の根であり、硬紫根であるムラサキ(Lithosper
mum erythrorhizon Siebold et Zuccarini) の根茎、軟
紫根であるムラサキ科のMacrotomia euchroma Pauls の
根茎とがある。シコンは、漢方では、消炎作用、止血作
用、鎮痛作用、ただれ・かぶれ・ひび・しもやけ・皮膚
病・火傷・凍傷・湿疹・外傷・痔疾等の治癒作用がある
とされている。シコンの水または有機溶剤(アルコー
ル、ケトン、エーテル、含ハロゲン溶剤、芳香族炭化水
素等)による抽出物は、シコニン、シコニン誘導体をは
じめとするナフトキノン系の色素化合物を含んでいる。
シコン抽出物は、組織培養によっても得ることができ
る。
【0030】当帰はセリ科の多年性草であり、その根の
抽出物は強壮・鎮静・補血・浄血・通経等に効があると
されている。
【0031】当帰と紫根の抽出物を用いて軟膏とした紫
雲膏は、皮膚病・湿疹・火傷等に有効であるが、シコン
抽出物と共に当帰抽出物を併用して染色を行うと、染色
性を損なうことなく皮膚疾患治療や皮膚美容にとって一
段と有効な染色製品を得ることができる。
【0032】染色反応処理時の浴比は繊維製品の重量に
対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴
温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処理
時間は20分〜3時間程度(殊に30分〜2時間程度)
とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されな
い。染料濃度は目的に応じ広い範囲から選択しうる。
【0033】染色工程終了後は、適宜ソーピング、水洗
などの後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥す
る。
【0034】以上の工程を実施することにより、タンニ
ン酸処理され、銅媒染剤で媒染され、さらにシコンの抽
出物で染色された染色繊維製品が得られる。
【0035】
【作用】染色反応に先立ちタンニン酸処理反応および銅
媒染剤による媒染を行うと、シコンの抽出物による染色
反応が円滑になされると共に、シコン中の有効成分と繊
維製品との間の結合が確実に行われ、濃い染色が可能と
なりかつ染色堅牢度も極めて高くなる。
【0036】そしてシコン抽出物による染色により自然
感ある独特の紫色の色調および風合が得られると共に、
シコン中の有効成分が固着されているので、その有効成
分による消炎作用、止血作用、鎮痛作用、ただれ・かぶ
れ・ひび・しもやけ・皮膚病・火傷・凍傷・湿疹・外傷
・痔疾等の治癒作用などの薬効が損なわれることなく発
揮される。
【0037】加えて、この染色繊維製品は好ましい抗菌
性を有することが判明した。これは、繊維製品に固着し
ているシコン有効成分の抗菌作用に、同じく繊維製品に
固着しているタンニン酸の抗菌作用が加わったことによ
るものである。なお、一般的には、タンニン酸で下処理
してから染色を行っても抗菌作用が現われないことが多
いので、シコン抽出物による染色反応はタンニン酸の持
つ抗菌性を引き出す作用を有するものと考えられる。こ
の抗菌作用は人体の生態系を冒さない静菌作用であるた
め、皮膚病やかゆみを有する人体に対し薬用的に使用す
ることも可能である。
【0038】従って本発明の染色繊維製品は、肌と接触
する用途、たとえば、下着類、パンティーストッキン
グ、ブラジャー、シャツ類、夜着、シーツ、手袋、帽
子、スポーツ用サポータ、水着、包帯、病人用衣類、マ
スク、履物の内装材または表面材、時計バンド、靴下な
どに特に有用である。またファッション性を有すること
から、肌に直接接触しない用途であっても何ら差し支え
ない。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは、全光線透過率
(%)および紫外線カット率(%)を除き、重量基準で
表わしたものである。なお「%owf 」とあるのは、被染
物である繊維製品の重量に対するパーセントを意味す
る。
【0040】実施例1綿生地の予備処理 綿生地100gを水3000ml(浴比1:30、酢酸
0.3mlを含む)中に投入し、撹拌しながら80℃にまで
加温し、この温度で約30分加熱した後、水洗、脱水を
行った。
【0041】タンニン酸−吐酒石処理 タンニン酸18g(18%owf)を水4000ml(浴比
1:40)に溶解して処理液を調製し、この処理液中に
上記で酢酸処理した綿生地を投入し、約85℃まで加温
してから約1時間撹拌処理し、ついで自然冷却して一夜
放置した。放置後の溶液に吐酒石8gを加え、温度85
℃にて約1時間撹拌処理した後、水洗、脱水を行った。
【0042】灰−銅媒染剤処理 サワフタギ灰50gを水4000ml(浴比1:40)に
懸濁させ、さらに酢酸銅 (CH3COO)2・H2O を 0.3g(0.3
%owf)を加えて溶解させた。この液に上記で処理した綿
生地を投入し、約95℃まで加温して約15分間撹拌処
理した後、水洗を2回行い、さらに脱水を行った。
【0043】シコン抽出液の調製 軟紫根500g(500%owf)をメタノール2500ml
に加え、室温にて1昼夜放置し、抽出染色液を得た。
【0044】染色反応 上記で得たシコン抽出液に水を加えて全量を4000ml
(浴比1:40)とし、この染液に上記の灰−酢酸銅処
理した綿生地を投入し、撹拌しながら温度65℃にまで
加温し、この温度で約30分間加熱して染色反応させ
た。染色反応後、水洗、脱水、乾燥を行った。これによ
り、自然感ある独特の色調(やや赤味がかった紫色)に
染着されたシコン染色綿布が得られた。この染色綿布
は、風合、感触も好ましいものであった。
【0045】HPLCによる検索 この染色綿布につきHPLC(高速液体クロマトグラフ
ィー)による検索を行ったが、水による抽出では、アセ
チルシコニン、イソブチルシコニンなどシコニン誘導体
は明確に検出されたが、予想に反しシコニンの含有が定
性的に確認できなかった。また染色布からの溶媒による
ナフトキノン系色素の抽出が困難であり、このことは本
発明のシコン染色繊維製品の安定性を裏付けるものであ
った。
【0046】抗菌性試験 この染色綿布の切片(2cm×2cm)を用いて抗菌力新評
価法(防菌防黴、16,2,49−57(1988))
に準じて抗菌力試験を行ったところ(培地:ニュートリ
エントブロス、ニュートリエント寒天培地、試験菌:Es
cherichia coli ATCC 25922、Staphylococcus aureus A
TCC 25923)、これらの試験株に対して下記のように明
らかな抗菌性が認められた。 ・ E. coli ATCC 25922 初発菌数:2.40×105 cells/g (cloth) 生菌数: 0 cells/g (cloth) Contorolは 3.05×108 cells/g (cloth) 活性CA(殺菌): 100% ・ S. aureus ATCC 25923 初発菌数:4.95×105 cells/g (cloth) 生菌数: 0 cells/g (cloth) Contorolは 4.48×106 cells/g (cloth) 活性CA(殺菌): 100%
【0047】染色堅牢度試験 またこのシコン染色綿布につき、財団法人日本紡績検査
協会浜松検査所に堅牢度テストを依頼して、次の試験を
行った。 耐光性試験(太陽光線、蛍光灯などの紫外線、赤外
線などの光による影響検査) 洗濯試験(通常の選択により色落ちがどの程度か、
また白生地と一緒に洗濯したとき色が移行するかどうか
の試験、草木染めは弱アルカリ性洗剤により変色する場
合が多いので特に注意が必要である。) 汗試験(人間の汗(酸性、アルカリ性)により変色
するかどうかの試験)
【0048】結果は次の通りであった。 染色堅牢度 ・耐光(JISL-0842 3/4 級) 3級未満(2級) ・洗濯(JISL-0844A-2号) 変退色 4級 汚染 4−5級 ・汗(JISL-0848A法) 酸 変退色 4級 汚染 4−5級 アルカリ 変退色 5級 汚染 4−5級
【0049】上記の染色堅牢度試験では耐光性が不足し
ているように見えるが、従来の紫根染めでは耐光性が全
く劣っていたのと対比すると、耐光性が格段に向上して
いることがわかる。洗濯試験、汗試験の結果も好ましい
ものであり、本発明のシコン染色綿布が、従来にない草
木染めとしての品質を有していることが客観的にも証明
された。
【0050】キセノンランプ照射による色調変化 さらに、紫外線照射による色調変化を見るため、島津キ
セノンランプXW−150形(光フィルタは7UV・I
Rフィルタ)を用いて照射を試みた。当初は分刻みによ
る照射を行ったが、ほとんど変化がなかったため、10
時間単位で照射を行った。その結果、30時間位から退
色変化がはじまり、100時間経過布でも紫色はかなり
残留していた。従来のシコン染め品は4〜5時間程度の
照射により退色するので、この試験結果は驚異的なもの
である。なおキセノンランプによる10時間の照射は、
戸外を含む実際の使用条件下においてはおおよそ1年程
度に相当するものと考ええられる。
【0051】紫外線カット性試験 上記で得たシコン染色綿布と原布として用いた綿生地に
つき、下記の条件で紫外線透過率を測定した。 測定機本体 島津UV−3101PC 付属装置 積分球付属装置ISR−3100 積分球内径 60mmφ 測定波長 220〜420nm
【0052】結果を図1に示す。縦軸は全光線透過率
(%)、横軸は波長(nm)である。図1から、360nm
および305nmにおける全光線透過率を読みとると次の
ようになる。
【0053】紫外線カット率は、360nmの場合が95.4
%、305nmの場合が95.4%であり、この結果から、シ
コン染色綿布は極めてすぐれた紫外線カット作用を有す
ることがわかる。
【0054】着用試験 さらにこのシコン染色綿布と同様の染色綿布を上記と同
手順で多数作成し、縫製により肌着(パンティーおよび
ブリーフ)としてから、皮膚病に悩む各年代の男女12
名に着用させて通常の綿製の肌着を着用した場合と対比
させたところ、シコン染色品の方が良いと判定した者が
8名、差なしと判定した者が4名、シコン染色品の方が
劣ると判定したものが0名であった。
【0055】実施例2 実施例1の灰−銅媒染剤処理において酢酸銅 (CH3COO)2
・H2O 0.3g(0.3%owf)に代えて硫酸銅 CuSO4・5 H2O
0.4g(0.4%owf)を用い、かつシコン抽出液の調製にお
いて軟紫根500g(500%owf)に代えて硬紫根50
0g(500%owf)を用い、さらにシコン抽出液の調製
に際し軟紫根500gと共に当帰400gを併用したほ
かは、実施例1を繰り返した。
【0056】このときの染色綿布の色調は、やや青味が
かった紫色であった。染色堅牢度、紫外線カット性試験
の結果は次の通りであった。
【0057】染色堅牢度 ・耐光(JISL-0842 3/4 級) 3級未満(2級) ・洗濯(JISL-0844A-2号) 変退色 4級 汚染 4−5級 ・汗(JISL-0848A法) 酸 変退色 4級 汚染 4−5級 アルカリ 変退色 5級 汚染 4−5級
【0058】紫外線カット性試験の結果を図2に示す。
図2から、360nmおよび305nmにおける全光線透過
率を読みとると次のようになる。紫外線カット率は、3
60nmの場合が95.1%、305nmの場合が95.2%であ
る。
【0059】HPLCによる検索、抗菌性試験、キセノ
ンランプ照射による色調変化、着用試験の結果は、実施
例1と同様であった。
【0060】実施例3 実施例1の灰−銅媒染剤処理に代えて次の処理を行っ
た。すなわち、木灰12gを水120ml(浴比1:1
0)に投入して30分間煮沸を行い、この木灰液にカリ
ウムミョウバン KAl(SO4)2・12 H2O 7.4gと酢酸銅
(CH3COO)2・H2O 0.3gとを水1000mlに溶解した液
を混合し、木灰液総量4000mlとした。この液に上記
で処理した綿生地を投入し、約95℃まで加温して約1
5分間撹拌処理した後、水洗を2回行い、さらに脱水を
行った。
【0061】他の条件は実施例1と同じにして実施例1
を繰り返したところ、このときの染色綿布の色調は、や
や青味がかった紫色であった。風合、感触、染色堅牢
度、他の諸機能は、いずれも好ましいものであった。
【0062】実施例4 実施例1の灰−銅媒染剤処理に代えて次の処理を行っ
た。すなわち、木灰12gを水120ml(浴比1:1
0)に投入して30分間煮沸を行い、この木灰液に木綿
用アルミ液(田中直製) 6.0mlと酢酸銅 (CH3COO)2・H2
O 0.3gとを水1000mlに溶解した液を混合し、木灰
液総量4000mlとした。この液に上記で処理した綿生
地を投入し、約95℃まで加温して約15分間撹拌処理
した後、水洗を2回行い、さらに脱水を行った。
【0063】他の条件は実施例1と同じにして実施例1
を繰り返したところ、このときの染色綿布の色調は、や
や青味がかった紫色であった。風合、感触、染色堅牢
度、紫外線カット性は、いずれも好ましいものであっ
た。
【0064】実施例5 タンニン酸に代えて五倍子抽出液を用いたほかは実施例
1を繰り返したところ、実施例1とほぼ同様の色調、風
合、感触、染色堅牢度、機能を有するシコン染色綿布が
得られた。
【0065】比較例1 酢酸銅の添加を省略したほかは実施例1を繰り返した。
しかしながら、得られた染色綿布は色が薄く、染色むら
が認められる上、洗濯による堅牢度が劣り、実施例1で
得られた染色綿布に比し劣っていた。
【0066】比較例2 硫酸銅の添加を省略したほかは実施例2を繰り返した。
しかしながら、得られた染色綿布は色が薄く、染色むら
が認められる上、洗濯による堅牢度が劣り、実施例2で
得られた染色綿布に比し劣っていた。
【0067】比較例3 酢酸銅の添加を省略したほかは実施例3を繰り返した。
しかしながら、得られた染色綿布は色が薄く、染色むら
が認められる上、洗濯による堅牢度が劣り、実施例3で
得られた染色綿布に比し劣っていた。
【0068】実施例6 綿生地に代えて麻生地を用いたほかは実施例1を繰り返
したところ、実施例1とほぼ同様の色調、風合、感触、
染色堅牢度、諸機能を有するシコン染色麻生地が得られ
た。
【0069】実施例7 綿生地に代えて絹地を用いたほかは実施例1を繰り返し
たところ、実施例1とほぼ同様の色調、風合、感触、染
色堅牢度、諸機能を有するシコン染色絹地が得られた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、従来は染色堅牢度が劣
るとされていたシコン抽出物を用いているにかかわら
ず、絹や羊毛はもとより、木綿、麻など従来草木染めの
難しいとされていた被染物に対しても染着性良く染色す
ることができ、自然感ある独特の色調および風合を有す
ると共に、染色堅牢度の極めて高い染色繊維製品を得る
ことができる。
【0071】しかも得られた染色繊維製品は、皮膚にや
さしく、消炎作用、止血作用、鎮痛作用、ただれ・かぶ
れ・ひび・しもやけ・皮膚病・火傷・凍傷・湿疹・外傷
・痔疾等の治癒作用などの薬効を奏し、さらにはすぐれ
た抗菌性および紫外線カット性を示すという機能的な特
長も有している。
【0072】従って本発明の染色繊維製品は、消費者の
ナチュラル志向および健康志向に完全に応えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシコン染色綿布およびその原布とし
て用いた綿生地の紫外線透過率の測定結果を示したグラ
フである。
【図2】実施例2のシコン染色綿布およびその原布とし
て用いた綿生地の紫外線透過率の測定結果を示したグラ
フである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 5/00 106 9160−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維製品をタンニン酸を含む前処理液と接
    触させてタンニン酸処理した後、銅媒染剤を含む媒染液
    と接触させてタンニン酸の固着と媒染とを行い、ついで
    媒染後の繊維製品をシコンの抽出物を含む染液と接触さ
    せて染色反応させることを特徴とする染色繊維製品の製
    造法。
  2. 【請求項2】繊維製品が天然繊維製の繊維製品である請
    求項1記載の製造法。
JP3336103A 1991-11-25 1991-11-25 染色繊維製品の製造法 Withdrawn JPH05148773A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100384557B1 (ko) * 2001-09-19 2003-05-23 원희규 자외선의 투과방지를 위한 양산용 원단
KR20030073897A (ko) * 2002-03-13 2003-09-19 정 룡 천연약초를 접목한 원적외선방사를 통한 수맥파 및유해전자파 소멸기능을 갖춘 생리활성 섬유의 제조방법.
CN105625057A (zh) * 2014-10-27 2016-06-01 恒源祥(集团)有限公司 一种高色牢度天然染料染色羊毛织物的加工方法
CN105625058A (zh) * 2014-10-27 2016-06-01 恒源祥(集团)有限公司 一种利用天然染料染色羊毛织物的加工方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100384557B1 (ko) * 2001-09-19 2003-05-23 원희규 자외선의 투과방지를 위한 양산용 원단
KR20030073897A (ko) * 2002-03-13 2003-09-19 정 룡 천연약초를 접목한 원적외선방사를 통한 수맥파 및유해전자파 소멸기능을 갖춘 생리활성 섬유의 제조방법.
CN105625057A (zh) * 2014-10-27 2016-06-01 恒源祥(集团)有限公司 一种高色牢度天然染料染色羊毛织物的加工方法
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